JP2002171936A - 健康食品及びその製造方法 - Google Patents

健康食品及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、メシマコブ(Phellinus linteu
s )の菌糸体由来物質(メシマコブ菌糸体の培養濾液を
含む)が、アレルギー反応抑制作用を有するという知見
に基づき、健康食品を製造することを目的とする。 【解決手段】(1)メシマコブ菌糸体の熱水抽出物、メ
シマコブ菌糸体の培養濾液を乾燥粉末とし、これを健康
食品とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、メシマコブ(Ph
ellinus linteus 、以下単にPLともいう) の菌糸体由
来物質(メシマコブ菌糸体の培養濾液を含む)含有し、
アレルギー反応抑制作用を有する健康食品に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】メシマコブ子実体の熱水抽出物は、サル
ノコシカケ科のキノコの中でも最も高い抗腫瘍効果が認
められているものである(J.Cancer Res. (Gann). 59 :
155-157) 。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、メシマ
コブの子実体又は菌糸体に関し、アレルギー反応抑制作
用は知られていない。そこで発明者は、メシマコブの薬
理効果として、アレルギー反応抑制作用に着目して鋭意
研究したところ、メシマコブの菌糸体由来物質、又はメ
シマコブ菌糸体の培養濾液には、顕著なアレルギー反応
抑制作用が存在することを知り本発明を完成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願発明は、下記の請求
項1〜請求項6により構成されている。 請求項1: メシマコブの菌糸体由来物質を含有するこ
とを特徴とする健康食品。 請求項2: メシマコブの菌糸体由来物質が、下記の
(1)〜(3)に記載する工程を順次経て得られるメシ
マコブ菌糸体の熱水抽出物である請求項1に記載する健
康食品。 (1)液体培地でメシマコブの菌糸体を培養する工程 (2)培養液からメシマコブの菌糸体を分離する工程 (3)メシマコブの菌糸体から熱水抽出物を得る工程 請求項3: メシマコブの菌糸体由来物質が、メシマコ
ブ菌糸体培養濾液である請求項1に記載する健康食品。 請求項4: メシマコブ菌糸体、又はメシマコブ菌糸体
培養濾液が、下記の(1)〜(4)の条件を採用したメ
シマコブ菌糸体の培養方法により得られるものを用いる
請求項1〜請求項3に記載する健康食品。 (1)液体培地にメシマコブ菌糸体を接種して、22℃
〜35℃で培養すること。 (2)液体培地の炭素源として、グルコース、マンノー
ス、ガラクトース、スクロース、トレハロース、セロビ
オース、マルトース、ラクトース、ラフィノースから選
択される1以上の糖類を使用すること。 (3)好気的条件下で培養すること。 (4)培養開始時の培地のpHを4.5〜6.5とする
こと。 請求項5: メシマコブ菌糸体の培養方法として、培
養期間が10日以上であり、通気培養を行ない、かつ
炭素源として3〜5%のグルコース、スクロース、又
は/及びトレハロースを含有させた培養基を用いる請求
項4記載の健康食品。 請求項6: 請求項2、請求項4、又は請求項5で得ら
れるメシマコブ菌糸体の熱水抽出物、又はメシマコブの
菌糸体培養濾液を乾燥粉末とし、これを他の食品粉末、
又は健康食品粉末と混合することを特徴する健康食品の
製造方法。
