JP3480926B2 - アレルギー反応抑制剤 - Google Patents

アレルギー反応抑制剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、メシマコブ(P
hellinuslinteus、以下単にPLともい
う)の菌糸体由来物質(メシマコブ菌糸体の培養濾液を
含む)を含有するアレルギー反応抑制剤に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】メシマコブ子実体の熱水抽出物は、サル
ノコシカケ科のキノコの中でも最も高い抗腫瘍効果が認
められているものである(J.Cancer Res. (Gann). 59 :
155-157) 。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、メシマ
コブの子実体又は菌糸体に関し、アレルギー反応抑制作
用は知られていない。そこで発明者は、メシマコブの薬
理効果として、アレルギー反応抑制作用に着目して鋭意
研究したところ、メシマコブの菌糸体由来物質、又はメ
シマコブ菌糸体の培養濾液には、顕著なアレルギー反応
抑制作用が存在することを知り本発明を完成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願発明は、下記の請求
項1〜請求項5により構成されている。 請求項1:メシマコブの菌糸体由来物質を含有すること
を特徴とするアレルギー反応抑制剤。 請求項2:メシマコブの菌糸体由来物質が、下記の
(1)〜(3)に記載する工程を順次経て得られるメシ
マコブ菌糸体の熱水抽出物である請求項1に記載するア
レルギー反応抑制剤。 (1) 液体培地でメシマコブの菌糸体を培養する工程
(2) 培養液からメシマコブの菌糸体を分離する工程 (3) メシマコブの菌糸体から熱水抽出物を得る工程 請求項3:メシマコブの菌糸体由来物質が、メシマコブ
菌糸体培養濾液である請求項1に記載するアレルギー反
応抑制剤。 請求項4:メシマコブ菌糸体、又はメシマコブ菌糸体培
養濾液が、下記の(1)〜(4)の条件を採用したメシ
マコブ菌糸体の培養方法により得られるものを用いる請
求項1〜請求項3に記載するアレルギー反応抑制剤。 (1) 液体培地にメシマコブ菌糸体を接種して、22
℃〜35℃で培養すること。 (2) 液体培地の炭素源として、グルコース、マンノ
ース、ガラクトース、スクロース、トレハロース、セロ
ビオース、マルトース、ラクトース、ラフィノースから
選択される1以上の糖類を使用すること。 (3) 好気的条件下で培養すること。 (4) 培養開始時の培地のpHを4.5〜6.5とす
ること。 請求項5:メシマコブ菌糸体の培養方法として、(イ)
培養期間が10日以上であり、(ロ)通気培養を行な
い、かつ(ハ)炭素源として3〜5%のグルコース、ス
クロース、又は/及びトレハロースを含有させた培養基
を用いる請求項4記載のアレルギー反応抑制剤。
【0005】本願発明を以上のように構成する主な理由
は、メシマコブの子実体を栽培しようとする研究は、現
在活発に行われているものの、未だ大型の子実体を得る
までには数年を要するので、大量培養が比較的容易な菌
糸体及びその培養液に着目したことによる。なお、本願
発明に係るメシマコブ菌糸体の培養濾液とは、液体培地
にメシマコブ菌糸体を接種して培養したものから、遠心
分離機、又は濾過装置により菌糸体を分離した残りの培
養液をいう。本願発明に係るメシマコブ菌糸体の熱水抽
出物、又はメシマコブの菌糸体培養濾液は、その成分の
まま、又は適宜賦形剤(乳糖、デキストリン等)を添加
して乾燥粉末とすることにより、保存性が向上し、又他
の一般食品や健康食品に混入するのに適したものとな
る。
【0006】
【発明の実施の形態】(A)メシマコブ菌糸体由来物質
(熱水抽出物)の乾燥粉末の製造 (イ)炭素源としてグルコースを4.0%、天然物由来
窒素源イーストエキス、及びポリぺプトンを各0.3
%、初発培地pH5.5の培養液1000lにメシマコ
ブの菌糸体を接種し、強制的に0.22μmフィルター
を通した無菌空気を通気量2l/minで培地内へ通気
し、温度28℃で12日間培養した。 (ロ)この培養液を遠心分離機を用いて(38,800
×G)、菌糸体と培養(濾)液に分離した。得られたペ
レット状の菌糸体80kg(含水率約90%)を大型の
ミキサーを用いて破砕した後、約10倍容の水を加えて
オートクレーブ内で加熱(121℃、90分、2回処
理)した。 (ハ)前記加熱物を、遠心分離機を用いを用いて(3
8,800G)、残渣を除き、メシマコブ菌糸体の熱水
抽出物を得た。 (ニ)この熱水抽出物を約70℃で、約1/10容まで
減圧濃縮した。 (ホ)濃縮物をスプレードライヤを用いて乾燥し、約
2.5kgの乾燥粉末を得た。この粉末は、そのまま、
又は他の任意の食品(粉末)又は任意の健康食品(粉
末)と混合して摂取することができる。なお、前記乾燥
粉末の製造においては、熱水抽出物又はその濃縮物に、
賦形剤(通常、デキストリン、乳糖等の糖質)を添加し
てスプレードライヤにかけると粉末化が容易となる。
【0007】(B)メシマコブ菌糸体由来物質(培養濾
液)の乾燥粉末の製造 前記(A)(ロ)で得られる培養(濾)液(固形分約
1.3%)を、約70℃で、約1/20容まで減圧濃縮
し、これをスプレードライヤを用いて乾燥し、約11.
