JP3481086B2 - 磁気記録装置の検査方法 - Google Patents

磁気記録装置の検査方法

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JP3481086B2
JP3481086B2 JP18882597A JP18882597A JP3481086B2 JP 3481086 B2 JP3481086 B2 JP 3481086B2 JP 18882597 A JP18882597 A JP 18882597A JP 18882597 A JP18882597 A JP 18882597A JP 3481086 B2 JP3481086 B2 JP 3481086B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録装置の検
査方法、特に磁気ヘッドのヘッド再生幅と記録トラック
幅の検査方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】VTRやDATなどのヘリカルスキャン
型磁気記録装置においては、機器の小型軽量化の市場ニ
ーズに応じて、記録密度の向上が必要不可欠となってい
る。高密度記録化を実現するためには、トラックの幅を
狭くする狭トラック化とトラックの長さを短くする短波
長化の2つの方法がある。狭トラック化の一例を挙げる
と、ディジタルビデオカメラ(DVフォーマット)で
は、VHSフォーマットにおけるトラック幅58μmに
対して、トラック幅10μmとしている。それに伴い、
磁気記録装置の加工精度はより厳しくなり、性能を確保
するための加工精度の向上が最も重要な課題となってい
る。
【0003】ここで、トラック幅を決める加工精度の要
因の一つに、ヘッド幅の加工があげられる。ヘッド幅の
加工誤差により、再生時の信号レベルの落ち込みや、隣
接トラックからの信号の漏れ込みなどが発生し、磁気記
録信号の良好な記録再生を阻害する要因となる。したが
って、ヘッド幅は、磁気記録装置の最も重要な管理パラ
メータの一つである。
【0004】従来のヘッド幅の検査方法の第1の方法と
して、ヘッド前面部を顕微鏡などの光学的手段により拡
大して観測し、ヘッド部の像から、ギャップ部の長さを
測定する方法がある。この方法は主としてヘッドの製造
現場で行われ、加工後のヘッドの前面を顕微鏡に搭載し
たCCDカメラなどにより拡大撮像し、得られた画像か
らヘッドのギャップ部を自動認識してヘッド幅を測定す
る方法が行われている。
【0005】さらに、従来のヘッド幅の検査方法の第2
の方法として、検査対象であるヘッドを搭載した記録装
置で、磁気テープに信号の記録を行い、記録トラックを
磁性流体などで可視化した後、トラックの幅を測定する
方法が実施されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
第1、第2のヘッド幅検査方法では、以下のような問題
があった。
【0007】まず、従来の第1のヘッド幅検査方法で
は、ヘッドの物理的に大きさを測定しているだけであっ
て、磁気記録の観点からヘッドが機能しているヘッド幅
を測定していない。なぜならば、ヘッド幅方向の両端部
からは、漏れ磁束が発生しており、顕微鏡で観測される
構造的なヘッド幅よりも、より広い範囲のヘッドの記録
再生が可能であることがわかっている。このようなヘッ
ドの漏れ磁束による記録領域をフリンジという。また、
再生時には光学的に観測したヘッドの幅よりもより広い
範囲の信号を読みとることができる。したがって、従来
の第一のヘッド幅検査方法では、実際にヘッドとして機
能しているヘッド幅を測定することはできない。
【0008】一方、従来の第2のヘッド幅検査方法で
は、検査ヘッドにより一度記録し、記録されたトラック
の幅を観測するため、第1の方法の問題点である実際に
ヘッドとして機能するヘッド幅を測定することは可能と
なる。
【0009】しかしながら、本方法では、検査ヘッドに
て記録したテープを磁性流体で可視化して観測するプロ
セスが必要なため、少なくとも分単位の測定時間を必要
とする。したがって、量産ラインに導入して、大量に生
産されるヘッドの一個ごと、もしくは、磁気記録装置そ
のものでこのような測定を実施することは、事実上不可
能である。
【0010】本発明は、このような磁気記録装置の検査
方法において、実際にヘッドとして機能するヘッド幅の
測定を、シリンダにヘッドが搭載された状態で迅速かつ
簡便に実施し、さらにテープに記録されるトラック幅の
測定を、シリンダにヘッドが搭載された状態で迅速かつ
簡便に実施することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録装置の
検査方法においては、複数の磁気ヘッドで磁気テープに
順次記録された磁気トラックを再生した信号に含まれる
磁気トラックの左右隣接トラックのパイロット信号差を
検出することにより、磁気ヘッドと磁気トラックの相対
位置ずれを検出し、磁気ヘッドと磁気トラックの相対位
置を制御する磁気記録装置において、前記磁気テープを
通常再生または記録時のテープスピードと異なる略々一
定のテープスピードで再生したときの、所定の磁気ヘッ
ドから出力される前記パイロット信号差の時間変化の信
号を検出する第1のステップと、前記第1のステップで
得られた前記時間変化の信号が、所定の基準電圧値とな
る複数の時刻を検出する第2のステップと、前記第2の
ステップで得られた前記複数の時刻の間隔を検出する第
3のステップと、前記第3のステップで得られた前記複
数の時刻の間隔から、前記所定の磁気ヘッドのヘッド幅
を検出する第4のステップとを有することを特徴とした
ものである。
【0012】この本発明によれば、実際にヘッドとして
機能するヘッド幅の測定を、シリンダにヘッドが搭載さ
れた状態で迅速かつ簡便に実施する磁気記録装置の検査
方法が得られる。
【0013】
【実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明は、複数
の磁気ヘッドで磁気テープに順次記録された磁気トラッ
クを再生した信号に含まれる磁気トラックの左右隣接ト
