JP3479884B2 - 難燃性エポキシ樹脂組成物及び電子部品 - Google Patents

難燃性エポキシ樹脂組成物及び電子部品

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JP3479884B2
JP3479884B2 JP2000334115A JP2000334115A JP3479884B2 JP 3479884 B2 JP3479884 B2 JP 3479884B2 JP 2000334115 A JP2000334115 A JP 2000334115A JP 2000334115 A JP2000334115 A JP 2000334115A JP 3479884 B2 JP3479884 B2 JP 3479884B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃性エポキシ樹
脂組成物及び電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、絶縁性等の電気特性、
耐熱性、耐湿性、耐酸性、耐溶剤性、接着性、機械的特
性、寸法安定性等に優れ、比較的安価であるため、積層
板材料、IC、LSI又は超LSI等の半導体封止材料
等の電気・電子部品の絶縁材料として広く使用されてい
る。
【0003】ところで、近年の電子技術のめざましい発
展に伴い、半導体や積層板の高集積化が進み、より高い
信頼性が要求される現状では、絶縁材料として使用され
るエポキシ樹脂にも、更に高い耐熱性(ハンダ耐熱性も
含む)、難燃性、耐湿性、接着性、機械的特性等が必要
となってきている。
【0004】エポキシ樹脂の特性、特に難燃性や耐熱性
を向上させるために、ホスファゼン化合物をエポキシ樹
脂に配合することが行われている。ホスファゼン化合物
は、一般に、エポキシ樹脂との相溶性が良好で、エポキ
シ樹脂の絶縁性や機械的特性を損なうことがないとされ
ているが、従来提案されているホスファゼン化合物に
は、種々の欠点がある。
【0005】例えば、特開昭61−120850号公報
には、一般式(3)
【0006】
【化3】
【0007】〔式中6個のYは、同一又は異なって、ア
ルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、フルオロアル
キル基、フルオロアルコキシ基、アリールオキシ基、ア
リールメルカプト基、アミノ基、アルキルアミノ基又は
アリールアミノ基を示す。〕で表されるホスファゼン化
合物を難燃剤として含有させた半導体素子封止用樹脂組
成物、又は該ホスファゼン化合物とジクロロジオルガノ
シランとの共重縮合物を配合してなる樹脂組成物が開示
されている。
【0008】しかしながら、上記公報には極めて広範囲
のホスファゼン化合物が記載されているものの、その効
果が具体的に確認されているのは、ヘキサプロポキシシ
クロトリホスファゼン及びジアニリノテトラブトキシシ
クロトリホスファゼンのみであり、しかも、これらホス
ファゼン化合物によるエポキシ樹脂の難燃性向上は満足
できるレベルには達していない。更に、ホスファゼン化
合物とジクロロジオルガノシランとの共重縮合物は、や
はり難燃性を高めるという点では十分ではなく、しかも
エポキシ樹脂との相溶性も良好とは言い難い。
【0009】特開昭48−37500号公報には、ハロ
ゲン含有エポキシホスファゼン化合物が記載され、該ハ
ロゲン含有エポキシホスファゼン化合物の添加によって
エポキシ樹脂の難燃性を向上させることが記載されてい
る。
【0010】しかしながら、該公報に記載のホスファゼ
ン化合物はハロゲン原子を含有していることから、これ
が燃焼した場合、酸性又は毒性物質を生成し、環境に対
し悪影響を及ぼす。
【0011】また、特公平3−4565号公報には、エ
ポキシ樹脂に、硬化剤として一般式(4)
【0012】
【化4】
【0013】〔式中Rはアルコキシ基、アリールオキシ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基又は基−NX12
(基中、X1は水素原子又は炭化水素基を示し、X2は炭
化水素基を示す)を示す。〕で表されるジアミノテトラ
オルガノシクロトリホスファゼンが配合された硬化性エ
ポキシ樹脂組成物が記載されている。
【0014】しかしながら、上記ジアミノテトラオルガ
ノシクロトリホスファゼンは、二個のアミノ基が同一の
リン原子に置換していることから、一個のアミノ基が反
応した後、残った他方のアミノ基の反応性が低下し、従
って該アミノ基が未反応で残る可能性がある。それ故、
上記ジアミノテトラオルガノシクロトリホスファゼンを
用いてエポキシ硬化物を作製した場合、エポキシ硬化物
の耐湿性及び電気特性を著しく低下させる。
【0015】また、特公平6−104714号公報に
は、エポキシ樹脂硬化剤として、一般式(5)
【0016】
【化5】
【0017】〔式中R’は基−CH2CHBrCH2Br
又は2,4,6−トリクロロフェニル基を示す。〕で表
されるホスファゼン化合物が記載されている。更に、こ
の公報には上記ホスファゼン化合物を用いて硬化させた
エポキシ樹脂が優れた難燃性を有することも記載されて
いる。
【0018】しかしながら、上記ホスファゼン化合物
も、二個のアミノ基が同一のリン原子に置換しているこ
とから、前記と同様な不具合が生じる。また、上記ホス
ファゼン化合物はハロゲン原子を含有するものであるか
ら、ハンダ付け工程等の高温処理工程において、腐食性
の有毒ガスを発生する恐れがあるだけでなく、積層板の
表面に膨れ等を生じる場合もある。
【0019】更に上記各公報に記載のホスファゼン化合
物は、いずれも、エポキシ樹脂の耐湿性を向上させると
いう点で十分な効果を有していない。エポキシ樹脂の耐
湿性は、プリント回路基板材料として用いる場合、特に
重要な特性となる。即ち、積層板が空気中で使用される
頻度が高く、吸湿によって絶縁性ひいては信頼性が低下
するため、吸水率が小さく、絶縁性等の電気的特性が変
化しないものが望まれる。従って、耐湿性の向上効果の
低い上記従来のホスファゼン化合物を積層板材料として
用いる場合、ハンダ付け工程等の高温処理工程において
吸湿による膨れ又は剥がれ等の不具合が生じると共に、
長期的な信頼性を有する積層板を得ることができない。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】エポキシ樹脂硬化物に
優れた難燃性、絶縁性等の電気特性、耐熱性、耐湿性等
の性能を付与できる、エポキシ樹脂組成物を提供するこ
とを課題とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のホスファゼン化
合物がエポキシ樹脂用の難燃剤として顕著に優れた性能
を発揮し得ることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0022】即ち本発明は、(A)エポキシ樹脂並びに
(B)アミノ基とアリーロキシ基とがリン原子に置換し
てなるホスファゼン化合物及びそのエポキシ変性物から
選ばれる少なくとも1種を含有する樹脂組成物であっ
て、(B)成分の含有量が組成物全量の0.01〜9
9.9重量%であることを特徴とするエポキシ樹脂組成
物、並びに該エポキシ樹脂組成物を成形して得られる電
子部品に係る。
【0023】本発明で使用するアミノ基とアリーロキシ
基とがリン原子に置換してなるホスファゼン化合物(以
下単に「アミノ・アリーロキシホスファゼン化合物」と
いう)及びそのエポキシ変性物は、エポキシ樹脂との反
応性及び相溶性が良好であり、該エポキシ樹脂の難燃剤
として使用することができ、エポキシ樹脂が備えている
優れたの絶縁性等の電気的特性、機械的特性、接着性等
の特性を損なうことなく、場合によってはこれらの特性
を更に向上させ、また、耐熱性、難燃性、耐湿性等、特
に耐湿性をより一層向上させるという優れた性能を発揮
する。
【0024】本発明のエポキシ樹脂組成物に配合される
アミノ・アリーロキシホスファゼン化合物はハロゲン原
子を含有していないので、これが燃焼した場合でも、酸
性又は毒性物質を生成するおそれはなく、環境に対し悪
影響を及ぼすことはない。
【0025】従って、本発明のエポキシ樹脂組成物を成
形して得られる絶縁用電子部品、例えば、積層板は、高
い信頼性を有し、長期的にもその信頼性が維持される。
【0026】
【発明の実施の形態】(A)成分 本発明において、エポキシ樹脂としては、電気・電子分
野において常用されているものをいずれも使用でき、例
えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フ
ェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エ
ポキシ樹脂等のフェノール類とアルデヒド類との反応に
より得られるノボラック型エポキシ樹脂;ビスフェノー
ル−A型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノール−A型エ
ポキシ樹脂、ビスフェノール−F型エポキシ樹脂、ビス
フェノール−AD型エポキシ樹脂、ビスフェノール−S
型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、アルキ
ル置換ビフェノール型エポキシ樹脂、トリス(ヒドロキ
シフェニル)メタン等のフェノール類とエピクロルヒド
リンとの反応により得られるフェノール型エポキシ樹
脂;トリメチロールプロパン、オリゴプロピレングリコ
ール、水添ビスフェノール−A等のアルコールとエピク
ロルヒドリンとの反応により得られる脂肪族エポキシ樹
脂;ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸又は
フタル酸等とエピクロルヒドリン又は2−メチルエピク
ロルヒドリン等との反応により得られるグリシジルエス
