JP3483602B2 - 工作機械の冷却集塵装置 - Google Patents

工作機械の冷却集塵装置

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JP3483602B2 JP30176593A JP30176593A JP3483602B2 JP 3483602 B2 JP3483602 B2 JP 3483602B2 JP 30176593 A JP30176593 A JP 30176593A JP 30176593 A JP30176593 A JP 30176593A JP 3483602 B2 JP3483602 B2 JP 3483602B2
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  • Auxiliary Devices For Machine Tools (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工作機械の冷却集塵装
置に係り、特にカッタを冷却すると共に切粉を吸引排出
する工作機械の冷却集塵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械の冷却集塵装置は、これまで種
々のタイプのものが提案されている。例えば、特開昭5
8−59746号公報にはドリルをフードで取囲み、こ
のドリルの中心に向けて四方から切削油ミストを噴射し
ドリルを冷却すると共に、フード内を吸引し切削油ミス
トや切粉を集塵ダクトから排出する工作機械の冷却集塵
装置が開示されている。
【0003】また、特開昭63−300807号公報及
び特開平3−3713号公報に開示されたプリント基板
穴明機のプレッシャフットは、プレッシャフット内をホ
ースによって切粉吸引装置に接続してプレッシャフット
内を負圧状態にすると共に、プレッシャフットの先端付
近から圧縮空気をドリルの接線方向に向けて水平に噴射
する。この圧縮空気は、プレッシャフット内でほぼ断熱
状態で膨張するので、温度が急激に低下しドリルを冷却
すると同時に切粉を巻き込んで切粉吸引装置に排出す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来の工作機械の冷却集塵装置は、いずれも切削油ミスト
または圧縮空気をほぼ水平方向からカッタに吹き付ける
構成であるため、切削中のカッタは被切削材から露出し
ている部分については冷却されるが、被切削材中に存す
る部分については冷却されないという問題に加え、切削
孔や切削溝内の切粉を排出することができず、切粉が切
削孔や切削溝に残存してしまうという問題がある。
【0005】本出願人は、このような問題を解決する工
作機械の冷却集塵装置を特願平4−210464として
既に出願している。この特願平4−210464に開示
された工作機械の冷却集塵装置は、スピンドルに主軸を
介して装着されたカッタを冷却すると共に切粉を外部に
吸引排出するもので、以下の構成を有する。即ち、この
先願に係る工作機械の冷却集塵装置は、主軸とカッタと
を取囲むようにスピンドルの下端に取付けられた冷却集
塵ハウジングと、この冷却集塵ハウジングに形成され、
外部の加圧冷気供給部に接続される冷気取入れ部と第1
及び第2の冷気吐出部とを連通する複数の冷気流通路
と、冷却集塵ハウジングに形成され、外部の切粉吸引装
置に接続される排出口と冷却集塵ハウジングの内部空間
とを連通する切粉排出路と、冷却集塵ハウジングの下端
から垂下し下端にスリットが形成された可撓性フードと
を具備し、第1の冷気吐出部はカッタの軸部に向けて加
圧冷気を噴射し、また、第2の冷気吐出部は、斜め下方
向かつカッタの刃部の外周の接線方向に向けて加圧冷気
