JP6089667B2 - レジスト付きフォトマスクブランクスの製造方法、および、フォトマスクの製造方法 - Google Patents

レジスト付きフォトマスクブランクスの製造方法、および、フォトマスクの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体素子のパターン形成等に用いられるフォトマスクや、そのフォトマスクの製造に用いられるフォトマスクブランクスに関し、特に、水溶液系の現像液に対する濡れ性を向上させたレジスト付きフォトマスクブランクス、その製造方法、および、フォトマスクの製造方法に関するものである。
半導体素子のパターン形成においては、従来から、フォトマスク(レチクルとも呼ばれる)を使って縮小(例えば1/4縮小)露光するフォトリソグラフィの技術が用いられており、LSIの高集積化に伴ってフォトマスクのマスクパターンも、微細なパターンを精度良く形成することが求められている。
上記のフォトマスクとしては、合成石英ガラス等の光透過性基板の上に、金属薄膜等から構成される遮光膜を形成し、光を透過させる部分と遮光する部分でパターンを構成したバイナリー型マスクが、従来から広く用いられてきたが、近年においては、位相を反転させた光を利用して解像度を向上させる位相シフトマスクも用いられている。
この位相シフトマスクには、互いに光の位相が反転するマスクパターンを交互に配置させたレベンソン型マスクの他に、従来のバイナリー型マスクにおける遮光膜を半透明膜にして、この半透明膜を透過した光が半透明膜の無い部分を透過した光と位相が反転するようにしたハーフトーン型マスクや、遮光膜を設けないクロムレス型マスクもある。
そして、フォトマスクの製造に用いられる積層体基板であって、マスクパターンを形成する前の積層体基板のことをフォトマスクブランクスと呼ぶ。ここで、フォトマスクブランクスの構成は、上記の各種フォトマスクの構成に応じたものになる。
このフォトマスクブランクスからフォトマスクを製造するには、例えば、図10に示すように、フォトマスクブランクス準備(S111)、レジスト膜の形成(S112)、パターン描画(S113)、レジストパターンの形成(S114)、マスクパターンの形成(S115)、レジストパターンの除去(S116)といった工程を経ることになる。
より具体的には、例えば、図11に示すように、まず、光透過性基板111Aの上に遮光膜112Aを有するフォトマスクブランクス110を準備し(図11(a))、その遮光膜112Aの上にレジスト膜120A(ここでは、ポジ型レジスト膜を例示)を形成し(図11(b))、そのレジスト膜120Aに電子線161やレーザーを用いてパターン描画を行って、レジスト膜120Aの中に感光領域Rを形成し(図11(c)、(d))、次いで、現像により、例えば、感光領域Rの部分を溶解させてレジストパターン120Pを形成し(図11(e))、このレジストパターン120Pをエッチングマスクに用いて遮光膜112Aをエッチングし(図11(f))、その後、レジストパターン120Pを除去して、光透過性基板111Aの上に遮光パターン(マスクパターン)112Pを有するフォトマスク130を得る(図11(g))。
なお、図11においては、得られるフォトマスク130がバイナリー型マスクである例を示しているため、フォトマスクブランクス110としては、光透過性基板111Aの上に遮光膜112Aを有する構成を示したが、上述のように、フォトマスクブランクスの構成は、目的とするフォトマスクの構成に応じたものになる。
また、図11においては、レジスト膜120Aを構成するレジストとして、ポジ型レジストを例示したが、用途に応じてネガ型レジストを用いても良い。ネガ型レジストを用いる場合は、感光領域Rの部分が架橋することよって不溶化し、感光していない部分(未描画領域)が現像によって溶解してレジストパターンを形成することになる。
上記のようなレジストには、近年では、描画時間短縮等のために高感度が要求されることから、化学増幅型レジストが用いられている。この化学増幅型レジストは酸発生剤を含有しており、電子線描画等によって発生した酸が、その後の加熱処理(PEB:Post−exposure Bake)で拡散し、この拡散した酸が触媒として作用することによって化学反応を促進して、レジストの感度を向上させるものである(例えば、特許文献1)。
この化学増幅型レジストを用いる場合には、図12に示すように、パターン描画を行う工程(S113)と、現像によりレジストパターンを形成する工程(S114)との間に、レジスト膜を加熱処理(PEB:Post−exposure Bake)する工程(S113B)を備えることになる。
また、現像方法としては、例えば、描画後のレジスト付きフォトマスクブランクスを槽内に溜めた現像液に漬ける浸漬現像や、描画後のレジスト付きフォトマスクブランクスを回転させながらレジスト膜の表面に現像液を噴射するスプレー現像などが挙げられるが、近年では、現像液の使用量を少なくすることができるパドル現像が、好適に用いられている(例えば、特許文献2)。
このパドル現像は、描画後のレジスト付きフォトマスクブランクスを静止または低速回転させた状態で、レジスト膜の表面に現像液を盛るように供給し、現像液の表面張力を利用してレジスト膜の表面全体を現像液で覆った後、現像液の供給を停止して、レジスト膜の現像を行なう現像方法である。
パドル現像では、毎回新鮮な現像液でレジスト膜を処理するため、浸漬現像法に比べて現像液の劣化を抑制することが可能になる。また、新鮮な現像液が中央部から外周部へ流動するスプレー現像法に比べて、レジストパターンの面内均一性を向上させ、その中央値を目標寸法に仕上げ易い等の利点を有している。
上記の各現像方法に用いられる現像液には、従来、有機溶剤系の現像液も用いられてきたが、近年では、主に安全性や環境への配慮、および、環境汚染防止のための設備にかかるコスト削減の目的で、水溶液系の現像液、典型的には、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を含むアルカリ水溶液の現像液が用いられている。
特開平4−358155号公報 特開2001−5192号公報
しかしながら、有機高分子の樹脂からなるレジストの膜の表面は、通常、疎水性であり、水溶液系の現像液に対して濡れ性が悪い。例えば、一般的なレジスト膜表面の水(蒸留水)に対する接触角は65°〜75°程度である。