5kgの乾燥粉末を得た。この粉末も、前記メシマコブ
菌糸体の熱水抽出物の乾燥粉末と同様にそのまま、又は
他の任意の食品(粉末)、又は任意の健康食品(粉末)
と混合して摂取することができる。なお、この乾燥粉末
の製造においても、培養(濾)液又はその濃縮物に、賦
形剤(通常、デキストリン、乳糖等の糖質)を添加して
スプレードライヤにかけると粉末化が容易となる)。
【0008】(C)マウス及びラットを用いた一般毒性
試験結果 下記の3種のメシマコブ(Phellinus linteus;PL) 菌
糸体由来成分の乾燥粉末を検査体として、OECDの化
学物質毒性試験指針(1987)に準拠し、マウス及び
ラットを用いた単回経口投与による急性毒性試験(限度
試験)を行なった。 検査体:PL菌糸体の乾燥品をミキサーで粉末とした
もの 検査体:PL菌糸体熱水抽出物の乾燥粉末(前記
(A)−(ホ)の乾燥粉末) 検査体:PL菌糸体培養濾液の乾燥粉末:(前記
(B)の乾燥粉末) 投与量は、厚生省GLPガイドラインに準じ、上記3種
のPL菌糸体由来成分を検査試料として用い、限界量と
しての2,000mg/Kgとその半量である1,00
0mg/Kg投与群を設定し行なった。又、対照として
は媒体の0.5%carboxymethyl cellulose sodium sal
t(CMC-Na) 溶液投与群を用い実施した。
【0009】その結果次の成績が得られた。 (イ)死亡率及びLD50値 雌雄マウス、ならびに雌雄ラットに、上記菌糸体由来成
分を1,000mg/Kg、及び2,000mg/Kg
の割合で強制経口投与した結果、いずれの投与群におい
ても、14日間の観察期間中に死亡例は認められなかっ
た。したがって、LD50値は算出されず、検査体のマ
ウス及びラットにおける致死量は共に、2,000mg
/Kg以上であると認められた。 (ロ)一般状態(中毒症状を含む)及び病理解剖検査 いずれの投与群においても、投与直後より特記すべき一
過性の中毒症状並びに一般状態の変化は認められなかっ
た。又、投与後14日目に実施した病理解剖学的検査に
おいても主要臓器に肉眼的著変、異状は認められなかっ
た。
【0010】(D)皮膚炎症モデルマウス(アトピー性
皮膚炎自然発生マウス、NC/ Nga,mouse )を用いた動物
実験(肉眼病理所見ならびに血中IgE総量の経時的測
定) (イ)検査体 検査体:PL菌糸体熱水抽出物の乾燥粉末(前記一般
毒性試験と同一) 検査体:PL菌糸体培養濾液の乾燥粉末(前記一般毒
性試験と同一) (ロ)マウスへの投与方法 飼料内への各検査体を下記の割合で混合したものを用い
た。 餌:検査体=10kg:5g 皮膚炎症モデルマウスの検査体摂取量は、1.5mg/
day(人換算3g/day)とした。
【0011】(ハ)Nc/Nga,mouse,cle
an,CV(雄、4週齢を日本SLCより入手)を用い
て、1群10匹の系で検査体投与群及びコントーロール
としての通常滅菌粉末飼料のみの投与群で実施した。上
記実験動物は入荷後1週間の予備飼育の後、第5週齢よ
り第16週齢に到るまでの間を観察期間とした。検査体
については、人(体重60kg)の経口摂取量(1日3
g)より換算し、マウス平均体重(30g)より約1.
