JP3482363B2 - 伸縮アーム等の作業機連結装置 - Google Patents

伸縮アーム等の作業機連結装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、伸縮アーム等の
作業機をブーム等に連結する連結装置の技術分野に属す
る。
【0002】
【従来の技術】建設機械の作業機には伸縮アームのよう
に2個の連結穴が設けられており、各連結穴をブーム及
びアームシリンダシリンダの連結穴にピン連結して作業
を行う作業機がある。伸縮アームは長くて重いため、こ
れを建設機械に連結したまま運搬等をするのは困難であ
り、また運搬中に事故も生じやすい。そこで伸縮アーム
等の作業機を使用する場合は現場で連結作業をし、作業
後は連結を分解して別々に現場へ搬入及び搬出が行われ
ている。
【0003】従来伸縮アームを現場において連結する作
業は、伸縮アームを地上に置いた状態でブームを前後、
左右及び上下に移動させながらブームの連結穴を伸縮ア
ームの連結穴に合わせて、連結ピンを挿入する作業が行
われていた。しかしながら、伸縮アームを地上に置いた
ままでは、地面の凹凸のために伸縮アームとブームが平
行にならず、双方のピン穴を一致させて同芯状態にする
作業に困難が伴った。このため、従来は連結連結ピンを
挿入するのが困難であり、作業に多大な時間と労力が必
要であり問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本出願人は上記の問題
を解決すべく新たな発明をなし、出願をしている(平成
11年特許願第208300号、同第245025
号)。本願発明は上記出願(未公開)の発明を改良又は
変更した発明である。しかし、上記出願の発明において
は、伸縮アーム等の作業機を地上においた状態でピン連
結作業をするために十分に良好な操作性が得られなく課
題があった。 この発明は、上述のような背景の下にな
されたもので、更に連結作業が容易になる作業機の連結
装置を提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は以下の手段を採用している。即ち、請求項1
記載の発明は、伸縮アーム等の作業機をブームに連結す
るための連結装置において、リンク部材の一端をブーム
が作業機に連結可能な状態でブームの連結部に回動可能
に連結し、該リンク部材の他端をアームシリンダシリン
ダの連結部に連結してリンクを構成し、該リンク部材に
前記作業機の一端を浮かして、作業機の位置、高さ、角
度等を調節可能にする吊り手段を設け、該吊り手段は一
対の所定の長さを有するワイヤロープ又はチェーン等の
屈曲自在な部材の一端にフック等の手段を接続し、他端
を前記リンク部材に接続固定し、前記一対のフック等と
係止する係止手段を該作業機に設けたことを特徴として
いる。
【0006】請求項2記載の発明は、請求項1に記載の
発明において、前記リンク部材の連結穴中心間の距離を
前記作業機の連結穴間の距離と一致させ、前記リンク部
材を前記作業機と一緒に連結可能にしたことを特徴とし
ている。
【0007】請求項3記載の発明は、請求項1又は請求
項2の何れか1に記載の発明において、前記フック等と
係止する吊ピンを前記作業機の重心又はその近傍に設け
たことを特徴としている。
【0008】
【0009】
【発明の実施形態】図1は本発明の実施形態である連結
装置を示すもので、図1(A)は作業機連結前の連結装
置を示し、図1(B)は連結した状態を示す。図2はブ
ーム連結部の構造を示す。図3はアームシリンダシリン
ダ連結部の構造を示す。図4はワイヤロープを利用した
場合の吊手段を示す。以下、図面を参照してこの発明の
実施形態について説明する。なお、作業機の例として伸
縮アームについて述べる。
【0010】図1において、リンク部材10は、ブーム
11の先端部に回動自在に連結され、更に、アームシリ
ンダロッド13の先端部に設けられた連結ピン穴にピン
29で連結され、リンクを構成している。なお、ブーム
11の先端部の連結ピン穴の中心とリンク部材10の回
転中心とは同芯で連結されている。リンク部材10の先
端には伸縮アーム15の吊手段としてフック16を先端
に設けたワイヤロープ(又はチェーン)17が取り付け
られている。なお、リンク部材10の略中央部にはフッ
ク16を掛けてワイヤロープ17を収納、固定するため
のピン18が設けられている。また、伸縮アーム15の
重心付近、好ましくは重心よりやや前方にフック16と
係合するためのピン19が設けられている。
【0011】図2はブーム11に作業機15を連結する
連結構造を示す。図2において、ブーム11の先端部に
設けられた左右のボス21,22にはリンク部材10が
回動自由に外側から環装されている。また、リンク部材
10,10は図示されていない部材によって互いに連結
され、固定されている。左側のボス22にはピン23の
抜け止め用のボルト24のボルト穴25、25が略直交