このように両者の濡れ性が悪い場合、上記のパドル現像においては、現像前にレジスト膜の表面に供給した現像液が均一に広がらないことに起因して、レジストパターンに寸法分布が生じたり、パターン解像性が低下したり、欠陥が発生してしまうという問題があった。
また、パドル現像において、例えば、現像液の供給ノズルがレジスト膜の表面上を移動するように操作して、強制的に現像液をレジスト膜の表面に広げる方法を用いる場合も、レジスト膜表面の位置(例えば、先に液に接する箇所と、後で液に接する箇所)によって現像液と接する時間が異なってしまい、やはりレジストパターンに寸法分布が生じたり、パターン解像性が低下したり、欠陥が発生してしまうという問題があった。
一方、フォトマスクの製造においては、マスクパターンの微細化の要求に伴って、マスクパターンの寸法均一性や欠陥品質についても厳しい要求があり、上記のようなレジストパターンの寸法分布や欠陥を、より低減させることが求められている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、フォトマスク製造の現像工程で生じるレジストパターンの寸法分布を低減し、パターン解像性を向上し、欠陥の発生を低減して、微細化の要求に応じることが可能なレジスト付きフォトマスクブランクス、その製造方法、および、フォトマスクの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、種々研究した結果、フォトマスクブランクスの主面上に形成したレジスト膜の表面に所定のプラズマ処理を行うことによって、レジスト膜表面の水溶液系の現像液に対する接触角を所定の範囲に改善することができ、フォトマスクの製造に前記接触角が所定の範囲にあるレジスト膜を有するフォトマスクブランクスを用いることで、上記課題を解決できることを見出して本発明を完成したものである。
すなわち、本発明の請求項に係る発明は、フォトマスクの製造に用いられるレジスト付きフォトマスクブランクスの製造方法であって、フォトマスクブランクスを準備する工程と、前記フォトマスクブランクスの主面上に、酸発生剤を含む化学増幅型レジストのレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜の表面に酸素に加えて、窒素、ヘリウム、フッ素、水素、またはアルゴンの少なくともいずれか一種を含む混合ガスを用いたプラズマ処理を施す工程と、を順に備え、前記プラズマ処理を施す工程が、誘導結合型プラズマ方式のフォトマスク用ドライエッチャーを用いて真空領域で行うことを特徴とするレジスト付きフォトマスクブランクスの製造方法である。
また、本発明の請求項に係る発明は、フォトマスクブランクスを準備する工程と、前記フォトマスクブランクスの主面上に、酸発生剤を含む化学増幅型レジストのレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜の表面に酸素に加えて、窒素、ヘリウム、フッ素、水素、またはアルゴンの少なくともいずれか一種を含む混合ガスを用いたプラズマ処理を施す工程と、前記プラズマ処理を施したレジスト膜に電子線またはレーザーを用いてパターン描画を行う工程と、前記レジスト膜を加熱処理する工程と、前記レジスト膜をアルカリ性水溶液の現像液で現像してレジストパターンを形成する工程と、を順に備え、前記プラズマ処理を施す工程が、誘導結合型プラズマ方式のフォトマスク用ドライエッチャーを用いて真空領域で行うことを特徴とするフォトマスクの製造方法である。
また、本発明の請求項に係る発明は、フォトマスクブランクスを準備する工程と、前記フォトマスクブランクスの主面上に、酸発生剤を含む化学増幅型レジストのレジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜に電子線またはレーザーを用いてパターン描画を行う工程と、前記レジスト膜を加熱処理する工程と、前記レジスト膜の表面に酸素に加えて、窒素、ヘリウム、フッ素、水素、またはアルゴンの少なくともいずれか一種を含む混合ガスを用いたプラズマ処理を施す工程と、前記プラズマ処理を施したレジスト膜をアルカリ性水溶液の現像液で現像してレジストパターンを形成する工程と、を順に備え、前記プラズマ処理を施す工程が、誘導結合型プラズマ方式のフォトマスク用ドライエッチャーを用いて真空領域で行うことを特徴とするフォトマスクの製造方法である。
本発明によれば、フォトマスクの製造における現像工程で生じるレジストパターンの寸法分布を低減し、パターン解像性を向上し、欠陥の発生を低減することができる。
それゆえ、本発明によれば、従来よりも、欠陥数が少なく、マスクパターンの寸法均一性が高く、パターン解像性が向上したフォトマスクを製造することができ、さらなる微細化の要求に応じることができる。
本発明に係るレジスト付きフォトマスクブランクスの一例を示す概略断面図である。 本発明に係るレジスト付きフォトマスクブランクスの製造方法の一例を示す概略工程図である。 本発明に係るフォトマスクの製造方法の第1の実施形態の一例を示すフローチャートである。 本発明に係るフォトマスクの製造方法の第1の実施形態の一例を示す概略工程図である。 本発明に係るフォトマスクの製造方法の第1の実施形態の他の例を示すフローチャートである。 本発明に係るフォトマスクの製造方法の第2の実施形態の一例を示すフローチャートである。 本発明に係るフォトマスクの製造方法の第2の実施形態の一例を示す概略工程図である。 図7に続く本発明に係るフォトマスクの製造方法の第2の実施形態の一例を示す概略工程図である。 本発明に係るフォトマスクの製造方法の第2の実施形態の他の例を示すフローチャートである。 従来のフォトマスクの製造方法の一例を示すフローチャートである。 従来のフォトマスクの製造方法の一例を示す概略工程図である。 従来のフォトマスクの製造方法の他の例を示すフローチャートである。
以下、本発明に係るレジスト付きフォトマスクブランクス、その製造方法、および、フォトマスクの製造方法について、図面を用いて説明する。
<レジスト付きフォトマスクブランクス、および、その製造方法>
