JP2003316013A - 露光方法および光学記録媒体製造用原盤の製造方法 - Google Patents

露光方法および光学記録媒体製造用原盤の製造方法

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JP2003316013A
JP2003316013A JP2002117355A JP2002117355A JP2003316013A JP 2003316013 A JP2003316013 A JP 2003316013A JP 2002117355 A JP2002117355 A JP 2002117355A JP 2002117355 A JP2002117355 A JP 2002117355A JP 2003316013 A JP2003316013 A JP 2003316013A
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manufacturing
master
light
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Shingo Imanishi
慎悟 今西
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】定在波の影響による露光パワー不足を回避する
ことができる露光方法と、これを用いた光学記録媒体製
造用原盤の製造方法を提供する。 【解決手段】第1の屈折率の基材10上に、第2の屈折
率の層11を形成し、第2の屈折率の層11の上層に、
第3の屈折率のフォトレジスト膜12を形成する。次
に、フォトレジスト膜12に所定波長の光EXでパター
ン露光する。ここで、所定波長における第2の屈折率
は、第1の屈折率よりも第3の屈折率に近い構成とす
る。あるいは、第1の屈折率の基材上に、第2の屈折率
のフォトレジスト膜を形成し、フォトレジスト膜に所定
波長の光でパターン露光する。ここで、所定波長の光と
して、上記第1の屈折率と上記第2の屈折率の差が0.
3以下となるような波長の光を選択して用いる構成とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、露光方法と、この
露光方法を用いた光学記録媒体製造用原盤の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報記録の分野においては、光学
情報記録方式に関する研究が各所で進められている。こ
の光学情報記録方式は、非接触で記録・再生が行えるこ
と、再生専用型、追記型、書換可能型のそれぞれのメモ
リ形態に対応できるなどの数々の利点を有し、安価な大
容量ファイルの実現を可能とする方式として産業用から
民生用まで幅広い用途が考えられている。
【0003】上記の各種光学情報記録方式用の光学記録
媒体(以下、光ディスクともいう)の大容量化は、主
に、光学情報記録方式に用いる光源となるレーザ光の短
波長化と、高開口数の対物レンズを採用することによ
り、焦点面でのスポットサイズを小さくすることで達成
してきた。
【0004】例えば、次世代の光ディスクシステムにお
いては、ディスク基材(媒体基材)の表面にグルーブや
ピットなどの光学記録層用の凹凸形状が形成され、この
凹凸形状の形成面に光学記録層が形成され、この光学記
録層上に例えば0.1mm程度の光透過性の保護膜が設
けられてなる光ディスクに、開口数が0.78以上の対
物レンズで波長が450nm以下の記録または再生用の
レーザ光を保護層側から照射することで大容量化を図っ
ている。
【0005】上記の光ディスクは、例えば以下のような
方法で製造される。まず、表面を平滑に研磨処理された
ガラス基板を原盤基材として、この表面にフォトレジス
ト膜を成膜し、グルーブやピットなどの凹凸形状のパタ
ーンに露光および現像して、光学記録層転写用の凹凸形
状を有する原盤を形成する。次に、原盤の凹凸形状形成
面にニッケルなどの金属をメッキ処理して、スタンパを
形成する。あるいは、これをマスタスタンパとして、凹
