JP3484857B2 - 複合粒子強化樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
複合粒子強化樹脂組成物の製造方法Info
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- JP3484857B2 JP3484857B2 JP02450496A JP2450496A JP3484857B2 JP 3484857 B2 JP3484857 B2 JP 3484857B2 JP 02450496 A JP02450496 A JP 02450496A JP 2450496 A JP2450496 A JP 2450496A JP 3484857 B2 JP3484857 B2 JP 3484857B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は優れた剛性、耐熱性
と耐衝撃性、靭性を合わせ持つ樹脂組成物を製造する方
法に関するものである。
と耐衝撃性、靭性を合わせ持つ樹脂組成物を製造する方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、エンジニアリングプラスチックの
高性能化に対する要求は一層高まりつつあるが、それに
対応して熱可塑性樹脂材料の特性を改良する試みが行な
われている。例えば、Polymer,26,1855(1985) にはナイ
ロン66にエラストマ成分を配合し、微分散化すること
により、高い衝撃強度が発現することが示されている。
また、一般に樹脂材料に無機質の充填剤を添加すること
により、材料の耐熱性を向上させたり、剛性を高めるこ
とも公知である。しかしながら、これらの改質を行なっ
た場合、別の特性が損なわれることが多い。例えば、材
料の衝撃強度を高める目的でエラストマ成分を配合した
場合には、耐熱性や剛性が損なわれ、逆に材料の耐熱性
や剛性を高めるために種々の無機充填剤や強化剤を配合
した場合にはIzod衝撃強度や、面衝撃強度が損なわれる
ため、衝撃強度と耐熱性あるいは剛性を同時に改良する
ことは極めて困難な課題である。
高性能化に対する要求は一層高まりつつあるが、それに
対応して熱可塑性樹脂材料の特性を改良する試みが行な
われている。例えば、Polymer,26,1855(1985) にはナイ
ロン66にエラストマ成分を配合し、微分散化すること
により、高い衝撃強度が発現することが示されている。
また、一般に樹脂材料に無機質の充填剤を添加すること
により、材料の耐熱性を向上させたり、剛性を高めるこ
とも公知である。しかしながら、これらの改質を行なっ
た場合、別の特性が損なわれることが多い。例えば、材
料の衝撃強度を高める目的でエラストマ成分を配合した
場合には、耐熱性や剛性が損なわれ、逆に材料の耐熱性
や剛性を高めるために種々の無機充填剤や強化剤を配合
した場合にはIzod衝撃強度や、面衝撃強度が損なわれる
ため、衝撃強度と耐熱性あるいは剛性を同時に改良する
ことは極めて困難な課題である。
【0003】また、ガラス繊維などの繊維状強化剤を配
合することにより、剛性および耐熱性を改良すると同時
にノッチ付きIzod衝撃強度が向上することも知られては
いるが、この方法とて面衝撃強度、ノッチなしIzod衝撃
強度は非強化系に比べ、逆に低下する傾向があり、材料
の伸度の低下や、繊維状強化剤の配向の影響のために生
ずる機械的特性の異方性や反りの問題などがエンジニア
リング材料にとって好ましからざる影響を与えている。
合することにより、剛性および耐熱性を改良すると同時
にノッチ付きIzod衝撃強度が向上することも知られては
いるが、この方法とて面衝撃強度、ノッチなしIzod衝撃
強度は非強化系に比べ、逆に低下する傾向があり、材料
の伸度の低下や、繊維状強化剤の配向の影響のために生
ずる機械的特性の異方性や反りの問題などがエンジニア
リング材料にとって好ましからざる影響を与えている。
【0004】一方、繊維形状以外の無機質充填剤を樹脂
材料に添加する際に生じる衝撃強度の低下を抑える目的
で種々の検討が行なわれてきた。例えば、特開昭61−
36340号公報にはガラスビーズに対して1重量%以
下の被覆剤により被覆する方法が開示されている。しか
しながら、かかる方法による材料はガラスビーズの添加
による衝撃強度の低下を抑える効果は認められるもの
の、非充填系に比べ低い衝撃強度のものしか得られてい
ない。また、記載されている方法では十分な引張り破断
伸度や面衝撃強度は得られないことが分かった。
材料に添加する際に生じる衝撃強度の低下を抑える目的
で種々の検討が行なわれてきた。例えば、特開昭61−
36340号公報にはガラスビーズに対して1重量%以
下の被覆剤により被覆する方法が開示されている。しか
しながら、かかる方法による材料はガラスビーズの添加
による衝撃強度の低下を抑える効果は認められるもの
の、非充填系に比べ低い衝撃強度のものしか得られてい
ない。また、記載されている方法では十分な引張り破断
伸度や面衝撃強度は得られないことが分かった。
【0005】一般的に、無機質充填剤を用いた材料にお
いては剛性、耐熱性の向上と引き替えに、材料の延性的
性質が損なわれ、引張り伸び、面衝撃試験における延性
破壊性といった特性は改良の余地がある。とりわけ、樹
脂材料に高速で硬い物体が衝突することを想定して行わ
れる高速面衝撃試験においては、無機質充填剤を使用し
た場合、脆性に破壊する傾向があり、剛性、耐熱性を高
めつつ延性破壊可能な材料を提供することが一つの課題
である。
いては剛性、耐熱性の向上と引き替えに、材料の延性的
性質が損なわれ、引張り伸び、面衝撃試験における延性
破壊性といった特性は改良の余地がある。とりわけ、樹
脂材料に高速で硬い物体が衝突することを想定して行わ
れる高速面衝撃試験においては、無機質充填剤を使用し
た場合、脆性に破壊する傾向があり、剛性、耐熱性を高
めつつ延性破壊可能な材料を提供することが一つの課題
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は上述
の問題を解消すること即ち、衝撃強度、破断伸び、延性
破壊性と耐熱性、剛性という相反する特性を同時に改良
し、その上、機械的特性の異方性の小さい成形品を与え
得る、従来のエンジニアリングプラスチック材料では達
成困難であった特性を有する組成物を得ることを課題と
する。
の問題を解消すること即ち、衝撃強度、破断伸び、延性
破壊性と耐熱性、剛性という相反する特性を同時に改良
し、その上、機械的特性の異方性の小さい成形品を与え
得る、従来のエンジニアリングプラスチック材料では達
成困難であった特性を有する組成物を得ることを課題と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すな
わち、本発明は、(A)熱可塑性樹脂と、(B)無機質
充填剤、(C)−10℃以下のガラス転移温度を有する
弾性重合体および(D)反応性の相容性改質剤からなる
樹脂組成物であって、該弾性重合体(C)の該組成物中
における分散粒子のうち30%以上が該無機質充填剤
(B)と界面を接する形で存在することを特徴とする複
合粒子強化樹脂組成物を製造する方法であって、(1)
無機質充填剤(B)が−10℃以下のガラス転移温度を
有する弾性重合体(C)で被覆された複合粒子(I)を
製造する工程、(2)上記(1)の工程で製造された複
合粒子(I)と熱可塑性樹脂(A)を溶融混練する工
程、からなり、(2)の工程を(D)反応性相容性改質
剤の存在下で行うことを特徴とする複合粒子強化樹脂組
成物の製造方法に関するものである。
解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すな
わち、本発明は、(A)熱可塑性樹脂と、(B)無機質
充填剤、(C)−10℃以下のガラス転移温度を有する
弾性重合体および(D)反応性の相容性改質剤からなる
樹脂組成物であって、該弾性重合体(C)の該組成物中
における分散粒子のうち30%以上が該無機質充填剤
(B)と界面を接する形で存在することを特徴とする複
合粒子強化樹脂組成物を製造する方法であって、(1)
無機質充填剤(B)が−10℃以下のガラス転移温度を
有する弾性重合体(C)で被覆された複合粒子(I)を
製造する工程、(2)上記(1)の工程で製造された複
合粒子(I)と熱可塑性樹脂(A)を溶融混練する工
程、からなり、(2)の工程を(D)反応性相容性改質
剤の存在下で行うことを特徴とする複合粒子強化樹脂組
成物の製造方法に関するものである。
【0008】
【発明の実施の態様】本発明の製造方法は、(1)無機
質充填剤(B)が−10℃以下のガラス転移温度を有す
る弾性重合体(C)で被覆された複合粒子(I)を製造
する工程、および(2)上記(1)の工程で製造された
複合粒子(I)と熱可塑性樹脂(A)を溶融混練する工
程からなり、(2)の工程は(D)反応性の相溶性改質
剤の存在下で行われる。
質充填剤(B)が−10℃以下のガラス転移温度を有す
る弾性重合体(C)で被覆された複合粒子(I)を製造
する工程、および(2)上記(1)の工程で製造された
複合粒子(I)と熱可塑性樹脂(A)を溶融混練する工
程からなり、(2)の工程は(D)反応性の相溶性改質
剤の存在下で行われる。
【0009】本発明に用いる熱可塑性樹脂(A)は特に
限定するものではないが、本発明の目的即ち、エンジニ
アリングプラスチックの高性能化の要求に応えるという
点に鑑み、一般の成形品用途に供されているもの、即
ち、ポリエチレンやポリプロピレンに代表される汎用プ
ラスチック、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレ
ート樹脂のような汎用エンジニアリングプラスチック、
PPSや液晶ポリエステルに代表されるスーパーエンジ
ニアリングプラスチックなどから適宜選択することがで
きる。
限定するものではないが、本発明の目的即ち、エンジニ
アリングプラスチックの高性能化の要求に応えるという
点に鑑み、一般の成形品用途に供されているもの、即
ち、ポリエチレンやポリプロピレンに代表される汎用プ
ラスチック、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレ
ート樹脂のような汎用エンジニアリングプラスチック、
PPSや液晶ポリエステルに代表されるスーパーエンジ
ニアリングプラスチックなどから適宜選択することがで
きる。
【0010】上記本発明に使用する熱可塑性樹脂(A)
は融点がある場合は、150℃以上であるものが好まし
い。熱可塑性樹脂(A)が融点を持たない場合は、ガラ
ス転移温度が100℃以上であるものを好ましく選択で
きる。また、ASTM D790法に従い、測定した2
3℃における成形品の曲げ弾性率が1.5GPa以上の
ものが好ましく、特に曲げ弾性率が2.0GPa以上の
ものが好ましい。熱可塑性樹脂(A)として具体的に
は、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性
ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
アミド樹脂、ポリアリーレンスルフィド樹脂、フッ素樹
脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポ
リエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹
脂などが挙げられるが、さらに好ましくは、ポリエステ
ル樹脂、ポリアミド樹脂およびポリアリーレンスルフィ
ド樹脂から選ばれたものである。これらは一種または二
種以上で用いられる。
は融点がある場合は、150℃以上であるものが好まし
い。熱可塑性樹脂(A)が融点を持たない場合は、ガラ
ス転移温度が100℃以上であるものを好ましく選択で
きる。また、ASTM D790法に従い、測定した2
3℃における成形品の曲げ弾性率が1.5GPa以上の
ものが好ましく、特に曲げ弾性率が2.0GPa以上の
ものが好ましい。熱可塑性樹脂(A)として具体的に
は、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性
ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
アミド樹脂、ポリアリーレンスルフィド樹脂、フッ素樹
脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポ
リエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹
脂などが挙げられるが、さらに好ましくは、ポリエステ
ル樹脂、ポリアミド樹脂およびポリアリーレンスルフィ
ド樹脂から選ばれたものである。これらは一種または二
種以上で用いられる。
【0011】本発明に好ましく使用できる熱可塑性樹脂
についてさらに詳しく記述すると、まず、ここでいうポ
リエステル樹脂としては、芳香環を重合体の連鎖単位に
有する熱可塑性のポリエステルで、通常、[芳香族ジカ
ルボン酸(あるいはそのエステル形成性誘導体)とジオ
ール(あるいはそのエステル形成性誘導体)]および/
またはヒドロキシカルボン酸とを主成分とする縮合反応
により得られる重合体ないしは共重合体であり、液晶性
のものであっても非液晶性のものであってもよい。
についてさらに詳しく記述すると、まず、ここでいうポ
リエステル樹脂としては、芳香環を重合体の連鎖単位に
