JP3479413B2 - 光ディスク原盤の製造方法、光ディスク原盤、光ディスク用スタンパ及び光ディスク用スタンパの製造方法 - Google Patents

光ディスク原盤の製造方法、光ディスク原盤、光ディスク用スタンパ及び光ディスク用スタンパの製造方法

Info

Publication number
JP3479413B2
JP3479413B2 JP19848496A JP19848496A JP3479413B2 JP 3479413 B2 JP3479413 B2 JP 3479413B2 JP 19848496 A JP19848496 A JP 19848496A JP 19848496 A JP19848496 A JP 19848496A JP 3479413 B2 JP3479413 B2 JP 3479413B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photoresist layer
photoresist
layer
recording light
intermediate layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP19848496A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1064123A (ja
Inventor
正弘 升澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP19848496A priority Critical patent/JP3479413B2/ja
Publication of JPH1064123A publication Critical patent/JPH1064123A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3479413B2 publication Critical patent/JP3479413B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク原盤の
製造方法、光ディスク原盤、光ディスク用スタンパの製
造方法及び光ディスク用スタンパに関する。
【0002】
【従来の技術】近時、光学的に情報の再生を行ったり、
光学的に情報の再生と記録を行う光ディスクが出現して
おり、このような光ディスクとしては、例えば、CD
(コンパクトディスク:Compact Disc)、CD−ROM
(Compact Disc Read Only Memory )及び光磁気ディス
ク等がある。
【0003】このような光ディスクは、一般的に、直径
120mmあるいは80mmで、盤厚が1.2mmの円
盤状に形成されており、音楽情報だけでなく、コンピュ
ータソフトの情報等の記録媒体として広く利用されてい
る。
【0004】ピットとグルーブを有する光ディスクにお
いては、それぞれの深さは、λ/4n、λ/8n(λ:
再生波長、n:基板の屈折率)であることが望ましい。
そのような光ディスクを得るために、光ディスク原盤に
おけるフォトレジストのパターン形成もピットとグルー
ブで変える必要がある。
【0005】従来、フォトレジストのパターンの深さを
変えるために、感光させるレーザーの強度を利用してい
た。すなわち、発光強度の弱いレーザーにより浅いグル
ーブを形成し、発光強度の強いレーザーにより深いピッ
トを形成していた。そして、ピットの深さは、フォトレ
ジストの膜厚で決まるが、グルーブの深さは、レーザー
の強度に依存し、レーザーパワーの変動、フォーカス信
号の変動などにより、グルーブの深さに変動が発生しや
すいとともに、グルーブの幅の制御も非常に困難であ
る。
【0006】そこで、上記の問題を解決するために、従
来、特公平6−38299号公報に案内溝付光ディスク
の製造方法が提案され、また、特開平7−161077
号公報に光ディスクの案内溝及びピット作製方法が提案
されている。これらの公報記載の技術は、基盤上に第1
のフォトレジスト層、中間層、第2のフォトレジスト層
の順に積層し、中間層、第2のフォトレジスト層の厚さ
によりグルーブ深さを形成し、第1のフォトレジスト
層、中間層、第2のフォトレジスト層の厚さによりピッ
ト深さを形成することにより、レーザーパワーの変動、
フォーカス信号の変動などの影響を受けずにピットとグ
ルーブを形成している。また、中間層として、ポリビニ
ルアルコール、ポリアクリルアミド、メチルセルロース
等の水溶性もしくはアルカリ可溶性樹脂を用い、その上
下に2層のフォトレジスト膜を形成することにより、中
間層に溝遮断効果を持たせて、深さの異なる2種類の台
形パターンを得ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の光ディスクの製造方法にあっては、第1のフ
ォトレジスト層、中間層及び第2のフォトレジスト層の
厚さでピットとグルーブの厚さを制御するようにしてい
たため、ピットとグルーブの深さを制御することはでき
るが、ピットとグルーブの幅を制御することができな
い。
【0008】また、中間層をポリビニルアルコールやメ
チルセルロース等の水溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂
により形成していたため、フォトレジスト膜に対する密
着性が悪く、現像あるいはエッチングのときに、第2の
フォトレジスト層や中間層が剥がれてしまうという問題
があった。
【0009】
【0010】 本発明は、中間層を形成する前に、第1
のフォトレジスト層の表面に逆スパッタ処理を施すこと
により、第1のフォトレジスト層と中間層との密着性を
向上させて、中間層が剥がれることを防止することので
きる光ディスク原盤の製造方法を提供することを目的と
している。
【0011】 本発明は、露光後であって第2のフォト
レジスト層を現像する前に、120℃以上でベークを行
うことにより、各層の密着性を向上させて、各層が剥が
れることを防止するとともに、適切に露光して潜像を形
成することのできる光ディスク原盤の製造方法を提供す
ることを目的としている。
【0012】 本発明は、第1と第2のフォトレジスト
層の露光感度を異ならせ、第2のフォトレジスト層のみ
を露光する第2の記録光の強度の許容範囲を変えること
により、ピット形成時の第1のフォトレジスト層の開口
部と第2のフォトレジスト層の底部分の幅を制御して、
段の発生しないピットを形成でき、また、幅の広いピッ
トを形成することのできる光ディスク原盤の製造方法を
提供することを目的としている。
【0013】 本発明は、第1のフォトレジスト層と第
2のフォトレジスト層をポジ型フォトレジストにより形
成するとともに、第1のフォトレジスト層と第2のフォ
トレジスト層を露光する第1の記録光として、第2のフ
ォトレジスト層のみを露光する第2の記録光よりもその
露光強度の強いものを使用することにより、第1の記録
光でピットを形成し、第2の記録光でハーフグルーブを
形成して、深さの異なるピットとハーフグルーブを容易
に形成することができ、かつ、ハーフグルーブよりも幅
の広いピットを形成することのできる光ディスク原盤の
製造方法を提供することを目的としている。
【0014】 本発明は、中間層として、記録光が90
%以上透過する屈折率及び膜厚に形成して、第2のフォ
トレジスト層のみを露光する第2の記録光の強度の許容
範囲を変えることにより、中間層の屈折率と膜厚を制御
して、第2の記録光の強度を変化させることにより、第
1のフォトレジスト層と第2のフォトレジスト層との間
に段の発生しない、かつ、ハーフグルーブの幅を容易に
制御することのできる光ディスク原盤の製造方法を提供
することを目的としている。
【0015】 本発明は、第1のフォトレジスト層をネ
ガ型フォトレジストで、第2のフォトレジスト層をポジ
型フォトレジストで形成するとともに、第1のフォトレ
ジスト層と第2のフォトレジスト層を露光する第1の記
録光として、第2のフォトレジスト層のみを露光する第
2の記録光よりもその露光強度の強いものを使用するこ
とにより、第1の記録光でハーフグルーブを形成し、第
2の記録光でピットを形成するとともに、深さの異なる
ピットとハーフグルーブを容易に形成することができ、
かつ、ピットよりも幅の広いハーフグルーブを形成する
ことのできる光ディスク原盤の製造方法を提供すること
を目的としている。
【0016】 本発明は、中間層として、記録光が85
%以下透過する屈折率及び膜厚に形成して、第2のフォ
トレジスト層のみを露光する第2の記録光の強度の記録
範囲を変えることにより、第1のフォトレジスト層と第
2のフォトレジスト層との間に段の発生しない、かつ、
ピットの幅を容易に制御することのできる光ディスク原
盤の製造方法を提供することを目的としている。
【0017】 本発明は、第1と第2のフォトレジスト
層がポジ型フォトレジストで形成され、第1と第2のフ
ォトレジスト層を露光する第1の記録光により深さの深
い第1の露光パターンを露光し、第2のフォトレジスト
層のみを露光する第2の記録光により深さの浅い第2の
露光パターンを露光し、かつ、第1の露光パターンが第
2の露光パターンよりも幅が広く露光されるようにし
て、深さの浅い台形形状のハーフグルーブとハーフグル
ーブよりも深い台形形状で、かつ、ハーフグルーブより
も幅の広いピットが形成され、光ディスクの再生波長に
対して、安定したトラッキング及び正確な再生信号を得
