JP2023135613A - 樹脂組成物 - Google Patents

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Kenji Kawai
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Abstract

【課題】反りの発生が抑制され、クラック耐性、及び銅密着性に優れた硬化物を得ることができる樹脂組成物等を提供する。【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)活性エステル系硬化剤、及び(C)下記式(C-1)で表される部分構造を有するビスマレイミド化合物、を含有する樹脂組成物。【化1】TIFF2023135613000035.tif38170【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物に関する。さらには、当該樹脂組成物を用いて得られるシート状積層材料、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置に関する。
プリント配線板の製造技術として、絶縁層と導体層を交互に積み重ねるビルドアップ方式による製造方法が知られている。ビルドアップ方式による製造方法において、一般に、絶縁層は樹脂組成物を硬化させて形成される。
これまでに、様々な非芳香環骨格を含有するマレイミド化合物が知られている(特許文献1)。
特開2019-203122号公報
近年、反りの発生の抑制、及びクラック耐性が求められている。
本発明の課題は、反りの発生が抑制され、クラック耐性に優れた硬化物を得ることができる樹脂組成物、当該樹脂組成物を用いて得られるシート状積層材料、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置を提供することにある。
本発明の課題を達成すべく、本発明者らは鋭意検討した結果、樹脂組成物の成分として、エポキシ樹脂、活性エステル系硬化剤、及び式(C-1)で表される部分構造を有するビスマレイミド化合物を組み合わせて樹脂組成物に含有させることにより、反りが抑制され、クラック耐性に優れた硬化物を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
[1] (A)エポキシ樹脂、
(B)活性エステル化合物、及び
(C)下記式(C-1)で表される部分構造を有するビスマレイミド化合物、を含有する樹脂組成物。
Figure 2023135613000001
式中、Aは芳香族環又は脂肪族環を2個以上含む4価の有機基を表し、環Xは置換基を有していてもよいモノシクロアルカン環、又は置換基を有していてもよいモノシクロアルケン環を表し、Aは炭素原子数1~20のアルキレン基を表す。mは1以上の整数を表す。*は結合部位を表す。
[2] (C)成分が、式(C-2)で表される部分構造を有する、[1]に記載の樹脂組成物。
Figure 2023135613000002
式中、A21は炭素原子数1~20のアルキレン基を表し、R21はそれぞれ独立に、炭素原子数1~20のアルキル基を表す。n2は0~4の整数を表す。m1は1以上の整数を表す。
[3] (C)成分中のマレイミド基は、両末端に位置する、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4] (C)成分が、式(C-3)で表される構造を有する、[1]~[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
Figure 2023135613000003
式中、A31及びA36は、それぞれ独立に芳香族環又は脂肪族環を2個以上含む4価の有機基を表し、環XC1、環XC2、及び環Xc3は、それぞれ独立に置換基を有していてもよいモノシクロアルカン環、又は置換基を有していてもよいモノシクロアルケン環を表し、A33、及びA34は、それぞれ独立に炭素原子数1~20のアルキレン基を表し、A32、A35、及びA37は、それぞれ独立に、単結合、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアルキレン基を表す。m2は0以上の整数を表し、m3は1以上の整数を表す。
[5] (C)成分が、式(C-4)で表される化合物を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
Figure 2023135613000004
式中、A41、及びA42はそれぞれ独立に、単結合、又は炭素原子数1~20のアルキレン基を表し、A43、及びA44は、それぞれ独立に炭素原子数1~20のアルキレン基をを表し、R41、R42、及びR43はそれぞれ独立に、炭素原子数1~20のアルキル基を表す。n41、n42、及びn43はそれぞれ独立に0~4の整数を表す。m4は0以上の整数を表し、m5は、1以上の整数を表す。式中、A43と窒素原子とは単結合により直接結合している。
[6] さらに、(D)ラジカル重合性化合物を含有する、[1]~[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7] さらに(E)無機充填材を含む、[1]~[6]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[8] (E)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、40質量%以上である、[7]に記載の樹脂組成物。
[9] さらに、(F)硬化剤を含有する、[1]~[8]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[10] 樹脂組成物を190℃で90分間硬化させた硬化物のDMA法により測定されるガラス転移温度が、130℃以上である、[1]~[9]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[11] [1]~[10]のいずれかに記載の樹脂組成物を含有する、シート状積層材料。
[12] 支持体と、当該支持体上に設けられた[1]~[10]のいずれかに記載の樹脂組成物から形成される樹脂組成物層と、を有する樹脂シート。
[13] [1]~[10]のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物からなる絶縁層を備えるプリント配線板。
[14] [13]に記載のプリント配線板を含む、半導体装置。
本発明の樹脂組成物によれば、反りの発生が抑制され、クラック耐性に優れた硬化物を得ることができる樹脂組成物、当該樹脂組成物を用いて得られるシート状積層材料、樹脂シート、プリント配線板、及び半導体装置を提供することができる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。ただし、本発明は、下記実施形態及び例示物に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施され得る。なお、本発明において、樹脂組成物中の各成分の含有量は、別途明示のない限り、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたときの値であり、不揮発成分とは、樹脂組成物中の溶剤を除く不揮発成分全体を意味する。
[樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)活性エステル化合物、及び(C)下記式(C-1)で表される部分構造を有するビスマレイミド化合物を含む。このような樹脂組成物を用いることにより、反りの発生が抑制され、クラック耐性に優れた硬化物を得ることができる。また、樹脂組成物は、通常、比誘電率(Dk)及び誘電正接(Df)が低く、銅密着性に優れ、且つガラス転移点(Tg)が高い硬化物を得ることもできる。
Figure 2023135613000005
式中、Aは芳香族環又は脂肪族環を2個以上含む4価の有機基を表し、環Xは置換基を有していてもよいモノシクロアルカン環、又は置換基を有していてもよいモノシクロアルケン環を表し、Aは炭素原子数1~20のアルキレン基を表す。mは1以上の整数を表す。*は結合部位を表す。
本発明の樹脂組成物は、(A)~(C)成分に組み合わせて、さらに任意の成分を含んでいてもよい。任意の成分としては、例えば、(D)ラジカル重合性化合物、(E)無機充填材、(F)硬化剤、(G)硬化促進剤、(H)その他の添加剤、及び(I)溶剤が挙げられる。以下、樹脂組成物に含まれる各成分について詳細に説明する。
<(A)エポキシ樹脂>
樹脂組成物は、(A)成分として、(A)エポキシ樹脂を含有する。エポキシ樹脂とは、エポキシ基を有する硬化性樹脂である。
(A)エポキシ樹脂としては、例えば、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、イソシアヌラート型エポキシ樹脂、フェノールフタルイミジン型エポキシ樹脂、フェノールフタレイン型エポキシ樹脂等が挙げられる。(A)エポキシ樹脂は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂として、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。(A)エポキシ樹脂の不揮発成分100質量%に対して、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の割合は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、特に好ましくは70質量%以上である。
エポキシ樹脂には、温度20℃で液状のエポキシ樹脂(以下「液状エポキシ樹脂」ということがある。)と、温度20℃で固体状のエポキシ樹脂(以下「固体状エポキシ樹脂」ということがある。)とがある。樹脂組成物は、エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂のみを含んでいてもよく、固体状エポキシ樹脂のみを含んでいてもよく、液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを組み合わせて含んでいてもよい。
液状エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する液状エポキシ樹脂が好ましい。
液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、及びブタジエン構造を有するエポキシ樹脂が好ましく、ナフタレン型エポキシ樹脂がより好ましい。
液状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC社製の「HP4032」、「HP4032D」、「HP4032SS」(ナフタレン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「828US」、「828EL」、「jER828EL」、「825」、「エピコート828EL」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER807」、「1750」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「630」、「630LSD」、「604」(グリシジルアミン型エポキシ樹脂);ADEKA社製の「ED-523T」(グリシロール型エポキシ樹脂);ADEKA社製の「EP-3950L」、「EP-3980S」(グリシジルアミン型エポキシ樹脂);ADEKA社製の「EP-4088S」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル化学社製の「ZX1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品);ナガセケムテックス社製の「EX-721」(グリシジルエステル型エポキシ樹脂);ダイセル社製の「セロキサイド2021P」(エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂);ダイセル社製の「PB-3600」、日本曹達社製の「JP-100」、「JP-200」(ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル化学社製の「ZX1658」、「ZX1658GS」(液状1,4-グリシジルシクロヘキサン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。これらは、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
固体状エポキシ樹脂としては、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する固体状エポキシ樹脂が好ましく、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する芳香族系の固体状エポキシ樹脂がより好ましい。
固体状エポキシ樹脂としては、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、フェノールフタルイミジン型エポキシ樹脂、フェノールフタレイン型エポキシ樹脂が好ましく、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂がより好ましい。
固体状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC社製の「HP4032H」(ナフタレン型エポキシ樹脂);DIC社製の「HP-4700」、「HP-4710」(ナフタレン型4官能エポキシ樹脂);DIC社製の「N-690」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂);DIC社製の「N-695」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂);DIC社製の「HP-7200」、「HP-7200HH」、「HP-7200H」、「HP-7200L」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂);DIC社製の「EXA-7311」、「EXA-7311-G3」、「EXA-7311-G4」、「EXA-7311-G4S」、「HP6000」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「EPPN-502H」(トリスフェノール型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「NC7000L」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「NC3000H」、「NC3000」、「NC3000L」、「NC3000FH」、「NC3100」(ビフェニル型エポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ESN475V」、「ESN4100V」(ナフタレン型エポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ESN485」(ナフトール型エポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ESN375」(ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX4000H」、「YX4000」、「YX4000HK」、「YL7890」(ビキシレノール型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YL6121」(ビフェニル型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX8800」(アントラセン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX7700」(フェノールアラルキル型エポキシ樹脂);大阪ガスケミカル社製の「PG-100」、「CG-500」;三菱ケミカル社製の「YL7760」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YL7800」(フルオレン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER1010」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER1031S」(テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「WHR991S」(フェノールフタルイミジン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。これらは、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)エポキシ樹脂として、固体状エポキシ樹脂と液状エポキシ樹脂とを組み合わせて用いる場合、それらの質量比(固体状エポキシ樹脂:液状エポキシ樹脂)は、好ましくは1:0.01~1:50、より好ましくは1:0.05~1:10、特に好ましくは1:0.1~1:3である。液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂との量比を斯かる範囲とすることにより、1)樹脂シートの形態で使用する場合に適度な粘着性がもたらされる、2)樹脂シートの形態で使用する場合に十分な可撓性が得られ、取り扱い性が向上する、並びに3)十分な破断強度を有する硬化物を得ることができるなどの効果が得られる。
(A)エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは50g/eq.~5,000g/eq.、より好ましくは60g/eq.~2,000g/eq.、さらに好ましくは70g/eq.~1,000g/eq.、さらにより好ましくは80g/eq.~500g/eq.である。エポキシ当量は、エポキシ基1当量あたりの樹脂の質量である。このエポキシ当量は、JIS K7236に従って測定することができる。
(A)エポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは100~5,000、より好ましくは250~3,000、さらに好ましくは400~1,500である。樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、ポリスチレン換算の値として測定できる。