5mgを1日摂取量とし、又1日の餌摂取量(5g)を
目安として投与量を決定した。なお、コントロール群
は、通常の滅菌粉末飼料のみの摂取とし行なった。 血
中IgE量の測定については、飼料摂取の1週間後(6
週齢)、4週後(9週齢)、7週間後(12週齢)、
11週間後(16週齢)の4回にわたり、マウス眼底静
脈層より採血を行ない、血清中のIgE総量の経時的変
化をマウスIgEに対する特異抗体を用いたサンドイッ
チライサ法により算出した。又、投与11週間後(16
週齢)における肉眼的皮膚所見について、観察比較し
た。
【0012】(ニ)実験結果 上記の各飼料の混合飼料摂取群においては、下表及び図
1に示すように、コントロール群と比較し有意に血中I
gE産生の抑制が認められる結果が得られた。
【0013】血中IgE値(ng/ml) この傾向は、PL菌糸体熱水抽出物の乾燥粉末投与群
において、特に顕著な結果であった。肉眼皮膚的所見に
おいては、コントロール群を除く各検査体の混合飼料摂
取群において明らかに皮膚アレルギー症状の抑制作用が
認められた。
【0014】(E)次に請求項4、及び請求項5に係る
メシマコブの菌糸体の培養方法について記載する。本願
発明に用いたメシマコブは、1998年10月に宮崎県
西諸県郡須木村で、子実体を採取し、株式会社アイビー
アイ(IBI)応用きのこ研究所で菌糸体化した上でP
L−08株として保存していたものを使用した。この菌
株は、子実体を農林水産省林野庁総合研究所 森林生物
部森林微生物科 腐朽病害研究室の阿部恭久博士の鑑定
により、メシマコブ子実体に特有の黄褐色の剛毛体を
持つこと、及び担子胞子の形態、からメシマコブと同
定されたものを用いた。供試菌株の前培養は、5℃で低
温保存してあった菌糸体を、内径90mmのペトリ皿内
のPotato Dextrose Agar培地(Difco 社製)へ接種し
て、25℃暗黒下で15日間表面培養した。この培養菌
糸体を内径5mmのコルクボーラーで切り取り(乾燥菌
糸体重量 0.35mgに相当)、試験に供した。
【0015】まず、下記の1〜8の項目に対する試験を
行なった。 (1)菌糸体成長の温度特性 (2)菌糸体成長の初発pH特性 (3)菌糸体成長に及ぼす炭素源の種類の効果 (4)菌糸体成長に及ぼす窒素源の種類の効果 (5)菌糸体成長に及ぼす至適炭素源濃度 (6)3種のキノコ菌糸体成長に対する通気液体培養効
果 (7)3種の炭素源を用いた通気液体培養 (8)炭素源として用いたグルコースの通気液体培養に
よる消費率 次に、これらの試験について更に詳しく記載する。
【0016】(1)菌糸体成長の温度特性 (イ)培地(基本培地) (a)3g/lポリペプトン(極東製薬工業株式会社製
のペプトンA) (b)10g/lスクロース (c)3g/lイーストエキス(アサヒビール食品株式
会社製のミーストP2G) (d)0.5g/lKH2 PO4 (e)0.5g/Na2 HPO4 (f)以上を蒸留水に溶解して用いた。 (ロ)培養方法 前記培地を100ml容三角フラスコに50mlずつ分
注し、オートクレーブ滅菌後(121℃,10分間)
に、培地が室温に降下してから、前記直径5mmの接種
源を接種した。10〜35℃の範囲を2.5℃の間隔に
調製したインキュベーターを用いて、菌糸体を15日間
静置培養し、経時的に菌糸体乾燥重量を測定した。 (ハ)菌糸体乾燥重量の測定 培養液を、高速冷却遠心機(日立製 CR20G)で遠
心分離(38,800×G)して、菌糸体と培養液に分
けた。菌糸体画分に再度蒸留水を加えて遠心する洗浄を
3回行なった後、105℃で24時間乾燥させて菌糸体
乾燥重量を測定した。全ての試験を通して、培養は1試
験区分あたり6個のフラスコを用いて行なった。各試験
区で得られた6つの菌糸体乾燥重量から平均値と標準偏
差(SD)を計算した。なお、得られた菌糸体収量は培
地1lあたりの菌糸体乾燥重量に換算して示した。
【0017】本試験の各培養温度におけるメシマコブ菌
糸体乾燥重量を図1に示す。図1の結果によれば、メシ