ることのできる光ディスク原盤を提供することを目的と
している。
【0018】 本発明は、第1のフォトレジストがネガ
型フォトレジストで、第2のフォトレジスト層がポジ型
フォトレジストで形成され、第1と第2のフォトレジス
ト層を露光する第1の記録光により深さの浅い第1の露
光パターンを露光し、第2のフォトレジスト層のみを露
光する第2の記録光により深さの深い第2の露光パター
ンを露光し、かつ、第1の露光パターンが第2の露光パ
ターンよりも幅が広く露光されるようにして、必要な深
さと幅のピットとハーフグルーブが容易に形成され、光
ディスクの再生波長に対して、安定したトラッキング及
び正確な再生信号を得ることのできる光ディスク原盤を
提供することを目的としている。
【0019】 本発明は、第1のフォトレジスト層のエ
ッチング、中間層のエッチング及び第2のフォトレジス
ト層のエッチングの順にスタンパ表面を洗浄して、深さ
の異なるピットとハーフグルーブを有する光ディスク用
スタンパを提供することを目的としている。
【0020】 本発明は、第1のフォトレジスト層のエ
ッチング、中間層のエッチング及び第2のフォトレジス
ト層のエッチングの順にスタンパ表面を洗浄して、深さ
の異なるピットとハーフグルーブを有する光ディスク用
スタンパを得ることのできる光ディスク用スタンパの製
造方法を提供することを目的としている。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明 の光ディスク原盤
の製造方法は、基盤上に、スピンコート法により厚さ3
00Å〜2000Åの第1のフォトレジスト層を形成
し、該第1のフォトレジスト層上にスパッタ法、蒸着
法、あるいは、CVD法のうちいずれか一つの方法によ
り厚さ50Å〜300Åの酸化膜からなる中間層を形成
し、さらに、スピンコート法により厚さ300Å〜20
00Åの第2のフォトレジスト層を順次積層して形成
し、前記第2のフォトレジスト層側から前記第1のフォ
トレジスト層と前記第2のフォトレジスト層の双方を露
光する第1の記録光と前記第2のフォトレジスト層のみ
を露光する第2の記録光とにより露光した後、前記第2
のフォトレジスト層の現像、前記中間層のエッチング及
び前記第1のフォトレジスト層の現像により光ディスク
原盤を形成する光ディスク原盤の製造方法において、前
記中間層を形成する前に、前記第1のフォトレジスト層
の表面を逆スパッタ処理を施すことにより、上記目的を
達成している。
【0027】上記構成によれば、第1のフォトレジスト
層と中間層との密着性を向上させることができ、第1の
フォトレジスト層の現像時に、中間層が剥がれることを
防止することができる。
【0028】 上記各場合において、例えば、前記露光
後であって前記第2のフォトレジスト層を現像する前
に、120℃以上でベークを行うものであってもよい。
【0029】ここで、フォトレジストは、高温でベーク
を行うと、その露光感度が低下するが、露光後にベーク
を行っているので、フォトレジストの露光感度を低下さ
せることがない。
【0030】上記構成によれば、フォトレジストの露光
感度を低下させることなく、各層の密着性を向上させる
ことができ、現像時に各層が剥がれることを防止するこ
とができる。
【0031】 また、例えば、前記第1のフォトレジス
ト層の露光感度と前記第2フォトレジストの露光感度を
異ならせ、前記第2の記録光の強度の許容範囲を変える
ものであってもよい。
【0032】ここで、第1のフォトレジスト層の露光感
度を第2のフォトレジスト層の露光感度よりも低くする
と、第1のフォトレジスト層に潜像が形成されにくくな
り、第1のフォトレジスト層に潜像を形成するのに、露
光強度の強い記録光を必要とする。したがって、第1の
フォトレジスト層の露光感度と第2のフォトレジスト層
の露光感度を変えることにより、ピットあるいはハーフ
グルーブの幅を制御することができる。
【0033】すなわち、第1のフォトレジスト層として
ポジ型フォトレジストを用いているときには、第1のフ
ォトレジスト層にアルカリ水溶液に可溶な潜像が形成さ
れにくくなる分、第2の記録光の強度を強くすることが
でき、ハーフグルーブの幅も広くなる。また、第1と第
2のフォトレジスト層にポジ型フォトレジストを用いて
いると、フォトレジスト層の境界部分に段が発生するお
それがあるが、第1のフォトレジスト層の開口部分と第
2のフォトレジスト層の底部分の幅を、第1と第2のフ
ォトレジスト層の露光感度を調整することにより、同じ
大きさにすることができ、段の発生を防止することがで
きる。
【0034】さらに、第1のフォトレジスト層としてネ
ガ型フォトレジストを用いているときには、第1のフォ
トレジスト層に潜像が形成されにくくなる分、アルカリ
水溶液に可溶な部分が広くなり、ピットの幅を広くする
ことができる。
【0035】上記構成によれば、第1のフォトレジスト
層と第2のフォトレジスト層の露光感度を調整すること
により、深さの異なる台形形状のピットとハーフグルー
ブを容易に形成することができるとともに、ピットの段
の発生を防止することができる。
【0036】 さらに、例えば、前記第1のフォトレジ
スト層及び前記第2のフォトレジスト層は、その露光部
分がアルカリ水溶液に可溶なポジ型フォトレジストによ
り形成されており、前記第1の記録光が、前記第2の記
録光よりもその露光強度が強いものであってもよい。
【0037】上記構成によれば、第1と第2のフォトレ
ジスト層の双方を露光強度の強い第1の記録光により露
光して深さの深いピットを形成し、第2のフォトレジス
ト層のみを露光強度の弱い第2の記録光により露光して
深さの浅いハーフグルーブを形成するとともに、露光部
分がアルカリ水溶液に可溶であるので、ハーフグルーブ
よりも幅の広いピットを容易に形成することができる。
【0038】 また、例えば、前記中間層は、前記記録
光が90%以上透過する屈折率及び膜厚に形成し、前記
第2の記録光の強度の許容範囲を変えるものであっても
よい。
【0039】ここで、中間層の屈折率が大きくなると、
第2のフォトレジスト層と中間層の界面での記録光の反
射が多くなり、第1のフォトレジスト層への光が減少し
て、第1のフォトレジスト層への記録光が減少した分、
第2のフォトレジスト層のみを露光する第2の記録光の
強度を強くすることができ、第2のフォトレジスト層の
潜像を広くして、ハーフグルーブの幅を広くすることが
できる。すなわち、中間層の屈折率を変えることによ
り、ハーフグルーブの幅を制御することができる。
【0040】また、中間層の膜厚を厚くすると、中間層
で吸収される記録光が多くなり、第1のフォトレジスト
層への記録光が減少して、第1のフォトレジスト層への
記録光が減少した分、第2のフォトレジスト層のみを露
光する第2の記録光の強くすることができ、第2のフォ
トレジスト層の潜像を広くして、ハーフグルーブの幅を
広くすることができる。すなわち、中間層の膜厚を変え
ることにより、ハーフグルーブの幅を制御することがで
きる。
【0041】さらに、第1と第2のフォトレジスト層に
ポジ型のフォトレジストを使用すると、フォトレジスト
層の境界部分に段が発生するおそれがあるが、中間層の
屈折率と膜厚を変えることにより、第2の記録光の第1
のフォトレジスト層への強度を制御することができ、段
の発生を防止することができる。
【0042】上記構成によれば、第1のフォトレジスト
層と第2のフォトレジスト層の双方を露光する第1の記
録光でピットを形成し、第2のフォトレジスト層のみを
露光する第2の記録光でハーフグルーブを形成して、深
さの異なるピットとハーフグルーブを容易に形成するこ
とができるとともに、ハーフグルーブよりも幅が広く段
のないピットを形成することができる。
【0043】 さらに、例えば、前記第1のフォトレジ
スト層は、その露光部分がアルカリ水溶液に不溶となる
ネガ型フォトレジストにより形成され、前記第2のフォ
トレジスト層は、その露光部分がアルカリ水溶液に可溶
なポジ型フォトレジストにより形成されており、前記第
1の記録光が、前記第2の記録光よりもその露光強度が
強いものであってもよい。
【0044】上記構成によれば、第1と第2のフォトレ
ジスト層の双方を露光強度の強い第1の記録光により露
光し、第2のフォトレジスト層のみを露光強度の弱い第
2の記録光により露光するが、第1のフォトレジスト層
がネガ型フォトレジストであり、露光部分がアルカリ水
溶液に不溶であるので、露光強度の強い第1の記録光に
より深さの浅いハーフグルーブが形成され、露光強度の
弱い第2の記録光により深さの深いピットが形成され
る。したがって、ハーフグルーブよりも幅が広く、段の
ないピットを容易に形成することができる。
【0045】 また、例えば、前記中間層は、前記記録
光が85%以下透過する屈折率及び膜厚に形成し、前記
第2の記録光の強度の許容範囲を変えることにより、上
記目的を達成している。
【0046】ここで、第1のフォトレジスト層は、その
露光部分がアルカリ水溶液に不溶のネガ型フォトレジス
トで形成され、第2のフォトレジスト層は、その露光部
分がアルカリ水溶液に可溶のポジ型フォトレジストで形
成されている。
【0047】そして、中間層の屈折率が大きくなると、
第2のフォトレジスト層と中間層の界面での記録光の反
射が多くなり、第1のフォトレジスト層への光が減少し
て、第1のフォトレジスト層への記録光が減少した分、
第1のフォトレジスト層の潜像が小さくなって、アルカ
リ水溶液に可溶な部分が広くなって、ピットの幅を広く
することができる。すなわち、中間層の屈折率を変える