有する熱可塑性のポリエステルで、通常、[芳香族ジカ
ルボン酸(あるいはそのエステル形成性誘導体)とジオ
ール(あるいはそのエステル形成性誘導体)]および/
またはヒドロキシカルボン酸とを主成分とする縮合反応
により得られる重合体ないしは共重合体であり、液晶性
のものであっても非液晶性のものであってもよい。
【0012】ここでいう芳香族ジカルボン酸としてはテ
レフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−
ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、3,3’−
ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテ
ルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルメタンジカルボ
ン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、
4,4’−ジフェニルイソプロピリデンジカルボン酸、
1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカル
ボン酸、2,5−アントラセンジカルボン酸、4,4”
−p−ターフェニレンジカルボン酸、2,5−ピリジン
ジカルボン酸などであり、なかでもテレフタル酸が好ま
しく使用できる。
レフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、1,5−
ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、3,3’−
ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテ
ルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルメタンジカルボ
ン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、
4,4’−ジフェニルイソプロピリデンジカルボン酸、
1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカル
ボン酸、2,5−アントラセンジカルボン酸、4,4”
−p−ターフェニレンジカルボン酸、2,5−ピリジン
ジカルボン酸などであり、なかでもテレフタル酸が好ま
しく使用できる。
【0013】これらの芳香族ジカルボン酸は二種以上を
混合して使用してもよい。なお20モル%以下の少量で
あれば、これらの芳香族ジカルボン酸とともにアジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸など
の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸な
どの脂環式ジカルボン酸を一種以上混合使用してもよ
い。
混合して使用してもよい。なお20モル%以下の少量で
あれば、これらの芳香族ジカルボン酸とともにアジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸など
の脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸な
どの脂環式ジカルボン酸を一種以上混合使用してもよ
い。
【0014】また、ジオール成分としては、エチレング
リコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3
−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、デカメチレングリコールなどの脂肪族
ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの
脂環式ジオール、ビスフェノールA、ビスフェノール
S、ビスフェノールF、4,4’−ジヒドロキシビフェ
ニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ハ
イドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,
7−ジヒドロキシナフタレンなどの芳香族ジオールおよ
びこれらの混合物などが挙げられる。なお、少量であれ
ば、分子量400〜6000の長鎖ジオール、すなわち
ポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレング
リコール、ポリテトラメチレングリコールなどを一種以
上共重合せしめてもよい。
リコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3
−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、デカメチレングリコールなどの脂肪族
ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの
脂環式ジオール、ビスフェノールA、ビスフェノール
S、ビスフェノールF、4,4’−ジヒドロキシビフェ
ニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ハ
イドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,
7−ジヒドロキシナフタレンなどの芳香族ジオールおよ
びこれらの混合物などが挙げられる。なお、少量であれ
ば、分子量400〜6000の長鎖ジオール、すなわち
ポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレング
リコール、ポリテトラメチレングリコールなどを一種以
上共重合せしめてもよい。
【0015】また、ヒドロキシカルボン酸としては、p
−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、6−
ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4’−ヒドロキシ−ビフ
ェニル−4−カルボン酸などが挙げられる。
−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安息香酸、6−
ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4’−ヒドロキシ−ビフ
ェニル−4−カルボン酸などが挙げられる。
【0016】本発明に使用するポリエステル樹脂の具体
例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リヘキシレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−
ナフタレンジカルボキシレート、ポリブチレン−2,6
−ナフタレンジカルボキシレート、ポリエチレン−1,
2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキ
シレートなどのほか、ポリエチレンイソフタレート/テ
レフタレート、ポリブチレンイソフタレート/テレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート/デカンジカルボ
キシレート、ポリエチレン−4,4’−ジカルボキシレ
ート/テレフタレート、p−オキシ安息香酸/ポリエチ
レンテレフタレート、p−オキシ安息香酸/6−オキシ
−2−ナフトエ酸などのような共重合ポリエステルが挙
げられる。これらのうち、機械的性質、成形性などのバ
ランスの点でポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレン
ジカルボキシレートが特に好ましく使用できる。
例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リヘキシレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−
ナフタレンジカルボキシレート、ポリブチレン−2,6
−ナフタレンジカルボキシレート、ポリエチレン−1,
2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキ
シレートなどのほか、ポリエチレンイソフタレート/テ
レフタレート、ポリブチレンイソフタレート/テレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート/デカンジカルボ
キシレート、ポリエチレン−4,4’−ジカルボキシレ
ート/テレフタレート、p−オキシ安息香酸/ポリエチ
レンテレフタレート、p−オキシ安息香酸/6−オキシ
−2−ナフトエ酸などのような共重合ポリエステルが挙
げられる。これらのうち、機械的性質、成形性などのバ
ランスの点でポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレン
ジカルボキシレートが特に好ましく使用できる。
【0017】本発明において特に好ましく使用できる芳
香族ポリエステルの内、ポリブチレンテレフタレートは
0.5W/V%のo−クロロフェノール溶液中で25℃
において測定した固有粘度が、0.80〜1.9、特に
1.0〜1.5の範囲のものが好ましく、また、ポリエ
チレンテレフタレートの場合は上記と同条件で測定した
固有粘度が0.36〜1.60、特に0.52〜1.3
5の範囲のものが好ましい。
香族ポリエステルの内、ポリブチレンテレフタレートは
0.5W/V%のo−クロロフェノール溶液中で25℃
において測定した固有粘度が、0.80〜1.9、特に
1.0〜1.5の範囲のものが好ましく、また、ポリエ
チレンテレフタレートの場合は上記と同条件で測定した
固有粘度が0.36〜1.60、特に0.52〜1.3
5の範囲のものが好ましい。
【0018】ポリアミド樹脂としては、例えば、環状ラ
クタムの開環重合物、アミノカルボン酸の重縮合物、ジ
カルボン酸とジアミンの重縮合物などが挙げられ、具体
的にはナイロン6、ナイロン4・6、ナイロン6・6、
ナイロン6・10、ナイロン6・12、ナイロン11、
ナイロン12などの脂肪族ポリアミド、ポリ(メタキシ
レンアジパミド)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルア
ミド)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)、ポ
リ(テトラメチレンイソフタルアミド)などの脂肪族−
芳香族ポリアミド、およびこれらの共重合体や混合物を
挙げることができる。特に本発明に好適なポリアミド樹
脂としてはナイロン6、ナイロン6・6が挙げられる。
クタムの開環重合物、アミノカルボン酸の重縮合物、ジ
カルボン酸とジアミンの重縮合物などが挙げられ、具体
的にはナイロン6、ナイロン4・6、ナイロン6・6、
ナイロン6・10、ナイロン6・12、ナイロン11、
ナイロン12などの脂肪族ポリアミド、ポリ(メタキシ
レンアジパミド)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルア
ミド)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)、ポ
リ(テトラメチレンイソフタルアミド)などの脂肪族−
芳香族ポリアミド、およびこれらの共重合体や混合物を
挙げることができる。特に本発明に好適なポリアミド樹
脂としてはナイロン6、ナイロン6・6が挙げられる。
【0019】ポリアリーレンスルフィド樹脂としてはポ
リフェニレンスルフィド樹脂が好ましく、架橋タイプ、
直鎖タイプのいずれも用いることができる。
リフェニレンスルフィド樹脂が好ましく、架橋タイプ、
直鎖タイプのいずれも用いることができる。
【0020】次に、本発明における(B)無機質充填剤
としては、特に限定されるものではないが、好ましい例
として、例えばワラステナイト、セリサイト、カオリ
ン、クレー、マイカ、タルク、モンモリロナイトなどの
珪酸塩、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ジ
ルコニウム、酸化チタンなどの金属酸化物、炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫
酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウムなどの
硫酸塩、ガラスビーズ、ガラスフレーク、窒化ホウ素、
炭化ケイ素、窒化ケイ素、チタン酸カリウムなどが挙げ
られ、これらは中空のものであってもよい(例えばガラ
スマイクロバルーン、シラスバルーン、カーボンバルー
ンなど)。
としては、特に限定されるものではないが、好ましい例
として、例えばワラステナイト、セリサイト、カオリ
ン、クレー、マイカ、タルク、モンモリロナイトなどの
珪酸塩、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ジ
ルコニウム、酸化チタンなどの金属酸化物、炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫
酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウムなどの
硫酸塩、ガラスビーズ、ガラスフレーク、窒化ホウ素、