テル系エポキシ樹脂;ジアミノジフェニルメタン、アミ
ノフェノール等のアミンとエピクロルヒドリンとの反応
により得られるグリシジルアミン系エポキシ樹脂;イソ
シアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンとの反
応により得られる複素環式エポキシ樹脂;これらのエポ
キシ樹脂の変性樹脂等を挙げることができる。
【0027】これらのエポキシ樹脂の中でも、フェノー
ルノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂、ビスフェノール−A型エポキシ樹
脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、トリス(ヒドロキシ
フェニル)メタンとエピクロルヒドリンとの反応により
得られるフェノール型エポキシ樹脂等を好ましく使用で
きる。
【0028】本発明においては、上記各種のエポキシ樹
脂を、1種単独で使用でき又は2種以上を併用できる。(B)成分 本発明において、エポキシ樹脂の難燃剤として、アミノ
・アリーロキシホスファゼン化合物及びそのエポキシ変
性物から選ばれる少なくとも1種を使用する。
【0029】アミノ・アリーロキシホスファゼン化合物
としては特に制限されず、例えば、E.T.McBee,K.Okuhar
a and C.J.Morton,Inorganic Chemistry, 5(3),450,196
6、 H.R.Allcock," Phosphorus-Nitrogen Compounds",Ac
ademic Press,(1972)、J.E.Mark, H. R.Allcock, R. Wes
t ," Inorganic Polymers", Prentice-Hall Internati
onal, Inc.,(1992)等に記載されている公知のものをい
ずれも使用でき、例えば、一般式(1)
【0030】
【化6】
【0031】〔式中、各Arは同一又は異なって、ベン
ゼン環上に炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝鎖状のアル
キル基が置換してもよいフェニル基又はナフチル基を示
す。l及びnはそれぞれ0〜25の整数であり、mは1
〜25の整数であり、且つ3≦l+m+n≦25を満た
すものとする。〕で表される環状ホスファゼン化合物
(以下「環状ホスファゼン化合物(1)」という)、一
般式(2)
【0032】
【化7】
【0033】〔式中、Arは前記に同じ。h、i及びj
は0〜10000の整数であり、且つ3≦h+i+j≦
10000を満たす数値を示す。但し、(i)h≧3、
i=j=0である場合、及び(ii)j≧3、h=i=
0である場合を除く。〕で表される鎖状ホスファゼン化
合物(以下「鎖状ホスファゼン化合物(2)」という)
等を挙げることができる。
【0034】上記一般式(1)において、フェニル基及
びナフチル基を構成するベンゼン環上に置換する炭素数
1〜6の直鎖もしくは分枝鎖状のアルキル基の置換基数
は、フェニル基の場合は1〜5個、ナフチル基の場合は
1〜7個であり、また該アルキル基は同一であっても異
なっていてもよい。
【0035】上記環状ホスファゼン化合物(1)及び鎖
状ホスファゼン化合物(2)の中でも、耐湿性や電気特
性の観点からは、mとlとの比(m/l)が1より大き
いものが好ましく、m/l>1である環状ホスファゼン
化合物(1)が特に好ましい。
【0036】尚、環状ホスファゼン化合物(1)におい
ては、同種の繰返し単位が連続的に結合している必要は
なく、3種の異なる繰返し単位が不規則に結合していて
もよい。環状ホスファゼン化合物(1)は、3種の異な
る繰返し単位をそれぞれl個、m個及びn個含有するホ
スファゼン化合物である。鎖状ホスファゼン化合物
(2)においても、同様である。
【0037】また、鎖状ホスファゼン化合物(2)にお
いて、リン原子及び窒素原子末端基は反応条件等により
変化し、通常の反応条件で、例えば非水の系で穏和な反
応を行った場合には、リン原子末端に基−N=P(OA
r)3、基−N=P(NH2)(OAr)2、基−N=P(N
2)2(OAr)又は基−N=P(NH2)3が結合し、窒素
原子末端に基−P(OAr)4、基−P(NH2)(OA
r)3、基−P(NH2)2(OAr)2、基−P(NH2)3(OA
r)又は基−P(NH2)4が結合し、水分もしくはアルカ
リ金属水酸化物が反応系内に存在する条件又は転移反応
が生じる過酷な条件で反応を行った場合には、前記の末
端基の他に、リン原子末端に基−N=P(O)(OAr)又
は基−N=P(O)( NH2)、N末端に基−P(O)(OA
r)2、基−P(O)(NH2)(OAr)又は基−P(O)(NH
22が結合する。
【0038】環状ホスファゼン化合物(1)の具体例と
しては、例えば、2−アミノ−2,4,4,6,6−ペ
ンタフェノキシシクロトリホスファゼン、2,4−ジア
ミノ−2,4,6,6−テトラフェノキシシクロトリホ
スファゼン、2,2,4−トリアミノ−4,6,6−ト
リフェノキシシクロトリホスファゼン、 2,4,6−
トリアミノ−2,4,6−トリフェノキシシクロトリホ
スファゼン、2,2,4,6−テトラアミノ−4,6−
ジフェノキシシクロトリホスファゼン等のアミノ基とフ
ェノキシ基とが混合置換したシクロトリホスファゼン化
合物、2−アミノ−2,4,4,6,6, 8,8−ペプ
タフェノキシシクロテトラホスファゼン、2,4−ジア
ミノ−2,4,6,6, 8,8−ヘキサフェノキシシク
ロテトラホスファゼン、2,6−ジアミノ−2,4,
4,6, 8,8−ヘキサフェノキシシクロテトラホスフ
ァゼン、2,2,4−トリアミノ−4,6,6, 8,8
−ペンタフェノキシシクロテトラホスファゼン、2,
2,6−トリアミノ−4,4,6, 8,8−ペンタフェ
ノキシシクロテトラホスファゼン、2,4,6−トリア
ミノ−2,4,6, 8,8−ペンタフェノキシシクロテ
トラホスファゼン、2,2,4,4−テトラアミノ−
6,6,8,8−テトラフェノキシシクロテトラホスフ
ァゼン、2,2,4,6−テトラアミノ−4,6,8,
8−テトラフェノキシシクロテトラホスファゼン、2,
2,4,8−テトラアミノ−4,6,6,8−テトラフ
ェノキシシクロテトラホスファゼン、2,4,6,8−
テトラアミノ−2,4,6,8−テトラフェノキシシク
ロテトラホスファゼン、2,2,4,4,6−ペンタア
ミノ−6,8,8−トリフェノキシシクロテトラホスフ
ァゼン、2,2,4,6,8−ペンタアミノ−4,6,
8−トリフェノキシシクロテトラホスファゼン、2,
2,4,6,6−ペンタアミノ−4,8,8−トリフェ
ノキシシクロテトラホスファゼン、2,2,4,4,
6,8−ヘキサアミノ−6,8−ジフェノキシシクロテ
トラホスファゼン、2,2,4,6,6,8−ヘキサア
ミノ−4,8−ジフェノキシシクロテトラホスファゼ
ン、2,2,4,4,6,6, 8−ペプタアミノ−8−
フェノキシシクロテトラホスファゼン等のアミノ基とフ
ェノキシ基とが混合置換したシクロテトラホスファゼン
化合物、上記と同様にアミノ基とフェノキシ基とが混合
置換したシクロペンタホスファゼン化合物、シクロヘキ
サホスファゼン化合物、シクロヘプタホスファゼン化合
物、シクロオクタホスファゼン化合物等を挙げることが
できる。また、上記の他に、2,4,6−トリアミノ−
2,4,6−トリ(3,4−キシリルオキシ)シクロト
リホスファゼン、2,4,6−トリアミノ−2,4,6
−トリナフチルオキシシクロトリホスファゼン等も使用
できる。
【0039】鎖状ホスファゼン化合物(2)の具体例と
しては、例えば、塩化アンモニウムと五塩化リンとの反
応又は塩化アンモニウムと三塩化リンと塩素との反応で
一般式[−P(Cl2)=N−]q(式中qは3〜25の
整数を示す。)で表される環状及び/又は鎖状のジクロ
ルホスファゼンオリゴマー混合物を公知の方法に従って
精製して取り出した鎖状クロルホスファゼンオリゴマー
混合物、または、上記で得られた環状及び鎖状のジクロ
ルホスファゼンオリゴマー混合物から、蒸留又は再結晶
によって取り出したヘキサクロルシクロトリホスファゼ
ンを220〜250℃に加熱し、開環重合して得られる
鎖状のジクロルホスファゼンに、アミノ基とフェノキシ
基とを混合置換した鎖状ホスファゼン化合物を挙げるこ
とができる。また、アミノ基とフェノキシ基を混合置換
した環状又は鎖状(アミノ)(アリーロキシ)ホスファ
ゼン化合物のフェノキシ基を、トリルオキシ基、キシリ
ルオキシ基、又はナフチルオキシ基に代えたホスファゼ
ン化合物を挙げることができる。
【0040】本発明では、上記環状ホスファゼン化合物
(1)や鎖状ホスファゼン化合物(2)をそれぞれ単独
で用いてもよいし、2種以上混合して使用してもよい。
【0041】これらの中でも、アミノ基とフェノキシ基
とが混合置換したシクロトリホスファゼン混合物、アミ
ノ基とフェノキシ基とが混合置換したシクロテトラホス
ファゼン混合物、アミノ基とフェノキシ基とが混合置換
したシクロホスファゼンの混合物等を好ましく使用でき
る。
【0042】尚、環状ホスファゼン化合物(1)及び鎖
状ホスファゼン化合物(2)において、総繰返し数(l
+m+n又はh+i+j)が同じで且つリン原子に置換
するアミノ基及びアリーロキシ基の数がそれぞれ同じで
ある同族体の中では、 l/(l+m+n)又はh/
(h+i+j)の値が最小値を取る同族体が好ましい。
【0043】環状ホスファゼン化合物(1)の同族体の
一例としては、2,2,4−トリアミノ−4,6,6−
トリフェノキシシクロトリホスファゼン及び2,4,6
−トリアミノ−2,4,6−トリフェノキシシクロトリ
ホスファゼンも同族体であり、この場合もl/(l+m
+n)の値がより小さくなる2,4,6−トリアミノ−
2,4,6−トリフェノキシシクロトリホスファゼンが
好ましい。
【0044】同族体の中で、l/(l+m+n)の値又