まず、本発明に係るレジスト付きフォトマスクブランクス、および、その製造方法について、図1および図2を用いて説明する。
ここで、図1は、本発明に係るレジスト付きフォトマスクブランクスの一例を示す概略断面図である。また、図2は、本発明に係るレジスト付きフォトマスクブランクスの製造方法の一例を示す概略工程図である。
例えば、図1(a)に示すように、本発明に係るレジスト付きフォトマスクブランクス1は、フォトマスクブランクス10の主面上にレジスト膜20Bを有する構成をしている。
なお、本発明に係るレジスト付きフォトマスクブランクスは、図1(b)に示すように、電子線やレーザーを用いたパターン描画によって、レジスト膜20Bの中に感光領域Rが形成された形態も含むものである。
ここで、本発明に係るフォトマスクブランクスの構成は、目的とするフォトマスクの構成に応じたものになる。
例えば、目的とするフォトマスクがバイナリー型マスクの場合には、本発明に係るフォトマスクブランクスは光透過性基板の上に遮光膜を有する構成になり、目的とするフォトマスクがハーフトーン型マスクの場合には、本発明に係るフォトマスクブランクスは、光透過性基板の上に光の位相が反転する半透明膜を有する構成になる。
また、目的とするフォトマスクがクロムレス型マスクの場合には、本発明に係るフォトマスクブランクスは、光透過性基板の上に光透過性基板をエッチング加工する際のハードマスク層を有する構成になる。
なお、本発明に係るフォトマスクブランクスが有する遮光膜や半透明膜は、単層に限らず複数層から構成されていても良く、また、反射防止層を有していても良い。さらに、遮光膜や半透明膜に加えて、遮光膜や半透明膜をエッチング加工する際のハードマスク層を有していても良い。
上記の光透過性基板の材料としては、フォトマスクに用いることができるものであれば特に限定されないが、例えば、合成石英ガラスを好適に用いることができる。
また、上記の遮光膜や半透明膜、およびハードマスク層を構成する材料としては、フォトマスクに用いることができるものであれば特に限定されないが、例えば、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、シリコン(Si)、タンタル(Ta)を含むものや、それらの酸化膜、窒化膜、酸窒化膜を用いることができる。
なお、図1および図2においては、フォトマスクブランクス10として、光透過性基板11Aの上に遮光膜12Aを有する構成を例示した。
本発明におけるレジスト膜20Bの材料としては、フォトマスク用のレジストとして作用するものであれば用いることができるが、その表面は所定の処理により、水(蒸留水)に対する接触角が42°以下になっている。
本発明におけるレジスト膜20Bは、濡れ性において特性の異なる2種の層(表面層とその他の部分)から構成されていると言えることから、図1(a)および(b)においては、レジスト膜20Bの構成を、濡れ性が高い表面層22Bと、その下層21Bに分けて示している。
上記のような本発明に係るレジスト付きフォトマスクブランクスを製造するには、例えば、図2に示すように、光透過性基板11Aの上に遮光膜12Aが形成されたフォトマスクブランクス10を準備し(図2(a))、フォトマスクブランクス10の主面上、すなわち遮光膜12Aの上にレジスト膜20Aを形成し(図2(b))、次いで、レジスト膜20Aの表面に酸素を含むガス51を用いたプラズマ処理を施すことにより(図2(c))、表面の濡れ性が改善されたレジスト膜20Bを有するレジスト付きフォトマスクブランクス1を得ることができる(図2(d))。
ここで、図2(b)に示すレジスト膜20Aには、例えば、従来から用いられているフォトマスク用のレジストを用いることができる。
なお、本発明においては、後述する図7に示すように、フォトマスクブランクス10の主面上、すなわち遮光膜12Aの上にレジスト膜20Aを形成した後に(図7(b))、電子線やレーザーを用いたパターン描画を行ってレジスト膜20Aの中に感光領域Rを形成し(図7(c)、(d))、その後、レジスト膜20Aの表面に酸素を含むガス51を用いたプラズマ処理を施すことによって(図7(e))、図1(b)に示すようなレジスト膜20Bの中に感光領域Rが形成されたレジスト付きフォトマスクブランクス2を製造しても良い。
本発明に係るレジスト付きフォトマスクブランクスにおいては、レジスト膜20Bの表面の濡れ性が高いため、レジスト膜20Bの表面に盛る水溶液系の現像液を、従来よりも均一に広げることができる。
すなわち、フォトマスクの製造に本発明に係るレジスト付きフォトマスクブランクスを用いれば、従来において、レジスト膜の表面に供給した現像液が均一に広がらないことによって生じていたレジストパターンの寸法分布を低減することができ、パターン解像性を向上し、欠陥の発生を低減することができる。
また、回転塗布方法によってレジスト膜を形成する場合には、100nm以下の膜厚でレジスト膜を所望の膜厚に制御すること、例えば、90nmや80nmの膜厚に制御することは困難であったため、微細なL&Sパターン等ではアスペクト比が高くなり、現像後のリンスの際に、表面張力によってレジストパターンが倒壊する問題もあったが、本発明においては、例えば、100nmの膜厚でレジスト膜を形成した後に、上記のプラズマ処理によってレジスト膜を薄膜化することができることから、微細なL&Sパターン等においても上記のようなレジストパターンの倒壊を抑制することもできる。
それゆえ、本発明に係るレジスト付きフォトマスクブランクスを用いてフォトマスクを製造することにより、従来よりも、欠陥数が少なく、マスクパターン寸法均一性が高く、パターン解像性が向上したフォトマスクを得ることができる。
上記のレジスト膜20Aの材料には、従来のポジ型レジストやネガ型レジストを用いることができるが、中でも化学増幅型レジストを好適に用いることができる。
ここで、従来、フォトマスクブランクスの上に形成するレジスト膜に化学増幅型レジストを用いる場合は、空気中のアミン等の影響によって酸が失活することにより、例えば、ポジ型においては、その表面が現像液に対して難溶化して所望のレジストパターンを得ることが困難な場合も生じていたが、本発明においては、レジスト膜表面に施すプラズマ処理により、難溶化した表面層を除去することも可能になるからである。