(A)エポキシ樹脂の含有量は、良好な機械強度、絶縁信頼性を示す硬化物を得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上である。エポキシ樹脂の含有量の上限は、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下である。
(A)エポキシ樹脂の含有量は、良好な機械強度、絶縁信頼性を示す硬化物を得る観点から、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上であり、その上限は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。
本発明において、樹脂組成物についていう「樹脂成分」とは、樹脂組成物を構成する不揮発成分のうち、後述する(E)無機充填材を除いた成分をいう。
<(B)活性エステル化合物>
樹脂組成物は、(B)成分として、(B)活性エステル化合物を含有する。(B)活性エステル化合物は、(A)エポキシ樹脂を硬化させる機能を有する。この(B)成分としての(B)活性エステル化合物には、上述した(A)成分に該当するものは含めない。(B)活性エステル化合物は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)活性エステル化合物としては、(A)エポキシ樹脂と反応する活性基として活性エステル基を有する化合物を用いることができる。具体的には、(B)成分として、式(B-1)で表される構造を有する化合物、並びに芳香族エステル骨格及び不飽和結合を含有する化合物のいずれかを含むことが好ましい。
(式(B-1)で表される構造を有する化合物)
(B)成分の一実施形態としては、式(B-1)で表される構造を有する化合物であることが好ましい。
Figure 2023135613000006
式中、R、R及びRは、(1)Rが、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、又はR11-A-を表し、且つR及びRが、それぞれ独立して、水素原子、又は置換基を表すか、(2)R及びRが一緒になって結合し、置換基を有していてもよい芳香族炭素環を形成し、且つRが、水素原子、又は置換基を表すか、或いは(3)R及びRが一緒になって結合し、置換基を有していてもよい芳香族炭素環を形成し、且つRが、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、又はR11-A-を表し;R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、又は置換基を表し;R11は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を表し;Aは、-CH-、-CH(CH)-、-CO-、又は-O-を表し;*は、結合部位を表す。
は、芳香族炭素環を形成しない場合、水素原子、ハロゲン原子、メチル基、又はR11-A-を表す。Rは、芳香族炭素環を形成しない場合、一実施形態において、好ましくは、水素原子、メチル基、又はR11-A-であり;より好ましくは、水素原子、又はR11-A-である。
Aは、-CH-、-CH(CH)-、-CO-、又は-O-を表す。Aは、一実施形態において、好ましくは、-CH-、又は-CH(CH)-であり;より好ましくは、-CH(CH)-である。
11は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。
11が表すアルキル基、アルケニル基、及びアリール基は置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリール-アルキル基(アリール基で置換されたアルキル基)、アルキル-アリール-アルキル基(アルキル基で置換されたアリール基で置換されたアルキル基)、アルケニル-アリール-アルキル基(アルケニル基で置換されたアリール基で置換されたアルキル基)、アリール-アリール-アルキル基(アリール基で置換されたアリール基で置換されたアルキル基)、アルキル-アリール基、アルケニル-アリール基、アリール-アリール基、アルキル-オキシ基、アルケニル-オキシ基、アリール-オキシ基、アルキル-カルボニル基、アルケニル-カルボニル基、アリール-カルボニル基、アルキル-オキシ-カルボニル基、アルケニル-オキシ-カルボニル基、アリール-オキシ-カルボニル基、アルキル-カルボニル-オキシ基、アルケニル-カルボニル-オキシ基、アリール-カルボニル-オキシ基等が挙げられる。
11は、一実施形態において、好ましくは、置換基を有していてもよいアリール基であり;より好ましくは、アリール基であり;特に好ましくは、フェニル基である。
及びRは、芳香族炭素環を形成しない場合、それぞれ独立して、水素原子、又は置換基を表す。
及びRで表される置換基としては、R11が表すアルキル基、アルケニル基、及びアリール基が有していてもよい置換基と同じである。
及びRは、芳香族炭素環を形成しない場合、それぞれ独立して、一実施形態において、好ましくは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリール-アルキル基、又はアルキル-アリール基であり;より好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はアリール-アルキル基である。
、R及びRは、芳香族炭素環を形成する場合、R及びR或いはR及びRが一緒になって結合し、置換基を有していてもよい芳香族炭素環を形成する。
、R及びRが形成する芳香族炭素環における置換基としては、R11が表すアルキル基、アルケニル基、及びアリール基が有していてもよい置換基と同じである。
、R及びRは、芳香族炭素環を形成する場合、一実施形態において、R及びR或いはR及びRが一緒になって結合し、好ましくは、置換基を有していてもよいベンゼン環を形成し;より好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリール-アルキル基、及びアルキル-アリール基から選ばれる基で置換されていてもよいベンゼン環を形成し;さらに好ましくは、(無置換の)ベンゼン環を形成する。
及びRは、それぞれ独立して、水素原子、又は置換基を表す。
及びRで表される置換基としては、R11が表すアルキル基、アルケニル基、及びアリール基が有していてもよい置換基と同じである。
及びRは、それぞれ独立して、一実施形態において、好ましくは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリール-アルキル基、又はアルキル-アリール基であり;より好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はアリール-アルキル基である。
第一の実施形態において、好ましくは、R、R、R及びRが、水素原子であり、且つRが、アルキル基、又はアリール基であり;より好ましくは、R、R、R及びRが、水素原子であり、且つRが、メチル基、又はフェニル基である。
第二の実施形態において、好ましくは、Rが、水素原子、又はR11-A-であり、Aが、-CH-、又は-CH(CH)-であり、R11が、アリール基であり、且つR、R、R及びRが、水素原子、又はアリール-アルキル基であり(とりわけ好ましくは、RがR11-A-であり且つ/或いはR、R、R及びRのうち少なくとも1個がアリール-アルキル基であり);より好ましくは、Rが、水素原子、又はR11-A-であり、Aが、-CH(CH)-であり、R11が、フェニル基であり、且つR、R、R及びRが、水素原子、又はα-メチルベンジル基である(とりわけ好ましくは、RがR11-A-であり且つ/或いはR、R、R及びRのうち少なくとも1個がα-メチルベンジル基である)。
第三の実施形態において、好ましくは、R及びRが一緒になって結合し、ベンゼン環を形成し、且つR、R及びRが、水素原子であるか、或いはR及びRが一緒になって結合し、ベンゼン環を形成し、且つR、R及びRが、水素原子である。
好適な実施形態において、(B)成分は、式(B-2)で表される構造を有する化合物である。
Figure 2023135613000007
式中、環Xは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭素環、又は置換基を有していてもよい非芳香族炭素環を表し;環Y及び環Zは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭素環を表し;Xは、それぞれ独立して、単結合、-C(R-、-O-、-CO-、-S-、-SO-、-SO-、-CONH-、又は-NHCO-を表し;Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を表すか、或いは2個のRが一緒になって結合し、置換基を有していてもよい非芳香族炭素環を形成し;b’は、0、又は1以上の整数を表し;c’は、それぞれ独立して、0、1、2、又は3を表し;d’は、それぞれ独立して、0又は1を表し;その他の記号は上記の通りである。b’単位及びc’単位は、それぞれ、構造単位毎に同一であってもよいし、異なっていてもよい。
環Xは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭素環、又は置換基を有していてもよい非芳香族炭素環を表す。
環Xで表される芳香族炭素環における置換基としては、R11が表すアルキル基、アルケニル基、及びアリール基が有していてもよい置換基と同じである。
環Xは、それぞれ独立して、一実施形態において、好ましくは、置換基を有していてもよいベンゼン環、置換基を有していてもよいナフタレン環、又は置換基を有していてもよい炭素数5~12の非芳香族炭素環であり;より好ましくは、(1)アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリール-アルキル基、及びアルキル-アリール基から選ばれる基で置換されていてもよいベンゼン環、(2)アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリール-アルキル基、及びアルキル-アリール基から選ばれる基で置換されていてもよいナフタレン環、又は(3)アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリール-アルキル基、アルキル-アリール基、及びオキソ基から選ばれる基で置換されていてもよい炭素数5~12の非芳香族炭素環(特に好ましくはテトラヒドロジシクロペンタジエン環)である。
環Yは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭素環を表す。
環Yで表される芳香族炭素環における置換基としては、R11が表すアルキル基、アルケニル基、及びアリール基が有していてもよい置換基と同じである。
環Yは、それぞれ独立して、一実施形態において、好ましくは、置換基を有していてもよいベンゼン環、又は置換基を有していてもよいナフタレン環であり;より好ましくは、(1)アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリール-アルキル基、及びアルキル-アリール基から選ばれる基で置換されていてもよいベンゼン環、又は(2)アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリール-アルキル基、及びアルキル-アリール基から選ばれる基で置換されていてもよいナフタレン環である。
環Zは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭素環を表す。
環Zで表される芳香族炭素環における置換基としては、R11が表すアルキル基、アルケニル基、及びアリール基が有していてもよい置換基と同じである。
環Zは、それぞれ独立して、一実施形態において、好ましくは、置換基を有していてもよいベンゼン環、又は置換基を有していてもよいナフタレン環であり;より好ましくは、(1)アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリール-アルキル基、及びアルキル-アリール基から選ばれる基で置換されていてもよいベンゼン環、又は(2)アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリール-アルキル基、及びアルキル-アリール基から選ばれる基で置換されていてもよいナフタレン環である。
は、それぞれ独立して、単結合、-C(R-、-O-、-CO-、-S-、-SO-、-SO-、-CONH-、又は-NHCO-を表す。Xは、それぞれ独立して、一実施形態において、好ましくは、単結合、-C(R-、又は-O-であり;より好ましくは、単結合、又は-O-である。
は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を表すか、或いは2個のRが一緒になって結合し、置換基を有していてもよい非芳香族炭素環を形成する。Rで表されるアルキル基における置換基としては、R11が表すアルキル基、アルケニル基、及びアリール基が有していてもよい置換基と同じである。
は、それぞれ独立して、一実施形態において、好ましくは、水素原子、又は置換基を有していてもよいアルキル基であり;より好ましくは、水素原子、又はアルキル基であり;特に好ましくは、水素原子、又はメチル基である。
b’は、0、又は1以上の整数を表す。b’は、一実施形態において、好ましくは、0、又は1~100の整数であり;より好ましくは、0、又は1~10の整数であり;特に好ましくは、0、又は1~5の整数である。
c’は、それぞれ独立して、0、1、2、又は3を表す。c’は、それぞれ独立して、一実施形態において、好ましくは、0、1、又は2であり;より好ましくは、0、又は1である。
d’は、それぞれ独立して、0又は1を表す。
式(B-2)中における式(Y’)で表される部分構造の例としては、式(Y-1)~(Y-12)等で表される構造が挙げられる。
Figure 2023135613000008
式中、Yは置換基を有していてもよい芳香族炭素環を表す。
Figure 2023135613000009
式中、Rは、それぞれ独立して、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリール-アルキル基、又はアルキル-アリール基を示し;yは、それぞれ独立して、0、1、又は2を示し;その他の記号は上記の通り。
(B)成分は、式(B-2)で表される樹脂と共に、合成時に生じる反応中間体の樹脂(例えば片末端又は両末端がヒドロキシ基及び/又はカルボキシ基)、原料不純物に由来する樹脂等を含む場合がある。
式(B-1)で表される構造を有する化合物は、市販品を使用してもよいし、公知の方法又はそれに準ずる方法を用いて合成してもよい。式(B-1)で表される構造を有する化合物の市販品としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物として、「EXB9451」、「EXB9460」、「EXB9460S」、「HPC-8000-65T」、「HPC-8000L-65TM」、「HPC-8000H」、「HPC-8000H-65TM」(DIC社製);ナフタレン構造を含む活性エステル化合物として「HP-B-8151-62T」、「EXB-8100L-65T」、「EXB-9416-70BK」、「EXB-8」、「HPC-8150-62T」(DIC社製);りん含有活性エステル化合物として、「EXB9401」(DIC社製)、フェノールノボラックのアセチル化物である活性エステル化合物として「DC808」(三菱ケミカル社製)、フェノールノボラックのベンゾイル化物である活性エステル化合物として「YLH1026」、「YLH1030」、「YLH1048」(三菱ケミカル社製)、スチリル基及びナフタレン構造を含む活性エステル化合物として「PC1300-02-65MA」(エア・ウォーター社製)等が挙げられる。
(芳香族エステル骨格及び不飽和結合を含有する化合物)
(B)成分の他の実施形態としては、芳香族エステル骨格及び不飽和結合を含有する化合物である。
芳香族エステル骨格及び不飽和結合を含有する化合物は、芳香族エステル骨格を有する。芳香族エステル骨格は、エステル結合と、そのエステル結合の一端又は両端に結合した芳香環とを有する骨格を表す。中でも、エステル結合の両端に芳香環を有するものが好ましい。このような骨格を有する基としては、例えば、アリールカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、アリーレンカルボニルオキシ基、アリーレンオキシカルボニル基、アリールカルボニルオキシアリーレン基、アリールオキシカルボニルアリーレン基、アリーレンカルボニルオキシアリーレン基、アリーレンオキシカルボニルアリーレン基等が挙げられる。また、このような骨格を有する基の炭素原子数は好ましくは7~20、より好ましくは7~15、さらに好ましくは7~11である。アリール基及びアリーレン基等の芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。
アリール基としては、炭素原子数6~30のアリール基が好ましく、炭素原子数6~20のアリール基がより好ましく、炭素原子数6~10のアリール基がさらに好ましい。このようなアリール基としては、例えば、フェニル基、フラニル基、ピロリル基、チオフェン基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基等の単環芳香族化合物から水素原子が1つ除かれたもの;ナフチル基、アントラセニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キナゾリル基、フタラジニル基、プテリジニル基、クマリニル基、インドール基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、アクリジニル基等の縮合環芳香族化合物から水素原子が1つ除かれたもの;等が挙げられる。
アリーレン基としては、炭素原子数6~30のアリーレン基が好ましく、炭素原子数6~20のアリーレン基がより好ましく、炭素原子数6~10のアリーレン基がさらに好ましい。このようなアリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基、ビフェニレン基(-C-C-)等が挙げられる。
芳香族エステル骨格及び不飽和結合を含有する化合物は、不飽和結合を含有する。これにより、硬化物の誘電率に優れるようになる。また、不飽和結合は、樹脂組成物の硬化反応に寄与する。不飽和結合が硬化反応に寄与することで芳香族エステル骨格の一部のエステル部位が硬化反応に用いられることが抑制され、その結果、硬化収縮率が抑制される。
この不飽和結合は、好ましくは、エチレン性不飽和結合等の炭素-炭素不飽和結合である。不飽和結合としては、不飽和結合を少なくとも1つ有する置換基に含有されることが好ましい。不飽和結合しては、例えば、炭素原子数2~30のアルケニル基、炭素原子数2~30のアルキニル基等の不飽和炭化水素基に含まれる不飽和結合が挙げられる。不飽和結合は、末端の芳香族炭化水素基の置換基に含有されることが好ましく、両末端の芳香族炭化水素基の置換基に含有されることがより好ましい。