はh/(h+i+j)の値をできるだけ小さくするため
には、 E.T.McBee,K.Okuhara and C.J.Morton,Inorgani
c Chemistry, 5(3),450,1966 に記載されているよう
に、先にクロルホスファゼン化合物に任意の量のフェノ
ール類を反応させ、次にホスファゼン化合物に残った塩
素を過剰量のアンモニアで反応する方法が好ましい。
【0045】より具体的には、例えば、ヘキサクロロト
リホスファゼンのアセトン溶液を、ナトリウムフェノラ
ートのアセトン溶液に滴下し、室温で25〜40時間程
度反応させて、クロルフェノキシシクロトリホスファゼ
ンを合成した後、残存する塩素に対して過剰の液体アン
モニアを加えて4日間程度反応させることにより、アミ
ノフェノキシシクロトリホスファゼンを得ることができ
る。ナトリウムフェノラートの使用量は特に制限され
ず、得ようとするアミノフェノキシシクロトリホスファ
ゼン中のアミノ基の数に応じて適宜選択すればよい。
【0046】本発明においては、エポキシ樹脂の難燃剤
として、アミノ・アリーロキシホスファゼン化合物の他
に、そのエポキシ変性物も使用できる。該エポキシ変性
物の使用により、エポキシ樹脂成形体の難燃性、耐熱
性、耐湿性等がより一層向上できる。
【0047】アミノ・アリーロキシホスファゼン化合物
のエポキシ変性物は、アミノ・アリーロキシホスファゼ
ン化合物とエポキシ基含有化合物とを反応させることに
より得られる。例えば、アミノ・アリーロキシホスファ
ゼン化合物とエポキシ基含有化合物との反応は、一般的
な合成樹脂の変性操作と同様に実施できる。より具体的
には、無溶媒下又は有機溶媒中にて必要に応じて加熱下
に、アミノ・アリーロキシホスファゼン化合物とエポキ
シ基含有化合物とを混合することにより実施される。こ
こで使用する有機溶媒として、例えば、ベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム等
のハロゲン化炭化水素類等を挙げることができる。反応
温度は特に制限はないが、通常20〜100℃程度、好
ましくは30〜80℃程度とすればよい。反応時間は特
に制限されないが、通常0.5〜10時間程度、好まし
くは3〜5時間程度とすればよい。
【0048】エポキシ基含有化合物と反応させるアミノ
・アリーロキシホスファゼン化合物としては特に制限は
ないが、特に好ましいものとして、例えば、アミノペン
タフェノキシシクロトリホスファゼン、ジアミノテトラ
フェノキシシクロトリホスファゼン、トリアミノトリフ
ェノキシシクロトリホスファゼン、テトラアミノジフェ
ノキシシクロトリホスファゼン、ペンタアミノフェノキ
シシクロトリホスファゼン等のアミノ基とフェノキシ基
とが混合置換したシクロトリホスファゼン化合物、アミ
ノペプタフェノキシシクロテトラホスファゼン、ジアミ
ノヘキサフェノキシシクロテトラホスファゼン、トリア
ミノペンタフェノキシシクロテトラホスファゼン、テト
ラアミノテトラフェノキシシクロテトラホスファゼン、
ペンタアミノトリフェノキシシクロテトラホスファゼ
ン、ヘキサアミノジフェノキシシクロテトラホスファゼ
ン、ヘキサアミノジフェノキシシクロテトラホスファゼ
ン、ペプタアミノフェノキシシクロテトラホスファゼン
等のアミノ基とフェノキシ基とが混合置換したシクロテ
トラホスファゼン化合物等を挙げることができる。ま
た、アミノ基とフェノキシ基とが混合置換したシクロペ
ンタホスファゼン化合物、シクロヘキサホスファゼン化
合物、シクロヘプタホスファゼン化合物、シクロオクタ
ホスファゼン化合物等の環状ホスファゼン化合物、鎖状
ホスファゼン化合物等も好ましく使用できる。
【0049】エポキシ基含有化合物としては、上記に例
示のエポキシ樹脂と同様で良い。また、その他のエポキ
シ基含有化合物としては、一般に公知のエポキシ樹脂用
モノマーを使用してもよい。エポキシ樹脂用モノマーと
しては、例えば、ビスフェノールAのジグリシジルエー
テル、ブタジエンジエポキシド、3,4−エポキシシク
ロヘキシルメチル−(3,4−エポキシ)シクロヘキサ
ンカルボキシレート、ビニルシクロヘキサンジオキシ
ド、4,4’−ジ(1,2−エポキシエチル)ジフェニ
ルエーテル、4,4’−(1,2−エポキシエチル)ビ
フェニル、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)プロパン、レゾルシンのグリシジルエーテル、フ
ロログルシンのジグリシジルエーテル、メチルフロログ
ルシンのジグリシジルエーテル、ビス(2,3’−エポ
キシシクロペンチル)エーテル、2−(3,4−エポキ
シ)シクロヘキサン−5,5−スピロ(3,4−エポキ
シ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、ビス(3,4−
エポキシ−6−メチルシクロヘキシル)アジペート、
N,N’−m−フェニレンビス(4,5−エポキシ−
1,2−シクロヘキサン)ジカルボキシイミド等の2官
能性のエポキシ化合物、p−アミノフェノールのトリグ
リシジルエーテル、ポリアリルグリシジルエーテル、
1,3,5−トリ(1,2−エポキシエチル)ベンゼ
ン、2,2’,4,4’−テトラグリシドキシベンゾフ
ェノン、フェノールホルムアルデヒドノボラックのポリ
グリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグ
リシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリ
シジルエーテル等の3官能性以上のエポキシ化合物等を
挙げることができる。これらの中でも、アミノ・アリー
ロキシホスファゼン化合物との反応に特に好ましく使用
できるのは、ビスフェノールAのジグリシジルエーテ
ル、4,4’−(1,2−エポキシエチル)ビフェニ
ル、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)
プロパン又はレゾルシンのグリシジルエーテル、フロロ
グルシンのジグリシジルエーテル等である。エポキシ基
含有化合物は、それぞれ1種を単独で使用でき又は2種
以上を併用できる。
【0050】本発明で使用するエポキシ変性物の中で特
に好ましいのは、アミノペンタフェノキシシクロトリホ
スファゼン、ジアミノテトラフェノキシシクロトリホス
ファゼン、トリアミノトリフェノキシシクロトリホスフ
ァゼン、テトラアミノジフェノキシシクロトリホスファ
ゼン、ペンタアミノフェノキシシクロトリホスファゼン
等のアミノ基とフェノキシ基とが混合置換したシクロト
リホスファゼン化合物、アミノペプタフェノキシシクロ
テトラホスファゼン、ジアミノヘキサフェノキシシクロ
テトラホスファゼン、トリアミノペンタフェノキシシク
ロテトラホスファゼン、テトラアミノテトラフェノキシ
シクロテトラホスファゼン、ペンタアミノトリフェノキ
シシクロテトラホスファゼン、ヘキサアミノジフェノキ
シシクロテトラホスファゼン、ヘキサアミノジフェノキ
シシクロテトラホスファゼン、ペプタアミノフェノキシ
シクロテトラホスファゼン等のアミノ基とフェノキシ基
とが混合置換したシクロテトラホスファゼン化合物等の
アミノ・アリーロキシホスファゼン化合物とエポキシ樹
脂、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、4,
4’−(1,2−エポキシエチル)ビフェニル、2,2
−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン又
はレゾルシンのグリシジルエーテル、フロログルシンの
ジグリシジルエーテル等のエポキシ樹脂用モノマー等の
エポキシ基含有化合物とを反応させてなる化合物であ
る。
【0051】アミノ・アリーロキシホスファゼン化合物
及びそのエポキシ変性物はそれぞれ単独で用いてもよ
く、又はこれらを混合して用いてもよい。
【0052】本発明において、アミノ・アリーロキシホ
スファゼン化合物及びそのエポキシ変性物の配合割合
は、本発明のエポキシ樹脂組成物全量の0.01〜9
9.9重量%とする。この範囲の中で、エポキシ樹脂及
び/又はアミノ・アリーロキシホスファゼン化合物のエ
ポキシ変性物のエポキシ当量と、アミノ・アリーロキシ
ホスファゼン化合物のアミノ当量及び/又はエポキシ樹
脂硬化剤の反応性基の当量とが一致するように適宜選択
すればよい。また、アミノ・アリーロキシホスファゼン
化合物の部分エポキシ変性物の場合、アミノ基及びエポ
キシ基が存在するが、エポキシ当量の総量とアミノ当量
及び/又はエポキシ樹脂硬化剤の反応性基の当量の総量
とを一致させればよい。
【0053】アミノ・アリーロキシホスファゼン化合物
を用いる場合には、エポキシ樹脂の電気的特性を損なう
ことなく難燃性、耐湿性、耐熱性等を十分に向上させる
ため、その配合量は組成物全量の0.01〜70重量%
とするのが好ましく、0.1〜60重量%とするのがよ
り好ましい。
【0054】アミノ・アリーロキシホスファゼン化合物
のエポキシ変性物を用いる場合には、その配合割合は、
良好な電気的特性を有し且つ難燃性、耐湿性、耐熱性そ
の他の物理化学的特性に優れた組成物を得るために、好
ましくは1〜95重量%、より好ましくは5〜90重量
%とするのがよい。
【0055】本発明のエポキシ樹脂組成物には、その好
ましい特性を損なわない範囲で、エポキシ樹脂硬化剤及
び/又は無機充填剤を配合することができる。(C)成分 エポキシ樹脂硬化剤としては、エポキシ樹脂に対して硬
化作用を示すものである限り公知のものをいずれも使用
でき、例えば、フェノール性水酸基を有する化合物、芳
香族アミン化合物、酸無水物等を挙げることができる。
耐湿性、成形性、保存安定性等を考慮すると、これらの
中でもフェノール性水酸基が好ましい。フェノール性水
酸基を有する化合物としては、例えば、フェノール、ク
レゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビ
スフェノール-A、ビスフェノール-F等のフェノール類
又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナ
フタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、アセト
アルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒ
ド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド類とを酸性触媒
の存在下で縮合又は共縮合させて得られる樹脂(例えば
ノボラック型フェノール樹脂)、ポリパラビニルフェノ
ール樹脂、フェノール類とジメトキシパラキシレンから
合成されるキシリレン基を有するフェノール・アラルキ
ル樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、ト
リフェノールメタン縮合物等を挙げられる。これらエポ
キシ樹脂硬化剤は、1種を単独で使用、又は2種以上を
併用できる。
【0056】エポキシ樹脂硬化剤の配合割合は特に制限
はなく、得られるエポキシ樹脂組成物の耐湿性、ハンダ
耐熱性、機械的特性、成形性等を考慮し、広い範囲から
適宜選択できるが、通常本発明エポキシ樹脂組成物全量
の70重量%まで、好ましくは60重量%までとすれば
よい。
【0057】尚、エポキシ樹脂硬化剤の配合量を決定す
る場合には、未反応成分を低く抑えるため、エポキシ樹
脂とエポキシ樹脂硬化剤との当量比を考慮に入れる必要
がある。ここで当量比とは、「エポキシ樹脂硬化剤の反
応性基の数/エポキシ樹脂のエポキシ基数」を意味す
る。エポキシ樹脂硬化剤としてフェノール性水酸基を有
する化合物を用いる場合を例にとれば、当量比は「フェ
ノール性水酸基を有する化合物の水酸基数/エポキシ樹
脂のエポキシ基数」となる。通常、当量比は0.7〜
1.3の範囲に設定することが好ましい。
【0058】更に、(B)成分のホスファゼン化合物が
難燃剤としてのみならず、エポキシ樹脂又はエポキシ樹
脂硬化剤としても作用することから、(A)成分のエポ
キシ樹脂、(B)成分のホスファゼン化合物及び(C)
成分のエポキシ樹脂硬化剤の官能基の当量比は、それぞ
れ、0.7〜1.3の範囲に設定することが好ましい。(D)成分 無機質充填剤は、ドリッピング防止効果の増強と共に、
樹脂組成物の機械的強度をも向上させるという特性を有
している。無機質充填剤としては、この分野で常用され
ているものをいずれも使用でき、例えば、溶融シリカ、
結晶シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、酸化亜鉛、硼酸亜鉛、ジルコン、三酸化ア
ンチモン、タルク、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、
炭化珪素、炭化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、チタン
白、クレー、マイカ、タルク等の粉体、これらを球状化
したビーズ、カオリン、硫酸バリウム、炭酸バリウム、
硫酸カルシウム、酸化チタン、硝子ビーズ、硝子バルー
ン、硝子フレーク、繊維状チタン酸アルカリ金属塩(チ
タン酸ナトリウム繊維等)、繊維状硼酸塩(ホウ酸アル
ミニウム繊維、ホウ酸マグネシウム繊維等)、酸化亜鉛
繊維、酸化チタン繊維、酸化マグネシウム繊維、石膏繊
維、珪酸アルミニウム繊維、珪酸カルシウム繊維、炭化
珪素繊維、炭化チタン繊維、窒化チタン繊維、炭素繊
維、アルミナ−シリカ繊維、ジルコニア繊維、石英繊
維、薄片状チタン酸塩、薄片状二酸化チタン等を挙げら
れる。無機質充填剤は1種を単独で使用でき又は2種以
上を併用できる。
【0059】無機質充填剤の配合割合は特に制限はな
く、種々の条件に応じて広い範囲から適宜選択できる
が、得られるエポキシ樹脂組成物の耐湿性、ハンダ耐熱
性、機械的特性、成形性等を考慮すると、通常本発明組
成物全量の95重量%まで、好ましくは90重量%まで
とすればよい。
【0060】本発明においては、目的とする難燃性エポ
キシ樹脂組成物に要求される性能、該難燃性エポキシ樹
脂組成物を用いて製造される積層板、封止材及び注型材
の種類、得られる難燃性エポキシ樹脂組成物の難燃性、
耐湿性、半田耐熱性、機械的特性及び成形性等の性能を
より一層向上させるという点を考慮して、上記の配合割
合の範囲の中から、エポキシ樹脂の種類、併用する他の
成分の種類を適宜選択すればよい。
【0061】本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物の好ま
しい態様を次に掲げる。
【0062】(1)(A)エポキシ樹脂並びに(B)ア
ミノ・アリーロキシホスファゼン化合物及びそのエポキ
シ変性物から選ばれる少なくとも1種からなる組成物に
おいて、(A)及び(B)成分の合計量に対して、
(B)成分がアミノ・アリーロキシホスファゼン化合物
の場合は(B)成分を0.01〜70重量%(好ましく
は0.1〜60重量%)、(B)成分がアミノ・アリー
ロキシホスファゼン化合物のエポキシ変性物の場合は
(B)成分を1〜95重量%(好ましくは5〜90重量
%)配合してなる難燃性エポキシ樹脂組成物。
【0063】(2)(A)エポキシ樹脂、(B)アミノ
・アリーロキシホスファゼン化合物及びそのエポキシ変
性物から選ばれる少なくとも1種並びに(C)エポキシ
樹脂硬化剤からなる組成物において、(A)、(B)及
び(C)成分の合計量に対して、(B)成分がアミノ・
アリーロキシホスファゼン化合物の場合は(B)成分を
0.01〜70重量%(好ましくは0.1〜60重量
%)、(B)成分がアミノ・アリーロキシホスファゼン
化合物のエポキシ変性物の場合は(B)成分を1〜95
重量%(好ましくは5〜90重量%)、(C)成分を0
〜70重量%(好ましくは0〜60重量%)配合してな
る難燃性エポキシ樹脂組成物。
【0064】(3)(A)エポキシ樹脂、(B)アミノ
・アリーロキシホスファゼン化合物及びそのエポキシ変
性物から選ばれる少なくとも1種、(C)エポキシ樹脂
硬化剤並びに(D)無機質充填剤からなる組成物におい
て、(A)、(B)及び(C)成分の合計量に対して、
(B)成分がアミノ・アリーロキシホスファゼン化合物
の場合は(B)成分を0.01〜70重量%(好ましく
は0.1〜60重量%)、(B)成分がアミノ・アリー
ロキシホスファゼン化合物のエポキシ変性物の場合は
(B)成分を1〜95重量%(好ましくは5〜90重量
%)、(C)成分を0〜70重量%(好ましくは0〜6
0重量%)配合し、且つ(D)成分を(A)、(B)、
(C)及び(D)成分の合計量に対して、0〜95重量
%(好ましくは0〜90重量%)配合してなる難燃性エ
ポキシ樹脂組成物。
【0065】(4)上記(1)、(2)及び(3)の難
燃性エポキシ樹脂組成物における(B)成分が一般式
(1)の環状ホスファゼン化合物及び一般式(2)の鎖
状ホスファゼン化合物から選ばれる少なくとも1種のア
ミノ・アリーロキシホスファゼン化合物である難燃性エ
ポキシ樹脂組成物。
【0066】(5)上記(1)、(2)、(3)及び
(4)の難燃性エポキシ樹脂組成物を熱可塑性及び/又
は熱硬化性樹脂に配合した難燃性樹脂組成物。その他の成分 本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物には、上記成分の他
に、硬化促進剤が含まれていてもよい。該硬化促進剤と
しては、この分野において公知のものを使用でき、例え
ば、ジシアンジアミド、アジピン酸ジヒドラジド等の塩
基性活性水素化合物、1,8−ジアザビシクロ(5,
4,0)ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ
(3,4,0)ノネン−5等のビシクロアミジン類、そ
のフェノール塩、オクチル塩、オレイン酸塩等の誘導
体、トリエタノールアミン、テトラメチルブタンジアミ
ン、テトラメチルペンタンジアミン、テトラメチルヘキ
サンジアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルアニリ
ン、ベンジルジメチルアミン、ジメチルアミノエタノー
ル、ジメチルアミノペンタノール等のオキシアルキルア
ミン類、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、
N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等の第3
級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミ
ダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシル
イミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メ
チル−4−エチルイミダゾール、2−フェニル−4−メ
チルイミダゾール、1−ブチルイミダゾール、1−プロ
ピル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メ
チルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミ
ダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾ
ール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、
1−アジン−2−メチルイミダゾール、1−アジン−2
−ウンデシルイミダゾール等のイミダゾール類、セチル
トリメチルアンモニウムブロマイド、セチルトリメチル
アンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニ
ウムアイオダイド、トリメチルデシルアンモニウムクロ
ライド、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムク
ロライド、ベンジルメチルパルミチルアンモニウムクロ
ライド、アリルドデシルトリメチルアンモニウムブロマ
イド、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムアセ
テート等の第4級アンモニウム塩類、トリブチルホスフ
ィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホス
フィン等の有機ホスフィン類、トリフェニルホスフィン
テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム
テトラフェニルボレート、トリエチルアミンテトラフェ
ニルボレート、N−メチルモルホリンテトラフェニルボ
レート、2−エチル−4−メチルイミダゾールテトラフ
ェニルボレート、2−エチル−1,4−ジメチルイミダ
ゾールテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロ
ン塩等を挙げられる。硬化促進剤は、1種を単独で使用
でき又は2種以上を併用できる。
【0067】本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物には、
その難燃性能、特にドリッピング(燃焼時の滴下による
延焼)防止性能をより一層向上させる目的で、フッ素樹
脂を配合することができる。フッ素樹脂としては公知の
ものを使用でき、例えば、ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチ
レン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
(PFA)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合
体(ETFE)、ポリ(トリフルオロクロロエチレン)
(CTFE)、ポリフルオロビニリデン(PVdF)等
を挙げられる。これらの中でも、PTFEが好ましい。
フッ素樹脂は、1種を単独で使用でき又は2種以上を併
用できる。
【0068】フッ素樹脂の配合量は特に制限されず、エ
ポキシ樹脂の種類、(B)成分の使用量、他の添加剤の
種類や配合量、得られる難燃性樹脂組成物の用途等の各
種条件に応じて広い範囲から適宜選択すればよい。例え
ば(A)エポキシ樹脂及び(B)ホスファゼン化合物か
らなる組成物において、(A)及び(B)成分の合計量
に対して、フッ素樹脂の配合量は通常0.01〜2.5
重量%程度、好ましくは0.1〜1.2重量%程度とす
ればよい。また、(A)エポキシ樹脂、(B)ホスファ
ゼン化合物及び(C)エポキシ樹脂硬化剤からなる組成
物において、(A)、(B)及び(C)成分の合計量に
対して、フッ素樹脂の配合量は通常0.01〜2.5重
量%程度、好ましくは0.1〜1.2重量%程度とすれ
ばよい。また、(A)エポキシ樹脂、(B)ホスファゼ
ン化合物、(C)エポキシ樹脂硬化剤及び(D)無機質
充填剤からなる組成物において、(A)、(B)、
(C)及び(D)成分の合計量に対して、フッ素樹脂の
配合量は通常0.01〜2.5重量%程度、好ましくは
0.1〜1.2重量%程度とすればよい。
【0069】本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物には、
その好ましい特性を損なわない範囲で、種々の添加剤を
配合することができる。該添加剤としては、例えば、前
記硬化促進剤、天然ワックス類、合成ワックス類、直鎖
脂肪酸とその金属塩、酸アミド、エステル類、パラフィ
ン類等の離型剤、本発明の(B)成分以外のホスファゼ
ン化合物、リン酸エステル、縮合リン酸エステル、その
他の有機リン化合物、単体リン、赤リン、塩素化パラフ
ィン、ブロム化トルエン、ヘキサブロムベンゼン、三酸
化アンチモン及びその他の無機系難燃剤等の難燃剤、カ
ーボンブラック、弁柄等の着色剤、カップリング剤(3
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシラン
系カップリング剤、テトラオクチルビス(ホスファイ
ト)チタネート等のチタン系カップリング剤等)等が挙
げられる。これらは、1種を単独で使用でき又は2種以
上を併用できる。
【0070】更に、本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物
には、その好ましい特性を損なわない範囲で、一般的な
樹脂添加剤を配合することができる。該樹脂添加剤とし
ては特に制限されないが、例えば、紫外線吸収剤(ベン
ゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレ
ート系、トリアジン系等)、光安定剤(ヒンダードアミ
ン系等)、酸化防止剤(ヒンダードフェノール系、有機
リン系過酸化物分解剤、有機イオウ系過酸化物分解剤
等)、遮光剤(ルチル型酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ク
ロム、酸化セリウム等)、金属不活性剤(ベンゾトリア
ゾール系等)、消光剤(有機ニッケル等)、防曇剤、防
黴剤、抗菌剤、顔料等が挙げられる。本発明のエポキシ樹脂組成物の製造 本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、アミノ
・アリーロキシホスファゼン化合物及び/又はそのエポ
キシ変性物並びに必要に応じてエポキシ樹脂硬化剤、無
機質充填剤、その他の添加剤の所定量を公知の手段に従
って混合することにより製造できる。例えば、前記各成
分をミキサー等で混合し、次いで熱ロール,ニーダ等で
混練し、冷却固化し、適当な大きさに粉砕すればよい。本発明のエポキシ樹脂組成物の用途 本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、熱硬化性樹脂が
使用可能なあらゆる分野で適用でき、特に電気・電子・
通信機器、精密機器分野における積層板材料、封止材
料、光学材料又は注型材料等として好ましく使用でき
る。更に本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、エポキ
シ樹脂の通常の用途、例えば、塗料、接着剤、自動車等
の輸送機器、繊維製品、各種製造機械類、食品包装フィ
ルムや容器、農林水産分野、土木・建築用資材、医療用
品、家具類の構成部品、航空・宇宙用複合材料等にも適
用できる。
【0071】本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物の電気
・電子・通信機器、精密機器分野における電子部品材料
用途を更に詳しく説明する。
【0072】プリプレグ及び銅張積層板 本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、紙基材銅張積層
板、ガラス基材銅張積層板、コンポジット銅張積層板、
フレキシブル銅張板等の銅張積層板等に使用でき、その
製造に際しては公知の方法が採用できる。例えば、ガラ
スクロス等の適当なシート状基材に本発明の難燃性エポ
キシ樹脂組成物のワニスを含浸させてプリプレグを製造
し、このプリプレグを用いて銅張り積層板等を製造すれ
ばよい。
【0073】プリプレグに用いられるシート状基材とし
ては、この分野で常用されるものを使用でき、例えば、
ガラス織布、ガラス不織布、紙或いはアラミド繊維等の
ガラス以外の成分からなる布等が挙げられる。
【0074】プリプレグに用いられるワニスは、本発明
のエポキシ樹脂組成物を有機溶媒に溶解させることによ
り製造できる。該有機溶媒としては、本発明のエポキシ
樹脂組成物を溶解し得るものであれば特に制限されず、
例えば、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキ
シド、トリクロロエチレン、トリクロロエタン、塩化メ
チレン、ジオキサン、酢酸エチル等が挙げられる。ま
た、シート状基材との密着性を向上させるために、ワニ
スに各種カップリング剤を配合してもよい。
【0075】次に、得られたプリプレグ1〜数枚を銅箔
2枚の間に挟み、100〜250℃程度に加熱した状態
で0.1〜10MPaに加圧し成形することにより、導
体回路形成用両面銅張り基板が製造される。この両面銅
張り基板に回路パターンを形成後、これらを前記プリプ
レグシートに必要枚数挟み、100〜250℃程度に加
熱した状態で0.1〜10MPaに加圧し接着成形を行
い、多層板を得る。接着成形後、層間導通用の穴を開
け、その穴に銅めっき等の処理を行い、層間を導通し、
最後に最外層の導体を形成し、銅張積層板を得ることが
できる。
【0076】ビルドアップ型多層プリント配線板 本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、ビルドアップ型
多層プリント配線板材料として、例えば、層間絶縁膜、
ソルダーレジスト、樹脂付銅箔材料等として使用でき
る。
【0077】具体的には、まず本発明の難燃性エポキシ
樹脂組成物及び必要によりその他の成分を、例えば、ト
ルエン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ等の好
適な有機溶媒に溶解してワニスとし、これを銅箔或いは
ポリエステル、ポリイミド等のキャリアフィルムに塗布
し、加熱乾燥で半硬化させる等の常法により、キャリア
付樹脂フィルムとする。次いで、このキャリア付き樹脂
フィルムを各種ラミネーターによりコアとなる内層回路
板(ガラスエポキシ積層板)に積層成形する等の常法に
よりビルドアップ型多層プリント配線板を得ることがで
きる。
【0078】本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物中に紫