ラックのパイロット信号差を検出することにより、磁気
ヘッドと磁気トラックの相対位置ずれを検出し、磁気ヘ
ッドと磁気トラックの相対位置を制御する磁気記録装置
において、前記磁気テープを通常再生または記録時のテ
ープスピードと異なる略々一定のテープスピードで再生
したときの、所定の磁気ヘッドから出力される前記パイ
ロット信号差の時間変化の信号を検出する第1のステッ
プと、前記第1のステップで得られた前記時間変化の信
号が、所定の基準電圧値となる複数の時刻を検出する第
2のステップと、前記第2のステップで得られた前記複
数の時刻の間隔を検出する第3のステップと、前記第3
のステップで得られた前記複数の時刻の間隔から、前記
所定の磁気ヘッドのヘッド幅を検出する第4のステップ
とを有することを特徴としたものであり、磁気テープを
特殊再生し、検出されるパイロット信号差の時間変化の
波形を処理するだけで、ヘッド幅を得られるという作用
を有する。これにより、再生信号に基づく実際に機能す
るヘッド幅を、シリンダをシャーシに取り付けた状態で
検査することが可能となり、量産ラインで簡便にヘッド
幅を検出することができる。
【0014】請求項2に記載の発明は、上記請求項1に
記載の発明であって、第2のステップを、前記時間変化
の信号の振幅の最大値Vmax と最小値Vmin を検出す
るステップと、前記最大値Vmax と前記最小値Vmin
から、(3Vmax +Vmin)/4、または(Vmax +
3Vmin )/4の値を基準電圧値とし、第1のステッ
プで得られた前記時間変化の信号が、基準電圧値となる
複数の時刻を検出するステップに置き換えることを特徴
としたものであり、実際に機能するヘッド幅の測定を複
数の再生信号の周波数ごとに正確に実施することができ
るという作用を有する。請求項3に記載の発明は、複数
の磁気ヘッドで磁気テープに順次記録された磁気トラッ
クを再生した信号に含まれる前記磁気トラックの左右隣
接トラックのパイロット信号差を検出することにより、
前記磁気ヘッドと前記磁気トラックの相対位置ずれを検
出し、前記磁気ヘッドと前記磁気トラックの相対位置を
制御する磁気記録装置において、前記磁気テープを通常
再生したときの、所定の磁気ヘッドから出力される前記
パイロット信号差の信号の平均値Vave を検出する第
1のステップと、前記磁気テープを通常再生または記録
時のテープスピードと異なる略々一定のテープスピード
で再生したときの、所定の磁気ヘッドから出力される前
記パイロット信号差の時間変化の信号を検出する第2の
ステップと、前記第2のステップで得られた前記時間変
化の信号の振幅の最大値Vmax を検出し、前記平均値
Vave との平均値(Vmax +Vave )/2を基準電
圧値とする第3のステップと、前記第2のステップで検
出した時間変化の信号が、前記第3のステップで得られ
た前記基準電圧値となる複数の時刻を検出する第4のス
テップと、前記第4のステップで得られた前記複数の時
刻の間隔を検出する第5のステップと、前記第5のステ
ップで得られた前記複数の時刻の間隔から、前記所定の
磁気ヘッドのヘッド幅を検出する第6のステップとを有
することを特徴としたものであり、実際に機能している
ヘッドの幅を、パイロット周波数ごとの出力レベルが大
きく異なる場合でも、一方のパイロット信号の周波数に
ついて、正確に検出することが可能であるという作用を
有する。
【0015】請求項4に記載の発明は、上記請求項3に
記載の発明であって、第3のステップを、前記第2のス
テップで得られた前記時間変化の信号の振幅の最小値V
minを検出し、前記平均値Vave との平均値(Vmin
+Vave )/2を基準電圧値とするステップに置き換
えることを特徴としたものであり、請求項3の発明とは
異なるパイロット信号の周波数について、ヘッド幅を正
確に検出することが可能であるという作用を有する。
【0016】請求項5に記載の発明は、複数の磁気ヘッ
ドで磁気テープに順次記録された磁気トラックを再生し
た信号に含まれる前記磁気トラックの左右隣接トラック
のパイロット信号差を検出することにより、前記磁気ヘ
ッドと前記磁気トラックの相対位置ずれを検出し、前記
磁気ヘッドと前記磁気トラックの相対位置を制御する磁
気記録装置において、前記磁気テープを通常再生または
記録時のテープスピードと異なる略々一定のテープスピ
ードで再生したときの、前記パイロット信号差の時間変
化の信号を検出する第1のステップと、前記複数の磁気
ヘッドごとの、前記パイロット信号差の時間変化の信号
の位相を検出し、前記複数の磁気ヘッドごとに得られた
前記位相を比較することにより、前記複数の磁気ヘッド
の中央部の相対高さを検出する第2のステップと、前記
複数の磁気ヘッドごとの前記パイロット信号差の時間変
化の信号が、前記複数の磁気ヘッドごとに定められた所
定の基準電圧値となる時刻を検出する第3のステップ
と、前記第3のステップで得られた前記複数の時刻の間
隔を検出する第4のステップと、前記第4のステップで
得られた前記複数の時刻の間隔から、前記複数の磁気ヘ
ッドのヘッド幅をそれぞれ検出する第5のステップと、
前記第2のステップで得られた前記複数の磁気ヘッドの
中央部の相対高さと前記第5のステップで得られた前記
複数の磁気ヘッドのヘッド幅から、前記複数の磁気ヘッ
ドにより記録される信号記録幅を演算する第6のステッ
プとを有することを特徴としたものであり、磁気テープ
を特殊再生し、検出されるパイロット信号差の時間変化
の波形を処理するだけで、複数のヘッドの相対高さと、
それぞれのヘッドの再生幅を得ることができるため、シ
リンダをシャーシに取り付けた状態で、簡便にテープに
記録されるトラック幅を推定することができるという作
用を有する。
【0017】請求項6に記載の発明は、上記請求項5に
記載の発明であって、第3のステップを、前記時間変化
の信号の振幅の最大値Vmax と最小値Vmin を検出す
るステップと、前記最大値Vmax と前記最小値Vmin
から、(3Vmax +Vmin)/4、または(Vmax +
3Vmin )/4の値を基準電圧値とし、第1のステッ
プで得られた前記時間変化の信号が、基準電圧値となる