炭素原子数2~30のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、1-プロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1-ヘキセニル基、2-ヘキセニル基、3-ヘキセニル基、4-ヘキセニル基、5-ヘキセニル基、1-オクテニル基、2-オクテニル基、1-ウンデセニル基、1-ペンタデセニル基、3-ペンタデセニル基、7-ペンタデセニル基、1-オクタデセニル基、2-オクタデセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基、1,3-ブタジエニル基、1,4-ブタジエニル基、ヘキサ-1,3-ジエニル基、ヘキサ-2,5-ジエニル基、ペンタデカ-4,7-ジエニル基、ヘキサ-1,3,5-トリエニル基、ペンタデカ-1,4,7-トリエニル基等が挙げられる。
炭素原子数2~30のアルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロパルギル基、1-ブチニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、3-ペンチニル基、4-ペンチニル基、1,3-ブタジイニル基等が挙げられる。
これらのうち、炭素原子数2~30のアルケニル基であることが好ましく、炭素原子数2~10のアルケニル基であることがより好ましく、炭素原子数2~5のアルケニル基であることがさらに好ましく、アリル基、イソプロペニル基、1-プロペニル基であることがさらにより好ましく、アリル基であることが特に好ましい。
芳香族エステル骨格及び不飽和結合を含有する化合物は、芳香族エステル骨格に加えて、芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基、酸素原子、硫黄原子、及びこれらの組み合わせからなる基のいずれかを有していてもよい。用語「芳香族炭化水素基」とは、芳香環を含む炭化水素基を意味し、芳香環は単環、多環、複素環のいずれであってもよい。
芳香族炭化水素基としては、2価の芳香族炭化水素基が好ましく、アリーレン基、アラルキレン基がより好ましく、アリーレン基がさらに好ましい。アリーレン基としては、炭素原子数6~30のアリーレン基が好ましく、炭素原子数6~20のアリーレン基がより好ましく、炭素原子数6~10のアリーレン基がさらに好ましい。このようなアリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基、ビフェニレン基等が挙げられる。アラルキレン基としては、炭素原子数7~30のアラルキレン基が好ましく、炭素原子数7~20のアラルキレン基がより好ましく、炭素原子数7~15のアラルキレン基がさらに好ましい。これらの中でも、フェニレン基が好ましい。
脂肪族炭化水素基としては、2価の脂肪族炭化水素基が好ましく、2価の飽和脂肪族炭化水素基がより好ましく、アルキレン基、シクロアルキレン基がさらに好ましい。アルキレン基としては、炭素原子数1~10のアルキレン基が好ましく、炭素原子数1~6のアルキレン基がより好ましく、炭素原子数1~3のアルキレン基がさらに好ましい。アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、1-メチルメチレン基、1,1-ジメチルメチレン基、1-メチルエチレン基、1,1-ジメチルエチレン基、1,2-ジメチルエチレン基、ブチレン基、1-メチルプロピレン基、2-メチルプロピレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。
シクロアルキレン基としては、炭素原子数3~20のシクロアルキレン基が好ましく、3~15のシクロアルキレン基がより好ましく、5~10のシクロアルキレン基がさらに好ましい。シクロアルキレン基としては、例えば、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロペンチレン基、シクロヘプチレン基、下記式(a)~(d)で表されるシクロアルキレン基等が挙げられる。式(a)~(d)中、「*」は結合手を表す。
Figure 2023135613000010
芳香族エステル骨格、芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基、及び不飽和炭化水素基は、置換基を有していてもよい。該置換基は、R11が表すアルキル基、アルケニル基、及びアリール基が有していてもよい置換基と同じである。
芳香族エステル骨格及び不飽和結合を含有する化合物は、下記一般式(B-3)で表される化合物、及び下記一般式(B-4)で表される化合物のいずれかであることが好ましい。
Figure 2023135613000011
(一般式(B-3)中、Ar11は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基を表し、Ar12は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基を表し、Ar13は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基、酸素原子、硫黄原子、又はこれらの組み合わせからなる2価の基を表す。nは0~10の整数を表す。)
Figure 2023135613000012
(一般式(B-4)中、Ar21は、置換基を有していてもよいm価の芳香族炭化水素基を表し、Ar22は、それぞれ独立に置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基を表す。mは、2又は3の整数を表す。)
一般式(B-3)中、Ar11は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基を表す。1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、フラニル基、ピロリル基、チオフェン基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基等の単環芳香族化合物から水素原子が1つ除かれたもの;ナフチル基、アントラセニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、キナゾリル基、フタラジニル基、プテリジニル基、クマリニル基、インドール基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、アクリジニル基等の縮合環芳香族化合物から水素原子が1つ除かれたもの;等が挙げられ、中でも、本発明の効果を顕著に得る観点から、フェニル基が好ましい。Ar11が表す1価の芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、芳香族エステル骨格が有していてもよい置換基と同様である。中でも、Ar11の置換基は、不飽和結合を含有することが好ましい。
Ar12は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基を表す。2価の芳香族炭化水素基としては、アリーレン基、アラルキレン基等が挙げられ、アリーレン基が好ましい。アリーレン基としては、炭素原子数6~30のアリーレン基が好ましく、炭素原子数6~20のアリーレン基がより好ましく、炭素原子数6~10のアリーレン基がさらに好ましい。このようなアリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基、ビフェニレン基等が挙げられる。アラルキレン基としては、炭素原子数7~30のアラルキレン基が好ましく、炭素原子数7~20のアラルキレン基がより好ましく、炭素原子数7~15のアラルキレン基がさらに好ましい。これらの中でも、フェニレン基が好ましい。
Ar12が表す2価の芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、芳香族エステル骨格が有していてもよい置換基と同様である。
一般式(B-3)中、Ar13は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基、酸素原子、硫黄原子、又はこれらの組み合わせからなる2価の基を表し、これらの組み合わせからなる2価の基が好ましい。2価の芳香族炭化水素基としては、Ar12が表す2価の芳香族炭化水素基と同様である。
2価の脂肪族炭化水素基としては、2価の飽和脂肪族炭化水素基がより好ましく、アルキレン基、シクロアルキレン基が好ましく、シクロアルキレン基がより好ましい。
アルキレン基としては、炭素原子数1~10のアルキレン基が好ましく、炭素原子数1~6のアルキレン基がより好ましく、炭素原子数1~3のアルキレン基がさらに好ましい。アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、1-メチルメチレン基、1,1-ジメチルメチレン基、1-メチルエチレン基、1,1-ジメチルエチレン基、1,2-ジメチルエチレン基、ブチレン基、1-メチルプロピレン基、2-メチルプロピレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。
シクロアルキレン基としては、炭素原子数3~20のシクロアルキレン基が好ましく、3~15のシクロアルキレン基がより好ましく、5~10のシクロアルキレン基がさらに好ましい。シクロアルキレン基としては、例えば、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロペンチレン基、シクロヘプチレン基、上記式(a)~(d)で表されるシクロアルキレン基等が挙げられ、式(c)で表されるシクロアルキレン基が好ましい。
これらの組み合わせからなる2価の基としては、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基、及び置換基を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基を組み合わせた2価の基が好ましく、複数の、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基、及び複数の、置換基を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基を交互に組み合わせた2価の基がより好ましい。前記の2価の基の具体例としては、以下の(B1)~(B8)の2価の基を挙げることができる。式中、b1~b7は、0~10の整数を表し、好ましくは0~5の整数を表す。「*」は、結合手を表し、波線は、(B)成分を合成する際に用いる芳香族化合物、芳香族化合物の酸ハロゲン化物、又は芳香族化合物のエステル化物が反応して得られる構造を表す。
Figure 2023135613000013
Figure 2023135613000014
Ar13が表す2価の芳香族炭化水素基及び2価の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、芳香族エステル骨格が有していてもよい置換基と同様である。
一般式(B-3)中、nは、0~10の整数を表し、0~5の整数を表すことが好ましく、0~3の整数を表すことがより好ましい。なお、一般式(B-3)で表される化合物がオリゴマー又はポリマーである場合、nはその平均値を表す。
一般式(B-4)中、Ar21は、置換基を有していてもよいm価の芳香族炭化水素基を表す。m価の芳香族炭化水素基としては、炭素原子数が6~30のm価の芳香族炭化水素基が好ましく、炭素原子数が6~20のm価の芳香族炭化水素基がより好ましく、炭素原子数が6~10のm価の芳香族炭化水素基がさらに好ましい。Ar21が表すm価の芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、芳香族エステル骨格が有していてもよい置換基と同様である。
一般式(B-4)中、Ar22は、それぞれ独立に置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基を表す。Ar22は、一般式(B-3)中のAr11が表す芳香族炭化水素基と同様である。Ar22が表す1価の芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、芳香族エステル骨格が有していてもよい置換基と同様である。
一般式(B-4)中、mは、2又は3の整数を表し、2が好ましい。
芳香族エステル骨格及び不飽和結合を含有する化合物の具体例としては、以下の化合物を挙げることができる。また、芳香族エステル骨格及び不飽和結合を含有する化合物の具体例としては、国際公開第2018/235424号に記載の段落0068~0071、及び国際公開第2018/235425号に記載の段落0113~0115に記載の化合物が挙げられる。但し、芳香族エステル骨格及び不飽和結合を含有する化合物はこれら具体例に限定されるものではない。式中、sは0又は1以上の整数を表しrは1~10の整数を表す。
Figure 2023135613000015
芳香族エステル骨格及び不飽和結合を含有する化合物は、公知の方法により合成したものを使用してよい。芳香族エステル骨格及び不飽和結合を含有する化合物の合成は、例えば、国際公開第2018/235424号、又は国際公開第2018/235425号に記載の方法によって行うことができる。
芳香族エステル骨格及び不飽和結合を含有する化合物の重量平均分子量としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、好ましくは150以上、より好ましくは200以上、さらに好ましくは250以上であり、好ましくは3000以下、より好ましくは2000以下、さらに好ましくは1500以下である。芳香族エステル骨格及び不飽和結合を含有する化合物の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
芳香族エステル骨格及び不飽和結合を含有する化合物の不飽和結合当量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、好ましくは50g/eq以上、より好ましくは100g/eq.以上、さらに好ましくは150g/eq.であり、好ましくは2000g/eq.以下、より好ましくは1000g/eq.以下、さらに好ましくは500g/eq.以下である。不飽和結合当量は、1当量の不飽和結合を含む(B)成分の質量である。
(A)エポキシ樹脂のエポキシ基当量と、(B)活性エステル化合物の活性エステル基当量との量比(活性エステル化合物の活性エステル基基当量/エポキシ樹脂のエポキシ基当量)としては、好ましくは0.4以上、より好ましくは0.5以上、さらに好ましくは0.6以上であり、好ましくは1.8以下、より好ましくは1.5以下、さらに好ましくは1.3以下である。ここで、「エポキシ樹脂のエポキシ基当量」とは、樹脂組成物中に存在するエポキシ樹脂の不揮発成分の質量をエポキシ当量で除した値を全て合計した値である。また、「活性エステル化合物の活性エステル基当量」とは、樹脂組成物中に存在する活性エステル化合物の不揮発成分の質量を活性エステル基当量で除した値を全て合計した値である。(B)成分として、エポキシ樹脂との量比をかかる範囲内とすることにより、本発明の効果を顕著に得ることができる。
(B)成分の含有量としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上であり、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、又は15質量%以下である。
(B)成分の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは30質量%以上、より好ましくは35質量%以上、さらに好ましくは45質量%以上であり、その上限は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは55質量%以下である。
<(C)式(C-1)で表される部分構造を有するビスマレイミド化合物>
樹脂組成物は、(C)成分として、(C)式(C-1)で表される部分構造を有するビスマレイミド化合物を含有する。この(C)成分としての(C)式(C-1)で表される部分構造を有するビスマレイミド化合物には、上述した(A)~(B)成分に該当するものは含めない。(C)成分を樹脂組成物の含有させることで、反りが抑制され、クラック耐性、及び銅密着性に優れた硬化物を得ることが可能になる。(C)成分は1種単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
Figure 2023135613000016
式中、Aは芳香族環又は脂肪族環を2個以上含む4価の有機基を表し、環Xは置換基を有していてもよいモノシクロアルカン環、又は置換基を有していてもよいモノシクロアルケン環を表し、Aは炭素原子数1~20のアルキレン基を表す。mは1以上の整数を表す。*は結合部位を表す。
(C)成分は、式(C-1)で表さる部分構造を有し、(C)成分1分子中にマレイミド基を2つ有する化合物を用いることができる。マレイミド基は、(C)成分の両末端に有することが好ましい。
式(C-1)中のAは、芳香族環又は脂肪族環を2個以上含む4価の有機基を表し、芳香族環を含む4価の有機基を表すことが好ましい。芳香族環又は脂肪族環は、単環又は縮合環を含む概念である。芳香族環又は脂肪族環を2個以上含む4価の有機基としては、例えば、以下の(C1)~(C9)の基を挙げることができ、(C1)の基であることが好ましい。
Figure 2023135613000017
環Xは、置換基を有していてもよいモノシクロアルカン環、又は置換基を有していてもよいモノシクロアルケン環を表す。モノシクロアルカン環とは、単環式の脂肪族飽和炭化水素環を意味する。モノシクロアルカン環は、炭素原子数4~14のモノシクロアルカン環が好ましく、炭素原子数4~10のモノシクロアルカン環がより好ましく、炭素原子数5又は6のモノシクロアルカン環がさらに好ましく、炭素原子数6のモノシクロアルカン環が特に好ましい。モノシクロアルカン環としては、例えば、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環等が挙げられる。シクロアルケン環とは、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する単環式の脂肪族不飽和炭化水素環を意味する。モノシクロアルケン環は、炭素原子数4~14のモノシクロアルケン環が好ましく、炭素原子数4~10のモノシクロアルケン環がより好ましく、炭素原子数5又は6のモノシクロアルケン環が特に好ましい。モノシクロアルケン環としては、例えば、シクロブテン環、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロヘプテン環、シクロオクテン環、シクロペンタジエン環、シクロヘキサジエン環、イソホロン環、イソホロンジアミン環等が挙げられる。
は炭素原子数1~20のアルキレン基を表す。アルキレン基は、直鎖状、分枝状、又は環状であってもよい。炭素原子数1~20のアルキレン基は、炭素原子数1~10のアルキレン基が好ましく、炭素原子数1~6のアルキレン基がより好ましく、炭素原子数1~3のアルキレン基がさらに好ましく、メチレン基が特に好ましい。このようなアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等の直鎖アルキレン基;エチリデン基(-CH(CH)-)、プロピリデン基(-CH(CHCH)-)、イソプロピリデン基(-C(CH-)、エチルメチルメチレン基(-C(CH)(CHCH)-)、ジエチルメチレン基(-C(CHCH-)等の分枝鎖アルキレン基;シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等の環状アルキレン基等が挙げられる。
((C1)~(C9)の基)、環X、及びAは置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。中でも、環Xのモノシクロアルカン環またはモノシクロアルケン環は置換基を有していることが好ましく、置換基は複数有していてもよい。置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリール-アルキル基(アリール基で置換されたアルキル基)、アルキル-オキシ基、アルケニル-オキシ基、アリール-オキシ基、アルキル-カルボニル基、アルケニル-カルボニル基、アリール-カルボニル基、アルキル-オキシ-カルボニル基、アルケニル-オキシ-カルボニル基、アリール-オキシ-カルボニル基、アルキル-カルボニル-オキシ基、アルケニル-カルボニル-オキシ基、アリール-カルボニル-オキシ基等の1価の置換基が挙げられ、置換可能であれば、オキソ基(=O)等の2価の置換基も含み得る。置換基としてはアルキル基が好ましい。
アルキル(基)とは、直鎖、分枝鎖及び/又は環状の1価の脂肪族飽和炭化水素基を意味する。アルキル(基)は、特に指定がない限り、炭素原子数1~14のアルキル(基)が好ましい。アルキル(基)としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、トリメチルシクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。アルケニル(基)とは、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する直鎖、分枝鎖及び/又は環状の1価の脂肪族不飽和炭化水素基を意味する。アルケニル(基)は、特に指定がない限り、炭素原子数2~14のアルケニル基が好ましい。アルケニル(基)としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。アリール(基)とは、1価の芳香族炭化水素基を意味する。アリール(基)は、特に指定がない限り、炭素原子数6~14のアリール(基)が好ましい。アリール(基)としては、例えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等が挙げられる。
mは1以上の整数を表し、好ましくは1、より好ましくは2以上の整数、さらに好ましくは3以上の整数である。上限は好ましくは200以下の整数を表し、より好ましくは150以下の整数を表し、さらに好ましくは100以下の整数を表す。
(C)成分は、式(C-2)で表される部分構造を有することが好ましい。
Figure 2023135613000018
式中、A21は炭素原子数1~20のアルキレン基を表し、R21はそれぞれ独立に、炭素原子数1~20のアルキル基を表す。n2は0~4の整数を表す。m1は1以上の整数を表す。
式(C-2)中のA21は、炭素原子数1~20のアルキレン基を表し、式(C-1)中のAと同じである。
21はそれぞれ独立に、炭素原子数1~20のアルキル基を表す。アルキル基は、直鎖状、分枝状、又は環状であってもよい。R21が表す炭素原子数1~20のアルキル基は、炭素原子数1~10のアルキル基が好ましく、炭素原子数1~6のアルキル基がより好ましく、炭素原子数1~3のアルキル基がさらに好ましい。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、トリメチルシクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。
n2は0~4の整数を表し、1~4の整数を表すことが好ましく、2~4の整数を表すことがより好ましく、2又は3の整数を表すことがさらに好ましい。n2が2~4を表す場合、シクロヘキサン環を形成する1つの炭素原子に複数のR21が結合していてもよい。
m1は1以上の整数を表し、式(C-1)中のmと同じである。
(C)成分は、式(C-3)で表される構造を有することが好ましい。
Figure 2023135613000019
式中、A31及びA36は、それぞれ独立に芳香族環又は脂肪族環を2個以上含む4価の有機基を表し、環XC1、環XC2、及び環Xc3は、それぞれ独立に置換基を有していてもよいモノシクロアルカン環、又は置換基を有していてもよいモノシクロアルケン環を表し、A33、及びA34は、それぞれ独立に炭素原子数1~20のアルキレン基を表し、A32、A35、及びA37は、それぞれ独立に、単結合、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアルキレン基を表す。m2は0以上の整数を表し、m3は1以上の整数を表す。
31、及びA36は、それぞれ独立に芳香族環又は脂肪族環を2個以上含む4価の有機基を表し、式(C-1)中のAと同じである。
環XC1、環XC2、及び環Xc3はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいモノシクロアルカン環、又は置換基を有していてもよいモノシクロアルケン環を表し、式(C-1)中の環Xと同じである。
33、及びA34は、それぞれ独立に炭素原子数1~20のアルキレン基を表し、式(C-1)中のAと同じである。
32、A35、及びA37はそれぞれ独立に、単結合、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアルキレン基を表す。該炭素原子数に置換基の炭素原子数は含まれない。アルキレン基は、直鎖状、分枝状、又は環状であってもよく、直鎖状又は環状が好ましい。炭素原子数1~20のアルキレン基は、炭素原子数3~20のアルキレン基が好ましく、炭素原子数3~15のアルキレン基がより好ましく、炭素原子数3~10又は5~10のアルキレン基がさらに好ましい。このようなアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等の直鎖アルキレン基;エチリデン基(-CH(CH)-)、プロピリデン基(-CH(CHCH)-)、イソプロピリデン基(-C(CH-)、エチルメチルメチレン基(-C(CH)(CHCH)-)、ジエチルメチレン基(-C(CHCH-)等の分枝鎖アルキレン基;シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等の環状アルキレン基等が挙げられる。中でも、A32は、それぞれ独立に炭素原子数1~20のアルキレン基を表すことが好ましく、A35、及びA37は、単結合を表すことが好ましい。
31、A32、A33、A34、並びに環XC1及び環XC2のモノシクロアルカン環またはモノシクロアルケン環は置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。置換基としては式(C-1)中のAが有していてもよい置換基と同じである。
m2は0以上の整数を表し、好ましくは0、より好ましくは1以上の整数、さらに好ましくは2以上の整数、3以上の整数である。上限は好ましくは200以下の整数を表し、より好ましくは150以下の整数を表し、さらに好ましくは100以下の整数を表す。
m3は1以上の整数を表し、式(C-1)中のmと同じである。
(C)成分は、式(C-4)で表される構造を有することが好ましい。
Figure 2023135613000020
式中、A41、及びA42はそれぞれ独立に、単結合、又は炭素原子数1~20のアルキレン基を表し、A43、及びA44は、それぞれ独立に炭素原子数1~20のアルキレン基をを表し、R41、R42、及びR43はそれぞれ独立に、炭素原子数1~20のアルキル基を表す。n41、n42、及びn43はそれぞれ独立に0~4の整数を表す。m4は0以上の整数を表し、m5は、1以上の整数を表す。式中、A43と窒素原子とは単結合により直接結合している。
43、及びA44は、それぞれ独立に炭素原子数1~20のアルキレン基を表し、式(C-1)中のAと同じである。
41及びA42はそれぞれ独立に、単結合、又は炭素原子数1~20のアルキレン基を表し、式(C-3)中のA32及びA33と同じである。
41、及びR42は、それぞれ独立に炭素原子数1~20のアルキル基を表す。R41が表す炭素原子数1~20のアルキル基は、炭素原子数が3以上が好ましく、炭素原子数が4以上がより好ましく、炭素原子数が5以上がさらに好ましく、炭素原子数が20以下が好ましく、炭素原子数が18以下がより好ましく、炭素原子数が15以下がさらに好ましい。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、トリメチルシクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。
43は炭素原子数1~20のアルキル基を表し、式(C-2)中のR21と同じである。
n41、n42、及びn43は、それぞれ独立に0~4の整数を表し、式(C-2)中のn2と同じである。
m3は、0以上の整数を表し、式(C-3)中のm2と同じである。また、m4は、1以上の整数を表し、式(C-1)中のmと同じである。
(C)成分は、式(C-5)で表される構造を有することが好ましい。
Figure 2023135613000021
式中、A51及びA56は、それぞれ独立に芳香族環又は脂肪族環を2個以上含む4価の有機基を表し、環XC11、環XC12、及び環Xc13は、それぞれ独立に置換基を有していてもよいモノシクロアルカン環、又は置換基を有していてもよいモノシクロアルケン環を表し、A52、A53、及びA54は、それぞれ独立に炭素原子数1~20のアルキレン基を表す。m6は0以上の整数を表し、m7は1以上の整数を表す。
51及びA56は、それぞれ独立に芳香族環又は脂肪族環を2個以上含む4価の有機基を表し、式(C-1)中のAと同じである。
環XC11、環XC12、及び環Xc13はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいモノシクロアルカン環、又は置換基を有していてもよいモノシクロアルケン環を表し、式(C-1)中の環Xと同じである。
52、A53、及びA54は、それぞれ独立に炭素原子数1~20のアルキレン基を表し、式(C-1)中のAと同じである。
m6は、0以上の整数を表し、式(C-3)中のm2と同じである。また、m7は、1以上の整数を表し、式(C-1)中のmと同じである。
(C)成分は、式(C-6)で表される構造を有することが好ましい。
Figure 2023135613000022
式中、A63、及びA64はそれぞれ独立に、炭素原子数1~20のアルキレン基を表し、R61、R62、及びR63はそれぞれ独立に、炭素原子数1~20のアルキル基を表す。n61、n62、及びn63はそれぞれ独立に0~4の整数を表す。m8は0以上の整数を表し、m9は、1以上の整数を表す。式中、A63と窒素原子とは単結合により直接結合している。
63、及びA64は、それぞれ独立に炭素原子数1~20のアルキレン基を表し、式(C-1)中のAと同じである。
61、及びR62は、それぞれ独立に炭素原子数1~20のアルキル基を表し、式(C-4)中のR41と同じである。また、R63は炭素原子数1~20のアルキル基を表し、式(C-2)中のR21と同じである。
n61、n62、及びn63は、それぞれ独立に0~4の整数を表し、式(C-2)中のn2と同じである。
m8は、0以上の整数を表し、式(C-3)中のm2と同じである。また、m9は、1以上の整数を表し、式(C-1)中のmと同じである。
(C)成分の具体例としては、以下の化合物をあげることができる。但し、(C)成分はこれら具体例に限定されるものではない。
Figure 2023135613000023
Figure 2023135613000024
m5、m6は1以上の整数を表し、「*」は結合部位を表す。
(C)成分は、市販品を使用してもよいし、公知の方法又はそれに準ずる方法を用いて合成してもよい。(C)成分の市販品としては、例えば、信越化学工業社製の「SLK-2700」等が挙げられる。
(C)成分の官能基当量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、好ましくは500g/eq.以上、より好ましくは700g/eq.以上、さらに好ましくは1000g/eq.以上であり、好ましくは10000g/eq.以下、より好ましくは5000g/eq.以下、さらに好ましくは2500g/eq.以下である。(C)成分の官能基当量は、マレイミド基1当量当たりの(C)成分の質量である。
(C)成分の分子量としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、好ましくは1000以上、より好ましくは1500以上、さらに好ましくは2000以上であり、好ましくは20000以下、より好ましくは10000以下、さらに好ましくは5000以下である。
(C)成分の含有量としては、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上であり、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下である。
(C)成分の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上であり、その上限は、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは8質量%以下である。
樹脂組成物中の(A)エポキシ樹脂に対する(C)成分の質量比((A)成分/(C)成分)は、本発明の効果を顕著に得る観点から、好ましくは1以上、より好ましくは3以上、さらに好ましくは5以上であり、好ましくは20以下、より好ましくは15以下、特に好ましくは10以下である。
樹脂組成物中の(B)活性エステル化合物に対する(C)成分の質量比((B)成分/(C)成分)は、本発明の効果を顕著に得る観点から、好ましくは1以上、より好ましくは3以上、特に好ましくは5以上であり、好ましくは20以下、より好ましくは15以下、特に好ましくは10以下である。
<(D)ラジカル重合性化合物>
樹脂組成物は、任意成分として、(D)ラジカル重合性化合物を含有していてもよい。この(D)成分としての(D)ラジカル重合性化合物には、上述した(A)~(C)成分に該当するものは含めない。また、(D)成分は、通常、式(C-1)で表される部分構造を有さない。(D)成分は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)ラジカル重合性化合物は、例えば、ラジカル重合性不飽和基を有する化合物であり得る。ラジカル重合性不飽和基としては、ラジカル重合可能である限り特に限定されるものではないが、末端又は内部に炭素-炭素二重結合を有するエチレン性不飽和基が好ましく、具体的に、アリル基、3-シクロヘキセニル基等の不飽和脂肪族基;p-ビニルフェニル基、m-ビニルフェニル基、スチリル基等の不飽和脂肪族基含有芳香族基;アクリロイル基、メタクリロイル基、マレオイル基(イミド化した場合マレイミド基)、フマロイル基等のα,β-不飽和カルボニル基等であり得る。(D)ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合性不飽和基を1個以上有することが好ましく、2個以上有することがより好ましい。
(D)その他のラジカル重合性化合物としては、公知のラジカル重合性化合物を広く使用することができ、特に限定されるものではないが、例えば、(C)成分以外の2個以上のマレイミド基を有するマレイミド系ラジカル重合性化合物、2個以上のビニルフェニル基を有するビニルフェニル系ラジカル重合性化合物、2個以上のアクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を有する(メタ)アクリル系ラジカル重合性化合物等が挙げられる。
マレイミド系ラジカル重合性化合物は、特に限定されるものではなく、脂肪族アミン骨格を含む脂肪族マレイミド化合物であっても、芳香族アミン骨格を含む芳香族マレイミド化合物であってもよく、市販品としては、例えば、デザイナーモレキュールズ社製の「BMI-1500」、「BMI-1700」、「BMI-3000J」、「BMI-689」、「BMI-2500」(ダイマージアミン構造含有マレイミド化合物)、デザイナーモレキュールズ社製の「BMI-6100」(芳香族マレイミド化合物)、日本化薬社製の「MIR-5000-60T」、「MIR-3000-70MT」(ビフェニルアラルキル型マレイミド化合物)、ケイ・アイ化成社製の「BMI-70」、「BMI-80」、大和化成工業社製「BMI-2300」、「BMI-TMH」、信越化学工業社製の「SLK-2600」等が挙げられる。また、マレイミド系ラジカル重合性化合物として、発明協会公開技報公技番号2020-500211号に開示されているマレイミド樹脂(インダン環骨格含有マレイミド化合物)を用いてもよい。
ビニルフェニル系ラジカル重合性化合物は、特に限定されるものではないが、一実施形態において、ビニルフェニル基を有する熱可塑性樹脂であることが好ましく、ビニルフェニル基を有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂、並びにビニルフェニル基を有する変性ポリスチレン樹脂から選ばれる樹脂がより好ましく、市販品としては、例えば、三菱ガス化学社製の「OPE-2St 1200」、「OPE-2St 2200」(ビニルベンジル変性ポリフェニレンエーテル樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製の「ODV-XET-X03」、「ODV-XET-X04」、「ODV-XET-X05」(ジビニルベンゼン/スチレン共重合体);新中村化学工業社製の「A-DOG」、共栄社化学社製の「DCP-A」等が挙げられる。