外線や電子線等のエネルギー線により硬化する成分が含
まれる場合は、現像・印刷が可能なソルダーレジスト材
(ソルダーレジストインキ)として使用できる。
【0079】接着剤及びフレキシブルプリント配線板 本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物を接着剤として、耐
熱性樹脂フィルム或いは導体箔上に塗布していくことに
より、片面フレキシブルプリント配線板、両面フレキシ
ブルプリント配線板、多層フレキシブルプリント配線板
等のフレキシブルプリント配線板を得ることができる。
耐熱性樹脂フィルムとしては、ハロゲンを含まず、自己
消火性の耐熱性樹脂フィルムであれば特に限定されない
が、ポリイミドフィルム、ポリエチレンテレフタレート
フィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等が挙げ
られ、耐熱性、機械的特性、電気特性、難燃性等からポ
リイミドフィルムが特に好ましい。導体箔としては、銅
箔、アルミニウム箔、ニッケル箔、ステンレス箔、鉄-
ニッケル等の合金箔等を挙げることができるが、柔軟
性、電気特性、加工性等から銅箔が特に好ましい。
【0080】異方導電性材料 本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、液晶ディスプレ
イ(LCD)とテープキャリヤパッケージ(TCP)
や、TCPとプリント回路基板(PCB)等の微細な回
路の電気的接続に使用される異方導電性接着剤、異方導
電性シート、異方導電性フィルム、異方導電性ペースト
材料等として使用できる。
【0081】半導体封止材料及びオプトデバイス封止
材料 本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、半導体封止材料
及びオプトデバイス封止材料、例えば、フィルム状半導
体用封止材、高熱伝導半導体用封止材、エリアバンフパ
ッケージ用封止材、バンフ接合構造用封止材、フリップ
チップ用封止材、鉛フリーはんだ対応封止材、フリップ
チップ実装対応アンダーフィル材、ウェハレベルアンダ
ーフィル材、フォトカプラー用封止材等として使用でき
る。本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物を用いて得られ
る製品としては、IC、LSI、VLSI、サイリス
タ、ダイオード、TSOP(Thin Small Outline Packa
ge)、BGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Scal
e/Size Package)、COF(Chip On Film/FPC)等を例
示できる。
【0082】オプトデバイス材料としては、LED、フ
ォトダイオード、フォトトランジスタ、CCD等の素子
製造のための封止材として使用できる。
【0083】光学材料及び注型材 本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物は、セグメント型、
単純マトリックス方式或いはアクティブマトリクス方式
等の液晶表示素子用層間絶縁膜、液晶表示素子用シール
材等の光学材料に使用できる。また、本発明の難燃性エ
ポキシ樹脂組成物は、注型材としてリレー、モーター、
トランス、アンテナ等のコイル絶縁材料としても使用で
きる。
【0084】より具体的な用途としては、電気・電子・
通信機器では、例えば、プリンタ、コンピュータ、ワー
ドプロセッサー、キーボード、小型情報端末機(PD
A)、電話機、携帯電話、ファクシミリ、複写機、電子
式金銭登録機(ECR)、電卓、電子手帳、電子辞書、
カード、ホルダー、文具等の事務・OA機器、洗濯機、
冷蔵庫、掃除機、電子レンジ、照明器具、ゲーム機、ア
イロン、炬燵等の家電製品、テレビ、VTR、ビデオカ
メラ、カセット付きラジオ、テープレコーダー、ミニデ
ィスクプレーヤー、CDプレーヤー、DVDプレーヤ
ー、スピーカー、液晶ディスプレイ、ELディスプレ
イ、プラズマディスプレイ等のAV機器、コネクター、
リレー、コンデンサ、スイッチ、コイルボビン、電池、
CCDセンサー、電線、ケーブル、トランス、モータ
ー、アンテナコイル、偏向ヨーク、分電盤、時計等の電
気・電子部品及び非接触データキャリアパッケージシス
テム等の通信機器等が挙げられる。
【0085】更に、各種のいすや座席の詰め物、表地、
ベルト、天井や壁張り、コーパーチブルトップ、アーム
レスト、ドアトリム、リアパッケージトレイ、カーペッ
ト、マット、サンバイザー、ホイールカバー、マットレ
スカバー、エアバッグ、絶縁材、吊り手、吊り手帯、電
線被覆材、電気絶縁材、塗料、コーティング材、上張り
材、床材、隅壁、カーペット、壁紙、壁装材、外装材、
内装材、屋根材、防音板、断熱板、窓材等の自動車、車
両、船舶、航空機及び建築用材料、衣類、カーテン、シ
ーツ、合板、合繊板、絨毯、玄関マット、シート、バケ
ツ、ホース、容器、めがね、鞄、ケース、ゴーグル、ス
キー板、スノーボード板、スケートボード板、ラケッ
ト、テント、楽器等の生活・スポーツ用品等が挙げられ
る。本発明の(B)成分及びエポキシ樹脂組成物の別用途 更に、本発明の(B)成分、(B)成分と反応性基含有
化合物との反応物及び本発明の難燃性エポキシ樹脂組成
物からなる群から選ばれた少なくとも1種を、エポキシ
樹脂以外の各種合成樹脂(熱可塑性樹脂や熱硬化性樹
脂)に難燃剤として配合し、難燃性樹脂組成物としても
よい。
【0086】合成樹脂としては特に制限されず、公知の
熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂のいずれをも使用
できる。
【0087】熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソプレン、塩素
化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポ
リスチレン、耐衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリル
−スチレン樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)、メチルメタクリ
レート−ブタジエン−スチレン樹脂(MBS樹脂)、メ
チルメタクリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−
スチレン樹脂(MABS樹脂)、アクリロニトリル−ア
クリルゴム−スチレン樹脂(AAS樹脂)、ポリメチル
(メタ)アクリレート、ポリエステル(ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチ
レンナフタレート等)、ポリカーボネート、ポリフェニ
レンエーテル(PPE)、変性ポリフェニレンエーテ
ル、ポリアミド(脂肪族系及び/又は芳香族系)、ポリ
フェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリエーテルエー
テルケトン、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエー
テルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリチオエーテル
スルホン、ポリエーテルスルホン、ポリベンズイミダゾ
ール、ポリカルボジイミド、ポリアミドイミド、ポリエ
ーテルイミド、液晶ポリマー等を挙げることができる。
これらの中でも、ポリエステル、ABS樹脂、ポリカー
ボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリアミド等
が好ましい。
【0088】熱硬化性樹脂の具体例としては、例えば、
ポリウレタン、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ビスマ
レイミド−トリアジン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコン樹脂、エ
ポキシ樹脂(ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、ビス
フェノール−F型エポキシ樹脂、ビスフェノール−AD
型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹
脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族
エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂、グ
リシジルアミン系エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹
脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノール
−A型エポキシ樹脂等)等を挙げることができる。これ
らの中でも、ポリウレタン、フェノール樹脂、メラミン
樹脂、エポキシ樹脂等が好ましく、エポキシ樹脂が特に
好ましい。熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂はいずれも1
種を単独で使用でき又は2種以上を併用できる。合成樹
脂に対する難燃剤の配合量は特に制限されず、合成樹脂
や難燃剤の種類、他の添加剤の種類や配合量、得られる
樹脂組成物に要求される性能や用途等の各種条件に応じ
て広い範囲から適宜選択できるが、通常合成樹脂100
重量部に対して0.01〜100重量部程度、好ましく
は0.5〜60重量部程度とすればよい。この樹脂組成
物には、上述の「無機質充填剤」の項で示した各成分及
び「他成分」の項で示した各種添加剤の1種又は2種以
