JP3482308B2 - フォトマスクの製造方法 - Google Patents

フォトマスクの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被処理基板に対する
パターン形成技術に関し、特に露光後の現像処理におけ
るパターンのつぶれ防止に適用して有効な技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】被処理基板である半導体ウェハに集積回
路を形成するパターン形成工程では、半導体ウェハ上に
CVD(Chemical Vapor Deposition)法、スパッタリン
グ法などで薄膜を形成し、その上にレジストを塗布して
これを紫外線や電子線などで露光・現像している。その
後、レジストをマスクとして薄膜をエッチングし、最後
に残ったレジストを除去している。そして、以上の工程
を繰り返し実行することにより、複雑な回路パターンが
形成される。
【0003】なお、このようなパターン形成技術を詳し
く記載している例としては、たとえば、大日本図書
(株)発行、「シリコンLSIと化学」(1993年10月10
日発行)、P189〜P220がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで、露光したレジ
ストの不要部分を溶かすために用いられる現像液中に
は、数〜数十μm程度の気泡が混入していることがあ
る。このような現像液で現像を行った場合を図19(被
処理基板:半導体ウェハ1)および図20(被処理基
板:石英基板21)に示す。図19(a)、図20
(a)に示すように、現像液9中に混入した気泡10が
付着すると、その部分だけが現像液9に浸透されなくな
る。すると、未現像部Aが発生して現像後のパターンが
つぶれてしまう(図19(b)、図20(b))。これを
マスクとして薄膜である多結晶シリコン膜3あるいは遮
光膜23をエッチングすると(図19(c)、図20
(c))、レジスト4除去後の薄膜はつぶれたレジストパ
ターンに沿った形状、つまり本来のパターンとは違う形
状に形成されることになる(図19(d)、図20
(d))。
【0005】現像液9中の気泡10により本来のパター
ンが転写されなくなると、パターン不良に起因したトラ
ブルが発生することになる。そして、このような問題の
発生を防止しようとすると、歩留まりが低下することに
なる。
【0006】このことは、集積回路の形成される半導体
ウェハ1やフォトマスクの石英基板21にとどまらず、
印刷技術によりパターンが形成される種々の被処理基板
に共通した問題でもある。
【0007】そこで、本発明の目的は、半導体ウェハな
ど被処理基板に対するパターン形成に際し、露光後の現
像処理におけるパターンのつぶれを防止することのでき
る技術を提供することにある。
【0008】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を説明すれば、以下の
通りである。
【0010】すなわち、本発明によるフォトマスクの製
造方法は、被処理基板に形成された薄膜上にレジスト
を形成する工程と、前記レジスト膜に所定のパターンを
露光する工程と、前記レジストの表面をプラズマを用
いて親水化処理する工程と、その後、前記レジスト
現像して所定のパターンを得る工程と、現像された前記
レジストをマスクとして前記薄膜を除去する工程と、
残余の前記レジストを除去する工程とを有し、前記所
定のパターンの寸法は前記プラズマのプラズマ発光によ
る前記レジスト膜の感光を考慮したものである。また、
本発明によるフォトマスクの製造方法は、被処理基板に
形成された薄膜上にレジスト膜を形成する工程と、前記
レジスト膜に所定のパターンを露光する工程と、前記レ
ジスト膜の表面をプラズマを用いて親水化処理する工程
と、その後、前記レジスト膜を現像する工程と、現像さ
れた前記レジスト膜をマスクとして前記薄膜を除去する
工程と、残余の前記レジスト膜を除去する工程とを有
し、前記プラズマを用いる時間は2〜3秒である。
【0011】このパターン形成方法において、親水化処
理は、レジストの表面に対する面荒れ加工とすることが
できる。このレジストは、反応ガスに高周波電界を印加
して発生されたプラズマとの化学反応によるプラズマ処
理により面荒れ加工される。
【0012】
【0013】
【0014】上記したフォトマスクの製造方法におい
て、被処理基板には、集積回路が形成される半導体ウエ
