JP3479569B2 - 銀塩拡散転写法による平版印刷版の製造方法 - Google Patents

銀塩拡散転写法による平版印刷版の製造方法

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JP3479569B2 JP08311395A JP8311395A JP3479569B2 JP 3479569 B2 JP3479569 B2 JP 3479569B2 JP 08311395 A JP08311395 A JP 08311395A JP 8311395 A JP8311395 A JP 8311395A JP 3479569 B2 JP3479569 B2 JP 3479569B2
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    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
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    • G03C8/32Development processes or agents therefor
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は銀塩拡散転写法による平
版印刷版の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】銀錯塩拡散転写反転法(以後DTR法と
称する)の原理は、例えばUS−P2352014及び
ロンドン及びニューヨークの The Focal Press197
2年発行、Andre Rott 及び Edith Weyde 著、“ Pho
tographic Silver Halide Diffusion Processes ”
に記載されている。
【0003】DTR法においては、情報に従って露光さ
れた写真ハロゲン化銀乳剤層材料の非現像ハロゲン化銀
が、いわゆるハロゲン化銀溶剤で可溶性銀錯体化合物に
変換され、これが受像層中に拡散され、その中で一般に
物理的現像核の存在下に現像主薬で還元されて、写真材
料の露光された領域で得られた黒銀像に対して反転した
画像濃度値を有する銀像(DTR像)を形成する。
【0004】DTR画像担持材料は平版印刷版として使
用でき、この場合DTR銀像領域は、水受容性インク反
発性背景上の撥水性インク受容性領域を形成する。例え
ば、典型的な平版印刷版は例えばEP−A−42339
9及びEP−A−410500に開示されている。
【0005】DTR画像は、写真ハロゲン化銀乳剤材料
に対して別の材料であるシート又はウエブ材料の受像層
中に形成できる(いわゆる2−シートDTR材料)、又
は少なくとも一つの写真ハロゲン化銀乳剤及びそれと水
透過性関係にある受像層とを一体的に含有するいわゆる
単一シート材料(モノシート材料とも称される)の受像
層中に形成できる。DTR法によるオフセット印刷版の
製造のために好ましいのは後者のモノシート型のもので
ある。
【0006】他の印刷版については、DTR法によって
得られた印刷版が高い印刷耐久性、印刷領域における良
好なインク受容性及び非印刷領域における非インク受容
性(調色なし)を有することが要求されている。さらに
印刷工程の開始時に非印刷領域におけるインク受容性
(いわゆる調色)のため廃棄しなければならないコピー
の数が限定されることが望ましい。
【0007】これらの要求に関して転写された銀の状
態、即ち受像層において形成された銀は極めて重要な役
割を果たしている。高い印刷耐久性を得るために強い耐
摩耗性の銀像を受像層に形成すること及び版の調色と汚
染を避けるために非印刷領域における銀の沈殿をできる
だけ少ない状態に保つことが重要である。従って印刷の
ために使用される銀像は高いコントラストとシャープネ
スを有することが重要である。
【0008】さらに転写溶液は高い容量、即ちかなりの
量の画像形成材料が処理される場合であっても前記溶液
内には最少の量のスラッジが形成されることが要求され
る。
【0009】他の要因は前述の要求に影響を与えるが、
ハロゲン化銀溶剤のタイプは大きな範囲で前述の要求に
影響を及ぼす。
【0010】最近多くの新しいハロゲン化銀溶剤が提案
されている。GB−P2081465ではチオエーテル
及びジチオエーテル化合物が開示されている。DE−4
237427及びUS−P5200294ではアミノ基
を含むことができるチオエーテル及びポリチオエーテル
化合物(好ましくは置換されているもの)が開示されて
いる。US−P5258258では少なくとも一つのチ
オエーテル又はポリチオエーテル置換基を含有するピリ
ジン誘導体が開示されている。JP−05/19715
5では二つのチオエーテル置換基を含有できる1,3−
ジチオ−2−チオンが開示されている。JP−04/3
23661ではエチレンジアミンが開示されている。D
TR画像形成材料の現像及び転写工程においてこれらの
化合物を使用することによって、得られた印刷版の印刷
特性が向上される。しかしながら達成された結果はなお
満足のいくべきものではない。さらにこれらの化合物の
使用は転写溶液におけるスラッジの形成を急速に起こ
し、前記溶液の頻繁な再生の必要性を生じる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は良好な
印刷特性、即ち印刷領域における良好なインク受容性、
非印刷領域における非インク受容性、高コントラスト及
びシャープネス及び高印刷耐久性を有するDTR法によ
る平版印刷版の製造方法を提供することにある。
【0012】さらに本発明の目的は低再生頻度を有する
転写溶液でDTR法による平版印刷版の製造方法を提供
することにある。
【0013】本発明のさらなる目的は以下の記述から明
らかになるだろう。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によればハロゲン
化銀乳剤層と物理的現像核を含有する受像層を支持体上
に含む画像形成材料を情報に従って露光し、現像主薬と
ハロゲン化銀溶剤の存在下においてアルカリ処理液を使