(メタ)アクリル系ラジカル重合性化合物は、特に限定されるものではないが、一実施形態において、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を有する熱可塑性樹脂であることが好ましく、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を有する変性ポリフェニレンエーテル樹脂、並びにアクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を有する変性ポリスチレン樹脂から選ばれる樹脂がより好ましく、市販品としては、例えば、SABICイノベーティブプラスチックス社製の「SA9000」、「SA9000-111」(メタクリル変性ポリフェニレンエーテル樹脂)等が挙げられる。
(D)成分の官能基当量は、好ましくは100g/eq.~20000g/eq.、より好ましくは200g/eq.~15000g/eq.、さらに好ましくは300g/eq.~10000g/eq.である。(D)成分の官能基当量は、ラジカル重合性不飽和基(すなわちマレイミド基、ビニルフェニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基など)1当量あたりの(D)その他のラジカル重合性化合物の質量である。
(D)成分の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは500~50000、より好ましくは700~20000である。(D)その他のラジカル重合性化合物の数平均分子量(Mn)は、好ましくは500~50000、より好ましくは700~20000である。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使用して測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量である。
(D)成分の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは1.5質量%以下である。
(D)成分の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上であり、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2.5質量%以下である。
樹脂組成物中の(D)成分に対する(C)成分の質量比((D)成分/(C)成分)は、本発明の効果を顕著に得る観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、さらに好ましくは0.3以上であり、好ましくは3以下、より好ましくは1以下、特に好ましくは0.8以下である。
<(E)無機充填材>
本発明の樹脂組成物は、任意成分として(E)無機充填材を含む場合がある。(E)無機充填材は、粒子の状態で樹脂組成物に含まれる。
(E)無機充填材の材料としては、無機化合物を用いる。(E)無機充填材の材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、ガラス、コーディエライト、シリコン酸化物、硫酸バリウム、炭酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、酸化亜鉛、ハイドロタルサイト、ベーマイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化マンガン、ホウ酸アルミニウム、炭酸ストロンチウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸バリウム、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、及びリン酸タングステン酸ジルコニウム等が挙げられる。これらの中でも、シリカが特に好適である。シリカとしては、例えば、無定形シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、中空シリカ等が挙げられる。また、シリカとしては球形シリカが好ましい。(E)無機充填材は、1種類単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
(E)無機充填材の平均粒径は、特に限定されるものではないが、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2μm以下、さらにより好ましくは1μm以下、特に好ましくは0.7μm以下である。(E)無機充填材の平均粒径の下限は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上、さらに好ましくは0.1μm以上、特に好ましくは0.2μm以上である。(E)無機充填材の平均粒径は、ミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的には、レーザー回折散乱式粒径分布測定装置により、無機充填材の粒径分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、無機充填材100mg、メチルエチルケトン10gをバイアル瓶に秤取り、超音波にて10分間分散させたものを使用することができる。測定サンプルを、レーザー回折式粒径分布測定装置を使用して、使用光源波長を青色及び赤色とし、フローセル方式で無機充填材の体積基準の粒径分布を測定し、得られた粒径分布からメディアン径として平均粒径を算出した。レーザー回折式粒径分布測定装置としては、例えば堀場製作所社製「LA-960」等が挙げられる。
(E)無機充填材の比表面積は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.1m/g以上、より好ましくは0.5m/g以上、さらに好ましくは1m/g以上、特に好ましくは3m/g以上である。(E)無機充填材の比表面積の上限は、特に限定されるものではないが、好ましくは100m/g以下、より好ましくは70m/g以下、さらに好ましくは50m/g以下、特に好ましくは40m/g以下である。無機充填材の比表面積は、BET法に従って、比表面積測定装置(マウンテック社製Macsorb HM-1210)を使用して試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積を算出することで得られる。
(E)無機充填材は、空孔率0体積%の非中空無機充填材(好ましくは非中空シリカ)であっても、空孔率0体積%超の中空無機充填材(好ましくは中空シリカ)であってもよく、両方を含んでいてもよい。中空無機充填材の空孔率は、70体積%以下であることが好ましく、50体積%以下であることがより好ましく、30体積%以下であることが特に好ましい。(E)無機充填材の空孔率の下限は例えば、0体積%超、1体積%以上、5体積%以上、10体積%以上等とし得る。無機充填材の空孔率P(体積%)は、粒子の外面を基準とした粒子全体の体積に対する粒子内部に1個又は2個以上存在する空孔の合計体積の体積基準割合(空孔の合計体積/粒子の体積)として定義され、例えば、無機充填材の実際の密度の測定値D(g/cm)、及び無機充填材を形成する材料の物質密度の理論値D(g/cm)を用いて、下記式(1)により算出される。
Figure 2023135613000025
(E)無機充填材の実際の密度は、例えば、真密度測定装置を用いて測定することができる。真密度測定装置としては、例えば、QUANTACHROME社製のULTRAPYCNOMETER1000等が挙げられる。測定ガスとしては、例えば、窒素を使用する。
(E)無機充填材は市販品を用いることができる。(E)無機充填材の市販品としては、例えば、電化化学工業社製の「UFP-30」;新日鉄住金マテリアルズ社製の「SP60-05」、「SP507-05」;アドマテックス社製の「YC100C」、「YA050C」、「YA050C-MJE」、「YA010C」;デンカ社製の「UFP-30」;トクヤマ社製の「シルフィルNSS-3N」、「シルフィルNSS-4N」、「シルフィルNSS-5N」;アドマテックス社製の「SC2500SQ」、「SO-C4」、「SO-C2」、「SO-C1」;デンカ社製の「DAW-03」、「FB-105FD」;日揮触媒化成社製の「BA-S」などが挙げられる。
(E)無機充填材は、耐湿性及び分散性を高める観点から、表面処理剤で処理されていることが好ましい。表面処理剤としては、例えば、フッ素含有シランカップリング剤、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、アルコキシシラン、オルガノシラザン化合物、チタネート系カップリング剤等が挙げられる。また、表面処理剤は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
表面処理剤の市販品としては、例えば、信越化学工業社製「KBM403」(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM803」(3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBE903」(3-アミノプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM573」(N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「SZ-31」(ヘキサメチルジシラザン)、信越化学工業社製「KBM103」(フェニルトリメトキシシラン)、信越化学工業社製「KBM-4803」(長鎖エポキシ型シランカップリング剤)、信越化学工業社製「KBM-7103」(3,3,3-トリフルオロプロピルトリメトキシシラン)等が挙げられる。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の分散性向上の観点から、所定の範囲に収まることが好ましい。具体的には、無機充填材100質量%は、0.2質量%~5質量%の表面処理剤で表面処理されていることが好ましく、0.2質量%~3質量%で表面処理されていることがより好ましく、0.3質量%~2質量%で表面処理されていることがさらに好ましい。
表面処理剤による表面処理の程度は、無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量によって評価することができる。無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、無機充填材の分散性向上の観点から、0.02mg/m以上が好ましく、0.1mg/m以上がより好ましく、0.2mg/m以上がさらに好ましい。一方、樹脂組成物の溶融粘度やシート形態での溶融粘度の上昇を防止する観点から、1.0mg/m以下が好ましく、0.8mg/m以下がより好ましく、0.5mg/m以下がさらに好ましい。
(E)無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量は、表面処理後の無機充填材を溶剤(例えば、メチルエチルケトン(MEK))により洗浄処理した後に測定することができる。具体的には、溶剤として十分な量のMEKを表面処理剤で表面処理された無機充填材に加えて、25℃で5分間超音波洗浄する。上澄液を除去し、固形分を乾燥させた後、カーボン分析計を用いて無機充填材の単位表面積当たりのカーボン量を測定することができる。カーボン分析計としては、堀場製作所社製「EMIA-320V」等を使用することができる。
(E)無機充填材の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上、又は70質量%以上であり、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下である。
樹脂組成物中の(E)無機充填材に対する(C)成分の質量比((E)成分/(C)成分)は、好ましくは10以上、より好ましくは20以上、さらに好ましくは30以上、40以上、又は50以上であり、好ましくは80以下、より好ましくは70以下、さらに好ましくは60以下である。
<(F)硬化剤>
樹脂組成物は、任意成分として、(F)硬化剤((B)成分に該当するものは除く)を含有していてもよい。この(F)成分としての(F)硬化剤には、上述した(A)~(E)成分に該当するものは含めない。(F)成分は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(F)成分としては、例えば、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、及びカルボジイミド系硬化剤などが挙げられる。中でも、本発明の効果を顕著に得る観点から、(F)成分は、フェノール系硬化剤、ナフトール系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、及びカルボジイミド系硬化剤のいずれか1種以上であることが好ましく、フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤のいずれかであることがより好ましく、フェノール系硬化剤を含むことがさらに好ましい。
フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤としては、耐熱性及び耐水性の観点から、ノボラック構造を有するフェノール系硬化剤、又はノボラック構造を有するナフトール系硬化剤が好ましい。また、導体層との密着性の観点から、含窒素フェノール系硬化剤が好ましく、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤がより好ましい。
フェノール系硬化剤及びナフトール系硬化剤の具体例としては、例えば、明和化成社製の「MEH-7700」、「MEH-7810」、「MEH-7851」、日本化薬社製の「NHN」、「CBN」、「GPH」、新日鉄住金化学社製の「SN170」、「SN180」、「SN190」、「SN475」、「SN485」、「SN495」、「SN-495V」、「SN375」、「SN395」、DIC社製の「TD-2090」、「LA-7052」、「LA-7054」、「LA-1356」、「LA―3018-50P」、「EXB-9500」等が挙げられる。
ベンゾオキサジン系硬化剤の具体例としては、昭和高分子社製の「HFB2006M」、四国化成工業社製の「P-d」、「F-a」が挙げられる。
シアネートエステル系硬化剤としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート、オリゴ(3-メチレン-1,5-フェニレンシアネート)、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルフェニルシアネート)、4,4’-エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2-ビス(4-シアネート)フェニルプロパン、1,1-ビス(4-シアネートフェニルメタン)、ビス(4-シアネート-3,5-ジメチルフェニル)メタン、1,3-ビス(4-シアネートフェニル-1-(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4-シアネートフェニル)チオエーテル、及びビス(4-シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート樹脂、フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート樹脂、これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。シアネートエステル系硬化剤の具体例としては、ロンザジャパン社製の「PT30」及び「PT60」(フェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂)、「ULL-950S」(多官能シアネートエステル樹脂)、「BA230」、「BA230S75」(ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー)等が挙げられる。
カルボジイミド系硬化剤の具体例としては、日清紡ケミカル社製の「V-03」、「V-07」等が挙げられる。
(F)成分として硬化剤を含有する場合、(A)成分と(B)成分及び(F)成分との量比は、[(A)成分のエポキシ基の合計数]:[(B)成分及び(F)成分の活性基の合計数]の比率で、1:0.01~1:5の範囲が好ましく、1:0.05~1:3がより好ましく、1:0.1~1:2がさらに好ましい。ここで、「(A)成分のエポキシ基数」とは、樹脂組成物中に存在する(A)成分の不揮発成分の質量をエポキシ当量で除した値を全て合計した値である。また、「(B)成分及び(F)成分の活性基数」とは、樹脂組成物中に存在する(B)成分及び(F)成分の不揮発成分の質量を活性基当量で除した値を全て合計した値である。(B)成分及び(F)成分として、(A)成分との量比をかかる範囲内とすることにより、本発明の効果を顕著に得ることができる。
(F)成分として硬化剤を含有する場合、(A)成分とすべての(F)成分との量比は、[(A)成分のエポキシ基の合計数]:[(F)成分の活性基の合計数]の比率で、1:0.01~1:1の範囲が好ましく、1:0.03~1:0.5がより好ましく、1:0.05~1:0.3がさらに好ましい。ここで、「(F)成分の活性基数」とは、樹脂組成物中に存在する(F)成分の不揮発成分の質量を活性基当量で除した値を全て合計した値である。(A)成分と(F)成分との量比をかかる範囲内とすることにより、本発明の効果を顕著に得ることができる。
(F)成分の含有量としては、本発明の所望の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上であり、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは1.5質量%以下である。
(F)成分の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは3.5質量%以上であり、好ましくは8質量%以下、より好ましくは6質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
<(G)硬化促進剤>
樹脂組成物は、任意成分として(G)硬化促進剤を含有していてもよい。この(G)成分としての(G)硬化促進剤には、上述した(A)~(F)成分に該当するものは含めない。(G)硬化促進剤は、(A)エポキシ樹脂の硬化を促進させる硬化触媒としての機能を有する。(G)硬化促進剤は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
(G)硬化促進剤としては、例えば、リン系硬化促進剤、ウレア系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、金属系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤等が挙げられる。中でも、アミン系硬化促進剤、及び金属系硬化促進剤から選ばれる硬化促進剤が好ましく、アミン系硬化促進剤が特に好ましい。
リン系硬化促進剤としては、例えば、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムデカノエート、テトラブチルホスホニウムラウレート、ビス(テトラブチルホスホニウム)ピロメリテート、テトラブチルホスホニウムハイドロジェンヘキサヒドロフタレート、テトラブチルホスホニウム2,6-ビス[(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)メチル]-4-メチルフェノラート、ジ-tert-ブチルジメチルホスホニウムテトラフェニルボレート等の脂肪族ホスホニウム塩;メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、プロピルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、p-トリルトリフェニルホスホニウムテトラ-p-トリルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラp-トリルボレート、トリフェニルエチルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリス(3-メチルフェニル)エチルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリス(2-メトキシフェニル)エチルホスホニウムテトラフェニルボレート、(4-メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等の芳香族ホスホニウム塩;トリフェニルホスフィン・トリフェニルボラン等の芳香族ホスフィン・ボラン複合体;トリフェニルホスフィン・p-ベンゾキノン付加反応物等の芳香族ホスフィン・キノン付加反応物;トリブチルホスフィン、トリ-tert-ブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、ジ-tert-ブチル(2-ブテニル)ホスフィン、ジ-tert-ブチル(3-メチル-2-ブテニル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン等の脂肪族ホスフィン;ジブチルフェニルホスフィン、ジ-tert-ブチルフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、ブチルジフェニルホスフィン、ジフェニルシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ-o-トリルホスフィン、トリ-m-トリルホスフィン、トリ-p-トリルホスフィン、トリス(4-エチルフェニル)ホスフィン、トリス(4-プロピルフェニル)ホスフィン、トリス(4-イソプロピルフェニル)ホスフィン、トリス(4-ブチルフェニル)ホスフィン、トリス(4-tert-ブチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,4-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,5-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,6-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,4,6-トリメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,6-ジメチル-4-エトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2-メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4-メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4-エトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4-tert-ブトキシフェニル)ホスフィン、ジフェニル-2-ピリジルホスフィン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)アセチレン、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)ジフェニルエーテル等の芳香族ホスフィン等が挙げられる。
ウレア系硬化促進剤としては、例えば、1,1-ジメチル尿素;1,1,3-トリメチル尿素、3-エチル-1,1-ジメチル尿素、3-シクロヘキシル-1,1-ジメチル尿素、3-シクロオクチル-1,1-ジメチル尿素等の脂肪族ジメチルウレア;3-フェニル-1,1-ジメチル尿素、3-(4-クロロフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(2-メチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(4-メチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(3,4-ジメチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(4-イソプロピルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(4-メトキシフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(4-ニトロフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-[4-(4-メトキシフェノキシ)フェニル]-1,1-ジメチル尿素、3-[4-(4-クロロフェノキシ)フェニル]-1,1-ジメチル尿素、3-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,1-ジメチル尿素、N,N-(1,4-フェニレン)ビス(N’,N’-ジメチル尿素)、N,N-(4-メチル-1,3-フェニレン)ビス(N’,N’-ジメチル尿素)〔トルエンビスジメチルウレア〕等の芳香族ジメチルウレア等が挙げられる。
グアニジン系硬化促進剤としては、例えば、ジシアンジアミド、1-メチルグアニジン、1-エチルグアニジン、1-シクロヘキシルグアニジン、1-フェニルグアニジン、1-(o-トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、1-メチルビグアニド、1-エチルビグアニド、1-n-ブチルビグアニド、1-n-オクタデシルビグアニド、1,1-ジメチルビグアニド、1,1-ジエチルビグアニド、1-シクロヘキシルビグアニド、1-アリルビグアニド、1-フェニルビグアニド、1-(o-トリル)ビグアニド等が挙げられる。
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、1-ドデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウムクロライド、2-メチルイミダゾリン、2-フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられる。
イミダゾール系硬化促進剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、四国化成工業社製の「1B2PZ」、「2MZA-PW」、「2PHZ-PW」、「C11Z-A」、三菱ケミカル社製の「P200-H50」等が挙げられる。
金属系硬化促進剤としては、例えば、コバルト、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン、スズ等の金属の、有機金属錯体又は有機金属塩が挙げられる。有機金属錯体の具体例としては、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有機コバルト錯体、銅(II)アセチルアセトナート等の有機銅錯体、亜鉛(II)アセチルアセトナート等の有機亜鉛錯体、鉄(III)アセチルアセトナート等の有機鉄錯体、ニッケル(II)アセチルアセトナート等の有機ニッケル錯体、マンガン(II)アセチルアセトナート等の有機マンガン錯体等が挙げられる。有機金属塩としては、例えば、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸スズ、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
アミン系硬化促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン、4-ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン等が挙げられる。
アミン系硬化促進剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、味の素ファインテクノ社製の「MY-25」等が挙げられる。
(G)成分の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、好ましくは1.5質量%以下、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下である。
(G)成分の含有量は、本発明の効果を顕著に得る観点から、樹脂組成物中の樹脂成分を100質量%とした場合、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上であり、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。
<(H)その他の添加剤>
本発明の樹脂組成物は、不揮発成分として、さらに任意の添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤としては、例えば、熱可塑性樹脂;過酸化物系ラジカル重合開始剤、アゾ系ラジカル重合開始剤等のラジカル重合開始剤;フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、チオール系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、カルボジイミド系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、アミン系硬化剤等の活性エステル化合物以外のエポキシ硬化剤;フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂;ゴム粒子等の有機充填材;有機銅化合物、有機亜鉛化合物、有機コバルト化合物等の有機金属化合物;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アイオディングリーン、ジアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック等の着色剤;ハイドロキノン、カテコール、ピロガロール、フェノチアジン等の重合禁止剤;シリコーン系レベリング剤、アクリルポリマー系レベリング剤等のレベリング剤;ベントン、モンモリロナイト等の増粘剤;シリコーン系消泡剤、アクリル系消泡剤、フッ素系消泡剤、ビニル樹脂系消泡剤等の消泡剤;ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤;尿素シラン等の接着性向上剤;トリアゾール系密着性付与剤、テトラゾール系密着性付与剤、トリアジン系密着性付与剤等の密着性付与剤;ヒンダードフェノール系酸化防止剤等の酸化防止剤;スチルベン誘導体等の蛍光増白剤;フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等の界面活性剤;リン系難燃剤(例えばリン酸エステル化合物、ホスファゼン化合物、ホスフィン酸化合物、赤リン)、窒素系難燃剤(例えば硫酸メラミン)、ハロゲン系難燃剤、無機系難燃剤(例えば三酸化アンチモン)等の難燃剤;リン酸エステル系分散剤、ポリオキシアルキレン系分散剤、アセチレン系分散剤、シリコーン系分散剤、アニオン性分散剤、カチオン性分散剤等の分散剤;ボレート系安定剤、チタネート系安定剤、アルミネート系安定剤、ジルコネート系安定剤、イソシアネート系安定剤、カルボン酸系安定剤、カルボン酸無水物系安定剤等の安定剤等が挙げられる。(H)その他の添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。(H)その他の添加剤の含有量は当業者であれば適宜設定できる。
<(I)溶剤>
樹脂組成物は、上述した不揮発成分以外に、揮発性成分として、さらに任意の溶剤を含有していてもよい。(I)溶剤としては、公知のものを適宜用いることができ、その種類は特に限定されるものではなく、有機溶剤であることが好ましい。(I)溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ-ブチロラクトン等のエステル系溶剤;テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジフェニルエーテル、アニソール等のエーテル系溶剤;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール等のアルコール系溶剤;酢酸2-エトキシエチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチルジグリコールアセテート、γ-ブチロラクトン、メトキシプロピオン酸メチル等のエーテルエステル系溶剤;乳酸メチル、乳酸エチル、2-ヒドロキシイソ酪酸メチル等のエステルアルコール系溶剤;2-メトキシプロパノール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)等のエーテルアルコール系溶剤;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン等のアミド系溶剤;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶剤;ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤等を挙げることができる。(I)溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
一実施形態において、(I)溶剤の含有量は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物中の全成分を100質量%とした場合、例えば、60質量%以下、40質量%以下、30質量%以下、20質量%以下、15質量%以下、10質量%以下等であり得る。下限は特に制限はないが、0.0001質量%以上等とし得る。
<樹脂組成物の製造方法>
本発明の樹脂組成物は、例えば、任意の調製容器に(A)~(C)成分、必要に応じて(D)~(I)成分を、任意の順で及び/又は一部若しくは全部同時に加えて混合することによって、製造することができる。また、各成分を加えて混合する過程で、温度を適宜設定することができ、一時的に又は終始にわたって、加熱及び/又は冷却してもよい。また、加えて混合する過程において又はその後に、樹脂組成物を、例えば、ミキサーなどの撹拌装置又は振盪装置を用いて撹拌又は振盪し、均一に分散させてもよい。また、撹拌又は振盪と同時に、真空下等の低圧条件下で脱泡を行ってもよい。
<樹脂組成物の特性>
(A)~(C)成分を組み合わせてを含有する樹脂組成物を用いることにより、反りの発生が抑制され、クラック耐性に優れた硬化物を得ることができる。また、樹脂組成物は、通常、比誘電率(Dk)及び誘電正接(Df)が低く、銅密着性に優れ、ガラス転移点(Tg)が高い硬化物を得ることもできる。
樹脂組成物を190℃で90分間硬化させた硬化物は、通常、常温での誘電率(Dk)が低いという特性を示す。よって、誘電率に優れる絶縁層をもたらす。5.8GHz、23℃で測定した場合の樹脂組成物の硬化物の誘電率(Dk)は、好ましくは5.0以下、より好ましくは4.0以下、さらに好ましくは3.5以下である。下限は特に制限はないが、0.1以上等とし得る。23℃での誘電率は、後述する実施例に記載の方法によって測定することができる。
樹脂組成物を190℃で90分間硬化させた硬化物は、通常、高温での誘電率(Dk)が低いという特性を示す。よって、誘電率に優れる絶縁層をもたらす。5.8GHz、90℃で測定した場合の樹脂組成物の硬化物の誘電率(Dk)は、好ましくは5.0以下、より好ましくは4.0以下、さらに好ましくは3.5以下である。下限は特に制限はないが、0.1以上等とし得る。90℃での誘電率は、後述する実施例に記載の方法によって測定することができる。
樹脂組成物を190℃で90分間硬化させた硬化物は、通常、常温での誘電正接(Df)が低いという特性を示す。よって、誘電正接に優れる絶縁層をもたらす。5.8GHz、23℃で測定した場合の樹脂組成物の硬化物の誘電正接(Df)は、好ましくは0.005以下、0.004以下、より好ましくは0.003以下である。下限は特に制限はないが、0.00001以上等とし得る。23℃での誘電正接は、後述する実施例に記載の方法によって測定することができる。
樹脂組成物を190℃で90分間硬化させた硬化物は、通常、高温での誘電正接(Df)が低いという特性を示す。よって、誘電正接に優れる絶縁層をもたらす。5.8GHz、90℃で測定した場合の硬化物の誘電正接(Df)は、好ましくは0.005以下、0.004以下、より好ましくは0.003以下である。下限は特に制限はないが、0.00001以上等とし得る。90℃での誘電正接は、後述する実施例に記載の方法によって測定することができる。
樹脂組成物を190℃で90分間硬化させた硬化物は、通常、ガラス転移温度(Tg)が高いという特性を示す。硬化物のガラス転移温度はDMA法により測定されたガラス転移温度を示す。硬化物のガラス転移温度(Tg)が、好ましくは130℃以上、より好ましくは140℃以上、さらに好ましくは150℃以上である。上限は特に制限はないが、500℃以下等とし得る。ガラス転移温度は、後述する実施例に記載の方法によって測定することができる。