ことにより、ピットの幅を制御することができる。
【0048】また、中間層の膜厚を厚くすると、中間層
で吸収される記録光が多くなり、第1のフォトレジスト
層への記録光が減少して、第1のフォトレジスト層への
記録光が減少した分、第1のフォトレジスト層の潜像が
小さくなって、アルカリ水溶液に可溶な部分が広くなっ
て、ピットの幅を広くすることができる。すなわち、中
間層の膜厚を変えることにより、ピットの幅を制御する
ことができる。
【0049】上記構成によれば、中間層の屈折率と膜厚
を調整することにより、第1のフォトレジスト層と第2
のフォトレジスト層の双方を露光する第1の記録光でハ
ーフグルーブを形成し、第2のフォトレジスト層のみを
露光する第2の記録光でピットを形成して、深さの異な
る台形形状のピットとハーフグルーブを容易に形成する
ことができるとともに、ハーフグルーブよりも幅の狭い
ピットを形成することができる。
【0050】 本発明の光ディスク原盤は、上述の光デ
ィスク原盤製造方法により製造される光ディスク原盤で
あって、前記第1の記録光により深さの深い第1の露光
パターンが露光され、前記第2の記録光により深さの浅
い第2の露光パターンがが露光され、かつ、前記第1の
露光パターンが前記第2の露光パターンよりも幅が広く
露光されることにより形成されることにより、上記目的
を達成している。
【0051】上記構成によれば、深さの浅い台形形状の
ハーフグルーブと深さが深くハーフグルーブよりも幅の
広いピットを簡単に形成することができ、光ディスクの
再生波長に対して安定したトラッキング及び正確な再生
信号を得ることができる。
【0052】 本発明の光ディスク原盤は、上述の光デ
ィスク原盤製造方法により製造される光ディスク原盤で
あって、前記第1の記録光により深さの浅い第1の露光
パターンが露光され、前記第2の記録光により深さの深
い第2の露光パターンがが露光され、かつ、前記第2の
露光パターンが前記第1の露光パターンよりも幅が狭く
露光されることにより形成されていることにより、上記
目的を達成している。
【0053】上記構成によれば、深さの深いピットと深
さが浅く幅の広いハーフグルーブを簡単に形成すること
ができ、光ディスクの再生波長に対して、安定したトラ
ッキング及び正確な再生信号を得ることができる。
【0054】 本発明の光ディスク用スタンパの製造方
法は、上述の光ディスク原盤に、Ni膜をスパッタある
いは蒸着により形成した後、Niを電鋳し、さらに前記
基盤からNiを剥離した後、前記第1のフォトレジスト
層のエッチング、前記中間層のエッチング及び前記第2
のフォトレジスト層のエッチングを順次行うことによ
り、上記目的を達成している。
【0055】上記構成によれば、光ディスク用スタンパ
の洗浄において、前記第1のフォトレジスト層のエッチ
ング、前記中間層のエッチング及び前記第2のフォトレ
ジスト層のエッチングの順にスタンパ表面を洗浄するこ
とができ、深さの異なるピットとハーフグルーブを有す
る光ディスク用スタンパを得ることができる。
【0056】 本発明の光ディスク用スタンパは、上述
光ディスク原盤に、Ni膜をスパッタあるいは蒸着に
より形成した後、Niを電鋳し、さらに前記基盤からN
iを剥離した後、前記第1のフォトレジスト層のエッチ
ング、前記中間層のエッチング及び前記第2のフォトレ
ジスト層のエッチングを順次行って製造することによ
り、上記目的を達成している。
【0057】
【0058】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述
べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるか
ら、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本
発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定す
る旨の記載がない限り、これらの態様に限られるもので
はない。
【0059】図1は、本発明の光ディスク原盤の製造方
法及び光ディスク原盤の第1の実施の形態を適用した光
ディスクの製造方法及び光ディスク原盤を示す図であ
る。
【0060】図1において、光ディスク原盤1は、ガラ
ス基板2を洗浄した後、ガラス基板2の表面をHMDS
(ヘキサメチルジシラザン)処理し、その露光部分がア
ルカリ水溶液に可溶なポジ型レジスト材であるTSMR
−8900(東京応化工業製)を用いて第1のフォトレ
ジスト層3を、1700Åの厚さにスピンコート法によ
り形成して、プリベークを行う。
【0061】次に、第1のフォトレジスト層3の表面を
逆スパッタした後、ITO(In23−SnO2の9
5:5wt%の合金)を用いて、ArとO2 の雰囲気中
でDCマグネトロンスパッタにより、中間層4を50Å
の厚さに形成する。この中間層4の表面をHMDS処理
した後、ポジ型レジスト材であるTSMR−8900を
用いてスピンコート法により第2のフォトレジスト層5
を、1700Åの厚さに形成し、その後、プリベークを
行う。
【0062】すなわち、本実施の形態では、第1のフォ
トレジスト層3を形成した後、中間層4を形成する前
に、第1のフォトレジスト層3の表面を逆スパッタし、
中間層4を形成した後、第2のフォトレジスト層5を形
成する前に、中間層4の表面をHMDS処理して、その
後第2のフォトレジスト層5を形成している。
【0063】このようにして、第1のフォトレジスト層
3、中間層4及び第2のフォトレジスト層5を形成する
と、次に、レーザーの露光、エッチング及び現像を行っ
て、ハーフグルーブ(案内溝)とピットを形成する。
【0064】具体的には、図1に示すように、第1のフ
ォトレジスト層3と第2のフォトレジスト層5の双方を
露光する第1の記録光Laの露光強度を、5.0mW、
第2のフォトレジスト層5のみを露光する第2の記録光
Lbを、2.2mWとし、1.2m/sの線速のレーザ
ーを、第1のフォトレジスト層5側から光ディスク原盤
1に照射することにより露光する。第1の記録光Laに
より、図1に示すように、第1のフォトレジスト層3と
第2のフォトレジスト層5にアルカリ水溶液に可溶な露
光部分(潜像)3a、5aが形成され、第2の記録光L
bにより、第2のフォトレジスト層5のみにアルカリ水
溶液に可溶な潜像5bが形成される。
【0065】そして、上記レーザーの露光後、現像を行
う前に、130℃で10分間ベークを行い、ベークした
後、アルカリ水溶液であるDE−3(東京応化工業製)
により、第2のフォトレジスト層5を現像する1回目の
現像を行う。次いで、純水で10%以下に希釈した硝酸
により、ITOである中間層4のエッチングを行い、そ
の後、再度、DE−3により第1のフォトレジスト層3
を現像する2回目の現像を行う。
【0066】上記現像及びエッチングにより、第1のフ
ォトレジスト層3及び第2のフォトレジスト層5の潜像
の形成された部分が除去されて、第2のフォトレジスト
層3のみに、開口幅が0.68μmで、深さが1750
Åの深さの浅い台形形状のハーフグループが形成され、
第1のフォトレジスト層3と第2のフォトレジスト層5
の双方にわたって、開口幅が0.95μmで、深さが3
450Åの深さの深い台形形状のピットが形成される。
【0067】次に、本発明の光ディスク原盤の製造方法
及び光ディスク原盤の第2の実施の形態について説明す
る。本実施の形態は、上記第1の実施の形態と同様の光
ディスク及び光ディスクの製造方法に適用したものであ
り、本実施の形態の説明においては、上記図1で用いた
符号をそのまま用い、その詳細な説明を省略する。
【0068】本実施の形態では、ガラス基板2を洗浄し
た後、ガラス基板2の表面をHMDS処理し、その露光
部分がアルカリ水溶液に可溶なポジ型レジスト材である
TSMR−8900を用いてスピンコート法により17
00Åの厚さの第1のフォトレジスト層3を形成して、
プリベークを行う。
【0069】この第1のフォトレジスト層3の表面を逆
スパッタした後、SiO2 をArとO2 雰囲気中でRF
マグネトロンスパッタを行って、酸化膜である中間層4
を70Åの厚さに形成し、この中間層4の表面を逆スパ
ッタする。
【0070】中間層4の表面をHMDS処理した後、ポ
ジ型レジストであるTSMR−8900を用いてスピン
コート法により第2のフォトレジスト層5を1700Å
の厚さに形成し、プリベークを行う。
【0071】すなわち、本実施の形態では、中間層4を
形成する前に、第1のフォトレジスト層3の表面を逆ス
パッタするとともに、第2のフォトレジスト層5を形成
する前に、中間層4の表面を逆スパッタしている。
【0072】このようにして第1のフォトレジスト層
3、中間層4及び第2のフォトレジスト層5を形成する
と、次に、レーザーの露光、エッチング及び現像を行っ
て、ハーフグルーブとピットを形成する。
【0073】具体的には、図1に示したように、第1の
記録光Laの露光強度を、5.0mW、第2の記録光L
bを2.4mWとし、1.2m/sの線速のレーザー
を、第1のフォトレジスト層5側から光ディスク原盤1
に照射することにより露光する。第1の記録光Laによ
り、図1に示したように、第1のフォトレジスト層3と
第2のフォトレジスト層5にアルカリ水溶液に可溶な潜
像3a、5aが形成され、第2の記録光Lbにより、第
2のフォトレジスト層5のみにアルカリ水溶液に可溶な
潜像5bが形成される。
【0074】上記レーザーの露光後、現像を行う前に、
130℃で10分間ベークを行った後、アルカリ水溶液