を噴射して、切粉をカッタから離脱させると共に切削孔
や溝から浮き上がらせて、これらの切粉を外部の切粉吸
引装置によって吸引排出する。可撓性フードは、カッタ
に向けて噴射された加圧冷気及び切粉が冷却集塵ハウジ
ングの外部に流出することを防止して、効率的に排出口
に導く。
【0006】しかしながら、この先願に係る工作機械の
冷却集塵装置は、加圧冷気及び切粉が冷却集塵ハウジン
グ外部へ流出することを可撓性フードのみによって防止
しているので、切削条件などによっては、切粉の吸引排
出またはカッタの冷却を充分には行うことができないと
いった問題を有する。そこで、本発明の目的は、カッタ
を被切削材から露出している部分についてはもちろんの
こと被切削材中に存する部分についても冷却することが
でき、かつ切削孔や切削溝内の切粉を確実に排出するこ
とができる工作機械の冷却集塵装置を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明は、スピンドルに主軸を介して装着されたカ
ッタを冷却すると共に切粉を外部に吸引排出する工作機
械の冷却集塵装置において、上記主軸と上記カッタとを
取囲むように上記スピンドルの下端に取付けられた冷却
集塵ハウジングと、上記冷却集塵ハウジングの比較的上
部に設けられ、外部の加圧冷気供給部に接続されるエア
ーカーテン用冷気取入れ部と、上記冷却集塵ハウジング
の下端に設けられ、上記エアーカーテン用冷気取入れ部
からのエアーカーテン用冷気を下方に向けて噴出して上
記カッタを取囲むエアーカーテンを形成するエアーカー
テン用冷気吐出口と、上記冷却集塵ハウジングに形成さ
れ、上記エアーカーテン用冷気取入れ部と上記エアーカ
ーテン用冷気吐出口とを連通するエアーカーテン用冷気
流通路と、上記冷却集塵ハウジングに設けられ、外部の
加圧冷気供給部に接続されるカッタ冷却用冷気取入れ部
と、上記冷却集塵ハウジングの比較的下部に設けられ、
上記カッタ冷却用冷気取入れ部からの冷気を斜め下方か
つ上記カッタの刃部の外周の接線方向に向けて噴出する
カッタ冷却用冷気吐出口と、上記冷却集塵ハウジングに
設けられ、上記冷却集塵ハウジング内部から切粉を吸引
排出するために外部の切粉吸引装置に接続される切粉排
出部とを具備することを特徴とするものである。
【0008】この構成にあっては、上記カッタ冷却用冷
気吐出口は、上記冷気の一部を上記カッタの軸部に向け
て噴出することが好ましい。上記カッタ冷却用冷気吐出
口は、互いに離間した少なくとも二個のカッタ冷却用吐
出孔から構成され、上記吐出孔の各々は上記冷気を上記
カッタの回転方向に対して逆の方向から上記カッタの刃
部外周の接線方向に向けて噴出することが好ましい。
【0009】上記エアーカーテン用冷気吐出口は、上記
冷却集塵ハウジングの下端の全周に沿ってほぼ等間隔に
穿孔された複数のエアーカーテン用吐出孔から構成さ
れ、上記冷却集塵ハウジングの下端には上記複数のエア
ーカーテン用吐出孔よりも外側に可撓性フードが垂下さ
れていることが望ましい。
【0010】
【作用】カッタ冷却用冷気吐出口から噴出したカッタ冷
却用冷気は、斜め下方向かつカッタの刃部の外周の接線
方向に流れてカッタの刃部に衝突し、それを冷却すると
共に、切削孔や切削溝から切粉を巻き上げて切粉を切削
孔や切削溝の外に排出する。エアーカーテン用冷気は、
エアーカーテン用冷気取入れ部から流入し、冷却集塵ハ
ウジングに形成されたエアーカーテン用冷気流通路を通
って、エアーカーテン用冷気吐出口から下方に噴出し
て、エアーカーテンを作る。このエアーカーテン用冷気
は、エアーカーテン用冷気流通路を通過する間に冷却集
塵ハウジングを直接に冷却し、エアーカーテン用冷気吐
出口から噴出しエアーカーテンを形成する。このエアー
カーテンは、カッタ周囲と冷却集塵ハウジングとを遮断