凸形状を転写してマザースタンパやサンスタンパを作成
してもよい。次に、上記のようにして得たスタンパを射
出成形用金型に設置してポリカーボネートなどの樹脂を
射出して、グルーブやピットなどの光学記録層転写用の
凹凸形状が一表面に設けられたディスク基材を作成す
る。次に、ディスク基材の凹凸形状の形成面に光学記録
層を形成し、保護層を形成して所望の光ディスクとす
る。
【0006】上記のように、光ディスク製造用の原盤に
おいては原盤基材としてガラスを用いており、ガラス基
板の表面にフォトレジスト膜を形成した場合、通常露光
に用いられるどのようなレーザ光の波長であってもガラ
スとフォトレジスト膜の屈折率差が0.3を越えること
はない。このため、フォトレジスト膜底面での反射率は
1%を越えることはなく、定在波の影響で露光パワー不
足に陥ることはない。
【0007】露光プロセスにより得られた原盤から金属
製スタンパを形成しないで、そのまま射出成形用金型に
設置してディスク基材などを作成する方法が提案されて
いる。しかし、この方法では原盤基材がガラスであるた
めに、加工時や成形時に割れやすいという欠点がある。
【0008】一方、光ディスクの大容量化にあたって、
グルーブやピットなどの凹凸形状をさらに微細に形成す
るため、シリコン基板を原盤基材とする方法が知られて
おり、この場合には加工時や成形時にガラス基板よりも
比較的割れにくいという特性がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シリコ
ン基板を原盤基材として用いると、I線やG線近傍の波
長を持ったレーザ光で露光を行う場合には、シリコンと
フォトレジスト膜の屈折率の差が大きく、定在波の影響
でフォトレジスト膜底部で露光パワー不足となる問題が
ある。例えば、351nmの波長のレーザ光を用いた場
合、シリコンの屈折率が約5.0であり、フォトレジス
ト膜の屈折率が約1.7なので、その差が3.3とな
り、フォトレジスト膜底面での反射率が約24%にもな
るため、定在波の影響が無視できなくなる。
【0010】本発明は上記の状況に鑑みてなされたもの
であり、従って本発明の目的は、原盤の基材としてシリ
コン基板などの高反射率の基材を用いた場合にも定在波
の影響による露光パワー不足を回避することができる露
光方法と、これを用いた光学記録媒体製造用原盤の製造
方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の露光方法は、第1の屈折率の基材上に、
第2の屈折率の層を形成する工程と、上記第2の屈折率
の層の上層に、第3の屈折率のフォトレジスト膜を形成
する工程と、上記フォトレジスト膜に所定波長の光でパ
ターン露光する工程とを有し、上記所定波長における上
記第2の屈折率は、上記第1の屈折率よりも上記第3の
屈折率に近い。
【0012】上記の本発明の露光方法は、第1の屈折率
の基材上に、第2の屈折率の層を形成し、第2の屈折率
の層の上層に、第3の屈折率のフォトレジスト膜を形成
する。次に、フォトレジスト膜に所定波長の光でパター
ン露光する。ここで、所定波長における第2の屈折率
は、第1の屈折率よりも上記第3の屈折率に近い構成と
する。
【0013】上記の本発明の露光方法は、好適には、上
記第2の屈折率と上記第3の屈折率の差が0.3以下で
ある。また、好適には、上記第2の屈折率の層の光学的
膜厚と上記フォトレジスト膜の光学的膜厚の和が上記所
定波長の半分より小さい。
【0014】また、上記の目的を達成するために、本発
明の露光方法は、第1の屈折率の基材上に、第2の屈折
率のフォトレジスト膜を形成する工程と、上記フォトレ
ジスト膜に所定波長の光でパターン露光する工程とを有
し、上記所定波長の光として、上記第1の屈折率と上記
第2の屈折率の差が0.3以下となるような波長の光を
選択して用いる。
【0015】上記の本発明の露光方法は、第1の屈折率
の基材上に、第2の屈折率のフォトレジスト膜を形成
し、フォトレジスト膜に所定波長の光でパターン露光す
る。ここで、所定波長の光として、上記第1の屈折率と