複数の時刻を検出するステップに置き換えることを特徴
としたものであり、複数の記録周波数ごとに、テープに
記録されるトラック幅を推定できるという作用を有す
る。
【0018】請求項7に記載の発明は、複数の磁気ヘッ
ドで磁気テープに順次記録された磁気トラックを再生し
た信号に含まれる前記磁気トラックの左右隣接トラック
のパイロット信号差を検出することにより、前記磁気ヘ
ッドと前記磁気トラックの相対位置ずれを検出し、前記
磁気ヘッドと前記磁気トラックの相対位置を制御する磁
気記録装置において、前記磁気テープを通常再生したと
きの、前記複数の磁気ヘッドごとに出力される前記パイ
ロット信号差の信号の平均値Viave を検出する第1
のステップと、前記磁気テープを通常再生または記録時
のテープスピードと異なる略々一定のテープスピードで
再生したときの、前記パイロット信号差の時間変化の信
号を検出する第2のステップと、前記複数の磁気ヘッド
ごとの、前記パイロット信号差の時間変化の信号の位相
を検出し、前記複数の磁気ヘッドごとに得られた前記位
相を比較することにより、前記複数の磁気ヘッドの中央
部の相対高さを検出する第3のステップと、前記第2の
ステップで得られた前記複数の磁気ヘッドごとの前記時
間変化の信号の振幅の最大値Vimax を検出し、前記
平均値Viave との平均値(Vimax +Viave )
/2を基準電圧値とする第4のステップと、前記第2の
ステップで検出した時間変化の信号が、前記第4のステ
ップで得られた前記基準電圧値となる複数の時刻を検出
する第5のステップと、前記第5のステップで得られた
前記複数の時刻の間隔から、前記複数の磁気ヘッドのヘ
ッド幅をそれぞれ検出する第6のステップと、前記第3
のステップで得られた前記複数の磁気ヘッドの中央部の
相対高さと、前記第6のステップで得られた前記複数の
磁気ヘッドのヘッド幅から、前記複数の磁気ヘッドによ
り記録される信号記録幅を演算する第7のステップとを
有することを特徴としたものであり、実際に機能してい
るヘッドの幅を、パイロット周波数ごとの出力レベルが
大きく異なる場合でも、一方のパイロット信号の周波数
について、正確に検出し、記録トラックの幅をより正確
に推定することが可能であるという作用を有する。
【0019】請求項8に記載の発明は、上記請求項7に
記載の発明であって、第4のステップを、前記第2のス
テップで得られた前記時間変化の信号の振幅の最小値V
imin を検出し、前記平均値Viave との平均値(V
imin +Viave )/2を基準電圧値とするステップ
に置き換えることを特徴としたものであり、請求項7の
発明とは異なるパイロット周波数について、正確にヘッ
ドの幅を検出し、記録トラックの幅をより正確に推定す
ることが可能であるという作用を有する。
【0020】以下、本発明の実施の形態を、図面に基づ
いて説明する。 (実施の形態1)本発明の実施の形態1における磁気記
録装置の検査方法を図1〜図6に基づいて説明する。
【0021】図1は実施の形態1の磁気記録装置の検査
方法を使用する磁気記録装置の検査装置の構成図であ
る。図1において、1は、180度対向して2個ヘッド
2A,2Bが取り付けられた回転シリンダであり、この
シリンダ1が紙面に対して垂直な軸周りに回転すること
により、シリンダ1に取り付けられたヘッド2A、ヘッ
ド2Bが、テープ3を交互にスキャンする。矢印がテー
プ3の進行方向を示している。
【0022】テープ3は、シリンダ1に斜めに巻き付い
ているため、テープ3には斜めに信号(トラック)が記
録/再生される(図示せず)。トラックには一本おきに
パイロット信号が記録され、再生時にはパイロット信号
を検出することにより、テープ3とヘッド2A、ヘッド
2Bの走査位置を制御している。このような、制御方法
をATF(Auto track following)と言う。本発明の
磁気記録装置の検査方法では、このATFに用いられる
ATF誤差信号4a、4bをATF回路4A,4Bによ
り検出する。ATF回路4A,4Bは、図示しない、ヘ
ッドアンプ、パイロット信号検出、ATF誤差信号出力
のための回路などから構成される。
【0023】また図1において、5は信号の処理を行う
ための処理コンピュータであり、この処理コンピュータ
5には、A/D変換器6が組み込まれており、ATF誤
差信号4a,4bをA/D変換して、処理コンピュータ
5のメモリ7に記憶する。8がCPUであり、メモリ7
に記憶された信号に対して、プログラムされた内容を処
理して演算結果を出力する。モニター9はCPU8での
演算結果を表示する。図2にCPU8における処理の方
法をフローチャートで示す(詳細は後述する)。
【0024】以下、上記構成による磁気記録装置の検査
方法について説明する。図1のテープ3を通常記録時に
対して一定速度早くなるように設定した状態で定速走行
させ、またヘッド2A,2Bは再生モードにしてテープ
3に記録された信号を再生する。このとき、ATF回路
4A,4BによりATF誤差信号4a、4bを検出する
が、制御系にフィードバックは行わない。また、再生す
るテープ3はトラック幅がフォーマットに極めて近く、
トラックの曲がりが少ない標準テープとよばれるテープ
走行調整用テープが望ましい。
【0025】以上のような条件で、テープを再生した時
のATF誤差信号の時間変化を示したのが図3である。
図3において、15は特殊再生時に出力されるATF誤
差信号、16は基準電圧値、T1、T2、T3はそれぞ
れATF誤差信号が基準電圧値となる時刻を示してい
る。
【0026】通常記録時に対して一定速度早くテープ3
が移動するため、時間が経過するにつれて、ヘッド2
A,2Bが走査する位置が一定量ずつずれる。ところ
が、図4(a)、図5(a)に示すように、テープ3に
記録されたトラック17には、周波数f1とf2のパイ
ロット信号が一本おきに交互に繰り返して記録されてい
る。そのため、走査する位置が一定量ずれても、f1と
f2のパイロット信号の差(f1−f2)であるATF
誤差信号は、周期的に変動する波形、すなわち図3に示
すATF誤差信号15のように検出される。検出された
ATF誤差信号15を、図1のように、A/D変換器6