上を配合することができる。この樹脂組成物は、合成樹
脂、難燃剤及び必要に応じて他の添加剤を通常の混合手
段で混合及び/又は混練することにより製造できる。ま
た、通常の合成樹脂の成形手段に従って、各種形状の成
形品とすることができる。
【0089】本発明の難燃性エポキシ樹脂組成物を熱可
塑性及び/又は熱硬化性樹脂に配合する場合は、例え
ば、粉末、ビーズ、フレーク又はペレット状の各成分の
混合物を、1軸押出機、2軸押出機等の押出機、バンバ
リーミキサー、加圧ニーダー、2本ロール等の混練機等
を用いて混合及び/又は混練すればよい。次いで、プレ
ス成形、射出成形、押出成形、注型成形等の公知の成形
方法により任意の形状の成形物とすることができる。
【0090】
【実施例】以下に、合成例、実施例及び比較例を挙げ、
本発明を具体的に説明する。以下において「%」及び
「部」とあるのは、それぞれ「重量%」及び「重量部」
を意味するものとする。 合成例1(ホスファゼン化合物(1)の合成) 文献 E.T.McBee,K.Okuhara and C.J.Morton,Inorganic
Chemistry, 5(3),450,1966 に従い、ヘキサクロロシク
ロトリホスファゼン200g(0.576モル)をアセ
トン2.0リットル に溶解し、この溶液をナトリウム
フェノラート2.30モルのアセトン4.0リットル溶
液に、氷冷下で滴下し、室温で36時間撹拌した。反応
終了後、アセトンを減圧下で留去し、残留物にジエチル
エーテル(2.0リットル)と水(2.0リットル)を
加え、溶解・洗浄し、更に水(1.0リットル)で2回
洗浄を繰り返した。このジエチルエーテル層を無水硫酸
ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮し、油状の粗生
成物を得た。これを溶離液としてベンゼン−ヘキサン
(1:9)を用い、アルミナカラム(酸洗、7000
g)を通し、第1フラクションを濃縮し、293.5g
の粗ジクロロテトラフェノキシシクロトリホスファゼン
混合物を得た。
【0091】オートクレーブ中に、この粗ジクロロ体
(293.5g )、ジエチルエーテル(800ml)
及び液体アンモニア1000mlを入れ、室温加圧下で
4日間撹拌反応した。反応終了後、生成物を濾過し、沈
澱と濾液に分離した。この沈澱を、ジエチルエーテルを
溶媒としてソックスレー抽出器で1日間抽出し、ジエチ
ルエーテル層を濃縮乾固し、エタノールで再結晶し、c
is−2,4−ジアミノ−2,4,6,6−テトラフェ
ノキシシクロトリホスファゼン67.1g(融点:11
8〜120℃)を得た。前記濾液を、溶離液としてジエ
チルエーテル−ベンゼン(1:9から1:4)を用い、
アルミナカラム(酸洗、3300g)を通し、溶出物を
濃縮後、ベンゼンで再結晶し、trans−2,4−ジ
アミノ−2,4,6,6−テトラフェノキシシクロトリ
ホスファゼン93.2g(融点108〜110℃)を得
た。
【0092】製造したシス体及びトランス体を混合して
使用した。該混合物のアミノ価(活性水素当量)は13
5g/eq.であった。なお、シス体とは、2個のアミ
ノ基がシクロトリホスファゼン骨格の面に対して同一方
向に置換したものを意味し、トランス体とは、2個のア
ミノ基が反対の方向に置換したものを意味する。 合成例2(ホスファゼン化合物(2)の合成) 合成例1と同様にしてヘキサシクロトリホスファゼンと
ナトリウムフェノラーとの反応及びそれに引き続くカラ
ムクロマトグラフィーを実施し、トリアミノトリフェノ
キシシクロトリホスファゼンに相当するフラクションを
集め、以下合成例1と同様に精製し、2,4,6−トリ
アミノ−2,4,6−トリフェノキシシクロトリホスフ
ァゼンのシス体(シクロトリホスファゼン環面を基準に
して3個のアミノ基が同一方向に置換したもの、融点1
89〜190℃、文献値)とトランス体(3個のアミノ
基の全てが同一方向に置換していないもの、融点110
〜111℃、文献値)との混合物を製造した。該混合物
のアミノ価(活性水素当量)は、77g/eq.であっ
た。 合成例3(ホスファゼン化合物(3)の合成) 合成例1と同様にして、ヘキサクロロシクロトリホスフ
ァゼンとナトリウムフェノラートとの反応、及びそれに
引き続くカラムクロマトグラフィーを実施し、全てのフ
ラクションを合わせ、以下合成例1と同様にアンモニア
との反応及び精製を行い、アミノ基とフェノキシ基が混
合置換した(アミノ)(フェノキシ)シクロトリホスフ
ァゼン混合物を合成した。合成した化合物のアミノ基と
フェノキシ基の比は、1:1(1H−NMR分析によ
る。)で、平均値として、トリアミノトリフェノキシシ
クロトリホスファゼンであった。合成物の組成は、LC
クロマトグラフィーでの分析の結果、アミノペンタフェ
ノキシシクロトリホスファゼン:2%、ジアミノテトラ
フェノキシシクロトリホスファゼン:14%、トリアミ
ノトリフェノキシシクロトリホスファゼン:68%、テ
トラアミノジフェノキシシクロトリホスファゼン:15
%、ペンタアミノフェノキシシクロトリホスファゼン:
1%のアミノ基とフェノキシ基が混合置換したシクロト
リホスファゼンであった。 合成例4(ホスファゼン化合物(4)の合成) ヘキサクロロシクロトリホスファゼンに代えてジクロル
ホスファゼンオリゴマー(3量体72%、4量体17
%、5量体及び6量体6%、7量体3%、8量体以上2
%の混合物)を使用する以外は合成例1と同様に反応を
行い、アミノ・フェノキシホスファゼンオリゴマーを製
造した。該アミノ・フェノキシホスファゼンオリゴマー
は、1H−NMR分析から、アミノ基とフェノキシ基と
が1:1の割合で結合したホスファゼンオリゴマーであ
り、またそのアミノ価(活性水素当量)は77g/e
q.であった。更に31P−NMRの結果から、該アミノ
・フェノキシホスファゼンオリゴマーが、2,2−ジア
ミノ−4,4,6,6−テトラフェノキシシクロトリホ
スファゼンを含んでいないことが確認された。 合成例5(ホスファゼン化合物(5)の合成) 合成例3で合成したアミノ基とフェノキシ基が混合置換
した(アミノ)(フェノキシ)シクロトリホスファゼン
オリゴマー(1.0モル)と、ビスフェノールAのジグ
リシジルエーテル(3.1モル)とを混合し、40℃に
加熱して5時間反応させ、エポキシ基末端が過剰のエポ
キシ変性ホスファゼン化合物を合成した。常法に従い、
化合物のエポキシ当量を測定した結果、410g/e
q.であった。 合成例6(ホスファゼン化合物(6)の合成) 合成例3で合成したアミノ基とフェノキシ基が混合置換
した(アミノ)(フェノキシ)シクロトリホスファゼン
オリゴマー(2.02モル)と、ビスフェノールAのジ
グリシジルエーテル(1.0モル)とを合成例5と同様
にして反応させ、アミノ基末端が過剰のエポキシ変性ホ
スファゼン化合物を合成した。常法に従い、化合物のア
ミノ価を測定した結果、130g/eq.であった。 合成例7(ホスファゼン化合物(7)の合成) 合成例1において、ヘキサクロルシクロトリホスファゼ
ンにアンモニアを先に反応させ、次にフェノールを反応
させる以外は合成例1と同様に操作し、2,2−ジアミ
ノ−4,4,6,6−テトラフェノキシシクロトリホス
ファゼンを合成した。 実施例1 フェノールノボラックエポキシ(大日本インキ社製、エ
ピクロンN−770)を100部、合成例1で製造した
ホスファゼン化合物(1)を142部にN,N’−ジメ
チルホルムアミドを加え、不揮発分濃度60%となるよ
うにワニスを調製した。このときエポキシ樹脂及びホス
ファゼン化合物の合計に対し、リン成分が10.1%、
窒素成分が7.6%となった。このワニスを用いて、ガ
ラスクロス(厚さ0.18mm、日東紡績(株)製)1
00部にワニス固形分で80部含浸させて、150℃の
乾燥機炉で5分乾燥させ、樹脂含有量44.4%のプリ
プレグを作成した。上記プリプレグを6枚を重ね、上下
に厚さ35μmの電解銅箔を重ねて、圧力4MPa、温
度190℃で120分加熱加圧成形を行い、厚さ1.2
mmの両面銅張積層板を得た。
【0093】得られた積層板の難燃性を、UL−94規
格に従い評価した。ハンダ耐熱性はJIS C 648
1に準じて測定した。即ち、ハンダ耐熱性は、煮沸2時
間の吸湿処理を行った後、260℃のハンダ槽に120
秒浸漬した後の外観の異常の有無を調べた。またピール
強度も、JIS C 6481に準じて測定した。
【0094】配合処方及び結果を表1に示す。 実施例2〜6及び比較例1 表1に示した配合処方で、これ以外は全て実施例1と同
様の方法で、両面銅張り積層板を作成した。評価結果を
表1に示す。
【0095】実施例に示す配合の積層板はいずれも難燃
性、耐湿性に優れていた。
【0096】
【表1】
【0097】実施例7 クレゾールノボラックエポキシ樹脂(エポキシ当量21
5)20%に、合成例3で製造したホスファゼン化合物
(3)17%、溶融シリカ粉末72%、エステル系ワッ
クス0.5%及びシラン系カップリング剤0.5%を配
合し、常温で混合し、更に90〜95℃で混練冷却した
後、粉砕して本発明のエポキシ樹脂組成物を製造した。
【0098】このエポキシ樹脂組成物を170℃に加熱
した金型内にトランスファー注入して硬化させて成形品
(封止品)を製造した。この成形品について吸水率、ガ
ラス転移温度及び耐湿性を調べた。試験方法は次の通り
である。
【0099】吸水率(重量%):本発明のエポキシ樹脂
組成物をトランスファー成形して、直径50mm、厚さ
3mmの試験片をつくり、これを127℃、2気圧の飽
和水蒸気中に24時間放置し、増加した重量から算出し
た。
【0100】ガラス転移温度(℃):吸水率試験と同じ
試験片を後硬化(175℃×8時間)した後、これを熱
分析装置にかけて測定した。ガラス転移温度から耐熱
性、ハンダ耐熱性が判断できる。
【0101】耐湿性(ハンダ浴浸漬後のPCT):本発
明のエポキシ樹脂組成物を用いて、2本以上のアルミニ
ウム配線を有するシリコン製チップ(テスト用素子)を
