JP3481720B2 - 表面電位測定装置 - Google Patents

表面電位測定装置

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JP3481720B2
JP3481720B2 JP07639995A JP7639995A JP3481720B2 JP 3481720 B2 JP3481720 B2 JP 3481720B2 JP 07639995 A JP07639995 A JP 07639995A JP 7639995 A JP7639995 A JP 7639995A JP 3481720 B2 JP3481720 B2 JP 3481720B2
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    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R29/00Arrangements for measuring or indicating electric quantities not covered by groups G01R19/00 - G01R27/00
    • G01R29/24Arrangements for measuring quantities of charge

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電体あるいは絶縁体
等の被測定体の表面電位を非接触に設けられた測定電極
により測定する表面電位測定装置に関し、詳しくは、出
力変動を補正して被測定体の表面電位を正確に測定する
表面電位測定装置に関するものであり、複写機、ファク
シミリ、印刷機、プリンター、プロッター等の電子写真
方式の画像形成装置の感光体あるいは現像ローラ等の帯
電電位の制御及びその装置等に応用されるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、各種の分野において、導電体や絶
縁体等の被測定体の表面電位を検出し測定する必要性が
多々あり、特に、電子写真複写機等の分野においては、
画質向上のために感光体上の表面電位を正確に検知し
て、その表面電位を制御することが重要となっている。
その表面電位を検知する手段として、従来、被測定体の
電荷のリークが生じないよう非接触型の表面電位計測手
段(表面電位センサ)が用いられている。非接触型の表
面電位計測手段としては、電気的な手段と機械的な手段
とに大別できるが、電気的な手段は特殊な機能材料を使
用するため高価となり、また、帯電吸着によるセンサ電
極表面の汚染や使用する絶縁物の分極による感度の低下
といった問題がある。一方、機械的な手段はセンサ電極
の汚れによる感度変化が少なく、比較的安価に作製でき
るという点で、現在、専ら用いられている。
【0003】この機械的な手段による電位計測方法に
は、センサ電極に入射する電気力線を周期的に遮断する
ことにより、センサ電極上に誘起される電荷の量を変化
させて交流信号を得るチョッパ型と、センサ電極を被測
定体からの電界方向に周期的に変動させることにより、
被測定体とセンサ電極との間の静電容量を周期的に変化
させ、その変化に応じて発生する交流信号を取り出す振
動容量型とがある。どちらの方式も比較的小形に作製で
き、安定した出力値が得られるものであるが、しかしな
がら、いずれの方式も被測定体とセンサ電極との間の静
電容量がその間の測定距離の逆数に比例するため、得ら
れる出力値が測定距離に大きく依存して変化する。従っ
て、例えば複写機等の感光体ドラムのように動いている
被測定体の表面電位を測定する場合、出力値の変動が測
定距離に因るものなのか、あるいは被測定体の表面電位
分布に因るものなのか判断できないという問題が生じる
ため、被測定体の表面電位を正確に得ることが困難とな
っている。
【0004】このような問題に対処する目的で、現在、
測定距離が変動しても出力変動が極めて少ない測定距離
補正型の表面電位センサが種々提案されている。例え
ば、(a)米国Trek社製の表面電位センサ(B.T.Williams
et al.:U.S.Patent 3,852,667(1974))では、出力信号を
積分型の高圧発生器に入力して出力信号に応じた高電圧
を発生させ、それをセンサプローブのハウジングにフィ
ードバックすることにより、被測定体とハウジングとの
電位を同電位にしてその間の静電容量を打ち消して出力
値が測定距離に依存しない方法が考案され、実用化され
ている。また、(b)特公平03-20709号(登録1659026
号)、特開昭62-118267号や特開昭62-113072号等の公報
では、チョッパ型あるいは振動容量型の表面電位センサ
において、被測定体方向に距離の異なる2つの測定電極
を使用して、各測定電極から得られる2つの出力信号を
利用し、測定電極と被測定体との距離の変動による出力
変動を補正して、被測定体の表面電位を正確に測定する
装置が開示されている。また、(c)特公平04-45108号
(登録1759275号)、特開平06-308179号等の公報では、振
動容量型あるいはチョッパ型の表面電位センサにおい
て、1つの測定電極から位相の異なる、あるいはタイミ
ングの異なる2つの出力信号を得、その出力を利用して
測定電極と被測定体との距離の変動による出力変動を補
正して、被測定体の表面電位を正確に測定し、測定精度
の向上を行うことができる装置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記
(a)に関しては、測定電位に応じて測定回路内の高圧発
生器により高電圧を発生させる必要があり、高圧発生器
の電圧発生能力により高電位の測定値に限界が生じる。
また、電圧が高くなればなるほど高圧発生器は高価とな
り、高圧用の測定回路部品も高価となるため、装置が比
較的高価なものとなってしまう。また、フィードバック
回路を設けるため装置構成が複雑となる。さらに、セン
サプローブが高電圧となるため取り扱いに注意を要する
等の問題がある。
【0006】前記(b)に関しては、チョッパ型の場合、
センサ電極の前に入射する電気力線を遮断するためのチ
ョッパ電極等が必要となり、それだけで構造が複雑とな
る。また、測定距離補正を行うために測定電極を2つ以
上設ける必要があるため、さらに装置構成が複雑となり
装置全体の大きさも大きくなる。また、部品点数も多く
なるためコストアップの要因ともなる。さらに、チョッ
パ型のセンサでは、測定電極が常に静止している状態に
あるため、センサを長期間使用していると帯電吸着等に
より測定電極上に塵埃が付着堆積し、センサ電極表面が
汚染されるために感度が低下して正確な測定ができなく
なるといった問題も生じてくる。これは、トナー等を使
用する粉塵の多い電子写真複写機の中で使用する場合に
特に問題となる。
【0007】前記(c)に関しては、特公平04-45108号
(登録1759275号)公報に記載の振動容量型の表面電位セ
ンサを改良し、位相の異なる2つの出力信号を利用する
発明では、距離補正を行うために各位相出力の差に基づ
いて出力補正を行っているが、測定電極を圧電音叉によ
り振動させた場合、大きな振幅は得られないので位相の
出力差の信号レベルは非常に小さく、したがって、十分
なSN比でもって表面電位出力の距離補正を行い、十分
正確な表面電位を得ることは比較的困難である。また、
特開平06-308179号 公報に記載のチョッパ型の表面電位
センサを改良し、タイミングの異なる2つの出力信号を
利用する発明では、上記(b)と同様なチョッパ型の問題
が存在し、さらに、サンプルアンドホールド回路を利用
するために測定値がばらつき易く、安定して正確な測定
値が得られないといった問題が存在する。また、2つの
出力信号を得る間に被測定体の表面電位が変化するよう
な場合には、正確な表面電位は得られず、タイミングを
異ならせて2つの出力信号を得るために検出回路も比較
的複雑となる。
【0008】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
って、請求項1記載の発明の目的は、上記問題点を解決
するため、被測定体と測定電極との間の静電容量を変化
させ測定電極の電位検出信号から2つ以上の出力信号を
検知する手段を設けることにより、その出力信号から簡
易な構成でかつ安価に正確な表面電位を導出することが
でき、被測定体の表面電位を高精度に測定できる新規な
表面電位測定装置を提供することである。
【0009】請求項2記載の発明の目的は、前記電位検
出信号から2つ以上の出力信号を検知する手段として、
周波数の異なる2つ以上の出力信号を検知する手段を設
けることにより、その出力信号から簡易な構成でかつ安
価に正確な表面電位を導出することができ、被測定体の
表面電位を高精度に測定できる装置を提供することであ
る。
【0010】請求項3,4,5記載の発明の目的は、前
記被測定体と測定電極との間の静電容量を簡易な構成で
かつ安価に変化させ、前記周波数の異なる2つ以上の出
力信号を生じさせる手段を提供することである。
【0011】請求項6,7記載の発明の目的は、前記電
位検出信号から周波数の異なる2つ以上の出力信号を十
分なSN比でもって効率良く検知する手段を提供するこ
とである。
【0012】請求項8記載の発明の目的は、前記静電容
量を簡易な構成でかつ安価に変化させ、十分なSN比で
もって効率良く前記周波数の異なる2つ以上の出力信号
を生じさせる手段を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、被測定体から所定間隔を隔
てた位置に該被測定体と電気的に独立した一つの測定電
極を配設し、該測定電極により被測定体の表面電位を測
定する表面電位測定装置であって、前記被測定体と測定
電極との間の静電容量を変化させる容量変化手段と、被
測定体の表面電位に対応して誘起され静電容量の変化に
伴い変化する測定電極の電位を検出する電位検出手段
と、該電位検出手段により検出された検出信号から少な
くとも2つ以上の信号を検知する出力検知手段と、該出
力検知手段から出力された信号から該検出信号の出力値
を補正することにより被測定体の表面電位を導き出す表
面電位導出手段とを備えた構成としたものである。
【0014】 請求項2記載の発明は、被測定体から所
定間隔を隔てた位置に該被測定体と電気的に独立した
つの測定電極を配設し、該測定電極により被測定体の表
面電位を測定する表面電位測定装置であって、前記被測
定体と測定電極との間の静電容量を変化させる容量変化
手段と、被測定体の表面電位に対応して誘起され静電容
量の変化に伴い変化する測定電極の電位を検出する電位
検出手段と、該電位検出手段により検出された検出信号
から少なくとも周波数の異なる2つ以上の信号を検知す
る出力検知手段と、該出力検知手段から出力された信号
から該検出信号の出力値を補正することにより被測定体
の表面電位を導き出す表面電位導出手段とを備えた構成
としたものである。
【0015】請求項3記載の発明は、請求項2記載の表
面電位測定装置において、前記容量変化手段に、前記測
定電極の前方に配設され、測定電極に入射する被測定体
からの電気力線の一部を遮蔽することが可能な電極と、
測定電極とを異なる周波数で同時に振動させる電極振動
手段を設け、該電極振動手段により異なる周波数で被測
定体と測定電極との間の静電容量を変化させ、前記出力
検知手段が、前記電位検出手段による検出信号から周波
数の異なる2つ以上の出力信号を検知する構成としたも
のである。
【0016】請求項4記載の発明は、請求項2記載の表
面電位測定装置において、前記容量変化手段に、前記測
定電極を異なる複数の周波数で振動させる電極振動手段
を設け、該電極振動手段により異なる周波数で被測定体
と測定電極との間の静電容量を変化させ、前記出力検知
手段が、前記電位検出手段による検出信号から周波数の
異なる2つ以上の出力信号を検知する構成としたもので
ある。
【0017】請求項5記載の発明は、請求項2記載の表
面電位測定装置において、前記容量変化手段に、前記測
定電極を単一な周波数で大きく振動させ、前記検出信号
に複数の周波数成分を生じさせる電極振動手段を設け、
該電極振動手段により被測定体と測定電極との間の静電
容量を変化させ、前記出力検知手段が、前記電位検出手
段による検出信号から周波数の異なる2つ以上の出力信
号を検知する構成としたものである。
【0018】請求項6記載の発明は、請求項3記載の表
面電位測定装置において、前記測定電極の前方に配設さ
れ、測定電極に入射する被測定体からの電気力線の一部
を遮蔽することが可能な電極と、測定電極とを異なる周
波数で同時に振動させて、前記出力検知手段により、各
周波数成分を出力信号として検知する方法として、前記
測定電極の電位検出信号から2次以降の周波数成分を無
視し、1次の周波数成分のみを出力信号として検知し、
利用する構成としたものである。
【0019】 請求項7記載の発明は、請求項4または
5記載の表面電位測定装置において、前記測定電極を異
なる複数の周波数で振動させ、あるいは前記測定電極を
単一な周波数で大きく振動させ、前記検出信号に複数の
