JPH11296915A - 光ディスク原盤の製造方法 - Google Patents

光ディスク原盤の製造方法

Info

Publication number
JPH11296915A
JPH11296915A JP9150298A JP9150298A JPH11296915A JP H11296915 A JPH11296915 A JP H11296915A JP 9150298 A JP9150298 A JP 9150298A JP 9150298 A JP9150298 A JP 9150298A JP H11296915 A JPH11296915 A JP H11296915A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
etched
optical disk
photoresist film
groove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9150298A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihiko Shimizu
明彦 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP9150298A priority Critical patent/JPH11296915A/ja
Publication of JPH11296915A publication Critical patent/JPH11296915A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トラックピッチの狭い大容量・高密度の光デ
ィスクを成形する光ディスク原盤を得ることができる光
ディスク原盤の製造方法を得る。 【解決手段】 被エッチング材1が、その被エッチング
材1上のフォトレジスト膜2に形成された溝4aをマス
クにしてエッチングされる。これにより、被エッチング
材1にエッチングにより形成される溝5の溝幅がフォト
レジスト膜2に形成された溝4aの底幅と略同一にな
る。また、被エッチング材1上に形成されるフォトレジ
スト膜2の溝4aの底幅が、光ビームの光量とフォトレ
ジスト膜2の膜厚とについてそれぞれを調整することに
より、光ビームのビームスポット径以下に設定される。
これにより、トラックピッチの狭い大容量・高密度の光
ディスクを成形する光ディスク原盤が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CDやDVD等の
光情報記録媒体の成形に利用される光ディスク原盤の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、光情報記録媒体であるCDやDV
D等の光ディスクは主として射出成形により生産されて
おり、この射出成形には光ディスク原盤(以下、スタン
パとする)が利用されている。このスタンパは、光ディ
スクの案内溝やピットが形成された金属型である。ここ
で、従来のスタンパの製造方法について図8を参照して
説明する。
【0003】まず、図8(a)に示すようにガラス基板
101上にスピンコート法によりフォトレジスト膜10
2を形成する。そして、フォトリソグラフィ技術によっ
て、このフォトレジスト膜102を露光して図8(b)
に示すような潜像103を形成し、この露光された部分
をアルカリ溶液により現像して図8(c)に示すような
所定の溝パターン104を形成する。次に、図8(d)
に示すように、この溝パターン104が形成されたガラ
ス基板101上にスパッタリング法や真空蒸着法により
ニッケル膜105を形成し、導電皮膜処理をする。その
後、図8(e)に示すように、ニッケル膜105上にニ
ッケル電鋳し、ニッケル層106を形成する。その後、
図8(f)に示すように、ニッケル層106をガラス基
板101から剥離し、溝パターン104の反対側を研磨
し、内外径を所望のサイズに加工等することにより、光
ディスクの射出成形に使用するスタンパ107が得られ
る。
【0004】ところで、露光ビームの光強度分布がガウ
ス分布となっていることにより潜像の底部径(Wbot)が
開口部径(Wtop)よりも小さくなるとともに、潜像の開
口部径(Wtop)は露光による架橋反応によりビームスポ
ット径よりも1〜2割程度大きく形成される。これによ
り、図9に示すように、フォトレジスト膜102に形成
される溝パターン104は、台形形状となる。
【0005】ところが、このような台形形状の溝パター
ンにおいて、大容量・高密度の記録再生を可能にするた