を用いて量子化し、メモリ7に蓄える。
【0027】図4(a),(b)は、ヘッド幅が広い時
(トラック幅の1.5倍)の、ヘッド再生位置とATF
誤差信号の出力電圧値の関係を示した概念図であり、1
8はヘッドの再生位置、19はヘッドの再生位置18に
対するATF誤差信号を示している。また図5(a),
(b)は、ヘッド幅の狭い時(トラック幅とほぼ同じ)
の、ヘッド再生位置とATF誤差信号の出力電圧値の関
係を示した概念図であり、図4(a),(b)と同様
に、20はヘッドの再生位置、21はヘッドの再生位置
20に対するATF誤差信号を示している。
【0028】次に、図4(a),(b)と図5(a),
(b)により、ATF誤差信号の時間変化の信号とヘッ
ド幅の関係について説明する。図4(b)のヘッドの再
生位置18に対するATF誤差信号19が、ヘッド幅が
トラック幅の1.5倍の時に、図1のメモリ7に蓄積さ
れたATF誤差信号である。ここで、ATF誤差信号1
9の最大値をVmax 、最小値をVmin すると、(3V
max +Vmin )/4の電圧値以上の値をとる時間幅
は、図4(b)の矢印の区間となる。
【0029】一方、ヘッド幅がトラック幅とほぼ同じ時
に、図1のメモリ7に蓄積されたATF誤差信号が、図
5(b)のヘッドの再生位置20に対するATF誤差信
号21である。この時、(3Vmax +Vmin )/4の
電圧値以上の値をとる時間幅は、図5(b)の矢印の区
間となる。
【0030】図4(b)と図5(b)の矢印の区間を比
較すると、ヘッド幅の広い図4(b)の矢印の方が長
い。図6が、ヘッド幅と(3Vmax +Vmin )/4の
信号電圧以上となる時間幅との関係をシミュレートした
結果の図である。図6の縦軸が検出した時間幅をATF
波形の波長(4トラック幅に相当)で正規化した値、横
軸がヘッド幅をトラック幅で正規化した値である。この
ように、ヘッド幅がトラック幅の0.5倍以上1.5倍
以下の場合には、ヘッド幅と時間幅は線形性がある。し
たがって、図1のヘッド2Aまたはヘッド2Bから得ら
れたATF誤差信号4a,4bの時間変動の信号から、
(3Vmax +Vmin )/4の値を基準電圧値として基
準電圧値以上の値を取る区間を検出すれば、ヘッド幅が
測定可能となる。
【0031】図2のフローチャートにしたがって、図1
のメモリー7に記憶されたATF誤差信号の処理手順に
ついて説明する。 *ステップ−1(ATF誤差信号の最大値/最小値を検
出するステップ) まず、メモリー7に記憶された図3のATF誤差信号の
時間波形15から、最大値Vmax と最小値Vmin を検
出する。 *ステップ−2(基準電圧値を設定するステップ) 次に、ステップ−1により得られたVmax とVmin よ
り、(3Vmax +Vmin )/4を演算して図3の基準
電圧値16を設定する。 *ステップ−3(ATF誤差信号が基準電圧値となる時
刻を検出するステップ) 次に、図3の基準電圧値16となる時刻T1,T2,T
3の検出を行う。図3のATF誤差信号15と基準電圧
値16の交点を検出する。検出方法は特に問わないが、
例えば、基準電圧値とATF誤差信号値の差をとり、差
の値が正負反転する箇所の検出を行う方法などにより実
施する。 *ステップ−4(ステップ−3で検出された時刻の間隔
を検出するステップ) 続いて、図3の時刻T1,T2,T3の間隔を検出す
る。図3のT1からT3までの時間t1と、T1からT
2までの時間t2を検出する。 *ステップ−5(ステップ−4で得られた時刻の間隔か
らヘッド幅を検出するステップ) 最後に、ヘッド幅を以下の演算により求める。
【0032】上記t1は、図3のATF誤差信号15の
変動の周期である。図4(a)のように、トラックに
は、周波数f1,f2のパイロット信号がトラック4本
周期で記録されているため、t1の時間幅は、4トラッ
ク分の幅に対応する。また、時刻T1からT2までの時
間t2は、図6に示したようにヘッド幅に対応するた
め、既知であるトラック17の幅をLとすると、ヘッド
幅Hw1は、式(1)により求められる。
【0033】 Hw1=4×L×t2/t1 ・・・(1) これらの処理を図1のヘッド2A,2Bそれぞれに行
い、結果として得られたヘッド幅を、図1のモニター9
に表示する。
【0034】このように、本実施の形態1の方法では、
テープ3を特殊再生し、検出されるATF誤差信号の時
間変化の波形を処理するだけで、ヘッド幅を得ることが
できるため、再生信号に基づいた実際にヘッド2A,2
Bが機能する再生幅を検出でき、しかもシリンダ1をシ
ャーシに取り付けた状態でヘッド幅を検査することが可
能となり、量産ラインで簡便かつ迅速にヘッド再生幅を
検出することができる。 (実施の形態2)本発明の実施の形態2における磁気記
録装置の検査方法を図1、図7、図8に基づいて説明す
る。なお、実施の形態2の磁気記録装置の検査装置の構
成は、上記実施の形態1の図1の構成と同じであり、説
明を省略する。異なるのは基準電圧値の設定である。図
7は、図1のCPU8における処理の方法を示したフロ
ーチャート、図8は、図7における処理方法を説明する
ための概念図である。図8において、15は特殊再生時
に出力されるATF誤差信号、27は基準電圧値、G
1,G2,G3はそれぞれATF誤差信号が基準電圧値
となる時刻を示す。
【0035】図7のフローチャートにしたがって、図1
のメモリー7に記憶されたATF誤差信号の処理手順に
ついて説明する。 *ステップ−1(ATF誤差信号の最大値/最小値を検
出するステップ) まず、メモリー7に記憶された図8のATF誤差信号1
5の、最大値Vmaxと最小値Vmin を検出する。 *ステップ−2(基準電圧値を設定するステップ) 次に、ステップ−1において得られたVmax とVmin
より、(Vmax +3Vmin )/4を演算して基準電圧
値27を設定する。 *ステップ−3(ATF誤差信号が基準電圧値となる時
刻を検出するステップ) 次に、基準電圧値27となる時刻G1,G2,G3の検
出を行う。検出方法は特に問わないが、例えば、基準電
圧値とATF誤差信号値の差をとり、差の値が正負反転
する箇所の検出を行う方法などにより実施する。 *ステップ−4(ステップ−3で検出された時刻の間隔
