JP3671553B2 - 記録トラック直進性調整装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、テ−プ状媒体を用いて記録再生を行うテ−プレコ−ダ−やVTR等の磁気記録再生装置に使用して有効な記録トラック直進性調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、テ−プレコ−ダ−やカメラ一体型VTR等は小型軽量化および高画質化の要求が強く、そのため磁気テ−プに対する記録密度をますます高くしていく必要がある。よって記録密度を上げるために、例えばヘリカルスキャン方式のVTRの場合1トラック当たりのトラック幅が狭くなってきており、VTR相互の互換再生を保証するためには、今まで以上に高精度に磁気テ−プに記録される記録再生パタ−ンの直進性の確保が重要な要因になってきている。
【0003】
以下に従来の磁気記録再生装置の記録トラック直進性調整装置について説明する。
【0004】
図7は、磁気記録再生装置に使用されているテ−プ駆動装置の平面図である。図7において、1は回転駆動されるキャプスタン、8は記録再生に用いられる磁気テ−プ、11は規制ポスト、12はピンチア−ム、13はピンチアーム12の回動軸であるピンチア−ム支柱、15は磁気テープ8が巻回され信号の記録再生を行う回転シリンダ、16および17はガイドロ−ラ−、18はキャプスタン1と共に磁気テ−プ8を挟持することにより磁気テープ8を移送可能なピンチロ−ラ−である。
【0005】
以上のような従来の磁気記録再生装置において、他の装置により記録された磁気テ−プを再生できるように、いわゆる互換再生を確保するためにあらかじめ決められた磁気テ−プに対する記録パタ−ンの形状が各記録方式のフォ−マットごとに決められている。この記録パタ−ンのフォ−マットの中でも、前記の互換再生を確保するために重要となってくるのが、記録パタ−ンの直進性である。
【0006】
図8を用いて説明する。今記録パタ−ンのフォ−マットが図8の8bに示す波線のように真に直進的であるとする。このとき仮に8aに示すように記録パタ−ンが前記フォ−マットに対して曲がっていれば、磁気ヘッド15bによる再生エンベロ−プ信号は例えば図9の実線9aに示すようにフラットにはならない。このため、記録パタ−ンの直進性誤差がある限度をこえると再生画面にノイズ等が発生する等の不具合が発生する。本来記録パタ−ンが8bのように記録されていれば、再生エンベロ−プ信号は図9の9bのようにフラットとなりこのような問題は発生しない。そこで通常の磁気記録再生装置では、前記のような互換再生による画面ノイズ等の問題が発生しないように、各磁気記録再生装置の磁気ヘッド15bがフォ−マット通りの記録パタ−ンを記録再生できるように、磁気テ−プ8がシリンダ15のリ−ド15aを走行する状態を調整する、いわゆる記録トラック直進性調整を行う。
【0007】
以下にその記録トラック直進性調整装置を説明する。
まず、記録トラック直進性調整に用いる直進性調整用標準テ−プ8を作成する。この直進性調整用標準テ−プ8には、図8の8bに示すようにフォ−マット通り、可能な限り直進性が良好なように記録を行う。このような直進性調整用標準テ−プ8をこれから記録トラック直進性調整しようとする磁気記録再生装置にて再生した時の再生信号に着目する。
【0008】
この時再生エンベロープ信号が図9の9bのようにフラットとなるように、ガイドロ−ラ16および17を図8のLおよびM方向、NおよびO方向に上下させて調整を行えば、磁気ヘッド15bが正しく記録パタ−ン8b上を走行できるように記録トラック直進性調整されたと考えられる。
【0009】
すなわち、図8の磁気ヘッド15bはフォ−マット通りの記録パタ−ン直進性を確保して、記録再生を行うことができる。これによりこの磁気記録再生装置は、互換記録再生を実現することができる。
【0010】
ところで、以上の記録トラック直進性調整手順よりもさらに精度良く直進性確保のための記録トラック直進性調整を行おうとすると、問題点が存在する。すなわち前記の記録トラック直進性調整手順において、可能な限り直進性が良好なように記録を行い、直進性調整用標準テ−プ8を作成すると説明したが、理想値に対して誤差を全く持たないようにすることは困難である。よって、記録トラック直進性調整を行おうとする磁気記録再生装置は、少なくともこの直進性調整用標準テ−プ8が持つ直進性誤差分だけはフォ−マットに対して直進性の誤差をもって記録トラック直進性調整されてしまう可能性がある。よって、前記直進性調整用標準テ−プ8の作成精度のばらつきにより磁気記録再生装置の直進性の精度がばらつくという問題点が存在する。
【0011】
そこで、このような直進性調整用標準テ−プ8の直進性誤差を補正して記録トラック直進性調整を行うことが考えられた。
【0012】
図13のブロック図を用いて説明する。まず、直進性調整用標準テ−プ8を直進性調整用磁気テープ現像部132で現像して、そのパターンから直進性を直進性測定部133にて測定する。直進性測定部133で測定した直進性データを、直進性調整用標準テープ8の直進性データとして記憶部134に記憶する。
【0013】
また図14のブロック図を用いて、直進性を調整しようとする磁気記録再生装置が存在する場合について説明する。この磁気記録再生装置142で直進性調整用標準テ−プ141を再生して、再生時の直進性を第1の直進性測定部143で測定する。この第1の直進性測定部143で測定した直進性データから、先に求めた第2の記憶部144に記憶した直進性データを、直進性排除部145で差し引くと直進性調整用磁気テープ自体の直進性誤差を排除することとなり、第2の直進性測定部146で直進性を調整しようとする磁気記録再生装置だけの直進性を測定することができる。よって、この磁気記録再生装置自体の直進性が、直進するように、図8のガイドローラー16および17を上下して、直進性調整の記録トラック直進性調整を行うことができる。