すなわち、レジストが上記のようなポジ型の化学増幅型レジストの場合、本発明に係るレジスト付きフォトマスクブランクスを用いて製造されたフォトマスクにおいては、欠陥数が少なく、マスクパターン寸法均一性が高く、パターン解像性が向上するという効果が、より顕著なものとなる。
また、本発明においては、レジスト膜20Aの表面に酸素を含むガスを用いたプラズマ処理を施す工程において(図2(c))、酸素に加えて、窒素、ヘリウム、フッ素、水素、またはアルゴンの少なくともいずれか一種を含む混合ガスを用いることが好ましい。
上記の混合ガスを用いることでプラズマを安定して発生させることができ、また、上記の混合ガスを用いることで酸素の量を減らして、酸素イオンによるレジストのエッチング速度を小さくすることができ、所望の膜厚を残しつつ、レジスト表面を改質する制御を、より容易に行うことができるからである。
<フォトマスクの製造方法>
次に、本発明に係るフォトマスクの製造方法について、図3〜図9を用いて説明する。
ここで、図3は、本発明に係るフォトマスクの製造方法の第1の実施形態の一例を示すフローチャートである。また、図4は、本発明に係るフォトマスクの製造方法の第1の実施形態の一例を示す概略工程図である。また、図5は、本発明に係るフォトマスクの製造方法の第1の実施形態の他の例を示すフローチャートである。また、図6は、本発明に係るフォトマスクの製造方法の第2の実施形態の一例を示すフローチャートである。また、図7および図8は、本発明に係るフォトマスクの製造方法の第2の実施形態の一例を示す概略工程図である。また、図9は、本発明に係るフォトマスクの製造方法の第2の実施形態の他の例を示すフローチャートである。
(第1の実施形態)
まず、本発明に係るフォトマスクの製造方法の第1の実施形態について説明する。この第1の実施形態は、図3に示すように、フォトマスクブランクスを準備する工程(S11)と、フォトマスクブランクスの主面上にレジスト膜を形成する工程(S12)と、レジスト膜の表面に酸素を含むガスを用いたプラズマ処理を施す工程(S13)と、プラズマ処理を施したレジスト膜に電子線またはレーザーを用いてパターン描画を行う工程(S14)と、レジスト膜をアルカリ性水溶液の現像液で現像してレジストパターンを形成する工程(S15)と、を順に備えるものである。
すなわち、この第1の実施形態は、上述のレジスト付きフォトマスクブランクスを用いて、プラズマ処理を施したレジスト膜に電子線描画等を行い、その後、レジスト膜をアルカリ性水溶液の現像液で現像してレジストパターンを形成するものである。
なお、本実施形態において、上記の工程(S11〜S15)を経てレジストパターンを形成した後には、従来のフォトマスクの製造方法と同様に、マスクパターンの形成(S16)、レジストパターンの除去(S17)といった工程を経ることになる。
次に、本実施形態に係るフォトマスクの製造方法について、上述の図2、および、図4を用いて、より具体的に説明する。
なお、図4においては、フォトマスクブランクス10として、光透過性基板11Aの上に遮光膜12Aを有する構成を例示し、フォトマスク30として、光透過性基板11Aの上に遮光パターン(マスクパターン)12Pを有する構成のバイナリー型マスクを例示した。
本実施形態の製造方法を用いてフォトマスク30を得るには、まず、上述の図2において説明したように、例えば、光透過性基板11Aの上に遮光膜12Aが形成されたフォトマスクブランクス10を準備し(図2(a))、フォトマスクブランクス10の主面上、すなわち遮光膜12Aの上にレジスト膜20Aを形成した後に(図2(b))、レジスト膜20Aの表面に酸素を含むガス51を用いたプラズマ処理を施して(図2(c))、表面の濡れ性が改善されたレジスト膜20Bを有するレジスト付きフォトマスクブランクス1を製造する(図2(d))。
次に、図4(a)に示すように、レジスト付きフォトマスクブランクス1に電子線61やレーザーを用いてパターン描画を行って、レジスト膜20Bの中に感光領域Rを形成し(図4(b))、次いで、現像により、例えば、感光領域Rの部分を溶解させてレジストパターン20Pを形成する(図4(c))。
その後、レジストパターン20Pをエッチングマスクに用いて遮光膜12Aをエッチングし(図4(d))、次いで、レジストパターン20Pを除去することにより、光透過性基板11Aの上に遮光パターン(マスクパターン)12Pを有するフォトマスク30を得る(図4(e))。
本実施形態においては、水に対する濡れ性が改善された表面層を有するレジスト膜20Bにパターン描画を行って、その後、現像によりレジストパターン20Pを形成する。
それゆえ、現像方法にパドル現像を用いる場合であっても、水溶液系の現像液は、レジスト膜20Bの表面を従来よりも均一に広がることになる。すなわち、本実施形態の製造方法を用いれば、従来において、レジスト膜の表面に供給した現像液が均一に広がらないことによって生じていたレジストパターンの寸法分布を低減し、パターン解像性を向上し、欠陥の発生を低減することができる。
したがって、本実施形態の製造方法により得られるフォトマスクは、従来よりも、欠陥数が少なく、マスクパターン寸法均一性が高く、パターン解像性が向上したものとなり、微細化の要求に応じることができるものとなる。
ここで、本実施形態においても、遮光膜12Aの上に形成するレジスト膜20A(プラズマ処理前のレジスト膜)の材料には、従来のポジ型レジストやネガ型レジストのみならず、化学増幅型レジストを好適に用いることができる。
従来、フォトマスクブランクスの上に形成するレジスト膜に化学増幅型レジストを用いる場合は、空気中のアミン等の影響によって酸が失活することにより、例えば、ポジ型においては、その表面が現像液に対して難溶化して所望のレジストパターンを得ることが困難な場合も生じていたが、本実施形態においては、レジスト膜表面に施すプラズマ処理により、難溶化した表面層を除去することも可能になる。
そして、上記のようなポジ型の化学増幅型レジストを用いる場合、本実施形態の製造方法により得られるフォトマスクにおいては、欠陥数が少なく、マスクパターン寸法均一性が高く、パターン解像性が向上するという効果が、より顕著なものとなる。