【0005】本願発明を以上のように構成する主な理由
は、メシマコブの子実体を栽培しようとする研究は、現
在活発に行われているものの、未だ大型の子実体を得る
までには数年を要するので、大量培養が比較的容易な菌
糸体及びその培養液に着目したことによる。なお、本願
発明に係るメシマコブ菌糸体の培養濾液とは、液体培地
にメシマコブ菌糸体を接種して培養したものから、遠心
分離機、又は濾過装置により菌糸体を分離した残りの培
養液をいう。本願発明に係るメシマコブ菌糸体の熱水抽
出物、又はメシマコブの菌糸体培養濾液は、その成分の
まま、又は適宜賦形剤(乳糖、デキストリン等)を添加
して乾燥粉末とすることにより、保存性が向上し、又他
の一般食品や健康食品に混入するのに適したものとな
る。
【0006】
【発明の実施の形態】(A)メシマコブ菌糸体由来物質
(熱水抽出物)の乾燥粉末の製造 (イ)炭素源としてグルコースを4.0%、天然物由来
窒素源イーストエキス、及びポリぺプトンを各0.3
%、初発培地pH5.5の培養液1000lにメシマコ
ブの菌糸体を接種し、強制的に0.22μmフィルター
を通した無菌空気を通気量2l/minで培地内へ通気
し、温度28℃で12日間培養した。 (ロ)この培養液を遠心分離機を用いて(38,800
×G)、菌糸体と培養(濾)液に分離した。得られたペ
レット状の菌糸体80kg(含水率約90%)を大型の
ミキサーを用いて破砕した後、約10倍容の水を加えて
オートクレーブ内で加熱(121℃、90分、2回処
理)した。 (ハ)前記加熱物を、遠心分離機を用いを用いて(3
8,800G)、残渣を除き、メシマコブ菌糸体の熱水
抽出物を得た。 (ニ)この熱水抽出物を約70℃で、約1/10容まで
減圧濃縮した。 (ホ)濃縮物をスプレードライヤを用いて乾燥し、約
2.5kgの乾燥粉末を得た。この粉末は、そのまま、
又は他の任意の食品(粉末)又は任意の健康食品(粉
末)と混合して摂取することができる。なお、前記乾燥
粉末の製造においては、熱水抽出物又はその濃縮物に、
賦形剤(通常、デキストリン、乳糖等の糖質)を添加し
てスプレードライヤにかけると粉末化が容易となる。
【0007】(B)メシマコブ菌糸体由来物質(培養濾
液)の乾燥粉末の製造 前記(A)(ロ)で得られる培養(濾)液(固形分約
1.3%)を、約70℃で、約1/20容まで減圧濃縮
し、これをスプレードライヤを用いて乾燥し、約11.
5kgの乾燥粉末を得た。この粉末も、前記メシマコブ
菌糸体の熱水抽出物の乾燥粉末と同様にそのまま、又は
他の任意の食品(粉末)、又は任意の健康食品(粉末)
と混合して摂取することができる。なお、この乾燥粉末
の製造においても、培養(濾)液又はその濃縮物に、賦
形剤(通常、デキストリン、乳糖等の糖質)を添加して
スプレードライヤにかけると粉末化が容易となる)。
【0008】(C)マウス及びラットを用いた一般毒性
試験結果 下記の3種のメシマコブ(Phellinus linteus;PL) 菌
糸体由来成分の乾燥粉末を検査体として、OECDの化
学物質毒性試験指針(1987)に準拠し、マウス及び
ラットを用いた単回経口投与による急性毒性試験(限度
試験)を行なった。 検査体:PL菌糸体の乾燥品をミキサーで粉末とした
もの 検査体:PL菌糸体熱水抽出物の乾燥粉末(前記
(A)−(ホ)の乾燥粉末) 検査体:PL菌糸体培養濾液の乾燥粉末:(前記
(B)の乾燥粉末) 投与量は、厚生省GLPガイドラインに準じ、上記3種
のPL菌糸体由来成分を検査試料として用い、限界量と
しての2,000mg/Kgとその半量である1,00
0mg/Kg投与群を設定し行なった。又、対照として