を検出するステップ) 続いて、時刻G1,G2,G3の間隔を検出する。図3
のG1からG3までの時間g1と、基準信号値より低い
電圧値を取る区間G2からG3までの時間g2を検出す
る。 *ステップ−5(ステップ−4で得られた時刻の間隔か
らヘッド幅を検出するステップ) 上記g1は、1波長すなわち4トラック分の幅に対応
し、g2がヘッド幅に対応する。したがって、既知であ
るトラック幅Lから、ヘッド幅Hw2は、式(2)によ
り求められる。
【0036】 Hw2=4×L×g2/g1 ・・・(2) これらの処理を図1のヘッド2A,2Bそれぞれに行
い、結果として得られたヘッド幅を、図1のモニター9
に表示する。
【0037】実施の形態1においては、基準電圧値を
(3Vmax +Vmin )/4と設定し、基準電圧値を越
える値となる区間を検出した。したがって、この区間は
検査ヘッドの周波数f1のパイロット信号に対する再生
幅を検出したことになる。ところが、ヘッドの特性は再
生する信号の周波数により異なることが一般に知られて
いる。すなわち、ヘッドの幅は光学的に観測される幅よ
りも広い幅の領域の信号を再生することができる。これ
は、ヘッドのサイドから漏れ出す磁束によるものであ
り、フリンジと言われている。このフリンジは記録/再
生周波数に依存する。したがって、実施の形態1は、検
査ヘッドの周波数f1のパイロット信号に対する再生幅
を検出したことになる。一方、実施の形態2では、(V
max +3Vmin )/4を基準電圧値として設定するた
め、周波数f2のパイロット信号に対する再生幅を検出
することができる。したがって、実施の形態1と実施の
形態2を同時に実施し、各ヘッド2A,2Bごとに得ら
れたf1、f2それぞれの周波数に対する再生幅を平均
値として、ヘッド幅と規定することも可能であることは
言うまでもない。
【0038】このように、本実施の形態2では、ATF
誤差信号の2種類のパイロット周波数それぞれに対す
る、実際の再生信号に基づく各ヘッド2A,2Bの幅
を、シリンダ1に搭載の状態で簡便に測定することがで
きる。 (実施の形態3)本発明の実施の形態3における磁気記
録装置の検査方法を図1、図9〜図11に基づいて説明
する。なお、実施の形態3の磁気記録装置の検査装置の
構成は、上記実施の形態1の図1の構成と同じであり、
説明を省略する。図9は、ATF誤差信号の取得手順を
示したフローチャート、図10は、図1のCPU8で演
算されるヘッド幅検出処理の方法を示したフローチャー
ト、図11は、図10における処理方法を説明するため
の概念図である。図11において、39は図7のメモリ
7に記憶されたATF誤差信号、40は基準電圧値、H
1,H2,H3はそれぞれATF誤差信号が基準電圧値
となる時刻を示す。
【0039】実施の形態2で示したように、再生信号の
出力は再生する信号の波長により影響を受ける。したが
って、同一のヘッドにより、周波数f1,f2のパイロ
ット信号を含むトラックを単独にそれぞれの再生して
も、信号の出力電圧が一致しない場合がある。図11に
示すATF誤差信号39がその例である。この場合に
は、ヘッドがf1のパイロット周波数を有するトラック
と、f2のパイロット周波数を有するトラックとを、同
じ幅再生している時の信号レベルが一致しない。したが
って、図11のATF誤差信号39のようにATFの誤
差信号波形が上下非対称になる。
【0040】そのため、実施の形態1や実施の形態2の
ように、周波数f1のパイロット信号と周波数f2のパ
イロット信号の信号を再生したときの電圧レベルがほぼ
等しい時の基準電圧値の設定では、得られるヘッド幅は
大きく誤差をもってしまう。そのため、波形の振幅セン
タを求め、ヘッドが周波数f1とf2のパイロット信号
を有するトラック間のセンタを走行する時の電圧値を得
る必要がある。
【0041】図9,図10のフローチャートにしたがっ
て、ATF誤差信号の取得手順と図1のメモリー7に記
憶されたATF誤差信号の処理手順について説明する。 *ステップ−1(通常再生モードのステップ) まず、通常の再生モードで、図1のテープ3を再生す
る。通常再生モードとは、ATFをONにし、ヘッドが
トラックのほぼセンターを再生するように制御する場合
である。 *ステップ−2(ATF誤差信号の取り込みのステッ
プ) 次に、図1のヘッド2A,2Bから出力されるATF誤
差信号をA/D変換後、メモリ7に記憶する。この波形
をWV1とする。 *ステップ−3(特殊再生モードのステップ) 続いて、通常再生より一定速度早くなるように設定した
状態で定速走行させ、ヘッド2A,2Bは再生モードに
してテープに記録された信号を再生する。この特殊再生
モードは、実施の形態1および実施の形態2と同じであ
る。 *ステップ−4(ATF誤差信号の取り込みのステッ
プ) 次に、特殊再生モードにおいて図1のヘッド2A,2B
から出力されるATF誤差信号をA/D変換後、メモリ
7に記憶する。この波形をWV2とする。
【0042】以下、メモリ7に記憶されたATF誤差信
号WV1、WV2について、ヘッド幅検出処理を実施す
る。 *ステップ−5(波形WV1の平均値Vaveを検出する
ステップ) まず、通常再生時の波形WV1からATF誤差信号の平
均値Vave を検出する処理を行う。 *ステップ−6(波形WV2の最大値Vmax と最小値
Vmin を検出するステップ) 続いて、特殊再生時の波形WV2からATF誤差信号の
最大値Vmax と最小値Vmin を検出する。 *ステップ−7(基準電圧値を設定するステップ) 上記平均値Vave が周波数f1とf2のパイロット信
号が均衡するレベルであるため、このVave とVmax
のセンタが、f1の周波数における再生幅を示し、Vav
e とVminのセンタがf2の周波数における再生幅を示
す。そこで、周波数f1のパイロット信号に対する再生
幅検出の場合には(Vmax +Vave )/2、周波数f
2のパイロット信号に対する再生幅の場合には(Vmin
+Vave)/2を基準電圧値とする。ここでは、(Vma
x +Vave )/2を基準電圧値とした場合について説