マコブの菌糸体は、22℃〜35℃(特に25℃〜3
2.5℃)で培養すると収量が上がることがわかる。
【0018】(2)菌糸体成長の初発pH特性 (イ)培地は、前記(1)の(イ)の培地と同じもの
を、初発pHを、3.0,3.5,4.0,
4.5,5.0,5.5,6.0,6.5,
7.0の各値に、1N・HCl,及び1N・KOHを用
いて調製して用いた。 (ロ)培養方法 前記(1)の(ロ)の培養方法に準じて、メシマコブの
菌糸体を接種し、培養は、25℃のインキュベーター内
で15日間静置培養し、菌糸体乾燥重量を測定した。 (ハ)菌糸体乾燥重量の測定 前記(1)の(ハ)に記載した方法で測定した。
【0019】前記各初発pHの培地で培養して得られた
メシマコブ菌糸体乾燥重量を図2に示す。又、菌糸体の
増殖の間に培地pHが変化した巾を図3に示す。図2の
結果によれば、メシマコブの菌糸体は、培地の初発pH
を(4.5〜6.5)とすることにより収量が上がるこ
とがわかる。
【0020】(3)菌糸体成長に及ぼす炭素源の種類の
効果 (イ)培地は、前記(1)の(イ)の培地からスクロー
スを除き(これをAとする)、次の12種類の炭素源を
1%添加したものを調製して用いた。 A:炭素源無添加 B:キシロース(1%、以下同じ) C:リボース D:グルコース E:ガラクトース F:アラビノース G:マンノース H:スクロース I:マルトース J:セロビオース K:トレハロース L:ラクトース M:ラフィノース (ロ)培養方法 前記(1)の(ロ)の培養方法に準じて、メシマコブの
菌糸体を接種し、培養は、25℃のインキュベーター内
で15日間静置培養し、菌糸体乾燥重量を測定した。 (ハ)菌糸体乾燥重量の測定 前記(1)の(ハ)に記載した方法で測定した。
【0021】各炭素源により得られたメシマコブ菌糸体
乾燥重量を図4に示す。図4の結果によれば、炭素源と
して、グルコース、マンノース、ガラクトース、スクロ
ース、トレハロース、セロビオース、マルトース、ラク
トース、ラフィノースが適しており、その中でも特に、
グルコース、スクロース、トレハロースが優れているこ
とがわかる。
【0022】(4)菌糸体成長に及ぼす窒素源の種類の
効果 (イ)培地は、前記(1)の(イ)の培地からポリペプ
トン、及びイーストエキスを除き(これをAとする)、
次の8種類の窒素源を、そのN含有量が0.05%にな
るように添加したものを調製して用いた。 A:窒素源無添加 B:ポリペプトン C:イーストエキス D:カザミノ酸 E:酒石酸アンモニウム F:硝酸カリウム G:硝酸アンモニウム H:塩化アンモニウム I:イーストエキストラクト+ポリぺプトン (ロ)培養方法 前記(1)の(ロ)の培養方法に準じて、メシマコブの
菌糸体を接種し、培養は、25℃のインキュベーター内
で15日間静置培養し、菌糸体乾燥重量を測定した。 (ハ)菌糸体乾燥重量の測定 前記(1)の(ハ)に記載した方法で測定した。
【0023】各窒素源により得られたメシマコブ菌糸体
乾燥重量を図5に示す。図5の結果によれば、窒素源と
しては、天然物由来窒素源イーストエキス、及びポリぺ
プトンが優れていることがわかる。
【0024】(5)菌糸体成長に及ぼす至適炭素源濃度 図3より、菌糸体成長が優れた4種類の炭素源、グルコ
ース、スクロース、セロビオース、及びトレハロースの
各々について、至適濃度検索試験を行なった。(イ)培
地は、前記(1)の(イ)の培地からスクロースを除い
たものに、各炭素源を,0%,1%,2%,3%,4
%,5%添加して調製したものを用いた。 (ロ)培養方法 前記(1)の(ロ)の培養方法に準じて、メシマコブの
菌糸体を接種し、25℃のインキュベーター内で15日
間静置培養し、糸体乾燥重量を測定した。 (ハ)菌糸体乾燥重量の測定 前記(1)の(ハ)に記載した方法で測定した。
【0025】各炭素源の濃度により得られたメシマコブ
菌糸体乾燥重量を図6に示す。図6の結果によれば、グ
ルコース、スクロース、及びトレハロースの培地濃度を
3〜5%とすることにより、特にメシマコブの菌糸体の
収量が上がることがわかる。
【0026】(6)3種のキノコ(メシマコブ、シイタ
ケ、ヒメマツタケ)菌糸体成長に対する通気液体培養効
果 本願発明に係るメシマコブと、シイタケ(Lentinus edo
des)及びヒメマツタケ(Agaricus blazei) を同一の条件
で通気培養して菌糸体の成長を比較した。シイタケは、
株式会社ウインドヒル応用きのこ研究所に保有するLe01
株を、又ヒメマツタケは、同研究所のAB7002株を用い
た。 (イ)培地は、前記(1)の(イ)の培地を用いた。 (ロ)培養方法 通気培養は、10l用のカルスターを用い、これに前記
培地を10lずつ分注し、滅菌した後、25℃まで培地
温度が低下したのを確かめてから,前記3種の接種源を
接種した。その後、強制的に0.22μmフィルターを
通した無菌空気を通気量2l/minで培地内へ通気
し、温度25℃で18日間培養した。 (ハ)菌糸体乾燥重量の測定 前記(1)の(ハ)に記載した方法で測定した。
【0027】通気培養して得られる3種のキノコ(メシ
マコブ、シイタケ、ヒメマツタケ)の菌糸体乾燥重量
(経時変化)を図7に示す。図7の結果によれば、菌糸
体を得るには、好気的条件下で、シイタケやヒメマツタ
ケと異なり、10日以上培養する必要があることがわか
る。
【0028】(7)3種の炭素源(グルコース、スクロ
ース、トレハロース)を用いた通気液体培養 3種の炭素源(グルコース、スクロース、トレハロー
ス)を用いて、通気培養における至適炭素源を検索し
た。 (イ)培地は、前記(1)の(イ)の培地からスクロー
スを除いたものに、検討すべき炭素源(グルコース、ス
クロース、トレハロース)を、各4%添加して調製した
ものを用いた。 (ロ)培養方法 前記(6)の(ロ)の培養方法に準じて、温度25℃で
18日間通気培養して、菌糸体乾燥重量を測定した。 (ハ)菌糸体乾燥重量の測定 前記(1)の(ハ)に記載した方法で測定した。
【0029】各炭素源を添加して通気培養により、経時
的に得られたメシマコブ菌糸体乾燥重量を図8に示す。
【0030】又、前記(7)の試験において、炭素源と
して用いたグルコースの通気液体培養による消費率を調
べた。培地中の炭素源量(グルコース)の測定は、高速
液体クロマトグラフィー(HPLC)により行なった。
すなわち、培養濾液を一定量採取し、イオン交換水で希
釈後、口径0.45μmメンブランフィルターで微粒物
質を除去して試験溶液とした。島津製作所製の高速液体
クロマトグラフ(LC-10ADvp)でカラム(Wakosil 5NH2
4.6×15cm) を用い、糖標準溶液と試験溶液を、移動層
アセトニトリル:水(75:25)、カラム温度を室
温、移動層流量を1ml/min、レンジは5×105
RIUFS 、及び注入量を20μlの条件で注入し、炭素源
濃度を示差屈折計(RID-10A) で測定した。
【0031】測定結果を図9に示す。
【0032】▲乾燥菌糸体の製造例1 炭素源としてグルコースを4.0%、天然物由来窒素源
イーストエキス、及びポリぺプトンを各0.3%を含
み、初発培地pH5.5の培養液1000lにメシマコ
ブの菌糸体を接種して、前期試験(6)の(ロ)に準じ
て、12日間、28℃で通気培養を行い、メシマコブの
乾燥菌糸体9.75kgを得た。 ▲乾燥菌糸体の製造例2 炭素源としてトレハロースを4.0%、天然物由来窒素
源イーストエキス、及びポリぺぷトンを各0.3%を含
み、初発培地pH5.5の培養液1000lにメシマコ
ブの菌糸体を接種して、前期試験(6)の(ロ)に準じ
て、10日間、25℃で通気培養を行い、メシマコブの
乾燥菌糸体3.9kgを得た。 ▲乾燥菌糸体の製造例3 炭素源としてスクロースを4.0%、天然物由来窒素源
イーストエキス、及びポリぺぷトンを各0.3%を含
み、初発培地pH5.5の培養液1000lにメシマコ
ブの菌糸体を接種して、前期試験(6)の(ロ)に準じ
て、12日間、28℃で通気培養を行い、メシマコブの
乾燥菌糸体5.2kgを得た。
【0033】(B)メシマコブ菌糸体由来物質(熱水抽