ハ、パターン原画が描かれたフォトマスクの石英基板、
電子部品が実装されるプリント基板または液晶ディスプ
レイのガラス基板を適用することができる。フォトマス
クには位相シフトマスクを用いることができる。
【0015】上記した手段によれば、現像液中の気泡が
レジスト表面に付着していても、この気泡とレジストと
の界面に現像液が浸入する。これにより、現像液がレジ
スト全体に行き渡るので、被処理基板上の薄膜にはつぶ
れのない正規のパターンが転写される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明す
るための全図において同一の部材には同一の符号を付
し、その繰り返しの説明は省略する。
【0017】(実施の形態1)図1〜図8は本発明の一
実施の形態であるパターン形成方法を連続して示す断面
図、図9は本実施の形態のパターン形成に用いられるパ
ターン形成装置を示すブロック図である。
【0018】図示する場合においては、半導体ウェハ
(被処理基板)1にパターンが形成される場合が表され
ている。図1において、半導体ウェハ1の表面にはたと
えば酸化シリコン(SiO2)膜2が形成されている。
【0019】このような半導体ウェハ1に対し、図2に
示すように、たとえばCVD法により多結晶シリコン膜
(薄膜)3を形成する。次に、この多結晶シリコン膜3
上にたとえば露光部分が現像液に対して可溶性となるポ
ジ型のレジスト4をスピン塗布し(図3)、これに露光
光を照射して所定のパターンを露光する。なお、後述す
る実施の形態2の場合を含め、本発明においてはネガ型
のレジストを用いることもできるが、この場合には、ポ
ジ型のレジスト4とは逆に露光部分が不溶性または難溶
性となる。
【0020】そして、露光後のレジスト4の表面に親水
化処理を施す。この親水化処理の方法を図4に示す。図
4において、たとえば高純度の石英からなるチャンバ5
内の反応室6には、上下方向に対向するようにして2つ
の電極7a,7bが配置されている。下方に位置する電
極7bにはヒータが内蔵されており、この電極7b上に
半導体ウェハ1が位置するようになっている。電極7b
にはたとえば周波数13.56MHzの高周波電源8が接続さ
れ、電極7aは接地電位とされている。また、たとえば
10-3〜10-1Torr程度に減圧された反応室6内にはO2
どの反応性ガスが導入される。
【0021】このような装置により、電極7b上に半導
体ウェハ1を搭載し、電極7bに高周波電力を印加する
と、反応性ガスがグロー放電してプラズマが発生する。
そして、このプラズマによる化学反応で、半導体ウェハ
1のレジスト4表面が削られる面荒れ加工、つまり親水
化処理が施される。この処理は、たとえば 2〜 3秒程度
にわたって実行される。但し、面荒れ加工はこのような
プラズマ処理以外の方法により行ってもよい。さらに、
レジスト4表面に親水性を有する薬液を塗布することに
よる親水化処理でもよい。
【0022】なお、このような親水化処理は露光前に行
ってもよい。しかし、親水化処理を行った後に露光する
と、レジスト4表面の面荒れの影響を受けた露光光によ
りパターン形状が変化してしまうことが考えられるの
で、露光後に親水化処理を行うことが好ましい。また、
プラズマにより親水化処理を行うと、この親水化処理時
にレジスト4が不要な感光をしてしまうことが予想され
る。これを防止するには、感光によるパターンの変化を
見越しておき、変化後で正規のパターンが得られるよう
にしておくことが望ましい。
【0023】親水化処理後、レジスト4を現像液9に浸
す。ここで、現像液9中に存在している気泡10がレジ
スト4表面に付着した場合を図5に示す。前述したよう
に、レジスト4には面荒れ加工による親水化処理が施さ
れているので、表面に気泡10が付着しても、現像液9
はレジスト4と気泡10との界面にまで浸透してレジス
ト4の表面全体に行き渡る(図中の矢印を参照)。これ
により、図6に示すように、レジスト4を現像した際、
気泡付着箇所もレジストパターンがつぶれることなくき
れいに現像される。
【0024】プラズマ処理および現像は図9に示す装置
により行われる。図示する装置において、半導体ウェハ
を取り入れるロード部11、半導体ウェハに前記したプ
ラズマ処理を施すプラズマ処理部12、レジストを現像
する現像部13、半導体ウェハを加熱するベーク部1
4、処理後の半導体ウェハを取り出すアンロード部15
が順次配列されている。そして、半導体ウェハは制御部