明する。図11の40が、基準電圧値である。 *ステップ−8(波形WV2が基準電圧値となる時刻を
検出するステップ) 次に、波形WV2が基準電圧値40となる図11の時刻
H1,H2,H3を検出する。 *ステップ−9(ステップ−8で検出された時刻の間隔
を検出するステップ) 続いて、図11における、H1からH3の幅h1と、H
1とH2の幅h2とを求める。 *ステップ−10(ステップ−9で得られた時刻の間隔
からヘッド幅を検出するステップ) H1からH3の幅h1がトラック幅4本に相当する1波
長で、H1からH2の幅h2がヘッド幅に相当する。ト
ラック幅をLとすると、トラック幅HW3は、式(3)
により求められる。
【0043】 HW3=4×L×h2/h1 ・・・(3) このように、本実施の形態3では、通常再生時のATF
誤差信号の平均値を用いるため、パイロット信号f1と
f2の再生時の信号レベル差が大きく異なった場合で
も、正確にヘッド再生幅を得ることができる。 (実施の形態4)本発明の実施の形態3における磁気記
録装置の検査方法を図1、図12〜図14に基づいて説
明する。なお、実施の形態4の磁気記録装置の検査装置
の構成は、上記実施の形態1の図1の構成と同じであ
り、説明を省略する。図12は、図1のCPU8で演算
される処理方法を示したフローチャート、図13は、複
数のヘッドの再生位置とATF誤差信号の出力電圧値の
関係を示した図、図14は複数のヘッドにより記録した
ときの、ヘッドの位置と記録トラックとの関係を示した
図である。
【0044】図13において、46はトラック、47,
48は、通常再生より一定速度早くなるように設定した
状態で定速走行させ、ヘッド2A、ヘッド2Bは再生モ
ードにした場合の、トラック46とヘッド2Aの位置お
よびヘッド2Bの位置、49は、ヘッド2Aより出力さ
れるATF誤差信号、50はヘッド2Bより出力される
ATF誤差信号を示す。
【0045】また図14において、51,52は、ヘッ
ド2Aとヘッド2Bでテープ3に信号を記録したときの
ヘッドの位置と記録されるトラック、HWa、HWbは
それぞれヘッド2Aとヘッド2Bのヘッド幅、Hはヘッ
ド中心の相対高さを示す。
【0046】実施の形態1と同様に、図1のテープ3を
通常再生より一定速度速くなるように設定した状態で定
速走行させたときに、ヘッド2A、ヘッド2Bより出力
されるATF誤差信号4a、4bをメモリ7に記憶す
る。図13の49、50が記憶されたATF誤差信号の
波形である。
【0047】図1のシリンダ1の回転軸方向のヘッドの
位置をヘッド高さとすると、ヘッド2Aとヘッド2Bの
相対高さが正しい場合には、ヘッド2Aが再生するトラ
ック位置に対して、ヘッド2Bはほぼ1トラック分ずれ
た位置を再生しているはずである。
【0048】一方、テープ3は、通常再生より一定速度
速くなるように設定した状態で定速走行しているため、
ヘッド2Aとヘッド2Bとは、トラックに対する位置
が、それぞれ同じ量だけ位置がずれていく。そのため、
ヘッド2A、ヘッド2Bより出力されるATF誤差信号
49,50は、ほぼ1トラック分の位相ずれを保った波
形となる。
【0049】ところが、ヘッド2Aとヘッド2Bのシリ
ンダ1の回転軸方向の相対位置がずれて設置されている
と、ヘッドの相対的な再生タイミングがずれ、位相がず
れることになる。相対高さの誤差が大きければ大きいほ
ど、再生タイミングのずれ量が大きくなるため、ATF
誤差信号49,50の位相差を検出することにより、ヘ
ッド2Aとヘッド2Bの相対高さを検出することができ
る。
【0050】図12のフローチャートにしたがって、図
1のメモリー7に記憶されたATF誤差信号の処理手順
について説明する。 *ステップ−1(ヘッド2A、ヘッド2Bから得られる
ATF誤差信号4a、4bの位相差を検出するステッ
プ) そこで、ATF誤差信号49,50の位相を検出する。
図13(b)の矢印が検出された位相差である。ここ
で、位相差の検出は、波形振幅内の任意の電圧値を取る
時刻を検出することにより行うが、図13(b)の矢印
のように、振幅のセンタに近い値を取ることが望まし
い。 *ステップ−2(ステップ−1により得られた位相差か
ら、ヘッド2Aとヘッド2Bの相対高さを検出するステ
ップ) 続いて相対高さ検出を行う。本来の位相差はトラック1
本分である。ATF誤差信号の1周期が4トラック分に
対応するため、1トラック分の高さをThとし、検出さ
れた位相差をθとすると、ヘッド中心の相対高さHは、
式(4)により求められる。
【0051】 H=4×Th×θ/2π =2×Th×θ/π ・・・(4) *ステップ−3,4(ヘッド幅を検出するステップ) 次に、ヘッド2A、ヘッド2Bのヘッド幅を検出する。
ここでの検出方法は、実施の形態1、実施の形態2、実
施の形態3のいずれの方法を用いても良い。得られたヘ
ッド2A、ヘッド2Bのヘッド幅をそれぞれHWa、H
Wbとする。
【0052】なお、特許請求の範囲の請求項5,6は、
実施の形態1、実施の形態2の方法を用いた場合の請求
の範囲としており、また特許請求の範囲の請求項7,8
は、実施の形態3の方法を用いた場合の請求の範囲とし
ている。 *ステップ−5(記録信号幅を演算するステップ) 最後に記録信号幅を検出する。図14を用いて、記録信
号幅の検出方法について説明する。図14の2A,2B
がそれぞれヘッド幅HWa、HWbであるヘッドであ
る。紙面をテープ面とすると、ヘッド2Aとヘッド2B
は、図14の矢印の方向に交互に信号を記録していくた
め、境界部で一部信号の重ね記録が発生する。したがっ
て、記録されるトラックは、51と52のようになる。
ここで、ヘッド2Aの記録トラック幅をRWa、ヘッド
2Bの記録トラック幅をRWbとする。
【0053】ヘッドの相対位置Hが式(4)の演算によ
り既知であるため、ヘッド幅HWa、HWbとを用いれ
ば、記録後のトラックの幅RWa、RWbを以下の式
(5)(6)により求めることができる。
【0054】 RWa=H+(HWa−HWb)/2 ・・・(5) RWb=H+(HWb−HWa)/2 ・・・(6) 得られた記録トラック幅RWa、RWbは、図1のモニ
ター9に表示される。
【0055】このように、テープを特殊再生し、検出さ