は媒体の0.5%carboxymethyl cellulose sodium sal
t(CMC-Na) 溶液投与群を用い実施した。
【0009】その結果次の成績が得られた。 (イ)死亡率及びLD50値 雌雄マウス、ならびに雌雄ラットに、上記菌糸体由来成
分を1,000mg/Kg、及び2,000mg/Kg
の割合で強制経口投与した結果、いずれの投与群におい
ても、14日間の観察期間中に死亡例は認められなかっ
た。したがって、LD50値は算出されず、検査体のマ
ウス及びラットにおける致死量は共に、2,000mg
/Kg以上であると認められた。 (ロ)一般状態(中毒症状を含む)及び病理解剖検査 いずれの投与群においても、投与直後より特記すべき一
過性の中毒症状並びに一般状態の変化は認められなかっ
た。又、投与後14日目に実施した病理解剖学的検査に
おいても主要臓器に肉眼的著変、異状は認められなかっ
た。
【0010】(D)皮膚炎症モデルマウス(アトピー性
皮膚炎自然発生マウス、NC/ Nga,mouse )を用いた動物
実験(肉眼病理所見ならびに血中IgE総量の経時的測
定) (イ)検査体 検査体:PL菌糸体熱水抽出物の乾燥粉末(前記一般
毒性試験と同一) 検査体:PL菌糸体培養濾液の乾燥粉末(前記一般毒
性試験と同一) (ロ)マウスへの投与方法 飼料内への各検査体を下記の割合で混合したものを用い
た。 餌:検査体=10kg:5g 皮膚炎症モデルマウスの検査体摂取量は、1.5mg/
day(人換算3g/day)とした。
【0011】(ハ)Nc/Nga,mouse,cle
an,CV(雄、4週齢を日本SLCより入手)を用い
て、1群10匹の系で検査体投与群及びコントーロール
としての通常滅菌粉末飼料のみの投与群で実施した。上
記実験動物は入荷後1週間の予備飼育の後、第5週齢よ
り第16週齢に到るまでの間を観察期間とした。検査体
については、人(体重60kg)の経口摂取量(1日3
g)より換算し、マウス平均体重(30g)より約1.
5mgを1日摂取量とし、又1日の餌摂取量(5g)を
目安として投与量を決定した。なお、コントロール群
は、通常の滅菌粉末飼料のみの摂取とし行なった。 血
中IgE量の測定については、飼料摂取の1週間後(6
週齢)、4週後(9週齢)、7週間後(12週齢)、
11週間後(16週齢)の4回にわたり、マウス眼底静
脈層より採血を行ない、血清中のIgE総量の経時的変
化をマウスIgEに対する特異抗体を用いたサンドイッ
チライサ法により算出した。又、投与11週間後(16
週齢)における肉眼的皮膚所見について、観察比較し
た。
【0012】(ニ)実験結果 上記の各飼料の混合飼料摂取群においては、下表及び図
1に示すように、コントロール群と比較し有意に血中I
gE産生の抑制が認められる結果が得られた。
【0013】血中IgE値(ng/ml) この傾向は、PL菌糸体熱水抽出物の乾燥粉末投与群
において、特に顕著な結果であった。肉眼皮膚的所見に
おいては、コントロール群を除く各検査体の混合飼料摂
取群において明らかに皮膚アレルギー症状の抑制作用が
認められた。
【0014】(E)次に請求項4、及び請求項5に係る
メシマコブの菌糸体の培養方法について記載する。本願
発明に用いたメシマコブは、1998年10月に宮崎県
西諸県郡須木村で、子実体を採取し、株式会社アイビー
アイ(IBI)応用きのこ研究所で菌糸体化した上でP
L−08株として保存していたものを使用した。この菌
株は、子実体を農林水産省林野庁総合研究所 森林生物
部森林微生物科 腐朽病害研究室の阿部恭久博士の鑑定
により、メシマコブ子実体に特有の黄褐色の剛毛体を
持つこと、及び担子胞子の形態、からメシマコブと同