出物)、及びメシマコブ菌糸体の培養濾液の炭素源とし
てグルコースを4.0%、天然物由来窒素源イーストエ
キス、及びポリぺプトンを各0.3%を含み、初発培地
pH5.5の培養液1000lにメシマコブの菌糸体を
接種して、前期試験(6)の(ロ)に準じて、12日
間、28℃で通気培養を行い、メシマコブの乾燥菌糸体
9.75kgを得た。
【0034】
【発明の効果】本願発明の健康食品及びその製造方法に
よれば、メシマコブの菌糸体由来物質を含有し、アレル
ギー反応抑制作用を有する健康食品が容易に得られると
いう効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】メシマコブ菌糸体由来成分のIgE産生抑制効
果を示す図である。
【図2】メシマコブの菌糸体成長の温度特性を示す図で
ある。
【図3】メシマコブの菌糸体成長における培地の初発p
H特性を示す図である。
【図4】メシマコブの菌糸体成長において、菌糸体の増
殖の間に示す培地pHの変化の巾を示す図である。
【図5】メシマコブの菌糸体成長に及ぼす炭素源の種類
の効果を示す図である。
【図6】メシマコブの菌糸体成長に及ぼす窒素源の種類
の効果効果を示す図である。
【図7】メシマコブの菌糸体成長に及ぼす至適炭素源濃
度を示す図である。
【図8】3種のキノコ菌糸体成長に対する通気液体培養
効果を示す図である。
【図9】メシマコブの菌糸体成長における3種の炭素源
を用いた通気液体培養の効果を示す図である。
【図10】メシマコブの通気液体培養において、炭素源
として用いたグルコースの消費率を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−88249(JP,A) 特開 昭47−23233(JP,A) 特開 平11−155518(JP,A) 特開 昭48−40997(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/28 - 1/308 A61K 35/84 JSTPlus(JOIS)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メシマコブの菌糸体由来物質を含有するこ
    とを特徴とするアレルギー反応抑制剤。
  2. 【請求項2】メシマコブの菌糸体由来物質が、下記の
    (1)〜(3)に記載する工程を順次経て得られるメシ
    マコブ菌糸体の熱水抽出物である請求項1に記載するア
    レルギー反応抑制剤。 (1)液体培地でメシマコブの菌糸体を培養する工程 (2)培養液からメシマコブの菌糸体を分離する工程 (3)メシマコブの菌糸体から熱水抽出物を得る工程
  3. 【請求項3】メシマコブの菌糸体由来物質が、メシマコ
    ブ菌糸体培養濾液である請求項1に記載するアレルギー
    反応抑制剤。
  4. 【請求項4】メシマコブ菌糸体、又はメシマコブ菌糸体
    培養濾液が、下記の(1)〜(4)の条件を採用したメ
    シマコブ菌糸体の培養方法により得られるものを用いる
    請求項1〜請求項3に記載するアレルギー反応抑制剤。 (1)液体培地にメシマコブ菌糸体を接種して、22℃
    〜35℃で培養すること。 (2)液体培地の炭素源として、グルコース、マンノー
    ス、ガラクトース、スクロース、トレハロース、セロビ
    オース、マルトース、ラクトース、ラフィノースから選
    択される1以上の糖類を使用すること。 (3)好気的条件下で培養すること。 (4)培養開始時の培地のpHを4.5〜6.5とする
    こと。
  5. 【請求項5】メシマコブ菌糸体の培養方法として、
    (イ)培養期間が10日以上であり、(ロ)通気培養を
    行ない、かつ(ハ)炭素源として3〜5%のグルコー
    ス、スクロース、又は/及びトレハロースを含有させた
    培養基を用いる請求項4記載のアレルギー反応抑制剤。
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