16のプログラムによる電気信号で制御されて各部屋を
通され、所定の処理が行われる。本装置には、真空系、
排気および廃液系、ガスおよび薬液供給系が適宜接続さ
れている。
【0025】なお、図示する装置には、さらにプラズマ
処理前のプロセスを実行するたとえばレジスト塗布部や
露光部などを、また、後述する現像後のプロセスを実行
する所定の処理部を、必要に応じて追加することができ
る。
【0026】現像後は、レジスト4をマスクとして多結
晶シリコン膜3をエッチングし、この多結晶シリコン膜
3を前述のようなつぶれのないレジストパターンに沿っ
た形状に形成する(図7)。そして、残余のレジスト4
を除去すると、図8に示すように、つぶれのないパター
ンの多結晶シリコン膜3が得られる。
【0027】このように、本実施の形態のパターン形成
技術によれば、レジスト4に親水化処理を施した後に現
像液9に浸しているので、付着した気泡10に妨げられ
ることなく現像液9がレジスト4全体に行き渡り、未現
像部がなくなる。これにより、半導体ウェハ1上にはつ
ぶれのない正規のパターンが転写された多結晶シリコン
膜3を得ることができる。
【0028】(実施の形態2)図10〜図17は本発明
の他の実施の形態であるパターン形成方法を連続して示
す断面図、図18は本実施の形態のパターン形成に用い
られるパターン形成装置を示すブロック図である。
【0029】本実施の形態においては、パターン原画が
描かれたフォトマスクにおけるパターン形成技術につい
て示されている。なお、フォトマスクには、通常のフォ
トマスクの他、たとえば光の位相をシフトさせることに
よりパターン結像時の解像度を向上させた位相シフトマ
スクなどを用いることができる。
【0030】先ず、図10に示す石英基板(被処理基
板)21に対し、たとえばスパッタリング法で遮光膜
(薄膜)23を形成する(図11)。次に、遮光膜23
上にポジ型のレジスト4を塗布し(図12)、たとえば
電子線描画装置で露光する。
【0031】そして、実施の形態1の要領で露光後のレ
ジスト4の表面に親水化処理を施してから(図13)、
現像を行う(図14)。既に述べたように、レジスト4
には親水化処理が施されているので、現像液9は気泡1
0に妨げられることなくレジスト4の表面全体に行き渡
る。したがって、レジスト4にはつぶれのない正規のパ
ターンが現像される(図15)。
【0032】現像後は、パターニングされたレジスト4
をマスクとして遮光膜23をエッチングし(図16)、
最後に、残ったレジスト4を除去する(図17)。
【0033】ここで、プラズマ処理からレジスト除去ま
での工程は図18に示す装置により行われる。この装置
には、ロード部11、プラズマ処理部12、現像部1
3、ベーク部14、アッシング部17、遮光膜をたとえ
ばウェットエッチングするエッチング部18、残余のレ
ジストを除去した後に純水などでリンスしてこれをスピ
ンナ等で乾燥するレジスト除去・乾燥部19、半導体ウ
ェハを取り出すアンロード部15が順次配列されてい
る。そして、同様に、半導体ウェハは制御部16に制御
されて所定の処理が行われる。なお、本装置にも、真空
系や排気および廃液系などが適宜接続されている。
【0034】なお、図示する装置には、プラズマ処理前
のプロセスを実行する所定の処理部を追加することがで
きる。
【0035】このように、本実施の形態のパターン形成
技術によっても、レジスト4に親水化処理を施した後に
現像液9に浸しているので、気泡10の付着に拘わらず
現像液9がレジスト4の全体に行き渡る。これにより、
石英基板21上の遮光膜23には正規のパターンが転写
される。
【0036】以上、本発明者によってなされた発明をそ
の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前
記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸
脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもな
い。
【0037】たとえば、本実施の形態においては、被処
理基板として半導体ウェハ1および石英基板21が適用
されているが、これ以外でも、たとえば電子部品が実装
されるプリント基板や液晶ディスプレイのガラス基板な
どを用いることができる。
【0038】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以
下のとおりである。