めに溝と溝とのトラックピッチを狭くした場合、隣合う
溝の開口部がそれぞれ干渉し、溝と溝との間の平坦部分
(以下、ランドという)の高さが減少するので、溝パタ
ーンの溝の深さをフォトレジスト膜の膜厚で調節するこ
とができなくなってしまうという問題を生じる。したが
って、このようにランドに異常を生じているスタンパか
ら作成された光ディスクにおいては、クロストーク信号
が増加したりジッタ特性が低下する等の記録特性の低下
が生じることになる。
【0006】すなわち、トラックピッチの狭い大容量・
高密度の光ディスクの成形に利用されるスタンパの製造
においては、溝パターンの溝幅を狭くし、溝パターンの
形状を矩形とすることが必要とされる。例えば、露光ビ
ームスポット径以下の溝幅の溝パターンを得るために
は、露光ビームの波長を短くして露光に用いられる対物
レンズの開口数NAを大きくすれば良いが、露光時の焦
点深度が小さくなるために溝形状の変動が懸念される。
【0007】そこで、特開平7-287874号公報に開示され
たスタンパの製造方法では、フォトレジスト膜上に形成
された光退色性樹脂層のコントラスト増強によるフォト
クロミック効果により、フォトレジスト膜に集光する実
効ビームスポット径を露光ビームスポット径の2/3〜1/3
にまで小さくして溝パターンを形成している。
【0008】また、特開平6-243512号公報に開示された
スタンパの製造方法では、超解像素子を露光ビームの光
路中に設けることにより、露光ビームスポット径を小径
化して溝パターンを形成している。この場合、超解像素
子の回折の影響でサイドローブが発生するので、光退色
性樹脂が組み合わされる。
【0009】さらに、特開平9-106584号公報に開示され
たスタンパの製造方法は、フォトレジスト膜の溝パター
ンの断面形状が台形形状になることを利用したもので、
フォトレジスト膜の溝パターンをマスクとしてフォトレ
ジスト膜と基板との間に設けられた中間層(SiO2)をエ
ッチングし、さらに、エッチングされた中間層をマスク
として基板をエッチングすることにより、基板に形成さ
れる溝パターンの溝幅をフォトレジスト膜の溝パターン
の溝幅よりも小さくし、かつ、溝パターンの形状をより
矩形状にしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特開平7-28
7874号公報に開示されたスタンパの製造方法では、光退
色性樹脂層のコントラスト増強効果によって実効ビーム
スポット径を露光ビームスポット径の約50%にまで小
さくすることができるが、その場合にはフォトレジスト
膜を透過する光量が1/10にまで低下してしまう。また、
露光時間を短縮するためにも露光ビームの光量を上げる
必要がある。そのため、露光ビームの光量を上げて光量
の低下を防止し、露光時間を短縮するためには大型の高
出力レーザ光源が必要になるので、結果的にコストが高
くなるという問題を生じてしまう。
【0011】また、特開平6-243512号公報に開示された
スタンパの製造方法では、上述した特開平7-287874号公
報のスタンパの製造方法と同様に光退色性樹脂層を必要
とする上、超解像素子においては露光ビームの光量が1/
2程度損失してしまうことにより、フォトレジスト膜を
透過する光量はさらに低下してしまう。すなわち、この
スタンパの製造方法においても大型の高出力レーザ光源
が必要になる。
【0012】さらに、特開平9-106584号公報に開示され
たスタンパの製造方法では、フォトレジスト膜と基板と
の間に中間層を設けて基板に溝パターンを形成するの
で、基板上に中間層を成膜する工程と、中間層と基板と
をそれぞれエッチングする工程とが増加することによる
歩留まり低下やコストアップの問題を生じてしまう。
【0013】加えて、形成された溝パターンを導電皮膜
処理してからニッケル電鋳する従来のスタンパの製造方
法では、スタンパ表面にエッチング層(フォトレジスト
膜)の形成材料が残留付着してしまうので、この付着物
を除去する必要がある。また、この除去の際にスタンパ
表面にダメージを与えてしまうこともあり、この場合に
は、記録再生時にノイズレベルが上昇してしまう。
【0014】本発明の目的は、トラックピッチの狭い大
容量・高密度の光ディスクを成形する光ディスク原盤を
得ることができる光ディスク原盤の製造方法を得ること
である。
【0015】本発明の別の目的は、被エッチング材と金
属層との剥離を容易にすることができる光ディスク原盤
の製造方法を得ることである。
【0016】本発明の他の別の目的は、効率良く光ディ
スク原盤を量産することができる光ディスク原盤の製造