上記第2の屈折率の差が0.3以下となるような波長の
光を選択して用いる。
【0016】また、上記の目的を達成するために、本発
明の光学記録媒体製造用原盤の製造方法は、少なくとも
1層の光学記録層を有する光学記録媒体を構成する媒体
基材を製造するための光学記録媒体製造用原盤の製造方
法であって、第1の屈折率の原盤基材上に、第2の屈折
率の層を形成する工程と、上記第2の屈折率の層の上層
に、第3の屈折率のフォトレジスト膜を形成する工程
と、上記フォトレジスト膜に所定波長の光でパターン露
光する工程と、上記フォトレジスト膜を現像する工程
と、上記フォトレジスト膜をマスクとして少なくとも上
記第2の屈折率の層をエッチングし、光学記録媒体製造
用原盤とする工程とを有し、上記所定波長における上記
第2の屈折率は、上記第1の屈折率よりも上記第3の屈
折率に近い。
【0017】上記の本発明の光学記録媒体製造用原盤の
製造方法は、第1の屈折率の原盤基材上に、第2の屈折
率の層を形成し、第2の屈折率の層の上層に第3の屈折
率のフォトレジスト膜を形成する。次に、フォトレジス
ト膜に所定波長の光でパターン露光し、現像して、フォ
トレジスト膜をマスクとして少なくとも第2の屈折率の
層をエッチングし、光学記録媒体製造用原盤とする。こ
こで、所定波長における第2の屈折率は、第1の屈折率
よりも第3の屈折率に近い構成とする。
【0018】上記の本発明の光学記録媒体製造用原盤の
製造方法は、好適には、上記第2の屈折率と上記第3の
屈折率の差が0.3以下である。また、好適には、上記
第2の屈折率の層の光学的膜厚と上記フォトレジスト膜
の光学的膜厚の和が上記所定波長の半分より小さい。
【0019】また、上記の目的を達成するために、本発
明の光学記録媒体製造用原盤の製造方法は、少なくとも
1層の光学記録層を有する光学記録媒体を構成する媒体
基材を製造するための光学記録媒体製造用原盤の製造方
法であって、第1の屈折率の原盤基材上に、第2の屈折
率のフォトレジスト膜を形成する工程と、上記フォトレ
ジスト膜に所定波長の光でパターン露光する工程と、上
記フォトレジスト膜を現像する工程と、上記フォトレジ
スト膜をマスクとして上記原盤基材をエッチングし、光
学記録媒体製造用原盤とする工程とを有し、上記所定波
長の光として、上記第1の屈折率と上記第2の屈折率の
差が0.3以下となるような波長の光を選択して用い
る。
【0020】上記の本発明の光学記録媒体製造用原盤の
製造方法は、第1の屈折率の原盤基材上に、第2の屈折
率のフォトレジスト膜を形成する。次に、フォトレジス
ト膜に所定波長の光でパターン露光し、現像して、フォ
トレジスト膜をマスクとして原盤基材をエッチングし、
光学記録媒体製造用原盤とする。ここで、所定波長の光
として、第1の屈折率と第2の屈折率の差が0.3以下
となるような波長の光を選択して用いる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態に係る露光方
法と、この露光方法を用いた光学記録媒体(光ディス
ク)製造用原盤の製造方法の実施の形態について、図面
を用いて詳しく説明する。
【0022】第1実施形態 本実施形態に係る露光方法は、光ディスク製造用原盤と
なる原盤基材などの基材上にフォトレジスト膜を成膜し
て、パターン露光する場合に、パターン露光に用いる光
の波長において、基材の屈折率(第1の屈折率)よりも
フォトレジスト膜の屈折率(第3の屈折率)に近い屈折
率(第2の屈折率)となる層を基材とフォトレジスト膜
の間に設けておくものであり、このような第2の屈折率
の層を設けることで、フォトレジスト膜とその直下の層
との屈折率の差が小さくなり、この界面における露光す
る光の反射率が低減され、シリコン基板などの高反射率
の基材を用いた場合にも、定在波の影響を抑制して露光
パワー不足となるのを回避することができる。特に、フ
ォトレジスト膜とその直下の層との屈折率の差を0.3
以下とすることで、この界面における露光する光の反射
率が1%を越えることがなく、定在波の影響をさらに抑
制できる。
【0023】また、第2の屈折率の層の光学的膜厚とフ
ォトレジスト膜の光学的膜厚の和がパターン露光に用い
る光の波長の半分より小さくなるように設定すると、フ
ォトレジスト膜中の定在波の節が位置することがなくな
り、露光パワー不足となる可能性が格段に減少する。
【0024】以下、本実施形態に係る露光方法とこれを
用いた光ディスク製造用原盤の製造方法について、第1
の屈折率の基材としてシリコン基板を用い、第2の屈折
率の層を酸化シリコン膜とする場合として説明する。
【0025】まず、図1(a)に示すように、シリコン
基板10の上層に、酸化シリコン膜11を例えば20n
mの膜厚で形成する。酸化シリコン膜11は、有酸素酸
素雰囲気中で加熱処理するシリコン基板10の熱酸化、
あるいはスパッタリング法やCVD(Chemical
Vapor Deposition)法による堆積な
ど、どのような方法で形成してもよい。
【0026】次に、図1(b)に示すように、酸化シリ
コン膜11の上層に、スピン塗布法などによりI線用ノ
ボラック樹脂系のフォトレジスト膜12を例えば60n
mの膜厚で成膜する。次に、光ディスク製造用原盤のパ
ターンに沿って、所定波長の露光用の光EXでフォトレ
ジスト膜12をパターン露光する。ここで、フォトレジ
スト膜12を露光する光EXの波長において、シリコン
基板10の屈折率を第1の屈折率、酸化シリコン膜11
の屈折率を第2の屈折率、レジスト膜12の屈折率を第
3の屈折率とすると、第2の屈折率は、第1の屈折率よ
りも第3の屈折率に近く、好ましくは第2の屈折率と第
3の屈折率との差が0.3以下となるようにする。
【0027】例えば、露光用の光の波長が351nmで
あるとすると、シリコン基板10の屈折率(第1の屈折
率)は約5.0であり、フォトレジスト膜12の屈折率
(第3の屈折率)は約1.7であり、酸化シリコン膜1
1の屈折率(第2の屈折率)は約1.5である。即ち、
第2の屈折率は第1の屈折率よりも第3の屈折率に近
く、第2の屈折率と第3の屈折率との差が0.3以下と
なっているため、フォトレジスト膜とその直下の層との
屈折率の差が小さくなり、この界面における露光する光
の反射率が低減される。
【0028】また、上記のように酸化シリコン膜11の
光学的膜厚は約30nmであり、フォトレジスト膜12
の光学的膜厚は約100nmである。即ち、これらの和
(図中D示す)は130nmとなり、露光用の光EXの
波長(λ)の半分(図中λ/2で示す)より小さくなっ
ている。このため、酸化シリコン膜11とシリコン基板
10の界面で反射する光について、フォトレジスト膜1
2中の定在波の節NDが位置することがなくなる。
【0029】上記のようにフォトレジスト膜12をパタ
ーン露光した後、所定の現像液で現像する。例えば露光
された部分がアルカリ可溶性となるフォトレジスト膜の
場合、アルカリ性の現像液を用いて現像する。この現像
処理工程後には、図1(c)に示すように、パターン加
工されたフォトレジスト膜12aが残される。
【0030】次に、図2(a)に示すように、フォトレ
ジスト膜12aをマスクとしたRIE(反応性イオンエ
ッチング)などのエッチングにより少なくとも酸化シリ
コン膜11をエッチングして、パターン加工された酸化
シリコン膜11aとし、次に、フォトレジスト膜12a
を除去する。例えば酸化シリコン膜11aの膜厚が、グ
ルーブやピットなどの凹凸形状の深さに相当する場合に
は、図2(a)に示す状態のシリコン基板をそのまま光
ディスク製造用原盤Mとする。
【0031】また、酸化シリコン膜11aの膜厚が、グ
ルーブやピットなどの凹凸形状の深さより薄い場合に
は、図2(b)に示すように、酸化シリコン膜11aを
マスクとしてシリコンを選択的にエッチングする条件の
エッチングによりシリコン基板10をパターンエッチン
グして、シリコン基板10の表面にパターンに沿った所
望の深さの凹部10dを形成する。また、上記のフォト
レジスト膜12aを除去する前にフォトレジスト膜12
aをマスクとして所望の深さとなるまでシリコン基板1
0までパターンエッチングしてもよい。以上のようにし
て、図2(b)に示す状態まで加工し、光ディスク製造
用原盤Mとする。
【0032】上記の本実施形態に係る露光方法と、それ
を用いた光ディスク製造用原盤の製造方法によれば、フ
ォトレジスト膜を露光する光EXの波長において、シリ
コン基板の屈折率(第1の屈折率)、酸化シリコン膜の
屈折率(第2の屈折)、レジスト膜の屈折率(第3の屈
折率)について、第2の屈折率は、第1の屈折率よりも
第3の屈折率に近く、好ましくは第2の屈折率と第3の
屈折率との差が0.3以下となっており、フォトレジス
ト膜とその直下の層との屈折率の差が小さくなり、この
界面における露光する光の反射率が低減されて1%を越
えることがなく、シリコン基板などの高反射率の基材を
用いた場合にも、定在波の影響を抑制して露光パワー不
足となるのを回避することができる。
【0033】また、酸化シリコン膜の層の光学的膜厚と
フォトレジスト膜の光学的膜厚の和がパターン露光に用
いる光の波長の半分より小さく、フォトレジスト膜中の
定在波の節が位置することがないので、露光パワー不足
となる可能性が格段に減少する。
【0034】次に、上記のようにして製造した光ディス
ク製造用原盤から、光ディスクを製造する方法について
説明する。図3(a)は、上記の光ディスク製造用原盤
から製造しようとする光ディスクの光の照射の様子を示
す模式斜視図である。光ディスクDCは、中心部にセン
ターホールCHが開口された略円盤形状をしており、ド
ライブ方向DRに回転駆動される。情報を記録または再
生するときには、例えば、光ディスクDC中の光学記録
層に対して、例えば開口数が0.8以上の対物レンズO
Lにより、青〜青紫色の領域のレーザ光などの光LTが
照射される。
【0035】図3(b)は図3(a)中のA−A’にけ
る模式的な断面図である。厚さが約1.1mmのポリカ
ーボネートなどからなるディスク基材13の一方の表面
に、凸部13pを含む光学記録層用の凹凸形状が形成さ
れている。ディスク基材13の表面に形成された凹凸形
状に沿って光学記録層14が形成されている。光学記録
層14は、例えば、上層側から例えば誘電体膜、相変化
膜あるいは光磁気膜などの記録膜、誘電体膜および反射
膜などがこの順番で積層された構成であり、層構成や層
数は、記録材料の種類や設計によって異なる。光学記録
層14の上層に、例えば0.1mmの膜厚の光透過性の
保護層15が形成されている。
【0036】上記の光ディスクを記録あるいは再生する
場合には、対物レンズOLにより、レーザ光などの光L
Tを光透過性の保護層15側から光学記録層14に合焦
するように照射する。光ディスクの再生時においては、
光学記録層14で反射された戻り光が受光素子で受光さ
れ、信号処理回路により所定の信号を生成して、再生信
号が取り出される。
【0037】上記の光ディスクにおいて、ディスク基材
13の表面に形成された凸部13pを含む凹凸形状に起
因して光学記録層14も凹凸形状を有しており、例えば
所定のトラックピッチでスパイラル状に形成された連続
溝となっており、この凸部13pを含む凹凸形状によっ
てトラック領域がランドおよびグルーブに区分されてい
る。ランドとグルーブの両者に情報を記録するランド・
グルーブ記録方式を適用することで大容量化が可能であ
る。また、ランドとグルーブのいずれか一方のみを記録
領域とすることも可能である。
【0038】また、上記のディスク基材13の凸部13
pを含む凹凸形状により、記録データに対応する長さを
有するピットが連続してスパイラル状にトラック上に並
べられた構成とし、光学記録層14をアルミニウム膜な
どの反射膜で構成することにより、再生専用(ROM)
型の光ディスクとすることもできる。
【0039】上記の光ディスクは、上述の光ディスク製
造用原盤から次のようにして製造することができる。ま
ず、射出成形用金型のキャビティ内に、上記のようにし
て得た光ディスク製造用原盤Mを射出成形用金型に設置
してポリカーボネートなどの樹脂を射出して、図4
(a)に示すような、グルーブやピットなどの凸部13
pを含む凹凸形状が一表面に設けられたディスク基材1
3を作成する。次に、図4(b)に示すように、ディス
ク基材13の凹凸形状の形成面に光学記録層14を形成
し、保護層15を形成して所望の光ディスクとする。
【0040】また、光ディスク製造用原盤Mの凹凸形状
形成面にニッケルなどの金属をメッキ処理して、スタン
パを形成し、あるいは、これをマスタスタンパとして、
凹凸形状を転写してマザースタンパやサンスタンパを作
成し、これらを射出成形用金型のキャビティ内に設置し
てディスク基材13を作成してもよい。以降の工程は上
記と同様に行うことができる。
【0041】第2実施形態 本実施形態に係る露光方法は、光ディスク製造用原盤と
なる原盤基材などの基材上にフォトレジスト膜を成膜し
て、パターン露光する場合に、パターン露光に用いる光
の波長として、基材の屈折率(第1の屈折率)とフォト
レジスト膜の屈折率(第2の屈折率)の差が0.3以下
となるような波長を選択するものであり、このような波
長の光を選択することで、フォトレジスト膜と基材との
屈折率の差が小さく、この界面における露光する光の反
射率が低減され、シリコン基板などの高反射率の基材を
用いた場合にも、定在波の影響を抑制して露光パワー不
足となるのを回避することができる。
【0042】以下、本実施形態に係る露光方法とこれを
用いた光ディスク製造用原盤の製造方法について説明す
る。
【0043】まず、図5(a)に示すように、シリコン
基板10の上層に、スピン塗布法などによりI線用ノボ
ラック樹脂系のフォトレジスト膜12を例えば60nm
の膜厚で成膜する。次に、光ディスク製造用原盤のパタ
ーンに沿って、所定波長の露光用の光でフォトレジスト
膜12をパターン露光する。ここで、フォトレジスト膜
12を露光する光の波長としては、シリコン基板10の
屈折率を第1の屈折率、レジスト膜12の屈折率を第2
の屈折率とすると、第1の屈折率と第2の屈折率との差
が0.3以下となる波長を選択する。
【0044】例えば、露光用の光の波長を266nmと
した場合には、シリコン基板10の屈折率(第1の屈折
率)は約1.7であり、フォトレジスト膜12の屈折率
(第2の屈折率)は約1.8となることから、その差が
0.1となり、フォトレジスト膜とシリコン基板の界面
における露光する光の反射率が低減される。
【0045】上記のようにフォトレジスト膜12をパタ
ーン露光した後、所定の現像液で現像する。例えば露光
された部分がアルカリ可溶性となるフォトレジスト膜の
場合、アルカリ性の現像液を用いて現像する。この現像
処理工程後には、図5(b)に示すように、パターン加
工されたフォトレジスト膜12aが残される。
【0046】次に、図5(c)に示すように、フォトレ
ジスト膜12aをマスクとしたRIE(反応性イオンエ
ッチング)などのエッチングによりシリコン基板10を
エッチングして、シリコン基板10の表面にパターンに
沿った所望の深さの凹部10dを形成する。次に、フォ
トレジスト膜12aを除去する。以上のようにして、図
5(c)に示す状態まで加工し、光ディスク製造用原盤
Mとする。
【0047】上記の本実施形態に係る露光方法と、それ
を用いた光ディスク製造用原盤の製造方法によれば、フ
ォトレジスト膜を露光する光の波長において、シリコン
基板の屈折率(第1の屈折率)とレジスト膜の屈折率
(第2の屈折率)の差が0.3以下となっており、この
界面における露光する光の反射率が低減されて1%を越
えることがなく、シリコン基板などの高反射率の基材を
用いた場合にも、定在波の影響を抑制して露光パワー不
足となるのを回避することができる。
【0048】上記のようにして製造した光ディスク製造
用原盤から、第1実施形態と同様にして、光ディスクを
製造することができる。本実施形態において用いる光の
波長としては、266nmに限らず、257nmのレー
ザ光でもよく、その他、CW(連続)発振し、シリコン
基板とレジスト膜の屈折率の差が0.3以下となる波長
の光であればよい。
【0049】(実施例)分光エリプソメータを用いて、
シリコン(Si)の屈折率の波長依存性を測定した。結
果を図6に示す。I線やG線の領域では、シリコンは高
い屈折率を示しており、最も高い部分で7に近い値とな
るが、他の領域、特に250〜300nmの領域では小
さな値となる。
【0050】次に、ノボラック樹脂系フォトレジスト材
料(R1 )の屈折率と化学増幅フォトレジスト材料(R
2 )の屈折率を測定した。結果を図7に示す。同図中に
は、シリコン(Si)の屈折率についてもスケールを合
わせて示している。ノボラック樹脂系フォトレジスト材
料(R1 )と化学増幅フォトレジスト材料(R2 )のい
ずれの場合も、紫外領域から可視領域にかけて屈折率は
長波長側で小さくなり、その値は2を越えることはな
い。
【0051】例えば、351nm付近では、シリコンの
屈折率は約5.0であり、ノボラック樹脂系フォトレジ
スト材料(R1 )と化学増幅フォトレジスト材料(R
2 )の屈折率はそれぞれ約1.7程度となっており、そ
の差は3.3程度となる。また、266nm付近では、
シリコンの屈折率は約1.7であり、ノボラック樹脂系
フォトレジスト材料(R1 )と化学増幅フォトレジスト
材料(R2 )の屈折率はそれぞれ約1.8程度となって
おり、その差は0.1程度となる。従って、露光波長を
351nmとする場合には、シリコン基板とレジスト膜
の間に屈折率がフォトレジスト膜に近い酸化シリコン膜
を設けることが定在波の効果を低減するために効果的で
あり、また、露光波長を266nmとする場合には、シ
リコン基板とレジスト膜の屈折率の差は0.1程度とな
るので定在波の効果は小さい。
【0052】本発明は、上記の実施の形態に限定されな
い。例えば、本発明の露光方法は、光ディスク製造用原
盤の製造方法に限らず、反射率の高い基材上にフォトレ
ジスト膜をパターン露光する際に適用することができ
る。また、高反射率の基材としてはシリコンに限らず、
その他の金属製の基材を用いることができ、これらを用
いて光ディスクを製造することができる。また、光ディ
スクとしては、光学記録層の層構成は実施形態で説明し
た構成に限らず、記録膜の材料などに応じて種々の構造
とすることができ、光学記録層を2層以上としてもよ
い。さらに情報ピットとなる凹凸形状上にアルミニウム
などの反射膜を設けたROM型光ディスクにも適用でき
る。その他、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変
更をすることができる。
【0053】
【発明の効果】本発明の露光方法によれば、フォトレジ
スト膜を露光する光の波長において、シリコン基板の屈
折率(第1の屈折率)、酸化シリコン膜の屈折率(第2
の屈折)、レジスト膜の屈折率(第3の屈折率)につい
て、第2の屈折率は、第1の屈折率よりも第3の屈折率
に近く、好ましくは第2の屈折率と第3の屈折率との差
が0.3以下となっており、フォトレジスト膜とその直
下の層との屈折率の差が小さくなる。また、フォトレジ
スト膜を露光する光の波長において、シリコン基板の屈
折率(第1の屈折率)とレジスト膜の屈折率(第2の屈
折率)の差が0.3以下となっている。従ってレジスト
膜の下面における露光する光の反射率が低減されて1%
を越えることがなく、シリコン基板などの高反射率の基
材を用いた場合でも、定在波の影響を抑制して露光パワ
ー不足となるのを回避することができる。
【0054】本発明の光学記録媒体製造用原盤の製造方
法によれば、上記の本発明の露光方法を用いて、定在波
の影響を抑制して露光パワー不足となるのを回避して光
ディスク製造用原盤を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)〜(c)は本発明の第1実施形態に
係る光ディスク製造用原盤の製造方法を示す断面図であ
る。
【図2】図2(a)および(b)は図1の続きの工程を
示す断面図である。
【図3】図3は本発明の第1実施形態に係る光ディスク
製造用原盤の製造方法で製造する光ディスクの光の照射
の様子を示す模式斜視図であり、図3(b)は図3
(a)中のA−A’における模式的な断面図である。
【図4】図4(a)および(b)は本発明の第1実施形
態に係る光ディスクの製造方法を示す断面図である。
【図5】図5(a)〜(c)は本発明の第2実施形態に
係る光ディスク製造用原盤の製造方法を示す断面図であ
る。
【図6】図6は実施例に係るシリコンの屈折率を示す図
である。
【図7】図7は実施例に係るノボラック樹脂系フォトレ
ジスト材料(R1 )と化学増幅フォトレジスト材料(R
2 )の屈折率を示す図である。
【符号の説明】
10…原盤基材、10d…凹部、11,11a…酸化シ
リコン膜、12,12a…フォトレジスト膜、13…デ
ィスク基材、14…光学記録層、15…保護層、M…光
ディスク製造用原盤、EX…露光する光、CH…センタ
ーホール、DC…光ディスク、DR…ドライブ方向、L
T…光、OL…対物レンズ。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の屈折率の基材上に、第2の屈折率の
    層を形成する工程と、 上記第2の屈折率の層の上層に、第3の屈折率のフォト
    レジスト膜を形成する工程と、 上記フォトレジスト膜に所定波長の光でパターン露光す
    る工程とを有し、 上記所定波長における上記第2の屈折率は、上記第1の
    屈折率よりも上記第3の屈折率に近い露光方法。
  2. 【請求項2】上記第2の屈折率と上記第3の屈折率の差
    が0.3以下である請求項1に記載の露光方法。
  3. 【請求項3】上記第2の屈折率の層の光学的膜厚と上記
    フォトレジスト膜の光学的膜厚の和が上記所定波長の半
    分より小さい請求項1に記載の露光方法。
  4. 【請求項4】第1の屈折率の基材上に、第2の屈折率の
    フォトレジスト膜を形成する工程と、 上記フォトレジスト膜に所定波長の光でパターン露光す
    る工程とを有し、 上記所定波長の光として、上記第1の屈折率と上記第2
    の屈折率の差が0.3以下となるような波長の光を選択
    して用いる露光方法。
  5. 【請求項5】少なくとも1層の光学記録層を有する光学
    記録媒体を構成する媒体基材を製造するための光学記録
    媒体製造用原盤の製造方法であって、 第1の屈折率の原盤基材上に、第2の屈折率の層を形成
    する工程と、 上記第2の屈折率の層の上層に、第3の屈折率のフォト
    レジスト膜を形成する工程と、 上記フォトレジスト膜に所定波長の光でパターン露光す
    る工程と、 上記フォトレジスト膜を現像する工程と、 上記フォトレジスト膜をマスクとして少なくとも上記第
    2の屈折率の層をエッチングし、光学記録媒体製造用原
    盤とする工程とを有し、 上記所定波長における上記第2の屈折率は、上記第1の
    屈折率よりも上記第3の屈折率に近い光学記録媒体製造
    用原盤の製造方法。
  6. 【請求項6】上記第2の屈折率と上記第3の屈折率の差
    が0.3以下である請求項5に記載の光学記録媒体製造
    用原盤の製造方法。
  7. 【請求項7】上記第2の屈折率の層の光学的膜厚と上記
    フォトレジスト膜の光学的膜厚の和が上記所定波長の半
    分より小さい請求項5に記載の光学記録媒体製造用原盤
    の製造方法。
  8. 【請求項8】少なくとも1層の光学記録層を有する光学
    記録媒体を構成する媒体基材を製造するための光学記録
    媒体製造用原盤の製造方法であって、 第1の屈折率の原盤基材上に、第2の屈折率のフォトレ
    ジスト膜を形成する工程と、 上記フォトレジスト膜に所定波長の光でパターン露光す
    る工程と、 上記フォトレジスト膜を現像する工程と、 上記フォトレジスト膜をマスクとして上記原盤基材をエ
    ッチングし、光学記録媒体製造用原盤とする工程とを有
    し、 上記所定波長の光として、上記第1の屈折率と上記第2
    の屈折率の差が0.3以下となるような波長の光を選択
    して用いる光学記録媒体製造用原盤の製造方法。
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