【0014】
以上の手順を直進性データの流れから再度、図10を用いて説明する。図10は直進性調整用標準テープのエンベロープ信号の検波波形を示すものである。直進性調整用標準テ−プ8の直進性誤差を前記のように直進性測定手段において測定する。この形状が図10(a)のgのような形状をしているとする。この直進性調整用標準テ−プ8を、記録トラック直進性調整を行おうとする磁気記録再生装置にて再生すると、エンベロープ信号の検波波形の曲がり分が図10(b)のhのようになる。このエンベロープ信号の検波波形の曲がり分hから、先に求めた直進性調整用標準テ−プ8の直進性誤差gを差し引くことにより、図10(c)のように記録トラック直進性調整を行おうとする磁気記録再生装置の記録再生トラックの直進性を直進性調整用標準テ−プ8自体の直進性誤差の影響を排除して表示することができる。ここで、図10(c)の「h−g」の波形を、波線がフラットになるように記録トラック直進性調整を行えば記録トラック直進性調整を行う磁気記録再生装置の記録再生パターンの直進性は直進性調整用標準テ−プ8の直進性誤差を含まずにより精度良く調整することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成では、直進性調整用標準テ−プ8のテープ幅はフォーマットで決められた基準の幅を中心として、所定の許容幅をもっている。このテープ幅のばらつきが、記録トラック直進性調整精度に対して悪影響を生じ、記録トラック直進性調整精度を悪化させる原因となる問題点が存在する。その問題点を以下に説明する。
【0016】
以下図1〜図6を用いて説明する。今仮に図1に示すように、直進性調整用標準テ−プ8の幅がフォーマットで決められた基準値W1であり、この状態で図1のように記録トラック直進性調整されているとする。この記録トラック直進性調整された磁気記録再生装置で、直進性調整用標準テ−プ8と同じテープ幅W1の磁気テープ8にて記録すると走行状態は図1のように直進性調整用標準テ−プ8を走行させた時と同じ走行をし、そのテープパターンは図4のようにほぼ直線となる。
【0017】
次に、前記のように基準のテープ幅W1の直進性調整用標準テ−プ8で記録トラック直進性調整された磁気記録再生装置において、図2に示すように基準のテープ幅W1より広いテープ幅W2の磁気テープを使用して記録する場合を考える。この場合、磁気テープ8はガイドローラー16および17と回転シリンダー15の外周に設けられたリード部15aとの間に挟み込まれる状態になる。すなわち、図2のAおよびBの近傍において、磁気テープ8は変形してしまうこととなり、このW2の幅の磁気テープ8の記録パターンは図5のGおよびHのようにフォーマット基準の直線に対して曲がってしまい、直進性の誤差を持つこととなる。
【0018】
逆に、基準のテープ幅W1の直進性調整用標準テ−プ8aで記録トラック直進性調整された磁気記録再生装置において、図3に示すように基準テープ幅W1より狭いテープ幅W3の磁気テープを使用して記録する場合を考える。この場合、磁気テープ8はガイドローラー16および17と回転シリンダー15のリード部15aとの間で隙間を持って走行することとなる。すなわち、図3のCおよびDの近傍において、磁気テープ8は回転シリンダー15のリード部15aから離れて走行することとなり、このW3の幅の磁気テープ8の記録パターンは図6のIおよびJのようにフォーマット基準の直線に対して曲がってしまい、直進性の誤差を持つこととなる。
【0019】
この時、磁気テープ8の幅が、記録トラック直進性調整を行った磁気テープ8の幅よりも広い場合と狭い場合で、図5および図6からわかるように直進性誤差を持つ方向が反対となる点である。よって、許容範囲内で各幅のテープが存在することを考えると、フォーマットの直線に対する直進性誤差を最小とするためには、直進性調整用標準テ−プ8の幅は許容テープ幅のセンターすなわち基準値W1であれば良いと考えられる。しかしながら、直進性調整用標準テ−プ8用として常に基準値にほぼ近い幅のテープを用意するのは磁気テープの制作精度上困難であるという問題点が存在した。
【0020】
本発明は上記問題点を解決するもので、フォーマットの許容範囲内でどのようなテープ幅の記録再生直進性調整用磁気テープを用いても、精度良く記録トラック直進性調整を行うことができる記録トラック直進性調整装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明の記録トラック直進性調整装置は、磁気記録再生装置の記録トラック直進性調整用の直進性調整用磁気テ−プと、記録トラック直進性を測定する第1の直進性測定手段と、前記第1の直進性測定手段によって測定した記録トラック直進性データを記憶する第1の記憶手段と、前記直進性調整用磁気テ−プを再生させながら記録済磁気テ−プの記録トラック直進性を測定する第2の直進性測定手段と、前記第2の直進性測定手段によって測定した記録トラック直進性データを記憶する第2の記憶手段とを備えたものである。
【0022】
また、検査メカニズムの記録トラック直進性を第1の直進性測定手段にて測定し、その結果データを第1の記憶手段に記憶し、直進性調整用磁気テープを前記検査メカニズムで再生させながら第2の直進性測定手段で記録トラック直進性を測定する際に前記第1の記憶手段に記憶したデータを差し引くことにより前記検査メカニズムの記録トラック直進性誤差の影響無しに前記直進性調整用磁気テープ自体の記録トラック直進性を測定し、前記直進性調整用磁気テープ自体の記録トラック直進性データを第2の記憶手段に記憶し、他の磁気記録再生装置にて記録トラック直進性調整を行う際に前記直進性調整用磁気テ−プを走行させながら前記第2の直進性測定手段にて記録トラック直進性を測定し、この測定結果から前記第2の記憶手段のデータを差し引くことにより直進性調整用磁気テープ自体の直進性誤差の影響無しに記録トラック直進性調整を行うものである。