42アロイフレームに接着し、175℃で2分間トラン
スファー成形して5×10×1.5mmのフラットパッ
ケージ型成形品とした。これを175℃で8時間後硬化
し、耐湿性試験に供した。即ち、該フラットパッケージ
型成形品を予め40℃、90%RHの雰囲気中に100
時間置いて吸湿処理した後、250℃のハンダ浴に10
秒間浸漬し、次いで127℃、2.5気圧の飽和水蒸気
中でPCTを行い、アルミニウムの腐食による断線を不
良として評価した。PCT中の経過時間と不良の発生数
とを調べた。サンプル数は20とした。比較例2ホスフ
ァゼン化合物(3)に代えて、合成例7で調製したホス
ファゼン化合物(7)を使用する以外は、実施例7と同
様にして、成形品(封止品)を製造し、耐湿性等の特性
を調べた。
【0102】結果を表2に示す。
【0103】
【表2】
【0104】実施例8 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量18
5)100部、合成例1で製造したホスファゼン化合物
(1)20部、ノボラック型フェノール樹脂(数平均分
子量600、水酸基当量104)30部、ジシアンジア
ミド(硬化促進剤)1部及び水酸化アルミニウム40部
にN,N’−ジメチルホルムアミドを加え、不揮発分濃
度60%となるようにエポキシ樹脂ワニスを調製した。
【0105】実施例9 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量18
5)100部、合成例2で製造したホスファゼン化合物
(2)20部、ノボラック型フェノール樹脂(数平均分
子量600、水酸基当量104)20部、ジシアンジア
ミド1部及び水酸化アルミニウム40部にN,N’−ジ
メチルホルムアミドを加え、不揮発分濃度60%となる
ようにエポキシ樹脂ワニスを調製した。
【0106】実施例10 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量18
5)100部、合成例3で製造したホスファゼン化合物
(3)20部、ノボラック型フェノール樹脂(数平均分
子量600、水酸基当量104)20部、ジシアンジア
ミド1部及び水酸化アルミニウム40部にN,N’−ジ
メチルホルムアミドを加え、不揮発分濃度60%となる
ようにエポキシ樹脂ワニスを調製した。
【0107】実施例11 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量18
5)100部、合成例4で製造したホスファゼン化合物
(4)20部、ノボラック型フェノール樹脂(数平均分
子量600、水酸基当量104)20部、ジシアンジア
ミド1部及び水酸化アルミニウム40部にN,N’−ジ
メチルホルムアミドを加え、不揮発分濃度60%となる
ようにエポキシ樹脂ワニスを調製した。
【0108】実施例12 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量18
5)100部、合成例5で製造したホスファゼン化合物
(5)25部、ノボラック型フェノール樹脂(数平均分
子量600、水酸基当量104)50部、ジシアンジア
ミド1部及び水酸化アルミニウム50部にN,N’−ジ
メチルホルムアミドを加え、不揮発分濃度60%となる
ようにエポキシ樹脂ワニスを調製した。
【0109】実施例13 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量18
5)100部、合成例6で製造したホスファゼン化合物
(6)20部、ノボラック型フェノール樹脂(数平均分
子量600、水酸基当量104)30部、ジシアンジア
ミド1部及び水酸化アルミニウム40部にN,N’−ジ
メチルホルムアミドを加え、不揮発分濃度60%となる
ようにエポキシ樹脂ワニスを調製した。
【0110】比較例3 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量18
5)100部、合成例7で製造したホスファゼン化合物
(7)20部、ノボラック型フェノール樹脂(数平均分
子量600、水酸基当量104)30部、ジシアンジア
ミド1部及び水酸化アルミニウム40部にN,N’−ジ
メチルホルムアミドを加え、不揮発分濃度60%となる
ようにエポキシ樹脂ワニスを調製した。
【0111】実施例8〜13及び比較例3で調製したエ
ポキシ樹脂ワニスを厚さ20μmの銅箔の片面に塗布
し、160℃で乾燥し銅箔付き樹脂フィルムを製造し
た。予め製造しておいた積層板の両面に、銅箔付き樹脂
フィルムを圧力4MPa、温度190℃で120分加圧
加熱成形を行い、厚さ0.7mmのビルドアップ型多層
プリント配線板を得た。
【0112】得られたビルドアップ型多層プリント配線
板の難燃性を、UL−94規格に従い評価した。ハンダ
耐熱性はJIS C 6481に準じて測定した。即
ち、ハンダ耐熱性は、煮沸2時間の吸湿処理を行った
後、260℃のハンダ槽に120秒浸漬した後の外観の
異常の有無を調べた。またピール強度も、JIS C
6481に準じて測定した。
【0113】配合処方及び結果を表3に示す。
【0114】
【表3】
【0115】実施例14 クレゾールノボラックエポキシ樹脂(エポキシ当量21
5)20%に、合成例3で製造したホスファゼン化合物
(3)17%、溶融シリカ粉末72%、カルナバワック
ス0.5%及びシラン系カップリング剤(TSL−83
50、東芝シリコーン(株)製)0.5%を配合し、室
温下で混合し、更に90〜95℃で混練冷却した後、粉
砕して本発明のエポキシ樹脂組成物を製造した。
【0116】このエポキシ樹脂組成物を170℃に加熱
した金型内にトランスファー注入して硬化させて成形品
(封止品)を製造した。この成形品について吸水率、ガ
ラス転移温度及び耐湿性を調べた。試験方法は次の通り
である。
【0117】吸水率(重量%):本発明のエポキシ樹脂
組成物をトランスファー成形して、直径50mm、厚さ
3mmの試験片をつくり、これを127℃、2気圧の飽
和水蒸気中に24時間放置し、増加した重量から算出し
た。
【0118】ガラス転移温度(℃):吸水率試験と同じ
試験片を後硬化(175℃×8時間)した後、これを熱
分析装置にかけて測定した。ガラス転移温度から耐熱
性、ハンダ耐熱性が判断できる。
【0119】耐湿性(ハンダ浴浸漬後のPCT):本発
明のエポキシ樹脂組成物を用いて、2本以上のアルミニ
ウム配線を有するシリコン製チップ(テスト用素子)を
42アロイフレームに接着し、175℃で2分間トラン
スファー成形して5×10×1.5mmのフラットパッ
ケージ型成形品とした。これを175℃で8時間後硬化
し、耐湿性試験に供した。即ち、該フラットパッケージ
型成形品を予め40℃、90%RHの雰囲気中に100
時間置いて吸湿処理した後、250℃のハンダ浴に10
秒間浸漬し、次いで127℃、2.5気圧の飽和水蒸気
中でPCTを行い、アルミニウムの腐食による断線を不
良として評価した。PCT中の経過時間と不良の発生数
とを調べた。サンプル数は20とした。
【0120】結果を表4に示す。
【0121】比較例4 ホスファゼン化合物(3)に代えて、合成例7で調製し
たホスファゼン化合物(7)を使用する以外は、実施例
7と同様にして、成形品(封止品)を製造した。この成
形品について吸水率、ガラス転移温度及び耐湿性を、実
施例14と同様にして調べた。
【0122】結果を表4に併せて示す。
【0123】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開2001−98144(JP,A) 特開 昭61−120850(JP,A) 特開 平3−163090(JP,A) 特開 平6−25389(JP,A) 特開 昭54−119544(JP,A) 特公 平3−4565(JP,B2) 特公 平6−104714(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/50 C08G 59/14 C08L 63/00 - 63/10 C08K 5/5399 H01L 23/29

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エポキシ樹脂並びに(B)2,4
    −ジアミノ−2,4,6,6−テトラフェノキシシクロ
    トリホスファゼン、2,4,6−トリアミノ−2,4,
    6−トリフェノキシシクロトリホスファゼン及びそれら
    エポキシ変性物から選ばれる少なくとも1種を含有す
    るエポキシ樹脂組成物であって、(B)成分の含有量が
    組成物全量の0.01〜99.9重量%であることを特
    徴とする難燃性エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (B)成分が2,4−ジアミノ−2,
    4,6,6−テトラフェノキシシクロトリホスファゼン
    又は2,4,6−トリアミノ−2,4,6−トリフェノ
    キシシクロトリホスファゼンである請求項1に記載の難
    燃性エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (C)エポキシ樹脂硬化剤及び(D)無
    機質充填剤を含有する請求項1又は請求項2に記載の難
    燃性エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (B)成分の含有量が組成物全量の0.
    1〜60重量%である請求項3に記載の難燃性エポキシ
    樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1、請求項2、請求項3又は請求
    項4に記載の難燃性エポキシ樹脂組成物を成形して得ら
    れる電子部品。
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