なお、本実施形態において、化学増幅型レジストを用いる場合には、図5に示すように、プラズマ処理を施したレジスト膜に電子線またはレーザーを用いてパターン描画を行う工程(S14)と、レジスト膜をアルカリ性水溶液で現像してレジストパターンを形成する工程(S15)と、の間に、レジスト膜を加熱処理(PEB:Post−exposure Bake)する工程(S14B)を備えることになる。パターン描画によって発生させた酸を拡散して、レジストの感度を向上させるためである。
また、本実施形態においても、上述の本発明に係るレジスト付きフォトマスクブランクスの製造方法と同様に、レジスト膜の表面に酸素を含むガスを用いたプラズマ処理を施す工程(S13)において、酸素に加えて、窒素、ヘリウム、フッ素、水素、またはアルゴンの少なくともいずれか一種を含む混合ガスを用いることが好ましい。
上記の混合ガスを用いることでプラズマを安定して発生させることができ、また、上記の混合ガスを用いることで酸素の量を減らして、酸素イオンによるレジストのエッチング速度を小さくすることができ、所望の膜厚を残しつつ、レジスト表面を改質する制御を、より容易に行うことができるからである。
(第2の実施形態)
次に、本発明に係るフォトマスクの製造方法の第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態は、図6に示すように、フォトマスクブランクスを準備する工程(S21)と、フォトマスクブランクスの主面上にレジスト膜を形成する工程(S22)と、レジスト膜に電子線またはレーザーを用いてパターン描画を行う工程(S23)と、レジスト膜の表面に酸素を含むガスを用いたプラズマ処理を施す工程(S24)と、プラズマ処理を施したレジスト膜をアルカリ性水溶液の現像液で現像してレジストパターンを形成する工程(S25)と、を順に備えるものである。
すなわち、この第2の実施形態は、まず、プラズマ処理を施していないレジスト膜に電子線描画等を行い、描画後のレジスト膜の表面に酸素を含むガスを用いたプラズマ処理を施し、その後、前記レジスト膜をアルカリ性水溶液の現像液で現像してレジストパターンを形成するものである。
なお、本実施形態において、上記の工程(S21〜S25)を経てレジストパターンを形成した後には、第1の実施形態と同様に、マスクパターンの形成(S26)、レジストパターンの除去(S27)といった工程を経ることになる。
本実施形態に係るフォトマスクの製造方法について、図7および図8を用いて、より具体的に説明する。
なお、図7および図8においても、フォトマスクブランクス10として、光透過性基板11Aの上に遮光膜12Aを有する構成を例示し、フォトマスク30として、光透過性基板11Aの上に遮光パターン(マスクパターン)12Pを有する構成のバイナリー型マスクを例示した。
本実施形態の製造方法を用いてフォトマスク30を得るには、まず、光透過性基板11Aの上に遮光膜12Aが形成されたフォトマスクブランクス10を準備し(図7(a))、フォトマスクブランクス10の主面上、すなわち遮光膜12Aの上にレジスト膜20Aを形成する(図7(b))。
次に、図7(c)に示すように、レジスト膜20Aに電子線61やレーザーを用いてパターン描画を行って、レジスト膜20Aの中に感光領域Rを形成し(図7(d))、次いで、レジスト膜20Aの表面に酸素を含むガス51を用いたプラズマ処理を施して(図7(e))、表面の濡れ性が改善されたレジスト膜20Bを形成する(図8(f))。
なお、この図8(f)に示す形態、すなわち、電子線やレーザーを用いたパターン描画によって、レジスト膜20Bの中に感光領域Rが形成された形態が、上述の図1(b)に示すレジスト付きフォトマスクブランクス2に相当する。
次に、現像により、例えば、感光領域Rの部分を溶解させてレジストパターン20Pを形成し(図8(g))、次いで、レジストパターン20Pをエッチングマスクに用いて遮光膜12Aをエッチングし(図8(h))、最後に、レジストパターン20Pを除去することにより、光透過性基板11Aの上に遮光パターン(マスクパターン)12Pを有するフォトマスク30を得る(図8(i))。
本実施形態においては、パターン描画を行ったレジスト膜20Aの表面にプラズマ処理を施して、水に対する濡れ性が改善された表面層を有するレジスト膜20Bを形成し、その後、現像によりレジストパターン20Pを形成する。
それゆえ、現像方法にパドル現像を用いる場合であっても、水溶液系の現像液は、レジスト膜20Bの表面を従来よりも均一に広がることになる。すなわち、本実施形態の製造方法を用いれば、従来において、レジスト膜の表面に供給した現像液が均一に広がらないことによって生じていたレジストパターンの寸法分布を低減し、パターン解像性を向上し、欠陥の発生を低減することができる。
したがって、本実施形態の製造方法により得られるフォトマスクは、従来よりも、欠陥数が少なく、マスクパターン寸法均一性が高く、パターン解像性が向上したものとなり、微細化の要求に応じることができるものとなる。
また、本実施形態においては、例え、プラズマ処理工程(S24)でレジスト膜に異物が付着するようなことが生じても、パターン描画工程(S23)はプラズマ処理工程(S24)の前に行われていることから、プラズマ処理工程(S24)における異物がパターン描画工程(S23)に影響を及ぼす恐れは無い。
さらに、プラズマ処理工程(S24)の後の現像工程(S25)における現像液で前記異物を除去することも可能である。
ここで、本実施形態においても、遮光膜12Aの上に形成するレジスト膜20A(プラズマ処理前のレジスト膜)の材料には、従来のポジ型レジストやネガ型レジストのみならず、化学増幅型レジストを好適に用いることができる。
従来、フォトマスクブランクスの上に形成するレジスト膜に化学増幅型レジストを用いる場合は、空気中のアミン等の影響によって酸が失活することにより、例えば、ポジ型においては、その表面が現像液に対して難溶化して所望のレジストパターンを得ることが困難な場合も生じていたが、本実施形態においては、レジスト膜表面に施すプラズマ処理により、難溶化した表面層を除去することも可能になる。
そして、上記のようなポジ型の化学増幅型レジストを用いる場合、本実施形態の製造方法により得られるフォトマスクにおいては、欠陥数が少なく、マスクパターン寸法均一性が高く、パターン解像性が向上するという効果が、より顕著なものとなる。