方法を得ることである。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
被エッチング材上にポジ型のフォトレジスト膜を形成す
る第一工程と、光ビームにより所定のパターンをフォト
レジスト膜に露光して潜像を形成する第二工程と、露光
されて潜像が形成されたフォトレジスト膜を現像して被
エッチング材上のフォトレジスト膜に所定のパターンの
溝を形成する第三工程と、被エッチング材上に形成され
たフォトレジスト膜をマスクにしてその被エッチング材
をエッチングする第四工程と、エッチングされた被エッ
チング材上のフォトレジスト膜を除去する第五工程と、
フォトレジスト膜を除去された被エッチング材上に導電
皮膜を形成する第六工程と、導電皮膜上に金属層を電鋳
により形成する第七工程と、被エッチング材上に形成さ
れた金属層を剥離する第八工程と、を備える。
【0018】したがって、被エッチング材が、その被エ
ッチング材上のフォトレジスト膜に形成された溝をマス
クにしてエッチングされる。これにより、被エッチング
材にエッチングにより形成される溝の溝幅がフォトレジ
スト膜に形成された溝の底幅と略同一になるとともに、
被エッチング材にエッチングにより形成される溝の形状
が矩形形状になる。
【0019】請求項2記載の発明は、請求項1記載の光
ディスク原盤の製造方法において、光ビームの光量とフ
ォトレジスト膜の膜厚とについてそれぞれを調節するこ
とにより、第三工程で被エッチング材上に形成される溝
の底幅を光ビームのビームスポット径以下に設定する。
【0020】したがって、被エッチング材上に形成され
るフォトレジスト膜の溝の底幅が、光ビームの光量とフ
ォトレジスト膜の膜厚とについてそれぞれを調節するこ
とにより、光ビームのビームスポット径以下に設定され
る。これにより、フォトレジスト膜の溝の底幅をマスク
にしてエッチングされる被エッチング材の溝が、光ビー
ムのビームスポット径以下の溝幅に形成される。
【0021】請求項3記載の発明は、請求項1記載の光
ディスク原盤の製造方法において、第六工程と第七工程
との間に第六工程で形成された導電皮膜を酸化して酸化
皮膜を形成する工程を設けて、その酸化皮膜上に電鋳に
より形成された金属層が酸化皮膜を界面にして剥離され
るようにした。
【0022】したがって、エッチングされた後にフォト
レジスト膜を除去された被エッチング材上に形成された
導電皮膜が酸化され、酸化皮膜が形成される。これによ
り、被エッチング材の酸化皮膜上に金属層を電鋳により
形成した場合、その酸化皮膜が金属層を剥離するための
剥離膜として機能するので、金属層が酸化皮膜を界面に
して剥離される。
【0023】請求項4記載の発明は、請求項3記載の光
ディスク原盤の製造方法において、第六工程は、銀、
金、ニッケル、クロム、チタン、アルミニウム、ジルコ
ニウム、モリブデンのいずれか一つを形成材料として導
電皮膜を形成する。
【0024】したがって、導電皮膜が、銀、金、ニッケ
ル、クロム、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、モ
リブデンのいずれか一つを形成材料として形成される。
これにより、安定した酸化皮膜を形成する導電皮膜が得
られる。
【0025】請求項5記載の発明は、請求項3記載の光
ディスク原盤の製造方法において、酸化皮膜を水酸化ナ
トリウム、炭酸ナトリウム、トリリン酸ナトリウム、ク
ロム酸カリウムのいずれか一つを溶剤とする湿式処理に
より形成する。
【0026】したがって、酸化皮膜が、水酸化ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム、トリリン酸ナトリウム、クロム酸
カリウムのいずれか一つを溶剤とする湿式処理により形
成される。これにより、安定した酸化皮膜が得られる。
【0027】請求項6記載の発明は、請求項3記載の光
ディスク原盤の製造方法において、酸化皮膜をオゾン洗
浄による乾式処理により形成する。
【0028】したがって、酸化皮膜が、オゾン洗浄によ
る乾式処理により形成されるので、安定した酸化皮膜が
得られる。
【0029】請求項7記載の発明は、請求項3記載の光
ディスク原盤の製造方法において、酸化皮膜を界面にし
て金属層を剥離された被エッチング材をマスタとして、
第七工程と第八工程とを複数回繰り返す。
【0030】したがって、金属層を剥離された酸化皮膜
を有する被エッチング材がマスタとされて、そのマスタ
の酸化皮膜上への金属層の電鋳による形成とその酸化皮
膜を界面にした金属層の剥離とが、繰り返される。これ
により、被エッチング材は常に酸化皮膜を有した状態と
されてその剥離膜の作用が維持されることにより、露光
等の工程を経ることなく複数枚の光ディスク原盤が製造