であるDE−3により、第2のフォトレジスト層5を現
像する1回目の現像を行い、純水で10%以下に希釈し
たフッ酸により、SiO2 で形成した中間層4のエッチ
ングを行って、その後、再度、DE−3により第1のフ
ォトレジスト層3を現像する2回目の現像を行う。
【0075】上記現像及びエッチングにより、開口幅が
0.72μmで、深さが1770Åの深さの浅い台形形
状のハーフグルーブが形成され、開口幅が0.95μm
で、深さが3470Åの深さの深い台形形状のピットが
形成される。
【0076】次に、本発明の光ディスク原盤の製造方法
及び光ディスク原盤の第3の実施の形態について説明す
る。本実施の形態は、上記第1の実施の形態と同様の光
ディスク及び光ディスクの製造方法に適用したものであ
り、本実施の形態の説明においては、上記図1で用いた
符号をそのまま用い、その詳細な説明を省略する。
【0077】本実施の形態では、ガラス基板2を洗浄し
た後、ガラス基板2の表面をHMDS処理し、高露光感
度のポジ型レジスト材であるTSMR−V90Mを用い
てスピンコート法により1700Åの厚さに第1のフォ
トレジスト層3を形成し、プリベークを行う。
【0078】この第1のフォトレジスト層3の表面を逆
スパッタした後、ITOを、ArとO2 雰囲気中でDC
マグネトロンスパッタを行って、酸化膜である中間層4
を60Åの厚さに形成する。
【0079】この中間層4の表面をHMDS処理した
後、ポジ型レジスト材であるTSMR−8900を用い
てスピンコート法により第2のフォトレジスト層5を形
成し、プリベークを行う。
【0080】すなわち、本実施の形態では、中間層4を
形成する前に、第1のフォトレジスト層3の表面を逆ス
タッパするとともに、中間層4の表面をHMDS処理し
ている。また、第1のフォトレジスト層3を第2のフォ
トレジスト層5よりも高露光感度のフォトレジスト材で
形成している。
【0081】このようにして、第1のフォトレジスト層
3、中間層4及び第2のフォトレジスト層5を形成する
と、レーザーの露光、エッチング及び現像を行って、ハ
ーフグルーブとピットを形成する。
【0082】具体的には、図1に示したように、第1の
記録光Laの露光強度を、5.0mW、第2の記録光L
bを、2.4mWとし、1.2m/sの線速のレーザー
を、第1のフォトレジスト層5側から光ディスク原盤1
に照射することにより露光する。第1の記録光Laによ
り、図1に示したように、第1のフォトレジスト層3と
第2のフォトレジスト層5にアルカリ水溶液に可溶な潜
像3a、5aが形成され、第2の記録光Lbにより、第
2のフォトレジスト層5のみにアルカリ水溶液に可溶な
潜像5bが形成される。
【0083】上記レーザーの露光後、現像を行う前に、
130℃で10分間ベークを行った後、アルカリ水溶液
であるDE−3により、第2のフォトレジスト層5を現
像する1回目の現像を行い、純水で10%以下に希釈し
た硝酸により、ITOで形成した中間層4のエッチング
を行って、その後、再度、DE−3により第1のフォト
レジスト層3を現像する2回目の現像を行う。
【0084】上記現像及びエッチングにより、開口幅が
0.72μmで、深さが1760Åの深さの浅い台形形
状のハーフグルーブが形成され、開口幅が0.95μm
で、深さが3460Åの深さの深い台形形状のピットが
形成される。
【0085】〈実験例1〉ガラス基盤上に第1のフォト
レジスト層、中間層及び第2のフォトレジスト層の順に
形成し、中間層上の第2のフォトレジスト層の密着性を
調べたところ、以下のような結果を得た。なお、以下の
実験例の説明においては、図1の符号を用いて説明す
る。
【0086】本実験においては、まず、酸化膜である中
間層4の表面を何の処理もせずに、第2フォトレジスト
膜5を形成したところ、現像時に、第2のフォトレジス
ト層5が中間層4から剥離した。
【0087】ところが、中間層4の表面を、Arガス中
で3.8×10-3torrにより1分間逆スパッタを行
った後、第2のフォトレジスト層5を形成したところ、
第2のフォトレジスト層5の剥離が減少した。
【0088】また、中間層4の材料により剥離防止の効
果が異なることが分かった。すなわち、中間層4をIT
Oで形成した場合、HMDS処理とレーザー露光を行っ
た後の高温ベークを行ったところ、第2のフォトレジス
ト層5の剥離を完全に防止することができた。SiO2
やSiOで中間層4を形成した場合、逆スパッタ処理と
HMDS処理の両方を行い、露光後に、高温ベークを行
ったところ、第2のフォトレジスト層5の剥離を完全に
防止することができた。
【0089】したがって、酸化膜である中間層4の表面
を逆スパッタとHMDS処理の少なくとも1つの処理を
行うことにより、中間層4と第2のフォトレジスト層5
との密着性を向上させることができ、現像時に、中間層
4から第2のフォトレジスト層5が剥がれることを防止
することができる。
【0090】〈実験例2〉ガラス基盤2上に第1のフォ
トレジスト層3、中間層4及び第2のフォトレジスト層
5の順に形成し、第1のフォトレジスト層3上の酸化膜
である中間層4の密着性を調べたところ、以下のような
結果を得た。
【0091】なお、本実験においては、酸化膜である中
間層4上に第2のフォトレジスト層5を形成する際、上
記実験例1で示した中間層4の材料に適した逆スパッタ
処理とHMDS処理の少なくとも一つの処理を行ってい
る。
【0092】まず、第1のフォトレジスト層3の表面を
何の処理もせずに中間層4を形成したところ、第1のフ
ォトレジスト層3の現像時に、第1のフォトレジスト層
3と中間膜4の境界から剥離が発生した。
【0093】ところが、第1のフォトレジスト層3の表
面を、Arガス中で、3.8×10-3torrにより1
分間逆スパッタを行った後、中間層4を形成したとこ
ろ、剥離が発生しなかった。
【0094】したがって、第1のフォトレジスト層3の
表面を逆スパッタすることにより、酸化膜である中間層
4との密着性を向上させることができ、第1のフォトレ
ジスト層3を現像するとき、第1のフォトレジスト層3
から中間層4が剥がれるのを防止することができる。
【0095】〈実験例3〉本実験では、図1に示した第
1の記録光Laと第2の記録光Lbにより潜像を形成す
る実験を行った。
【0096】すなわち、第1の記録光Laにより、第1
のフォトレジスト層3及び第2のフォトレジスト層5に
潜像3a、5aを形成する。
【0097】この場合、第1のフォトレジスト層3及び
第2のフォトレジスト層5のいずれもが、ポジ型である
ので、潜像部分3a、5aは、アルカリ水溶液に可溶で
ある。そこで、第2のフォトレジスト層5の現像にアル
カリ水溶液、酸化膜である中間層4のエッチングに酸、
第1のフォトレジスト層3の現像に、アルカリ水溶液を
使用することにより、ピットのパターニングが可能にな
る。
【0098】第2の記録光Lbにより、第2のフォトレ
ジスト層5だけに潜像5bを形成する。第2のフォトレ
ジスト層5も、ポジ型であるので、潜像部分5bは、ア
ルカリ水溶液に可溶である。第2のフォトレジスト層5
の現像に、アルカリ水溶液を使用しているので、ハーフ
グルーブのパターニングが可能になる。すなわち、中間
層4のエッチング及び第1のフォトレジスト層3の現像
を行っても、第2の記録光Lbによっては、第1のフォ
トレジスト層3に潜像が形成されないので、現像され
ず、第1のフォトレジスト層3にパターンは形成されな
い。
【0099】そして、第1の記録光Laの露光強度は、
第2の記録光Lbの露光強度よりも強いので、第1の記
録光Laにより第1のフォトレジスト層3と第2のフォ
トレジスト層5にわたって形成されるピットの幅は、第
2の記録光Lbにより第2のフォトレジスト層5にのみ
形成されるハーフグルーブの幅よりも広くなる。
【0100】したがって、深さの異なるピットとハーフ
グルーブ及びハーフグルーブよりも幅の広いピットを容
易に形成することができる。
【0101】〈実験例4〉本実験では、露光後にベーク
を行うことにより、現像時の剥離を調べた。すなわち、
フォトレジストのプリベーク温度よりも高い温度で、上
記露光後にベークを行う。
【0102】具体的には、上記露光後に、130℃で1
0分間オーブンでベークを行い、現像時に剥離が発生す
るか調べたところ、剥離が発生しなかった。
【0103】したがって、露光前に高温でベークする
と、第1のフォトレジスト層3及び第2のフォトレジス
ト層5の露光感度が低下するが、いま、露光後に、高温
でベークを行っているので、第1のフォトレジスト層3
及び第2のフォトレジスト層5の露光感度を低下させる
ことなく、第1のフォトレジスト層3と酸化膜からなる
中間層5との密着性及び中間層4と第2のフォトレジス
ト層5との密着性を向上させることができる。
【0104】〈実験例5〉本実験では、中間層4の屈折
率と膜厚を変化させた場合のピットとハーフグルーブの
幅を調べた。
【0105】すなわち、第1のフォトレジスト層3及び
第2のフォトレジスト層5を、TSMR−8900を用
いて、1700Åの厚さに形成し、中間層4の屈折率と
膜厚を変化させて、ピットとハーフグルーブの幅を調べ
たところ、図2に示すような結果を得た。なお、図2に
おいて、ハーフグルーブ最大開口幅とは、これ以上大き
い露光強度(Pw)になると、第1のフォトレジスト層
3へパターンが形成される限界のハーフグルーブのこと
をいう。
【0106】図2において、条件1と条件2では、中間
層4をITOで形成し、ITOの膜厚によるパターン幅
を調べたところ、ITOの膜厚が60Åのときは、0.