定されたものを用いた。供試菌株の前培養は、5℃で低
温保存してあった菌糸体を、内径90mmのペトリ皿内
のPotato Dextrose Agar培地(Difco 社製)へ接種し
て、25℃暗黒下で15日間表面培養した。この培養菌
糸体を内径5mmのコルクボーラーで切り取り(乾燥菌
糸体重量 0.35mgに相当)、試験に供した。
【0015】まず、下記の1〜8の項目に対する試験を
行なった。 (1)菌糸体成長の温度特性 (2)菌糸体成長の初発pH特性 (3)菌糸体成長に及ぼす炭素源の種類の効果 (4)菌糸体成長に及ぼす窒素源の種類の効果 (5)菌糸体成長に及ぼす至適炭素源濃度 (6)3種のキノコ菌糸体成長に対する通気液体培養効
果 (7)3種の炭素源を用いた通気液体培養 (8)炭素源として用いたグルコースの通気液体培養に
よる消費率 次に、これらの試験について更に詳しく記載する。
【0016】(1)菌糸体成長の温度特性 (イ)培地(基本培地) (a)3g/lポリペプトン(極東製薬工業株式会社製
のペプトンA) (b)10g/lスクロース (c)3g/lイーストエキス(アサヒビール食品株式
会社製のミーストP2G) (d)0.5g/lKH2 PO4 (e)0.5g/Na2 HPO4 (f)以上を蒸留水に溶解して用いた。 (ロ)培養方法 前記培地を100ml容三角フラスコに50mlずつ分
注し、オートクレーブ滅菌後(121℃,10分間)
に、培地が室温に降下してから、前記直径5mmの接種
源を接種した。10〜35℃の範囲を2.5℃の間隔に
調製したインキュベーターを用いて、菌糸体を15日間
静置培養し、経時的に菌糸体乾燥重量を測定した。 (ハ)菌糸体乾燥重量の測定 培養液を、高速冷却遠心機(日立製 CR20G)で遠
心分離(38,800×G)して、菌糸体と培養液に分
けた。菌糸体画分に再度蒸留水を加えて遠心する洗浄を
3回行なった後、105℃で24時間乾燥させて菌糸体
乾燥重量を測定した。全ての試験を通して、培養は1試
験区分あたり6個のフラスコを用いて行なった。各試験
区で得られた6つの菌糸体乾燥重量から平均値と標準偏
差(SD)を計算した。なお、得られた菌糸体収量は培
地1lあたりの菌糸体乾燥重量に換算して示した。
【0017】本試験の各培養温度におけるメシマコブ菌
糸体乾燥重量を図1に示す。図1の結果によれば、メシ
マコブの菌糸体は、22℃〜35℃(特に25℃〜3
2.5℃)で培養すると収量が上がることがわかる。
【0018】(2)菌糸体成長の初発pH特性 (イ)培地は、前記(1)の(イ)の培地と同じもの
を、初発pHを、3.0,3.5,4.0,
4.5,5.0,5.5,6.0,6.5,
7.0の各値に、1N・HCl,及び1N・KOHを用
いて調製して用いた。 (ロ)培養方法 前記(1)の(ロ)の培養方法に準じて、メシマコブの
菌糸体を接種し、培養は、25℃のインキュベーター内
で15日間静置培養し、菌糸体乾燥重量を測定した。 (ハ)菌糸体乾燥重量の測定 前記(1)の(ハ)に記載した方法で測定した。
【0019】前記各初発pHの培地で培養して得られた
メシマコブ菌糸体乾燥重量を図2に示す。又、菌糸体の
増殖の間に培地pHが変化した巾を図3に示す。図2の
結果によれば、メシマコブの菌糸体は、培地の初発pH
を(4.5〜6.5)とすることにより収量が上がるこ
とがわかる。
【0020】(3)菌糸体成長に及ぼす炭素源の種類の
効果 (イ)培地は、前記(1)の(イ)の培地からスクロー
スを除き(これをAとする)、次の12種類の炭素源を
1%添加したものを調製して用いた。 A:炭素源無添加 B:キシロース(1%、以下同じ) C:リボース D:グルコース E:ガラクトース F:アラビノース G:マンノース H:スクロース I:マルトース J:セロビオース K:トレハロース L:ラクトース M:ラフィノース (ロ)培養方法 前記(1)の(ロ)の培養方法に準じて、メシマコブの
菌糸体を接種し、培養は、25℃のインキュベーター内
で15日間静置培養し、菌糸体乾燥重量を測定した。 (ハ)菌糸体乾燥重量の測定 前記(1)の(ハ)に記載した方法で測定した。
【0021】各炭素源により得られたメシマコブ菌糸体
乾燥重量を図4に示す。図4の結果によれば、炭素源と
して、グルコース、マンノース、ガラクトース、スクロ
ース、トレハロース、セロビオース、マルトース、ラク
トース、ラフィノースが適しており、その中でも特に、
グルコース、スクロース、トレハロースが優れているこ
とがわかる。
【0022】(4)菌糸体成長に及ぼす窒素源の種類の
効果 (イ)培地は、前記(1)の(イ)の培地からポリペプ
トン、及びイーストエキスを除き(これをAとする)、
次の8種類の窒素源を、そのN含有量が0.05%にな
るように添加したものを調製して用いた。 A:窒素源無添加 B:ポリペプトン C:イーストエキス D:カザミノ酸 E:酒石酸アンモニウム F:硝酸カリウム G:硝酸アンモニウム H:塩化アンモニウム I:イーストエキストラクト+ポリぺプトン (ロ)培養方法 前記(1)の(ロ)の培養方法に準じて、メシマコブの
菌糸体を接種し、培養は、25℃のインキュベーター内
で15日間静置培養し、菌糸体乾燥重量を測定した。 (ハ)菌糸体乾燥重量の測定 前記(1)の(ハ)に記載した方法で測定した。
【0023】各窒素源により得られたメシマコブ菌糸体
乾燥重量を図5に示す。図5の結果によれば、窒素源と
しては、天然物由来窒素源イーストエキス、及びポリぺ
プトンが優れていることがわかる。
【0024】(5)菌糸体成長に及ぼす至適炭素源濃度 図3より、菌糸体成長が優れた4種類の炭素源、グルコ
ース、スクロース、セロビオース、及びトレハロースの
各々について、至適濃度検索試験を行なった。(イ)培
地は、前記(1)の(イ)の培地からスクロースを除い
たものに、各炭素源を,0%,1%,2%,3%,4
%,5%添加して調製したものを用いた。 (ロ)培養方法 前記(1)の(ロ)の培養方法に準じて、メシマコブの
菌糸体を接種し、25℃のインキュベーター内で15日
間静置培養し、糸体乾燥重量を測定した。 (ハ)菌糸体乾燥重量の測定 前記(1)の(ハ)に記載した方法で測定した。
【0025】各炭素源の濃度により得られたメシマコブ
菌糸体乾燥重量を図6に示す。図6の結果によれば、グ
ルコース、スクロース、及びトレハロースの培地濃度を
3〜5%とすることにより、特にメシマコブの菌糸体の
収量が上がることがわかる。
【0026】(6)3種のキノコ(メシマコブ、シイタ
ケ、ヒメマツタケ)菌糸体成長に対する通気液体培養効
果 本願発明に係るメシマコブと、シイタケ(Lentinus edo
des)及びヒメマツタケ(Agaricus blazei) を同一の条件
で通気培養して菌糸体の成長を比較した。シイタケは、
株式会社ウインドヒル応用きのこ研究所に保有するLe01
株を、又ヒメマツタケは、同研究所のAB7002株を用い
た。 (イ)培地は、前記(1)の(イ)の培地を用いた。 (ロ)培養方法 通気培養は、10l用のカルスターを用い、これに前記
培地を10lずつ分注し、滅菌した後、25℃まで培地
温度が低下したのを確かめてから,前記3種の接種源を
接種した。その後、強制的に0.22μmフィルターを
通した無菌空気を通気量2l/minで培地内へ通気
し、温度25℃で18日間培養した。 (ハ)菌糸体乾燥重量の測定 前記(1)の(ハ)に記載した方法で測定した。
【0027】通気培養して得られる3種のキノコ(メシ
マコブ、シイタケ、ヒメマツタケ)の菌糸体乾燥重量
(経時変化)を図7に示す。図7の結果によれば、菌糸
体を得るには、好気的条件下で、シイタケやヒメマツタ
ケと異なり、10日以上培養する必要があることがわか
る。
【0028】(7)3種の炭素源(グルコース、スクロ
ース、トレハロース)を用いた通気液体培養 3種の炭素源(グルコース、スクロース、トレハロー
ス)を用いて、通気培養における至適炭素源を検索し
た。 (イ)培地は、前記(1)の(イ)の培地からスクロー
スを除いたものに、検討すべき炭素源(グルコース、ス
クロース、トレハロース)を、各4%添加して調製した
ものを用いた。 (ロ)培養方法 前記(6)の(ロ)の培養方法に準じて、温度25℃で
18日間通気培養して、菌糸体乾燥重量を測定した。 (ハ)菌糸体乾燥重量の測定 前記(1)の(ハ)に記載した方法で測定した。
【0029】各炭素源を添加して通気培養により、経時
的に得られたメシマコブ菌糸体乾燥重量を図8に示す。
【0030】又、前記(7)の試験において、炭素源と
して用いたグルコースの通気液体培養による消費率を調
べた。培地中の炭素源量(グルコース)の測定は、高速
液体クロマトグラフィー(HPLC)により行なった。
すなわち、培養濾液を一定量採取し、イオン交換水で希
釈後、口径0.45μmメンブランフィルターで微粒物
質を除去して試験溶液とした。島津製作所製の高速液体
クロマトグラフ(LC-10ADvp)でカラム(Wakosil 5NH2
4.6×15cm) を用い、糖標準溶液と試験溶液を、移動層
アセトニトリル:水(75:25)、カラム温度を室
温、移動層流量を1ml/min、レンジは5×105
RIUFS 、及び注入量を20μlの条件で注入し、炭素源
濃度を示差屈折計(RID-10A) で測定した。
【0031】測定結果を図9に示す。
【0032】▲乾燥菌糸体の製造例1 炭素源としてグルコースを4.0%、天然物由来窒素源
イーストエキス、及びポリぺプトンを各0.3%を含
み、初発培地pH5.5の培養液1000lにメシマコ
ブの菌糸体を接種して、前期試験(6)の(ロ)に準じ
て、12日間、28℃で通気培養を行い、メシマコブの
乾燥菌糸体9.75kgを得た。 ▲乾燥菌糸体の製造例2 炭素源としてトレハロースを4.0%、天然物由来窒素
源イーストエキス、及びポリぺぷトンを各0.3%を含
み、初発培地pH5.5の培養液1000lにメシマコ
ブの菌糸体を接種して、前期試験(6)の(ロ)に準じ
て、10日間、25℃で通気培養を行い、メシマコブの
乾燥菌糸体3.9kgを得た。 ▲乾燥菌糸体の製造例3 炭素源としてスクロースを4.0%、天然物由来窒素源
イーストエキス、及びポリぺぷトンを各0.3%を含
み、初発培地pH5.5の培養液1000lにメシマコ
ブの菌糸体を接種して、前期試験(6)の(ロ)に準じ
て、12日間、28℃で通気培養を行い、メシマコブの
乾燥菌糸体5.2kgを得た。
【0033】(B)メシマコブ菌糸体由来物質(熱水抽
出物)、及びメシマコブ菌糸体の培養濾液の炭素源とし
てグルコースを4.0%、天然物由来窒素源イーストエ
キス、及びポリぺプトンを各0.3%を含み、初発培地
pH5.5の培養液1000lにメシマコブの菌糸体を
接種して、前期試験(6)の(ロ)に準じて、12日
間、28℃で通気培養を行い、メシマコブの乾燥菌糸体
9.75kgを得た。
【0034】
【発明の効果】本願発明の健康食品及びその製造方法に
よれば、メシマコブの菌糸体由来物質を含有し、アレル
ギー反応抑制作用を有する健康食品が容易に得られると
いう効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】メシマコブ菌糸体由来成分のIgE産生抑制効
果を示す図である。
【図2】メシマコブの菌糸体成長の温度特性を示す図で
ある。
【図3】メシマコブの菌糸体成長における培地の初発p
H特性を示す図である。
【図4】メシマコブの菌糸体成長において、菌糸体の増
殖の間に示す培地pHの変化の巾を示す図である。
【図5】メシマコブの菌糸体成長に及ぼす炭素源の種類
の効果を示す図である。
【図6】メシマコブの菌糸体成長に及ぼす窒素源の種類
の効果効果を示す図である。
【図7】メシマコブの菌糸体成長に及ぼす至適炭素源濃
度を示す図である。
【図8】3種のキノコ菌糸体成長に対する通気液体培養
効果を示す図である。
【図9】メシマコブの菌糸体成長における3種の炭素源
を用いた通気液体培養の効果を示す図である。
【図10】メシマコブの通気液体培養において、炭素源
として用いたグルコースの消費率を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B018 LE03 MD82 ME07 MF01 MF04 MF06 4B065 AA71X BB15 BB16 BB17 BC02 BC03 BD16 CA41 4C088 AA04 AC17 BA05 MA52 NA14 ZB13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メシマコブの菌糸体由来物質を含有する
    ことを特徴とする健康食品。
  2. 【請求項2】 メシマコブの菌糸体由来物質が、下記の
    (1)〜(3)に記載する工程を順次経て得られるメシ
    マコブ菌糸体の熱水抽出物である請求項1に記載する健
    康食品。 (1)液体培地でメシマコブの菌糸体を培養する工程 (2)培養液からメシマコブの菌糸体を分離する工程 (3)メシマコブの菌糸体から熱水抽出物を得る工程
  3. 【請求項3】 メシマコブの菌糸体由来物質が、メシマ
    コブ菌糸体培養濾液である請求項1に記載する健康食
    品。
  4. 【請求項4】 メシマコブ菌糸体、又はメシマコブ菌糸
    体培養濾液が、下記の(1)〜(4)の条件を採用した
    メシマコブ菌糸体の培養方法により得られるものを用い
    る請求項1〜請求項3に記載する健康食品。 (1)液体培地にメシマコブ菌糸体を接種して、22℃
    〜35℃で培養すること。 (2)液体培地の炭素源として、グルコース、マンノー
    ス、ガラクトース、スクロース、トレハロース、セロビ
    オース、マルトース、ラクトース、ラフィノースから選
    択される1以上の糖類を使用すること。 (3)好気的条件下で培養すること。 (4)培養開始時の培地のpHを4.5〜6.5とする
    こと。
  5. 【請求項5】 メシマコブ菌糸体の培養方法として、
    培養期間が10日以上であり、通気培養を行ない、か
    つ炭素源として3〜5%のグルコース、スクロース、
    又は/及びトレハロースを含有させた培養基を用いる請
    求項4記載の健康食品。
  6. 【請求項6】 請求項2、請求項4、又は請求項5で得
    られるメシマコブ菌糸体の熱水抽出物、又はメシマコブ
    の菌糸体培養濾液を乾燥粉末とし、これを他の食品粉
    末、又は健康食品粉末と混合することを特徴する健康食
    品の製造方法。
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