周波数成分を生じさせて、前記出力検知手段により、そ
の各周波数成分を出力信号として検知する方法として、
前記測定電極の電位検出信号から3次以降の周波数成分
を無視し、1次、2次の周波数成分を出力信号として検
知し、利用する構成としたものである。
【0020】 請求項8記載の発明は、請求項3,4
たは5記載の表面電位測定装置において、前記電極振動
手段に、ボイスコイルを適用し、該ボイスコイルを駆動
して前記静電容量を変化させ、前記出力検知手段が、前
記電位検出手段による検出信号から周波数の異なる2つ
以上の出力信号を検知する構成としたものである。
【0021】
【作用】以下、本発明について、その測定原理と構成、
動作及び作用について図面を参照して説明する。先ず、
従来の非接触型の機械的手段による表面電位測定装置の
測定原理について説明する。図2は従来の表面電位測定
装置の構成を示す図であり、(a)がチョッパ型、
(b)が振動容量型を示す。先述のように機械的手段の
ものにはチョッパ型と振動容量型とがあり、チョッパ型
は図2(a)のように測定電極2を被測定体1に対向し
て配置し、被測定体1と測定電極2との間に接地された
チョッパ電極3を設け、その電極3を図のような矢印の
方向に振動させることにより、被測定体1から測定電極
2に入射する電気力線を周期的に遮断して、被測定体1
と測定電極2との間に生じる静電容量C0 を変化させて
いる。また、振動容量型は同図(b)のように測定電極
2を上記(a)と同様に被測定体に対向して配置し、測
定電極2を被測定体対向方向に周期的に振動させること
により、被測定体1と測定電極2との間に生じる静電容
量C0 を変化させている。どちらの方式も、被測定体1
と測定電極2との間に生じる静電容量C0 を機械的な手
段により周期的に変化させて、その変化に応じて測定電
極上に誘起される微小な電荷量の変化を信号検出部4に
おいて交流信号として検出し、その検出信号を信号増幅
部5において増幅することにより、被測定体1の表面電
位に応じた出力信号を得るという測定原理は共通であ
る。
【0022】ここで、前記静電容量C0 は測定電極2の
実効面積をS、被測定体1と測定電極2との間の対向距
離をL、空気の誘電率をεairとすると、(1)式のよ
うに表される。 C0=εair・(S/L) (1) 前記機械的手段のものは(1)式のSまたはLを変化さ
せてC0 の値を変化させており、前者がチョッパ型、後
者が振動容量型に対応する。前記周期的な機械振動によ
り生じるC0 の変化量CC が、近似的に(2)式で与え
られたとすると、被測定体の持つ表面電位VS により測
定電極上に誘起される電荷QC は(3)式で表される。 CC=α0・C0・sinωt (2) QC=CC・VS (3) ただし、tは変化時間、ωは振動の角周波数、α0 は前
記静電容量C0 の変化率を表す。従って、測定電極に生
じる電流IC は(2),(3)式より、 IC=dQC/dt=α0・ω・C0・VS・cosωt (4) と表され、よって測定電極から得られる出力信号V0
は、近似的に、 V0=A0・α0・ω・C0・VS・cosωt (5) と表される。ただし、A0 は増幅度に関する定数を表
す。
【0023】上記(5)式からもわかるように、出力信
号V0 は被測定体の表面電位VS 、静電容量C0 、及び
その静電容量C0 の変化率α0 の大きさに比例した信号
が得られる。しかしながら、(1)式からわかるよう
に、静電容量C0 が被測定体と測定電極との間の対向距
離(測定距離)Lの逆数に比例するため、静電容量C0
に比例して得られる出力信号V0 もそれに依存して大き
く変動する。従って、測定距離が変動した場合、被測定
体の正確な表面電位が得られにくいといった問題が生じ
る。
【0024】そこで本発明では、表面電位測定装置を、
被測定体と測定電極との間の静電容量を変化させる容量
変化手段と、被測定体の表面電位に対応して誘起され静
電容量の変化に伴い変化する測定電極の電位を検出する
電位検出手段と、該検出信号から少なくとも2つ以上の
出力信号を検知する出力検知手段と、該出力信号から被
測定体の表面電位を導き出す表面電位導出手段とを備え
た構成としたものであり、より具体的には、例えば図1
に示すように、被測定体1と測定電極2との間の静電容
量C0 を変化させ、測定電極2の電位を検出する電位信
号検出部4からの電位検出信号から2つ以上の出力信号
を検知する出力検知手段6(例えば複数の出力信号検出
部6a,6b,6c,・・・ )により、1つの測定電極2
から測定距離Lに依存して変化する複数の出力信号(V
1,V2,V3,・・・)を得、各々の出力信号を利用して、
表面電位導出手段としての出力補正部7により測定距離
変動による出力変動を補正することにより、その出力信
号から正確な表面電位を導出することができ、被測定体
の表面電位を高精度に測定することができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。 [実施例1]図3は本発明の第1の実施例を示す1つの
測定電極から周波数の異なる複数の出力信号を検出し、
電位検出信号の出力変動を補正する方法に関する説明図
である。図はチョッパ電極3を利用する場合の補正方法
に関するものである。これは前記の複数の出力信号を検
知する方法として、矢印方向にチョッパ電極をω1 、測
定電極をω2 の異なる周波数で正弦波状に周期的に同時
に振動させることにより、測定電極2の電位検出信号か
ら各周波数成分を異なる出力信号として検出し、電位検
出信号の出力補正を行う方法を示すものである。
【0026】図3において、今、チョッパ電極3の振動
の振幅をΔS、測定電極2の振動の振幅をΔLとし、各
電極3,2が時間的にΔS・sinω1t,ΔL・sinω2tで振
動している場合を考えると、その周期的な機械振動によ
り時間的に変化する静電容量Ct は、 Ct=εair・(S-ΔS・sinω1t)/(L-ΔL・sinω2t) (6) で与えられ、さらに(6)式を変形すると、 Ct=(εair・S/L)・(1-(ΔS/S)・sinω1t)・(1/(1-(ΔL/L)・sinω2t) (7) と表される。ここで、(7)式の右辺の(ΔL/L)・sinω2
tは物理的に、 |(ΔL/L)・sinω2t|<1 (7') という条件であるため、(7)式の右辺は数学的にティラ
ー展開可能である。そこで、(7)式の右辺のティラー展
開を行うと、 Ct=(εair・S/L)・(1−(ΔS/S)・sinω1t)・(1+(ΔL/L)・sinω2t +(ΔL/L)2・sin2ω2t+・・・) =C0・{1+(ΔL/L)・sinω2t−(ΔS/S)・sinω1t +(ΔL/L)2・sin2ω2t−(ΔS/S)・(ΔL/L)・sinω1t・sinω2t −(ΔS/S)・(ΔL/L)2・sinω1t・sin2ω2t+・・・} (8) と表され、Ct は、時間的に0次(各電極が静止状態)
の項、1次(各電極が、sinω1t・sinω2t の時間変化)
の項の他に、高次の項を含む複数の周波数成分が現れる
ものとして表すことができる。
【0027】故に、そのCt と被測定体1のもつ表面電
位VS により測定電極2上に誘起される電荷Qt は、 Qt=Ct・VS =C0・{1+(ΔL/L)・sinω2t−(ΔS/S)・sinω1t +(ΔL/L)2・sin2ω2t−(ΔS/S)・(ΔL/L)・sinω1t・sinω2t −(ΔS/S)・(ΔL/L)2・sinω1t・sin2ω2t+・・・}・VS (9) と表され、測定電極2に生じる電流It は(9)式より、 It=dQt/dt =C0・{ω2・(ΔL/L)・cosω2t−ω1・(ΔS/S)・cosω1t +ω2・(ΔL/L)2・sin2ω2t −(ΔS/S)・(ΔL/L)・ω1・ω2・sinω1t・cosω2t+・・・}・VS (10) となり、測定電極から得られる電位検出信号Vt は、 Vt=A0・C0・VS・{ω2・(ΔL/L)・cosω2t−ω1・(ΔS/S)・cosω1t +ω2・(ΔL/L)2・sin2ω2t −(ΔS/S)・(ΔL/L)・ω1・ω2・sinω1t・cosω2t+・・・} (11) と表される。ただし、A0 は増幅度に関する定数を表
す。
【0028】(11)式からわかるように、測定電極から得
られる電位検出信号には、測定距離Lに依存して変化す
る複数の異なる周波数成分が現れる。従って、その複数
の異なる周波数成分を異なる出力信号として検出するこ
とにより、1つの測定電極から測定距離Lに依存して変
化する複数の出力信号が得られ、その各出力信号を利用
して、測定距離変動による電位検出信号の出力変動を補
正することが可能となる。
【0029】ここで、(11)式の電位検出信号から周波数
の異なる出力信号として、2次以降の周波数成分は信号
出力レベルが比較的小さいので、2次以降の周波数成分
を無視し、1次の周波数成分のみを出力信号として利用
することにより、十分なSN比でもって効率良く出力信
号を検知することができ、十分正確な表面電位出力を得
ることが可能となる。そこで、(11)式の電位検出信号か
ら1次の周波数成分のみを検出すると、近似的に、 Vt≒A0・C0・VS・{ω2・(ΔL/L)・cosω2t−ω1・(ΔS/S)・cosω1t} (12) となり、(12)式においてω1,ω2の各周波数成分を選択
的に検出することにより、周波数の異なる2つの出力信
号V1,V2を得ることができる。
【0030】以下、このようにして得られた周波数の異
なる出力信号V1,V2を利用し、測定距離変動による電
位検出信号の出力変動を補正して正確な表面電位を求め
る方法について述べる。先ず、第1の方法として、各出
力信号V1,V2から被測定体の表面電位VS に依存せず
に測定距離Lを逆に一義的に求め、得られた測定距離か
ら正確な表面電位を得る方法について述べる。(12)式よ
り検出された各出力信号V1,V2の大きさ(出力値)|
1|,|V2|は、 |V1|=A0・C0・ω1・(ΔS/S)・VS (13) |V2|=A0・C0・ω2・(ΔL/L)・VS (14) と表され、表面電位VS に依存せずに測定距離Lを一義
的に求めるには、|V1|,|V2|の出力比を求めればよ
い。例えば、出力比を|V2|/|V1|とした場合、出力比
|V2|/|V1|は(13),(14)式より、 |V2|/|V1|=(ω2/ω1)・(ΔL/ΔS)・(S/L) (15) となり、Lに関しての一次関数F(L)として表される。
この時、Lと出力比|V2|/|V1|との関係は図4(a)
のような関係曲線で表され、出力比|V2|/|V1|を求め
れば、表面電位VS に依存せずにLを一義的に求めるこ
とが可能となる。あるいは、出力比を|V1|/|V2|とす
れば、出力比|V1|/|V2|は、 |V1|/|V2|=(ω1/ω2)・(ΔS/ΔL)・(L/S) (16) となり、同様にLに関しての一次関数F(L)として表さ
れ、この時、Lと出力比|V1|/|V2|との関係は図4
(b)のような関係曲線で表され、これも同様に出力比
|V1|/|V2|を求めれば、表面電位VS に依存せずにL
を一義的に求めることが可能となる。
【0031】このようにして一義的に求められたLを利
用して、予め既知である|V1|あるいは|V2|の出力値と
測定距離Lとの関係から|V1|あるいは|V2|の出力値を
補正し、さらに予め既知である表面電位VS と出力値|
1|あるいは|V2|との関係から前記補正された|V1|あ
るいは|V2|の出力値に対応する表面電位VS を求める
ことにより、被測定体の正確な表面電位を得ることが可
能となる。また、あるいは得られたLを|V1|あるいは|
2|の出力式((13)あるいは(14)式)に代入し、VS
ついて求めることにより、被測定体の表面電位を一義的
に求めることも可能である。
【0032】次に、第2の方法として、各出力信号
1,V2は測定距離Lに依存して変化するので、|V
1|,|V2|の出力値を利用して測定距離Lに依存しない
ようLの変数を打ち消す演算処理を行い、その演算結果
から正確な表面電位を得る補正方法について述べる。例
えば、(12)式より検出された(13)式の|V1| を2乗し、
その結果を(14)式の|V2|で割り算することにより、 |V1|2/|V2|=(A0・εair/S)・(ω1 22)・(ΔS2/ΔL)・VS (17) のような出力結果が得られ、(17)式は測定距離Lに依存
しない被測定体の表面電位VS に対応した出力値が得ら
れるので、(17)式の出力値と被測定体の表面電位VS
の関係から正確な表面電位を得ることが可能となる。あ
るいは、(14)式の|V2| を(13)式の|V1| を2乗した値
で割り算することにより、 |V2|/|V1|2=(S/A0・εair)・(ω21 2)・(ΔL/ΔS2)・(1/VS) (18) のような出力結果が得られ、前記と同様に(18)式の出力
値と被測定体の表面電位VS との関係から正確な表面電
位を得ることが可能である。
【0033】また、(15)式を利用する場合、(13)式の|
1| を(15)式の出力値で割り算するか、あるいは、(1
5)式の出力値を(13)式の|V1| で割り算することによ
り、(17)式あるいは(18)式のような出力結果が得られ、