するように設けられている。伸縮アーム15にはブーム
11と連結するための内側にピン穴を有するリング15
aが固設されている。リング15aはブーム11の先端
部に設けられた連結部の間隙に挿入及び挿脱可能な形で
設けられている。即ち、リング15aはリンク部材10
を連結した状態で、ブーム11から着脱が可能になって
いる。
【0012】図3はアームシリンダのロッド13に伸縮
アーム15を連結する連結構造を示す。図3において、
リンク部材10の内側には筒状のガイド27が夫々設け
られている。また、一方(右側)のリンク部材10の外
側にはボス28が固設され、ボス28には連結ピン29
の抜け防止のためのボルト穴31が設けられている。ア
ームシリンダロッド13の先端には連結部33が固設さ
れ、連結部33にはピン29が貫通する連結穴が設けら
れている。伸縮アーム10の連結位置には、内側にピン
穴を有するブロック34,35が固設されている。ブロ
ック35は2段になっており、外側段には連結ピン29
を挿入した時の固定ボルト穴が設けられている。ブロッ
ク34,35は、その間にアームシリンダの連結部33
を挿入可能で、かつ、環状ガイド27、27の間に介挿
可能に構成されている。即ち、リンク部材10はアーム
シリンダ13と単独に連結可能であり、また、アームシ
リンダロッド13、伸縮アーム15との同時連結も可能
に構成されている。また同様に、アームシリンダロッド
13は伸縮アーム15との単独連結及びリンク部材10
との同時連結も可能である。
【0013】図4は吊手段の構成例を示す。図4におい
て、リンク部材10の先端には、リンク部材10を連結
する形でワイヤロープ17を取り付けるための部材37
が架設されている。リンク部材10の外側にワイヤロー
プ17が取り付けられ、その先端にピン19と係止する
フック16が設けられている。ワイヤロープ17は長さ
が調節可能であってもよいし、適当な長さで一定であっ
てもよい。また、フック16とピン19は相互に反対に
設けてもよいし、他の構成により係止可能にしてもよ
い。また、ワイヤロープ17はチェーンで構成してもよ
い。
【0014】本実施形態は以上のような構成であり、伸
縮アームの着脱操作は以下のようにして行う。まず、伸
縮アーム15を装着する手順について説明する。最初
に、図5に示すように、伸縮アーム15を地面上に置
く。地面が凹凸しており、伸縮アーム15は傾いた状態
であってもよい。フック16を吊り下げ用の係止ピン1
9の略真上に持ってくることができる位置にリンク部材
10の先端を前後左右に移動させる。この際に、リンク
部材10は図1(A)に示す状態にする。次に、図6に
示す装着手順(A)、(B)、(C)を順次行う。即
ち、まず、ブームシリンダ(図示省略)及びアームシリ
ンダを操作してワイヤロープ17を下げ、図4に示すよ
うに、左右のフック16を夫々ピン18に掛ける。
【0015】次に、図6(A)に示すように、ブームシ
リンダ、アームシリンダを操作して伸縮アーム15の一
端を持ち上げて地面から浮かす。次に、図6(B)に示
すように、ブームシリンダ、アームシリンダの操作を少
しずつ(緩やかに)行って、伸縮アーム15のリング1
5aがブームのボス21と22の間に挿入できるように
伸縮アームの位置、高さ、角度等を調節する。この作業
は伸縮アームの一端が浮いている状態なので比較的軽作
業で行うことができる。もちろん、工具を使用してもよ
い。図2に示すように、リング15aが正しい連結位置
にきたら連結ピン23を挿入し、更に、抜け止めボルト
24を挿入し、ダブルナット24bで固定する。
【0016】最後に、図6(C)に示すように、ブーム
シリンダの下げ操作とアームシリンダ13の伸長操作に
より伸縮アーム15を地面に置き、フック16をピン1
9から外して、ピン18に掛けて固定する。この状態で
連結ピン29を抜く。アームシリンダロッド13の連結
部33のピン穴と伸縮アームのブロック34,35の連
結用ピン穴とが一致するようにアームシリンダロッド1
3を伸縮し、一致したらリンク部材10のガイド27、
連結部33のピン穴及びブロック34,35のピン穴に
ピン29を挿入し、更にボルト30を、ボルト穴31に
挿入し、ダブルナット30bで固定する。なお、ピン2
9を挿入する場合にリンク部材10を上方に回動させて
リンク部材10をピン連結から外すこともできる。以上
の操作により、伸縮アーム15はブーム11及びアーム
シリンダロッド13に装着が完了する。この状態を図1
(B)に示す。
【0017】伸縮アーム15を取り外す場合は上に述べ
た手順とほぼ逆に操作する。即ち、伸縮アーム16を地
面上に置き、ピン29を抜いて、アームシリンダを操作
して、連結部33を連結していた位置から移動させる。
次に、リンク部材10を上向きに回動させ、伸縮アーム
のブロック34,35のピン穴から外し、リンク部材の
ガイド27と連結部33のピン穴を一致させた後、ピン
29を挿入し、ボルト30で固定する。次に、アームシ