用して前記情報に従って露光された画像形成材料を現像
する工程を含む銀塩拡散転写法による平版印刷版の製造
方法において、前記ハロゲン化銀溶剤の少なくとも1種
が下記式: Z-(R-X)-(R-X)-L-(X-R)-(X-R)-Z (I) 式中、X、X、X及びXはそれぞれ独立して−
S−、−NH−又は−N(R−Z)−を表わし、R
、R、R、R及びRはそれぞれ独立してアル
キレン、アルケニレン、又はアルキニレンを表わし、n
及びmはそれぞれ独立して0〜4の整数を表わし、
、Z及びZはそれぞれ独立して水素、アルキル
基、アミノ基、アンモニウム基、ヒドロキシル、スルホ
基、カルボキシル、アミノカルボニル又はアミノスルホ
ニルを表わし、X及びXは銀イオンとの錯体のため
の好ましい位置において熱力学的に最も安定した前記化
合物の配座にあるに相当する化合物であること、及びL
として下記構造L〜Lの一つを含有することを特徴
とする製造方法が提供される:
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】 式中、R及びRはそれぞれ独立してC−Cアル
キル基を表わし、R12及びR13は水素原子を表わし
又はR12及びR13はそれらが結合する原子とともに
5又は6員の脂環式環を完成し、R18及びR19はそ
れぞれ独立して水素原子、C−Cアルキル基を表わ
し又はR18及びR19はそれらが結合する原子ととも
に環を完成し、R、R、R10、R11、R14
15、R16、R17、R20、R21、R22、R
23、R24、R25、R26及びR27はそれぞれ独
立して水素原子又はC−Cアルキル基を表わし、A
はシクロヘキサン又はテトラヒドロフランを完成するた
めに必要な原子を表わし、C及びCは単結合によっ
て結合され、p及びqはそれぞれ独立して0又は1を表
わす。
【0015】
【0016】広範な研究後、改良された印刷特性を有す
る平版印刷版は、ハロゲン化銀乳剤層と物理的現像核を
含有する受像層とを支持体上に含む情報に従って露光さ
れた画像形成材料が現像主薬と式(I) に相当するハロゲ
ン化銀溶剤の存在下においてアルカリ処理液で現像され
るときに得られることがわかった。この場合、印刷領域
における良好なインク受容性、非印刷領域における非イ
ンク受容性、高コントラスト及びシャープネス及び高印
刷耐久性を有する印刷版が得られている。さらに、印刷
工程の初めから良好なコピーが得られ、そのため印刷法
の開始時に廃棄しなければならないコピーの数は限定さ
れている。さらにこれらの化合物の使用は転写溶液にお
けるスラッジの形成を遅らせ、前記溶液の能力を高くし
ている。
【0017】前記式(I)において、それぞれ独立してア
ルキレン、アルケニレン又はアルキニレンを表わす
、R、R、R及びRは置換することができ
及び/又は酸素を含有することができる。
【0018】
【0019】上記の2価の結合鎖L〜Lのための好
ましい構造は、R及びRはそれぞれ独立してメチル
基、−(X−R28)−(X−R29−Z
を表わし、X及びXはそれぞれ独立して−S−、−
NH−又は−N(R30−Z)−を表わし、R28
29及びR30はそれぞれ独立してC−Cアルキ
レンを表わし、rは0又は1を表わし、そしてZは水
素、アミノ基、アンモニウム基、ヒドロキシル、スルホ
基又はカルボキシルを表わし、R18及びR19はそれ
ぞれ水素原子を表わし又はR及びR又はR18及び
19はそれらが結合する原子とともに5又は6員環を
完成し、R、R、R10、R11、R14
15、R16、R17、R20、R21、R22、R
23、R24、R25、R26及びR27はそれぞれ水
素原子を表わし、pは0を表わし、qは0又は1を表わ
すようなものである。
【0020】式(I) に相当する好ましい化合物は、X2
及びX3 はそれぞれ−S−を表わし、X1 及びX4 はそ
れぞれ独立して−S−、−NH−又は−N(R5 −Z
3 )−を表わし、R1 、R2 、R3 、R4 及びR5 はそ
れぞれ独立して(−CH2s−(sは2又は3を表わ
す)を表わし、n及びmはそれぞれ独立して0又は1を
表わし、そしてZ1 、Z2 及びZ3 はそれぞれ独立して
水素、アミノ基(C1 −C3 アルキル基によって置換さ
れても良く、又は環(置換することができかつ酸素、硫
黄、窒素又はエテニレン基のような一つ又は二つの2価
のラジカルを任意に含有する)の一部であっても良い)
例えば−N(CH32 、−N(C252 、−N
(CH2 CH2 CN)2 、−N[CH2 CH(OH)C
2 OH]2、−NH2 、モルフォリノ、ピペリジノな
ど、アンモニウム基例えばトリメチルアンモニウム、ヒ
ドロキシル、スルホ基又はカルボキシルを表わすもので
ある。
【0021】
【0022】式(I)に相当するさらに好ましい化合物は
上記のようにL〜Lのための好ましい構造の一つを
2価の結合鎖Lとして含有する前述のパラグラフにおい
て記載されたものである。
【0023】特定の例が表1に記載されている。
【表1】
【表2】
【表3】
【0024】式(I) によって表わされる化合物は例えば
FR−P1108788、US−POrganic Chemistry
, Vol.26,1991〜1995頁(1961)に記
載されるような公知の方法を使用して合成することがで
きる。
【0025】US−P4126459には複素環式環を
含有するチオエーテル置換されたハロゲン化銀溶剤が記
載されている。前記化合物は従来の写真及び拡散転写写
真の両方において有用であることが開示されている。し
かしながら前記化合物が印刷版の製造方法において有用
であることを前記開示から結論することができない。U
S−P4837132には二つのアミノ基で置換された
脂環式環がカラー写真材料の処理の使用のために開示さ
れている。ここでも前記化合物が印刷版の製造方法にお
いて有用であることを前記開示から結論することができ
ない。
【0026】式(I) に相当する上記ハロゲン化銀溶剤は
好ましくは単独のハロゲン化銀溶剤として使用される場
合に0.1重量%〜5重量%の濃度でアルカリ処理液に
使用される。式(I) の化合物が他のハロゲン化銀溶剤と
組合せて使用される場合にはその濃度は例えば0.05
重量%まで低下することができる。また式(I) による前
記ハロゲン化銀溶剤は画像形成材料の1以上の層に少な
くとも部分的に含有することができる。
【0027】式(I) のハロゲン化銀溶剤と組合せて使用
するための好適なハロゲン化銀溶剤はアルカノールアミ
ンである。本発明と関連して使用できるアルカノールア
ミンの例は下記式に相当するものである:
【化9】 式中、X及びX′はそれぞれ独立して水素、ヒドロキシ
ル基又はアミノ基を表わし、l及びkは0又は1以上の
整数を表わし、jは1以上の整数を表わす。
【0028】本発明によればアルカノールアミンは好ま
しくは0.1重量%〜5重量%の濃度でアルカリ処理液
中に存在することが好ましい。しかしながらアルカノー
ルアミンの一部又は全てを画像形成材料の1以上の層に
存在させることができる。
【0029】式(I) に相当するハロゲン化銀溶剤と組合
せて使用するための特に好適なハロゲン化銀溶剤はメソ
イオン化合物であり、さらに好ましくはトリアゾリウム
チオレートであり、最も好ましくは1,2,4−トリア
ゾリウム−3−チオレートである。メソイオン化合物の
好ましくは少なくとも一部、さらに好ましくは全てが画
像に従って露光された画像形成材料を現像するために使
用されるアルカリ処理液に存在する。好ましくはアルカ
リ処理液のメソイオン化合物の量は0.1mmol/l
〜25mmol/lであり、さらに好ましくは0.5m
mol/l〜10mmol/lであり、最も好ましくは
1mmol/l〜5mmol/lである。
【0030】しかしながらメソイオン化合物は画像形成
材料の支持体上に構成された1種以上の層中に混入する
ことができる。メソイオン化合物は好ましくは0.1〜
10mmol/m2 の全量で画像形成材料中に含有さ
れ、さらに好ましくは0.1〜0.5mmol/m2
あり、最も好ましくは0.5〜1.5mmol/m2
ある。さらに詳細はEP−A0554585に開示され
ている。
【0031】式(I) に相当するハロゲン化銀溶剤と組合
せて使用するために好適な他のハロゲン化銀溶剤は例え
ばアルカリ処理液において0.01重量%〜5重量%の
量の2−メルカプト安息香酸、環状イミド、オキサゾリ
ドン、アルカリチオシアネート及びチオサルフェートで
ある。
【0032】本発明に従って使用されるアルカリ処理液
は10〜13のpHを有する。前記pHは有機又は無機
のアルカリ性物質又はそれらの混合物によって確立する
ことができる。好適な無機アルカリ物質は例えば水酸
化、炭酸、燐酸などのカリウム又はナトリウムである。
好適な有機アルカリ物質は例えばアルカノールアミンで
ある。後者の場合にはアルカノールアミンはpHを維持
するのを助け又は供給し、ハロゲン化銀錯生成剤として
作用するだろう。
【0033】アルカリ処理液は本発明に従って使用され
る現像主薬を含有することもできる。この場合にはアル
カリ処理液は現像液と呼ばれる。一方、現像主薬のいく
らか又は全てを画像形成材料の1以上の層中に存在させ
ることができる。現像主薬の全てが画像形成材料に含有
される場合にはアルカリ処理液は活性剤又は活性液体と
呼ばれる。
【0034】本発明に従って使用するためのハロゲン化
銀現像主薬は好ましくは例えばヒドロキノン、メチルヒ
ドロキノン又はクロロヒドロキノンのようなp−ジヒド
ロキシベンゼン型のものであり、好ましくは1−フェニ
ル−3−ピラゾリジノン型現像主薬及び/又はp−モノ
メチルアミノフェノールである補助現像主薬と組合せら
れる。特に有益な補助現像主薬は例えば1−フェニル−
3−ピラゾリジノン、1−フェニル−4−モノメチル−
3−ピラゾリジノン及び1−フェニル−4,4−ジメチ
ル−3−ピラゾリジノンのようなフェニドン型のもので
ある。しかしながら他の現像主薬も使用することができ
る。
【0035】アルカリ処理液は好ましくは酸化防止活性
を有する保恒剤、例えば亜硫酸ナトリウム又はカリウム
によって提供される亜硫酸イオンも含む。例えば、アル
カリ水溶液は亜硫酸ナトリウムを0.15〜1.0mo
l/lの範囲の量で含む。さらに増粘剤、例えばヒドロ
キシエチルセルロース及びカルボキシメチルセルロー
ス、かぶり防止剤、例えば臭化カリウム、沃化カリウム
及び印刷耐久性を改良することで知られるベンゾトリア
ゾール、カルシウム金属イオン封鎖化合物、スラッジ防
止剤及び硬化剤(潜在硬化剤を含む)を存在させること
ができる。
【0036】現像促進はアルカリ処理液及び/又は写真
材料の1以上の層に含まれる様々な化合物の助けで達成
することができる。好ましくは例えばUS−P3038
805−4038075−4292400−49753
54に記載されるような少なくとも400の分子量を有
するポリアルキレン誘導体の助けで達成することができ
る。
【0037】本発明の一つの好ましい方法によれば画像
形成材料は支持体上に感光性ハロゲン化銀乳剤層と物理
的現像核を含有する受像層をこの順序で含んで使用され
る。本発明によれば前記画像形成材料は特定の用途によ
る装置、例えば従来の光源を含む従来の処理カメラ又は
レーザーを含む装置で情報に従って露光される。
【0038】かくして得られた情報に従って露光された
画像形成材料は次いで上記のようなアルカリ処理液を使
用して現像される。前記アルカリ処理液は好ましくは受
像層において得られた銀像の疎水性を改良するための疎
水化剤も含有する。
【0039】本発明に関連して使用される疎水化剤は銀
又は銀イオンと反応できかつ疎水性の、即ち水に不溶性
又は水にわずかしか溶けない化合物である。一般にこれ
らの化合物はメルカプト基又はチオレート基及び1種以
上の疎水性置換基を含有する。特に好適な疎水化剤はD
E−A1228927及びUS−P4563410に記
載されるようなメルカプト−1,3,4−チアジアゾー
ル、2−メルカプト−5−ヘプチル−オキサ−3,4−
ジアゾール、長鎖(少なくとも五つの炭素原子)アルキ
ル置換されたメルカプトテトラゾール及び下記式の一つ
に相当する化合物である:
【化10】
【化11】 式中、R4 は水素又はアシル基を表わし、R5 はアルキ
ル、アリール又はアラルキルを表わす。疎水化剤は単独
又は互いに組合せて使用することができる。
【0040】好ましくは疎水化剤は0.3g/l〜1.
5g/lの量でアルカリ処理溶液に含有される。
【0041】前記現像工程の後、好ましくはpH5〜7
を有する中和液に材料を案内することによって画像形成
された材料の表面の中和がなされる。中和液は好ましく
は緩衝液、例えば燐酸緩衝液、くえん酸緩衝液又はそれ
らの混合物を含有する。中和溶液はさらに殺菌剤、例え
ばEP0150517に記載されるようなフェノール、
チモール又は5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキ
サンを含有することができる。その液はまたDTR材料
の処理後に得られた印刷版の疎水性/親水性バランスに
影響を与える物質、例えばシリカを含有することができ
る。最後に中和溶液は潤滑剤、好ましくは過フッ素化ア
ルキル基を含有する化合物を含有することができる。
【0042】本発明に従って使用するために好適な支持
体は不透明又は透明で、例えば紙支持体又は樹脂支持体
であることができる。紙支持体が使用される場合には、
アルファ−オレフィンポリマー、例えば所望によりハレ
ーション防止染料又は顔料を含むポリエチレン層で片面
又は両面を被覆するのが好ましい。有機樹脂支持体、例
えば酢酸セルロースフィルム、ポリ(エチレンテレフタ
レート)フィルム又はポリ−アルファ−オレフィンフィ
ルム(ポリエチレン又はポリプロピレンフィルムなど)
を使用することもできる。かかる有機樹脂フィルムの厚
さは好ましくは0.07〜0.35mmの範囲が好まし
い。これらの有機樹脂支持体は好ましくはシリカ又は二
酸化チタンなどの水不溶性粒子を含むことができる親水
性接着層で被覆されるのが好ましい。金属支持体(例え
ばアルミニウム)を本発明に従って使用することもでき
る。
【0043】本発明に従って使用される物理的現像核を
含有する受像層は好ましくは親水性バインダーのないも
のであるが、親水性コロイド、例えば表面の親水性を改
良するためのポリビニルアルコールを前記層の全重量の
30重量%までの少量含むことができる。本発明に従っ
て使用するための好適な現像核は重金属の硫化物、例え
ばアンチモン、ビスマス、カドミウム、コバルト、鉛、
ニッケル、パラジウム、プラチナ、銀、及び亜鉛の硫化
物である。本発明に関連する特に好適な現像核は硫化パ
ラジウム核である。他の好適な現像核は例えばセレン化
物、ポリセレン化物、ポリ硫化物、メルカプタン、及び
ハロゲン化錫(II)の如き塩である。重金属、好ましく
は銀、金、プラチナ、パラジウム、及び水銀をコロイド
状態で使用することができる。
【0044】本発明に従って使用される感光性層は親水
性コロイドバインダーと少なくとも一つのハロゲン化銀
乳剤を含む。
【0045】本発明に従ってハロゲン化銀乳剤層を被覆
するための写真ハロゲン化銀乳剤は、例えば P. Glafki
des 著の“ Chemie et Physique Photographique
”,Paul Montel,パリ(1967)、 G. F. Duffin
著の“ Photographic Emulsion Chemistry ”,The
Focal Press ,ロンドン(1966)、及び V. L.
Zelikman ら著の“ Making and Coating Photograph
ic Emulsion ”,The Focal Press ,ロンドン(1
966)に記載されるような様々な方法に従って可溶性
銀塩及び可溶性ハロゲン化物から製造することができ
る。
【0046】本発明に関連する用途のためにハロゲン化
銀乳剤は好ましくは塩化銀から主に構成され、一方臭化
銀の画分を1mol%〜40mol%の範囲で存在させ
ることができる。最も好ましくは少なくとも70mol
%の塩化銀を含有するハロゲン化銀乳剤が使用される。
5mol%以上の臭化銀を含有する乳剤は実質的に全て
の臭化物がコアに濃縮されているという意味で当業者に
公知のコア/シェル型に属する。このコアは好ましくは
沈殿された全ハロゲン化銀の10〜40%を含有し、一
方シェルは好ましくは沈殿された全ハロゲン化銀の60
〜90%から構成される。
【0047】ハロゲン化銀粒子の平均粒径は0.10〜
0.70μmであり、好ましくは0.25〜0.45μ
mである。
【0048】好ましくは沈殿工程中にイリジウム及び/
又はロジウム含有化合物又は両方の混合物が添加され
る。これらの添加された化合物の濃度はAgNO3 のモ
ルあたり10-8〜10-3モル、好ましくはAgNO3
モルあたり10-7〜10-6モルの範囲である。
【0049】乳剤は例えば化学熟成工程中硫黄含有化合
物、例えばアリルイソチオシアネート、アリルチオウレ
ア及びチオ硫酸ナトリウムを添加することによって化学
的に増感することができる。また還元剤、例えばBE−
P493464及び568687に記載される錫化合
物、及びアミノメタンスルホン酸の誘導体又はジエチレ
ントリアミンの如きポリアミンを化学的増感剤として使
用することができる。他の好適な化学的増感剤は金、プ
ラチナ、パラジウム、イリジウム、ルテニウム及びロジ
ウムのような貴金属及び貴金属化合物である。この化学
的増感の方法は R. KOSLOWSKY ,Z. Wiss. Photogr. Ph
otophys. Photochem. 46,65−72(1951)の
記事に記載されている。
【0050】DTR材料のハロゲン化銀乳剤はDTR材
料用に設計された露光源のスペクトル発光に従って化学
的に増感することができる。
【0051】可視スペクトル領域のために好適な増感染
料は F. M. Hamer 著の“ The Cyanine Dyes and
Related Compounds ”,1964, John Wiley &
Sons に記載されるようなメチン染料を含む。この目
的のために使用しうる染料はシアニン染料、メロシアニ
ン染料、錯シアニン染料、錯メロシアニン染料、同極シ
アニン染料、ヘミシアニン染料、スチリル染料及びヘミ
オキソノール染料が含まれる。特に価値ある染料はシア
ニン染料、メロシアニン染料、錯メロシアニン染料に属
するものである。
【0052】通常の光源、例えばタングステン光の場合
には緑色増感染料が必要とされる。アルゴンイオンレー
ザーによる露光の場合には青色増感染料が混入される。
赤色光放出源、例えばLED又はHe−Neレーザーに
よる露光の場合には赤色増感染料が使用される。半導体
レーザーによる露光の場合には近赤外のために好適な特
定のスペクトル増感染料が要求される。好ましい赤外増
感染料は例えばUS−P2095854、209585
6、2955939、3482978、355297
4、3573921、3582344、3623881
及び3695888に開示されている。
【0053】本発明に関連する好ましい青色増感染料、
緑色増感染料、赤色増感染料及び赤外増感染料はEP−
A554585に記載されている。
【0054】赤又は近赤外領域における感度を増大する
ために赤又は赤外増感染料と組合せていわゆる強色増感
剤を使用することができる。好適な強色増感剤は Resea
rchDisclosure Vol 289、5月1988、item 2
8952に記載されている。スペクトル増感剤を写真乳
剤に水溶液、有機溶媒の溶液の形で又は分散液の形で添
加することができる。
【0055】ハロゲン化銀乳剤は通常の乳剤安定化剤を
含むことができる。好適な乳剤安定化剤はアザインデ
ン、好ましくはテトラ−又はペンタ−アザインデンで、
特にヒドロキシ又はアミノ基で置換されたものである。
この種の化合物は BIRR 著の Z. Wiss. Photogr. Photo
phys. Photochem.47,2−27(1952)に記載さ
れている。他の好適な乳剤安定化剤は例えばフェニルメ
ルカプトテトラゾール、4級ベンゾチアゾール誘導体、
及びベンゾトリアゾールのような複素環式メルカプト化
合物である。
【0056】ハロゲン化銀乳剤はpH制御成分を含むこ
とができる。好ましくは乳剤層は被覆層の安定特性を改
良するためにゼラチンの等電点以下のpH値で被覆され
る。かぶり防止剤、現像促進剤、湿潤剤、及びゼラチン
のための硬化剤のような他の成分を存在させることがで
きる。ハロゲン化銀乳剤層は散乱光を吸収しかくして画
像シャープネスを促進する遮光染料を含むことができ
る。好適な光吸収染料はUS−P4092168、US
−P4311787、DE−P2453217に記載さ
れている。
【0057】特に好ましい具体例では画像形成材料に含
まれる乳剤層は分子構造内にハロゲン化銀を吸着しうる
基とハロゲン化銀を還元しうる基を含む化合物を含有す
る。この種の化合物はEP−A−449340に開示さ
れている。このようにして一つの化合物内において安定
化及び現像活性化機能の組合せが達成される。
【0058】ハロゲン化銀乳剤の組成、製造及び被覆に
ついてのさらに詳細は例えば Product Licensing Ind
ex,92巻,1971年12月出版9232,107−
109頁に見つけることができる。
【0059】上記乳剤層と受像層に加えてこれらの層と
水透過性の関係にある他の親水性コロイド層を存在させ
ることができる。例えば支持体と感光性ハロゲン化銀乳
剤層の間にベース層を含むのが特に有利である。本発明
の好ましい具体例では前記ベース層はハレーション防止
層として作用する。それゆえこの層は乳剤層のために上
述のように同じ光吸収染料を含むことができる;他に微
細に分割されたカーボンブラックをUS−P23278
28に記載のように同じハレーション防止目的のために
使用することができる。一方、感度を得るために光反射
顔料、例えば二酸化チタンを存在させることができる。
さらにこの層は硬化剤、艶消剤(シリカ粒子)及び湿潤
剤を含むことができる。これらの湿潤剤及び/又は光反
射顔料の少なくとも一部をハロゲン化銀乳剤層に存在さ
せることができるが、その大部分を前記ベース層に存在
させることが好ましい。さらに別の方法として光反射顔
料をハレーション防止層と感光性ハロゲン化銀乳剤層と
の間に設けられた別の層に存在させることができる。
【0060】本発明と関連する好ましい具体例では裏塗
り層は支持体の非感光側に設けられる。カール防止層と
して作用しうるこの層は艶消剤(シリカ粒子など)、滑
剤、帯電防止剤、光吸収染料、不透明化剤(二酸化チタ
ンなど)及び硬化剤や湿潤剤のような通常の成分を含む
ことができる。裏塗り層は単一層又は二層パックから構
成することができる。
【0061】親水性層は通常親水性コロイド結合剤とし
てゼラチンを含む。異なる粘度を有する異なるゼラチン
の混合物が層のレオロジー特性を調節するために使用す
ることができる。乳剤層と同様、他の親水性層はゼラチ
ンの等電点以下のpH値で被覆されるのが好ましい。し
かしその代わりに又はゼラチンとともに、1以上の他の
天然及び/又は合成及び/又は半合成親水性コロイド
(例えば、アルブミン、カゼイン、ゼイン、ポリビニル
アルコール、アルギン酸又はそれらの塩、カルボキシメ
チルセルロースのようなセルロース誘導体、変性ゼラチ
ン(フタロイルゼラチンなど)等)を使用することがで
きる。
【0062】特に使用される結合剤がゼラチンの場合に
は、写真乳剤の親水性層は適当な硬化剤、例えばビニル
スルホン型のもの(例えばメチレンビス(スルホニルエ
チレン))、アルデヒド(例えばホルムアルデヒド、グ
リオキサール、グルタルアルデヒド)、N−メチロール
化合物(例えばジメチロールウレア及びメチロールジメ
チルヒダントイン)、活性ハロゲン化合物(例えば2,
4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン)及び
ムコハロゲン酸(例えばムコ塩素酸、ムコフェノキシ塩
素酸)で硬化することができる。これらの硬化剤は単独
で又は組合せて使用することができる。結合剤はUS4
063952に記載されるその種のカルバモイルピリジ
ニウム塩の如き反応の速い硬化剤で硬化することもでき
る。
【0063】好ましく使用される硬化剤はアルデヒド型
のものである。硬化剤は広い濃度範囲で使用することが
できるが、好ましくは親水性コロイドの4%〜7%の量
で使用される。異なる量の硬化剤を画像形成材料の異な
る層に使用することができ又は一つの層の硬化を他の層
からの硬化剤の拡散によって調節することができる。
【0064】本発明に従って使用される画像形成材料は
写真乳剤層に又は少なくとも一つの他の親水性コロイド
層に様々な種類の表面活性剤をさらに含むことができ
る。好適な表面活性剤の例はEP−A9220300
7.7に記載されている。好ましくは過フッ素化アルキ
ル基を含有する化合物が使用される。かかる表面活性剤
は様々の目的のために、例えば被覆助剤として、帯電防
止化合物として、滑り性改良化合物として、分散乳化を
容易にする化合物として及び接着防止又は低下化合物と
して使用することができる。
【0065】本発明の写真材料はさらに様々な他の添加
物、例えば写真材料の寸法安定性を改良する化合物、U
V吸収剤、スペーシング剤及び可塑剤を含むことができ
る。
【0066】写真材料の寸法安定性を改良するための好
適な添加物は、例えば水溶性又はほとんど水不溶性の合
成ポリマー、例えばアルキル(メタ)アクリレート、ア
ルコキシ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)ア
クリレート、(メタ)アクリルアミド、ビニルエステ
ル、アクリロニトリル、オレフィン、及びスチレンのポ
リマー、又はアクリル酸、メタクリル酸、アルファ−ベ
ーター−不飽和ジカルボン酸、ヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレート、スルホアルキル(メタ)アクリレー
ト及びスチレンスルホン酸と上記のコポリマーの分散液
である。
【0067】本発明の別の具体例によれば平版印刷版は
親水性ベース、物理的現像核の任意の層及びハロゲン化
銀乳剤層をこの順序で含む画像形成材料を使用してDT
R法によって得ることができる。親水性ベースはビニル
アルコールのホモコポリマー又はコポリマーのような親
水性合成ホモコポリマー又はコポリマーを含有し、可撓
性疎水性支持体又はしぼ付けされ陽極酸化されたアルミ
ニウム支持体上に被覆された加水分解テトラアルキルオ
ルトシリケート架橋剤で硬化した硬化親水性層であるこ
とができる。
【0068】本具体例の画像形成材料は上述のようにカ
メラ露光又はスキャン露光を使用して画像形成され、次
いで本発明によるハロゲン化銀溶剤と現像主薬の存在下
で現像され、銀像が物理的現像核層内に又はアルミニウ
ム支持体上に直接形成される。次にハロゲン化銀乳剤層
と他のいずれかの任意の親水性層は銀像が露光されるよ
うに水で画像形成材料をリンスすることによって除去さ
れる。最後に銀像の疎水特性は上記のように疎水化剤を
含む仕上液を使用して改良することが好ましい。
【0069】ハロゲン化銀乳剤層の除去を容易にするた
めには親水性ベースと親水性非蛋白質フィルム形成ポリ
マー(例えばポリビニルアルコール、ポリマービーズ例
えばポリ(メタ)アクリレートビーズ又はそれらの混合
物)を含むハロゲン化銀乳剤層との間に層を設けること
が有利である。かかるタイプの層はEP−A−4834
15及びEP−A−410500に開示されている。
【0070】本発明を下記実施例によって説明するが、
これらに限定されるものではない。全ての部は他に断り
がない限り重量による。
【0071】実施例 1(比較実施例) ハロゲン化銀乳剤被覆溶液の製造 塩化銀乳剤をダブルジェット沈殿法によって製造した。
ハロゲン化銀粒子の平均径は0.26μm(等しい体積
を有する球の直径)であった。乳剤は1−フェニル−5
−メルカプト−テトラゾールによって安定化された。
【0072】ベース層被覆溶液は下記組成物を有するよ
うに製造された: ゼラチン 5.5% カーボンブラック 0.76% シリカ粒子(5μm) 1.6%
【0073】画像形成材料の製造:ベース層被覆が裏塗
り層を含有する側と反対の支持体の側に直接被覆される
ように二つの裏塗り層のパックを設けたポリエチレンテ
レフタレート支持体に乳剤被覆溶液とベース層被覆溶液
を同時にカスケード被覆技術によって被覆した。乳剤層
はAgNO3 として表わされるハロゲン化銀被覆量が2
g/m2 で、ゼラチン含有量が2.1g/m2 であるよ
うに被覆した。乳剤層はさらに0.15g/m2 の1−
フェニル−4,4′−ジメチル−3−ピラゾリドン及び
0.25g/m2 のヒドロキノンを含有した。ベース層
は被覆層中のゼラチンの量が2g/m2 のように被覆さ
れた。
【0074】裏塗り層パックの支持体に最も近い層は
0.3g/m2 のゼラチンと0.5g/m2 の帯電防止
剤、コ(テトラアリルオキシエタン/メタクリレート/
アクリル酸−K−塩)ポリマーを含有した。第2の裏塗
り層は4g/m2 のゼラチン、EP0080225に従
った3ミクロンの平均粒径の透明球状ポリマービーズか
らなる0.15g/m2 の艶消剤、0.05g/m2
硬化剤トリアクリルホルマル及び0.021g/m2
湿潤剤F157 COONH4 を含有した。
【0075】かくして得られた乳剤は乾燥され40℃の
温度に5日間暴露し、次いで乳剤層は物理的現像核とし
てPdS、ヒドロキノン(0.4g/m2 )及びホルム
アルデヒド(100mg/m2 )を含有する層で上塗り
した。
【0076】下記処理溶液を製造した:活性溶液 A−H :下記の通常の成分を有するが、表2
のようにそれぞれチオエーテルが異なる。全てを0.1
mol/lの濃度で使用した: 水酸化ナトリウム(g) 30 亜硫酸ナトリウム(無水物)(g) 25 1−フェニル−5−メルカプト−テトラゾール(mg) 50 エチレンジアミンテトラ酢酸テトラナトリウム塩(g) 2 脱イオン水で1lにする。 pH(24℃)=13
【0077】活性溶液 I−N:下記の通常の成分を有
するが、表3のようにそれぞれチオエーテルが異なる。
全てを0.1mol/lの濃度で使用した: 水酸化ナトリウム(g) 30 亜硫酸ナトリウム(無水物)(g) 35 2−メルカプト−5−n.ヘプチル−オキサ− 3,4−ジアゾール(mg) 150 エチレンジアミンテトラ酢酸テトラナトリウム塩(g) 1 1,4,5−トリメチル−1,2,4− トリアゾリウムチオレート(mmol) 5.2 脱イオン水で1lにする。 pH(24℃)=13
【0078】中和溶液 くえん酸 10g くえん酸ナトリウム 35g 亜硫酸ナトリウム(無水物) 5g フェノール 50mg 脱イオン水で1lにする。
【0079】給湿溶液 水 880ml くえん酸 6g 硼酸 8.4g 硫酸ナトリウム(無水物) 25g エチレングリコール 100g コロイドシリカ 28g
【0080】上記の画像形成材料を像に従って露光し上
記の活性溶液A−Oの一つで30℃10秒間処理し、次
いで上記の中和溶液で25℃で中和し乾燥した。
【0081】現像された画像形成材料のセンシトメトリ
ー特性は最小最大の透過濃度(Dtr)及び反射濃度
(Dr)を測定することによって特徴づけられる。透過
率(ΔDtr)及び反射率(ΔDr)における版の対比
は下記のようにして得られた: ΔDtr=Dtrmax −Dtrmin ΔDr =Drmax −Drmin
【0082】活性又は現像溶液において画像形成された
材料を処理することによるスラッジの形成は下記の確か
なシミュレーションによって測定される。連続攪拌の
下、0.2μmのハロゲン化銀平均粒径(等しい体積を
有する球の直径)を有する塩化銀乳剤を0.25mmo
lのハロゲン化銀に相当する量で1lの活性溶液に添加
する。10分後、0.0125mmolの1−フェニル
−4−ジメチル−3−ピラゾリドン及び0.125mm
olのヒドロキノンモノサルフェートをさらに添加す
る。24時間静置後異なる活性溶液におけるスラッジの
形成量を、チオエーテル化合物を全く含有しない参考溶
液Iのそれと視覚的に比較する。定性評価は下記の尺度
によって表わされる: +:参考溶液よりスラッジの量が多い =:参考溶液とスラッジの量が同じ程度 −:参考溶液よりスラッジの量が少ない --:参考溶液よりスラッジの量がかなり少ない
【0083】
【化12】
【化13】
【化14】
【0084】結果は活性液A−Hで処理された画像形成
材料については表2に、活性液I−Nで処理された画像
形成材料については表3に与えた。
【0085】
【表4】
【0086】
【表5】
【0087】評価:上記から印刷耐久性に関係する透過
率(ΔDtr)における版の対比は化合物I、II又はII
I (比較化合物)を含有する活性溶液で処理された画像
形成材料より表1の化合物(本発明に従った化合物)を
含有する活性溶液で処理された画像形成材料の方がずっ
と高いことがわかる。さらにインク受容性及び調色のな
さに関係する反射率(ΔDr)における版の対比は化合
物I、II又はIII (比較化合物)を含有する活性溶液で
処理された画像形成材料より表1の化合物(本発明に従
った化合物)を含有するトリアゾリウムチオレートのな
い活性溶液で処理された画像形成材料の方がずっと高
く、少なくとも同じ程度であることがわかる。1,4,
5−トリメチル−1,2,4−トリアゾリウムチオレー
トを含有する活性溶液を使用する場合は、反射率(ΔD
r)における版の対比は他の版とほぼ同じ程度であっ
た。しかしながら、表1の化合物(本発明に従った化合
物)を含有する活性溶液におけるスラッジの形成は化合
物II又は III(比較化合物)を含有する活性溶液におけ
るスラッジの形成に対して明らかに改良されている。
【0088】実施例 2(比較実施例) ハロゲン化銀乳剤被覆溶液の製造 98.2mol%の塩化物及び1.8mol%の臭化物
から構成される臭塩化銀乳剤をダブルジェット沈殿法に
よって製造した。平均ハロゲン化銀粒子径は0.4μm
(等体積を有する球体の直径)であり、内部ドープ剤と
してロジウムイオンを含有させた。乳剤は整色的に増感
され、1−フェニル−5−メルカプト−テトラゾールに
よって安定化させた。
【0089】ベース層被覆溶液は下記組成物を有するよ
うに製造した: ゼラチン 5.5% カーボンブラック 0.76% シリカ粒子(5μm) 1.6%
【0090】画像形成材料の製造 乳剤被覆溶液とベース層被覆溶液を同時に二つの裏打ち
層を1パック設けたポリエチレン被覆紙にカスケード被
覆技術によって被覆し、前記裏打ち層を含む側と反対側
の支持体の側に直接ベース層被覆を施した。乳剤層をA
gNO3 として表わされるハロゲン化銀被覆量が1.5
g/m2 でゼラチン含有量が1.5g/m2 となるよう
に被覆した。乳剤層にさらに0.15g/m2 の1−フ
ェニル−4,4′−ジメチル−3−ピラゾリドン及び
0.25g/m2 のヒドロキノンを含有させた。ベース
層を被覆層内のゼラチンの量が3g/m2 になるように
被覆した。
【0091】裏打ち層パックの支持体に最も近い層に
0.3g/m2 のゼラチンと0.5g/m2 の帯電防止
剤コ(テトラアリルオキシエタン/メタクリレート/ア
クリル酸K塩)ポリマーを含有させた。第2裏打ち層に
ゼラチンを4g/m2 、EP−A−0080225によ
る3ミクロンの平均粒径の透明球状ポリマービーズから
構成される艶消剤を0.15g/m2 、硬化剤トリアク
リルホルマルを0.05g/m2 及び湿潤剤F157
COONH4 を0.021g/m2 含有させた。
【0092】かくして得られた材料を乾燥し40℃の温
度で5日間暴露し、次いで乳剤層を物理的現像核として
のPdS、ヒドロキノン0.4g/m2 及びホルムアル
デヒド100mg/m2 を含有する層で上塗りした。
【0093】下記処理溶液を製造した:活性溶液 P Q 水酸化ナトリウム(g) 30 30 亜硫酸ナトリウム(無水物)(g) 35 35 化合物I(g) 15 0 表1の化合物9(g) 0 17 1,4,5−トリメチル−1,2,4 −トリアゾリウムチオレート(mg) 250 250 2−メルカプト−5−n.ヘプチル− オキサ−3,4−ジアゾール(mg) 150 150 水で1lにする。
【0094】中和溶液 くえん酸 10g くえん酸ナトリウム 35g 亜硫酸ナトリウム(無水物) 5g フェノール 50mg 水で1lにする。
【0095】給湿溶液 水 880ml くえん酸 6g 硼酸 8.4g 硫酸ナトリウム(無水物) 25g エチレングリコール 100g コロイドシリカ 28g
【0096】上記の画像形成材料をイメージセッターを
含むHe−Neレーザーで情報に従って露光し、上記の
活性溶液P又はQの一つで30℃で10秒間処理し、次
いで上記の中和溶液で25℃で中和し、乾燥した。
【0097】かくして製造された印刷版を同じオフセッ
ト印刷機( Heidelberg GTO−46)に互いに装着し、
両方の版を同一条件で印刷した。記載される給湿溶液は
給湿液として10%イソプロパノールを含有する水性溶
液に5%濃度で使用し、Kast+ Ehinger , A. G.,ドイ
ツによって販売されるK+E 125をインクとして使
用した。圧縮ゴムブランケットを使用した。
【0098】評価:インク受容領域に白色斑点が現われ
るまでに印刷しうるコピーの数は活性溶液P(比較例)
で画像形成材料を処理することによって得られた印刷版
については5000枚に達し、活性溶液Q(本発明に従
った活性溶液)で画像形成材料を処理することによって
得られた印刷版については7000枚に達する。従って
本発明によって製造されたオフセット印刷版の印刷耐久
性は明らかに改良されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ポール・カラン ベルギー国モートゼール、セプテストラ ート 27 アグファ・ゲヴェルト・ナー ムロゼ・ベンノートチャップ内 (72)発明者 ジャン−マリ・ドヴァンクル ベルギー国モートゼール、セプテストラ ート 27 アグファ・ゲヴェルト・ナー ムロゼ・ベンノートチャップ内 (72)発明者 マルセル・モンバリュー ベルギー国モートゼール、セプテストラ ート 27 アグファ・ゲヴェルト・ナー ムロゼ・ベンノートチャップ内 (72)発明者 ジョアン・ロクフィエ ベルギー国モートゼール、セプテストラ ート 27 アグファ・ゲヴェルト・ナー ムロゼ・ベンノートチャップ内 (56)参考文献 特開 平5−289348(JP,A) 特開 平5−127387(JP,A) 特開 平4−155343(JP,A) 特開 平4−147252(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/07 G03C 8/36

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化銀乳剤層と物理的現像核を含
    有する受像層を支持体上に含む画像形成材料を情報に従
    って露光し、現像主薬とハロゲン化銀溶剤の存在下にお
    いてアルカリ処理液を使用して前記情報に従って露光さ
    れた画像形成材料を現像する工程を含む銀塩拡散転写法
    による平版印刷版の製造方法において、前記ハロゲン化
    銀溶剤の少なくとも1種が下記式: Z-(R-X)-(R-X)-L-(X-R)-(X-R)-Z (I) 式中、X、X、X及びXはそれぞれ独立して−
    S−、−NH−又は−N(R−Z)−を表わし、R
    、R、R、R及びRはそれぞれ独立してアル
    キレン、アルケニレン、又はアルキニレンを表わし、n
    及びmはそれぞれ独立して0〜4の整数を表わし、
    、Z及びZはそれぞれ独立して水素、アルキル
    基、アミノ基、アンモニウム基、ヒドロキシル、スルホ
    基、カルボキシル、アミノカルボニル又はアミノスルホ
    ニルを表わし、X及びXは銀イオンとの錯体のため
    の好ましい位置において熱力学的に最も安定した前記化
    合物の配座にあるに相当する化合物であること、及びL
    が下記構造L〜Lの一つを有することを特徴とする
    製造方法: 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 式中、R及びRはそれぞれ独立してC−Cアル
    キル基を表わし、R12及びR13は水素原子を表わし
    又はR12及びR13はそれらが結合する原子とともに
    5又は6員の脂環式環を完成し、R18及びR19はそ
    れぞれ独立して水素原子、C−Cアルキル基を表わ
    し又はR18及びR19はそれらが結合する原子ととも
    に環を完成し、R、R、R10、R11、R14
    15、R16、R17、R20、R21、R22、R
    23、R24、R25、R26及びR27はそれぞれ独
    立して水素原子又はC−Cアルキル基を表わし、A
    はシクロヘキサン又はテトラヒドロフランを完成するた
    めに必要な原子を表わし、C及びCは単結合によっ
    て結合され、p及びqはそれぞれ独立して0又は1を表
    わす。
  2. 【請求項2】 前記2価の結合鎖L〜LにおいてR
    及びRはそれぞれ独立してメチル基、−(X−R
    28)−(X−R29−Z基を表わし、X
    びXはそれぞれ独立して−S−、−NH−又は−N
    (R30−Z)−を表わし、R28、R29及びR
    30はそれぞれ独立してC−Cアルキレンを表わ
    し、rは0又は1を表わし、そしてZは水素、アミノ
    基、アンモニウム基、ヒドロキシル、スルホ基又はカル
    ボキシルを表わし、R18及びR19はそれぞれ水素原
    子を表わし又はR及びR又はR18及びR19はそ
    れらが結合する原子とともに5又は6員環を完成し、R
    、R、R10、R11、R14、R15、R16
    17、R20、R21、R22、R23、R24、R
    25、R26及びR27はそれぞれ水素原子を表わし、
    pは0を表わし、qは0又は1を表わす請求項1記載の
    方法。
JP08311395A 1994-03-25 1995-03-14 銀塩拡散転写法による平版印刷版の製造方法 Expired - Fee Related JP3479569B2 (ja)

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