し、これによって切粉の飛散を防止すると共に、切粉を
巻込んで切粉排出部から外部に排出される。
【0011】
【実施例】以下に本発明による工作機械の冷却集塵装置
の実施例を図1乃至図23を参照して説明する。図1乃
至図3は、本発明の一実施例の工作機械の冷却集塵装置
のほぼ全体構成を一部断面で示した正面図であり、図4
は一部断面で示した側面図である。これらの図におい
て、N/Cルーター等の切断及び切削加工機のスピンド
ル1にはカッタ回転主軸2が取付けられ、この回転主軸
2にはコレット3によってカッタ4が固着されている。
【0012】スピンドル1にはヘッド取付部材5がボル
ト6によって固着され、このヘッド取付部材5の構造の
詳細が図5に示されている。ヘッド取付部材5には上部
冷却ハウジング7が取付られ、この上部冷却ハウジング
7の詳細構造が図6に示されている。上部冷却ハウジン
グ7には中間冷却ハウジング8が取付られ、この中間冷
却ハウジング8の詳細構造が図7に示されている。上部
冷却ハウジング7と中間冷却ハウジング8との内部には
内側冷却ハウジング9が取付けられ、この内側冷却ハウ
ジング9の詳細構造が図8及び図9に示されている。中
間冷却ハウジング8には下部冷却ハウジング10が取付
けられ、この下部冷却ハウジング10の下面には可撓性
フード11が垂下しており、この可撓性フード11は下
部冷却ハウジング10の下面に刻設されたフード取付溝
12に取付けられている。下部冷却ハウジング10の詳
細構造が図10及び図11に示されている。
【0013】以上のヘッド取付部材5と上部冷却ハウジ
ング7と中間冷却ハウジング8と内側冷却ハウジング9
と下部冷却ハウジング10とは、カッタ回転主軸2とカ
ッタ4とを取囲む冷却集塵ハウジングを構成する。上部
冷却ハウジング7にはエアーカーテン用冷気取入れ部1
3が取付けられ、このエアーカーテン用冷気取入れ部1
3は図12に示したように貫通孔13aを有し、この貫
通孔13aは、一端が外部の加圧冷気供給部100に接
続され、他端が冷却集塵ハウジングの壁内に穿設された
エアーカーテン用冷気流通路14に接続されている。こ
のエアーカーテン用冷気流通路14は図1に示したよう
に、上部冷却ハウジング7を貫通する流路14aと、上
部冷却ハウジング7及び中間冷却ハウジング8と内側冷
却ハウジング9との間隙に形成された流路14bと、下
部冷却ハウジング10に穿設された流路14cとから構
成される。この流路14bは図8及び図9に示したよう
に、その流路の中間部分が内側冷却ハウジング9の外周
面に形成された種々の形状の複数の凸部9aによって、
複数の小流路に分割されている。また、流路14cは、
図10に明示したように下部冷却ハウジング10の円周
方向に等間隔に穿孔された複数の貫通孔から構成され、
これらの貫通孔14cの下端は、図11に示したように
エアーカーテン用冷気吐出口15として下部冷却ハウジ
ング10の下面に開口している。
【0014】また、中間冷却ハウジング8には図1及び
図12に示したように、切粉排出部を構成する集塵アタ
ッチメント16が取付けられ、この集塵アタッチメント
16の切粉排出孔16aは、一端が中間冷却ハウジング
8及び内側冷却ハウジング9を貫通する切粉排出用の貫
通孔17に接続され、他端が図示を省略した外部のバキ
ューム式切粉吸引装置に接続される。図1に示したよう
に下部冷却ハウジング10にはカッタ冷却用冷気吐出リ
ング18が取付けられ、このカッタ冷却用冷気吐出リン
グ18には、図13に示したように互いに20°〜30
°離間した2本のカッタ冷却用冷気吐出孔18a,18
bが斜め方向に穿孔されている。
【0015】下部冷却ハウジング10には図4に示した
ようにカッタ冷却用冷気取入れ部19が取付けられ、こ
のカッタ冷却用冷気取入れ部19は図14及び図15に