なお、本実施形態において、化学増幅型レジストを用いる場合には、図9に示すように、レジスト膜に電子線またはレーザーを用いてパターン描画を行う工程(S23)と、レジスト膜の表面に酸素を含むガスを用いたプラズマ処理を施す工程(S24)と、の間に、レジスト膜を加熱処理(PEB:Post−exposure Bake)する工程(S23B)を備えることになる。パターン描画によって発生させた酸を拡散して、レジストの感度を向上させるためである。
また、本実施形態においても、上述の第1の実施形態と同様に、レジスト膜の表面に酸素を含むガスを用いたプラズマ処理を施す工程(S24)において、酸素に加えて、窒素、ヘリウム、フッ素、水素、またはアルゴンの少なくともいずれか一種を含む混合ガスを用いることが好ましい。
上記の混合ガスを用いることでプラズマを安定して発生させることができ、また、上記の混合ガスを用いることで酸素の量を減らして、酸素イオンによるレジストのエッチング速度を小さくすることができ、所望の膜厚を残しつつ、レジスト表面を改質する制御を、より容易に行うことができるからである。
以上、本発明に係るレジスト付きフォトマスクブランクス、その製造方法、および、フォトマスクの製造方法についてそれぞれ説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
サイズ6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英ガラス基板からなる光透過性基板11Aと、膜厚50nmのCr膜からなる遮光膜12Aと、を有するフォトマスクブランクス10を準備した。
次に、遮光膜12Aの上にレジスト膜20Aとして、ポジ型の化学増幅型レジストを膜厚300nmで形成し、このレジスト膜20Aの表面に、酸素と窒素とヘリウムを含む混合ガスを用いたプラズマ処理を施すことにより、表面の濡れ性が改善されたレジスト膜20Bを有するレジスト付きフォトマスクブランクス1を得た。
なお、上記のプラズマ処理には、誘導結合型プラズマ(ICP:Inductive Coupled Plasma)方式のフォトマスク用ドライエッチャーを用い、酸素と窒素とヘリウムの混合比を10:1:2とし、圧力40mTorr、バイアスパワー50Wの条件で行った。
この、レジスト付きフォトマスクブランクス1のレジスト膜20Bの表面の接触角を測定したところ、水(蒸留水)に対しては41.6°であり、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を2.38重量%含むアルカリ性水溶液の現像液に対しては40.2°であった。
なお、上記の接触角測定は、接触角測定機(協和界面科学社製DM500)を用いて、温度20℃、湿度40%の環境下、接触角測定機の注射針の先端から蒸留水若しくは現像液を滴下し、レジスト膜の表面上に形成された液滴を、光学顕微鏡を用いて側面から観察することにより計測した。
(実施例2)
実施例1において得られたレジスト付きフォトマスクブランクス1に対して、加速電圧50kVの可変成形方式の電子線描画装置を用いて設計寸法70nm〜400nmのホールパターンを描画し、次いで、ホットプレートで120℃、10分加熱処理(PEB処理)した。
その後、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を2.38重量%含むアルカリ性水溶液の現像液を用いて23℃で120秒間パドル現像し、その後、純水で60秒間リンス処理してレジストパターン20Pを形成した。
上記のパドル現像では、フォトマスクブランクス10が有する四辺の中の一の辺の側から現像液を供給したが、現像液はレジスト膜20Bの表面上を均一に広がり、レジスト膜20Bの全面に現像液を良好に盛ることができた。
この現像工程後のレジストパターン20PをSEM観察したところ、設計寸法75nmのホールパターンは、解像が不十分な箇所が散見されたが、設計寸法80nm以上のホールパターンは、全面に渡って良好に形成されていた。
次に、レジストパターン20Pをエッチングマスクに用いて、遮光膜12Aをドライエッチングして遮光パターン(マスクパターン)12Pを形成し、その後、レジストパターン20Pを酸素プラズマで除去して、光透過性基板11Aの上に遮光パターン(マスクパターン)12Pを有するフォトマスク30を得た。
このフォトマスク30の遮光パターン(マスクパターン)12Pを寸法検査したところ、設計寸法80nm以上のホールパターンが、全面に渡って仕様内の寸法分布で良好に形成されていた。
(実施例3)
サイズ6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英ガラス基板からなる光透過性基板11Aと、膜厚50nmのCr膜からなる遮光膜12Aと、を有するフォトマスクブランクス10を準備した。
次に、遮光膜12Aの上にレジスト膜20Aとして、ポジ型の化学増幅型レジストを膜厚300nmで形成し、加速電圧50kVの可変成形方式の電子線描画装置を用いて設計寸法70nm〜400nmのホールパターンを描画し、次いで、ホットプレートで120℃、10分加熱処理(PEB処理)した。
次に、レジスト膜20Aの表面に、酸素と窒素とヘリウムを含む混合ガスを用いたプラズマ処理を5秒間施すことにより、表面の濡れ性が改善されたレジスト膜20Bを有するレジスト付きフォトマスクブランクス2を得た。
なお、上記のプラズマ処理には、誘導結合型プラズマ(ICP:Inductive Coupled Plasma)方式のフォトマスク用ドライエッチャーを用い、酸素と窒素とヘリウムの混合比を10:1:2とし、圧力40mTorr、バイアスパワー50Wの条件で行った。
このパターン描画、加熱処理、およびプラズマ処理の一連の工程を経たレジスト付きフォトマスクブランクス2のレジスト膜20Bの表面の接触角を、実施例1と同じ方法で測定したところ、水(蒸留水)に対しては22.7°であり、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を2.38重量%含むアルカリ性水溶液の現像液に対しては18.2°であった。
その後、レジスト付きフォトマスクブランクス2を、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を含むアルカリ性水溶液の現像液を用いて23℃で120秒間パドル現像し、その後、純水で60秒間リンス処理してレジストパターン20Pを形成した。