77μmの幅のハーフグルーブが得られたものの、ピッ
ト形状が、図3に示すような段状になった。ITOの膜
厚を50Åに減らすと、ピット形状は、図4に示すよう
なスムーズになるものの、0.68μmの幅のハーフグ
ルーブが形成された。条件3では、ITOよりも屈折率
の小さいSiO2 で中間層4を70Åの膜厚に形成した
ところ、条件2よりも、幅の広いハーフグルーブを形成
することができるとともに、ピット形状も段が形成され
ず、スムーズであった。
【0107】また、中間層4の膜厚が、0Å〜100Å
のときの露光波長(λ=458nm)に対する中間層4
のレーザーの透過率を調べたところ、図5に示す結果を
得た。
【0108】すなわち、図5に示すように、中間層4を
ITOで50Åの厚さに形成したときの透過率は、約9
0%であり、中間層4をITOで60Åの厚さに形成し
たときの透過率は、約88%であった。また、中間層4
をSiO2 で70Åの厚さに形成したときの透過率は、
約95%であった。以上の結果から、中間層4のレーザ
ーの透過率が、90%以上のとき、ピット形状がスムー
ズになることが判明した。
【0109】したがって、中間層4の屈折率を大きくす
ると、第2のフォトレジスト層5と中間層4の界面での
光の反射が強くなって、第1のフォトレジスト層3への
光が減少し、第1のフォトレジスト層3への光が減少し
た分、第2の記録光Lbを強くすることができる。その
結果、第2のフォトレジスト層5の潜像が広くなって、
潜像が広くなった分、幅の広いハーフグルーブを形成す
ることができる。したがって、中間層4の屈折率を調整
することにより、ハーフグルーブの幅を制御することが
できる。
【0110】また、中間層4の膜厚を厚くすると、中間
層4で吸収される光が多くなり、第1のフォトレジスト
層3への光が減少して、第1のフォトレジスト層3への
光が減少した分、第2の記録光Lbを強くすることがで
きる。したがって、第2のフォトレジスト層5の潜像が
広くなり、潜像が広くなった分、ハーフグルーブの幅を
広くすることができる。その結果、中間層4の膜厚を調
整することにより、ハーフグルーブの幅を制御すること
ができる。
【0111】以上の結果から、中間層4の屈折率と膜厚
とを適宜調整することにより、ハーフグルーブの幅を容
易に制御することができ、目的とする幅のハーフグルー
ブを中間層4の屈折率と膜厚及びレーザーの露光強度を
制御することにより、容易に、かつ、適切に形成するこ
とができる。また、段のないピットを容易に形成するこ
とができる。
【0112】〈実験例6〉本実験では、第1のフォトレ
ジスト層3と第2のフォトレジスト層5の露光感度を変
えたときのピットとハーフグルーブの形成状態を調べ
た。
【0113】すなわち、本実験では、ITOにより中間
層4を60Åの厚さに形成し、2つのフォトレジスト層
3、5を露光感度の異なるフォトレジスト材により形成
して、ピットとハーフグルーブの幅を調べた。
【0114】具体的には、図6に示すように、条件1で
は、第1のフォトレジスト層3と第2のフォトレジスト
層5を同じフォトレジスト材(TSMR−8900)で
形成し、条件4では、第1のフォトレジスト層3を、高
露光感度のフォトレジスト材であるTSMR−V90M
(東京応化工業製)で、第2のフォトレジスト層5を、
第1のフォトレジスト層3よりも低い露光感度のTSM
R−8900で形成した。
【0115】上記実験の結果、図6に示すように、条件
1では、ピットに図3に示したような段が発生したが、
条件4では、段がなくなり、上記実験例5の条件3と同
様に、図4に示したように、段のないスムースな形状の
ピットを形成することができた。
【0116】すなわち、第1のフォトレジスト層3の露
光感度を第2のフォトレジスト層5の露光感度よりも低
くすると、第1のフォトレジスト層3に潜像を形成する
のに強い光を必要とし、第1のフォトレジスト層3に潜
像が形成されにくくなる。その分、第2の記録光Lbを
強くすることができ、第2のフォトレジスト層5の潜像
が広くって、潜像が広くなった分、ハーフグルーブの幅
も広くなる。その結果、第1のフォトレジスト層3と第
2のフォトレジスト層5の露光感度を変えることによ
り、ハーフグルーブの幅を制御することができる。
【0117】また、第1のフォトレジスト層3と第2の
フォトレジスト層5にポジ型レジストを使用しているの
で、第1のフォトレジスト層3と第2のフォトレジスト
層5の境界部分に図3に示したような段が発生するが、
第1のフォトレジスト層3の開口部分と第2のフォトレ
ジスト層5の底部分の幅を、フォトレジストの露光感度
を変えることにより、段の発生を防止することができ
る。
【0118】次に、本発明の光ディスク原盤の製造方法
及び光ディスク原盤の第4の実施の形態について、図7
に基づいて、説明する。本実施の形態は、第1のフォト
レジスト層をネガ型フォトレジスト材で形成したもので
ある。
【0119】本実施の形態では、光ディスク原盤11
は、ガラス基板12を洗浄した後、その露光部分がアル
カリ水溶液に不溶であるネガ型レジスト材のFHT−3
32S(Fujiハント製)を用いて、スピンコート法
により1700Åの厚さに第1のフォトレジスト層13
を形成し、プリベークを行う。
【0120】第1のフォトレジスト層13の表面を逆ス
パッタした後、ITOをArとO2雰囲気中でDCマグ
ネトロンスパッタを行うことにより、中間層14を10
0Åの厚さに形成する。
【0121】この中間層14の表面をHMDS処理した
後、ポジ型レジストであるTSMR−8900を用いて
スピンコート法により1700Åの厚さに第2のフォト
レジスト層15を形成し、プリベークを行う。
【0122】すなわち、本実施の形態では、第1のフォ
トレジスト層13をネガ型フォトレジスト材で、第2の
フォトレジスト層15をポジ型フォトレジスト材で、そ
れぞれ形成するが、中間層14を形成する前に、第1の
フォトレジスト層13の表面を逆スパッタするととも
に、第2のフォトレジスト層15を形成する前に、IT
Oで形成した中間層14の表面をHMDS処理してい
る。
【0123】このようにして第1のフォトレジスト層1
3、中間層14及び第2のフォトレジスト層15を形成
すると、次に、レーザーの露光、エッチング及び現像を
行って、ハーフグルーブとピットを形成する。
【0124】具体的には、図7に示したように、第1の
記録光Laの露光強度を、5.0mW、第2の記録光L
bを2.0mWとし、1.2m/sの線速のレーザー
を、第1のフォトレジスト層15側から光ディスク原盤
11に照射することにより露光する。第1の記録光La
により、図7に示すように、第1のフォトレジスト層1
3には、アルカリ水溶液に不溶な潜像13aが、第2の
フォトレジスト層15には、アルカリ水溶液に可溶な潜
像15aが、それぞれ形成され、第2の記録光Lbによ
り、第2のフォトレジスト層15のみにアルカリ水溶液
に可溶な潜像15bが形成される。
【0125】上記レーザーの露光後、現像を行う前に、
130℃で20分間ベークを行った後、アルカリ水溶液
であるDE−3により、第2のフォトレジスト層15を
現像する1回目の現像を行い、純水で10%以下に希釈
した硝酸により、ITOで形成した中間層14のエッチ
ングを行って、その後、再度、DE−3により第1のフ
ォトレジスト層13を現像する2回目の現像を行う。
【0126】上記現像及びエッチングにより、開口幅が
0.95μmで、深さが1800Åの深さの浅い台形形
状のハーフグルーブが形成され、開口幅が0.65μm
で、深さが3500Åの深さの深い台形形状のピットが
形成される。
【0127】次に、本発明の光ディスク原盤の製造方法
及び光ディスク原盤の第5の実施の形態について説明す
る。本実施の形態は、上記第4の実施の形態と同様の光
ディスク及び光ディスクの製造方法に適用したものであ
り、本実施の形態の説明においては、上記図 で用いた
符号をそのまま用い、その詳細な説明を省略する。
【0128】本実施の形態では、ガラス基板2を洗浄し
た後、ガラス基板2上にその露光部分がアルカリ水溶液
に不溶であるネガ型レジスト材であるFHT−332S
を用いてスピンコート法により1700Åの厚さの第1
のフォトレジスト層13を形成して、プリベークを行
う。
【0129】この第1のフォトレジスト層13の表面を
逆スパッタした後、ITOをArとO2 雰囲気中でDC
マグネトロンスパッタを行って、酸化膜である中間層1
4を70Åの厚さに形成する。
【0130】中間層14の表面をHMDS処理した後、
ポジ型レジストであるTSMR−GP8000を用いて
スピンコート法により第2のフォトレジスト層15を1
700Åの厚さに形成し、プリベークを行う。
【0131】すなわち、本実施の形態では、中間層14
を形成する前に、ネガ型の第1のフォトレジスト層13
の表面を逆スパッタするとともに、ポジ型の第2のフォ
トレジスト層15を形成する前に、中間層14の表面を
HMDS処理している。
【0132】このようにして第1のフォトレジスト層1
3、中間層14及び第2のフォトレジスト層15を形成
すると、次に、レーザーの露光、エッチング及び現像を