拡大して示したように、下部冷却ハウジング10に取付
けられた冷気取入れアタッチメント20と、ブラケット
21、22、23と、一対の冷気ホース24A、24B
とから構成される。この冷気ホース24Aは一端でカッ
タ冷却用冷気流路25Aを介してカッタ冷却用冷気吐出
リング18のカッタ冷却用冷気吐出孔18aに連通し、
他端で加圧冷気供給部100に連通している。同様に、
冷気ホース24Bも一端でカッタ冷却用冷気流路25B
を介してカッタ冷却用冷気吐出リング18のカッタ冷却
用冷気吐出孔18bに連通し、他端で加圧冷気供給部1
00に連通している。こうして、加圧冷気供給部100
からの加圧冷気は、一対の冷気ホース24A、24Bと
一対のカッタ冷却用冷気流路25A、25Bとを介して
カッタ冷却用冷気吐出孔18a、18bから噴出され
る。なお、冷気取入れアタッチメント20の詳細は図1
6に示され、ブラケット21の詳細は図17に示され、
ブラケット22、23の詳細は図18に示されている。
【0016】図19及び図20は、カッタ冷却用冷気吐
出リング18の2本のカッタ冷却用冷気吐出孔18a,
18bの取付け位置とこれらからのカッタ冷却用冷気の
噴射方向を示したもので、カッタ冷却用冷気吐出孔18
a,18bは上述のように、互いに20°〜30°離間
しており、カッタ冷却用冷気26を斜め下方に、具体的
には切削中のカッタ4の軸部4aからカッタ刃部4bの
先端までの範囲に向けて、かつカッタ4の回転方向Tと
逆向きにカッタ4の刃部4bの外周の接線方向に噴射す
る。
【0017】また、カッタ4に対するカッタ冷却用冷気
吐出孔18a,18bの取付位置は次のように定められ
ている。即ち、各カッタ冷却用冷気吐出孔18a,18
bは、図20に示したように、カッタ4の中心から互い
に20°〜30°離れた方向に延びた半径方向線Lから
カッタ4の回転方向Tの反対方向に、ほぼカッタ4の半
径分だけずれた方向にカッタ冷却用冷気を噴射するよう
に、穿孔されている。
【0018】図21は図12及び図15にブロックで示
した外部の加圧冷気供給部100の構成要素を示したも
ので、コンプレッサ101とアフタクーラ102とエア
ーータンク103とメインフィルタ104とによって、
塵を除去した6kg/立方cmの工場エアーーを作る。
この工場エアーは、二つに分流された後に、夫々エアー
ドライヤー105、105によって水分を除去されると
同時に10°Cに冷却された後に、レギュレータ/ドレ
ーン106、106によって油分を除去され、次いでエ
コルバー(冷却器)107、107によって−7°Cに
冷却される。このようにして作られた−7°Cの加圧冷
気が、エアーカーテン用冷気取入れ部13及びカッタ冷
却用冷気取入れ部19に夫々供給される。
【0019】次にこの実施例の作用を説明する。図1は
切削中の工作機械の冷却集塵装置の全体の構成を示し、
図3は切削が終了しカッタを被切削材から取り出してい
る時の工作機械の冷却集塵装置の全体構成を示してい
る。図1において、図示を省略した外部の切粉吸引装置
を駆動して、集塵アタッチメント16を介して冷却集塵
ハウジング内をバキューム吸引すると共に、加圧冷気供
給部100から加圧冷気をエアーカーテン用冷気取入れ
部13及びカッタ冷却用冷気取入れ部19に供給する。
この状態で、カッタ4は補助材27の上に載置固定され
た被切削材28を切削し、切削孔または切削溝29を穿
設する。
【0020】エアーカーテン用冷気取入れ部13に流入
したエアーカーテン用冷気30は、冷却集塵ハウジング
の壁内のエアーカーテン用冷気流通路14を流通しなが
ら冷却集塵ハウジングを冷却した後に、下部冷却ハウジ
ング10の複数のエアーカーテン用冷気吐出口15から
流出してエアーカーテン31を形成し、カッタの周囲を