【0039】(1).本発明のパターン形成技術によれば、
レジストに親水化処理を施した後に現像液に浸している
ので、現像液中の気泡がレジスト表面に付着していて
も、この気泡とレジストとの界面に現像液が浸入する。
これにより、気泡がない場合と同様に現像液がレジスト
全体に行き渡るので、未現像部がなくなって被処理基板
上の薄膜にはつぶれのない正規のパターンが転写され
る。
【0040】(2). (1)により、パターン不良に起因した
トラブルが未然に防止され、品質の向上を図ることが可
能になる。
【0041】(3).親水化処理と現像とを一貫で処理する
ことにより、異物等の付着や重金属等の汚染が防止され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1によるパターン形成方法
の一部を示す断面図である。
【図2】図1に続く断面図である。
【図3】図2に続く断面図である。
【図4】図3に続く断面図である。
【図5】図4に続く断面図である。
【図6】図5に続く断面図である。
【図7】図6に続く断面図である。
【図8】図7に続く断面図である。
【図9】本発明の実施の形態1のパターン形成に用いら
れるパターン形成装置を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態2によるパターン形成方
法の一部を示す断面図である。
【図11】図10に続く断面図である。
【図12】図11に続く断面図である。
【図13】図12に続く断面図である。
【図14】図13に続く断面図である。
【図15】図14に続く断面図である。
【図16】図15に続く断面図である。
【図17】図16に続く断面図である。
【図18】本発明の実施の形態2のパターン形成に用い
られるパターン形成装置を示すブロック図である。
【図19】(a)〜(d)は本発明者が検討対象とした
パターン形成プロセスを連続して示す断面図である。
【図20】(a)〜(d)は本発明者が検討対象とした
他のパターン形成プロセスを連続して示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 半導体ウェハ(被処理基板) 2 酸化シリコン膜 3 多結晶シリコン膜(薄膜) 4 レジスト 5 チャンバ 6 反応室 7a,7b 電極 8 高周波電源 9 現像液 10 気泡 11 ロード部 12 プラズマ処理部 13 現像部 14 ベーク部 15 アンロード部 16 制御部 17 アッシング部 18 エッチング部 19 レジスト除去・乾燥部 21 石英基板(被処理基板) 23 遮光膜(薄膜) A 未現像部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−155626(JP,A) 特開 昭61−30033(JP,A) 特開 平2−90170(JP,A) 特開 平9−106081(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/00 - 7/42

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理基板に形成された薄膜上にレジス
    ト膜を形成する工程と、前記レジスト膜に所定のパター
    ンを露光する工程と、前記レジスト膜の表面をプラズマ
    を用いて親水化処理する工程と、その後、前記レジスト
    膜を現像して所定のパターンを得る工程と、現像された
    前記レジスト膜をマスクとして前記薄膜を除去する工程
    と、残余の前記レジスト膜を除去する工程とを有し、前
    記所定のパターンの寸法は前記プラズマのプラズマ発光
    による前記レジスト膜の感光を考慮したものであること
    を特徴とするフォトマスクの製造方法。
  2. 【請求項2】 被処理基板に形成された薄膜上にレジス
    ト膜を形成する工程と、前記レジスト膜に所定のパター
    ンを露光する工程と、前記レジスト膜の表面をプラズマ
    を用いて親水化処理する工程と、その後、前記レジスト
    膜を現像する工程と、現像された前記レジスト膜をマス
    クとして前記薄膜を除去する工程と、残余の前記レジス
    ト膜を除去する工程とを有し、前記プラズマを用いる時
    間は2〜3秒であることを特徴とするフォトマスクの製
    造方法。
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