行って、ハーフグルーブとピットを形成する。
【0133】具体的には、図7に示したように、第1の
記録光Laの露光強度を、5.0mW、第2の記録光L
bを、1.6mWとし、1.2m/sの線速のレーザー
を、第1のフォトレジスト層15側から光ディスク原盤
11に照射することにより露光する。第1の記録光La
により、図7に示したように、第1のフォトレジスト層
13には、アルカリ水溶液に不溶な潜像13aが、第2
のフォトレジスト層15には、アルカリ水溶液に可溶な
潜像15aが、それぞれ形成され、第2の記録光Lbに
より、第2のフォトレジスト層15のみにアルカリ水溶
液に可溶な潜像15bが形成される。
【0134】上記レーザーの露光後、現像を行う前に、
130℃で20分間ベークを行った後、アルカリ水溶液
であるDE−3により、第2のフォトレジスト層15を
現像する1回目の現像を行い、純水で10%以下に希釈
した硝酸により、ITOで形成した中間層14のエッチ
ングを行って、その後、再度、DE−3により第1のフ
ォトレジスト層13を現像する2回目の現像を行う。
【0135】上記現像及びエッチングにより、開口幅が
0.95μmで、深さが1770Åの深さの浅い台形形
状のハーフグルーブが形成され、開口幅が0.67μm
で、深さが3470Åの深さの深い台形形状のピットが
形成される。
【0136】〈実験例7〉ガラス基盤上にネガ型の第1
のフォトレジスト層、中間層、ポジ型の第2のフォトレ
ジスト層を順次形成して、ピットとハーフグルーブの形
状を調査した。なお、以下の実験例の説明においては、
図7の符号を用いて説明する。
【0137】図7に示したように、第1の記録光Laに
より、第1のフォトレジスト層13及び第2のフォトレ
ジスト層15に潜像を形成する。
【0138】第1のフォトレジスト層13は、ネガ型フ
ォトレジスト材で形成され、第2のフォトレジスト層1
5は、ポジ型フォトレジスト材により形成されているの
で、第1のフォトレジスト層13の潜像部分13aは、
アルカリ水溶液に不溶であり、第2のフォトレジスト層
15の潜像部分15a、15bは、アルカリ水溶液に可
溶である。そして、第1のフォトレジスト層13の現像
にアルカリ水溶液を使用しているので、酸化膜である中
間層14のエッチング及び第1のフォトレジスト層13
の現像を行っても、第1のフォトレジスト層13にアル
カリ水溶液に不溶の潜像13aが形成され、第1のフォ
トレジスト層13にパターンは形成されず、ハーフグル
ーブのパターニングが可能になる。
【0139】また、第2の記録光Lbにより、第2のフ
ォトレジスト層15だけに潜像15bを形成する。第2
のフォトレジスト層15は、ポジ型フォトレジスト材で
形成されているので、潜像部分16bは、アルカリ水溶
液に可溶である。したがって、第2のフォトレジスト層
15の現像にアルカリ水溶液、中間層14のエッチング
に酸、第1のフォトレジスト層13の現像にアルカリ水
溶液を使用することにより、ピットのパターニングが可
能になる。
【0140】このように、第1の記録光Laで第1のフ
ォトレジスト層13及び第2のフォトレジスト層15を
露光するので、ハーフグルーブを形成でき、第2の記録
光Lbで第2のフォトレジスト層15のみを露光するの
で、ピットを形成できる。また、第1のフォトレジスト
層13がネガ型レジスト材で形成され、第2のフォトレ
ジスト層15がポジ型レジスト材で形成されているの
で、ハーフグルーブを形成する第1の記録光Laの強度
が、ピットを形成する第2の記録光Lbの強度よりも大
きく、ハーフグルーブの幅がピットの幅よりも広くな
る。その結果、深さの異なるピットとハーフグルーブ及
びハーフグルーブよりも幅の広いピットを容易に形成す
ることができる。
【0141】〈実験例8〉本実験では、第1のフォトレ
ジスト層13をネガ型フォトレジスト材で形成し、第2
のフォトレジスト層15をポジ型フォトレジスト材で形
成して、中間層14の膜厚と屈折率を変化させて、ピッ
トとハーフグルーブの幅を調べた。
【0142】具体的には、第1のフォトレジスト層13
をネガ型フォトレジスト材であるFHT−332Sを用
いて形成し、第2のフォトレジスト層15をポジ型フォ
トレジスト材であるTSMR−8900を用いて形成し
て、中間層14の膜厚と屈折率を変えたときの、ピット
とハーフグルーブの幅を調べたところ、図8に示すよう
な結果を得た。
【0143】中間層14であるITOの膜厚が、60Å
のときは、光がITOを透過しすぎて、第1のフォトレ
ジスト層15を弱い露光パワーでも露光し、ピットが形
成できなかった。中間層14であるITOの膜厚が厚く
なると、第1のフォトレジスト層13への光の強度が減
少して、露光されにくくなるめ、ピットの幅が広くな
る。
【0144】また、図8に示すように、条件7では、屈
折率の高いTiO2 で中間層14を70Åの厚さに形成
した場合、条件5のITOにより80Åの厚さに中間層
14を形成した場合よりも薄い膜厚であるが、屈折率の
影響で、第1のフォトレジスト層13への光の強度が減
少して、露光されにくくなるため、ビットの幅が広くな
る。
【0145】中間層の膜厚が、0Å〜100Åのときの
露光波長(λ=458nm)に対する透過率を計算した
結果は、図5と同様であり、上述のように、ITOが、
60Åのときの透過率は、約88%で、80Åのときの
透過率は、84%である。また、TiO2 が、70Åの
ときの透過率は、約80%である。したがって、中間層
14の屈折率と膜厚を調整して透過率を85%以下にす
ることにより、ピットの幅を制御することができる。
【0146】したがって、中間層14の屈折率を大きく
すると、第2のフォトレジスト層15と中間層14の界
面での光の反射が広くなり、第1のフォトレジスト層1
3への光が減少する。第1のフォトレジスト層13への
光が減少した分、第1のフォトレジスト層13の潜像が
小さくなって、アルカリ可溶の部分が広くなるので、ピ
ットの幅も広くなる。したがって、中間層14の屈折率
を調整することにより、ピットの幅を制御することがで
きる。
【0147】また、中間層14の膜厚を厚くすると、中
間層14で吸収される光が多くなり、第1のフォトレジ
スト層15への光が減少する。第1のフォトレジスト層
15への光が減少した分、第1のフォトレジスト層15
の潜像が小さくなり、アルカリ水溶液に可溶の部分が広
くなるので、ピットの幅も広くなる。したがって、中間
層14の膜厚を調整することにより、ピットの幅を制御
することができる。
【0148】〈実験例9〉本実験では、第1のフォトレ
ジスト層13及び第2のフォトレジスト層15の露光感
度を変えたときのピットとハーフグルーブの幅を調べ
た。具体的には、中間層14をITOより70Åの厚さ
に形成し、高感度のフォトレジスト材としてTSMR−
GP8000を使用して、図9に条件5及び条件8で示
すように、第1のフォトレジスト層13と第2のフォト
レジスト層15の露光感度を変えたときのピットとハー
フグルーブの幅を調べた。
【0149】図9から分かるように、第1のフォトレジ
スト層13の露光感度を第2のフォトレジスト層15の
露光感度よりも低くすると、第1のフォトレジスト層1
3に潜像を作るのに強い光を必要とし、第1のフォトレ
ジスト層13に潜像が形成されにくくなり、アルカリ水
溶液に可溶の部分が広くなって、ピットの幅も広くな
る。
【0150】その結果、第1のフォトレジスト層13と
第2のフォトレジスト層15の露光感度を変えることに
より、ピットの幅を制御することができる。
【0151】〈実験例10〉本実験では、光ディスク原
盤からスタンパを形成する実験を行った。スタンパを形
成するには、光ディスク原盤をスタンパ化し、スタンパ
表面にある第1のフォトレジスト層や第2のフォトレジ
スト層及び酸化膜である中間層を除去しなければならな
い。
【0152】そこで、本実験では、第1のフォトレジス
ト層をIPA(イソプロピルアルコール)で溶かした
後、水洗、UV/O3 照射、再度、水洗を行うことで除
去する。なお、UV/O3 照射は、酸素O2 中で紫外線
UVを照射して、酸素がオゾンO3 に変化することによ
り、オゾンにより第1のフォトレジスト層を効率的に分
解する。
【0153】次に、酸化膜である中間層を酸で溶かした
後、水洗することで除去する。この酸は、中間層を形成
する酸化膜により異なり、例えば、ITOの場合は、希
塩酸を使用し、SiO2 の場合は、希フッ酸を使用す
る。
【0154】最後に、第2のフォトレジスト層を、第1
のフォトレジスト層と同じ方法で除去する。
【0155】このように光ディスク用スタンパの洗浄に
おいて、第1のフォトレジスト層のエッチング、酸化膜
からなる中間層のエッチング、第2のフォトレジスト層
のエッチングの順にスタンパ表面を洗浄すると、深さの
異なるピットとハーフグルーブを有する光ディスク用ス
タンパを容易に得ることができる。
【0156】以上、本発明者によってなされた発明を好
適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は
上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもな
い。
【0157】
【発明の効果】請求項1記載の発明の光ディスク原盤の
製造方法によれば、中間層と第2のフォトレジスト層と
の密着性を向上させることができ、第2のフォトレジス
ト層の現像時に、第2のフォトレジスト層が中間層から
剥がれることを防止することができる。
【0158】
【発明の効果】本発明の光ディスク原盤の製造方法によ
れば、第1のフォトレジスト層と中間層との密着性を向
上させることができ、第1のフォトレジスト層の現像時
に、中間層が剥がれることを防止することができる。
【0159】 本発明の光ディスク原盤の製造方法によ
れば、露光後にベークを行っているので、フォトレジス
トの露光感度を低下させることなく、各層の密着性を向
上させることができ、現像時に各層が剥がれることを防
止することができる。
【0160】 本発明の光ディスク原盤の製造方法によ
れば、第1のフォトレジスト層と第2のフォトレジスト
層の露光感度を調整することにより、深さの異なる台形
形状のピットとハーフグルーブを容易に形成することが
できるとともに、ピットの段の発生を防止することがで
きる。
【0161】 本発明の光ディスク原盤の製造方法によ
れば、第1と第2のフォトレジスト層の双方を露光強度
の強い第1の記録光により露光して深さの深いピットを
形成し、第2のフォトレジスト層のみを露光強度の弱い
第2の記録光により露光して深さの浅いハーフグルーブ
を形成するとともに、露光部分がアルカリ水溶液に可溶
であるので、ハーフグルーブよりも幅の広いピットを容
易に形成することができる。
【0162】 本発明の光ディスク原盤の製造方法によ
れば、第1のフォトレジスト層と第2のフォトレジスト
層の双方を露光する第1の記録光でピットを形成し、第
2のフォトレジスト層のみを露光する第2の記録光でハ
ーフグルーブを形成して、深さの異なるピットとハーフ
グルーブを容易に形成することができるとともに、ハー
フグルーブよりも幅が広く段のないピットを形成するこ
とができる。
【0163】 本発明の光ディスク原盤の製造方法によ
れば、第1と第2のフォトレジスト層の双方を露光強度
の強い第1の記録光により露光し、第2のフォトレジス
ト層のみを露光強度の弱い第2の記録光により露光する
が、第1のフォトレジスト層がネガ型フォトレジストで
あり、露光部分がアルカリ水溶液に不溶であるので、露
光強度の強い第1の記録光により深さの浅いハーフグル
ーブが形成され、露光強度の弱い第2の記録光により深
さの深いピットが形成される。したがって、ハーフグル
ーブよりも幅が広く、段のないピットを容易に形成する
ことができる。
【0164】 本発明の光ディスク原盤の製造方法によ
れば、中間層の屈折率と膜厚を調整することにより、第
1のフォトレジスト層と第2のフォトレジスト層の双方
を露光する第1の記録光でハーフグルーブを形成し、第
2のフォトレジスト層のみを露光する第2の記録光でピ
ットを形成して、深さの異なる台形形状のピットとハー
フグルーブを容易に形成することができるとともに、ハ
ーフグルーブよりも幅の狭いピットを形成することがで
きる。
【0165】 本発明の光ディスク原盤によれば、深さ
の浅い台形形状のハーフグルーブと深さが深くハーフグ
ルーブよりも幅の広いピットを簡単に形成することがで
き、光ディスクの再生波長に対して安定したトラッキン
グ及び正確な再生信号を得ることができる。
【0166】 本発明の光ディスク原盤によれば、深さ
の深いピットと深さが浅く幅の広いハーフグルーブを簡
単に形成することができ、光ディスクの再生波長に対し
て、安定したトラッキング及び正確な再生信号を得るこ
とができる。
【0167】 本発明の光ディスク用スタンパの製造方
法によれば、光ディスク用スタンパの洗浄において、前
記第1のフォトレジスト層のエッチング、前記中間層の
エッチング及び前記第2のフォトレジスト層のエッチン
グの順にスタンパ表面を洗浄することができ、深さの異
なるピットとハーフグルーブを有する光ディスク用スタ
ンパを得ることができる。
【0168】 本発明の光ディスク用スタンパによれ
ば、光ディスク用スタンパの洗浄において、前記第1の
フォトレジスト層のエッチング、前記中間層のエッチン
グ及び前記第2のフォトレジスト層のエッチングの順に
スタンパ表面を洗浄することができ、深さの異なるピッ
トとハーフグルーブを有する光ディスク用スタンパを得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ディスク原盤の製造方法、光ディス
ク原盤、光ディスク用スタンパ及び光ディスク用スタン
パの製造方法の第1の実施の形態を適用した光ディスク
原盤の側面断面図。
【図2】中間層の屈折率と膜厚を変化させた場合のピッ
トとハーフグルーブの幅及び段の有無の実験結果を示す
図。
【図3】第1のフォトレジスト層と第2のフォトレジス
ト層との境界部分に段の発生した状態を示す光ディスク
原盤の側面図。
【図4】第1のフォトレジスト層と第2のフォトレジス
ト層との境界部分に段が発生せずスムーズな状態を示す
光ディスク原盤の側面図。
【図5】中間層の膜厚とレーザーの透過率の関係を示す
図。
【図6】第1のフォトレジスト層と第2のフォトレジス
ト層の露光感度を変えたときのピットとハーフグルーブ
の幅及び段の有無の実験結果を示す図。
【図7】本発明の光ディスク原盤の製造方法、光ディス
ク原盤、光ディスク用スタンパ及び光ディスク用スタン
パの製造方法の第4の実施の形態を適用した光ディスク
原盤の側面断面図。
【図8】第1のフォトレジスト層をネガ型で、第2のフ
ォトレジスト層をポジ型で形成して、中間層の膜厚と屈
折率を変化させたときのピットとハーフグルーブの幅の
実験結果を示す図。
【図9】第1のフォトレジスト層と第2のフォトレジス
ト層の露光感度を変えたときのピットとハーフグルーブ
の幅の実験結果を示す図。
【符号の説明】
1、11 光ディスク原盤 2、12 ガラス基板 3、13 第1のフォトレジスト層 3a、13a 潜像部分 4、14 中間層 5、15 第2のフォトレジスト層 5a、5b、15a、15b 潜像部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−161077(JP,A) 特開 昭60−45957(JP,A) 特開 平7−235084(JP,A) 特開 平5−166719(JP,A) 特開 昭57−173941(JP,A) 特開 平2−247842(JP,A) 特開 昭61−123035(JP,A) 特開 平6−150395(JP,A) 特開 昭62−239530(JP,A) 特開 平2−249226(JP,A) 特開 平6−214397(JP,A) 特開 平5−94022(JP,A) 特開 平6−84787(JP,A) 特開 昭60−129745(JP,A) 特開 平2−58062(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/26

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基盤上に、スピンコート法により厚さ3
    00Å〜2000Åの第1のフォトレジスト層を形成
    し、該第1のフォトレジスト層上にスパッタ法、蒸着
    法、あるいは、CVD法のうちいずれか一つの方法によ
    り厚さ50Å〜300Åの酸化膜からなる中間層を形成
    し、さらに、スピンコート法により厚さ300Å〜20
    00Åの第2のフォトレジスト層を順次積層して形成
    し、前記第2のフォトレジスト層側から前記第1のフォ
    トレジスト層と前記第2のフォトレジスト層の双方を露
    光する第1の記録光と前記第2のフォトレジスト層のみ
    を露光する第2の記録光とにより露光した後、前記第2
    のフォトレジスト層の現像、前記中間層のエッチング及
    び前記第1のフォトレジスト層の現像により光ディスク
    原盤を形成する光ディスク原盤の製造方法において、 前記中間層を形成する前に、前記第1のフォトレジスト
    層の表面を逆スパッタ処理を施すことを特徴とする光デ
    ィスク原盤の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記露光後であって前記第2のフォトレジスト層を現像
    する前に、略130℃でベークを行うことを特徴とする
    光ディスク原盤の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、 前記第1のフォトレジスト層の露光感度と前記第2フォ
    トレジストの露光感度を異ならせ、前記第2の記録光の
    強度の許容範囲を変えることを特徴とする光ディスク原
    盤の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3において、 前記第1のフォトレジスト層及び前記第2のフォトレジ
    スト層は、その露光部分がアルカリ水溶液に可溶なポジ
    型フォトレジストにより形成されており、前記第1の記