外気から遮断する。この際、エアーカーテン用冷気30
は、図22に示したように内側冷却ハウジング9内で複
数に分流し、これによって一様な圧力となって図23に
示したように複数のエアーカーテン用冷気吐出口15か
らほぼ等しい圧力で噴出する。
【0021】カッタ冷却用冷気取入れ部19に流入した
カッタ冷却用冷気26は、図19に示したようにカッタ
冷却用冷気流路25A、25Bを通って、カッタ冷却用
冷気吐出リング18のカッタ冷却用冷気吐出孔18a,
18bからほぼ斜め45°下方に流出する。このカッタ
冷却用冷気26の一部は、カッタ4の軸部4aに衝突し
てそれを冷却して、カッタ駆動部からカッタ4の刃部4
bに伝達される伝導熱を冷却し、カッタ駆動部からの伝
導熱に起因するカッタ4の発熱を防止する。また、カッ
タ冷却用冷気26の残部は、カッタ4の刃部4bに衝突
してそれを冷却すると共に、切削孔又は切削溝29のバ
リを除去する。
【0022】カッタ冷却用冷気吐出孔18a,18bか
らのカッタ冷却用冷気26は、図19及び図20に示し
たように、互いに20°〜30°離れているため、その
うちの少なくとも一つが必ず切削孔又は切削溝29内に
進入して、内部の切粉を浮上がらせて外部に流出させる
と共に、更に、カッタ4の回転方向Tと逆向きにカッタ
4の外周の接線方向に進むため、カッタ刃部4bに巻き
付いた切粉をそこから確実に剥離する。このような切削
孔又は切削溝29内の切粉の排出及びカッタ刃部4bか
らの切粉の剥離作用は、図3に示したように切削加工が
終了し、カッタ4が被切削材28から離れる時に効果的
に行われる。
【0023】カッタの軸部4a及び刃部4bを夫々冷却
した冷気26は、図1及ぶ図3に示したように矢印32
で示したように切粉と共に切粉排出用の貫通孔17及び
切粉排出孔16aを通って外部の切粉吸引装置に吸引さ
れる。この冷気の吸引に伴い、図1に示したようにエア
ーカーテン用冷気吐出口15から噴出されたエアーカー
テン用冷気30も、被切削材28に衝突した後にカッタ
冷却用冷気26と同様に貫通孔17及び切粉排出孔16
aを介して吸引排出される。このエアーカーテン用冷気
30の吸引排出は、切粉排出用の貫通孔17への切粉の
排出を助長すると同時に、冷却集塵ハウジング内部を冷
却する。
【0024】このように、エアーカーテン用冷気30に
よって、冷却集塵ハウジング自体及びその内部のカッタ
4が夫々冷却される。エアーカーテン31と可撓性フー
ド11は、互いに協働して切粉が外部に漏出することを
阻止している。なお、可撓性フード11の主たる機能は
以下の通りである。即ち、図22に示したように、エア
ーカーテン31は複数のエアーカーテン用冷気吐出口1
5からの流出冷気によって形成されるため、このエアー
カーテン31には隙間33が残存し、ここから外部の暖
かい空気が冷却集塵ハウジングの中央部に流入するおそ
れがある。そこで、可撓性フード11は、この隙間33
から外部の暖かい空気が流入することを防止している。
【0025】従って、下部冷却ハウジング10の下面
に、複数のエアーカーテン用冷気吐出口15の代わりに
図11に一点鎖線で示したように連続した長いスリット
34を穿設した場合には、隙間33が除去されるので可
撓性フード11を不要とすることができる。なお、被切
削材としては、金属や複合材や木材や石材など任意の材
料を使用することができる。カッタ冷却用冷気吐出リン
グ18の冷気吐出孔18a、18bの個数や穿孔位置や
方向などは、被切削材の材料や厚さや切削孔または切削
溝の大きさなどの種々の切削条件に応じて決定されるも
のである。従って、種々の切削条件に対応したカッタ冷
却用冷気吐出リング18を複数個用意しておき、切削条
件に適したカッタ冷却用冷気吐出リング18を使用する
必要がある。しかしながら、切削条件が変わった場合に
も、単にカッタ冷却用冷気吐出リング18を交換するだ
けでよく、その他の部材を変更または交換する必要はほ
とんどない。上述の実施例では、カッタ冷却用冷気26
とエアーカーテン用冷気30は、圧力及び温度が互いに
等しく定めた。しかしながら、本発明はこれに限らず両
冷気26、30の圧力または温度を異ならせることもで
きる。また、カッタ冷却用冷気26及びエアーカーテン
用冷気30の圧力及び温度は、切削条件等に応じて決定
され、温度については5°〜−15°Cの範囲が好まし
い。特に、5°以下の温度の冷気は、従来の室温の場合
に比べて、カッタ寿命を大幅、例えば約6倍も長くする
ことができる。更に、冷却集塵ハウジングの構成部材
5、7、8、9、10などの内側の断熱効果を助長する
ためには、各構成部材の合せ面にシリコンゴム接着剤を
塗布することが望ましい。
【0026】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、カッタ冷却用冷気は、カッタ冷却用冷気吐出口
から斜め下方かつカッタの刃部の外周の接線方向に向け
て噴出されるため、カッタを被切削材から露出している
部分についてはもちろんのこと被切削材中に存する部分
についても冷却することができ、かつ切削孔や切削溝内
の切粉を確実に排出することができる。
【0027】また、エアーカーテン用冷気は、エアーカ
ーテン用冷気吐出口から下方に噴射されエアーカーテン
を形成するため、カッタの周囲を外気から遮断しそこを
冷却することができる。更に、エアーカーテン用冷気は
エアーカーテンの形成後に、切粉を伴って切粉排出部か
ら排出され切粉の排出を助長する。
【0028】また、エアーカーテン用冷気流通路を冷却
集塵ハウジングに形成したので、エアーカーテン用冷気
がこのエアーカーテン用冷気流通路を流通する際に冷却
集塵ハウジングを冷却することができ、カッタの冷却を
助長することができる。更に、カッタが充分に冷却され
るため、カッタの摩耗が小さくなりカッタ寿命が大幅に
延びると共に、切粉が一般に小さくなりその排出が容易
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による工作機械の冷却集塵装置の実施例
において被切削材の切削中の状態を一部断面で示した正
面図。
【図2】実施例を一部断面で示した正面図。
【図3】実施例において切削終了時点の状態を一部断面
で示した正面図。
【図4】実施例を一部断面で示した側面図。
【図5】実施例のヘッド取付部材を示した平面図と部分
断面図。
【図6】実施例の上部冷却ハウジングを示した部分断面
図と底面図。
【図7】実施例の中間冷却ハウジングを示した部分断面
図と底面図。
【図8】実施例の内側冷却ハウジングを示した平面図と
部分断面図。
【図9】実施例の内側冷却ハウジングを示した展開図。
【図10】実施例の下部冷却ハウジングを示した平面図
と部分断面図。
【図11】実施例の下部冷却ハウジングを示した底面
図。
【図12】実施例のエアーカーテン用冷気取入れ部と切
粉排出部を夫々示した断面図。
【図13】実施例のカッタ冷却用冷気吐出リングを示し
た部分断面図及び底面図。
【図14】実施例のカッタ冷却用冷気取入れ部を示した
平面図。
【図15】実施例のカッタ冷却用冷気取入れ部を示した
部分断面図。
【図16】実施例のカッタ冷却用冷気取入れ部を構成す
る冷気取入アタッチメントを示した平面図及び正面図。
【図17】実施例のカッタ冷却用冷気取入れ部を構成す
るブラケットを示した平面図及び正面図。
【図18】実施例のカッタ冷却用冷気取入れ部を構成す
るブラケットを示した正面図及び底面図。
【図19】実施例のカッタ冷却用冷気吐出リングから吐
出されるカッタ冷却用冷気とカッタとの関係を示した部
分断面図。
【図20】図19の線A−A矢視の平面図。