される。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態を図1ない
し図4に基づいて説明する。
【0032】ここで、図1はスタンパの製造方法を示す
工程図である。スタンパの製造工程としては、まず、後
述するようにエッチングされる材料である被エッチング
材であって、予めオゾン処理された上にHMDS(ヘキ
サメチルジシラザン)をスピンコートされたガラス基板
1の表面にフォトレジスト(東京応化製のポジ型i線形
レジスト)をスピンコート法等の手法で塗布する。この
ガラス基板1をクリーンオーブンにより90℃で30分
間加熱し、フォトレジストを乾燥させることにより、図
1(a)に示すように、ガラス基板1上にフォトレジス
ト膜2を形成する。なお、ここで予めオゾン処理された
上にHMDSをスピンコートされたガラス基板1を用い
たのは、オゾン処理により有機物の除去と酸化皮膜の形
成とがなされてHMDS処理を均一化でき、また、HM
DS処理によりガラス基板1とフォトレジスト膜2との
密着力を高めてフォトレジスト膜2のガラス基板1から
の剥離を防止することができるからである。
【0033】次に、図1(b)に示すように、ここでは
図示しないKrガスレーザ光源(波長λ=413nm)
から出射されて対物レンズa(開口数NA=0.90)
を介してフォトレジスト膜2へ照射されるレーザビーム
(ビームスポット径=0.4μm、その場合の光強度を
1/e2 とする)でガラス基板1を露光位置において線
速度7.2m/sで回転させて露光することにより、フ
ォトレジスト膜2にはスパイラル状の潜像3が形成され
る。
【0034】そして、この露光されて潜像3が形成され
たフォトレジスト膜2をアルカリ溶液により現像するこ
とで露光により形成された潜像3を除去した後にリンス
・乾燥し、その後に200℃で加熱処理することで、図
1(c)に示すような溝パターン4がガラス基板1上に
形成される。なお、ここで加熱処理するのは、溝パター
ン4のエッチング耐性を向上させるためである。ここ
で、ガラス基板1上に形成される溝パターン4の断面
は、台形形状になる。これは、レーザビームの光強度分
布が図2に示すようなガウス分布になることにより、ガ
ウス分布の裾の部分の光強度が弱くなってしまうためで
ある。そのため、図3に示すように、露光光量が大きい
程、溝パターン4の溝4aの底幅は大きく広がる。ま
た、図4に示すように露光光量により溝パターン4の溝
4aの深さが決まってくるので、一定の露光光量の下で
フォトレジスト膜2の膜厚を調整することにより、溝パ
ターン4の溝4aの底幅を調節することも可能である。
すなわち、レーザビームの光量調節及びフォトレジスト
膜2の膜厚調整により、溝パターン4の溝4aの底幅を
レーザビームのビームスポット径より小さな所望の幅に
設定することが可能である。
【0035】続いて、図1(d)に示すように、ガラス
基板1上の溝パターン4をマスクとし、O2 ガスのプラ
ズマ放電を利用したプラズマエッチングによってガラス
基板1をエッチングすることにより、溝5を形成する。
この溝5の深さは、スタンパ10(図1(i)参照)に
要求される溝の深さと同一の深さに形成される。なお、
ここで乾式エッチングであるプラズマエッチングを用い
たのは、湿式エッチングに比べてサイドエッチングがな
くなり、レジストアッシングの効果により溝5の加工精
度が向上するためである。したがって、溝パターン4を
マスクとしてガラス基板1をエッチングしたことによ
り、形成された溝5の溝幅は溝パターン4の溝4aの底
幅と略同一になるので、溝5の溝幅はレーザビームのビ
ームスポット径より小さくなるとともに、溝5の形状は
矩形形状になる。
【0036】次いで、フォトレジスト膜2をイソプロピ
ルアルコール及びオゾン洗浄処理で溶解・除去した後に
乾燥することにより、図1(e)に示すようなスタンパ
原盤6が得られる。なお、フォトレジスト膜2の除去す
るための溶剤としては、フォトレジストを溶解するもの
であれば良く、例えばシンナー、アセトンやレジスト剥
離液等を用いても良い。
【0037】そして、図1(f)に示すように、スタン
パ原盤6の溝5上にスパッタリング法等の手法により5
00〜1000ÅのNi膜7を形成し、導電皮膜処理を
する。なお、導電皮膜の形成材料はNiに限らずに、A
g,Au,Cr,Ti,Al,Zr,Mo等を用いても
良い。
【0038】その後、図1(g)に示すように、導電皮
膜であるNi膜7の表面をオゾンによる酸化によって酸
化皮膜処理することにより酸化皮膜8が形成される。た
だし、オゾン処理による酸化皮膜形成は、乾式処理のた