上記のパドル現像では、フォトマスクブランクス10が有する四辺の中の一の辺の側から現像液を供給したが、現像液はレジスト膜20Bの表面上を均一に広がり、レジスト膜20Bの全面に現像液を良好に盛ることができた。
この現像工程後のレジストパターン20PをSEM観察したところ、設計寸法75nmのホールパターンは、解像が不十分な箇所が散見されたが、設計寸法80nm以上のホールパターンは、全面に渡って良好に形成されていた。
次に、レジストパターン20Pをエッチングマスクに用いて、遮光膜12Aをドライエッチングして遮光パターン(マスクパターン)12Pを形成し、その後、レジストパターン20Pを酸素プラズマで除去して、光透過性基板11Aの上に遮光パターン(マスクパターン)12Pを有するフォトマスク30を得た。
このフォトマスク30の遮光パターン(マスクパターン)12Pを寸法検査したところ、設計寸法80nm以上のホールパターンが、全面に渡って仕様内の寸法分布で良好に形成されていた。
(実施例4)
サイズ6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英ガラス基板からなる光透過性基板11Aと、膜厚60nmのMoSi膜からなる遮光膜12Aと、遮光膜12Aの上に形成された膜厚5nmのCr膜からなるハードマスク層と、を有するフォトマスクブランクス10を準備した。
次に、上記のCr膜からなるハードマスク層の上にレジスト膜20Aとして、ネガ型の化学増幅型レジストを膜厚100nmで形成し、加速電圧50kVの可変成形方式の電子線描画装置を用いて、設計寸法300nm〜600nmのホールパターンと設計寸法160nmの1:1ラインアンドスペースパターンを描画し、次いで、ホットプレートで110℃、10分加熱処理(PEB処理)した。
次に、レジスト膜20Aの表面に、酸素と窒素とヘリウムを含む混合ガスを用いたプラズマ処理を80秒間施すことにより、表面の濡れ性が改善されたレジスト膜20Bを有するレジスト付きフォトマスクブランクス2を得た。
なお、上記のプラズマ処理には、誘導結合型プラズマ(ICP:Inductive Coupled Plasma)方式のフォトマスク用ドライエッチャーを用い、酸素と窒素とヘリウムの混合比を10:1:2とし、圧力40mTorr、バイアスパワー50Wの条件で行った。
このパターン描画、加熱処理、およびプラズマ処理の一連の工程を経たレジスト付きフォトマスクブランクス2のレジスト膜20Bの表面の接触角を、実施例1と同じ方法で測定したところ、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を2.38重量%含むアルカリ性水溶液の現像液に対しては22.3°であった。
その後、レジスト付きフォトマスクブランクス2を、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を含むアルカリ性水溶液の現像液を用いて23℃で120秒間パドル現像し、その後、純水で60秒間リンス処理してレジストパターン20Pを形成した。
上記のパドル現像では、フォトマスクブランクス10が有する四辺の中の一の辺の側から現像液を供給したが、現像液はレジスト膜20Bの表面上を均一に広がり、レジスト膜20Bの全面に現像液を良好に盛ることができた。
次に、レジストパターン20Pをエッチングマスクに用いて、塩素系のガスでCr膜からなるハードマスク層をドライエッチングしてハードマスクパターンを形成し、次いで、上記ハードマスクパターンをエッチングマスクに用いて、フッ素系のガスでMoSi膜からなる遮光膜12Aをドライエッチングして遮光パターン(マスクパターン)12Pを形成し、その後、レジストパターン20Pを酸素プラズマで除去し、次いで、露出するハードマスクパターンを塩素系のガスで除去して、光透過性基板11Aの上に遮光パターン(マスクパターン)12Pを有するフォトマスク30を得た。
このフォトマスク30の遮光パターン(マスクパターン)12Pを欠陥検査したところ、欠陥は検出されなかった。
(比較例1)
実施例1と同様に、サイズ6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英ガラス基板からなる光透過性基板111Aと、膜厚50nmのCr膜からなる遮光膜112Aと、を有するフォトマスクブランクス110を準備した。
次に、遮光膜112Aの上にレジスト膜120Aとして、ポジ型の化学増幅型レジストを膜厚300nmで形成し、比較例1のレジスト付きフォトマスクブランクスを得た。
この、レジスト付きフォトマスクブランクスのレジスト膜120Aの表面の接触角を、実施例1と同じ方法で測定したところ、水(蒸留水)に対しては65.1°でありTMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を2.38重量%含むアルカリ性水溶液の現像液に対しては66.4°であった。
(比較例2)
比較例1において得られたレジスト付きフォトマスクブランクスに対して、実施例2と同様に、加速電圧50kVの可変成形方式の電子線描画装置を用いて設計寸法70nm〜400nmのホールパターンを描画し、次いで、ホットプレートで120℃、10分加熱処理(PEB処理)した。
その後、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を2.38重量%含むアルカリ性水溶液の現像液を用いて23℃で120秒間パドル現像し、その後、純水で60秒間リンス処理してレジストパターン120Pを形成した。
上記のパドル現像では、フォトマスクブランクス10が有する四辺の中の一の辺の側から現像液を供給するだけではレジスト膜120Aの表面上を現像液が均一に広がらないため、現像液の供給ノズルを操作して、強制的に現像液をレジスト膜の表面に広げる方法を用いた。
この現像工程後のレジストパターン120PをSEM観察したところ、設計寸法75nmのホールパターンは、ほぼ全面に渡って解像されておらず、設計寸法80nmのホールパターンも、解像が不十分な箇所が散見された。