れるパイロット信号差の時間変化波形を処理するだけ
で、複数のヘッド2A,2Bの相対高さHと、それぞれ
のヘッド2A,2Bの幅HWa,HWbを得ることがで
きるため、シリンダ1をシャーシに取り付けた状態で、
簡便にテープに記録されるトラックの幅RWa,RWb
を推定することができ、従来のテープのトラック現像処
理などに比べて格段に早く、しかも簡便に記録トラック
の幅を検出することができる。
【0056】なお、実施の形態1、実施の形態2、実施
の形態3、実施の形態4では、図1のような、180度
対向2ヘッドの磁気記録装置について示したが、4ヘッ
ドの90度配置など、他の複数のヘッドを有する磁気記
録装置においても、個別のヘッドの幅を求めることはも
ちろん、複数のヘッド間の相対高さを得ることにより、
記録トラックの幅を得ることも可能であることは言うま
でもない。
【0057】また、実施の形態1、実施の形態2、実施
の形態3、実施の形態4は、テープスピードを通常再生
時よりも早いときに、生じるATF誤差信号の変動につ
いて示したが、時間に比例してスキャンズレ量が増加す
る他の方法を用いてもよい。例えば、テープスピードを
通常より遅く設定しても、同様の結果が得られることは
明かである。
【0058】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、シリンダ
をシャーシに取り付けた状態でヘッド再生幅を検出で
き、さらに記録テープを現像処理して可視化することな
く迅速に記録トラック幅を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録装置の検査方法を使用する磁
気記録装置の検査装置の構成図である。
【図2】実施の形態1におけるCPUでの処理方法を示
したフローチャートである。
【図3】実施の形態1における処理方法を説明するため
の概念図である。
【図4】実施の形態1における、ヘッド幅がトラック幅
の1.5倍の時のヘッド再生位置とATF誤差信号の出
力電圧値の関係を示した図である。
【図5】実施の形態1における、ヘッド幅がトラック幅
とほぼ同じ時のヘッド再生位置とATF誤差信号の出力
電圧値の関係を示した図である。
【図6】実施の形態1におけるヘッド幅とATF誤差信
号から検出した時間幅との関係を示す図である。
【図7】実施の形態2におけるCPUでの処理方法を示
したフローチャートである。
【図8】実施の形態2における処理方法を説明するため
の概念図である。
【図9】実施の形態3におけるCPUでの処理方法を示
したフローチャートである。
【図10】実施の形態3におけるATF誤差信号取得手
順を説明するための図である。
【図11】実施の形態3における処理方法を説明するた
めの概念図である。
【図12】実施の形態4におけるCPUでの処理方法を
示したフローチャートである。
【図13】実施の形態4における、複数のヘッドの再生
位置とATF誤差信号の出力電圧値の関係を示した図で
ある。
【図14】実施の形態4における、複数のヘッドにより
記録したときの、ヘッドの位置と記録トラックとの関係
を示した図である。
【符号の説明】
1 シリンダ 2A,2B ヘッド 3 テープ 4A,4B ATF回路 4a,4b ATF誤差信号 5 処理コンピュータ 6 A/D変換器 7 メモリ− 8 CPU 9 モニタ 15,19,21,39 ATF誤差信号 16,27,40 基準電圧値 17,46 トラック 18,20 ヘッド再生位置 47 ヘッド2Aの位置 48 ヘッド2Bの位置 49 ヘッド2Aにより出力されたATF誤差信号 50 ヘッド2Bにより出力されたATF誤差信号 51 ヘッド2Aによる記録トラック幅 52 ヘッド2Bによる記録トラック幅

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の磁気ヘッドで磁気テープに順次記
    録された磁気トラックを再生した信号に含まれる前記磁
    気トラックの左右隣接トラックのパイロット信号差を検
    出することにより、前記磁気ヘッドと前記磁気トラック
    の相対位置ずれを検出し、前記磁気ヘッドと前記磁気ト
    ラックの相対位置を制御する磁気記録装置において、 前記磁気テープを通常再生または記録時のテープスピー
    ドと異なる略々一定のテープスピードで再生したとき
    の、所定の磁気ヘッドから出力される前記パイロット信
    号差の時間変化の信号を検出する第1のステップと、 前記第1のステップで得られた前記時間変化の信号が、
    所定の基準電圧値となる複数の時刻を検出する第2のス
    テップと、 前記第2のステップで得られた前記複数の時刻の間隔を
    検出する第3のステップと、 前記第3のステップで得られた前記複数の時刻の間隔か
    ら、前記所定の磁気ヘッドのヘッド幅を検出する第4の
    ステップとを有することを特徴とする磁気記録装置の検
    査方法。
  2. 【請求項2】 第2のステップを、前記時間変化の信号
    の振幅の最大値Vmax と最小値Vmin を検出するステ
    ップと、前記最大値Vmax と前記最小値Vmin から、
    (3Vmax +Vmin )/4、または(Vmax +3Vm
    in )/4の値を基準電圧値とし、第1のステップで得
    られた前記時間変化の信号が、基準電圧値となる複数の
    時刻を検出するステップに置き換えることを特徴とする
    請求項1記載の磁気記録装置の検査方法。
  3. 【請求項3】 複数の磁気ヘッドで磁気テープに順次記
    録された磁気トラックを再生した信号に含まれる前記磁
    気トラックの左右隣接トラックのパイロット信号差を検
    出することにより、前記磁気ヘッドと前記磁気トラック
    の相対位置ずれを検出し、前記磁気ヘッドと前記磁気ト
    ラックの相対位置を制御する磁気記録装置において、 前記磁気テープを通常再生したときの、所定の磁気ヘッ
    ドから出力される前記パイロット信号差の信号の平均値
    Vave を検出する第1のステップと、 前記磁気テープを通常再生または記録時のテープスピー