めに処理後の洗浄・乾燥を不要とするメリットがある
が、酸化膜の形成速度が遅いので処理に20〜30分を
要する。なお、オゾンに限らず、水酸化ナトリウム、炭
酸ナトリウム、トリリン酸ナトリウム、クロム酸カリウ
ム等による湿式処理によってNi膜7の表面を酸化させ
ても良く、この場合、処理後の洗浄・乾燥を要するが、
その処理については数分間で終了する。
【0039】続いて、図1(h)に示すように、酸化皮
膜8上にニッケル電鋳し、層厚約300μmの金属層で
あるニッケル層9を形成する。
【0040】最後に、図1(i)に示すように、ニッケ
ル層9のスタンパ原盤6に対して反対側を研磨した後、
ニッケル層9をスタンパ原盤6から剥離する。この際、
スタンパ原盤6の酸化皮膜8とニッケル層9との界面に
おいて剥離が起きる。その結果、ニッケル層9には、ス
タンパ原盤6に形成された溝5の凹形状を写し取った矩
形状の凸部10aがスパイラル状に形成される。ニッケ
ル層9は剥離された後に洗浄・乾燥され、打ち抜きプレ
スにより内外径を所望のサイズに加工されることによ
り、光ディスクの射出成形に使用するスタンパ10が完
成する。なお、ニッケル層9を剥離されたスタンパ原盤
6の剥離面には酸化皮膜8が形成されたままになってお
り、剥離膜の作用を維持しているので、この酸化皮膜8
が形成されたスタンパ原盤6によって複数のスタンパ1
0を製造することが可能になる。すなわち、スタンパ1
0の量産が可能になる。ただし、酸化皮膜8の劣化防止
して耐久性を向上させるためには、一定枚数を複製する
毎に図1(g)に示すような酸化皮膜形成をすることが
望ましい。
【0041】このようなスタンパ10をマスタとしてポ
リカーボネート等の基板材料を射出成形することによ
り、光ディスクが製造される。
【0042】
【実施例】本発明の第一の実施例を図5に基づいて説明
する。本実施例では、ガラス基板1上には、スピンコー
ト法により膜厚500Åのフォトレジスト膜2が形成さ
れている。そして、Krガスレーザ光源(波長λ=41
3nm)の露光光量Pwを4.0mWとし、対物レンズa
(開口数NA=0.90)を介して照射されるレーザビ
ーム(ビームスポット径=0.4μm)によりガラス基
板1上のフォトレジスト膜2を露光したところ、露光に
よりフォトレジスト膜2に形成される溝パターン4の溝
4aの底幅は、図5に示すように0.34μmであっ
た。すなわち、フォトレジスト膜2の膜厚が500Åで
あってレーザビームの露光光量が4.0mWである場合
において、溝パターン4の溝4aの底幅をレーザビーム
のビームスポット径より小さくすることができ、その結
果としてスタンパ原盤6の溝5の溝幅をレーザビームの
ビームスポット径より小さくすることができるので、ト
ラックピッチの狭い大容量・高密度の光ディスクを成形
可能なスタンパ10を得ることができたものである。
【0043】本発明の第二の実施例を図6に基づいて説
明する。本実施例では、ガラス基板1上には、スピンコ
ート法により膜厚1000Åのフォトレジスト膜2が形
成されている。そして、Krガスレーザ光源(波長λ=
413nm)の露光光量Pwを4.0mWとし、対物レン
ズa(開口数NA=0.90)を介して照射されるレー
ザビーム(ビームスポット径=0.4μm)によりガラ
ス基板1上のフォトレジスト膜2を露光したところ、露
光によりフォトレジスト膜2に形成される溝パターン4
の溝4aの底幅は、図6に示すように0.24μmであ
った。また、露光光量Pwを5.0mWとした場合に得ら
れた溝パターン4の溝4aの底幅は0.34μm、露光
光量Pwを6.0mWとした場合に得られた溝パターン4
の溝4aの底幅は0.39μmであった。すなわち、フ
ォトレジスト膜2の膜厚が1000Åであってレーザビ
ームの露光光量が4.0〜6.0mWである場合におい
て、溝パターン4の溝4aの底幅をレーザビームのビー
ムスポット径より小さくすることができ、その結果とし
てスタンパ原盤6の溝5の溝幅をレーザビームのビーム
スポット径より小さくすることができるので、トラック
ピッチの狭い大容量・高密度の光ディスクを成形可能な
スタンパ10を得ることができたものである。
【0044】本発明の第三の実施例を図7に基づいて説
明する。本実施例では、ガラス基板1上には、スピンコ
ート法により膜厚1500Åのフォトレジスト膜2が形
成されている。そして、Krガスレーザ光源(波長λ=
413nm)の露光光量Pwを4.0mWとし、対物レン
ズa(開口数NA=0.90)を介して照射されるレー
ザビーム(ビームスポット径=0.4μm)によりガラ
ス基板1上のフォトレジスト膜2を露光したところ、露
光によりフォトレジスト膜2に形成される溝パターン4