前記と同様に正確な表面電位を得ることが可能となる。
また、あるいは(14)式の|V2| を(15)式の出力値を2乗
した値で割り算するか、あるいは、(15)式の出力値を2
乗した値を(14)式の|V2|で割り算することによって
も、(17)式あるいは(18)式のような出力結果が得られ、
前記と同様に正確な表面電位を得ることが可能である。
さらに、(16)式を利用する場合、(13)式の|V1| に(16)
式の出力値を掛け合わせるか、あるいは(14)式の|V2|
に(16)式の出力値を2乗した値を掛け合わせることによ
り、(17)式のような出力結果が得られ、前記と同様に正
確な表面電位を得ることが可能となる。
【0034】図5〜10は、以上のようにして周波数の
異なる複数の出力信号を利用し、測定距離変動による電
位検出信号の出力変動を補正し、被測定体の表面電位に
対応した正確な出力信号を得る具体的な手段について説
明するための表面電位測定装置の装置構成図を示してお
り、図5は各出力信号V1,V2から被測定体の表面電位
S に依存せずに測定距離Lを逆に一義的に求め、得ら
れた測定距離から正確な表面電位を得る手段について示
すものである。また、図6〜10は各出力信号の出力値
|V1|,|V2|を利用して測定距離Lに依存しないよう演
算処理を行い、その演算結果から正確な表面電位を得る
手段について示すものである。
【0035】より具体的に説明すると、図5は、測定電
極上に誘起された微小な電荷量の変化を電位信号検出部
4にて交流信号として検出し、その検出信号から周波数
の異なる2つの出力信号V1 ,V2 を出力検知手段6の
各出力信号検出部6a,6bにて検出し、検出された出
力信号を測定距離検出部8と出力補正部9からなる表面
電位導出手段に入力し、その各出力信号V1,V2の出力
比を利用して測定距離検出部8にて測定距離を求め、得
られた測定距離から各出力信号の出力値を出力補正部9
にて補正することにより、正確な表面電位出力信号V0
を得る装置構成を示すものである。電位信号検出部4に
おいて測定電極2に生じる微小な交流信号を検出する手
段としては、FET,OPアンプ等を利用した交流信号
増幅回路が適用可能である。また、各出力信号検出部6
a,6bにおいて周波数の異なる出力信号を検出する手
段としては、同期検波回路、復調回路、必要な周波数成
分のみを通過させる狭帯域なバンドパスフィルタ回路等
が適用可能である。また、測定距離検出部8において各
出力信号の出力比から測定距離を求める手段としては、
掛け算、あるいは割り算等のアナログ演算回路、アナロ
グ−デジタル変換回路、コンピュータ等を適用し、演算
処理することによって可能である。さらに、出力補正部
9において測定距離から各出力信号の出力値を補正し、
表面電位出力信号を得る手段としては、コンピュータ、
デジタル−アナログ変換回路等が適用可能である。
【0036】図6は、測定電極上に誘起された微小な電
荷量の変化を電位信号検出部4にて交流信号として検出
し、その検出信号から周波数の異なる2つの出力信号V
1 ,V2 を出力検知手段6の各出力信号検出部6a,6
bにて検出し、その各出力信号V1,V2の出力値|V
1|,|V2|を利用して測定距離に依存しないよう演算処
理するため、表面電位導出手段として、|V1|2 演算部
10と|V1|2と|V2|との割り算部11を設け、その演
算結果から測定距離に依存しない正確な表面電位出力信
号V0 を得る装置構成を示すものである。電位信号検出
部4、周波数の異なる各出力信号検出部6a,6bにお
いては、前記の図5と同様の手段が適用可能である。ま
た、|V1|2演算部10と|V1|2と|V2|との割り算部1
1において、各出力値を演算処理し、表面電位出力信号
を得る手段としては、掛け算、あるいは割り算等のアナ
ログ演算回路、アナログ−デジタル変換回路、コンピュ
ータ、デジタル−アナログ変換回路等が適用可能であ
る。
【0037】図7は、測定電極上に誘起された微小な電
荷量の変化を電位信号検出部4にて交流信号として検出
し、その検出信号から周波数の異なる2つの出力信号V
1 ,V2 を出力検知手段6の各出力信号検出部6a,6
bにて検出し、その各出力信号V1,V2の出力値|V
1|,|V2|を利用して測定距離に依存しないよう演算処
理するため、表面電位導出手段として、|V2|/|V1|演
算部12と|V2|/|V1|と|V1| との割り算部13を設
け、その演算結果から測定距離に依存しない正確な表面
電位出力信号V0 を得る装置構成を示すものである。電
位信号検出部4、周波数の異なる各出力信号検出部6
a,6bには、前記の図5と同様の手段が適用可能であ
る。また、|V2|/|V1|演算部12と|V2|/|V1|と|
1| との割り算部13において、各出力値を演算処理
し、表面電位出力信号を得る手段としては、前記の図6
と同様の手段が適用可能である。
【0038】図8は、測定電極上に誘起された微小な電
荷量の変化を電位信号検出部4にて交流信号として検出
し、その検出信号から周波数の異なる2つの出力信号V
1 ,V2 を出力検知手段6の各出力信号検出部6a,6
bにて検出し、その各出力信号V1,V2の出力値|V
1|,|V2|を利用して測定距離に依存しないよう演算処
理するため、表面電位導出手段として、(|V2|/|V
1|)2演算部14と、(|V2|/|V1|)2 と|V2| との割り
算部15を設け、その演算結果から測定距離に依存しな
い正確な表面電位出力信号V0 を得る装置構成を示すも
のである。電位信号検出部4、周波数の異なる各出力信
号検出部6a,6bには、前記の図5と同様の手段が適
用可能である。また、(|V2|/|V1|)2演算部14と(|
2|/|V1|)2と|V2| との割り算部15において、各
出力値を演算処理し、表面電位出力信号を得る手段とし
ては、前記の図6と同様の手段が適用可能である。
【0039】図9は、測定電極上に誘起された微小な電
荷量の変化を電位信号検出部4にて交流信号として検出
し、その検出信号から周波数の異なる2つの出力信号V
1 ,V2 を出力検知手段6の各出力信号検出部6a,6
bにて検出し、その各出力信号V1,V2の出力値|V
1|,|V2|を利用して測定距離に依存しないよう演算処
理するため、表面電位導出手段として、|V1|/|V2|演
算部16と|V1|/|V2|と|V1| との掛け算部17を設
け、その演算結果から測定距離に依存しない正確な表面
電位出力信号V0 を得る装置構成を示すものである。電
位信号検出部4、周波数の異なる各出力信号検出部6
a,6bには、前記の図5と同様の手段が適用可能であ
る。また、|V1|/|V2|演算部16と|V1|/|V2|と|
1| との掛け算部17において、各出力値を演算処理
し、表面電位出力信号を得る手段としては、前記の図6
と同様の手段が適用可能である。
【0040】図10は、測定電極上に誘起された微小な
電荷量の変化を電位信号検出部4にて交流信号として検
出し、その検出信号から周波数の異なる2つの出力信号
1,V2 を出力検知手段6の各出力信号検出部6a,
6bにて検出し、その各出力信号V1,V2の出力値|V1
|,|V2|を利用して測定距離に依存しないよう演算処理
するため、表面電位導出手段として、(|V1|/|V2|)2
演算部18と、(|V1|/|V2|)2と|V2|との掛け算部1
9を設け、その演算結果から測定距離に依存しない正確
な表面電位出力信号V0 を得る装置構成を示すものであ
る。電位信号検出部4、周波数の異なる各出力信号検出
部6a,6bには、前記の図5と同様の手段が適用可能
である。また、(|V1|/|V2|)2演算部18と(|V1|/
|V2|)2と|V2|との掛け算部19において、各出力値を
演算処理し、表面電位出力信号を得る手段としては、前
記の図6と同様の手段が適用可能である。
【0041】次に、図11(a)〜(d)は、異なる周
波数で被測定体1と測定電極2との間の静電容量を変化
させる手段として、チョッパ電極、あるいは測定電極を
異なる周波数で振動させる電極振動手段について示した
ものである。尚、図11は測定電極2を振動させた場合
を示しており、同図(a)はPZT等の圧電材料を使用
したユニモルフ型(図12(a))あるいはバイモルフ
型(図12(b))の圧電アクチュエータ20を利用
し、構造を両持ち梁状としたものであり、圧電材料に電
圧を印加することにより圧電材料が変動し、その変動に
伴い、アクチュエータに取り付けられた測定電極2が振
動する仕組みである。また、同図(b)も前記(a)と
同様にPZT等の圧電材料を使用したアクチュエータ2
0を利用したものであり、構造を片持ち梁状として圧電
材料に電圧を印加することにより、圧電材料が変動し、
その変動に伴い測定電極2が振動するものである。ま
た、同図(c)は測定電極2を電磁コイル21中の磁石
22部分に取り付け、電磁コイル21に時間的に変化す
る電流を流すことによりコイル中の磁石22が変動し、
その変動に伴い測定電極2が振動するものである。さら
に、同図(d)は測定電極2をボイスコイル23に取り
付けた場合を示すものであり、本発明で言うボイスコイ
ルとは、電磁コイル24と弾性体25とで構成されるも
のを言い、測定電極2を電磁コイル24に取り付け、電
磁コイル24に電流を印加することにより電磁コイル2
4が変動し、その変動を変動源とし測定電極2が振動
し、その振動幅が、例えば図のように、梁状のバネ25
等の弾性体により制限されて振動する仕組みを示すもの
である。
【0042】その他、音叉または振動片等の先端部分に
測定電極を取り付けたり、あるいは音叉または振動片等
をチョッパ電極として利用し、それらに板状の前記圧電
材料や前記電磁コイルを貼り付けて圧電材料や電磁コイ
ルに電圧や電流を印加することにより、圧電材料あるい
は電磁コイル中の磁石を変動させ、その変動に伴い音叉
または振動片等を振動させて測定電極あるいはチョッパ
電極を振動させることも可能である。
【0043】以上、それらの電極振動手段のうち、好ま
しくは図11(d)のボイスコイル23を適用すること
により、電極振動手段が比較的簡易な構成でかつ安価に
電極を大きく振動させることができ、そのため十分なS
N比が得られ、正確な表面電位を効率良く、簡易に得る
ことが可能となる。そのボイスコイル23について、板
バネ29を弾性体としてチョッパ電極3を振動させる場
合の適用例を図13に、また、測定電極2を振動させる
場合の適用例を図14にそれぞれ示す。どちらの電極
も、固定台30に板バネ29を介して支持されたボイス
コイル23のソレノイドコイル27側あるいは永久磁石
28側に電極(チョッパ電極3,測定電極2)を取り付
けて振動させることが可能であり、ボイスコイル23を
軽量に、かつ簡易に作製するために、コイルボビン26
をなくしてソレノイドコイル27及び電極を振動させる
ことも可能である。従って、本実施例ではボイスコイル
23を適用した場合、図13のチョッパ電極3の振動手
段と図14の測定電極2の振動手段とを組み合わせた形
で各々の電極を異なる周波数で振動させることにより、
測定電極から周波数の異なる2つの出力信号を得ること
が実現可能となる。
【0044】尚、本実施例のように周波数の異なる出力
信号として、1次の周波数成分のみを出力信号として利
用することで、十分正確な表面電位を効率良く得ること
が可能であるが、さらに測定精度を高めたい場合には、
1次の周波数成分の他に高次の周波数成分を利用し、1
つの測定電極2から2つ以上の出力信号を得、各出力信
号を利用して被測定体1の表面電位を求めてもよい。ま
た、信頼性を高めたい場合には、測定電極を2つ以上設
け、各測定電極について上記と同様な測定方法及び測定
手段を利用して被測定体の表面電位を求めても良い。
【0045】[実施例2]図15は、本発明の第2の実
施例を示す1つの測定電極から周波数の異なる複数の出
力信号を検出し、電位検出信号の出力変動を補正する方
法に関する説明図である。図は測定電極のみを利用する
振動容量型の場合の補正方法に関するものである。これ
は前記の複数の出力信号を検知する方法として、図のよ
うに測定電極をω1,ω2の異なる周波数成分で足し合わ
せた状態で正弦波状に周期的に振動させることにより、
測定電極の電位検出信号から各周波数成分を異なる出力
信号として検出し、電位検出信号の出力補正を行う方法
を示すものである。
【0046】図15において、今、測定電極のω1の振
動の振幅をΔL1、ω2の振動の振幅をΔL2とし、測定
電極が時間的にΔL1・sinω1t+ΔL2・sinω2tで振動し
ている場合を考えると、その周期的な機械振動により時
間的に変化する静電容量Ctは、 Ct=εair・S/(L−(ΔL1・sinω1t+ΔL2・sinω2t)) (19) で与えられ、さらに(19)式を変形すると、 Ct=(εair・S/L)・{1/(1−(ΔL1・sinω1t+ΔL2・sinω2t)/L)} (20) と表わされる。ここで、(20)式の右辺の(ΔL1・sinω1t
+ΔL2・sinω2t)/Lは物理的に、 |(ΔL1・sinω1t+ΔL2・sinω2t)/L|<1 (21) という条件であるため、(21)式の右辺は数学的にティラ
ー展開することが可能である。そこで、(20)式の右辺の
ティラー展開を行うと、 Ct=(εair・S/L)・{1+(ΔL1・sinω1t+ΔL2・sinω2t)/L +((ΔL1・sinω1t+ΔL2・sinω2t)/L)2+・・・} =C0・{1+(ΔL1/L)・sinω1t+(ΔL2/L)・sinω2t +(ΔL1/L)2・sin2ω1t+(ΔL2/L)2・sin2ω2t +2・(ΔL1・ΔL2/L2)・sinω1t・sinω2t+・・・} (22) と表わされ、Ct は時間的に0次(測定電極が静止状
態)の項、1次(測定電極がsinω1t,sinω2tの時間変
化)の項の他に高次の項を含む複数の周波数成分が現れ
るものとして表わすことができる。
【0047】故に、そのCt と被測定体のもつ表面電位
S により測定電極上に誘起される電荷Qt は、 Qt=Ct・VS =C0・{1+(ΔL1/L)・sinω1t+(ΔL2/L)・sinω2t +(ΔL1/L)2・sin2ω1t+2・(ΔL1・ΔL2/L2)・sinω1t・sinω2t +(ΔL2/L)2・sin2ω2t+・・・}・VS (23) と表わされ、測定電極に生じる電流It は(23)式より、 It=dQt/dt =C0・{ω1・(ΔL1/L)・cosω1t+ω2・(ΔL2/L)・cosω2t +2ω1・(ΔL1/L)2・cosω1t・sinω1t +2ω2・(ΔL1・ΔL2/L2)・cosω2t・sinω1t +2ω1・(ΔL1・ΔL2/L2)・cosω1t・sinω2t +2ω2・(ΔL2/L)2・cosω2t・sinω2t+・・・}・VS (24) となり、測定電極から得られる電位検出信号Vt は、 Vt=A0・C0・VS・{ω1・(ΔL1/L)・cosω1t+ω2・(ΔL2/L)・cosω2t +2ω1・(ΔL1/L)2・cosω1t・sinω1t +2ω2・(ΔL1・ΔL2/L2)・cosω2t・sinω1t +2ω1・(ΔL1・ΔL2/L2)・cosω1t・sinω2t +2ω2・(ΔL2/L)2・cosω2t・sinω2t+・・・} (2
5) と表わされる。ただし、A は増幅度に関する定数を
表わす。
【0048】本実施例においても(25)式からわかるよう
に、測定電極から得られる電位検出信号からは測定距離
Lに依存して変化する複数の異なる周波数成分が現れ
る。従って、その複数の異なる周波数成分を異なる出力
信号として検出することにより、1つの測定電極から測
定距離Lに依存して変化する複数の出力信号が得られ、
その各出力信号を利用して、測定距離変動による電位検
出信号の出力変動を補正することが可能となる。
【0049】ここで、(25)式の電位検出信号から周波数
の異なる出力信号として、3次以降の周波数成分は信号
出力レベルが比較的小さいので、3次以降の周波数成分
を無視し、1次、2次の周波数成分のみを出力信号とし
て利用することにより、十分なSN比でもって効率良く
出力信号を検知することができ、十分正確な表面電位出
力を得ることが可能となる。そこで、(25)式の電位検出
信号から1次、2次の周波数成分のみを検出すると、近
似的に、 Vt≒A0・C0・VS・{ω1・(ΔL1/L)・cosω1t+ω2・(ΔL2/L)・cosω2t +ω1・(ΔL1/L)2・sin2ω1t +ω2・(ΔL1・ΔL2/L2)・(sin(ω21)t-sin(ω21)t) +ω1・(ΔL1・ΔL2/L2)・(sin(ω21)t+sin(ω21)t) +ω2・(ΔL2/L)2・sin2ω2t} (26) となり、(26)式においてω1,ω2,2ω1,2ω2,ω2
+ω1,ω2−ω1の各周波数成分を検出することによ
り、周波数の異なる6つの出力信号を得ることができ
る。
【0050】ここで本実施例の場合、ω1<<ω2と仮定
し、(ΔL2/L)2<<1とみなして(26)式を再度考慮し、
さらに簡略化すると、 Vt≒A0・C0・VS・{ω2・(ΔL2/L)・cosω2t +ω2・(ΔL1・ΔL2/L2)・(sin(ω21)t-sin(ω21)t) +ω1・(ΔL1・ΔL2/L2)・(sin(ω21)t-sin(ω21)t)} (27) と近似的に表され、ω2,ω21(あるいはω21)の
各周波数成分のみを選択的に検出すれば、十分なSN比
でもって効率良く周波数の異なる2つの出力信号V1
2を得ることができる。
【0051】以下、このようにして得られた周波数の異
なる出力信号V1,V2を利用し、測定距離変動による電
位検出信号の出力変動を補正して正確な表面電位を求め
る方法について述べる。先ず、第1の方法として、各出
力信号V1,V2から被測定体の表面電位VS に依存せず
に測定距離Lを逆に一義的に求め、得られた測定距離か
ら正確な表面電位を得る方法について述べる。(27)式よ
り検出された各出力信号V1,V2の大きさ(出力値)|
1|,|V2|は、 |V1|=A0・C0・ω2・(ΔL2/L)・VS (28) |V2|=A0・C0・(ω21)・(ΔL1・ΔL2/L2)・VS (29) と表され、表面電位VS に依存せずに測定距離Lを一義
的に求めるには、|V1|,|V2|の出力比を求めればよ
い。例えば出力比を|V2|/|V1|とした場合、|V2|/|
1|は(28),(29)式より、 |V2|/|V1|=((ω21)/ω2)・(ΔL1/L) (30) となり、Lに関しての一次関数F(L)として表される。
この時、Lと|V2|/|V1|との関係は図4(a)のよう
な関係曲線で表され、出力比|V2|/|V1|を求めれば、
表面電位VS に依存せずにLを一義的に求めることが可
能となる。あるいは、出力比を|V1|/|V2|とすれば|
1|/|V2|は、 |V1|/|V2|=(ω2/(ω21))・(L/ΔL1) (31) となり、同様にLに関しての一次関数F(L)として表さ
れ、この時、Lと|V1|/|V2|との関係は、図4(b)
のような関係曲線で表され、これも同様に出力比|V1|
/|V2|を求めれば、表面電位VS に依存せずにLを一
義的に求めることが可能となる。
【0052】このようにして一義的に求められたLを利
用して、予め既知である|V1|あるいは|V2|の出力値と
測定距離Lとの関係から|V1|あるいは|V2|の出力値を
補正し、さらに予め既知である表面電位VS と出力値|
1|あるいは|V2|との関係から前記補正された|V1|あ
るいは|V2|の出力値に対応する表面電位VS を求める
ことにより、被測定体の正確な表面電位を得ることが可
能となる。また、あるいは得られたLを|V1|あるいは|
2|の出力式((28)あるいは(29)式)に代入し、VS
ついて求めることにより、被測定体の表面電位を一義的
に求めることも可能である。
【0053】次に、第2の方法として、各出力信号
1,V2は測定距離Lに依存して変化するので、|V
1|,|V2|の出力値を利用して測定距離Lに依存しない
ようLの変数を打ち消す演算処理を行い、その演算結果
から正確な表面電位を得る補正方法について述べる。例
えば、(27)式より検出された(28)式の|V1| を3乗し、
その結果を(29)式の|V2|を2乗した値で割り算するこ
とにより、 |V1|3/|V2|2=A0・εair・S・(ω2 3/(ω21)2)・(ΔL2/ΔL1 2)・VS (32) のような出力結果が得られ、(32)式は測定距離Lに依存
しない被測定体の表面電位VS に対応した出力値が得ら
れるので、(32)式の出力値と被測定体の表面電位VS
の関係から正確な表面電位を得ることが可能となる。あ
るいは、(29)式の|V2| を2乗し、(28)式の|V1| を3
乗した値で割り算することにより、 |V2|2/|V1|3=((ω21)2/(A0・εair・S・ω2 3))・(ΔL1 2/ΔL2)・(1/VS) (33) のような出力結果が得られ、前記と同様に(33)式の出力
値と被測定体の表面電位VS との関係から正確な表面電
位を得ることが可能である。
【0054】また、(30)式を利用する場合、(28)式の|
1| を(30)式の出力値を2乗した値で割り算するか、
あるいは、(30)式の出力値を2乗した値を(28)式の|V1
| で割り算することにより、(32)式あるいは(33)式のよ
うな出力結果が得られ、前記と同様に正確な表面電位を
得ることが可能となる。また、あるいは(29)式の|V
|を(30)式の出力値を3乗した値で割り算するか、
あるいは、(30)式の出力値を3乗した値を(29)式の|V2
| で割り算することによっても、(32)式あるいは(33)式
のような出力結果が得られ、前記と同様に正確な表面電
位を得ることが可能である。さらに、(31)式を利用する
場合、(28)式の|V1| に(31)式の出力値を2乗した値を
掛け合わせるか、あるいは(29)式の|V2| に(31)式の出
力値を3乗した値を掛け合わせることにより、(32)式の
ような出力結果が得られ、前記と同様に正確な表面電位
を得ることが可能である。
【0055】本実施例において、周波数の異なる複数の
出力信号を利用し、測定距離変動による電位検出信号の
出力変動を補正し、被測定体の表面電位に対応した正確
な出力信号を得る得る具体的な手段として、各出力信号
1,V2から被測定体の表面電位VS に依存せずに測定
距離Lを逆に一義的に求め、得られた測定距離から正確
な表面電位を得る手段としては、前記図5で説明した装
置構成及び手段が適用可能である。また、各出力信号の
出力値|V1|,|V2|を利用して測定距離Lに依存しない
よう演算処理を行い、その演算結果から正確な表面電位
を得る手段としては、図16〜20に示す装置構成図で
説明される。
【0056】ここで、図16は、測定電極上に誘起され
た微小な電荷量の変化を電位信号検出部4にて交流信号
として検出し、その検出信号から周波数の異なる2つの
出力信号V1 ,V2 を出力検知手段6の各出力信号検出
部6a,6bにて検出し、その各出力信号V1 ,V2
出力値|V1|,|V2|を利用して測定距離に依存しないよ
う演算処理するため、表面電位導出手段として、|V1|3
演算部31、|V2|2演算部32と、|V1|3と|V2|2との
割り算部33を設け、その演算結果から測定距離に依存
しない正確な表面電位出力信号V0 を得る装置構成を示
すものである。電位信号検出部4、周波数の異なる各出
力信号検出部6a,6bには、前記図5と同様の手段が
適用可能である。また、|V1|3演算部31、|V2|2演算
部32、|V1|3と|V2|2との割り算部33において、各
出力値を演算処理し、表面電位出力信号を得る手段とし
ては、掛け算、あるいは割り算等のアナログ演算回路、
アナログ−デジタル変換回路、コンピュータ、デジタル
−アナログ変換回路等が適用可能である。
【0057】図17は、測定電極上に誘起された微小な
電荷量の変化を電位信号検出部4にて交流信号として検
出し、その検出信号から周波数の異なる2つの出力信号
1,V2 を出力検知手段6の各出力信号検出部6a,
6bにて検出し、その各出力信号V1,V2の出力値|V1
|,|V2|を利用して測定距離に依存しないよう演算処理
するため、表面電位導出手段として、(|V2|/|V1|)2
演算部34と、(|V2|/|V1|)2 と|V1| との割り算部
35を設け、その演算結果から測定距離に依存しない正
確な表面電位出力信号V0 を得る装置構成を示すもので
ある。電位信号検出部4、周波数の異なる各出力信号検
出部6a,6bには、前記の図5と同様の手段が適用可
能である。また、(|V2|/|V1|)2演算部34と(|V2|
/|V1|)2と|V1| との割り算部35において、各出力
値を演算処理し、表面電位出力信号を得る手段として
は、前記図16と同様の手段が適用可能である。
【0058】図18は、測定電極上に誘起された微小な
電荷量の変化を電位信号検出部4にて交流信号として検
出し、その検出信号から周波数の異なる2つの出力信号
1,V2 を出力検知手段6の各出力信号検出部6a,
6bにて検出し、その各出力信号V1,V2の出力値|V1
|,|V2|を利用して測定距離に依存しないよう演算処理
するため、表面電位導出手段として、(|V2|/|V1|)3
演算部36と、(|V2|/|V1|)3 と|V2| との割り算部
37を設け、その演算結果から測定距離に依存しない正
確な表面電位出力信号V0 を得る装置構成を示すもので
ある。電位信号検出部4、周波数の異なる各出力信号検
出部6a,6bには、前記の図5と同様の手段が適用可
能である。また、(|V2|/|V1|)3演算部36と(|V2|
/|V1|)3と|V2| との割り算部37において、各出力
値を演算処理し、表面電位出力信号を得る手段として
は、前記図16と同様の手段が適用可能である。
【0059】図19は、測定電極上に誘起された微小な
電荷量の変化を電位信号検出部4にて交流信号として検
出し、その検出信号から周波数の異なる2つの出力信号
1,V2 を出力検知手段6の各出力信号検出部6a,6
bにて検出し、その各出力信号V1,V2の出力値|V
1|,|V2|を利用して測定距離に依存しないよう演算処
理するため、表面電位導出手段として、(|V1|/|V2|)
2 演算部38と、(|V1|/|V2|)2 と|V1| との掛け算
部39を設け、その演算結果から測定距離に依存しない
正確な表面電位出力信号V0 を得る装置構成を示すもの
である。電位信号検出部4、周波数の異なる各出力信号
検出部6a,6bには、前記の図5と同様の手段が適用
可能である。また、(|V1|/|V2|)2演算部38と(|V1
|/|V2|)2と|V1| との掛け算部39において、各出力
値を演算処理し、表面電位出力信号を得る手段として
は、前記図16と同様の手段が適用可能である。
【0060】図20は、測定電極上に誘起された微小な
電荷量の変化を電位信号検出部4にて交流信号として検
出し、その検出信号から周波数の異なる2つの出力信号
1,V2 を出力検知手段6の各出力信号検出部6a,
6bにて検出し、その各出力信号V1,V2の出力値|V1
|,|V2|を利用して測定距離に依存しないよう演算処理
するため、表面電位導出手段として、(|V1|/|V2|)3
演算部40と、(|V1|/|V2|)3と|V2|との掛け算部4
1を設け、その演算結果から測定距離に依存しない正確
な表面電位出力信号V0 を得る装置構成を示すものであ
る。電位信号検出部4、周波数の異なる各出力信号検出
部6a,6bには、前記の図5と同様の手段が適用可能
である。また、(|V1|/|V2|)3 演算部40と(|V1|/
|V2|)3と|V2| との掛け算部41において、各出力値
を演算処理し、表面電位出力信号を得る手段としては、
前記図16と同様の手段が適用可能である。
【0061】また、本実施例においても、異なる周波数
で被測定体と測定電極との間の静電容量を変化させるた
め、測定電極を異なる周波数で振動させる手段として、
前記の図11(a)〜(d)で説明したように、圧電ア
クチュエータ、電磁コイル、ボイスコイル等や、音叉ま
たは振動片等の先端部分に測定電極2を取り付け、それ
らに板状の圧電材料や電磁コイルを貼り付けて測定電極
を振動させる電極振動手段が適用可能である。ただし、
本実施例の場合、それらの電極振動手段を利用する場合
には、例えば、図21(a)に示すような周波数ω1
駆動電圧(あるいは駆動電流)波形と同図(b)に示す
ような周波数ω2 の駆動電圧(あるいは駆動電流)波形
とを重畳させた状態の周波数(ω1+ω2)の電圧(あるい
は電流)波形(同図(c))を各電極振動手段に印加す
ることにより、1つの電極振動手段により複数の異なる
周波数で測定電極を振動させることが可能となる。
【0062】また、あるいは、図22(a)〜(i)に
示すように前記図11(a)〜(c)の2つの電極振動
手段(圧電アクチュエータ20、電磁コイル21等)を
組み合わせて利用し、いずれか一方の電極振動手段に前
記図21(a)で示したような周波数ω1 の駆動電圧
(あるいは駆動電流)波形を印加し、他方に前記図21
(b)で示したような周波数ω2 の駆動電圧(あるいは
駆動電流)波形を同時に印加することにより、測定電極
上で前記図15のような振動波形で測定電極2を振動さ
せることが可能である。さらに、この場合、図22
(a)〜(h)で使用している圧電アクチュエータ20
の代わりに前記板状の圧電材料や前記電磁コイルを貼り
付けた音叉または振動片等を利用し、それらを組み合わ
せた電極振動手段のいずれか一方に図21(a)で示し
たような周波数ω1 の駆動電圧(あるいは駆動電流)波
形を印加し、他方に前記図21(b)で示したような周
波数ω2の駆動電圧(あるいは駆動電流)波形を同時に
印加することにより、測定電極上で前記図15のような
振動波形で測定電極2を振動させることが可能である。
【0063】本実施例においても、それらの電極振動手
段のうち、好ましくは図11(d)のボイスコイル23
を適用することにより、電極振動手段が比較的簡易な構
成でかつ安価に電極を大きく振動させることができ、そ
のため十分なSN比が得られ、正確な表面電位を効率良
く、簡易に得ることが可能となる。そのボイスコイルを
利用し、測定電極2を振動させる場合の適用例は図14
と同様であり、前記と同様に測定電極2をボイスコイル
23のソレノイドコイル27側、あるいは永久磁石28
側に取り付けて振動させることが可能であり、ボイスコ
イル23を軽量に、かつ簡易に作製するために、コイル
ボビン26をなくしてボイスコイル及び測定電極を振動
させることも可能である。
【0064】また、本実施例のように周波数の異なる出
力信号として、1次、2次の周波数成分のみを出力信号
として利用することで、十分正確な表面電位を効率良く
得ることが可能であるが、さらに測定精度を高めたい場
合には、1次、2次の周波数成分の他に3次以降の周波
数成分を利用し、1つの測定電極から2つ以上の出力信
号を得、各出力信号を利用して被測定体の表面電位を求
めてもよい。また、信頼性を高めたい場合には、測定電
極を2つ以上設け、各測定電極について上記と同様な測
定方法及び測定手段を利用して被測定体の表面電位を求
めても良い。
【0065】[実施例3]図23は、本発明の第3の実
施例を示す1つの測定電極から周波数の異なる複数の出
力信号を検出し、電位検出信号の出力変動を補正する方
法に関する説明図である。図は測定電極2のみを利用す
る振動容量型の場合の補正方法に関するものである。こ
れは前記の複数の出力信号を検知する方法として、図の
ように測定電極2を単一な周波数ωで正弦波状に周期的
に大きく振動させることにより、測定電極の電位検出信
号から複数の周波数成分を生じさせて、その各周波数成
分を異なる出力信号として検出し、電位検出信号の出力
補正を行う方法を示すものである。
【0066】図23において、今、測定電極2の振動の
振幅をdとし、測定電極が時間的にd・sinωtで振動し
ている場合を考えると、その周期的な機械振動により時
間的に変化する静電容量Ct は、 Ct=εair・S/(L−d・sinωt) (34) で与えられ、さらに(34)式を変形すると、 Ct=(εair・S/L)・{1/(1−(d/L)・sinωt)} (35) と表される。ここで、(35)式の右辺の(d/L)・sinωt
は物理的に、 |(d/L)・sinωt|<1 (36) という条件であるため、(35)式の右辺は数学的にティラ
ー展開することが可能である。そこで、(35)式の右辺の
ティラー展開を行うと、 Ct=(εair・S/L)・{1+(d/L)・sinωt+((d/L)・sinωt)2+・・・} =C0・{1+(d/L)・sinωt+(d/L)2・sin2ωt+・・・} (37) と表され、Ct は時間的に0次(測定電極が静止状態)
の項、1次(測定電極がsinωtの時間変化)の項の他に
高次の項を含む複数の周波数成分が現れるものとして表
すことができる。
【0067】故に、そのCt と被測定体1の持つ表面電
位VS により測定電極上に誘起される電荷Qt は、 Qt =Ct・VS =C0・{1+(d/L)・sinωt+(d/L)2・sin2ωt+・・・}・VS (38) と表され、測定電極に生じる電流It は(38)式より、 It=dQt/dt =C0・{ω・(d/L)・cosωt+ω・(d/L)2・sin2ωt+・・・}・VS (39) となり、測定電極から得られる電位検出信号Vt は、 Vt=A0・C0・VS・{ω・(d/L)・cosωt+ω・(d/L)2・sin2ωt+・・・} (40) と表される。ただし、A0は増幅度に関する定数を表
す。
【0068】(40)式からわかるように、測定電極から得
られる電位検出信号からは測定距離Lに依存して変化す
る複数の異なる周波数成分が現れる。従って、その複数
の異なる周波数成分を異なる出力信号として検出するこ
とにより、1つの測定電極から測定距離Lに依存して変
化する複数の出力信号が得られ、その各出力信号を利用
して、測定距離変動による電位検出信号の出力変動を補
正することが可能となる。
【0069】ここで、(40)式の電位検出信号から周波数
の異なる出力信号として、3次以降の周波数成分は信号
出力レベルが比較的小さいので、3次以降の周波数成分
を無視し、1次、2次の周波数成分のみを出力信号とし
て利用することにより、十分なSN比でもって効率良く
出力信号を検知することができ、十分正確な表面電位出
力を得ることが可能となる。そこで、(40)式の電位検出
信号から1次、2次の周波数成分のみを検出すると、近
似的に、 Vt≒A0・C0・VS・{ω・(d/L)・cosωt+ω・(d/L)2・sin2ωt} (41) となり、(41)式においてω,2ωの各周波数成分を選択
的に検出することにより、周波数の異なる2つの出力信
号V1,V2を得ることができる。
【0070】以下、このようにして得られた周波数の異
なる出力信号V1,V2を利用し、測定距離変動による電
位検出信号の出力変動を補正して正確な表面電位を求め
る方法について述べる。先ず、第1の方法として、各出
力信号V1,V2から被測定体の表面電位VS に依存せず
に測定距離Lを逆に一義的に求め、得られた測定距離か
ら正確な表面電位を得る方法について述べる。(41)式よ
り検出された各出力信号V1,V2の大きさ(出力値)|
1|,|V2|は、 |V1|=A0・C0・ω・(d/L)・VS (42) |V2|=A0・C0・ω・(d/L)2・VS (43) と表され、表面電位VS に依存せずに測定距離Lを一義
的に求めるには |V1|,|V2| の出力比を求めればよ
い。例えば出力比を|V2|/|V1|とした場合、|V2|/|
1|は(42),(43)式より、 |V2|/|V1|=d/L (44) となり、Lに関しての一次関数F(L)として表される。
この時、Lと|V2|/|V1|との関係は図4(a)のよう
な関係曲線で表され、出力比|V2|/|V1|を求めれば、
表面電位VS に依存せずにLを一義的に求めることが可
能となる。あるいは、出力比を|V1|/|V2|とすれば、
|V1|/|V2|は、 |V1|/|V2|=L/d (45) となり、同様にLに関しての一次関数F(L)として表さ
れ、この時、Lと|V1|/|V2| との関係は図4(b)
のような関係曲線で表され、これも同様に出力比|V1|
/|V2|を求めれば、表面電位VS に依存せずにLを一
義的に求めることが可能となる。
【0071】このようにして一義的に求められたLを利
用して、予め既知である|V1|あるいは|V2|の出力値と
測定距離Lとの関係から|V1|あるいは|V2|の出力値を
補正し、さらに予め既知である表面電位VS と出力値|
1|あるいは|V2|との関係から前記補正された|V1|あ
るいは|V2|の出力値に対応する表面電位VS を求める
ことにより、被測定体の正確な表面電位を得ることが可
能となる。また、あるいは得られたLを|V1|あるいは|
2|の出力式((42)あるいは(43)式)に代入し、VS
ついて求めることにより、被測定体の表面電位を一義的
に求めることも可能である。
【0072】次に、第2の方法として、各出力信号
1,V2は測定距離Lに依存して変化するので、|V
1|,|V2|の出力値を利用して測定距離Lに依存しない
ようLの変数を打ち消す演算処理を行い、その演算結果
から正確な表面電位を得る補正方法について述べる。例
えば、(41)式より検出された(42)式の|V1| を3乗し、
その結果を(43)式の|V2|を2乗した値で割り算するこ
とにより、 |V1|3/|V2|2=A0・εair・S・ω・(VS/d) (46) のような出力結果が得られ、(46)式は測定距離Lに依存
しない被測定体の表面電位VS に対応した出力値が得ら
れるので、(46)式の出力値と被測定体の表面電位VS
の関係から正確な表面電位を得ることが可能となる。あ
るいは、(43)式の|V2| を2乗し、(42)式の|V1| を3
乗した値で割り算することにより、 |V2|2/|V1|3=(1/(A0・εair・S・ω))・(d/VS) (47) のような出力結果が得られ、前記と同様に(47)式の出力
値と被測定体の表面電位VS との関係から正確な表面電
位を得ることが可能となる。
【0073】また、(44)式を利用する場合、(42)式の|
1| を(44)式の出力値を2乗した値で割り算するか、
あるいは、(44)式の出力値を2乗した値を(42)式の|V1
| で割り算することにより、(46)式あるいは(47)式のよ
うな出力結果が得られ、前記と同様に正確な表面電位を
得ることが可能となる。また、あるいは(43)式の|V2|
を(44)式の出力値を3乗した値で割り算するか、あるい
は、(44)式の出力値を3乗した値を(43)式の|V2| で割
り算することによっても、(46)式あるいは(47)式のよう
な出力結果が得られ、前記と同様に正確な表面電位を得
ることが可能である。さらに、(45)式を利用する場合、
(42)式の|V1| に(45)式の出力値を2乗した値を掛け合
わせるか、あるいは(43)式の|V2| に(45)式の出力値を
3乗した値を掛け合わせることにより、(46)式のような
出力結果が得られ、前記と同様に正確な表面電位を得る
ことが可能となる。
【0074】本実施例において、周波数の異なる複数の
出力信号を利用し、測定距離変動による電位検出信号の
出力変動を補正し、被測定体の表面電位に対応した正確
な出力信号を得る得る具体的な手段として、各出力信号
1,V2から被測定体の表面電位VS に依存せずに測定
距離Lを逆に一義的に求め、得られた測定距離から正確
な表面電位を得る手段としては、前記図5で説明した装
置構成及び手段が適用可能である。また、各出力信号の
出力値|V1|,|V2|を利用して測定距離Lに依存しない
よう演算処理を行い、その演算結果から正確な表面電位
を得る手段としては、前記図16〜20で説明した装置
構成及び手段が適用可能である。
【0075】また、本実施例においても、被測定体と測
定電極との間の静電容量を変化させるため、測定電極を
単一な周波数で大きく振動させる手段として、前記図1
1(a)〜(d)で説明した圧電アクチュエータ、電磁
コイル、ボイスコイル等の電極振動手段や、音叉または
振動片等の先端部分に測定電極を取り付け、それらに板
状の圧電材料や電磁コイルを貼り付けて測定電極を振動
させる電極振動手段が適用可能である。
【0076】さらに、本実施例でも、それらの電極振動
手段のうち、好ましくは図11(d)のボイスコイル2
3を適用することにより、電極振動手段が比較的簡易な
構成でかつ安価に電極を大きく振動させることができ、
そのため十分なSN比が得られ、正確な表面電位を効率
良く、簡易に得ることが可能となる。そのボイスコイル
を利用し、測定電極2を振動させる場合の適用例は図1
4と同様であり、前記と同様に測定電極2をボイスコイ
ル23のソレノイドコイル27側あるいは永久磁石28
側に取り付けて振動させることが可能であり、ボイスコ
イル23を軽量に、かつ簡易に作製するために、コイル
ボビン26をなくしてボイスコイル及び測定電極を振動
させることも可能である。
【0077】また、本実施例のように周波数の異なる出
力信号として、1次、2次の周波数成分のみを出力信号
として利用することで、十分正確な表面電位を効率良く
得ることが可能であるが、さらに測定精度を高めたい場
合には、1次、2次の周波数成分の他に3次以降の周波
数成分を利用し、1つの測定電極から2つ以上の出力信
号を得、各出力信号を利用して被測定体の表面電位を求
めてもよい。また、信頼性を高めたい場合には、測定電
極を2つ以上設け、各測定電極について上記と同様な測
定方法及び測定手段を利用して被測定体の表面電位を求
めても良い。
【0078】[実施例4]図24は、本発明の第4の実
施例を示す1つの測定電極2から出力値の異なる複数の
出力信号を検出し、電位検出信号の出力変動を補正する
方法に関する説明図であり、図はチョッパ電極3を利用
する場合の補正方法に関するものである。これは前記の
2つ以上の出力信号を得る方法として、測定電極2の検
出位置を変動させることにより被測定体1と測定電極2
との間の距離を異ならせて、各々の出力信号から被測定
体の表面電位を得る方法を示すものである。被測定体1
の表面電位の検出原理は前記図2(a)の場合と同様で
ある。尚、チョッパ電極3の変動方法として前記のよう
な正弦波状、あるいは矩形波状、台形波状、三角波状、
鋸波状、パルス波状等の周期的、あるいは非周期的な変
動を用いても表面電位の検出は可能である。図24にお
いて、今、測定電極2が被測定体1からL1 の距離にあ
る時の出力信号をV1 、L1 からdだけ離れた距離をL
2 とした時の出力信号をV2 とすると、出力値は測定距
離に依存して変動するため図25のような出力値の異な
る各々の信号が得られる。この場合、測定電極2をL1
とL2 との間(間隔d)で周期的あるいは非周期的に変
動させることにより、正弦波状(図26)、矩形波状
(図27)、三角波状(図28)、鋸波状(図29)、
台形波状(図30)等に変動した異なる出力値を有する
信号を得ることができる。
【0079】次に、以上のようにして得られた異なる出
力値V1,V2を用いて被測定体の表面電位VS に依存せ
ずに測定距離L1 を逆に一義的に求めることを行う。先
ず、チョッパ型の場合、静電容量C0 の変化率α0 は、 α0=ΔS/S (48) と表される。ただし、ΔSは測定電極の実効面積の変化
分を表す。ここで、測定電極が被測定体からL1 の距離
にある時の静電容量をC1 、L2 の距離にある時の静電
容量をC2 とすると、各出力信号V1,V2の出力式は、
前記の(1),(5)式及び(48)式を用いて、 V1=A0・α0・ω・C1・VS・cosωt =A0・ω・εair・(ΔS/L1)・VS・cosωt (49) V2=A0・α0・ω・C2・VS・cosωt =A0・ω・εair・(ΔS/L2)・VS・cosωt (50) と表される。また、L2はL2=L1+dなので(49),(5
0)式より、測定距離L1について逆に求めることがで
き、表面電位VS に依存せずにL1 を一義的に求めるた
めには、(49),(50)式よりV1,V2の出力比を求めれば
よい。例えば、出力比をV2/V1とした場合、V2/V1
は、 V2/V1=L1/L2=L1/(L1+d)=F(L1) (51) となり、L1 に関しての一次関数F(L1)で表される。
この時、L1 とV2/V1との関係は図31(a)のよう
な関係曲線で表され、出力比V2/V1を求めれば、表面
電位VS に依存せずにL1 を一義的に求めることが可能
となる。あるいは、出力比をV1/V2とすれば、V1
2は、 V1/V2=L2/L1=(L1+d)/L1=F(L1) (52) となり、同様にL1 に関しての一次関数F(L1)で表さ
れ、この時、L1 とV1/V2 との関係は、図31
(b)のような関係曲線で表され、これも同様に出力比
1/V2を求めれば、表面電位VS に依存せずにL1
一義的に求めることが可能となる。
【0080】このようにして一義的に求められたL1
利用して、予め既知であるV1 あるいはV2 の出力値と
測定距離Lとの関係からV1 あるいはV2 の出力値を補
正し、さらに予め既知である表面電位VS と出力値V1
あるいはV2 との関係から、前記補正されたV1 あるい
はV2 の出力値に対応する表面電位VS を求めることに
より、被測定体の表面電位を正確に得ることが可能とな
る。また、あるいは得られたL1 をV1 あるいはV2
出力式((49)あるいは(50)式)に代入し、VSについて
求めることにより、被測定体の表面電位を一義的に求め
ることも可能である。
【0081】図32は、このようにして測定距離補正を
行い被測定体の表面電位に対応して正確な出力信号を得
る場合の表面電位測定装置の構成を示しており、この表
面電位測定装置は、電位信号検出部4と、信号増幅部5
と、少なくとも2つの信号検出部6a,6bを有する出
力検知手段6、及び表面電位導出手段としての測定距離
補正部42とを備えている。尚、測定に必要な出力信号
の数は1つの測定電極2から2つの出力信号とは限ら
ず、測定精度を高める必要がある場合には、1つの測定
電極から2つ以上の出力信号を得て、被測定体の表面電
位を求めてもよい。また、信頼性を高めるためには、測
定電極を2つ以上設けてもよい。また、本実施例でも、
実施例1の図11〜14で説明した電極振動手段が適用
可能である。
【0082】[実施例5]図33は、本発明の第5の実
施例を示す、1つの測定電極から出力値の異なる複数の
出力信号を検出し、電位検出信号の出力変動を補正する
方法に関する説明図であり、図は振動電極のみを利用す
る振動容量型の場合の補正方法に関するものである。こ
れは前記の2つ以上の出力信号を得る方法として、表面
電位を検出するために測定電極2を被測定体方向に周期
的に変動させながら測定電極2の検出位置を変動させる
ことにより、被測定体1と測定電極2との間の距離を異
ならせて、各々の出力信号から被測定体の表面電位を得
る方法を示すものである。被測定体1の表面電位の検出
原理は前記図2(b)の場合と同様である。尚、測定電
極2の変動方法としては、図のような正弦波状、あるい
は矩形波状、台形波状、三角波状、鋸波状、パルス波状
等の周期的、あるいは非周期的な変動を用いても表面電
位の検出は可能である。図33において、今、測定電極
2が被測定体1からL1 の距離にある時の出力信号をV
1 、L1 からdだけ離れた距離をL2 とした時の出力信
号をV2 とすると、出力値は測定距離に依存して変動す
るため図25のような出力値の異なる各々の信号が得ら
れる。この場合、測定電極2の検出位置をL1 とL2
の間(間隔d)で周期的あるいは非周期的に変動させる
ことにより、正弦波状(図26)、矩形波状(図2
7)、三角波状(図28)、鋸波状(図29)、台形波
状(図30)等に変動した異なる出力値を有する信号を
得ることができる。
【0083】次に、以上のようにして得られた異なる出
力値V1,V2を用いて被測定体1の表面電位VS に依存
せずに測定距離L1 を逆に一義的に求めることを行う。
先ず、振動容量型の場合、被測定体1と測定電極2との
間の静電容量C0 の変化率α0 は、測定距離L1,L2
対して、 α1=ΔL/(L1−ΔL) (53) α2=ΔL/(L2−ΔL) (54) と表される。ただし、ΔLは測定電極の変動の変化幅を
表す。ここで、測定電極が被測定体からL1 の距離にあ
る時の静電容量をC1 、L2 の距離にある時の静電容量
をC2 とすると、各出力信号V1,V2の出力式は、前記
の(1),(5)式及び(53),(54)式を用いて、 V1=A0・α1・ω・C1・VS・cosωt =A0・(ΔL/(L1−ΔL))・ω・εair・(S/L1)・VS・cosωt (55) V2=A0・α2・ω・C2・VS・cosωt =A0・(ΔL/(L2−ΔL))・ω・εair・(S/L2)・VS・cosωt (56) と表される。また、L2はL2=L1+dなので(55),(5
6)式より、測定距離L1について逆に求めることがで
き、表面電位VS に依存せずにL1 を一義的に求めるた
めには、(55),(56)式よりV1,V2の出力比を求めれば
よい。例えば、出力比をV2/V1とした場合、V2/V1
は、 V2/V1=L1・(L1−ΔL)/[L2・(L2−ΔL)] =L1・(L1−ΔL)/[(L1+d)・(L1+d−ΔL)]=F(L1 2) (57) となり、L1 に関しての二次関数F(L1 2)で表される。
この時、L1 とV2/V1との関係は図31(a)のよう
な関係曲線で表され、出力比V2/V1を求めれば、表面
電位VS に依存せずにL1 を一義的に求めることが可能
となる。あるいは、出力比をV1/V2とすれば、V1
2は、 V1/V2=L2・(L2−ΔL)/[L1・(L1−ΔL)] =(L1+d)・(L1+d−ΔL)/[L1・(L1−ΔL)]=F(L1 2) (58) となり、同様にL1 に関しての二次関数F(L1 2)で表さ
れ、この時、L1 とV1/V2 との関係は、図31
(b)のような関係曲線で表され、これも同様に出力比
1/V2を求めれば、表面電位VS に依存せずにL1
一義的に求めることが可能となる。
【0084】このようにして一義的に求められたL1
利用して、予め既知であるV1 あるいはV2 の出力値と
測定距離Lとの関係からV1 あるいはV2 の出力値を補
正し、さらに予め既知である表面電位VS と出力値V1
あるいはV2 との関係から、前記補正されたV1 あるい
はV2 の出力値に対応する表面電位VS を求めることに
より、被測定体の表面電位を正確に得ることが可能とな
る。また、あるいは得られたL1 をV1 あるいはV2
出力式((55)あるいは(56)式)に代入し、VSについて
求めることにより、被測定体の表面電位を一義的に求め
ることも可能である。この実施例の場合も表面電位測定
装置を図32のような構成とすることで、2つ以上の出
力信号から測定距離補正を行い、被測定体の表面電位に
対応して正確な出力信号を得ることが可能となる。
【0085】また、図33のように表面電位を検出する
ために測定電極2を被測定体方向に周期的に変動させな
がら測定電極2の検出位置を変動させて、被測定体1と
測定電極2との間の距離を異ならせる手段としては、前
記図11(a)〜(d)で説明した電極振動手段に図2
1(a)に示したような駆動電圧(あるいは駆動電流)
波形と同図(b)に示したような駆動電圧(あるいは駆
動電流)波形を重畳させた状態の電圧(あるいは電流)
波形(同図(c))を各変動手段に印加することで可能
となる。尚、この印加電圧(あるいは駆動電流)波形と
しては、図21(a),(b),(c)に示したような
正弦波状の波形だけに限らず、前記測定電極を変動させ
るための波形(矩形波状、台形波状、三角波状、鋸波
状、パルス波状等の周期的、あるいは非周期的に変動す
る波形)および前記測定電極の検出位置を異ならせるた
めの波形(正弦波状(図26)、矩形波状(図27)、
三角波状(図28)、鋸波状(図29)、台形波状(図
30)等の周期的あるいは非周期的に変動する波形)に
従う印加電圧(あるいは印加電流)波形が適用可能であ
る。あるいは図22(a)〜(i)に示すように前記図
11(a)〜(d)の電極振動手段の組み合わせで、い
ずれか一方に前記図21(a)に示したような駆動電圧
(あるいは駆動電流)波形を印加し、他方に前記図21
(b)に示したような駆動電圧(あるいは駆動電流)波
形を印加することにより、測定電極上で前記図33のよ
うな変動波形を得ることも可能である。この場合、図2
2(a)〜(i)で使用されている圧電材料の代わり
に、前記板状の圧電材料を貼り付けた音叉または振動片
を使用してもよい。
【0086】[実施例6]図34は、本発明の第6の実
施例を示す1つの測定電極から出力値の異なる複数の出
力信号を検出し、電位検出信号の出力変動を補正する方
法に関する説明図であり、図は振動電極のみを利用する
振動容量型の場合の補正方法に関するものである。これ
は前記の2つ以上の出力信号を得る方法として、表面電
位を検出するために測定電極2を被測定体方向に周期的
に変動させ、その際、その変動の変化幅を異ならせて、
各々の変化幅に対応する出力信号から被測定体1の表面
電位を得る方法を示すものである。被測定体1の表面電
位の検出原理は前記図2(a)の場合と同様である。
尚、測定電極2の変動方法としては、図のような正弦波
状、あるいは矩形波状、台形波状、三角波状、鋸波状、
パルス波状等の周期的、あるいは非周期的な変動を用い
ても表面電位の検出は可能である。図34において、
今、測定電極2を被測定体1からLだけ離した距離に配
置し、測定電極2を被測定体方向にΔL1 の変化幅で変
動させた時の出力信号をV1 ,ΔL2 の変化幅で変動さ
せた時の出力信号をV2 とすると、出力信号は測定電極
2の変動の変化幅にほぼ比例するため図25のV1,V2
に対応するような出力値の異なる各々の信号が得られ
る。この場合、測定電極2の変動の変化幅を周期的ある
いは非周期的に変動させることにより、正弦波状(図2
6)、矩形波状(図27)、三角波状(図28)、鋸波
状(図29)、台形波状(図30)等に変動した異なる
出力値を有する信号を得ることができる。
【0087】次に、以上のようにして得られた異なる出
力値V1,V2を用いて被測定体1の表面電位VS に依存
せずに測定距離Lを逆に一義的に求めることを行う。先
ず、振動容量型の場合、被測定体1と測定電極2との間
の静電容量C0 の変化率α0は、測定電極の変動の各変
化幅ΔL1,ΔL2に対して、 β1=ΔL1/(L−ΔL1) (59) β2=ΔL2/(L−ΔL2) (60) と表される。従って、各出力信号V1,V2の出力式は、
前記の(1),(5)式及び(59),(60)式を用いて、 V1=A0・β1・ω・C0・VS・cosωt =A0・(ΔL1/(L−ΔL1))・ω・εair・(S/L)・VS・cosωt (61) V2=A0・β2・ω・C0・VS・cosωt =A0・(ΔL2/(L−ΔL2))・ω・εair・(S/L)・VS・cosωt (62) と表される。表面電位VS に依存せずにLを逆に一義的
に求めるためには、(61),(62)式よりV1,V2の出力比
を求めればよい。例えば、出力比をV2/V1とした場
合、V2/V1は、 V2/V1=ΔL2・(L−ΔL1)/[ΔL1・(L−ΔL2)]=F(L) (63) となり、Lに関しての一次関数F(L)で表される。この
時、LとV2/V1との関係は図35(a)のような関係
曲線で表され、出力比V2/V1を求めれば、表面電位V
S に依存せずにLを一義的に求めることが可能となる。
あるいは、出力比をV1/V2とすれば、V1/V2は、 V1/V2=ΔL1・(L−ΔL2)/[ΔL2・(L−ΔL1)]=F(L) (64) となり、同様にLに関しての一次関数F(L)で表され、
LとV1/V2との関係は図35(b)のような関係曲線
で表される。従って、これも同様に出力比V1/V2
求めれば、表面電位VS に依存せずにLを一義的に求め
ることが可能となる。
【0088】このようにして一義的に求められたLを利
用して、予め既知であるV1 あるいはV2 の出力値と測
定距離Lとの関係からV1 あるいはV2 の出力値を補正
し、さらに予め既知である表面電位VS と出力値V1
るいはV2 との関係から、前記補正されたV1 あるいは
2 の出力値に対応する表面電位VS を求めることによ
り、被測定体の表面電位を正確に得ることが可能とな
る。また、あるいは得られたLをV1 あるいはV2 の出
力式((61)あるいは(62)式)に代入し、VS について求
めることにより、被測定体の表面電位を一義的に求める
ことも可能である。この実施例の場合も表面電位測定装
置を図32のような構成とすることで、2つ以上の出力
信号から測定距離補正を行い、被測定体の表面電位に対
応して正確な出力信号を得ることが可能となる。
【0089】また、図34のように表面電位を検出する
ために測定電極2を被測定体方向に周期的に変動させ、
かつ、その変動の変化幅を異ならせる手段としては、前
記図11(a)〜(d)で説明した電極振動手段に図3
6(a)に示すような駆動電圧(あるいは駆動電流)の
大きさを異ならせた状態の電圧(あるいは電流)波形を
印加することにより可能となる。あるいは、図36
(b)に示すように駆動電圧(あるいは駆動電流)の大
きさは一定として、駆動電圧(あるいは駆動電流)波形
の周波数を異ならせた状態の電圧波形を印加することで
も可能である。あるいは、前記図36(a),(b)に
示した各駆動電圧(あるいは駆動電流)波形において、
駆動電圧(あるいは駆動電流)の大きさとその周波数と
を同時に異ならせた状態の電圧(あるいは電流)波形を
各変動手段に印加しても可能である。尚、この印加電圧
(あるいは印加電流)波形としては、図36(a),
(b)に示したような正弦波状の波形だけに限らず、前
記測定電極を変動させるための波形(矩形波状、台形波
状、三角波状、鋸波状、パルス波状等の周期的、あるい
は非周期的に変動する波形)及び前記測定電極の変動の
変化幅を異ならせるための波形(正弦波状(図26)、
矩形波状(図27)、三角波状(図28)、鋸波状(図
29)、台形波状(図30)等の周期的あるいは非周期
的に変動する波形)に従う印加電圧(あるいは印加電
流)波形が適用可能である。
【0090】[実施例7]ここで、実施例2,3及び
5,6で記述した振動容量型の表面電位測定手段を採用
し、測定電極を振動させる電極振動手段としてボイスコ
イルを適用した場合の測定プローブ部の装置構成例を図
37〜39に示す。図37は、ボイスコイル23の電磁
コイル部にコイルボビン26を利用して電磁コイル24
を構成した場合を示し、図38は、ボイスコイル23の
電磁コイル部からコイルボビンをなくし、ソレノイドコ
イル27の外側周辺に角柱状の永久磁石28を配置した
場合を示し、さらに、図39は、ボイスコイル23の電
磁コイル部からコイルボビンをなくし、ソレノイドコイ
ル27の外側周辺に板状あるいは円筒状の永久磁石28
を配置した場合を示している。
【0091】図37,38,39の各構成例に示すよう
に、測定電極2は被測定体1から所定の間隔で配置さ
れ、測定電極2と被測定体1との間の静電容量を変化さ
せるために前記ボイスコイル23を適用する。2枚の板
バネ29の先端部分にボイスコイル23の電磁コイル2
4又はソレノイドコイル27を構成・配置し、その電磁
コイル24又はソレノイドコイル27側に測定電極2を
設置して電磁コイル24又はソレノイドコイル27を振
動させることにより測定電極2が振動される。その振動
に伴い測定電極2に誘起される電位の変化は測定電極2
と電気的に接続された電位信号検出部4で検出される。
前記測定電極2が設置されたボイスコイル23と前記電
位信号検出部4とは開口部を有する電気的に遮蔽された
ケース(シールドケース)43内に設置される。尚、前
記測定電極2は、前記シールドケース43の開口部を通
して前記被測定体1に曝されるように配置される。
【0092】本実施例の表面電位測定装置では、上記の
ような測定プローブ部の構成で、前記シールドケース4
3外部より駆動電圧(あるいは駆動電流)信号を前記ボ
イスコイル23に印加して測定電極2を振動させ、前記
静電容量を変化させる。そして、その静電容量の変化に
伴い測定電極2に誘起される電位の変化を電位信号検出
部4で検出し、得られた電位検出信号を前記シールドケ
ース43外部に取り出し、その信号を前記図5〜10、
あるいは図16〜20、図32に示したような構成の出
力検知手段と表面電位導出手段で信号処理を行うことに
より、電位検出信号の出力補正を行い、被測定体1の表
面電位に対応した正確な出力信号を得ることができる。
【0093】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、被測定体と測定電極との間の静電容量を変
化させる容量変化手段と、被測定体の表面電位に対応し
て誘起され静電容量の変化に伴い変化する測定電極の電
位を検出する電位検出手段と、該電位検出手段により検
出された検出信号から少なくとも2つ以上の信号を検知
する出力検知手段と、該出力検知手段から出力された信
号から該検出信号の出力値を補正することにより被測定
体の表面電位を導き出す表面電位導出手段とを備えてい
るので、簡易な構成でかつ安価に正確な表面電位が導出
され、被測定体の表面電位を高精度に測定できる表面電
位測定装置が提供される。
【0094】 請求項2記載の発明によれば、被測定体
と測定電極との間の静電容量を変化させる容量変化手段
と、被測定体の表面電位に対応して誘起され静電容量の
変化に伴い変化する測定電極の電位を検出する電位検出
手段と、該電位検出手段により検出された検出信号から
少なくとも周波数の異なる2つ以上の信号を検知する出
力検知手段と、該出力検知手段から出力された信号から
該検出信号の出力値を補正することにより被測定体の表
面電位を導き出す表面電位導出手段とを備えているの
で、簡易な構成でかつ安価に正確な表面電位が導出さ
れ、被測定体の表面電位を高精度に測定できる表面電位
測定装置が提供される。
【0095】請求項3記載の発明によれば、容量変化手
段に、測定電極の前方に配設され、測定電極に入射する
被測定体からの電気力線の一部を遮蔽することが可能な
電極と、測定電極とを異なる周波数で同時に振動させる
電極振動手段を設け、該電極振動手段により異なる周波
数で被測定体と測定電極との間の静電容量を変化させ、
前記出力検知手段が、前記電位検出手段による検出信号
から周波数の異なる2つ以上の出力信号を検知するよう
に構成しているので、被測定体と測定電極との間の静電
容量を簡易な構成でかつ安価に変化させ、測定電極の電
位検出信号から容易に周波数の異なる2つ以上の出力信
号を検知することができ、簡易な手段でかつ正確な表面
電位が導出され、被測定体の表面電位を高精度に測定で
きる表面電位測定装置が提供される。
【0096】請求項4記載の発明によれば、容量変化手
段に、測定電極を異なる複数の周波数で振動させる電極
振動手段を設け、該電極振動手段により異なる周波数で
被測定体と測定電極との間の静電容量を変化させ、出力
検知手段が、電位検出手段による電位検出信号から周波
数の異なる2つ以上の出力信号を検知するように構成し
ているので、被測定体と測定電極との間の静電容量を簡
易な構成でかつ安価に変化させ、測定電極の電位検出信
号から測定電極のみで容易に周波数の異なる2つ以上の
出力信号を検知することができ、簡易な手段でかつ正確
な表面電位が導出され、被測定体の表面電位を高精度に
測定できる表面電位測定装置が提供される。
【0097】請求項5記載の発明によれば、容量変化手
段に、測定電極を単一な周波数で大きく振動させ、測定
電極の電位検出信号に複数の周波数成分を生じさせる電
極振動手段を設け、該電極振動手段により被測定体と測
定電極との間の静電容量を変化させ、出力検知手段が、
電位検出手段による電位検出信号から周波数の異なる2
つ以上の出力信号を検知するように構成しているので、
被測定体と測定電極との間の静電容量を簡易な構成でか
つ安価に変化させ、測定電極の電位検出信号から測定電
極を異なる複数の周波数で振動させずに測定電極のみで
容易に周波数の異なる2つ以上の出力信号を検知するこ
とができ、簡易な手段でかつ正確な表面電位が導出さ
れ、被測定体の表面電位を高精度に測定できる表面電位
測定装置が提供される。
【0098】請求項6記載の発明によれば、測定電極の
前方に配設され、測定電極に入射する被測定体からの電
気力線の一部を遮蔽することが可能な電極と、測定電極
とを異なる周波数で同時に振動させて、出力検知手段に
より、各周波数成分を出力信号として検知する方法とし
て、測定電極の電位検出信号から2次以降の周波数成分
を無視し、1次の周波数成分のみを出力信号として検知
し、利用する構成としたので、測定電極の電位検出信号
から周波数の異なる2つ以上の出力信号を十分なSN比
でもって効率良く検知することができ、被測定体の表面
電位を高精度に測定できる表面電位測定装置が提供され
る。
【0099】請求項7記載の発明によれば、測定電極を
異なる複数の周波数で振動させ、あるいは前記測定電極
を単一な周波数で大きく振動させ、測定電極の電位検出
信号に複数の周波数成分を生じさせて、出力検知手段に
より、その各周波数成分を出力信号として検知する方法
として、測定電極の電位検出信号から3次以降の周波数
成分を無視し、1次、2次の周波数成分を出力信号とし
て検知し、利用する構成としたので、測定電極の電位検
出信号から周波数の異なる2つ以上の出力信号を十分な
SN比でもって効率良く検知することができ、被測定体
の表面電位を高精度に測定できる表面電位測定装置が提
供される。
【0100】請求項8記載の発明によれば、電極振動手
段に、ボイスコイルを適用し、該ボイスコイルを駆動し
て被測定体と測定電極との間の静電容量を変化させ、出
力検知手段が、電位検出手段による電位検出信号から周
波数の異なる2つ以上の出力信号を検知するように構成
しているので、被測定体と測定電極との間の静電容量を
簡易な構成でかつ安価に変化させ、測定電極の電位検出
信号から十分なSN比でもって効率良く周波数の異なる
2つ以上の出力信号を検知することができ、簡易な手段
でかつ正確な表面電位が導出され、被測定体の表面電位
を高精度に測定できる表面電位測定装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による表面電位測定装置の構成例を示す
ブロック図である。
【図2】従来の表面電位測定装置の構成例を示す図であ
り、(a)がチョッパ型、(b)が振動容量型の表面電
位測定装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施例を示す1つの測定電極か
ら周波数の異なる複数の出力信号を検出し、電位出力信
号の出力変動を補正する方法に関する説明図である。
【図4】被測定体と測定電極との間の測定距離Lと周波
数の異なる出力信号V1,V2の出力比との関係を示す図
であって、(a)は測定距離Lと出力比|V2|/|V1|と
の関係を示す図、(b)は測定距離Lと出力比|V1|/|
2|との関係を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施例における表面電位測定装
置の構成例を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施例における表面電位測定装
置の別の構成例を示すブロック図である。
【図7】本発明の第1の実施例における表面電位測定装
置のさらに別の構成例を示すブロック図である。
【図8】本発明の第1の実施例における表面電位測定装
置のさらに別の構成例を示すブロック図である。
【図9】本発明の第1の実施例における表面電位測定装
置のさらに別の構成例を示すブロック図である。
【図10】本発明の第1の実施例における表面電位測定
装置のさらに別の構成例を示すブロック図である。
【図11】(a)〜(d)は、異なる周波数で被測定体
と測定電極との間の静電容量を変化させる手段として、
測定電極(あるいはチョッパ電極)を異なる周波数で振
動させる電極振動手段の構成例を示す図である。
【図12】(a),(b)は、図11に示す電極振動手
段に用いられる圧電アクチュエータの構成例を示す図で
ある。
【図13】(a)〜(f)は、電極振動手段の別の例を
それぞれ示す図であって、ボイスコイルを用いてチョッ
パ電極を振動させる場合の電極振動手段の構成例を示す
図である。
【図14】(a)〜(f)は、電極振動手段のさらに別
の例をそれぞれ示す図であって、ボイスコイルを用いて
測定電極を振動させる場合の電極振動手段の構成例を示
す図である。
【図15】本発明の第2の実施例を示す1つの測定電極
から周波数の異なる複数の出力信号を検出し、電位検出
信号の出力変動を補正する方法に関する説明図である。
【図16】本発明の第2の実施例における表面電位測定
装置の構成例を示すブロック図である。
【図17】本発明の第2の実施例における表面電位測定
装置の別の構成例を示すブロック図である。
【図18】本発明の第2の実施例における表面電位測定
装置のさらに別の構成例を示すブロック図である。
【図19】本発明の第2の実施例における表面電位測定
装置のさらに別の構成例を示すブロック図である。
【図20】本発明の第2の実施例における表面電位測定
装置のさらに別の構成例を示すブロック図である。
【図21】測定電極を異なる周波数で振動させる手段と
して単体の電極振動手段あるいは複数の電極振動手段を
組み合わせて利用する場合に、電極振動手段の駆動源
(圧電アクチュエータ、電磁コイル、ボイスコイル等)
に印加される駆動電圧(あるいは駆動電流)波形の説明
図である。
【図22】(a)〜(i)はそれぞれ図11(a)〜
(c)に示した電極振動手段を組み合わせて構成した電
極振動手段の構成例を示す図である。
【図23】本発明の第3の実施例を示す1つの測定電極
から周波数の異なる複数の出力信号を検出し、電位検出
信号の出力変動を補正する方法に関する説明図である。
【図24】本発明の第4の実施例を示す1つの測定電極
から出力値の異なる複数の出力信号を検出し、電位検出
信号の出力変動を補正する方法に関する説明図である。
【図25】被測定体と測定電極との間の距離(測定距
離)が変動した場合の出力値の異なる各出力信号の例を
示す図である。
【図26】被測定体と測定電極との間の距離(測定距
離)が正弦波状に変動した場合に得られる異なる出力値
を有する信号の例を示す図である。
【図27】被測定体と測定電極との間の距離(測定距
離)が矩形波状に変動した場合に得られる異なる出力値
を有する信号の例を示す図である。
【図28】被測定体と測定電極との間の距離(測定距
離)が三角波状に変動した場合に得られる異なる出力値
を有する信号の例を示す図である。
【図29】被測定体と測定電極との間の距離(測定距
離)が鋸波状に変動した場合に得られる異なる出力値を
有する信号の例を示す図である。
【図30】被測定体と測定電極との間の距離(測定距
離)が台形波状に変動した場合に得られる異なる出力値
を有する信号の例を示す図である。
【図31】被測定体と測定電極との間の距離を変動させ
た場合の、被測定体と測定電極との間の測定距離L1
出力値の異なる出力信号V1,V2の出力比との関係を示
す図であって、(a)は測定距離L1 と出力比V2/V1
との関係を示す図、(b)は測定距離L1 と出力比V1
/V2との関係を示す図である。
【図32】本発明の第4の実施例における表面電位測定
装置の構成例を示すブロック図である。
【図33】本発明の第5の実施例を示す1つの測定電極
から出力値の異なる複数の出力信号を検出し、電位検出
信号の出力変動を補正する方法に関する説明図である。
【図34】本発明の第6の実施例を示す1つの測定電極
から出力値の異なる複数の出力信号を検出し、電位検出
信号の出力変動を補正する方法に関する説明図である。
【図35】被測定体と測定電極との間の距離を変動させ
その変動の変化幅を異ならせた場合の、被測定体と測定
電極との間の測定距離Lと出力値の異なる出力信号
1,V2の出力比との関係を示す図であって、(a)は
測定距離Lと出力比V2/V1との関係を示す図、(b)
は測定距離Lと出力比V1/V2との関係を示す図であ
る。
【図36】(a),(b)は、測定電極を被測定体方向
に周期的に変動させ、その変動の変化幅を異ならせる手
段として電極振動手段の駆動源に印加される駆動電圧
(あるいは駆動電流)波形の例をそれぞれ示す図であ
る。
【図37】本発明の第7の実施例を示す図であって、振
動容量型の表面電位測定手段を採用し、測定電極を振動
させる電極振動手段としてボイスコイルを適用した場合
の表面電位測定装置の測定プローブ部の構成例を示す図
である。
【図38】本発明の第7の実施例を示す図であって、振
動容量型の表面電位測定手段を採用し、測定電極を振動
させる電極振動手段としてボイスコイルを適用した場合
の表面電位測定装置の測定プローブ部の別の構成例を示
す図であって、(a)は測定プローブ部の側面図、
(b)は上面図である。
【図39】本発明の第7の実施例を示す図であって、振
動容量型の表面電位測定手段を採用し、測定電極を振動
させる電極振動手段としてボイスコイルを適用した場合
の表面電位測定装置の測定プローブ部のさらに別の構成
例を示す図であって、(a)は測定プローブ部の側面
図、(b)は上面図である。
【符号の説明】
1:被測定体 2:測定電極 3:チョッパ電極3 4:電位信号検出部 5:信号増幅部 6:出力検知手段 6a,6b,6c:出力信号検出部 7〜19,31〜41,42:表面電位導出手段 20:圧電アクチュエータ 21,24:電磁コイル 22:磁石 26:コイルボビン 23:ボイスコイル 25:梁状バネ 27:ソレノイドコイル 28:永久磁石 29:板バネ 43:シールドケース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 29/12 G01R 29/24

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定体から所定間隔を隔てた位置に該被
    測定体と電気的に独立した一つの測定電極を配設し、該
    測定電極により被測定体の表面電位を測定する表面電位
    測定装置であって、前記被測定体と測定電極との間の静
    電容量を変化させる容量変化手段と、被測定体の表面電
    位に対応して誘起され静電容量の変化に伴い変化する測
    定電極の電位を検出する電位検出手段と、該電位検出手
    段により検出された検出信号から少なくとも2つ以上の
    信号を検知する出力検知手段と、該出力検知手段から出
    力された信号から該検出信号の出力値を補正することに
    より被測定体の表面電位を導き出す表面電位導出手段と
    を備えたことを特徴とする表面電位測定装置。
  2. 【請求項2】被測定体から所定間隔を隔てた位置に該被
    測定体と電気的に独立した一つの測定電極を配設し、該
    測定電極により被測定体の表面電位を測定する表面電位
    測定装置であって、前記被測定体と測定電極との間の静
    電容量を変化させる容量変化手段と、被測定体の表面電
    位に対応して誘起され静電容量の変化に伴い変化する測
    定電極の電位を検出する電位検出手段と、該電位検出手
    段により検出された検出信号から少なくとも周波数の異
    なる2つ以上の信号を検知する出力検知手段と、該出力
    検知手段から出力された信号から該検出信号の出力値を
    補正することにより被測定体の表面電位を導き出す表面
    電位導出手段とを備えたことを特徴とする表面電位測定
    装置。
  3. 【請求項3】前記容量変化手段に、前記測定電極の前方
    に配設され、測定電極に入射する被測定体からの電気力
    線の一部を遮蔽することが可能な電極と、測定電極とを
    異なる周波数で同時に振動させる電極振動手段を設け、
    該電極振動手段により異なる周波数で被測定体と測定電
    極との間の静電容量を変化させ、前記出力検知手段が、
    前記電位検出手段による検出信号から周波数の異なる2
    つ以上の出力信号を検知することを特徴とする請求項2
    記載の表面電位測定装置。
  4. 【請求項4】前記容量変化手段に、前記測定電極を異な
    る複数の周波数で振動させる電極振動手段を設け、該電
    極振動手段により異なる周波数で被測定体と測定電極と
    の間の静電容量を変化させ、前記出力検知手段が、前記
    電位検出手段による検出信号から周波数の異なる2つ以
    上の出力信号を検知することを特徴とする請求項2記載
    の表面電位測定装置。
  5. 【請求項5】前記容量変化手段に、前記測定電極を単一
    な周波数で大きく振動させ、前記検出信号に複数の周波
    数成分を生じさせる電極振動手段を設け、該電極振動手
    段により被測定体と測定電極との間の静電容量を変化さ
    せ、前記出力検知手段が、前記電位検出手段による検出
    信号から周波数の異なる2つ以上の出力信号を検知する
    ことを特徴とする請求項2記載の表面電位測定装置。
  6. 【請求項6】前記測定電極の前方に配設され、測定電極
    に入射する被測定体からの電気力線の一部を遮蔽するこ
    とが可能な電極と、測定電極とを異なる周波数で同時に
    振動させて、前記出力検知手段により、各周波数成分を
    出力信号として検知する方法として、前記測定電極の電
    位検出信号から2次以降の周波数成分を無視し、1次の
    周波数成分のみを出力信号として検知し、利用すること
    を特徴とする請求項3記載の表面電位測定装置。
  7. 【請求項7】前記測定電極を異なる複数の周波数で振動
    させ、あるいは前記測定電極を単一な周波数で大きく振
    動させ、前記検出信号に複数の周波数成分を生じさせ
    て、前記出力検知手段により、その各周波数成分を出力
    信号として検知する方法として、前記測定電極の電位検
    出信号から3次以降の周波数成分を無視し、1次、2次
    の周波数成分を出力信号として検知し、利用することを
    特徴とする請求項4または5記載の表面電位測定装置。
  8. 【請求項8】前記電極振動手段に、ボイスコイルを適用
    し、該ボイスコイルを駆動して前記静電容量を変化さ
    せ、前記出力検知手段が、前記電位検出手段による検出
    信号から周波数の異なる2つ以上の出力信号を検知する
    ことを特徴とする請求項3,4または5に記載の表面電
    位測定装置。
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