【0023】
本発明は前記構成により、従来例のように記録再生直進性調整用磁気テープとして特別にテープの幅を選別すること無しに、フォーマットの許容範囲内でどのようなテープ幅の記録再生直進性調整用磁気テープを用いても、精度良く磁気記録再生装置の記録トラック直進性調整を行うことが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1及び2に記載の発明は、磁気記録再生装置の記録トラック直進性調整用の直進性調整用磁気テ−プと、記録トラック直進性を測定する第1の直進性測定手段と、前記第1の直進性測定手段によって測定した記録トラック直進性データを記憶する第1の記憶手段と、前記直進性調整用磁気テ−プを再生させながら記録済磁気テ−プの記録トラック直進性を測定する第2の直進性測定手段と、前記第2の直進性測定手段によって測定した記録トラック直進性データを記憶する第2の記憶手段とを備えたものであり、そしてこのような構成により従来例のように記録再生直進性調整用磁気テープとして特別にテープの幅を選別すること無しに、フォーマットの許容範囲内でどのようなテープ幅の記録再生直進性調整用磁気テープを用いても、精度良く磁気記録再生装置の記録トラック直進性調整を行うことが可能となる。
【0025】
以下、本発明の記録トラック直進性調整装置について図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図7は、磁気記録再生装置に使用されているテープ駆動装置の平面図である。
【0026】
図7において、1は回転駆動されるキャプスタン、8は記録再生に用いられる磁気テ−プ、11は規制ポスト、12はピンチア−ム、13はピンチア−ム支柱、15は回転シリンダ、16および17はガイドロ−ラ−、18はキャプスタン1と共に磁気テ−プ8を挟持して移送するピンチロ−ラ−である。
【0027】
以下、図7のような磁気記録再生装置において、記録トラック直進性調整を行う構成について図12を用いて説明する。
【0028】
まず、直進性検査メカニズム122を設定する。この直進性検査メカニズム122はあらかじめ従来の方法にて記録トラック直進性調整がなされている。この調整状態は、図1から図3に示すように基準のテープ幅W1で最も直進性誤差が少なくなるように調整する。これは、基準幅W1および幅広W2および幅狭W3のテープを記録して、その現像パターンの直進性を第1の直進性測定部125にて測定しながら行う。以上の記録トラック直進性調整が完了した段階でのテープ幅W1での直進性測定部125測定の直進性データ126を、検査メカニズムの直進性誤差データとする。
【0029】
次に、直進性調整用磁気テープ121を直進性検査メカニズム122で再生して、第2の直進性測定部123を使用して直進性を測定する。この直進性測定部123で測定した直進性データ124から、第1の記憶部126に記憶した直進性検査メカニズム122の第1の直進性測定部125による直進性データ126を直進性誤差排除部127で差し引くことにより、直進性検査メカニズム122の直進性誤差を排除することができ、直進性調整用磁気テープ121だけの直進性誤差データを得ることができる。この時、この直進性調整用テープのテープ幅が基準のW1より幅広W2および幅狭W3であった場合は、テープ幅の差による直進性誤差が図5および図6に示すように発生し、この誤差分が本来の直進性調整テープの直進性誤差に加算された状態で直進性誤差データとして第2の記憶部128に記憶される。なお、第1の直進性測定部125は特許請求の範囲記載の第1の直進性測定手段を構成し、第2の直進性測定部123は特許請求の範囲記載の第2の直進性測定手段を構成する。
【0030】
図14を用いて説明する。直進性を調整しようとする磁気記録再生装置142が存在する場合、磁気記録再生装置142で直進性調整用標準テ−プ141を再生して、再生時の直進性を第3の直進性測定部143で測定する。この第3の直進性測定部143で測定した直進性データから、先に求めた第2の記憶部128に記憶した直進性データを直進性排除部145で差し引くと、直進性調整用磁気テープ自体の直進性誤差を排除することとなり、第4の直進性測定部146で直進性を調整しようとする磁気記録再生装置142だけの直進性を測定することができる。よって、この磁気記録再生装置自体の直進性が、直進するように、図8のガイドローラー16および17を上下して、記録トラック直進性調整部147で直進性調整の記録トラック直進性調整を行うことができる。なお、第3の直進性測定部143と第4の直進性測定部146とで、特許請求の範囲記載の第2の直進性測定手段を構成する。
【0031】
以上の手順を直進性データの流れから再度、図10および図11を用いて説明する。
【0032】
前記において検査メカニズムの直進性調整状態が、基準のテープ幅W1で最も直進性誤差が少ない状態で記録トラック直進性調整するとした。この時、検査メカニズムで基準のテープ幅W1を記録したときの現像記録パターンの直進性を直進性測定部で測定した時の直進性形状をiとする。よって、この反転形状iaをこの反転形状iに加えた「i+ia」は波線のようにフラットになるから、検査メカニズム自体の直進性誤差の影響を排除できることとなる。この反転形状iaを第1の記憶部に記憶する。
【0033】