【図21】実施例の加圧冷気供給部の構成を示したブロ
ック図。
【図22】実施例の内側冷却ハウジングを流通するエア
ーカーテン用冷気の様子を示した説明図。
【図23】実施例のエアーカーテン用冷気吐出口から吐
出されるエアーカーテン用冷気を示した説明図。
【符号の説明】
1 スピンドル 2 カッタ回転主軸 4 カッタ 4a カッタ軸部 4b カッタ刃部 5、7、8、9、10 冷却集塵ハウジング 13 エアーカーテン用冷気取入れ部 14 エアーカーテン用冷気流通路 15 エアーカーテン用冷気吐出口 16 切粉排出部 18a,18b カッタ冷却用冷気吐出口 19 カッタ冷却用冷気取入れ部 26 カッタ冷却用冷気 30 エアーカーテン用冷気 31 エアーカーテン 100 加圧冷気供給部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23Q 11/00 B23Q 11/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スピンドルに主軸を介して装着されたカッ
    タを冷却すると共に切粉を外部に吸引排出する工作機械
    の冷却集塵装置において、上記主軸と上記カッタとを取
    囲むように上記スピンドルの下端に取付けられた冷却集
    塵ハウジングと、上記冷却集塵ハウジングの比較的上部
    に設けられ、外部の加圧冷気供給部に接続されるエアー
    カーテン用冷気取入れ部と、上記冷却集塵ハウジングの
    下端に設けられ、上記エアーカーテン用冷気取入れ部か
    らのエアーカーテン用冷気を下方に向けて噴出して上記
    カッタを取囲むエアーカーテンを形成するエアーカーテ
    ン用冷気吐出口と、上記冷却集塵ハウジングに形成さ
    れ、上記エアーカーテン用冷気取入れ部と上記エアーカ
    ーテン用冷気吐出口とを連通するエアーカーテン用冷気
    流通路と、上記冷却集塵ハウジングに設けられ、外部の
    加圧冷気供給部に接続されるカッタ冷却用冷気取入れ部
    と、上記冷却集塵ハウジングの比較的下部に設けられ、
    上記カッタ冷却用冷気取入れ部からの冷気を斜め下方か
    つ上記カッタの刃部の外周の接線方向に向けて噴出する
    カッタ冷却用冷気吐出口と、上記冷却集塵ハウジングに
    設けられ、上記冷却集塵ハウジング内部から切粉を吸引
    排出するために外部の切粉吸引装置に接続される切粉排
    出部とを具備することを特徴とする工作機械の冷却集塵
    装置。
  2. 【請求項2】上記カッタ冷却用冷気吐出口は、上記冷気
    の一部を上記カッタの軸部に向けて噴出することを特徴
    とする請求項1に記載の工作機械の冷却集塵装置。
  3. 【請求項3】上記カッタ冷却用冷気吐出口は、互いに離
    間した少なくとも二個のカッタ冷却用吐出孔から構成さ
    れ、上記吐出孔の各々は上記冷気を上記カッタの回転方
    向に対して逆の方向から上記カッタの刃部外周の接線方
    向に向けて噴出することを特徴とする請求項1に記載の
    工作機械の冷却集塵装置。
  4. 【請求項4】上記エアーカーテン用冷気吐出口は、上記
    冷却集塵ハウジングの下端の全周に沿ってほぼ等間隔に
    穿孔された複数のエアーカーテン用吐出孔から構成さ
    れ、上記冷却集塵ハウジングの下端には上記複数のエア
    ーカーテン用吐出孔よりも外側に可撓性フードが垂下さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の工作機械の
    冷却集塵装置。
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