炭化ケイ素、窒化ケイ素、チタン酸カリウムなどが挙げ
られ、これらは中空のものであってもよい(例えばガラ
スマイクロバルーン、シラスバルーン、カーボンバルー
ンなど)。
【0021】これらのうち形態的には粒状および/また
は板状のシリカ、アルミナ、ガラスビーズ、炭酸カルシ
ウム、タルク、マイカ、クレー、カオリンなどが特に好
ましく、とりわけ好ましい例としてタルク、マイカ、ク
レー、カオリン等の板状のものが挙げられる。
は板状のシリカ、アルミナ、ガラスビーズ、炭酸カルシ
ウム、タルク、マイカ、クレー、カオリンなどが特に好
ましく、とりわけ好ましい例としてタルク、マイカ、ク
レー、カオリン等の板状のものが挙げられる。
【0022】また、無機質粒子の平均粒径は0.1〜1
0μmのものが好ましく、平均粒径が0.1〜5μmの
ものがより好ましく、0.5〜5μmのものがさらに好
ましく使用できる。ここでいう平均粒径とは、沈降法で
測定した、積重率50%時の粒子径を意味する。
0μmのものが好ましく、平均粒径が0.1〜5μmの
ものがより好ましく、0.5〜5μmのものがさらに好
ましく使用できる。ここでいう平均粒径とは、沈降法で
測定した、積重率50%時の粒子径を意味する。
【0023】これら無機質粒子はシラン系、チタネート
系などのカップリング剤、その他表面処理剤で処理され
ているものが好ましく、特にシラン系カップリング剤で
処理されているものが好ましく使用できる。
系などのカップリング剤、その他表面処理剤で処理され
ているものが好ましく、特にシラン系カップリング剤で
処理されているものが好ましく使用できる。
【0024】好ましいシラン系カップリング剤として
は、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシ
シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン等を例示することができ、特にγ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニル
トリメトキシシランが好ましく、公知の方法により無機
質充填剤に対して処理できる。
は、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシ
シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリメトキシシラン等を例示することができ、特にγ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニル
トリメトキシシランが好ましく、公知の方法により無機
質充填剤に対して処理できる。
【0025】本発明で無機質充填剤を被覆するのに使用
する−10℃以下のガラス転移温度を有する弾性重合体
(C)成分としては、特に限定されるものではなく、
(i)エチレン、炭素数3以上のα−オレフィン、非共
役ジエン、酢酸ビニル、ビニルアルコール、α,β−不
飽和カルボン酸のアルキルエステル類、共役ジエン系単
量体、芳香族ビニル炭化水素系単量体から選ばれた1種
以上を含む単量体を重合してなる重合体、あるいは、強
化しようとする樹脂との間に化学結合を形成可能な官能
基を有する重合体であることが好ましいが、無機質粒子
(A)と弾性重合体(B)の界面接着性、弾性重合体
(B)による無機質粒子(A)の被覆構造形成の点では
後者の方がより好ましい。
する−10℃以下のガラス転移温度を有する弾性重合体
(C)成分としては、特に限定されるものではなく、
(i)エチレン、炭素数3以上のα−オレフィン、非共
役ジエン、酢酸ビニル、ビニルアルコール、α,β−不
飽和カルボン酸のアルキルエステル類、共役ジエン系単
量体、芳香族ビニル炭化水素系単量体から選ばれた1種
以上を含む単量体を重合してなる重合体、あるいは、強
化しようとする樹脂との間に化学結合を形成可能な官能
基を有する重合体であることが好ましいが、無機質粒子
(A)と弾性重合体(B)の界面接着性、弾性重合体
(B)による無機質粒子(A)の被覆構造形成の点では
後者の方がより好ましい。
【0026】ここでいうガラス転移温度とは、示差走査
熱量分析で10℃/分の昇温速度で観察されるガラス転
移温度として定義するものであり、本発明で用いる弾性
重合体(C)はガラス転移温度が−10℃以下である必
要があり、−20℃以下のものが好ましい。
熱量分析で10℃/分の昇温速度で観察されるガラス転
移温度として定義するものであり、本発明で用いる弾性
重合体(C)はガラス転移温度が−10℃以下である必
要があり、−20℃以下のものが好ましい。
【0027】また、化学結合とはファンデルワールス力
よりも強い相互作用を有する化学結合であり、具体的に
は共有結合、イオン結合、水素結合などが挙げられる。
よりも強い相互作用を有する化学結合であり、具体的に
は共有結合、イオン結合、水素結合などが挙げられる。
【0028】上記「強化しようとする樹脂との間に化学
結合を形成可能な官能基を有する重合体」としては、強
化しようとする樹脂との間に強化しようとする樹脂の末
端のヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基等、主
鎖を構成するエステル結合、アミド結合、イミド結合、
エーテル結合、炭化水素基、芳香環等と結合形成可能な
官能基を有する重合体であり、例えば、カルボキシル
基、ヒドロキシル基、アミノ基、酸無水物基、酸塩化物
基、エポキシ基、イソシアネート基、エステル基等を有
する重合体が挙げられる。これらの官能基の反応には触
媒を必要とするものも含まれる。
結合を形成可能な官能基を有する重合体」としては、強
化しようとする樹脂との間に強化しようとする樹脂の末
端のヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基等、主
鎖を構成するエステル結合、アミド結合、イミド結合、
エーテル結合、炭化水素基、芳香環等と結合形成可能な
官能基を有する重合体であり、例えば、カルボキシル
基、ヒドロキシル基、アミノ基、酸無水物基、酸塩化物
基、エポキシ基、イソシアネート基、エステル基等を有
する重合体が挙げられる。これらの官能基の反応には触
媒を必要とするものも含まれる。
【0029】弾性重合体(C)成分に使用する単量体と
して例示される(i)エチレン、炭素数3以上のα−オ
レフィン、非共役ジエン、酢酸ビニル、ビニルアルコー
ル、α,β−不飽和カルボン酸のアルキルエステル類、
共役ジエン系単量体、芳香族ビニル炭化水素系単量体か
ら選ばれた1種以上の単量体のうち炭素数3以上のα−
オレフィンとしてはプロピレン、ブテン−1、ペンテン
−1、3−メチルペンテン−1、オクタセン−1などで
あり、プロピレン、ブテン−1が好ましく使用できる。
非共役ジエンとは5−メチリデン−2−ノルボルネン、
5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−
ノルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5
−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−クロチル−
2−ノルボルネン、5−(2−メチル−2−ブテニル)
−2−ノルボルネン、5−(2−エチル−2−ブテニ
ル)−2−ノルボルネン、5−メチル−5−ビニルノル
ボルネンなどのノルボルネン化合物、ジシクロペンタジ
エン、メチルテトラヒドロインデン、4,7,8,9−
テトラヒドロインデン、1,5−シクロオクタジエン、
1,4−ヘキサジエン、イソプレン、6−メチル−1,
5−ヘプタジエン、11−エチル−1,11−トリデカ
ジエンなどであり、好ましくは5−メチリデン−2−ノ
ルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシ
クロペンタジエン、1,4−ヘキサジエンなどである。
α,β−不飽和カルボン酸のアルキルエステル類とは、
アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン
酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン
酸、ブテンジカルボン酸等のアルキルエステルを指す。
また、共役ジエン系単量体としては、例えば1,3−ブ
タジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエ
ン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3
−ペンタジエンなどを例示することができる。芳香族ビ
ニル炭化水素系単量体の例としては、スチレン、α−メ
チルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、1,3−ジメチルスチレン、ビニルナフタレンなど
が挙げられ、中でもスチレンが好ましく使用できる。
して例示される(i)エチレン、炭素数3以上のα−オ
レフィン、非共役ジエン、酢酸ビニル、ビニルアルコー
ル、α,β−不飽和カルボン酸のアルキルエステル類、
共役ジエン系単量体、芳香族ビニル炭化水素系単量体か
ら選ばれた1種以上の単量体のうち炭素数3以上のα−
オレフィンとしてはプロピレン、ブテン−1、ペンテン
−1、3−メチルペンテン−1、オクタセン−1などで
あり、プロピレン、ブテン−1が好ましく使用できる。
非共役ジエンとは5−メチリデン−2−ノルボルネン、
5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−
ノルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5
−イソプロペニル−2−ノルボルネン、5−クロチル−
2−ノルボルネン、5−(2−メチル−2−ブテニル)
−2−ノルボルネン、5−(2−エチル−2−ブテニ
ル)−2−ノルボルネン、5−メチル−5−ビニルノル
ボルネンなどのノルボルネン化合物、ジシクロペンタジ
エン、メチルテトラヒドロインデン、4,7,8,9−
テトラヒドロインデン、1,5−シクロオクタジエン、
1,4−ヘキサジエン、イソプレン、6−メチル−1,
5−ヘプタジエン、11−エチル−1,11−トリデカ
ジエンなどであり、好ましくは5−メチリデン−2−ノ
ルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシ
クロペンタジエン、1,4−ヘキサジエンなどである。
α,β−不飽和カルボン酸のアルキルエステル類とは、
アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン
酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン
酸、ブテンジカルボン酸等のアルキルエステルを指す。
また、共役ジエン系単量体としては、例えば1,3−ブ
タジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエ
ン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3
−ペンタジエンなどを例示することができる。芳香族ビ
ニル炭化水素系単量体の例としては、スチレン、α−メ
チルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、1,3−ジメチルスチレン、ビニルナフタレンなど
が挙げられ、中でもスチレンが好ましく使用できる。
【0030】これらの単量体の中ではアクリル酸および
/またはメタアクリル酸のアルキルエステル類がより好
ましく使用できる。アクリル酸および/またはメタアク
リル酸のアルキルエステル類としては、例えば、メチル
アクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアク
リレート、イソ−プロピルアクリレート、n−ブチルア
クリレート、t−ブチルアクリレート、n−ヘキシルア
クリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−デ
シルアクリレート、ラウリルアクリレート、メチルメタ
アクリレート、エチルメタアクリレート、n−プロピル
メタアクリレート、イソ−プロピルメタアクリレート、
n−ブチルメタアクリレート、t−ブチルメタアクリレ
ート、n−ヘキシルメタアクリレート、n−デシルメタ
アクリレート、ラウリルメタアクリレートなどアルキル
アクリレートおよび/またはアルキルメタアクリレート
から選ばれた単量体を使用することができ、これらは、
2種以上を併用して使用してもよい。これらの中では、
n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、
n−プロピルメタアクリレート、n−ブチルメタアクリ
レート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘキシルメタ
アクリレート等がとりわけ好ましく使用でき、n−ブチ
ルアクリレートがさらに好ましい。
/またはメタアクリル酸のアルキルエステル類がより好
ましく使用できる。アクリル酸および/またはメタアク
リル酸のアルキルエステル類としては、例えば、メチル
アクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアク
リレート、イソ−プロピルアクリレート、n−ブチルア