次に、レジストパターン120Pをエッチングマスクに用いて、塩素系のガスで遮光膜112Aをドライエッチングして遮光パターン(マスクパターン)112Pを形成し、その後、レジストパターン120Pを酸素プラズマで除去して、光透過性基板111Aの上に遮光パターン(マスクパターン)12Pを有するフォトマスク130を得た。
このフォトマスク130の遮光パターン(マスクパターン)112Pを寸法検査したところ、設計寸法80nmを含むホールパターンが、仕様の寸法分布に納まらず不良であった。
(比較例3)
実施例4と同様に、サイズ6インチ角、厚さ0.25インチの合成石英ガラス基板からなる光透過性基板111Aと、膜厚60nmのMoSi膜からなる遮光膜112Aと、遮光膜112Aの上に形成された膜厚5nmのCr膜からなるハードマスク層と、を有するフォトマスクブランクス10を準備した。
次に、上記のCr膜からなるハードマスク層の上にレジスト膜120Aとして、ネガ型の化学増幅型レジストを膜厚100nmで形成し、比較例3のレジスト付きフォトマスクブランクスを得た。
この、レジスト付きフォトマスクブランクスのレジスト膜120Aの表面の接触角を、実施例1と同じ方法で測定したところ、水溶系前処理液に対しては75.5°であった。
次に、上記のレジスト付きフォトマスクブランクスに対して、実施例4と同様に、加速電圧50kVの可変成形方式の電子線描画装置を用いて、設計寸法300nm〜600nmのホールパターンと設計寸法160nmの1:1ラインアンドスペースパターンを描画し、次いで、ホットプレートで110℃、10分加熱処理(PEB処理)した。
その後、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)を2.38重量%含むアルカリ性水溶液の現像液を用いて23℃で120秒間パドル現像し、その後、純水で60秒間リンス処理してレジストパターン120Pを形成した。
上記のパドル現像では、フォトマスクブランクス110が有する四辺の中の一の辺の側から現像液を供給するだけではレジスト膜120Aの表面上を現像液が均一に広がらないため現像液の供給ノズルを操作して、強制的に現像液をレジスト膜の表面に広げる方法を用いた。
次に、レジストパターン120Pをエッチングマスクに用いて、塩素系のガスでCr膜からなるハードマスク層をドライエッチングしてハードマスクパターンを形成し、次いで、上記ハードマスクパターンをエッチングマスクに用いて、フッ素系のガスでMoSi膜からなる遮光膜112Aをドライエッチングして遮光パターン(マスクパターン)112Pを形成し、その後、レジストパターン120Pを酸素プラズマで除去し、次いで、露出するハードマスクパターンを塩素系のガスで除去して、光透過性基板111Aの上に遮光パターン(マスクパターン)112Pを有するフォトマスク130を得た。
このフォトマスク130の遮光パターン(マスクパターン)112Pを欠陥検査したところ、150個を超える欠陥を検出した。
1、2・・・レジスト付きフォトマスクブランクス
10・・・フォトマスクブランクス
11A・・・光透過性基板
12A・・・遮光膜
12P・・・遮光パターン
20A・・・レジスト膜
20B・・・レジスト膜
21B・・・下層
22B・・・表面層
20P・・・レジストパターン
21P・・・下層パターン
22P・・・表面層パターン
30・・・フォトマスク
51・・・ガス
61・・・電子線
110・・・フォトマスクブランクス
111A・・・光透過性基板
112A・・・遮光膜
112P・・・遮光パターン
120A・・・レジスト膜
120P・・・レジストパターン
130・・・フォトマスク
161・・・電子線

Claims (3)

  1. フォトマスクの製造に用いられるレジスト付きフォトマスクブランクスの製造方法であって、
    フォトマスクブランクスを準備する工程と、
    前記フォトマスクブランクスの主面上に、酸発生剤を含む化学増幅型レジストのレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜の表面に、酸素に加えて、窒素、ヘリウム、フッ素、水素、またはアルゴンの少なくともいずれか一種を含む混合ガスを用いたプラズマ処理を施す工程と、
    を順に備え、
    前記プラズマ処理を施す工程が、誘導結合型プラズマ方式のフォトマスク用ドライエッチャーを用いて真空領域で行うことを特徴とするレジスト付きフォトマスクブランクスの製造方法
  2. フォトマスクブランクスを準備する工程と、
    前記フォトマスクブランクスの主面上に、酸発生剤を含む化学増幅型レジストのレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜の表面に、酸素に加えて、窒素、ヘリウム、フッ素、水素、またはアルゴンの少なくともいずれか一種を含む混合ガスを用いたプラズマ処理を施す工程と、
    前記プラズマ処理を施したレジスト膜に電子線またはレーザーを用いてパターン描画を行う工程と、
    前記レジスト膜を加熱処理する工程と、
    前記レジスト膜をアルカリ性水溶液の現像液で現像してレジストパターンを形成する工程と、
    を順に備え、
    前記プラズマ処理を施す工程が、誘導結合型プラズマ方式のフォトマスク用ドライエッチャーを用いて真空領域で行うことを特徴とするフォトマスクの製造方法
  3. フォトマスクブランクスを準備する工程と、
    前記フォトマスクブランクスの主面上に、酸発生剤を含む化学増幅型レジストのレジスト膜を形成する工程と、
    前記レジスト膜に電子線またはレーザーを用いてパターン描画を行う工程と、
    前記レジスト膜を加熱処理する工程と、
    前記レジスト膜の表面に、酸素に加えて、窒素、ヘリウム、フッ素、水素、またはアルゴンの少なくともいずれか一種を含む混合ガスを用いたプラズマ処理を施す工程と、
    前記プラズマ処理を施したレジスト膜をアルカリ性水溶液の現像液で現像してレジストパターンを形成する工程と、
    を順に備え、
    前記プラズマ処理を施す工程が、誘導結合型プラズマ方式のフォトマスク用ドライエッチャーを用いて真空領域で行うことを特徴とするフォトマスクの製造方法
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