次に、直進性調整用標準テ−プ8を検査メカニズムにおいて走行させながら直進性を測定する際に、第1の記憶部に記憶した検査メカニズム自体の直進性誤差の反転形状iaを加算することにより、直進性調整用標準テ−プ8自体の直進性を測定することができる。この形状がgのような形状をしているとする。このgの直進性データを第2の記憶部に記憶する。
【0034】
次に、ある磁気記録再生装置を記録トラック直進性調整する場合について、図10を用いて説明する。この直進性調整用標準テ−プ8を、記録トラック直進性調整を行おうとする磁気記録再生装置にて再生すると、エンベロープ信号の検波波形の曲がり分が図10(b)のhのように表示されるとする。
【0035】
このエンベロープ信号の検波波形の曲がり分hから、図10(a)に示す先に求めた直進性調整用標準テ−プ8の直進性誤差gを差し引くことにより、記録トラック直進性調整を行おうとする磁気記録再生装置の記録再生トラックの直進性を直進性調整用標準テ−プ8自体の直進性誤差の影響を排除して表示することができる。ここで、図10(c)の「h−g」の波形がフラットになるように記録トラック直進性調整を行えば、記録トラック直進性調整を行う磁気記録再生装置の記録再生パターンの直進性は直進性調整用標準テ−プ8の直進性誤差を含まずにより精度良く調整することができる。
【0036】
今ここで重要であるのは、前記直進性調整用テープの幅が基準値W1ではなくて、幅広のW2および幅狭のW3の場合である。たとえば、幅広のW2の場合通常であれば、この幅広W2に対して図1のようにテープに対して変形が最も少ないように記録トラック直進性調整がされる。よって基準幅W1で記録トラック直進性調整された場合と比較して幅広W2で調整されたメカニズムにおいては、幅狭W3のテープが走行した場合、CおよびD部において隙間がより大きくなり、直進性誤差が大きくなる。よって、幅広テープW3で記録トラック直進性調整を行う場合は、基準幅W1が走行したときに、最も直進性誤差が少なくなるように、図1の16および17のガイドローラーを本来下げる必要がある。しかし、本発明の記録トラック直進性調整手順によれば前記に説明したように、直進性調整用の磁気テープが幅広のW3であった場合は、幅広による直進性誤差増加分、つまり図5のGおよびH部の直進性誤差も第2の記憶部に直進性調整用テープの誤差として加算されている。よって、図14に示す記録トラック直進性調整時に直進性整用テープの直進性誤差とテープ幅誤差による直進性誤差を補正して記録トラック直進性調整がなされる。
【0037】
結果として、幅広W3の直進性調整テープを用いても基準幅W1の直進性調整テープを用いて調整を行ったのと同様な記録トラック直進性調整が可能となる。また、直進性調整テープの幅が狭いW2の場合も全く同様である。
【0038】
以上のように本実施の形態によれば、磁気記録再生装置の記録トラック直進性調整状態は、基準幅W1のテープに対して最も直進性が良好なように調整されたこととなる。
【0039】
【発明の効果】
以上のように本発明の記録トラック直進性調整装置によれば、磁気記録再生装置の記録再生パターンの直進性を調整する際に、直進性調整用磁気テープ自体のテープ幅が基準値と異なり幅広および幅狭であっても、あたかも基準のテープ幅の直進性調整用磁気テープを使用して調整を行ったのと同様の調整が可能となる。この事により、この記録トラック直進性調整された磁気記録再生装置は記録再生するテープ幅のばらつきに対して最も直進性誤差の少ない状態に記録トラック直進性調整が行えるという効果がある。
【0040】
また、直進性調整用磁気テープのテープ幅を厳密に管理しなくとも、テープ幅の影響を最も受けにくい走行状態に磁気記録再生装置を調整することが可能となり、直進性調整用磁気テープの製造上大変有利となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における直進性調整済みの磁気テープの模式図
【図2】同実施の形態における幅広の磁気テープの走行状態を示す模式図
【図3】同実施の形態における幅狭の磁気テープの走行状態を示す模式図
【図4】直進性調整済みの磁気テープのテープパターンを示す模式図
【図5】幅広の磁気テープのテープパターンを示す模式図
【図6】幅狭の磁気テープのテープパターンを示す模式図
【図7】磁気記録再生装置におけるテープ駆動装置の平面図
【図8】記録再生時の記録パターンの模式図
【図9】再生エンベロープの信号波形図
【図10】再生エンベロープ信号の検波波形図
【図11】再生エンベロープ信号の検波波形図
【図12】本実施の形態の記録トラック直進性調整装置の構成を示すブロック図
【図13】従来技術における記録トラック直進性調整装置の構成を示すブロック図
【図14】記録トラック直進性調整装置を示すブロック図
【符号の説明】
121 直進性調整用磁気テープ
123 第2の直進性測定部
125 第1の直進性測定部
126 第1の記憶部
127 直進性誤差排除部
128 第2の記憶部
【発明が属する技術分野】
本発明は、テ−プ状媒体を用いて記録再生を行うテ−プレコ−ダ−やVTR等の磁気記録再生装置に使用して有効な記録トラック直進性調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、テ−プレコ−ダ−やカメラ一体型VTR等は小型軽量化および高画質化の要求が強く、そのため磁気テ−プに対する記録密度をますます高くしていく必要がある。よって記録密度を上げるために、例えばヘリカルスキャン方式のVTRの場合1トラック当たりのトラック幅が狭くなってきており、VTR相互の互換再生を保証するためには、今まで以上に高精度に磁気テ−プに記録される記録再生パタ−ンの直進性の確保が重要な要因になってきている。
【0003】
以下に従来の磁気記録再生装置の記録トラック直進性調整装置について説明する。
【0004】
図7は、磁気記録再生装置に使用されているテ−プ駆動装置の平面図である。図7において、1は回転駆動されるキャプスタン、8は記録再生に用いられる磁気テ−プ、11は規制ポスト、12はピンチア−ム、13はピンチアーム12の回動軸であるピンチア−ム支柱、15は磁気テープ8が巻回され信号の記録再生を行う回転シリンダ、16および17はガイドロ−ラ−、18はキャプスタン1と共に磁気テ−プ8を挟持することにより磁気テープ8を移送可能なピンチロ−ラ−である。
【0005】
以上のような従来の磁気記録再生装置において、他の装置により記録された磁気テ−プを再生できるように、いわゆる互換再生を確保するためにあらかじめ決められた磁気テ−プに対する記録パタ−ンの形状が各記録方式のフォ−マットごとに決められている。この記録パタ−ンのフォ−マットの中でも、前記の互換再生を確保するために重要となってくるのが、記録パタ−ンの直進性である。
【0006】
図8を用いて説明する。今記録パタ−ンのフォ−マットが図8の8bに示す波線のように真に直進的であるとする。このとき仮に8aに示すように記録パタ−ンが前記フォ−マットに対して曲がっていれば、磁気ヘッド15bによる再生エンベロ−プ信号は例えば図9の実線9aに示すようにフラットにはならない。このため、記録パタ−ンの直進性誤差がある限度をこえると再生画面にノイズ等が発生する等の不具合が発生する。本来記録パタ−ンが8bのように記録されていれば、再生エンベロ−プ信号は図9の9bのようにフラットとなりこのような問題は発生しない。そこで通常の磁気記録再生装置では、前記のような互換再生による画面ノイズ等の問題が発生しないように、各磁気記録再生装置の磁気ヘッド15bがフォ−マット通りの記録パタ−ンを記録再生できるように、磁気テ−プ8がシリンダ15のリ−ド15aを走行する状態を調整する、いわゆる記録トラック直進性調整を行う。
【0007】
以下にその記録トラック直進性調整装置を説明する。
まず、記録トラック直進性調整に用いる直進性調整用標準テ−プ8を作成する。この直進性調整用標準テ−プ8には、図8の8bに示すようにフォ−マット通り、可能な限り直進性が良好なように記録を行う。このような直進性調整用標準テ−プ8をこれから記録トラック直進性調整しようとする磁気記録再生装置にて再生した時の再生信号に着目する。
【0008】
この時再生エンベロープ信号が図9の9bのようにフラットとなるように、ガイドロ−ラ16および17を図8のLおよびM方向、NおよびO方向に上下させて調整を行えば、磁気ヘッド15bが正しく記録パタ−ン8b上を走行できるように記録トラック直進性調整されたと考えられる。
【0009】
すなわち、図8の磁気ヘッド15bはフォ−マット通りの記録パタ−ン直進性を確保して、記録再生を行うことができる。これによりこの磁気記録再生装置は、互換記録再生を実現することができる。
【0010】
ところで、以上の記録トラック直進性調整手順よりもさらに精度良く直進性確保のための記録トラック直進性調整を行おうとすると、問題点が存在する。すなわち前記の記録トラック直進性調整手順において、可能な限り直進性が良好なように記録を行い、直進性調整用標準テ−プ8を作成すると説明したが、理想値に対して誤差を全く持たないようにすることは困難である。よって、記録トラック直進性調整を行おうとする磁気記録再生装置は、少なくともこの直進性調整用標準テ−プ8が持つ直進性誤差分だけはフォ−マットに対して直進性の誤差をもって記録トラック直進性調整されてしまう可能性がある。よって、前記直進性調整用標準テ−プ8の作成精度のばらつきにより磁気記録再生装置の直進性の精度がばらつくという問題点が存在する。
【0011】
そこで、このような直進性調整用標準テ−プ8の直進性誤差を補正して記録トラック直進性調整を行うことが考えられた。
【0012】
図13のブロック図を用いて説明する。まず、直進性調整用標準テ−プ8を直進性調整用磁気テープ現像部132で現像して、そのパターンから直進性を直進性測定部133にて測定する。直進性測定部133で測定した直進性データを、直進性調整用標準テープ8の直進性データとして記憶部134に記憶する。
【0013】
また図14のブロック図を用いて、直進性を調整しようとする磁気記録再生装置が存在する場合について説明する。この磁気記録再生装置142で直進性調整用標準テ−プ141を再生して、再生時の直進性を第1の直進性測定部143で測定する。この第1の直進性測定部143で測定した直進性データから、先に求めた第2の記憶部144に記憶した直進性データを、直進性排除部145で差し引くと直進性調整用磁気テープ自体の直進性誤差を排除することとなり、第2の直進性測定部146で直進性を調整しようとする磁気記録再生装置だけの直進性を測定することができる。よって、この磁気記録再生装置自体の直進性が、直進するように、図8のガイドローラー16および17を上下して、直進性調整の記録トラック直進性調整を行うことができる。
【0014】
以上の手順を直進性データの流れから再度、図10を用いて説明する。図10は直進性調整用標準テープのエンベロープ信号の検波波形を示すものである。直進性調整用標準テ−プ8の直進性誤差を前記のように直進性測定手段において測定する。この形状が図10(a)のgのような形状をしているとする。この直進性調整用標準テ−プ8を、記録トラック直進性調整を行おうとする磁気記録再生装置にて再生すると、エンベロープ信号の検波波形の曲がり分が図10(b)のhのようになる。このエンベロープ信号の検波波形の曲がり分hから、先に求めた直進性調整用標準テ−プ8の直進性誤差gを差し引くことにより、図10(c)のように記録トラック直進性調整を行おうとする磁気記録再生装置の記録再生トラックの直進性を直進性調整用標準テ−プ8自体の直進性誤差の影響を排除して表示することができる。ここで、図10(c)の「h−g」の波形を、波線がフラットになるように記録トラック直進性調整を行えば記録トラック直進性調整を行う磁気記録再生装置の記録再生パターンの直進性は直進性調整用標準テ−プ8の直進性誤差を含まずにより精度良く調整することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成では、直進性調整用標準テ−プ8のテープ幅はフォーマットで決められた基準の幅を中心として、所定の許容幅をもっている。このテープ幅のばらつきが、記録トラック直進性調整精度に対して悪影響を生じ、記録トラック直進性調整精度を悪化させる原因となる問題点が存在する。その問題点を以下に説明する。
【0016】
以下図1〜図6を用いて説明する。今仮に図1に示すように、直進性調整用標準テ−プ8の幅がフォーマットで決められた基準値W1であり、この状態で図1のように記録トラック直進性調整されているとする。この記録トラック直進性調整された磁気記録再生装置で、直進性調整用標準テ−プ8と同じテープ幅W1の磁気テープ8にて記録すると走行状態は図1のように直進性調整用標準テ−プ8を走行させた時と同じ走行をし、そのテープパターンは図4のようにほぼ直線となる。
【0017】
次に、前記のように基準のテープ幅W1の直進性調整用標準テ−プ8で記録トラック直進性調整された磁気記録再生装置において、図2に示すように基準のテープ幅W1より広いテープ幅W2の磁気テープを使用して記録する場合を考える。この場合、磁気テープ8はガイドローラー16および17と回転シリンダー15の外周に設けられたリード部15aとの間に挟み込まれる状態になる。すなわち、図2のAおよびBの近傍において、磁気テープ8は変形してしまうこととなり、このW2の幅の磁気テープ8の記録パターンは図5のGおよびHのようにフォーマット基準の直線に対して曲がってしまい、直進性の誤差を持つこととなる。
【0018】
逆に、基準のテープ幅W1の直進性調整用標準テ−プ8aで記録トラック直進性調整された磁気記録再生装置において、図3に示すように基準テープ幅W1より狭いテープ幅W3の磁気テープを使用して記録する場合を考える。この場合、磁気テープ8はガイドローラー16および17と回転シリンダー15のリード部15aとの間で隙間を持って走行することとなる。すなわち、図3のCおよびDの近傍において、磁気テープ8は回転シリンダー15のリード部15aから離れて走行することとなり、このW3の幅の磁気テープ8の記録パターンは図6のIおよびJのようにフォーマット基準の直線に対して曲がってしまい、直進性の誤差を持つこととなる。
【0019】
この時、磁気テープ8の幅が、記録トラック直進性調整を行った磁気テープ8の幅よりも広い場合と狭い場合で、図5および図6からわかるように直進性誤差を持つ方向が反対となる点である。よって、許容範囲内で各幅のテープが存在することを考えると、フォーマットの直線に対する直進性誤差を最小とするためには、直進性調整用標準テ−プ8の幅は許容テープ幅のセンターすなわち基準値W1であれば良いと考えられる。しかしながら、直進性調整用標準テ−プ8用として常に基準値にほぼ近い幅のテープを用意するのは磁気テープの制作精度上困難であるという問題点が存在した。
【0020】
本発明は上記問題点を解決するもので、フォーマットの許容範囲内でどのようなテープ幅の記録再生直進性調整用磁気テープを用いても、精度良く記録トラック直進性調整を行うことができる記録トラック直進性調整装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明の記録トラック直進性調整装置は、磁気記録再生装置の記録トラック直進性調整用の直進性調整用磁気テ−プと、記録トラック直進性を測定する第1の直進性測定手段と、前記第1の直進性測定手段によって測定した記録トラック直進性データを記憶する第1の記憶手段と、前記直進性調整用磁気テ−プを再生させながら記録済磁気テ−プの記録トラック直進性を測定する第2の直進性測定手段と、前記第2の直進性測定手段によって測定した記録トラック直進性データを記憶する第2の記憶手段とを備えたものである。
【0022】
また、検査メカニズムの記録トラック直進性を第1の直進性測定手段にて測定し、その結果データを第1の記憶手段に記憶し、直進性調整用磁気テープを前記検査メカニズムで再生させながら第2の直進性測定手段で記録トラック直進性を測定する際に前記第1の記憶手段に記憶したデータを差し引くことにより前記検査メカニズムの記録トラック直進性誤差の影響無しに前記直進性調整用磁気テープ自体の記録トラック直進性を測定し、前記直進性調整用磁気テープ自体の記録トラック直進性データを第2の記憶手段に記憶し、他の磁気記録再生装置にて記録トラック直進性調整を行う際に前記直進性調整用磁気テ−プを走行させながら前記第2の直進性測定手段にて記録トラック直進性を測定し、この測定結果から前記第2の記憶手段のデータを差し引くことにより直進性調整用磁気テープ自体の直進性誤差の影響無しに記録トラック直進性調整を行うものである。
【0023】
本発明は前記構成により、従来例のように記録再生直進性調整用磁気テープとして特別にテープの幅を選別すること無しに、フォーマットの許容範囲内でどのようなテープ幅の記録再生直進性調整用磁気テープを用いても、精度良く磁気記録再生装置の記録トラック直進性調整を行うことが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1及び2に記載の発明は、磁気記録再生装置の記録トラック直進性調整用の直進性調整用磁気テ−プと、記録トラック直進性を測定する第1の直進性測定手段と、前記第1の直進性測定手段によって測定した記録トラック直進性データを記憶する第1の記憶手段と、前記直進性調整用磁気テ−プを再生させながら記録済磁気テ−プの記録トラック直進性を測定する第2の直進性測定手段と、前記第2の直進性測定手段によって測定した記録トラック直進性データを記憶する第2の記憶手段とを備えたものであり、そしてこのような構成により従来例のように記録再生直進性調整用磁気テープとして特別にテープの幅を選別すること無しに、フォーマットの許容範囲内でどのようなテープ幅の記録再生直進性調整用磁気テープを用いても、精度良く磁気記録再生装置の記録トラック直進性調整を行うことが可能となる。
【0025】
以下、本発明の記録トラック直進性調整装置について図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図7は、磁気記録再生装置に使用されているテープ駆動装置の平面図である。
【0026】
図7において、1は回転駆動されるキャプスタン、8は記録再生に用いられる磁気テ−プ、11は規制ポスト、12はピンチア−ム、13はピンチア−ム支柱、15は回転シリンダ、16および17はガイドロ−ラ−、18はキャプスタン1と共に磁気テ−プ8を挟持して移送するピンチロ−ラ−である。
【0027】
以下、図7のような磁気記録再生装置において、記録トラック直進性調整を行う構成について図12を用いて説明する。
【0028】
まず、直進性検査メカニズム122を設定する。この直進性検査メカニズム122はあらかじめ従来の方法にて記録トラック直進性調整がなされている。この調整状態は、図1から図3に示すように基準のテープ幅W1で最も直進性誤差が少なくなるように調整する。これは、基準幅W1および幅広W2および幅狭W3のテープを記録して、その現像パターンの直進性を第1の直進性測定部125にて測定しながら行う。以上の記録トラック直進性調整が完了した段階でのテープ幅W1での直進性測定部125測定の直進性データ126を、検査メカニズムの直進性誤差データとする。
【0029】
次に、直進性調整用磁気テープ121を直進性検査メカニズム122で再生して、第2の直進性測定部123を使用して直進性を測定する。この直進性測定部123で測定した直進性データ124から、第1の記憶部126に記憶した直進性検査メカニズム122の第1の直進性測定部125による直進性データ126を直進性誤差排除部127で差し引くことにより、直進性検査メカニズム122の直進性誤差を排除することができ、直進性調整用磁気テープ121だけの直進性誤差データを得ることができる。この時、この直進性調整用テープのテープ幅が基準のW1より幅広W2および幅狭W3であった場合は、テープ幅の差による直進性誤差が図5および図6に示すように発生し、この誤差分が本来の直進性調整テープの直進性誤差に加算された状態で直進性誤差データとして第2の記憶部128に記憶される。なお、第1の直進性測定部125は特許請求の範囲記載の第1の直進性測定手段を構成し、第2の直進性測定部123は特許請求の範囲記載の第2の直進性測定手段を構成する。
【0030】
図14を用いて説明する。直進性を調整しようとする磁気記録再生装置142が存在する場合、磁気記録再生装置142で直進性調整用標準テ−プ141を再生して、再生時の直進性を第3の直進性測定部143で測定する。この第3の直進性測定部143で測定した直進性データから、先に求めた第2の記憶部128に記憶した直進性データを直進性排除部145で差し引くと、直進性調整用磁気テープ自体の直進性誤差を排除することとなり、第4の直進性測定部146で直進性を調整しようとする磁気記録再生装置142だけの直進性を測定することができる。よって、この磁気記録再生装置自体の直進性が、直進するように、図8のガイドローラー16および17を上下して、記録トラック直進性調整部147で直進性調整の記録トラック直進性調整を行うことができる。なお、第3の直進性測定部143と第4の直進性測定部146とで、特許請求の範囲記載の第2の直進性測定手段を構成する。
【0031】
以上の手順を直進性データの流れから再度、図10および図11を用いて説明する。
【0032】
前記において検査メカニズムの直進性調整状態が、基準のテープ幅W1で最も直進性誤差が少ない状態で記録トラック直進性調整するとした。この時、検査メカニズムで基準のテープ幅W1を記録したときの現像記録パターンの直進性を直進性測定部で測定した時の直進性形状をiとする。よって、この反転形状iaをこの反転形状iに加えた「i+ia」は波線のようにフラットになるから、検査メカニズム自体の直進性誤差の影響を排除できることとなる。この反転形状iaを第1の記憶部に記憶する。
【0033】
次に、直進性調整用標準テ−プ8を検査メカニズムにおいて走行させながら直進性を測定する際に、第1の記憶部に記憶した検査メカニズム自体の直進性誤差の反転形状iaを加算することにより、直進性調整用標準テ−プ8自体の直進性を測定することができる。この形状がgのような形状をしているとする。このgの直進性データを第2の記憶部に記憶する。
【0034】
次に、ある磁気記録再生装置を記録トラック直進性調整する場合について、図10を用いて説明する。この直進性調整用標準テ−プ8を、記録トラック直進性調整を行おうとする磁気記録再生装置にて再生すると、エンベロープ信号の検波波形の曲がり分が図10(b)のhのように表示されるとする。
【0035】
このエンベロープ信号の検波波形の曲がり分hから、図10(a)に示す先に求めた直進性調整用標準テ−プ8の直進性誤差gを差し引くことにより、記録トラック直進性調整を行おうとする磁気記録再生装置の記録再生トラックの直進性を直進性調整用標準テ−プ8自体の直進性誤差の影響を排除して表示することができる。ここで、図10(c)の「h−g」の波形がフラットになるように記録トラック直進性調整を行えば、記録トラック直進性調整を行う磁気記録再生装置の記録再生パターンの直進性は直進性調整用標準テ−プ8の直進性誤差を含まずにより精度良く調整することができる。
【0036】
今ここで重要であるのは、前記直進性調整用テープの幅が基準値W1ではなくて、幅広のW2および幅狭のW3の場合である。たとえば、幅広のW2の場合通常であれば、この幅広W2に対して図1のようにテープに対して変形が最も少ないように記録トラック直進性調整がされる。よって基準幅W1で記録トラック直進性調整された場合と比較して幅広W2で調整されたメカニズムにおいては、幅狭W3のテープが走行した場合、CおよびD部において隙間がより大きくなり、直進性誤差が大きくなる。よって、幅広テープW3で記録トラック直進性調整を行う場合は、基準幅W1が走行したときに、最も直進性誤差が少なくなるように、図1の16および17のガイドローラーを本来下げる必要がある。しかし、本発明の記録トラック直進性調整手順によれば前記に説明したように、直進性調整用の磁気テープが幅広のW3であった場合は、幅広による直進性誤差増加分、つまり図5のGおよびH部の直進性誤差も第2の記憶部に直進性調整用テープの誤差として加算されている。よって、図14に示す記録トラック直進性調整時に直進性整用テープの直進性誤差とテープ幅誤差による直進性誤差を補正して記録トラック直進性調整がなされる。
【0037】
結果として、幅広W3の直進性調整テープを用いても基準幅W1の直進性調整テープを用いて調整を行ったのと同様な記録トラック直進性調整が可能となる。また、直進性調整テープの幅が狭いW2の場合も全く同様である。
【0038】
以上のように本実施の形態によれば、磁気記録再生装置の記録トラック直進性調整状態は、基準幅W1のテープに対して最も直進性が良好なように調整されたこととなる。
【0039】
【発明の効果】
以上のように本発明の記録トラック直進性調整装置によれば、磁気記録再生装置の記録再生パターンの直進性を調整する際に、直進性調整用磁気テープ自体のテープ幅が基準値と異なり幅広および幅狭であっても、あたかも基準のテープ幅の直進性調整用磁気テープを使用して調整を行ったのと同様の調整が可能となる。この事により、この記録トラック直進性調整された磁気記録再生装置は記録再生するテープ幅のばらつきに対して最も直進性誤差の少ない状態に記録トラック直進性調整が行えるという効果がある。
【0040】
また、直進性調整用磁気テープのテープ幅を厳密に管理しなくとも、テープ幅の影響を最も受けにくい走行状態に磁気記録再生装置を調整することが可能となり、直進性調整用磁気テープの製造上大変有利となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における直進性調整済みの磁気テープの模式図
【図2】同実施の形態における幅広の磁気テープの走行状態を示す模式図
【図3】同実施の形態における幅狭の磁気テープの走行状態を示す模式図
【図4】直進性調整済みの磁気テープのテープパターンを示す模式図
【図5】幅広の磁気テープのテープパターンを示す模式図
【図6】幅狭の磁気テープのテープパターンを示す模式図
【図7】磁気記録再生装置におけるテープ駆動装置の平面図
【図8】記録再生時の記録パターンの模式図
【図9】再生エンベロープの信号波形図
【図10】再生エンベロープ信号の検波波形図
【図11】再生エンベロープ信号の検波波形図
【図12】本実施の形態の記録トラック直進性調整装置の構成を示すブロック図
【図13】従来技術における記録トラック直進性調整装置の構成を示すブロック図
【図14】記録トラック直進性調整装置を示すブロック図
【符号の説明】
121 直進性調整用磁気テープ
123 第2の直進性測定部
125 第1の直進性測定部
126 第1の記憶部
127 直進性誤差排除部
128 第2の記憶部
Claims (2)
- 磁気記録再生装置の記録トラック直進性調整用の直進性調整用磁気テ−プと、記録トラック直進性を測定する第1の直進性測定手段と、前記第1の直進性測定手段によって測定した記録トラック直進性データを記憶する第1の記憶手段と、前記直進性調整用磁気テ−プを再生させながら記録済磁気テ−プの記録トラック直進性を測定する第2の直進性測定手段と、前記第2の直進性測定手段によって測定した記録トラック直進性データを記憶する第2の記憶手段とを備えたことを特徴とする記録トラック直進性調整装置。
- 検査メカニズムの記録トラック直進性を第1の直進性測定手段にて測定し、その結果データを第1の記憶手段に記憶し、直進性調整用磁気テープを前記検査メカニズムで再生させながら第2の直進性測定手段で記録トラック直進性を測定する際に前記第1の記憶手段に記憶したデータを差し引くことにより前記検査メカニズムの記録トラック直進性誤差の影響無しに前記直進性調整用磁気テープ自体の記録トラック直進性を測定し、前記直進性調整用磁気テープ自体の記録トラック直進性データを第2の記憶手段に記憶し、他の磁気記録再生装置にて記録トラック直進性調整を行う際に前記直進性調整用磁気テ−プを走行させながら前記第2の直進性測定手段にて記録トラック直進性を測定し、この測定結果から前記第2の記憶手段のデータを差し引くことにより直進性調整用磁気テープ自体の直進性誤差の影響無しに記録トラック直進性調整を行うことを特徴とする記録トラック直進性調整装置。
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