リンダのロッド13の先端部を下げ、フック16をピン
18から外してピン19に掛ける。その後再び、ピン2
9が容易に抜ける位置まで伸縮アーム15を浮かせ、ピ
ン29を抜く。最後に、アームシリンダのロッド13の
先端部を下げ、フック16をピン19から外してピン1
8に掛けて固定する。
【0018】なお、場合によっては伸縮アーム16を地
面上に置いた状態でピン23とピン29が抜けることが
ある。この場合はピン23、ピン29を抜く。その後に
アームシリンダのロッド13の先端部を上げ、伸縮アー
ムのブロック34,35のピン穴から外し、リンク部材
のガイド27と連結部33のピン穴を一致させた後、ピ
ン29を挿入し、ボルト30で固定する。
【0019】本実施形態は上記した構成、機能を有して
いる。したがって、本実施形態による連結装置は、伸縮
アームを地面から浮かせてブームとの連結作業をするの
で、ブームのピン穴との芯合わせのための調整移動が容
易であり、地面の傾斜や凹凸に関係なく作業が可能であ
り、また連結作業も軽作業で済む。したがって、連結作
業が短時間で容易に行えるという効果が得られる。ま
た、地面から浮かす場合はワイヤロープ等で吊り下げて
いるため、連結作業は安全に行えるという効果も得られ
る。
【0020】以上、この発明の実施形態、実施例を図面
により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限
られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲
の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。例え
ば、上記の説明では、伸縮アーム10の一部を地面から
浮かすようにしているが、全体を浮かすようにしてもよ
い。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の構成に
よれば、連結作業が軽作業で済むので作業が簡単なると
いう効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は作業機連結前の連結装置を示し、
(B)は連結した状態を示す。
【図2】 ブーム11に作業機15を連結する連結構造
を示す。
【図3】 アームシリンダのロッド13に作業機15を
連結する連結構造を示す。
【図4】 吊手段の構成例を示す。
【図5】 伸縮アームを装着する際の建設機械との位置
関係を示す。
【図6】 (A)〜(C)は伸縮アームの装着手順を示
す。
【符号の説明】
10 リンク部材 11 ブーム 12 ブームの連結ピン穴 13 アームシリンダのロッド 15 伸縮アーム(作業機) 16 フック(吊り手段) 17 ワイヤロープ(吊り手段) 18 固定ピン 19 係止ピン 23 連結ピン(ブームと伸縮アームとの連
結) 27 ガイド 29 連結ピン(アームシリンダロッドと伸
縮アームとの連結) 33 連結部 34,35 連結用ブロック
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−209418(JP,A) 特開 平9−58976(JP,A) 実開 平3−95375(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02F 3/38 E02F 3/36 E02F 3/39

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伸縮アーム等の作業機をブームに連結す
    るための連結装置において、リンク部材の一端をブーム
    が作業機に連結可能な状態でブームの連結部に回動可能
    に連結し、該リンク部材の他端をアームシリンダシリン
    ダの連結部に連結してリンクを構成し、該リンク部材に
    前記作業機の一端を浮かして、作業機の位置、高さ、角
    度等を調節可能にする吊り手段を設け、該吊り手段は一
    対の所定の長さを有するワイヤロープ又はチェーン等の
    屈曲自在な部材の一端にフック等の手段を接続し、他端
    を前記リンク部材に接続固定し、前記一対のフック等と
    係止する係止手段を該作業機に設けたことを特徴とする
    伸縮アーム等の作業機連結装置。
  2. 【請求項2】 前記リンク部材の連結穴中心間の距離を
    前記作業機の連結穴間の距離と一致させ、前記リンク部
    材を前記作業機と一緒に連結可能にしたことを特徴とす
    る請求項1に記載の伸縮アーム等の作業機連結装置。
  3. 【請求項3】 前記フック等と係止する吊ピンを前記作
    業機の重心又はその近傍に設けたことを特徴とする請求
    項1又は請求項2の何れか1に記載の伸縮アーム等の作
    業機連結装置。
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