樹脂組成物を130℃で30分間、次いで170℃で30分間硬化させた硬化物は、クラック耐性に優れるという特性を示す。よって、クラック耐性に優れる絶縁層をもたらす。具体的には、銅パッド部を100個有するコア材上に樹脂組成物の硬化物からなる層を形成する。前記硬化物からなる層を粗化処理し、粗化処理後の銅パッド部を100個観察し、クラックの有無を確認する。この場合、クラックは好ましくは10個以下である。クラック耐性の評価は、後述する実施例に記載の方法によって測定することができる。
樹脂組成物を190℃で90分間硬化させた硬化物は、反りの発生が抑制されるという特性を示す。よって、反りの発生が抑制された絶縁層をもたらす。反り量は、好ましくは20mm以下、より好ましくは10mm以下、さらに好ましくは5mm以下である。下限は特に制限はないが、0mm以上等とし得る。反り量の評価は、後述する実施例に記載の方法によって測定することができる。
樹脂組成物を190℃で90分間硬化させた硬化物は、通常、銅密着性が優れているという特性を示す。よって、銅との間の密着性に優れる絶縁層をもたらす。JIS C6481に準拠して測定した場合の銅箔との間の密着強度は、好ましくは0.2kgf/cm以上、より好ましくは0.3kgf/cm以上、さらに好ましくは0.4kgf/cm以上、又は0.5kgf/cm以上である。上限については特に制限はないが、10kgf/cm以下等とし得る。密着性の評価は、後述する実施例に記載の方法によって測定することができる。
<樹脂組成物の用途>
本発明の樹脂組成物は、絶縁用途の樹脂組成物、特に、絶縁層を形成するための樹脂組成物として好適に使用することができる。具体的には、絶縁層上に形成される導体層(再配線層を含む)を形成するための当該絶縁層を形成するための樹脂組成物(導体層を形成するための絶縁層形成用樹脂組成物)として好適に使用することができる。また、後述するプリント配線板において、プリント配線板の絶縁層を形成するための樹脂組成物(プリント配線板の絶縁層形成用樹脂組成物)として好適に使用することができる。本発明の樹脂組成物はまた、樹脂シート、プリプレグ等のシート状積層材料、ソルダーレジスト、アンダーフィル材、ダイボンディング材、半導体封止材、穴埋め樹脂、部品埋め込み樹脂等、樹脂組成物が必要とされる用途で広範囲に使用できる。
また、例えば、以下の(1)~(6)工程を経て半導体チップパッケージが製造される場合、本発明の樹脂組成物は、再配線層を形成するための絶縁層としての再配線形成層用の樹脂組成物(再配線形成層形成用の樹脂組成物)、及び半導体チップを封止するための樹脂組成物(半導体チップ封止用の樹脂組成物)としても好適に使用することができる。半導体チップパッケージが製造される際、封止層上に更に再配線層を形成してもよい。
(1)基材に仮固定フィルムを積層する工程、
(2)半導体チップを、仮固定フィルム上に仮固定する工程、
(3)半導体チップ上に封止層を形成する工程、
(4)基材及び仮固定フィルムを半導体チップから剥離する工程、
(5)半導体チップの基材及び仮固定フィルムを剥離した面に、絶縁層としての再配線形成層を形成する工程、及び
(6)再配線形成層上に、導体層としての再配線層を形成する工程
また、本発明の樹脂組成物は、部品埋め込み性に良好な絶縁層をもたらすことから、プリント配線板が部品内蔵回路板である場合にも好適に使用することができる。
[シート状積層材料]
本発明の樹脂組成物は、ワニス状態で塗布して使用することもできるが、工業的には一般に、該樹脂組成物を含有するシート状積層材料の形態で用いることが好適である。
シート状積層材料としては、以下に示す樹脂シート、プリプレグが好ましい。
一実施形態において、樹脂シートは、支持体と、該支持体上に設けられた樹脂組成物層とを含んでなり、樹脂組成物層は本発明の樹脂組成物から形成される。
樹脂組成物層の厚さは、プリント配線板の薄型化、及び当該樹脂組成物の硬化物が薄膜であっても絶縁性に優れた硬化物を提供できるという観点から、好ましくは50μm以下、より好ましくは40μm以下である。樹脂組成物層の厚さの下限は、特に限定されないが、通常、5μm以上、10μm以上等とし得る。
支持体としては、例えば、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔、離型紙が挙げられ、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔が好ましい。
支持体としてプラスチック材料からなるフィルムを使用する場合、プラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート(以下「PEN」と略称することがある。)等のポリエステル、ポリカーボネート(以下「PC」と略称することがある。)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリイミド等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、安価なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
支持体として金属箔を使用する場合、金属箔としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられ、銅箔が好ましい。銅箔としては、銅の単金属からなる箔を用いてもよく、銅と他の金属(例えば、スズ、クロム、銀、マグネシウム、ニッケル、ジルコニウム、ケイ素、チタン等)との合金からなる箔を用いてもよい。
支持体は、樹脂組成物層と接合する面にマット処理、コロナ処理、帯電防止処理を施してあってもよい。
また、支持体としては、樹脂組成物層と接合する面に離型層を有する離型層付き支持体を使用してもよい。離型層付き支持体の離型層に使用する離型剤としては、例えば、アルキド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群から選択される1種以上の離型剤が挙げられる。離型層付き支持体は、市販品を用いてもよく、例えば、アルキド樹脂系離型剤を主成分とする離型層を有するPETフィルムである、リンテック社製の「SK-1」、「AL-5」、「AL-7」、東レ社製の「ルミラーT60」、帝人社製の「ピューレックス」、ユニチカ社製の「ユニピール」等が挙げられる。
支持体の厚さは、特に限定されないが、5μm~75μmの範囲が好ましく、10μm~60μmの範囲がより好ましい。なお、離型層付き支持体を使用する場合、離型層付き支持体全体の厚さが上記範囲であることが好ましい。
一実施形態において、樹脂シートは、さらに必要に応じて、任意の層を含んでいてもよい。斯かる任意の層としては、例えば、樹脂組成物層の支持体と接合していない面(即ち、支持体とは反対側の面)に設けられた、支持体に準じた保護フィルム等が挙げられる。保護フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、1μm~40μmである。保護フィルムを積層することにより、樹脂組成物層の表面へのゴミ等の付着やキズを抑制することができる。
樹脂シートは、例えば、液状の樹脂組成物をそのまま、或いは有機溶剤に樹脂組成物を溶解した樹脂ワニスを調製し、これを、ダイコーター等を用いて支持体上に塗布し、更に乾燥させて樹脂組成物層を形成させることにより製造することができる。
有機溶剤としては、樹脂組成物の成分として説明した有機溶剤と同様のものが挙げられる。有機溶剤は1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
乾燥は、加熱、熱風吹きつけ等の公知の方法により実施してよい。乾燥条件は特に限定されないが、樹脂組成物層中の有機溶剤の含有量が10質量%以下、好ましくは5質量%以下となるように乾燥させる。樹脂組成物又は樹脂ワニス中の有機溶剤の沸点によっても異なるが、例えば30質量%~60質量%の有機溶剤を含む樹脂組成物又は樹脂ワニスを用いる場合、50℃~150℃で3分間~10分間乾燥させることにより、樹脂組成物層を形成することができる。
樹脂シートは、ロール状に巻きとって保存することが可能である。樹脂シートが保護フィルムを有する場合、保護フィルムを剥がすことによって使用可能となる。
一実施形態において、プリプレグは、シート状繊維基材に本発明の樹脂組成物を含浸させて形成される。
プリプレグに用いるシート状繊維基材は特に限定されず、ガラスクロス、アラミド不織布、液晶ポリマー不織布等のプリプレグ用基材として常用されているものを用いることができる。プリント配線板の薄型化の観点から、シート状繊維基材の厚さは、好ましくは50μm以下、より好ましくは40μm以下、さらに好ましくは30μm以下、特に好ましくは20μm以下である。シート状繊維基材の厚さの下限は特に限定されない。通常、10μm以上である。
プリプレグは、ホットメルト法、ソルベント法等の公知の方法により製造することができる。
プリプレグの厚さは、上述の樹脂シートにおける樹脂組成物層と同様の範囲とし得る。
本発明のシート状積層材料は、プリント配線板の絶縁層を形成するため(プリント配線板の絶縁層用)に好適に使用することができ、プリント配線板の層間絶縁層を形成するため(プリント配線板の層間絶縁層用)により好適に使用することができる。
[プリント配線板]
本発明のプリント配線板は、本発明の樹脂組成物を硬化して得られる硬化物からなる絶縁層を含む。
プリント配線板は、例えば、上述の樹脂シートを用いて、下記(I)及び(II)の工程を含む方法により製造することができる。
(I)内層基板上に、樹脂シートを、樹脂シートの樹脂組成物層が内層基板と接合するように積層する工程
(II)樹脂組成物層を硬化(例えば熱硬化)して絶縁層を形成する工程
工程(I)で用いる「内層基板」とは、プリント配線板の基板となる部材であって、例えば、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等が挙げられる。また、該基板は、その片面又は両面に導体層を有していてもよく、この導体層はパターン加工されていてもよい。基板の片面または両面に導体層(回路)が形成された内層基板は「内層回路基板」ということがある。またプリント配線板を製造する際に、さらに絶縁層及び/又は導体層が形成されるべき中間製造物も本発明でいう「内層基板」に含まれる。プリント配線板が部品内蔵回路板である場合、部品を内蔵した内層基板を使用してもよい。
内層基板と樹脂シートの積層は、例えば、支持体側から樹脂シートを内層基板に加熱圧着することにより行うことができる。樹脂シートを内層基板に加熱圧着する部材(以下、「加熱圧着部材」ともいう。)としては、例えば、加熱された金属板(SUS鏡板等)又は金属ロール(SUSロール)等が挙げられる。なお、加熱圧着部材を樹脂シートに直接プレスするのではなく、内層基板の表面凹凸に樹脂シートが十分に追随するよう、耐熱ゴム等の弾性材を介してプレスするのが好ましい。
内層基板と樹脂シートの積層は、真空ラミネート法により実施してよい。真空ラミネート法において、加熱圧着温度は、好ましくは60℃~160℃、より好ましくは80℃~140℃の範囲であり、加熱圧着圧力は、好ましくは0.098MPa~1.77MPa、より好ましくは0.29MPa~1.47MPaの範囲であり、加熱圧着時間は、好ましくは20秒間~400秒間、より好ましくは30秒間~300秒間の範囲である。積層は、好ましくは圧力26.7hPa以下の減圧条件下で実施され得る。
積層は、市販の真空ラミネーターによって行うことができる。市販の真空ラミネーターとしては、例えば、名機製作所社製の真空加圧式ラミネーター、ニッコー・マテリアルズ社製のバキュームアップリケーター、バッチ式真空加圧ラミネーター等が挙げられる。
積層の後に、常圧下(大気圧下)、例えば、加熱圧着部材を支持体側からプレスすることにより、積層された樹脂シートの平滑化処理を行ってもよい。平滑化処理のプレス条件は、上記積層の加熱圧着条件と同様の条件とすることができる。平滑化処理は、市販のラミネーターによって行うことができる。なお、積層と平滑化処理は、上記の市販の真空ラミネーターを用いて連続的に行ってもよい。
支持体は、工程(I)と工程(II)の間に除去してもよく、工程(II)の後に除去してもよい。
工程(II)において、樹脂組成物層を硬化(例えば熱硬化)して、樹脂組成物の硬化物からなる絶縁層を形成する。樹脂組成物層の硬化条件は特に限定されず、プリント配線板の絶縁層を形成するに際して通常採用される条件を使用してよい。
樹脂組成物層の熱硬化条件は、樹脂組成物の種類等によっても異なるが、一実施形態において、硬化温度は好ましくは120℃~240℃、より好ましくは150℃~220℃、さらに好ましくは170℃~210℃である。硬化時間は好ましくは5分間~120分間、より好ましくは10分間~100分間、さらに好ましくは15分間~100分間とすることができる。
樹脂組成物層を熱硬化させる前に、樹脂組成物層を硬化温度よりも低い温度にて予備加熱してもよい。例えば、樹脂組成物層を熱硬化させるのに先立ち、50℃~120℃、好ましくは60℃~115℃、より好ましくは70℃~110℃の温度にて、樹脂組成物層を5分間以上、好ましくは5分間~150分間、より好ましくは15分間~120分間、さらに好ましくは15分間~100分間予備加熱してもよい。
プリント配線板を製造するに際しては、(III)絶縁層に穴あけする工程、(IV)絶縁層を粗化処理する工程、(V)導体層を形成する工程をさらに実施してもよい。これらの工程(III)乃至工程(V)は、プリント配線板の製造に用いられる、当業者に公知の各種方法に従って実施してよい。なお、支持体を工程(II)の後に除去する場合、該支持体の除去は、工程(II)と工程(III)との間、工程(III)と工程(IV)の間、又は工程(IV)と工程(V)との間に実施してよい。また、必要に応じて、工程(II)~工程(V)の絶縁層及び導体層の形成を繰り返して実施し、多層配線板を形成してもよい。
他の実施形態において、本発明のプリント配線板は、上述のプリプレグを用いて製造することができる。製造方法は基本的に樹脂シートを用いる場合と同様である。
工程(III)は、絶縁層に穴あけする工程であり、これにより絶縁層にビアホール、スルーホール等のホールを形成することができる。工程(III)は、絶縁層の形成に使用した樹脂組成物の組成等に応じて、例えば、ドリル、レーザー、プラズマ等を使用して実施してよい。ホールの寸法や形状は、プリント配線板のデザインに応じて適宜決定してよい。
工程(IV)は、絶縁層を粗化処理する工程である。通常、この工程(IV)において、スミアの除去も行われる。粗化処理の手順、条件は特に限定されず、プリント配線板の絶縁層を形成するに際して通常使用される公知の手順、条件を採用することができる。例えば、膨潤液による膨潤処理、酸化剤による粗化処理、中和液による中和処理をこの順に実施して絶縁層を粗化処理することができる。
粗化処理に用いる膨潤液としては特に限定されないが、アルカリ溶液、界面活性剤溶液等が挙げられ、好ましくはアルカリ溶液であり、該アルカリ溶液としては、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液がより好ましい。市販されている膨潤液としては、例えば、アトテックジャパン社製の「スウェリング・ディップ・セキュリガンスP」、「スウェリング・ディップ・セキュリガンスSBU」等が挙げられる。膨潤液による膨潤処理は、特に限定されないが、例えば、30℃~90℃の膨潤液に絶縁層を1分間~20分間浸漬することにより行うことができる。絶縁層の樹脂の膨潤を適度なレベルに抑える観点から、40℃~80℃の膨潤液に絶縁層を5分間~15分間浸漬させることが好ましい。
粗化処理に用いる酸化剤としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウムの水溶液に過マンガン酸カリウム又は過マンガン酸ナトリウムを溶解したアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。アルカリ性過マンガン酸溶液等の酸化剤による粗化処理は、60℃~100℃に加熱した酸化剤溶液に絶縁層を10分間~30分間浸漬させて行うことが好ましい。また、アルカリ性過マンガン酸溶液における過マンガン酸塩の濃度は5質量%~10質量%が好ましい。市販されている酸化剤としては、例えば、アトテックジャパン社製の「コンセントレート・コンパクトCP」、「ドージングソリューション・セキュリガンスP」等のアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。
また、粗化処理に用いる中和液としては、酸性の水溶液が好ましく、市販品としては、例えば、アトテックジャパン社製の「リダクションソリューション・セキュリガントP」が挙げられる。
中和液による処理は、酸化剤による粗化処理がなされた処理面を30℃~80℃の中和液に5分間~30分間浸漬させることにより行うことができる。作業性等の点から、酸化剤による粗化処理がなされた対象物を、40℃~70℃の中和液に5分間~20分間浸漬する方法が好ましい。
一実施形態において、粗化処理後の絶縁層表面の二乗平均平方根粗さ(Rq)は、好ましくは500nm以下、より好ましくは400nm以下、さらに好ましくは300nm以下である。下限については特に限定されるものではなく、例えば、1nm以上、2nm以上等とし得る。絶縁層表面の二乗平均平方根粗さ(Rq)は、非接触型表面粗さ計を用いて測定することができる。
工程(V)は、導体層を形成する工程であり、絶縁層上に導体層を形成する。導体層に使用する導体材料は特に限定されない。好適な実施形態では、導体層は、金、白金、パラジウム、銀、銅、アルミニウム、コバルト、クロム、亜鉛、ニッケル、チタン、タングステン、鉄、スズ及びインジウムからなる群から選択される1種以上の金属を含む。導体層は、単金属層であっても合金層であってもよく、合金層としては、例えば、上記の群から選択される2種以上の金属の合金(例えば、ニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金及び銅・チタン合金)から形成された層が挙げられる。中でも、導体層形成の汎用性、コスト、パターニングの容易性等の観点から、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金、銅・チタン合金の合金層が好ましく、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金の合金層がより好ましく、銅の単金属層が更に好ましい。
導体層は、単層構造であっても、異なる種類の金属若しくは合金からなる単金属層又は合金層が2層以上積層した複層構造であってもよい。導体層が複層構造である場合、絶縁層と接する層は、クロム、亜鉛若しくはチタンの単金属層、又はニッケル・クロム合金の合金層であることが好ましい。
導体層の厚さは、所望のプリント配線板のデザインによるが、一般に3μm~35μm、好ましくは5μm~30μmである。
一実施形態において、導体層は、メッキにより形成してよい。例えば、セミアディティブ法、フルアディティブ法等の従来公知の技術により絶縁層の表面にメッキして、所望の配線パターンを有する導体層を形成することができ、製造の簡便性の観点から、セミアディティブ法により形成することが好ましい。以下、導体層をセミアディティブ法により形成する例を示す。