    録光が、前記第2の記録光よりもその露光強度が強いこ
    とを特徴とする光ディスク原盤の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記中間層は、前記第1及び第2の記録光が90%以上
    透過する屈折率及び膜厚に形成し、前記第2の記録光の
    強度の許容範囲を変えることを特徴とする光ディスク原
    盤の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1、2又は3において、 前記第1のフォトレジスト層は、その露光部分がアルカ
    リ水溶液に不溶となるネガ型フォトレジストにより形成
    され、前記第2のフォトレジスト層は、その露光部分が
    アルカリ水溶液に可溶なポジ型フォトレジストにより形
    成されており、前記第1の記録光が、前記第2の記録光
    よりもその露光強度が強いことを特徴とする光ディスク
    原盤の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 前記中間層は、前記第1及び第2の記録光が85%以下
    透過する屈折率及び膜厚に形成し、前記第2の記録光の
    強度の許容範囲を変えることを特徴とする光ディスクの
    製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項4又は5に記載の光ディスク原盤
    製造方法により製造される光ディスク原盤であって、 前記第1の記録光により深さの深い第1の露光パターン
    が露光され、前記第2の記録光により深さの浅い第2の
    露光パターンがが露光され、かつ、前記第1の露光パタ
    ーンが前記第2の露光パターンよりも幅が広く露光され
    ることにより形成されていることを特徴とする光ディス
    ク原盤。
  9. 【請求項9】 請求項6又は7に記載の光ディスク原盤
    製造方法により製造される光ディスク原盤であって、 前記第1の記録光により深さの浅い第1の露光パターン
    が露光され、前記第2の記録光により深さの深い第2の
    露光パターンがが露光され、かつ、前記第2の露光パタ
    ーンが前記第1の露光パターンよりも幅が狭く露光され
    ることにより形成されていることを特徴とする光ディス
    ク原盤。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9に記載の光ディスク原
    盤に、Ni膜をスパッタあるいは蒸着により形成した
    後、Niを電鋳し、さらに前記基盤からNiを剥離した
    後、前記第1のフォトレジスト層のエッチング、前記中
    間層のエッチング及び前記第2のフォトレジスト層のエ
    ッチングを順次行うことを特徴とする光ディスク用スタ
    ンパの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項8又は9に記載の光ディスク原
    盤に、Ni膜をスパッタあるいは蒸着により形成した
    後、Niを電鋳し、さらに前記基盤からNiを剥離した
    後、前記第1のフォトレジスト層のエッチング、前記中
    間層のエッチング及び前記第2のフォトレジスト層のエ
    ッチングを順次行って製造したことを特徴とする光ディ
    スク用スタンパ。
JP19848496A 1996-06-11 1996-07-09 光ディスク原盤の製造方法、光ディスク原盤、光ディスク用スタンパ及び光ディスク用スタンパの製造方法 Expired - Fee Related JP3479413B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19848496A JP3479413B2 (ja) 1996-06-11 1996-07-09 光ディスク原盤の製造方法、光ディスク原盤、光ディスク用スタンパ及び光ディスク用スタンパの製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17182196 1996-06-11
JP8-171821 1996-06-11
JP19848496A JP3479413B2 (ja) 1996-06-11 1996-07-09 光ディスク原盤の製造方法、光ディスク原盤、光ディスク用スタンパ及び光ディスク用スタンパの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1064123A JPH1064123A (ja) 1998-03-06
JP3479413B2 true JP3479413B2 (ja) 2003-12-15

Family

ID=26494411

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19848496A Expired - Fee Related JP3479413B2 (ja) 1996-06-11 1996-07-09 光ディスク原盤の製造方法、光ディスク原盤、光ディスク用スタンパ及び光ディスク用スタンパの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3479413B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107689321B (zh) * 2016-08-03 2020-06-02 中芯国际集成电路制造(上海)有限公司 图案化光阻的形成方法及其结构

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1064123A (ja) 1998-03-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7223505B2 (en) Method for forming micropatterns
US6127100A (en) Method of manufacturing a stamper for use in optical information recording medium
US20050006336A1 (en) Information medium master manufacturing method information medium stamper manufacturing method information medium master manufacturing apparatus and information medium stamper manufacturing apparatus
US5979772A (en) Optical card
JP3479413B2 (ja) 光ディスク原盤の製造方法、光ディスク原盤、光ディスク用スタンパ及び光ディスク用スタンパの製造方法
JP2000113526A (ja) 光情報記録媒体用スタンパの製造方法
JP3548413B2 (ja) 光ディスクのフォトレジスト原盤の製造方法
JP3014065B2 (ja) 光ディスク,ガラスマスタ,ガラススタンパ,ガラス基板,それらの製造方法
JP2001143331A (ja) 光ディスク原盤及びマスタスタンパの製造方法
JP3129419B2 (ja) 光ディスク用ガラスマスタの製造方法及び光ディスク用ガラスマスタ
JP3476621B2 (ja) 光ディスク原盤及びその製造方法
JP3230313B2 (ja) 反応性イオンエッチングによるパターニング加工物の製造方法
JPH11353718A (ja) 光ディスク原盤の製造方法及びマスタスタンパの製造方法
JPH071389B2 (ja) フオトマスクの製造方法
JPH09297940A (ja) スタンパの製造方法
JP3586731B2 (ja) 光ディスク用ガラス原盤の作製方法
JP2739841B2 (ja) 情報記録媒体の製造方法
JP2003316013A (ja) 露光方法および光学記録媒体製造用原盤の製造方法
JPH01317241A (ja) 光デイスク原盤作製法
JP2001243662A (ja) 記録媒体の製造方法、および記録媒体製造用原盤の製造方法
JPS6266444A (ja) 光メモリ素子用フオトマスク
JPS6275952A (ja) 光メモリ素子の製造方法
JPH06243512A (ja) 光ディスク用原盤の作製法
JPS6266443A (ja) 光メモリ素子用フオトマスク
JPH0585972B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081003

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081003

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091003

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees