JPH10116447A - 光学記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

光学記録媒体及びその製造方法

Info

Publication number
JPH10116447A
JPH10116447A JP9164732A JP16473297A JPH10116447A JP H10116447 A JPH10116447 A JP H10116447A JP 9164732 A JP9164732 A JP 9164732A JP 16473297 A JP16473297 A JP 16473297A JP H10116447 A JPH10116447 A JP H10116447A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transparent substrate
signal recording
recording layer
signal
reflective film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9164732A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiaki Kato
義明 加藤
Toshiyuki Kashiwagi
俊行 柏木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP9164732A priority Critical patent/JPH10116447A/ja
Publication of JPH10116447A publication Critical patent/JPH10116447A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 透明基板の凹凸ピット形成面とは反対側から
光ビームが照射される信号記録層からも十分な信号量を
確保する。 【解決手段】 凹凸ピットが形成された透明基板上に反
射膜が成膜され、当該反射膜の透明基板側の面或いはこ
れとは反対側の側の面が信号記録面とされている信号記
録層を有する場合に、透明基板側から光ビームが照射さ
れる信号記録層における再生信号のアシンメトリーA1
と、これとは反対側から光ビームが照射される信号記録
層における再生信号のアシンメトリーA2 とが略等しく
なるように各透明基板に凹凸ピットを形成する。そのた
めに、例えば後者の信号記録層の凹凸ピットの長さ及び
幅を、前者の信号記録層の凹凸ピットの長さ及び幅より
も、ほぼ反射膜の膜厚分大きくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、凹凸ピットが形成
された透明基板に反射膜が形成されてなる信号記録層を
複数有する光学記録媒体及びその製造方法に関する。詳
しくは、透明基板側から光ビームが照射される信号記録
層における再生信号のアシンメトリーを、これとは反対
側から光ビームが照射される信号記録層における再生信
号のアシンメトリーとがほぼ等しくなるようにして、何
れの信号記録層からも同等な信号量を得られるようにし
た光学記録媒体及びその製造方法に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高密度記録化を達成するべく、複
数の信号記録層を有する光学記録媒体が提案されてい
る。このような光学記録媒体としては、例えば、2層の
信号記録層を有する光学記録媒体が挙げられ、透明基板
の一主面に凹凸ピットを形成して信号を記録し、これに
反射膜を形成して信号記録層とした一対の透明基板を用
意しておき、これらを反射膜同士が相対向するように貼
り合わせた構造のものが挙げられる。そして、このよう
な光学記録媒体においては、一方の透明基板の反射膜を
半透明膜としておき、他方の透明基板の反射膜を通常の
反射膜としておく。
【0003】この光学記録媒体の信号記録層の情報を再
生するには、反射膜として半透明膜が形成されている透
明基板側から光ビームを照射する。光ビームは、第1の
透明基板,信号記録面,半透明膜という順で透過し、通
常の反射膜に到達する。従って、反射膜として半透明膜
が形成されている第1の信号記録層の情報は透明基板の
凹凸ピットの形状に透明基板の凹凸ピット形状に沿って
被着している半透明膜の透明基板側の面により反射され
た光により再生され、反射膜として通常の反射膜が形成
されている第2の信号記録層の情報は透明基板の凹凸ピ
ットの形状に沿って被着している反射膜の透明基板側と
は反対側の面により反射された光により再生されること
となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
光学記録媒体においては、反射膜として通常の反射膜が
形成されている信号記録層において十分な信号量を得る
ことができないという不都合が生じている。
【0005】例えば、1層の信号記録層のみを有する光
学記録媒体においては、図9に示すように、透明基板1
01の一主面101a側に凹凸ピットが形成されて信号
記録面とされ、これに反射膜103が形成されて信号記
録層とされている。そして、この光学記録媒体の信号記
録層の情報を再生するには、透明基板101側から対物
レンズ102により光ビームL1 を照射して反射膜10
3による反射を検出しており、光ビームL1 を反射膜1
03側から照射することはない。なお、このような光学
記録媒体においては、反射膜103の膜厚は所定の反射
率が得られる膜厚以上であれば良いが、生産性の観点か
ら500オングストローム程度とされている。
【0006】しかしながら、上述の2層の信号記録層を
有する光学記録媒体においては、前述のように、信号記
録面上に反射膜として半透明膜或いは通常の反射膜が形
成された信号記録層を有する一対の透明基板を反射膜同
士が相対向するようにして貼り合わせ、半透明膜が形成
されている透明基板側から光ビームを照射している。す
なわち、この反射膜が形成されている透明基板の信号記
録層においては、図10に示すように、反射膜106
側、すなわち透明基板104とは反対側から対物レンズ
107により光ビームL3 が照射され、いわゆる逆方向
再生により情報の再生が行われる。
【0007】従って、半透明膜が形成される透明基板の
信号記録層においては、半透明膜の透明基板側の面に光
ビームが直接照射されて透明基板に形成された凹凸ピッ
トの形状がそのまま検知されるものの、通常の反射膜が
形成される透明基板の信号記録層においては、反射膜1
06の透明基板とは反対側の面に光ビームL3 が照射さ
れて凹凸ピットの形状は反射膜106を介して検知され
ることとなり、信号記録面の凹凸ピットの凹部内にも反
射膜が形成されていることから、この凹凸ピットの凹部
は反射膜の厚さ分だけ小さいものとして検知されること
となる。このことから、この通常の反射膜が形成される
透明基板の信号記録層においては、本来の信号量よりも
小さな信号量が検知されることとなり、十分な信号量が
得られなくなってしまう。
【0008】最近では、更なる高密度記録化を達成する
べく、上述の2層の信号記録層を有する光学記録媒体の
他、3層以上の信号記録層を有する光学記録媒体も提案
されている。このような光学記録媒体においても上述し
たように信号記録層のうち1層のみが通常の反射膜を有
し、これ以外の信号記録層は半透明膜を有するように
し、通常の反射膜を有する信号記録層とこれ以外の信号
記録層が相対向するように透明基板を積層し、半透明膜
を有する信号記録層の最外層側から光ビームを照射す
る。従って、この光学記録媒体においても、通常の反射
膜を有する記録信号層においては、透明基板と反対側か
ら光ビームが照射されることとなり、信号量が十分に得
られない。
【0009】そこで、本発明は従来の実情に鑑みて提案
されたものであり、透明基板の凹凸ピット形成面とは反
対側から光ビームが照射される信号記録層からも十分な
信号量が得られる光学記録媒体及びその製造方法を提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに本発明の光学記録媒体は、凹凸ピットが形成された
透明基板上に反射膜が成膜され、当該反射膜の透明基板
側の面が信号記録面とされてなる第1の信号記録層と、
凹凸ピットが形成された透明基板上に反射膜が成膜さ
れ、当該反射膜の透明基板側の面とは反対側の側の面が
信号記録面とされてなる第2の信号記録層とを少なくと
も有し、上記第1の信号記録層の信号記録面から得られ
る再生信号のアシンメトリーA1 と上記第2の信号記録
層の信号記録面から得られる再生信号のアシンメトリー
2 とが略等しくなるように各透明基板に凹凸ピットが
形成されていることを特徴とするものである。
【0011】上記のような構成とするためには、例えば
上記第1の信号記録層の信号記録面から得られる再生信
号のアシンメトリーをA1 、上記第2の信号記録層にお
いて反射膜の透明基板側の面から得られる再生信号のア
シンメトリーをA3 としたときに、A3 >A1 なる関係
を満足するようにする。
【0012】このとき、上記アシンメトリーA3 が、1
0%〜15%であることが好ましい。
【0013】具体的には、上記第2の信号記録層を構成
する透明基板に形成された凹凸ピットの長さ及び幅が、
上記第1の信号記録層を構成する透明基板に形成された
凹凸ピットの長さ及び幅よりも、ほぼ反射膜の膜厚分大
きくなるように設定する。
【0014】上記光学記録媒体を製造するには、情報信
号に応じて露光、現像を行い、原盤に凹凸ピットを形成
する工程と、上記原盤からの転写により凹凸ピットを有
する透明基板を成形する工程と、上記透明基板の凹凸ピ
ットが形成された面に反射膜を成膜する工程と、上記透
明基板に反射膜が成膜されてなる信号記録層を複数貼り
合わせる工程とを有し、上記複数の信号記録層のうち、
透明基板側から反射膜に対して光ビームが照射される信
号記録層を構成する透明基板の成形に用いる原盤の露光
時のレーザパワー及び/又は現像時間と、これとは反対
側から反射膜に光ビームが照射される信号記録層を構成
する透明基板の成形に用いる原盤の露光時のレーザパワ
ー及び/又は現像時間を、反射膜の膜厚に応じて異なる
ように制御する。
【0015】特に、透明基板側から反射膜に対して光ビ
ームが照射される信号記録層の透明基板に形成される凹
凸ピットよりも、これとは反対側から反射膜に光ビーム
が照射される信号記録層の透明基板に形成される凹凸ピ
ットが大きくなるように、上記レーザパワー及び/又は
現像時間を制御する。
【0016】本発明の光学記録媒体においては、透明基
板の凹凸ピット側から光ビームが照射される信号記録層
における再生信号のアシンメトリーをA1 、これとは反
対側から光ビームが照射される信号記録層における再生
信号のアシンメトリーをA2としたときに、A1 とA2
とがほぼ等しくなる関係を満足するため、いわゆる逆方
向再生により情報の再生が行われる信号記録層からも、
いわゆる順方向再生により情報の再生が行われる信号記
録層と同様に十分な信号量が得られる。
【0017】また、本発明の光学記録媒体において、透
明基板とは反対側から光ビームが照射される信号記録層
の凹凸ピットの長さ及び幅を、透明基板側から光ビーム
が照射される信号記録層の凹凸ピットの長さ及び幅より
も、ほぼ反射膜の膜厚分大きくすれば、信号記録層に対
して透明基板とは反対側から光ビームを照射した場合の
凹凸ピットの大きさが、信号記録層に対し透明基板側か
ら光ビームを照射した場合の凹凸ピットと見かけ上同等
となる。従って、いわゆる逆方向再生により情報の再生
が行われる信号記録層からも、いわゆる順方向再生によ
り情報の再生が行われる信号記録層と同等の信号量が得
られ、逆方向再生により情報の再生が行われる信号記録
層からも十分な信号量が得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、
ここでは、2層の信号記録層を有する光学記録媒体の例
について説明する。
【0019】本例の光学記録媒体は、図1に示すよう
に、一主面1a側に凹凸ピットが形成され、且つこの凹
凸ピット形成面上に反射膜としてアルミニウム薄膜等の
反射膜2が形成されて信号記録層とされる第1の透明基
板1と、一主面3a側に凹凸ピットが形成され、且つこ
の凹凸ピット形成面上に反射膜として誘電体膜等の半透
明膜4が形成されて信号記録層とされる第2の透明基板
3よりなり、これらを透明基板1,3の凹凸ピット形成
面である一主面1a,3aが相対向するように光透過性
の接着剤5により貼り合わせてなるものである。
【0020】そして、本例の光学記録媒体においては、
2層の信号記録層の情報の再生を共に第2の透明基板3
側から行うようにしている。すなわち、図1中に示すよ
うに第2の透明基板3側に配される対物レンズ6によ
り、第2の透明基板3に形成される凹凸ピットに光ビー
ムL4 を照射し、半透明膜4の反射を利用してこの信号
記録層の情報を再生する。すなわち、半透明膜4の透明
基板3側の面が信号記録面とされている。一方、第2の
透明基板3側に配される対物レンズ7により、第1の透
明基板1に形成される凹凸ピットに反射膜2側から光ビ
ームL5 を照射し、反射膜2の反射を利用してこの信号
記録層の情報を再生するようにしている。すなわち、反
射膜2の透明基板1側の面とは反対側の面が信号記録面
とされている。
【0021】このとき、図2に模式的に示すように、第
1の透明基板1に形成される反射膜2の厚さが薄すぎる
と、光ビームL5 の反射率が低下し、十分な信号量が得
られなくなる。しかしながら、図3に模式的に示すよう
に、反射膜2を十分な反射率が得られる厚さとすると、
信号記録層を形成する例えば凹凸ピットのうちの凹部8
が反射膜2により埋め込まれてしまうことが多く、十分
な信号量を得ることが困難となる。
【0022】そこで、本例の光学記録媒体においては、
図4に模式的に示すように、反射膜2側から光ビームが
照射され、いわゆる逆方向再生により情報が再生される
信号記録層の凹凸ピットのうちの凹部8の長さ及び幅W
2 を(ただし、図4中においては幅W2 のみを示
す。)、透明基板側から光ビームが照射され、いわゆる
正方向再生により情報が再生される信号記録層の凹凸ピ
ットのうちの凹部9の長さ及び幅W1 (ただし、図4中
においては幅W1 のみを示す。)よりも、ほぼ反射膜2
の膜厚分大きいものとしている。
【0023】すなわち、図4中に示すように、逆方向再
生により情報が再生される信号記録層の凹部8を反射膜
2側から見た場合の幅W3 と正方向再生により情報が再
生される信号記録層の凹部9の幅W1 が見かけ上、ほぼ
等しくなる。このことは、凹部8,9の長さにおいても
同様である。
【0024】従って、図1に示すように反射膜2側から
光ビームが照射され、逆方向再生により情報が再生され
る信号記録層に透明基板3側から対物レンズ7により光
ビームL5 を照射して逆方向再生により情報を再生した
場合の再生信号のアシンメトリーA2 と、透明基板3側
から光ビームが照射され正方向再生により情報が再生さ
れる信号記録層の再生信号のアシンメトリーA1 とがほ
ぼ等しいものとなる。
【0025】このアシンメトリーとは、最も長い凹凸ピ
ット及びランドの戻り光量レベルをILpit ,ILtop
し、最も短い凹凸ピット及びランドの戻り光量レベルを
Hpit ,IHtop とした場合に、下記式1のように表さ
れる。
【0026】 [(ILtop +ILpit )−(IHtop +IHpit )]/2(ILpit −ILtop ) ・・・(式1) また、これら戻り光量は図5に示すような関係を有す
る。すなわち、これらのことから、凹凸ピットを大きく
すれば、アシンメトリーが大きくなることがわかる。従
って、本例のように一方の信号記録層の凹凸ピットの長
さ及び幅を他方の信号記録層の凹凸ピットの長さ及び幅
よりも大きくすれば、前者の信号記録層のアシンメトリ
ーが他方の信号記録層のアシンメトリーよりも大きくな
ることがわかる。ここで、図1に示す透明基板1上の凹
凸ピットは、反射膜を成膜することにより、その厚さ
分、長さ及び幅が小さくなるので、見かけ上、透明基板
3上の凹凸ピットと同等にすることが可能となる。
【0027】そこで、本例の光学記録媒体においては、
反射膜側から光ビームが照射され、いわゆる逆方向再生
により情報が再生される信号記録層の凹凸ピットの長さ
及び幅を、透明基板側から光ビームが照射され、いわゆ
る正方向再生により情報が再生される信号記録層の凹凸
ピットの長さ及び幅よりも、反射膜の膜厚分大きいもの
としている。すなわち、、反射膜側から光ビームが照射
され、逆方向再生により情報が再生される信号記録層に
透明基板側から図1中に示すように対物レンズ10によ
り光ビームL6 を照射して正方向再生により情報を再
生した場合の再生信号のアシンメトリーA3 と、透明基
板側から光ビームが照射され正方向再生により情報が再
生される信号記録層の再生信号のアシンメトリーA1
関係が、A3 >A1 となるようにしている。
【0028】従って、透明基板1とは反対側から光ビー
ムが照射されて逆方向再生により情報が再生される記録
信号層においても、透明基板3側から光ビームが照射さ
れて正方向再生により情報が再生される信号記録層と同
等の信号量が得られ、逆方向再生により情報が再生され
る信号記録層からも十分な信号量が得られる。
【0029】次に、本例の光学記録媒体の製造方法につ
いて述べる。本例の光学記録媒体の製造方法は通常の2
層の信号記録層を有する光学記録媒体の製造方法と略々
同様である。
【0030】すなわち、先ず、信号記録層の情報信号に
応じて露光、現像することにより凹凸ピットが形成され
た原盤を作製する。具体的な手法としては、以下のよう
な方法が例示される。最初に、一主面側にフォトレジス
トが配されたガラス板を2枚用意する。次に、各ガラス
板のフォトレジストに対してレーザ光により各信号記録
層の情報に応じた形状をそれぞれ露光した後、現像し、
情報信号に応じた凹凸ピットを有し、第1及び第2の透
明基板に対応するガラスディスクを形成する。そして、
このガラスディスクの凹凸ピット形成面に電気めっきを
行い、メタルマスタを形成する。
【0031】次に、これを転写して凹凸ピット形成面を
有する透明基板を成形する。具体的な手法としては、以
下のような方法が例示される。すなわち、前述のメタル
マスタを金型内に組み込み、射出成形して一主面が凹凸
ピット形成面とされた第1及び第2の透明基板を形成す
る。
【0032】そして、この透明基板の凹凸ピット形成面
に反射膜を成膜して信号記録層とする。具体的には、第
1の透明基板の凹凸ピット形成面には反射膜として通常
の反射膜を成膜し、第2の透明基板の凹凸ピット形成面
には反射膜として半透明膜を成膜する。
【0033】続いて、反射膜が成膜された複数の透明基
板を貼り合わせて光学記録媒体を完成する。具体的に
は、第1の透明基板の反射膜と、第2の透明基板の半透
明膜が相対向するように、これら第1及び第2の透明基
板を積層して光透過性の接着剤により貼り合わせて光学
記録媒体を完成する。
【0034】そして、本例の光学記録媒体を製造するに
あたっては、透明基板側から光ビームが照射される第2
の透明基板と、これとは反対側から光ビームが照射され
る第1の透明基板とで、成形に用いる原盤の露光時のレ
ーザパワー及び/又は現像時間を反射膜の膜厚に応じて
変えるようにして、第1の透明基板の凹凸ピットの長さ
及び幅が第2の透明基板の凹凸ピットの長さ及び幅より
も、ほぼ反射膜の膜厚分大きくなるようにしている。
【0035】このようにして本例の光学記録媒体を製造
すれば、特別な工程を必要とすることなく、本例の光学
記録媒体の製造が可能であり、生産性も良好である。
【0036】また、本例の光学記録媒体を製造する方法
としては、前述のような製造工程中、原盤においては、
2つの透明基板の凹凸ピットの長さ及び幅は同一として
おき、射出成形の際の金型の温度を変えることにより、
第1の透明基板の凹凸ピットの長さ及び幅を第2の透明
基板のそれよりも大きくする方法も挙げられる。上記金
型の温度は、例えば、第1の透明基板成形時を120℃
とし、第2の透明基板成形時を100℃とすれば良い。
このような方法においても、特別な工程を必要とするこ
となく、本例の光学記録媒体の製造が可能であり、生産
性が良好である。
【0037】なお、本発明は、図6に示すような3層以
上の信号記録層を有する光学記録媒体にも適用可能であ
る。
【0038】すなわち、このような光学記録媒体として
は、一主面11a側に凹凸ピットが形成され、且つこの
上に通常の反射膜である反射膜12が形成される第1の
透明基板11と、一主面13a側に凹凸ピットが形成さ
れ、且つこの上に半透明膜である反射膜14が形成され
る第2の透明基板13と、これと同様の構成の第3の透
明基板15、これと同様の構成の図示しない基板とを、
積層して貼り合わせたものが挙げられる。
【0039】このように3層以上の信号記録層を有する
光学記録媒体においても、上述の2層の信号記録層を有
する光学記録媒体と同様であり、通常の反射膜を有する
信号記録層の信号量が十分に得られない。
【0040】そこで、このような光学記録媒体において
も本発明を適用し、通常の反射膜を有する信号記録層の
凹凸ピットの長さ及び幅をこれ以外の信号記録層の凹凸
ピットの長さ及び幅よりも大きくして、透明基板側から
光ビームが照射されて順方向再生により情報が再生され
る信号記録層における再生信号のアシンメトリーA1
これとは反対側から光ビームが照射されて逆方向再生に
より情報が再生される信号記録層における再生信号のア
シンメトリーA2 が、ほぼ等しくなるようにピットの大
きさを変えれば、逆方向再生により情報が再生される信
号記録層からも十分な信号量が得られる。
【0041】また、このような光学記録媒体も前述の2
層の信号記録層を有する光学記録媒体と同様にして製造
すれば良く、特別な工程を必要とすることなく、製造が
可能であり、生産性が良好である。
【0042】
【実施例】次に、本発明の効果を確認するべく、以下の
ような実験を行った。すなわち、先ず、厚さ0.6mm
の透明基板を2枚用意し、一方の透明基板の一主面側を
トラックピッチ0.74μm,最短ピット長0.40μ
mのEFM信号が記録された信号記録面とし、図7に示
すように第1の透明基板21の信号記録面とされる一主
面21a上に反射膜22を形成して信号記録層とし、こ
の信号記録層を挟むようにして第1の透明基板21と第
2の透明基板23を積層し、これらの間を光透過性の接
着剤24により貼り合わせて光学記録媒体を製造した。
なお、上記反射膜22はイオンビームスパッタによりア
ルミニウムを被着させて形成し、厚さ500〜700オ
ングストロームのアルミニウム薄膜として形成した。
【0043】そして、この光学記録媒体に対し、対物レ
ンズとして開口数NAが0.6のレンズを使用し、波長
635nmのレーザ光を、第2の透明基板23側からと
第1の透明基板21側から光ビームとしてそれぞれ照射
し、アシンメトリーとジッターの関係を調査した。結果
を図8に示す。図8中横軸はアシンメトリーの値を示
し、図8中縦軸はジッターの値を示す。そして、図8中
実線は第1の透明基板21側から光ビームを照射した場
合のアシンメトリーとジッターの関係を示し、図8中一
点鎖線は第2の透明基板23側から光ビームを照射した
場合のアシンメトリーとジッターの関係を示す。
【0044】図8の結果から、同じジッターの値におい
て比較すると、第2の透明基板23側から再生した場
合、いわゆる逆方向再生の場合のアシンメトリーの方
が、第1の透明基板21側から再生した場合、いわゆる
順方向再生の場合のアシンメトリーよりも小さいことが
確認された。すなわち、信号記録層の凹凸ピットのうち
の凹部内が反射膜により埋め込まれており、第2の透明
基板23側、言い換えれば反射膜22側から再生した場
合、反射膜22の膜厚分小さい凹凸ピットとして検知さ
れてしまうことが確認された。
【0045】従って、本発明のように、透明基板とは反
対側から光ビームが照射されて逆方向再生により情報が
再生される信号記録層の凹凸ピットの長さ及び幅を、透
明基板側から光ビームが照射されて順方向再生により情
報が再生される信号記録層の凹凸ピットの長さ及び幅よ
りも、ほぼ反射膜の膜厚分大きくすれば、前者の信号記
録層に対して透明基板とは反対側から光ビームを照射し
た場合の凹凸ピットの大きさを、後者の信号記録層に対
し透明基板側から光ビームを照射した場合の凹凸ピット
と見かけ上同じ大きさとして検知することが可能である
ことが確認された。
【0046】また、図8の結果から、正方向再生のアシ
ンメトリーを10.0〜18.0%の範囲としておけ
ば、正方向再生及び逆方向再生のジッターが7.0%以
下となり、十分な信号量が得られることが確認された。
ただし、正方向再生のアシンメトリーが15.0%より
も大きいと、高密度記録化に対応困難となることから、
通常の反射膜を有する信号記録層における正方向再生の
アシンメトリー、すなわち、透明基板とは反対側から光
ビームが照射される信号記録層において透明基板側から
光ビームを照射して情報を再生した場合のアシンメトリ
ーは、10%〜15%の範囲とされることが好ましいこ
とが確認された。
【0047】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の光学記録媒体においては、透明基板の凹凸ピット側
から光ビームが照射される信号記録層における再生信号
のアシンメトリーをA1 、これとは反対側から光ビーム
が照射される信号記録層における再生信号のアシンメト
リーをA2 としたときに、A1 とA2 とがほぼ等しくな
る関係を満足するため、いわゆる逆方向再生により情報
の再生が行われる信号記録層からも、いわゆる順方向再
生により情報の再生が行われる信号記録層と同様に十分
な信号量が得られる。
【0048】また、本発明の光学記録媒体において、透
明基板とは反対側から光ビームが照射される信号記録層
の凹凸ピットの長さ及び幅を、透明基板側から光ビーム
が照射される信号記録層の凹凸ピットの長さ及び幅より
も、ほぼ反射膜の膜厚分大きくすれば、信号記録層に対
して透明基板とは反対側から光ビームを照射した場合の
凹凸ピットの大きさが、信号記録層に対し透明基板側か
ら光ビームを照射した場合の凹凸ピットと見かけ上同等
となる。従って、いわゆる逆方向再生により情報の再生
が行われる信号記録層からも、いわゆる順方向再生によ
り情報の再生が行われる信号記録層と同等の信号量が得
られ、逆方向再生により情報の再生が行われる信号記録
層からも十分な信号量が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した光学記録媒体の一例を示す要
部概略断面図である。
【図2】本発明を適用した光学記録媒体の一例を示す要
部拡大断面図である。
【図3】本発明を適用した光学記録媒体の一例を示す要
部拡大断面図である。
【図4】本発明を適用した光学記録媒体の一例を示す模
式図である。
【図5】戻り光量レベルの関係を示す特性図である。
【図6】本発明を適用した光学記録媒体の他の例を示す
要部概略断面図である。
【図7】実験で使用した光学記録媒体を示す要部概略断
面図である。
【図8】アシンメトリーとジッターの関係を示す特性図
である。
【図9】従来の光学記録媒体に光ビームを照射している
様子を示す要部概略断面図である。
【図10】従来の光学記録媒体に光ビームを照射してい
る様子を模式的に示す要部概略断面図である。
【符号の説明】
1 第1の透明基板、1a,3a 一主面、2 反射
膜、3 第2の透明基板、4 半透明膜、5 接着剤

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凹凸ピットが形成された透明基板上に反
    射膜が成膜され、当該反射膜の透明基板側の面が信号記
    録面とされてなる第1の信号記録層と、 凹凸ピットが形成された透明基板上に反射膜が成膜さ
    れ、当該反射膜の透明基板側の面とは反対側の側の面が
    信号記録面とされてなる第2の信号記録層とを少なくと
    も有し、 上記第1の信号記録層の信号記録面から得られる再生信
    号のアシンメトリーA1 と上記第2の信号記録層の信号
    記録面から得られる再生信号のアシンメトリーA2 とが
    略等しくなるように各透明基板に凹凸ピットが形成され
    ていることを特徴とする光学記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記第1の信号記録層の信号記録面から
    得られる再生信号のアシンメトリーをA1 、上記第2の
    信号記録層において反射膜の透明基板側の面から得られ
    る再生信号のアシンメトリーをA3 としたときに、 A3 >A1 なる関係を満足することを特徴とする請求項
    1記載の光学記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記アシンメトリーA3 が、10%〜1
    5%であることを特徴とする請求項2記載の光学記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 上記第2の信号記録層を構成する透明基
    板に形成された凹凸ピットの長さ及び幅が、上記第1の
    信号記録層を構成する透明基板に形成された凹凸ピット
    の長さ及び幅よりも、ほぼ反射膜の膜厚分大きいことを
    特徴とする請求項1記載の光学記録媒体。
  5. 【請求項5】 情報信号に応じて露光、現像を行い、原
    盤に凹凸ピットを形成する工程と、 上記原盤からの転写により凹凸ピットを有する透明基板
    を成形する工程と、 上記透明基板の凹凸ピットが形成された面に反射膜を成
    膜する工程と、 上記透明基板に反射膜が成膜されてなる信号記録層を複
    数貼り合わせる工程とを有し、 上記複数の信号記録層のうち、透明基板側から反射膜に
    対して光ビームが照射される信号記録層を構成する透明
    基板の成形に用いる原盤の露光時のレーザパワー及び/
    又は現像時間と、これとは反対側から反射膜に光ビーム
    が照射される信号記録層を構成する透明基板の成形に用
    いる原盤の露光時のレーザパワー及び/又は現像時間
    を、反射膜の膜厚に応じて異なるように制御することを
    特徴とする光学記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 透明基板側から反射膜に対して光ビーム
    が照射される信号記録層の透明基板に形成される凹凸ピ
    ットよりも、これとは反対側から反射膜に光ビームが照
    射される信号記録層の透明基板に形成される凹凸ピット
    が大きくなるように、上記レーザパワー及び/又は現像
    時間を制御することを特徴とする請求項5記載の光学記
    録媒体の製造方法。
JP9164732A 1996-06-21 1997-06-20 光学記録媒体及びその製造方法 Pending JPH10116447A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9164732A JPH10116447A (ja) 1996-06-21 1997-06-20 光学記録媒体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16213696 1996-06-21
JP8-162136 1996-06-21
JP9164732A JPH10116447A (ja) 1996-06-21 1997-06-20 光学記録媒体及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10116447A true JPH10116447A (ja) 1998-05-06

Family

ID=26488028

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9164732A Pending JPH10116447A (ja) 1996-06-21 1997-06-20 光学記録媒体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10116447A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007035236A (ja) * 2005-06-21 2007-02-08 Victor Co Of Japan Ltd 光ディスク記録媒体およびその再生方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007035236A (ja) * 2005-06-21 2007-02-08 Victor Co Of Japan Ltd 光ディスク記録媒体およびその再生方法
JP4529945B2 (ja) * 2005-06-21 2010-08-25 日本ビクター株式会社 光ディスク記録媒体およびその再生方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6842420B2 (en) Optical disc having plural grooves of different depths
US6333914B1 (en) Optical recording medium and method of manufacturing same
JP4192373B2 (ja) 光ディスク
JP2000011454A (ja) 光記録媒体と、これを用いた光記録再生装置と、光記録媒体の製造方法
JP2002216391A (ja) 片面2層ディスクおよび2面4層ディスク
JP4080741B2 (ja) 多層光記録媒体の製造方法および多層光記録媒体
US7914711B2 (en) Use of mother stamper for optical disk molding
US5933409A (en) Optical recording medium and method for producing same
US7844984B2 (en) Optical recording medium and manufacturing method thereof
JPH10116447A (ja) 光学記録媒体及びその製造方法
US20040262793A1 (en) Multi-layered optical recording medium and multi-layered optical recording medium manufacturing method
JPH11120626A (ja) 光ディスク作製用マスタディスクの製造方法
JPH09204686A (ja) 光デイスク及び光デイスクの製造方法
JP2000021033A (ja) 光ディスク原盤
JP4345246B2 (ja) 光学記録媒体
JPH0954985A (ja) 光デイスク及び光デイスクの製造方法
JPH10106047A (ja) 光学記録媒体の製造方法
US6207355B1 (en) Optical recording medium and method for producing same
JP2004355701A (ja) 光ディスク及びその製造方法及び製造装置
JP2003006919A (ja) 光記録媒体、および光記録媒体製造方法
JPH1196606A (ja) 光ディスク製作用マスタディスクの製造方法
JPH09134547A (ja) 光学記録媒体およびその製造方法
JP2002117578A (ja) 光記録媒体とその製造方法及び記録再生方法
JP2003059107A (ja) 多層記録層を有する光ディスク、光ディスク製造方法、光ディスク装置ならびに光ディスク記録再生方法
JP2002184032A (ja) 光ディスクおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040108

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050111

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050517