    ドと異なる略々一定のテープスピードで再生したとき
    の、所定の磁気ヘッドから出力される前記パイロット信
    号差の時間変化の信号を検出する第2のステップと、 前記第2のステップで得られた前記時間変化の信号の振
    幅の最大値Vmax を検出し、前記平均値Vave との平
    均値(Vmax +Vave )/2を基準電圧値とする第3
    のステップと、 前記第2のステップで検出した時間変化の信号が、前記
    第3のステップで得られた前記基準電圧値となる複数の
    時刻を検出する第4のステップと、 前記第4のステップで得られた前記複数の時刻の間隔を
    検出する第5のステップと、 前記第5のステップで得られた前記複数の時刻の間隔か
    ら、前記所定の磁気ヘッドのヘッド幅を検出する第6の
    ステップとを有することを特徴とする磁気記録装置の検
    査方法。
  4. 【請求項4】 第3のステップを、前記第2のステップ
    で得られた前記時間変化の信号の振幅の最小値Vmin
    を検出し、前記平均値Vave との平均値(Vmin +V
    ave )/2を基準電圧値とするステップに置き換える
    ことを特徴とする請求項3記載の磁気記録装置の検査方
    法。
  5. 【請求項5】 複数の磁気ヘッドで磁気テープに順次記
    録された磁気トラックを再生した信号に含まれる前記磁
    気トラックの左右隣接トラックのパイロット信号差を検
    出することにより、前記磁気ヘッドと前記磁気トラック
    の相対位置ずれを検出し、前記磁気ヘッドと前記磁気ト
    ラックの相対位置を制御する磁気記録装置において、 前記磁気テープを通常再生または記録時のテープスピー
    ドと異なる略々一定のテープスピードで再生したとき
    の、前記パイロット信号差の時間変化の信号を検出する
    第1のステップと、 前記複数の磁気ヘッドごとの、前記パイロット信号差の
    時間変化の信号の位相を検出し、前記複数の磁気ヘッド
    ごとに得られた前記位相を比較することにより、前記複
    数の磁気ヘッドの中央部の相対高さを検出する第2のス
    テップと、 前記複数の磁気ヘッドごとの前記パイロット信号差の時
    間変化の信号が、前記複数の磁気ヘッドごとに定められ
    た所定の基準電圧値となる時刻を検出する第3のステッ
    プと、 前記第3のステップで得られた前記複数の時刻の間隔を
    検出する第4のステップと、 前記第4のステップで得られた前記複数の時刻の間隔か
    ら、前記複数の磁気ヘッドのヘッド幅をそれぞれ検出す
    る第5のステップと、 前記第2のステップで得られた前記複数の磁気ヘッドの
    中央部の相対高さと、前記第5のステップで得られた前
    記複数の磁気ヘッドのヘッド幅から、前記複数の磁気ヘ
    ッドにより記録される信号記録幅を演算する第6のステ
    ップとを有することを特徴とする磁気記録装置の検査方
    法。
  6. 【請求項6】 第3のステップを、前記時間変化の信号
    の振幅の最大値Vmax と最小値Vmin を検出するステ
    ップと、前記最大値Vmax と前記最小値Vmin から、
    (3Vmax +Vmin )/4、または(Vmax +3Vm
    in )/4の値を基準電圧値とし、第1のステップで得
    られた前記時間変化の信号が、基準電圧値となる複数の
    時刻を検出するステップに置き換えることを特徴とする
    請求項5記載の磁気記録装置の検査方法。
  7. 【請求項7】 複数の磁気ヘッドで磁気テープに順次記
    録された磁気トラックを再生した信号に含まれる前記磁
    気トラックの左右隣接トラックのパイロット信号差を検
    出することにより、前記磁気ヘッドと前記磁気トラック
    の相対位置ずれを検出し、前記磁気ヘッドと前記磁気ト
    ラックの相対位置を制御する磁気記録装置において、 前記磁気テープを通常再生したときの、前記複数の磁気
    ヘッドごとに出力される前記パイロット信号差の信号の
    平均値Viave を検出する第1のステップと、 前記磁気テープを通常再生または記録時のテープスピー
    ドと異なる略々一定のテープスピードで再生したとき
    の、前記パイロット信号差の時間変化の信号を検出する
    第2のステップと、 前記複数の磁気ヘッドごとの、前記パイロット信号差の
    時間変化の信号の位相を検出し、前記複数の磁気ヘッド
    ごとに得られた前記位相を比較することにより、前記複
    数の磁気ヘッドの中央部の相対高さを検出する第3のス
    テップと、 前記第2のステップで得られた前記複数の磁気ヘッドご
    との前記時間変化の信号の振幅の最大値Vimax を検
    出し、前記平均値Viave との平均値(Vimax +V
    iave )/2を基準電圧値とする第4のステップと、 前記第2のステップで検出した時間変化の信号が、前記
    第4のステップで得られた前記基準電圧値となる複数の
    時刻を検出する第5のステップと、 前記第5のステップで得られた前記複数の時刻の間隔か
    ら、前記複数の磁気ヘッドのヘッド幅をそれぞれ検出す
    る第6のステップと、 前記第3のステップで得られた前記複数の磁気ヘッドの
    中央部の相対高さと、前記第6のステップで得られた前
    記複数の磁気ヘッドのヘッド幅から、前記複数の磁気ヘ
    ッドにより記録される信号記録幅を演算する第7のステ
    ップとを有することを特徴とする磁気記録装置の検査方
    法。
  8. 【請求項8】 第4のステップを、前記第2のステップ
    で得られた前記時間変化の信号の振幅の最小値Vimin
    を検出し、前記平均値Viave との平均値(Vimin
    +Viave )/2を基準電圧値とするステップに置き
    換えることを特徴とする請求項7の磁気記録装置の検査
    方法。
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