まず、絶縁層の表面に、無電解メッキによりメッキシード層を形成する。次いで、形成されたメッキシード層上に、所望の配線パターンに対応してメッキシード層の一部を露出させるマスクパターンを形成する。露出したメッキシード層上に、電解メッキにより金属層を形成した後、マスクパターンを除去する。その後、不要なメッキシード層をエッチング等により除去して、所望の配線パターンを有する導体層を形成することができる。
他の実施形態において、導体層は、金属箔を使用して形成してよい。金属箔を使用して導体層を形成する場合、工程(V)は、工程(I)と工程(II)の間に実施することが好適である。例えば、工程(I)の後、支持体を除去し、露出した樹脂組成物層の表面に金属箔を積層する。樹脂組成物層と金属箔との積層は、真空ラミネート法により実施してよい。積層の条件は、工程(I)について説明した条件と同様としてよい。次いで、工程(II)を実施して絶縁層を形成する。その後、絶縁層上の金属箔を利用して、サブトラクティブ法、モディファイドセミアディティブ法等の従来の公知の技術により、所望の配線パターンを有する導体層を形成することができる。
金属箔は、例えば、電解法、圧延法等の公知の方法により製造することができる。金属箔の市販品としては、例えば、JX日鉱日石金属社製のHLP箔、JXUT-III箔、三井金属鉱山社製の3EC-III箔、TP-III箔等が挙げられる。
[半導体装置]
本発明の半導体装置は、本発明のプリント配線板を含む。本発明の半導体装置は、本発明のプリント配線板を用いて製造することができる。
半導体装置としては、電気製品(例えば、コンピューター、携帯電話、デジタルカメラ及びテレビ等)及び乗物(例えば、自動二輪車、自動車、電車、船舶及び航空機等)等に供される各種半導体装置が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下において、量を表す「部」及び「%」は、別途明示のない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。特に温度及び圧力の指定が無い場合の温度条件及び圧力条件は、室温(23℃)及び大気圧(1atm)である。
<合成例1:活性エステル化合物(B-1)の合成>
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、2,7-ジヒドロキシナフタレン320g(2.0モル)、ベンジルアルコール184g(1.7モル)、パラトルエンスルホン酸・1水和物5.0gを仕込み、室温下、窒素を吹き込みながら撹拌した。その後、150℃に昇温し、生成する水を系外に留去しながら4時間攪拌した。反応終了後、メチルイソブチルケトン900g、20%水酸化ナトリウム水溶液5.4gを添加して中和した後、分液により水層を除去し、水280gで3回水洗を行い、メチルイソブチルケトンを減圧下除去してベンジル変性ナフタレン化合物(A-1)を460g得た。得られたベンジル変性ナフタレン化合物(A-1)は黒色固体であり、水酸基当量は180グラム/当量であった。
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、イソフタル酸クロリド203.0g(酸クロリド基のモル数:2.0モル)とトルエン1400gを仕込み、系内を減圧窒素置換し溶解させた。次いで、オルトフェニルフェノール113.9g(0.67モル)、ベンジル変性ナフタレン化合物(A-1)240g(フェノール性水酸基のモル数:1.33モル)を仕込み、系内を減圧窒素置換し溶解させた。その後、テトラブチルアンモニウムブロマイド0.70gを溶解させ、窒素ガスパージを施しながら、系内を60℃以下に制御して、20%水酸化ナトリウム水溶液400gを3時間かけて滴下した。次いでこの条件下で1.0時間撹拌を続けた。反応終了後、静置分液し、水層を取り除いた。更に反応物が溶解しているトルエン層に水を投入して15分間撹拌混合し、静置分液して水層を取り除いた。水層のpHが7になるまでこの操作を繰り返した。その後、デカンタ脱水で水分を除去し不揮発分61.5質量%のトルエン溶液状態にある活性エステル化合物(B-1)を得た。得られた活性エステル化合物(B-1)の活性エステル当量は、238g/eq.であった。
<合成例2:活性エステル化合物(B-2)の合成>
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコにジシクロペンタジエンおよびフェノールの重付加反応樹脂(水酸基当量:165g/eq.、軟化点85℃)165gと、オルトアリルフェノール134g(1.0mol)と、トルエン1200gとを仕込み、系内を減圧窒素置換した。次いで、イソフタル酸クロリド203g(1.0mol)を仕込み、系内を減圧窒素置換した。テトラブチルアンモニウムブロミド0.6gを添加し、窒素ガスパージ処理を行いながら、系内を60℃以下に制御して、20%水酸化ナトリウム水溶液412gを3時間かけて滴下した。滴下終了後、1.0時間撹拌した。反応終了後、静置分液により水層を除去した。得られたトルエン層にさらに水を投入して15分間撹拌し、静置分液により水層を除去した。この操作を水層のpHが7になるまで繰り返した。そして、加熱乾燥により不揮発分を70質量%に調整することで、下記式で表される活性エステル化合物(B-2)を得た。式中、sは、それぞれ独立に0または1以上の整数であり、仕込み比から算出されたrの平均値は1である。また、式中の破線は、イソフタル酸クロリド、並びにフェノールの重付加反応樹脂および/またはオルトアリルフェノールが反応して得られる構造である。得られた活性エステル樹脂のエステル基当量を仕込み比から算出したところ、214g/eq.であった。
Figure 2023135613000026
<樹脂ワニスの製造>
下記表に記載の質量部数にて各成分を秤量し、更にMEK10部、シクロヘキサノン10部を混合し、高速回転ミキサーを用いて均一に分散して、樹脂ワニスを得た。なお、表に記載の各成分の詳細は以下の通りである。
(A)成分:
・HP-4032-SS:官能基当量144g/eq.、DIC社製
・ESN-475V:官能基当量330g/eq.、日鉄ケミカル&マテリアル社製
・NC-3100:官能基当量258g/eq.、日本化薬社製
(B)成分:
・HPC-8150-62T:官能基当量223g/eq.、不揮発分62質量%のトルエン溶液、DIC社製
・HPC-8000-65T:官能基当量229g/eq.、不揮発分65質量%のトルエン溶液、DIC社製
・活性エステル化合物(B-1):合成例1で合成したもの
・活性エステル化合物(B-2):合成例2で合成したもの
・PC1300-02:官能基当量199g/eq.、不揮発分65質量%のメチルアミルケトン溶液、エア・ウォーター・パフォーマンスケミカル社製
(C)成分:
・SLK-2700:下記構造を示す、不揮発分50質量%のトルエン溶液、信越化学工業社製
Figure 2023135613000027
m5、m6は1以上の整数を表し、「*」は結合部位を表す。
(D)成分:
・SLK-2600:不揮発分50質量%のアニソール溶液、信越化学工業社製
・BMI-689:デジグナーモレキュールズ社製
・BMI-1500:デジグナーモレキュールズ社製
・マレイミドA:発明協会公開技報公技番号2020-500211号の合成例1に記載の方法で合成された下記式(1)で表される化合物(Mw/Mn=1.81、t’’=1.47(主に1、2又は3))、不揮発成分62質量%のMEK溶液
Figure 2023135613000028
・MIR-5000-60T:不揮発分60質量%のトルエン溶液、日本化薬社製
・A-DOG:日本化薬社製
・OPE-2St-1200:不揮発分65質量%のトルエン溶液、三菱瓦斯化学社製
(E)成分:
・SO-C2:アミン系アルコキシシラン化合物(信越化学工業社製「KBM573」)で表面処理された球形シリカ、平均粒径0.5μm、比表面積5.8m/g、アドマテックス社製
・BA-S:アミン系アルコキシシラン化合物(信越化学工業社製「KBM573」)で表面処理された中空部分を有する球形シリカ、平均粒径2~3μm、日揮触媒化成社製
(F)成分:
・LA-3018-50P:官能基当量151g/eq.、不揮発分50質量%の1-メトキシ-2-プロパノール溶液、DIC社製
(G)成分:
・1B2PZ:四国化成工業社製
Figure 2023135613000029
<誘電率・誘電正接の測定>
(1)樹脂組成物層の厚さが40μmの樹脂シートAの作製
支持体として、離型層を備えたポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック社製「AL5」、厚さ38μm)を用意した。この支持体の離型層上に、実施例及び比較例で得られた樹脂ワニスを、乾燥後の樹脂組成物層の厚さが40μmとなるように均一に塗布した。その後、樹脂組成物を80℃~100℃(平均90℃)で4分間乾燥させて、支持体及び樹脂組成物層を含む樹脂シートAを得た。
(2)硬化物の作製
実施例及び比較例で得られた樹脂シートAを190℃のオーブンで90分硬化した。オーブンから取り出した樹脂シートAから支持体を剥がすことにより、樹脂組成物層の硬化物を得た。その硬化物を長さ80mm、幅2mmに切り出し評価用硬化物とした。
(3)誘電率・誘電正接の測定
各評価用硬化物について、アジレントテクノロジーズ(AgilentTechnologies)社製「HP8362B」を用いて、空洞共振摂動法により測定周波数5.8GHz、測定温度23℃及び90℃にて、誘電率・誘電正接の値(Dk値・Df値)を測定した。2本の試験片にて測定を実施し、その平均を算出した。
<樹脂組成物層の厚さが25μmの樹脂シートBの作製>
支持体として、離型層を備えたポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック社製「AL5」、厚さ38μm)を用意した。この支持体の離型層上に、実施例及び比較例で得られた樹脂ワニスを乾燥後の樹脂組成物層の厚さが25μmとなるように均一に塗布し、70℃~80℃(平均75℃)で2.5分間乾燥させて、支持体及び樹脂組成物層を含む樹脂シートBを得た。
<デスミア処理後のクラック耐性の評価>
上記で作製した厚さ25μmの樹脂シートBを残銅率60%になるように直径350μmの円形の銅パッド(銅厚35μm)を400μm間隔で格子状に形成したコア材(日立化成工業社製「E705GR」、厚さ400μm)の両面にバッチ式真空加圧ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ社製2ステージビルドアップラミネーター「CVP700」)を用いて、樹脂組成物層が前記の内層基板と接合するように、内層基板の両面にラミネートした。このラミネートは、30秒間減圧して気圧を13hPa以下とした後、温度100℃、圧力0.74MPaにて30秒間圧着することにより、実施した。これを、130℃のオーブンに投入して30分間加熱し、次いで170℃のオーブンに移し替えて30分間加熱した。さらに支持層を剥離し、得られた回路基板を、膨潤液であるアトテックジャパン社製のスエリング・ディップ・セキュリガントPに60℃で10分間浸漬した。次に、粗化液であるアトテックジャパン社製のコンセントレート・コンパクトP(KMnO:60g/L、NaOH:40g/Lの水溶液)に80℃で30分間浸漬した。最後に、中和液であるアトテックジャパン社製のリダクションソリューション・セキュリガントPに40℃で5分間浸漬した。粗化処理後の回路基板の銅パッド部を100個観察し、樹脂組成物層のクラックの有無を確認し、以下の基準で評価した。
〇:クラックが10個以下
×:クラックが10個より多い
<反りの評価>
上記で作製した厚さ40μmの樹脂シートAを110mm×150mmに切り取り、120mm×160mmにカットした銅箔(三井金属鉱業社製3EC-III、厚さ35μm)にバッチ式真空加圧ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ社製2ステージビルドアップラミネーター「CVP700」)を用いて、樹脂組成物層が銅箔と接するようにラミネートした。更にSUS製の当て板にカプトンテープで固定し、PETフィルムを剥離後、190℃のオーブンにて90分加熱した。当て板から剥離し、反り量を測定し、以下の基準で評価した。
〇:反り量が20mm以下
×:反り量が20mmを超える
<表面処理銅箔との密着性評価>
上記で作製した厚さ40μmの樹脂シートAをその光沢面を表面処理(メック社製CZ8401及びAP3006及びアルカリ処理)された銅箔(三井金属鉱業社製3EC-III、厚さ35μm)にバッチ式真空加圧ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ社製2ステージビルドアップラミネーター「CVP700」)を用いて、樹脂組成物層が銅箔と接するようにラミネートした。更にPETを剥離後、内層回路を形成したガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板(銅箔の厚さ18μm、基板の厚さ0.4mm、パナソニック社製「R1515A」の両面をマイクロエッチング剤(メック社製「CZ8101」)にて1μmエッチングして銅表面の粗化処理を行ったもの)にバッチ式真空加圧ラミネーター(ニッコー・マテリアルズ社製2ステージビルドアップラミネーター「CVP700」)を用いてラミネート後、130℃のオーブンにて30分、170℃のオーブンにて30分、更に190℃のオーブンにて90分加熱し、評価基板を作製した。
作製したサンプルを150×30mmの小片に切断した。小片の銅箔部分に、カッターを用いて幅10mm、長さ100mmの部分の切込みをいれて、銅箔の一端を剥がしてつかみ具(TSE社製「AC-50C-SL」)で掴み、インストロン万能試験機を用いて、室温中にて、50mm/分の速度で垂直方向に35mmを引き剥がした時の荷重[kgf/cm]をJIS C6481に準拠して測定した。
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
上記で得た樹脂組成物の評価用硬化物を、長さ50mm、幅7mmに切り出し、評価サンプルとした。この評価サンプルについて日立ハイテクノロジーズ社製DMA装置(熱機械分析装置)を用い25℃から250℃まで5℃/分の昇温速度でガラス転移温度(Tg)を測定した。同一の試験片について2回測定を行い、2回目の値を記録した。
Figure 2023135613000030

Claims (14)

  1. (A)エポキシ樹脂、
    (B)活性エステル化合物、及び
    (C)下記式(C-1)で表される部分構造を有するビスマレイミド化合物、を含有する樹脂組成物。
    Figure 2023135613000031
    式中、Aは芳香族環又は脂肪族環を2個以上含む4価の有機基を表し、環Xは置換基を有していてもよいモノシクロアルカン環、又は置換基を有していてもよいモノシクロアルケン環を表し、Aは炭素原子数1~20のアルキレン基を表す。mは1以上の整数を表す。*は結合部位を表す。
  2. (C)成分が、式(C-2)で表される部分構造を有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
    Figure 2023135613000032
    式中、A21は炭素原子数1~20のアルキレン基を表し、R21はそれぞれ独立に、炭素原子数1~20のアルキル基を表す。n2は0~4の整数を表す。m1は1以上の整数を表す。
  3. (C)成分中のマレイミド基は、両末端に位置する、請求項1に記載の樹脂組成物。
  4. (C)成分が、式(C-3)で表される構造を有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
    Figure 2023135613000033
    式中、A31及びA36は、それぞれ独立に芳香族環又は脂肪族環を2個以上含む4価の有機基を表し、環XC1、環XC2、及び環Xc3は、それぞれ独立に置換基を有していてもよいモノシクロアルカン環、又は置換基を有していてもよいモノシクロアルケン環を表し、A33、及びA34は、それぞれ独立に炭素原子数1~20のアルキレン基を表し、A32、A35、及びA37は、それぞれ独立に、単結合、又は置換基を有していてもよい炭素原子数1~20のアルキレン基を表す。m2は0以上の整数を表し、m3は1以上の整数を表す。
  5. (C)成分が、式(C-4)で表される化合物を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
    Figure 2023135613000034
    式中、A41、及びA42はそれぞれ独立に、単結合、又は炭素原子数1~20のアルキレン基を表し、A43、及びA44は、それぞれ独立に炭素原子数1~20のアルキレン基をを表し、R41、R42、及びR43はそれぞれ独立に、炭素原子数1~20のアルキル基を表す。n41、n42、及びn43はそれぞれ独立に0~4の整数を表す。m4は0以上の整数を表し、m5は、1以上の整数を表す。式中、A43と窒素原子とは単結合により直接結合している。
  6. さらに、(D)ラジカル重合性化合物を含有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
  7. さらに(E)無機充填材を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
  8. (E)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、40質量%以上である、請求項7に記載の樹脂組成物。
  9. さらに、(F)硬化剤を含有する、請求項1に記載の樹脂組成物。
  10. 樹脂組成物を190℃で90分間硬化させた硬化物のDMA法により測定されるガラス転移温度が、130℃以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  11. 請求項1~10のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含有する、シート状積層材料。
  12. 支持体と、当該支持体上に設けられた請求項1~10のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成される樹脂組成物層と、を有する樹脂シート。
  13. 請求項1~10のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物からなる絶縁層を備えるプリント配線板。
  14. 請求項13に記載のプリント配線板を含む、半導体装置。
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