クリレート、t−ブチルアクリレート、n−ヘキシルア
クリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−デ
シルアクリレート、ラウリルアクリレート、メチルメタ
アクリレート、エチルメタアクリレート、n−プロピル
メタアクリレート、イソ−プロピルメタアクリレート、
n−ブチルメタアクリレート、t−ブチルメタアクリレ
ート、n−ヘキシルメタアクリレート、n−デシルメタ
アクリレート、ラウリルメタアクリレートなどアルキル
アクリレートおよび/またはアルキルメタアクリレート
から選ばれた単量体を使用することができ、これらは、
2種以上を併用して使用してもよい。これらの中では、
n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、
n−プロピルメタアクリレート、n−ブチルメタアクリ
レート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘキシルメタ
アクリレート等がとりわけ好ましく使用でき、n−ブチ
ルアクリレートがさらに好ましい。
【0031】また、上記(i)に加えて(ii)分子中
に1個以上の炭素−炭素二重結合および強化しようとす
る樹脂との間に化学結合を形成可能な官能基を有する一
種以上の単量体および/または(iii)分子中に1個
以上の炭素−炭素二重結合およびジ−またはトリ−アル
コキシシリル基を有する単量体成分を共重合したものも
好ましい例として挙げられる。
に1個以上の炭素−炭素二重結合および強化しようとす
る樹脂との間に化学結合を形成可能な官能基を有する一
種以上の単量体および/または(iii)分子中に1個
以上の炭素−炭素二重結合およびジ−またはトリ−アル
コキシシリル基を有する単量体成分を共重合したものも
好ましい例として挙げられる。
【0032】また、上記(ii)の分子中に1個以上の
炭素−炭素二重結合および強化しようとする樹脂との間
に化学結合を形成可能な官能基を有する一種以上の単量
体としては、1個以上の重合性の炭素−炭素二重結合以
外に、本発明の製造方法における第(1)の工程で製造
する複合粒子(I)を用いて強化しようとする熱可塑性
樹脂と化学反応により共有結合を形成可能な官能基や熱
可塑性樹脂分子との間でイオン結合や水素結合等の化学
結合を形成し、熱可塑性樹脂との間に強い相互作用を持
つことのできる官能基を有する単量体である。具体的に
は、熱可塑性樹脂の末端のヒドロキシル基、カルボキシ
ル基、アミノ基等、主鎖を構成するエステル結合、アミ
ド結合、イミド結合、エーテル結合、炭化水素基、芳香
環等と結合形成可能な官能基であり、例えば、カルボキ
シル基、ヒドロキシル基、アミノ基、酸無水物基、酸塩
化物基、エポキシ基、イソシアネート基、エステル基等
が挙げられる。これらの官能基の反応には触媒を必要と
するものも含まれる。
炭素−炭素二重結合および強化しようとする樹脂との間
に化学結合を形成可能な官能基を有する一種以上の単量
体としては、1個以上の重合性の炭素−炭素二重結合以
外に、本発明の製造方法における第(1)の工程で製造
する複合粒子(I)を用いて強化しようとする熱可塑性
樹脂と化学反応により共有結合を形成可能な官能基や熱
可塑性樹脂分子との間でイオン結合や水素結合等の化学
結合を形成し、熱可塑性樹脂との間に強い相互作用を持
つことのできる官能基を有する単量体である。具体的に
は、熱可塑性樹脂の末端のヒドロキシル基、カルボキシ
ル基、アミノ基等、主鎖を構成するエステル結合、アミ
ド結合、イミド結合、エーテル結合、炭化水素基、芳香
環等と結合形成可能な官能基であり、例えば、カルボキ
シル基、ヒドロキシル基、アミノ基、酸無水物基、酸塩
化物基、エポキシ基、イソシアネート基、エステル基等
が挙げられる。これらの官能基の反応には触媒を必要と
するものも含まれる。
【0033】このような単量体の好ましい例として、分
子中に1個以上の炭素−炭素二重結合を有する不飽和カ
ルボン酸またはその誘導体が挙げられる。α,β−不飽
和カルボン酸としてはアクリル酸、メタアクリル酸、エ
タアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イ
タコン酸、シトラコン酸、ブテンジカルボン酸、テトラ
ヒドロフタル酸などであり、その誘導体としては、アリ
ールエステル、グリシジルエステル、酸無水物、イミド
を例として挙げることができるが、α,β−不飽和カル
ボン酸の官能基を持たないアルキルエステル類は上記
(i)の成分として定義されているので、(ii)の成
分の単量体には含めない。また、後述の(iii)項で
定義される分子中に1個以上の炭素−炭素二重結合およ
びジ−またはトリ−アルコキシシリル基を有する単量体
に含まれるものも(ii)の成分の単量体には含めな
い。これら(ii)の成分のうち、無水マレイン酸、無
水イタコン酸、テトラヒドロフタル酸無水物などの酸無
水物、メタクリル酸グリシジルなどのグリシジルエステ
ルが特に好ましい。
子中に1個以上の炭素−炭素二重結合を有する不飽和カ
ルボン酸またはその誘導体が挙げられる。α,β−不飽
和カルボン酸としてはアクリル酸、メタアクリル酸、エ
タアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イ
タコン酸、シトラコン酸、ブテンジカルボン酸、テトラ
ヒドロフタル酸などであり、その誘導体としては、アリ
ールエステル、グリシジルエステル、酸無水物、イミド
を例として挙げることができるが、α,β−不飽和カル
ボン酸の官能基を持たないアルキルエステル類は上記
(i)の成分として定義されているので、(ii)の成
分の単量体には含めない。また、後述の(iii)項で
定義される分子中に1個以上の炭素−炭素二重結合およ
びジ−またはトリ−アルコキシシリル基を有する単量体
に含まれるものも(ii)の成分の単量体には含めな
い。これら(ii)の成分のうち、無水マレイン酸、無
水イタコン酸、テトラヒドロフタル酸無水物などの酸無
水物、メタクリル酸グリシジルなどのグリシジルエステ
ルが特に好ましい。
【0034】また、上記(iii)分子中に1個以上の
炭素−炭素二重結合およびジ−またはトリ−アルコキシ
シリル基を有する単量体の具体例としては、ビニルトリ
メトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル・
トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビ
ニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン塩酸塩等が挙げられる。
炭素−炭素二重結合およびジ−またはトリ−アルコキシ
シリル基を有する単量体の具体例としては、ビニルトリ
メトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル・
トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビ
ニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン塩酸塩等が挙げられる。
【0035】弾性重合体(C)成分において、上記
(i)エチレン、炭素数3以上のα−オレフィン、非共
役ジエン、酢酸ビニル、ビニルアルコール、α,β−不
飽和カルボン酸のアルキルエステル類、共役ジエン系単
量体、芳香族ビニル炭化水素系単量体から選ばれた1種
以上の単量体、(ii)分子中に1個以上の炭素−炭素
二重結合および強化しようとする樹脂との間に化学結合
を形成可能な官能基を有する一種以上の単量体および
(iii)分子中に1個以上の炭素−炭素二重結合およ
びジ−またはトリ−アルコキシシリル基を有する単量体
成分の共重合比は(i)成分50〜99重量%に対して
(ii)成分50〜1重量%、(iii)成分0〜20
重量%が好ましいが、単量体の構成成分およびその使用
比率は弾性重合体(C)成分のガラス転移温度が−10
℃以下となるように考慮する必要がある。
(i)エチレン、炭素数3以上のα−オレフィン、非共
役ジエン、酢酸ビニル、ビニルアルコール、α,β−不
飽和カルボン酸のアルキルエステル類、共役ジエン系単
量体、芳香族ビニル炭化水素系単量体から選ばれた1種
以上の単量体、(ii)分子中に1個以上の炭素−炭素
二重結合および強化しようとする樹脂との間に化学結合
を形成可能な官能基を有する一種以上の単量体および
(iii)分子中に1個以上の炭素−炭素二重結合およ
びジ−またはトリ−アルコキシシリル基を有する単量体
成分の共重合比は(i)成分50〜99重量%に対して
(ii)成分50〜1重量%、(iii)成分0〜20
重量%が好ましいが、単量体の構成成分およびその使用
比率は弾性重合体(C)成分のガラス転移温度が−10
℃以下となるように考慮する必要がある。
【0036】本発明の方法で製造する複合粒子強化樹脂
組成物は(A)熱可塑性樹脂と、(B)無機質充填剤、
(C)−10℃以下のガラス転移温度を有する弾性重合
体および(D)反応性の相容性改質剤の4成分からなる
樹脂組成物であって、無機質充填剤(B)と弾性重合体
(C)の合計に対して、弾性重合体(C)が1〜50重
量%であることが好ましく、特に好ましくは1〜30重
量%であり、熱可塑性樹脂(A)、無機質充填剤(B)
および弾性重合体(C)の合計に対し、無機質充填剤
(B)と弾性重合体(C)の合計が1〜70重量%であ
ることが好ましく、特に好ましくは10〜40重量%で
ある。
組成物は(A)熱可塑性樹脂と、(B)無機質充填剤、
(C)−10℃以下のガラス転移温度を有する弾性重合
体および(D)反応性の相容性改質剤の4成分からなる
樹脂組成物であって、無機質充填剤(B)と弾性重合体
(C)の合計に対して、弾性重合体(C)が1〜50重
量%であることが好ましく、特に好ましくは1〜30重
量%であり、熱可塑性樹脂(A)、無機質充填剤(B)
および弾性重合体(C)の合計に対し、無機質充填剤
(B)と弾性重合体(C)の合計が1〜70重量%であ
ることが好ましく、特に好ましくは10〜40重量%で
ある。
【0037】本発明の製造方法により製造される複合粒
子強化樹脂組成物においては、組成物中の弾性重合体
(C)の分散粒子のうち30%以上が該無機質充填剤
(B)と界面を接する形で存在する必要があり、50%
以上が好ましい。(A)、(B)及び(C)の三成分か
らなる該組成物においては通常、(C)弾性重合体は熱
可塑性樹脂(A)とは完全には相溶せず、独立した分散
相を形成する傾向がある。ここでは、少なくとも分散粒
子の一部分が(B)無機質充填剤と界面を接する形で存
在する(C)成分の分散相(分散粒子)割合が(C)成
分全体の30%以上(好ましくは50%以上)存在する
ものである。ただし、ここにおける評価方法としては、
透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、組成物の超薄切片
を観察することにより、弾性重合体(C)の分散粒子数
が最低10観察される視野について観察を行い、弾性重
合体(C)の全分散粒子面積とそのうち無機質充填剤
(B)と界面を接している分散粒子の面積によって評価
したものである。この際に、無機質充填剤(B)と界面
を接する形で存在する弾性重合体(C)の分散形態とし
ては図1a〜dに示すような形態を例示することができ
る。図1a〜dは(B)成分と(C)成分の界面を接す
る種々の例を示した断面図であり、熱可塑性樹脂1のマ
トリクス中に無機質充填剤2が弾性重合体3と界面を接
する形で存在している。逆に、本発明において無機質充
填剤(B)と全く界面を接することなく、熱可塑性樹脂
(A)中に独立して存在する弾性重合体(C)の分散粒
子が70%未満であることが必要であり、50%未満が
好ましい。
子強化樹脂組成物においては、組成物中の弾性重合体
(C)の分散粒子のうち30%以上が該無機質充填剤
(B)と界面を接する形で存在する必要があり、50%
以上が好ましい。(A)、(B)及び(C)の三成分か
らなる該組成物においては通常、(C)弾性重合体は熱
可塑性樹脂(A)とは完全には相溶せず、独立した分散
相を形成する傾向がある。ここでは、少なくとも分散粒
子の一部分が(B)無機質充填剤と界面を接する形で存
在する(C)成分の分散相(分散粒子)割合が(C)成
分全体の30%以上(好ましくは50%以上)存在する
ものである。ただし、ここにおける評価方法としては、
透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、組成物の超薄切片
を観察することにより、弾性重合体(C)の分散粒子数
が最低10観察される視野について観察を行い、弾性重
合体(C)の全分散粒子面積とそのうち無機質充填剤
(B)と界面を接している分散粒子の面積によって評価
したものである。この際に、無機質充填剤(B)と界面
を接する形で存在する弾性重合体(C)の分散形態とし
ては図1a〜dに示すような形態を例示することができ
る。図1a〜dは(B)成分と(C)成分の界面を接す
る種々の例を示した断面図であり、熱可塑性樹脂1のマ
トリクス中に無機質充填剤2が弾性重合体3と界面を接
する形で存在している。逆に、本発明において無機質充
填剤(B)と全く界面を接することなく、熱可塑性樹脂
(A)中に独立して存在する弾性重合体(C)の分散粒
子が70%未満であることが必要であり、50%未満が
好ましい。
【0038】本発明は上記の組成物を製造するための方
法を提供するものであり、大きく分けて二つの工程、即
ち、(1)無機質充填剤(B)が−10℃以下のガラス
転移温度を有する弾性重合体(C)で被覆された複合粒
子(I)を製造する工程、および(2)上記(1)の工
程で製造された複合粒子(I)と熱可塑性樹脂(A)を
溶融混練する工程からなり、(2)の工程を(D)反応
性相容性改質剤の存在下で行うことを特徴とする。
法を提供するものであり、大きく分けて二つの工程、即
ち、(1)無機質充填剤(B)が−10℃以下のガラス
転移温度を有する弾性重合体(C)で被覆された複合粒
子(I)を製造する工程、および(2)上記(1)の工
程で製造された複合粒子(I)と熱可塑性樹脂(A)を
溶融混練する工程からなり、(2)の工程を(D)反応
性相容性改質剤の存在下で行うことを特徴とする。
【0039】(1)の工程即ち、無機質充填剤(B)が
−10℃以下のガラス転移温度を有する弾性重合体
(C)で被覆された複合粒子(I)を製造する工程、に
おいては、特にその方法は限定されるものではなく、弾
性重合体(C)の溶液中でいわゆるカップリング剤で処
理を行ったあるいは処理していない無機質充填剤(B)
を被覆処理した後に溶媒を除去する方法、溶融状態の弾
性共重合体(C)によりカップリング剤で処理を行った
あるいは処理していない無機質充填剤(B)を被覆処理
する方法、カップリング剤で処理を行ったあるいは処理
していない無機質充填剤(B)の存在下で弾性重合体
(C)成分を重合し被覆する方法等が挙げられる。とり
わけ、無機質充填剤(B)を水系溶媒中で乳化状態と
し、ラジカル開始剤存在下で弾性重合体(C)成分を乳
化重合することにより被覆する方法が好ましい。
−10℃以下のガラス転移温度を有する弾性重合体
(C)で被覆された複合粒子(I)を製造する工程、に
おいては、特にその方法は限定されるものではなく、弾
性重合体(C)の溶液中でいわゆるカップリング剤で処
理を行ったあるいは処理していない無機質充填剤(B)
を被覆処理した後に溶媒を除去する方法、溶融状態の弾
性共重合体(C)によりカップリング剤で処理を行った
あるいは処理していない無機質充填剤(B)を被覆処理
する方法、カップリング剤で処理を行ったあるいは処理
していない無機質充填剤(B)の存在下で弾性重合体
(C)成分を重合し被覆する方法等が挙げられる。とり
わけ、無機質充填剤(B)を水系溶媒中で乳化状態と
し、ラジカル開始剤存在下で弾性重合体(C)成分を乳
化重合することにより被覆する方法が好ましい。
【0040】この(1)の工程で製造される複合粒子
(I)は無機質充填剤(B)と弾性重合体(C)が互い
に接着した界面を持つことが好ましい。ここでいう接着
とは、界面の間にファンデルワールス力よりも強い相互
作用を有する化学結合力、具体的には共有結合、イオン
結合、水素結合などによる力が作用している状態が特に
望ましい。
(I)は無機質充填剤(B)と弾性重合体(C)が互い
に接着した界面を持つことが好ましい。ここでいう接着
とは、界面の間にファンデルワールス力よりも強い相互
作用を有する化学結合力、具体的には共有結合、イオン
結合、水素結合などによる力が作用している状態が特に
望ましい。
【0041】無機質粒子(B)と弾性重合体(C)の接
着性を高める手段としては、共有結合の生成によるもの
が特に好ましい。
着性を高める手段としては、共有結合の生成によるもの
が特に好ましい。
【0042】無機質充填剤(B)と弾性重合体(C)の
間に共有結合を形成する方法としては、無機質充填剤
(B)の表面官能基を利用して弾性重合体(C)と直接
反応させる方法、無機質充填剤(B)の表面官能基を利
用し、表面官能基と反応可能な単量体を用いて重合反応
を行い、複合粒子を得る方法、いわゆるカップリング剤
を用い、無機質充填剤(B)表面上にまず官能基を導入
し、弾性重合体(C)と反応させる方法、カップリング
剤を用いて導入した官能基と反応可能な単量体を用いて
重合反応を行い、複合粒子を得る方法等が挙げられ、い
ずれの方法も好ましく使用できるが、いわゆるカップリ
ング剤の使用は接着性を高める手段として有効であり、
とりわけ、無機質充填剤(B)を予め、上記に例示した
シランカップリング剤を用いて処理することが有効であ
る。γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン等が特に有効である。
間に共有結合を形成する方法としては、無機質充填剤
(B)の表面官能基を利用して弾性重合体(C)と直接
反応させる方法、無機質充填剤(B)の表面官能基を利
用し、表面官能基と反応可能な単量体を用いて重合反応
を行い、複合粒子を得る方法、いわゆるカップリング剤
を用い、無機質充填剤(B)表面上にまず官能基を導入
し、弾性重合体(C)と反応させる方法、カップリング
剤を用いて導入した官能基と反応可能な単量体を用いて
重合反応を行い、複合粒子を得る方法等が挙げられ、い
ずれの方法も好ましく使用できるが、いわゆるカップリ
ング剤の使用は接着性を高める手段として有効であり、
とりわけ、無機質充填剤(B)を予め、上記に例示した
シランカップリング剤を用いて処理することが有効であ
る。γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン等が特に有効である。
【0043】接着性の評価方法としては、弾性重合体
(C)を溶解可能な溶媒および条件を用い、作成した複
合粒子(I)から弾性重合体(C)成分を十分に抽出
し、抽出の前後での弾性重合体(C)成分の無機質充填
剤(B)上への担持量の差によって評価することができ
る。即ち、まず複合粒子(I)中の弾性重合体(C)成
分の比率を熱重量分析により、有機成分を全て熱分解す
ることにより求め、次に、別途作成した弾性重合体
(C)成分単独の溶解度が1g/100g以上となる溶
媒および温度条件を用い、複合粒子(I)からソックス
レー抽出器によりほぼ抽出平衡に達するまで(C)成分
の抽出を行ない、抽出された(C)成分の比率を求め、
前記熱重量分析で求めた(C)成分の比率から引いた差
が弾性重合体(C)成分の無機質充填剤上への担持量
(比率)として算出できる。無機質充填剤(B)上に担
持されている(C)成分の重量が初期の60重量%以上
のときに良好な界面の接着性が得られ、抽出残量が初期
の70重量%以上の場合が好ましく、80重量%以上の
場合が一層好ましい。
(C)を溶解可能な溶媒および条件を用い、作成した複
合粒子(I)から弾性重合体(C)成分を十分に抽出
し、抽出の前後での弾性重合体(C)成分の無機質充填
剤(B)上への担持量の差によって評価することができ
る。即ち、まず複合粒子(I)中の弾性重合体(C)成
分の比率を熱重量分析により、有機成分を全て熱分解す
ることにより求め、次に、別途作成した弾性重合体
(C)成分単独の溶解度が1g/100g以上となる溶
媒および温度条件を用い、複合粒子(I)からソックス
レー抽出器によりほぼ抽出平衡に達するまで(C)成分
の抽出を行ない、抽出された(C)成分の比率を求め、
前記熱重量分析で求めた(C)成分の比率から引いた差
が弾性重合体(C)成分の無機質充填剤上への担持量
(比率)として算出できる。無機質充填剤(B)上に担
持されている(C)成分の重量が初期の60重量%以上
のときに良好な界面の接着性が得られ、抽出残量が初期
の70重量%以上の場合が好ましく、80重量%以上の
場合が一層好ましい。
【0044】本発明の複合粒子強化樹脂組成物の製造方
法における(2)の工程は(1)の工程で製造された複
合粒子(I)を熱可塑性樹脂(A)と溶融混練する工程
である。本発明におけるこの(2)の工程は反応性相容
性改質剤(D)の存在下で行う必要がある。
法における(2)の工程は(1)の工程で製造された複
合粒子(I)を熱可塑性樹脂(A)と溶融混練する工程
である。本発明におけるこの(2)の工程は反応性相容
性改質剤(D)の存在下で行う必要がある。
【0045】本発明で使用する反応性の相容性改質剤
(D)とは、無機質充填剤と界面を接し、好ましくは無
機質充填剤と接着した弾性重合体(C)と熱可塑性樹脂
(A)の相容性を改善可能なものであり、熱可塑性樹脂
(A)と弾性重合体(C)と相互に化学結合を形成可能
な官能基を有するものを指す。化学結合としては前記弾
性重合体(C)において説明したものと同様である。具
体的には、弾性重合体(C)および熱可塑性樹脂(A)
を構成する高分子鎖の末端のヒドロキシル基、カルボキ
シル基、アミノ基等、高分子鎖の主鎖を構成するエステ
ル結合、アミド結合、イミド結合、エーテル結合、炭化
水素基、芳香環等と相互に共有結合、イオン結合または
水素結合を形成可能な官能基であり、例えば、カルボキ
シル基、ヒドロキシル基、アミノ基、酸無水物基、酸塩
化物基、エポキシ基、イソシアネート基、エステル基、
炭素−炭素不飽和結合等を分子中に含むものである。こ
れらの官能基の反応には触媒を必要とするものも含まれ
る。この反応性の相溶性改質剤(D)は分子内にさらに
炭素−炭素二重結合を有していることが好ましい。
(D)とは、無機質充填剤と界面を接し、好ましくは無
機質充填剤と接着した弾性重合体(C)と熱可塑性樹脂
(A)の相容性を改善可能なものであり、熱可塑性樹脂
(A)と弾性重合体(C)と相互に化学結合を形成可能
な官能基を有するものを指す。化学結合としては前記弾
性重合体(C)において説明したものと同様である。具
体的には、弾性重合体(C)および熱可塑性樹脂(A)
を構成する高分子鎖の末端のヒドロキシル基、カルボキ
シル基、アミノ基等、高分子鎖の主鎖を構成するエステ
ル結合、アミド結合、イミド結合、エーテル結合、炭化
水素基、芳香環等と相互に共有結合、イオン結合または
水素結合を形成可能な官能基であり、例えば、カルボキ
シル基、ヒドロキシル基、アミノ基、酸無水物基、酸塩
化物基、エポキシ基、イソシアネート基、エステル基、
炭素−炭素不飽和結合等を分子中に含むものである。こ
れらの官能基の反応には触媒を必要とするものも含まれ
る。この反応性の相溶性改質剤(D)は分子内にさらに
炭素−炭素二重結合を有していることが好ましい。
【0046】このような反応性の相容性改質剤(D)の
好ましい例として、分子中に1個以上の炭素−炭素二重
結合を有する不飽和カルボン酸またはその誘導体が挙げ
られる。α,β−不飽和カルボン酸としてはアクリル
酸、メタアクリル酸、エタアクリル酸、クロトン酸、マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ブテ
ンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸などであり、そ
の誘導体としては、グリシジルエステル、酸無水物、酸
塩化物を例として挙げることができる。これらの成分
は、前記、弾性重合体(C)成分として共重合可能な
(ii)分子中に1個以上の炭素−炭素二重結合および
強化しようとする樹脂との間に共有結合、イオン結合、
および水素結合から選ばれる化学結合を形成可能な官能
基を有する単量体と同じものであってもよい。反応性の
相容性改質剤(D)としては、無水マレイン酸、無水イ
タコン酸、テトラヒドロフタル酸無水物などの酸無水
物、メタクリル酸グリシジルなどのグリシジルエステル
を特に好ましい例として挙げることができる。
好ましい例として、分子中に1個以上の炭素−炭素二重
結合を有する不飽和カルボン酸またはその誘導体が挙げ
られる。α,β−不飽和カルボン酸としてはアクリル
酸、メタアクリル酸、エタアクリル酸、クロトン酸、マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ブテ
ンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸などであり、そ
の誘導体としては、グリシジルエステル、酸無水物、酸
塩化物を例として挙げることができる。これらの成分
は、前記、弾性重合体(C)成分として共重合可能な
(ii)分子中に1個以上の炭素−炭素二重結合および
強化しようとする樹脂との間に共有結合、イオン結合、
および水素結合から選ばれる化学結合を形成可能な官能
基を有する単量体と同じものであってもよい。反応性の
相容性改質剤(D)としては、無水マレイン酸、無水イ
タコン酸、テトラヒドロフタル酸無水物などの酸無水
物、メタクリル酸グリシジルなどのグリシジルエステル
を特に好ましい例として挙げることができる。
【0047】本発明の製造方法の上記(2)の工程即
ち、(1)の工程で製造された複合粒子(I)を熱可塑
性樹脂(A)と溶融混練する工程である。本発明におけ
るこの(2)の工程は反応性の相容性改質剤(D)の存
在下で行う必要がある。
ち、(1)の工程で製造された複合粒子(I)を熱可塑
性樹脂(A)と溶融混練する工程である。本発明におけ
るこの(2)の工程は反応性の相容性改質剤(D)の存
在下で行う必要がある。
【0048】この(2)の工程においては、通常の公知
の溶融混練装置、即ち単軸、または二軸押出機、バンバ
リーミキサー、ニーダー、ミキシングロールなどを使用
することができる。
の溶融混練装置、即ち単軸、または二軸押出機、バンバ
リーミキサー、ニーダー、ミキシングロールなどを使用
することができる。
【0049】この(2)の工程において、反応性の相溶
性改質剤(D)とともに、反応性の相溶性改質剤(D)
の反応を促進する化合物、触媒を添加するのが好まし
い。
性改質剤(D)とともに、反応性の相溶性改質剤(D)
の反応を促進する化合物、触媒を添加するのが好まし
い。
【0050】反応性の相溶性改良剤(D)の好ましい例
として開示される、分子中に1個以上の炭素−炭素二重
結合を有する不飽和カルボン酸またはその誘導体ととも
に添加する好ましい化合物としては、いわゆるラジカル
開始剤が挙げられる。特に、本発明の(2)の工程にお
いて反応性の相溶性改質剤(D)とともに使用するラジ
カル開始剤としては有機過酸化物が好ましい。この有機
過酸化物は、熱可塑性樹脂(A)と複合粒子の溶融混練
条件により適宜選択するのが好ましいが、その好ましい
具体例として、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルペルオキ
シド、ジ−イソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、
ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,
5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、クメン
ヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド等
を開示できる。
として開示される、分子中に1個以上の炭素−炭素二重
結合を有する不飽和カルボン酸またはその誘導体ととも
に添加する好ましい化合物としては、いわゆるラジカル
開始剤が挙げられる。特に、本発明の(2)の工程にお
いて反応性の相溶性改質剤(D)とともに使用するラジ
カル開始剤としては有機過酸化物が好ましい。この有機
過酸化物は、熱可塑性樹脂(A)と複合粒子の溶融混練
条件により適宜選択するのが好ましいが、その好ましい
具体例として、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルペルオキ
シド、ジ−イソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、
ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,
5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、クメン
ヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド等
を開示できる。
【0051】この(2)の工程において使用する反応性
の相容性改質剤(D)の添加量は、複合粒子(I)即ち
無機質充填剤(B)と弾性重合体(C)の合計100重
量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、0.5
〜3.0重量部がより好ましい。また、特に、本発明の
(2)の工程において反応性の相溶性改良剤(D)とと
もにラジカル開始剤を使用する際は、複合粒子(I)1
00重量部に対して、0.01〜1重量部が好ましく、
0.05〜0.5重量部が特に好ましい。
の相容性改質剤(D)の添加量は、複合粒子(I)即ち
無機質充填剤(B)と弾性重合体(C)の合計100重
量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、0.5
〜3.0重量部がより好ましい。また、特に、本発明の
(2)の工程において反応性の相溶性改良剤(D)とと
もにラジカル開始剤を使用する際は、複合粒子(I)1
00重量部に対して、0.01〜1重量部が好ましく、
0.05〜0.5重量部が特に好ましい。
【0052】なお、本発明の組成物の製造時に、本発明
の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、熱安定剤、紫
外線吸収剤、難燃剤、滑剤、離型剤、染料および顔料を
含む着色剤、核剤などの通常の添加剤を1種以上添加す
ることができる。
の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤、熱安定剤、紫
外線吸収剤、難燃剤、滑剤、離型剤、染料および顔料を
含む着色剤、核剤などの通常の添加剤を1種以上添加す
ることができる。
【0053】本発明の製造方法により得られる複合粒子
強化樹脂組成物は、射出成形、押出成形、など通常の方
法で容易に成形することができ、得られた成形品は高い
耐衝撃特性とりわけ、高い面衝撃特性と剛性、優れた耐
熱性を併せ持つ上、さらに、異方性が小さい、反りが小
さい、表面外観が優れるという特徴を有しており、種々
のエンジニアリング部品、構造材料に適している。
強化樹脂組成物は、射出成形、押出成形、など通常の方
法で容易に成形することができ、得られた成形品は高い
耐衝撃特性とりわけ、高い面衝撃特性と剛性、優れた耐
熱性を併せ持つ上、さらに、異方性が小さい、反りが小
さい、表面外観が優れるという特徴を有しており、種々
のエンジニアリング部品、構造材料に適している。
【0054】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳述す
る。
る。
【0055】実施例1(樹脂強化用複合粒子の製造)
平均粒径1.4μmのタルク(富士タルク(株)製LM
S300)1kgに対し、14.25gのγ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニ
ング社製SZ−6030)および触媒としてDBU
(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデ
セン)0.75gを100gのメタノールで希釈した処
理溶液を均一に噴霧し、ヘンシェルミキサーを用い、3
0分間撹拌後、得られた混合物を130℃で12h熱処
理することによりカップリング処理済タルク(B−1)
を得た。
S300)1kgに対し、14.25gのγ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニ
ング社製SZ−6030)および触媒としてDBU
(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデ
セン)0.75gを100gのメタノールで希釈した処
理溶液を均一に噴霧し、ヘンシェルミキサーを用い、3
0分間撹拌後、得られた混合物を130℃で12h熱処
理することによりカップリング処理済タルク(B−1)
を得た。
【0056】さらに、このカップリング処理済みタルク
(B−1)240g、純水(イオン交換水)900gお
よび陰イオン型界面活性剤であるラウリル硫酸ナトリウ
ム(花王(株)製“エマール10”)の10重量%水溶
液36gを添加し、機械式ホモジナイザ(IKA社製、
“ウルトラタラックス”T−50型)を用い、6,000回
転で5分間、さらに、10,000回転で5分間乳化分散さ
せ、低粘度の均一な粒子分散状態の乳化混合物を得た。
(B−1)240g、純水(イオン交換水)900gお
よび陰イオン型界面活性剤であるラウリル硫酸ナトリウ
ム(花王(株)製“エマール10”)の10重量%水溶
液36gを添加し、機械式ホモジナイザ(IKA社製、
“ウルトラタラックス”T−50型)を用い、6,000回
転で5分間、さらに、10,000回転で5分間乳化分散さ
せ、低粘度の均一な粒子分散状態の乳化混合物を得た。
【0057】この混合物を撹拌装置、滴下装置を備えた
重合反応容器中で70℃に保ちながら、約300rpm
で撹拌し、単量体成分として54gのアクリル酸ブチル
に、6gの無水マレイン酸を溶解させた単量体混合物お
よび、重合開始剤として過硫酸カリウムの10重量%水
溶液15gをどちらも約2時間かけて供給し、供給終了
後、温度を保ったまま、約1時間撹拌を続けた。
重合反応容器中で70℃に保ちながら、約300rpm
で撹拌し、単量体成分として54gのアクリル酸ブチル
に、6gの無水マレイン酸を溶解させた単量体混合物お
よび、重合開始剤として過硫酸カリウムの10重量%水
溶液15gをどちらも約2時間かけて供給し、供給終了
後、温度を保ったまま、約1時間撹拌を続けた。
【0058】得られた重合反応混合物を、硫酸アルミニ
ウムの0.75重量%水溶液2000g中へ撹拌しなが
ら投入し、凝固を行ない、漉過、洗浄を繰り返し行なっ
た後、70℃で12時間真空乾燥を行ない、樹脂強化用
複合粒子(I−1)を得た。
ウムの0.75重量%水溶液2000g中へ撹拌しなが
ら投入し、凝固を行ない、漉過、洗浄を繰り返し行なっ
た後、70℃で12時間真空乾燥を行ない、樹脂強化用
複合粒子(I−1)を得た。
【0059】得られた、複合粒子の熱重量分析により、
固形分中16.9%の弾性共重合体成分が存在すること
が分かり、これから求めた弾性重合体(C)成分の反応
率は約85%であることが分かった。さらに、得られた
複合粒子をソックスレー抽出装置を用い、トルエンを溶
媒として抽出を行なった。10時間抽出後の試料を再
度、熱重量分析で測定したところ固形分中の弾性共重合
体のうち、約86%が抽出されずに無機質粒子上に担持
固定されていることが分かった。
固形分中16.9%の弾性共重合体成分が存在すること
が分かり、これから求めた弾性重合体(C)成分の反応
率は約85%であることが分かった。さらに、得られた
複合粒子をソックスレー抽出装置を用い、トルエンを溶
媒として抽出を行なった。10時間抽出後の試料を再
度、熱重量分析で測定したところ固形分中の弾性共重合
体のうち、約86%が抽出されずに無機質粒子上に担持
固定されていることが分かった。
【0060】実施例2(樹脂強化用複合粒子の製造)
単量体成分としてアクリル酸ブチルおよび無水マレイン
酸を用いる代わりに、60gのアクリル酸ブチルのみを
用いた以外は、実質的に実施例1と同様の方法により、
樹脂強化用複合粒子(I−2)を製造した。得られた、
複合粒子の熱重量分析により、固形分中17.0%のポ
リアクリル酸ブチル成分が存在することが分かり、これ
から求めた重合体の反応率は約82%であることが分か
った。さらに、得られた複合粒子をソックスレー抽出装
置を用い、トルエンを溶媒として抽出を行なった。10
時間抽出後の試料を再度、熱重量分析で測定したところ
固形分中の弾性共重合体のうち、約88%が無機質粒子
上に担持固定されていることが分かった。
酸を用いる代わりに、60gのアクリル酸ブチルのみを
用いた以外は、実質的に実施例1と同様の方法により、
樹脂強化用複合粒子(I−2)を製造した。得られた、
複合粒子の熱重量分析により、固形分中17.0%のポ
リアクリル酸ブチル成分が存在することが分かり、これ
から求めた重合体の反応率は約82%であることが分か
った。さらに、得られた複合粒子をソックスレー抽出装
置を用い、トルエンを溶媒として抽出を行なった。10
時間抽出後の試料を再度、熱重量分析で測定したところ
固形分中の弾性共重合体のうち、約88%が無機質粒子
上に担持固定されていることが分かった。
【0061】実施例3(樹脂強化用複合粒子の製造)
乳化剤として実施例1で使用した陰イオン型界面活性剤
であるラウリル硫酸ナトリウム(花王(株)製“エマー
ル10”)に代えて非イオン型界面活性剤(東邦化学
(株)製“ホスファノール”RS−610)の10重量
%水溶液30gを用いた以外は実施例1と同様の操作を
行い、樹脂強化用複合粒子(I−3)を得た。
であるラウリル硫酸ナトリウム(花王(株)製“エマー
ル10”)に代えて非イオン型界面活性剤(東邦化学
(株)製“ホスファノール”RS−610)の10重量
%水溶液30gを用いた以外は実施例1と同様の操作を
行い、樹脂強化用複合粒子(I−3)を得た。
【0062】得られた、複合粒子の熱重量分析により、
固形分中16.5%の弾性共重合体成分が存在すること
が分かり、これから求めた弾性重合体(B)成分の反応
率は約79%であることが分かった。さらに、得られた
複合粒子をソックスレー抽出装置を用い、トルエンを溶
媒として抽出を行なった。10時間抽出後の試料を再
度、熱重量分析で測定したところ固形分中の弾性共重合
体のうち、約75%が抽出されずに無機質粒子上に担持
固定されていることが分かった。
固形分中16.5%の弾性共重合体成分が存在すること
が分かり、これから求めた弾性重合体(B)成分の反応
率は約79%であることが分かった。さらに、得られた
複合粒子をソックスレー抽出装置を用い、トルエンを溶
媒として抽出を行なった。10時間抽出後の試料を再
度、熱重量分析で測定したところ固形分中の弾性共重合
体のうち、約75%が抽出されずに無機質粒子上に担持
固定されていることが分かった。
【0063】実施例4(樹脂強化用複合粒子の製造)
平均粒径0.8μmの合成球状シリカ粒子(アドマテッ
クス(株)製、“アドマファイン”SO−25R)1k
gに対し、14.25gのγ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシランおよび触媒としてDBU(1,8−
ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン)0.
75gを100gのメタノールで希釈した処理溶液を均
一に噴霧し、ヘンシェルミキサーを用い、30分間撹拌
後、得られた混合物を130℃で12h熱処理すること
によりカップリング処理済シリカ(B−2)を得た。
クス(株)製、“アドマファイン”SO−25R)1k
gに対し、14.25gのγ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシランおよび触媒としてDBU(1,8−
ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン)0.
75gを100gのメタノールで希釈した処理溶液を均
一に噴霧し、ヘンシェルミキサーを用い、30分間撹拌
後、得られた混合物を130℃で12h熱処理すること
によりカップリング処理済シリカ(B−2)を得た。
【0064】さらに、このカップリング処理済みシリカ
(B−2)240g、純水(イオン交換水)900gお
よび実施例1で用いたものと同じ陰イオン型界面活性剤
であるラウリル硫酸ナトリウム(花王(株)製“エマー
ル10”)の10重量%水溶液9gを添加し、機械式ホ
モジナイザ(IKA社製、“ウルトラタラックス”T−
50型)を用い、6,000 回転で5分間、さらに、10,000
回転で5分間乳化分散させ、低粘度の均一な粒子分散状
態の乳化混合物を得た。
(B−2)240g、純水(イオン交換水)900gお
よび実施例1で用いたものと同じ陰イオン型界面活性剤
であるラウリル硫酸ナトリウム(花王(株)製“エマー
ル10”)の10重量%水溶液9gを添加し、機械式ホ
モジナイザ(IKA社製、“ウルトラタラックス”T−
50型)を用い、6,000 回転で5分間、さらに、10,000
回転で5分間乳化分散させ、低粘度の均一な粒子分散状
態の乳化混合物を得た。
【0065】この混合物を撹拌装置、滴下装置を備えた
重合反応容器中で70℃に保ちながら、約300rpm
で撹拌し、単量体成分として54gのアクリル酸ブチル
に、6gの無水マレイン酸を溶解させた単量体混合物お
よび、重合開始剤として過硫酸カリウムの10重量%水
溶液15gをどちらも約2時間かけて供給し、供給終了
後、温度を保ったまま、約1時間撹拌を続けた。
重合反応容器中で70℃に保ちながら、約300rpm
で撹拌し、単量体成分として54gのアクリル酸ブチル
に、6gの無水マレイン酸を溶解させた単量体混合物お
よび、重合開始剤として過硫酸カリウムの10重量%水
溶液15gをどちらも約2時間かけて供給し、供給終了
後、温度を保ったまま、約1時間撹拌を続けた。
【0066】得られた重合反応混合物を、硫酸アルミニ
ウムの0.75重量%水溶液2000g中へ撹拌しなが
ら投入し、凝固を行ない、漉過、洗浄を繰り返し行なっ
た後、70℃で12時間真空乾燥を行ない、樹脂強化用
複合粒子(I−4)を得た。
ウムの0.75重量%水溶液2000g中へ撹拌しなが
ら投入し、凝固を行ない、漉過、洗浄を繰り返し行なっ
た後、70℃で12時間真空乾燥を行ない、樹脂強化用
複合粒子(I−4)を得た。
【0067】得られた、複合粒子の熱重量分析により、
固形分中19.6%の弾性共重合体成分が存在すること
が分かり、これから求めた弾性重合体(B)成分の反応
率は約98%であることが分かった。さらに、得られた
複合粒子をソックスレー抽出装置を用い、トルエンを溶
媒として抽出を行なった。10時間抽出後の試料を再
度、熱重量分析で測定したところ固形分中の弾性共重合
体のうち、約85%が抽出されずに無機質粒子上に担持
固定されていることが分かった。
固形分中19.6%の弾性共重合体成分が存在すること
が分かり、これから求めた弾性重合体(B)成分の反応
率は約98%であることが分かった。さらに、得られた
複合粒子をソックスレー抽出装置を用い、トルエンを溶
媒として抽出を行なった。10時間抽出後の試料を再
度、熱重量分析で測定したところ固形分中の弾性共重合
体のうち、約85%が抽出されずに無機質粒子上に担持
固定されていることが分かった。
【0068】実施例5(樹脂強化用複合粒子の製造)
平均粒径0.8μmの焼成カオリン粒子(エンゲルハー
ド社製、“サチントン”5)1kgに対し、14.25
gのγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランお
よび触媒としてDBU(1,8−ジアザビシクロ[5.
4.0]−7−ウンデセン)0.75gを100gのメ
タノールで希釈した処理溶液を均一に噴霧し、ヘンシェ
ルミキサーを用い、30分間撹拌後、得られた混合物を
130℃で12h熱処理することによりカップリング処
理済カオリン(B−3)を得た。
ド社製、“サチントン”5)1kgに対し、14.25
gのγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランお
よび触媒としてDBU(1,8−ジアザビシクロ[5.
4.0]−7−ウンデセン)0.75gを100gのメ
タノールで希釈した処理溶液を均一に噴霧し、ヘンシェ
ルミキサーを用い、30分間撹拌後、得られた混合物を
130℃で12h熱処理することによりカップリング処
理済カオリン(B−3)を得た。
【0069】さらに、このカップリング処理済みカオリ
ン(B−3)240g、純水(イオン交換水)900g
および実施例1で用いたものと同じ陰イオン型界面活性
剤であるラウリル硫酸ナトリウム(花王(株)製“エマ
ール10”)の10重量%水溶液39gを添加し、機械
式ホモジナイザ(IKA社製、“ウルトラタラックス”
T−50型)を用い、6,000 回転で5分間、さらに、1
0,000回転で5分間乳化分散させ、低粘度の均一な粒子
分散状態の乳化混合物を得た。
ン(B−3)240g、純水(イオン交換水)900g
および実施例1で用いたものと同じ陰イオン型界面活性
剤であるラウリル硫酸ナトリウム(花王(株)製“エマ
ール10”)の10重量%水溶液39gを添加し、機械
式ホモジナイザ(IKA社製、“ウルトラタラックス”
T−50型)を用い、6,000 回転で5分間、さらに、1
0,000回転で5分間乳化分散させ、低粘度の均一な粒子
分散状態の乳化混合物を得た。
【0070】この混合物を撹拌装置、滴下装置を備えた
重合反応容器中で70℃に保ちながら、約300rpm
で撹拌し、単量体成分として54gのアクリル酸ブチル
に、6gの無水マレイン酸を溶解させた単量体混合物お
よび、重合開始剤として過硫酸カリウムの10重量%水
溶液15gをどちらも約2時間かけて供給し、供給終了
後、温度を保ったまま、約1時間撹拌を続けた。
重合反応容器中で70℃に保ちながら、約300rpm
で撹拌し、単量体成分として54gのアクリル酸ブチル
に、6gの無水マレイン酸を溶解させた単量体混合物お
よび、重合開始剤として過硫酸カリウムの10重量%水
溶液15gをどちらも約2時間かけて供給し、供給終了
後、温度を保ったまま、約1時間撹拌を続けた。
【0071】得られた重合反応混合物を、硫酸アルミニ
ウムの0.75重量%水溶液2000g中へ撹拌しなが
ら投入し、凝固を行ない、漉過、洗浄を繰り返し行なっ
た後、70℃で12時間真空乾燥を行ない、樹脂強化用
複合粒子(I−5)を得た。
ウムの0.75重量%水溶液2000g中へ撹拌しなが
ら投入し、凝固を行ない、漉過、洗浄を繰り返し行なっ
た後、70℃で12時間真空乾燥を行ない、樹脂強化用
複合粒子(I−5)を得た。
【0072】得られた、複合粒子の熱重量分析により、
固形分中16.4%の弾性共重合体成分が存在すること
が分かり、これから求めた弾性重合体(B)成分の反応
率は約82%であることが分かった。さらに、得られた
複合粒子をソックスレー抽出装置を用い、トルエンを溶
媒として抽出を行なった。10時間抽出後の試料を再
度、熱重量分析で測定したところ固形分中の弾性共重合
体のうち、約88%が抽出されずに無機質粒子上に担持
固定されていることが分かった。
固形分中16.4%の弾性共重合体成分が存在すること
が分かり、これから求めた弾性重合体(B)成分の反応
率は約82%であることが分かった。さらに、得られた
複合粒子をソックスレー抽出装置を用い、トルエンを溶
媒として抽出を行なった。10時間抽出後の試料を再
度、熱重量分析で測定したところ固形分中の弾性共重合
体のうち、約88%が抽出されずに無機質粒子上に担持
固定されていることが分かった。
【0073】実施例6(樹脂強化用複合粒子の製造)
単量体成分として54gのアクリル酸ブチルに、6gの
無水マレイン酸を溶解させた単量体混合物を用いる代わ
りに、58.2gのアクリル酸ブチルに1.8gのメタ
クリル酸グリシジルを溶解させた単量体を用いた以外は
実施例1と同様の手順に従い、複合粒子(I−6)を得
た。
無水マレイン酸を溶解させた単量体混合物を用いる代わ
りに、58.2gのアクリル酸ブチルに1.8gのメタ
クリル酸グリシジルを溶解させた単量体を用いた以外は
実施例1と同様の手順に従い、複合粒子(I−6)を得
た。
【0074】得られた、複合粒子の熱重量分析により、
固形分中18.2%の弾性共重合体成分が存在すること
が分かり、これから求めた弾性重合体(B)成分の反応
率は約91%であることが分かった。さらに、得られた
複合粒子をソックスレー抽出装置を用い、トルエンを溶
媒として抽出を行なった。10時間抽出後の試料を再
度、熱重量分析で測定したところ固形分中の弾性共重合
体のうち、約92%が抽出されずに無機質粒子上に担持
固定されていることが分かった。
固形分中18.2%の弾性共重合体成分が存在すること
が分かり、これから求めた弾性重合体(B)成分の反応
率は約91%であることが分かった。さらに、得られた
複合粒子をソックスレー抽出装置を用い、トルエンを溶
媒として抽出を行なった。10時間抽出後の試料を再
度、熱重量分析で測定したところ固形分中の弾性共重合
体のうち、約92%が抽出されずに無機質粒子上に担持
固定されていることが分かった。
【0075】参考例1(無機質粒子を含まない弾性重合
体の製造) 実施例1には無機質充填剤(B)の存在下で、弾性重合
体(C)成分を重合することにより、樹脂強化用複合粒
子を製造する方法を示したが、ここでは、無機質充填剤
(B)の非存在下での弾性重合体(C)成分の重合につ
いて示す。
体の製造) 実施例1には無機質充填剤(B)の存在下で、弾性重合
体(C)成分を重合することにより、樹脂強化用複合粒
子を製造する方法を示したが、ここでは、無機質充填剤
(B)の非存在下での弾性重合体(C)成分の重合につ
いて示す。
【0076】純水(イオン交換水)900gに実施例1
で使用したリン酸エステル系非イオン型界面活性剤の1
0重量%水溶液30gおよび重合開始剤として過硫酸カ
リウムの10%水溶液9gを添加し、この混合物を重合
反応容器中で70℃に保ちながら、約300rpmで撹
拌し、単量体成分として270gのアクリル酸ブチルに
30gの無水マレイン酸を溶解させた単量体混合物を約
2時間かけて供給し、供給終了後、温度を保ったまま、
約1時間撹拌を続けた。
で使用したリン酸エステル系非イオン型界面活性剤の1
0重量%水溶液30gおよび重合開始剤として過硫酸カ
リウムの10%水溶液9gを添加し、この混合物を重合
反応容器中で70℃に保ちながら、約300rpmで撹
拌し、単量体成分として270gのアクリル酸ブチルに
30gの無水マレイン酸を溶解させた単量体混合物を約
2時間かけて供給し、供給終了後、温度を保ったまま、
約1時間撹拌を続けた。
【0077】得られた重合反応混合物を、硫酸アルミニ
ウムの0.75%水溶液2000g中へ撹拌しながら投
入し、凝固を行ない、漉過、洗浄を繰り返し行なった
後、70℃で12時間真空乾燥を行ない、弾性重合体
(C−1)を得た。重合収率は約85%であった。得ら
れた、弾性共重合体(C−1)1gにトルエン100g
を加え、100℃に加熱したところ弾性共重合体(C−
1)成分は完全に溶解した。
ウムの0.75%水溶液2000g中へ撹拌しながら投
入し、凝固を行ない、漉過、洗浄を繰り返し行なった
後、70℃で12時間真空乾燥を行ない、弾性重合体
(C−1)を得た。重合収率は約85%であった。得ら
れた、弾性共重合体(C−1)1gにトルエン100g
を加え、100℃に加熱したところ弾性共重合体(C−
1)成分は完全に溶解した。
【0078】また、弾性共重合体(C−1)のガラス転
移温度は示差走査熱量分析の結果、約−50℃であるこ
とが確認できた。
移温度は示差走査熱量分析の結果、約−50℃であるこ
とが確認できた。
【0079】参考例2(無機質粒子を含まない弾性重合
体の製造) 単量体成分として300gのアクリル酸ブチルのみを用
いた以外は参考例1と同様の手順に従い、弾性重合体
(C−2)を得た。重合収率は約73%であった。得ら
れた、弾性重合体(C−2)1gにトルエン100gを
加え、100℃に加熱したところ弾性重合体(C−2)
成分は完全に溶解した。
体の製造) 単量体成分として300gのアクリル酸ブチルのみを用
いた以外は参考例1と同様の手順に従い、弾性重合体
(C−2)を得た。重合収率は約73%であった。得ら
れた、弾性重合体(C−2)1gにトルエン100gを
加え、100℃に加熱したところ弾性重合体(C−2)
成分は完全に溶解した。
【0080】また、弾性共重合体(C−2)のガラス転
移温度は示差走査熱量分析の結果、約−54℃であるこ
とが確認できた。
移温度は示差走査熱量分析の結果、約−54℃であるこ
とが確認できた。
【0081】実施例7
実施例1で製造した、樹脂強化用複合粒子(I−1)1
7重量部、ナイロン6(ηr=2.70、ASTM D
790法に従い、測定した23℃における曲げ弾性率
2.7GPa)83重量部に対し、反応性の相容性改良
剤として無水マレイン酸(D−1)0.3重量部および
ラジカル開始剤として2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン0.03重量部を混
合後、シリンダ温度250℃に設定した二軸押出機に供
給し、ダイから押出し、複合粒子強化熱可塑性樹脂組成
物ペレットを得た。
7重量部、ナイロン6(ηr=2.70、ASTM D
790法に従い、測定した23℃における曲げ弾性率
2.7GPa)83重量部に対し、反応性の相容性改良
剤として無水マレイン酸(D−1)0.3重量部および
ラジカル開始剤として2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン0.03重量部を混
合後、シリンダ温度250℃に設定した二軸押出機に供
給し、ダイから押出し、複合粒子強化熱可塑性樹脂組成
物ペレットを得た。
【0082】得られたペレットを乾燥後、射出成形機に
供し、シリンダ温度250℃、金型温度80℃で1/
2”×5”×1/8”厚の棒状試験片、1/8”厚みの
Izod衝撃試験片、ASTM4号ダンベル形試験片お
よび70mm角×2mm厚の平板を成形した。
供し、シリンダ温度250℃、金型温度80℃で1/
2”×5”×1/8”厚の棒状試験片、1/8”厚みの
Izod衝撃試験片、ASTM4号ダンベル形試験片お
よび70mm角×2mm厚の平板を成形した。
【0083】棒状試験片を用い、曲げ試験を行なったと
ころ、曲げ弾性率は3.5GPaであった。さらに、衝
撃試験片にカットノッチを付け、Izod衝撃試験を行
なったところ衝撃値は150J/mと高い値を示した。
ころ、曲げ弾性率は3.5GPaであった。さらに、衝
撃試験片にカットノッチを付け、Izod衝撃試験を行
なったところ衝撃値は150J/mと高い値を示した。
【0084】また、棒状試験片を用い、低荷重(455
kPa)の荷重撓み温度の測定を行なったところ、19
2℃であった。
kPa)の荷重撓み温度の測定を行なったところ、19
2℃であった。
【0085】ASTM4号ダンベル形試験片を用い引張
試験を行ったところ、破断に至るまでの伸度は92%と
大きく、延性的性質を有することが分かった。
試験を行ったところ、破断に至るまでの伸度は92%と
大きく、延性的性質を有することが分かった。
【0086】2mm厚の平板を用い、島津製作所(株)
製サーボパルサEHF−U2H−20L型高速面衝撃試
験機を用い、23℃で、ポンチ先端径5/8”、衝突速
度2.5m/sで試験を行なった。試験数10で検討を
行った結果、破壊エネルギーの平均値は6.0J、最大
撓みは15mmであり、10検体中8検体が延性に破壊
し、残りの2検体が脆性に破壊した。
製サーボパルサEHF−U2H−20L型高速面衝撃試
験機を用い、23℃で、ポンチ先端径5/8”、衝突速
度2.5m/sで試験を行なった。試験数10で検討を
行った結果、破壊エネルギーの平均値は6.0J、最大
撓みは15mmであり、10検体中8検体が延性に破壊
し、残りの2検体が脆性に破壊した。
【0087】さらに、平板を用いて樹脂の流れ方向(M
D)、流れ方向と直角の方向(TD)について、成形収
縮率を測定した。その結果、MD方向0.90%、TD
方向0.90%となり、TD/MD=1.0と異方性が
極めて小さく、2次元的に等方性であることが分かっ
た。
D)、流れ方向と直角の方向(TD)について、成形収
縮率を測定した。その結果、MD方向0.90%、TD
方向0.90%となり、TD/MD=1.0と異方性が
極めて小さく、2次元的に等方性であることが分かっ
た。
【0088】また、得られた成形品から超薄切片を切削
し、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、弾
性重合体(B)成分のうち独立した粒子として存在して
いるのは約10%未満であり、言い換えると弾性重合体
(B)成分の約90%以上がタルク粒子を取り囲むか又
はタルク粒子に接する形で存在することが分かった。
し、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察したところ、弾
性重合体(B)成分のうち独立した粒子として存在して
いるのは約10%未満であり、言い換えると弾性重合体
(B)成分の約90%以上がタルク粒子を取り囲むか又
はタルク粒子に接する形で存在することが分かった。
【0089】比較例1
実施例1と同条件で製造した複合粒子(I−1)17重
量部、ナイロン6(ηr=2.70、曲げ弾性率2.7
GPa)83重量部をシリンダ温度250℃に設定した
二軸押出機に供給し、ダイから押出し、樹脂組成物ペレ
ットを得た。
量部、ナイロン6(ηr=2.70、曲げ弾性率2.7
GPa)83重量部をシリンダ温度250℃に設定した
二軸押出機に供給し、ダイから押出し、樹脂組成物ペレ
ットを得た。
【0090】得られたペレットを乾燥後、射出成形機に
供し、シリンダ温度250℃、金型温度80℃で1/
2”×5”×1/8”厚の棒状試験片、1/8”厚みの
Izod衝撃試験片および70mm角×2mm厚の平板
を成形した。実施例1と同様の評価を行った。結果を表
2に示す。
供し、シリンダ温度250℃、金型温度80℃で1/
2”×5”×1/8”厚の棒状試験片、1/8”厚みの
Izod衝撃試験片および70mm角×2mm厚の平板
を成形した。実施例1と同様の評価を行った。結果を表
2に示す。
【0091】実施例8〜14、比較例2〜12
表1に示す組成の樹脂組成物および熱可塑性樹脂(A)
単独を実施例1と同様の方法で、二軸押出機を用い、製
造した。なお、用いたナイロン6およびポリブチレンテ
レフタレート(PBT)の曲げ弾性率はそれぞれ2.7
GPa、2.5GPaであった。これらの特性の評価を
実施例1に準じて行った。結果を表2に示す。
単独を実施例1と同様の方法で、二軸押出機を用い、製
造した。なお、用いたナイロン6およびポリブチレンテ
レフタレート(PBT)の曲げ弾性率はそれぞれ2.7
GPa、2.5GPaであった。これらの特性の評価を
実施例1に準じて行った。結果を表2に示す。
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】
【0094】
【発明の効果】本発明で製造する複合粒子強化樹脂組成
物は、耐熱性、剛性と耐衝撃性のバランスに優れる上、
とりわけ、延性を有する成形品を与える。
物は、耐熱性、剛性と耐衝撃性のバランスに優れる上、
とりわけ、延性を有する成形品を与える。
【図1】図1a〜dは本発明の複合粒子強化樹脂組成物
中において(B)成分と(C)成分が互いに界面を接し
ている状態の種々の例を示した断面図である。
中において(B)成分と(C)成分が互いに界面を接し
ている状態の種々の例を示した断面図である。
1.熱可塑性樹脂
2.無機質充填剤
3.弾性重合体
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭51−142052(JP,A)
特開 平6−329846(JP,A)
特開 平8−3366(JP,A)
特開 昭63−308050(JP,A)
特開 昭50−89439(JP,A)
特開 平2−166136(JP,A)
特公 昭49−4549(JP,B1)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C08F 8/00 - 8/50
Claims (11)
- 【請求項1】(A)熱可塑性樹脂と、(B)無機質充填
剤、(C)−10℃以下のガラス転移温度を有する弾性
重合体および(D)反応性の相容性改質剤からなる樹脂
組成物であって、該弾性重合体(C)の該組成物中にお
ける分散粒子のうち30%以上が該無機質充填剤(B)
と界面を接する形で存在することを特徴とする複合粒子
強化樹脂組成物を製造する方法であって、 (1)無機質充填剤(B)が−10℃以下のガラス転移
温度を有する弾性重合体(C)で被覆された複合粒子
(I)を製造する工程、 (2)上記(1)の工程で製造された複合粒子(I)と
熱可塑性樹脂(A)を溶融混練する工程、からなり、
(2)の工程を(D)反応性相容性改質剤の存在下で行
うことを特徴とする複合粒子強化樹脂組成物の製造方
法。 - 【請求項2】無機質充填剤(B)が−10℃以下のガラ
ス転移温度を有する弾性重合体(C)で被覆された複合
粒子(I)において、無機質充填剤(B)と弾性重合体
(C)の界面が互いに接着していることを特徴とする、
請求項1記載の複合粒子強化樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項3】弾性共重合体(C)が(i)エチレン、炭
素数3以上のα−オレフィン、非共役ジエン、酢酸ビニ
ル、ビニルアルコール、α,β−不飽和カルボン酸のア
ルキルエステル類、共役ジエン系単量体、芳香族ビニル
炭化水素単量体から選ばれた1種以上の単量体を重合し
てなるものであることを特徴とする請求項1記載の複合
粒子強化樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項4】弾性重合体(C)が強化しようとする樹脂
との間に化学結合を形成可能な官能基を有していること
を特徴とする請求項1記載の複合粒子強化樹脂組成物の
製造方法。 - 【請求項5】弾性重合体(C)がさらに(ii)分子中
に1個以上の炭素−炭素二重結合および強化しようとす
る樹脂との間に化学結合を形成可能な官能基を有する一
種以上の単量体および/または(iii)分子中に1個
以上の炭素−炭素二重結合およびジ−またはトリ−アル
コキシシリル基を有する単量体成分を共重合したもので
あることを特徴とする請求3記載の複合粒子強化樹脂組
成物の製造方法。 - 【請求項6】 反応性の相容性改質剤(D)が分子中に
強化しようとする樹脂との間に化学結合を形成可能な官
能基を有する化合物であることを特徴とする請求項1記
載の複合粒子強化樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項7】化学結合が共有結合、イオン結合および水
素結合から選ばれたものである請求項4、5または6記
載の複合粒子強化樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項8】反応性の相容性改質剤(D)が分子中にさ
らに炭素−炭素二重結合を有する化合物であることを特
徴とする請求項6記載の複合粒子強化樹脂組成物の製造
方法。 - 【請求項9】強化しようとする樹脂との間に化学結合を
形成可能な官能基がカルボキシル基、ヒドロキシル基、
アミノ基、酸無水物基、酸塩化物基、エポキシ基、イソ
シアネート基、エステル基から選ばれた一種以上の官能
基を有するものであることを特徴とする請求項4または
6記載の複合粒子強化樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項10】反応性の相容性改質剤(D)の存在下で
複合粒子(I)と熱可塑性樹脂(A)との溶融混練を行
う(2)の工程を、ラジカル開始剤の共存下で行うこと
を特徴とする請求項1記載の複合粒子強化樹脂組成物の
製造方法。 - 【請求項11】無機質充填剤(B)と弾性重合体(C)
の合計に対して、弾性重合体(C)が1〜50重量%で
あり、熱可塑性樹脂(A)、無機質充填剤(B)および
弾性重合体(C)の合計に対する無機質充填剤(B)と
弾性重合体(C)の合計が1〜70重量%であることを
特徴とする請求項1記載の複合粒子強化樹脂組成物の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02450496A JP3484857B2 (ja) | 1996-02-09 | 1996-02-09 | 複合粒子強化樹脂組成物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP02450496A JP3484857B2 (ja) | 1996-02-09 | 1996-02-09 | 複合粒子強化樹脂組成物の製造方法 |
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-
1996
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