の溝4aの底幅は、図7に示すように0.16μmであ
った。すなわち、フォトレジスト膜2の膜厚が1500
Åであってレーザビームの露光光量が4.0mWである
場合において、溝パターン4の溝4aの底幅をレーザビ
ームのビームスポット径より小さくすることができ、そ
の結果としてスタンパ原盤6の溝5の溝幅をレーザビー
ムのビームスポット径より小さくすることができるの
で、トラックピッチの狭い大容量・高密度の光ディスク
を成形可能なスタンパ10を得ることができたものであ
る。
【0045】したがって、レーザビームの露光光量が
4.0mWを一定として、フォトレジスト膜2の膜厚を
500〜1500Åの間で変化させることによっても、
レーザビームのビームスポット径より小さな所望の溝パ
ターン4の溝4aの底幅を得ることができる。
【0046】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、被エッチ
ング材をその被エッチング材上のフォトレジスト膜に形
成された溝をマスクにしてエッチングすることにより、
効率良く被エッチング材にエッチングにより形成される
溝の溝幅をフォトレジスト膜に形成された溝の底幅と略
同一にすることができるとともに、被エッチング材にエ
ッチングにより形成される溝の形状を矩形形状にするこ
とができる。
【0047】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の光ディスク原盤の製造方法において、被エッチング
材上に形成されるフォトレジスト膜の溝の底幅を光ビー
ムの光量とフォトレジスト膜の膜厚とについてそれぞれ
を調整して光ビームのビームスポット径以下に設定する
ことにより、フォトレジスト膜の溝の底幅をマスクにし
てエッチングされる被エッチング材の溝を光ビームのビ
ームスポット径以下の溝幅に形成することができるの
で、トラックピッチの狭い大容量・高密度の光ディスク
を成形する光ディスク原盤を得ることができる。
【0048】請求項3記載の発明によれば、請求項1記
載の光ディスク原盤の製造方法において、エッチングさ
れた後にフォトレジスト膜を除去された被エッチング材
上に形成された導電皮膜を酸化して酸化皮膜を形成する
ことにより、被エッチング材の酸化皮膜上に金属層を電
鋳により形成した場合、その酸化皮膜を金属層を剥離す
るための剥離膜として機能させることにより、金属層を
酸化皮膜を界面にして剥離することができ、被エッチン
グ材と金属層との剥離を容易にすることができる。
【0049】請求項4記載の発明によれば、請求項3記
載の光ディスク原盤の製造方法において、導電皮膜を
銀、金、ニッケル、クロム、チタン、アルミニウム、ジ
ルコニウム、モリブデンのいずれか一つを形成材料とし
て形成することにより、安定した酸化皮膜を形成する導
電皮膜を得ることができるので、電鋳複製を安定させる
ことができる。
【0050】請求項5記載の発明によれば、請求項3記
載の光ディスク原盤の製造方法において、酸化皮膜を水
酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、トリリン酸ナトリウ
ム、クロム酸カリウムのいずれか一つを溶剤とする湿式
処理により形成することにより、安定した酸化皮膜を得
ることができるので、電鋳複製を安定させることができ
る。
【0051】請求項6記載の発明によれば、請求項3記
載の光ディスク原盤の製造方法において、酸化皮膜をオ
ゾン洗浄による乾式処理により形成することにより、安
定した酸化皮膜を得ることができるので、電鋳複製を安
定させることができる。
【0052】請求項7記載の発明によれば、請求項3記
載の光ディスク原盤の製造方法において、金属層を剥離
された酸化皮膜を有する被エッチング材をマスタとし、
そのマスタの酸化皮膜上への金属層の電鋳による形成と
その酸化皮膜を界面にした金属層の剥離とを繰り返して
も、被エッチング材には常に酸化皮膜を形成した状態に
なっており剥離膜の作用を維持することができ、露光等
の工程を経ることなく複数枚の光ディスク原盤を製造す
ることができるので、効率良く光ディスク原盤を量産す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態のスタンパの製造方法を
示す工程図である。
【図2】レーザビームの光強度分布を示すグラフであ
る。
【図3】露光光量と溝パターンの溝の底幅との関係を示
すグラフである。
【図4】露光光量とフォトレジスト膜の残膜量との関係
を示すグラフである。
【図5】本発明の第一の実施例であるフォトレジスト膜
の膜厚を500Åにした場合の露光光量と溝パターンの
断面との関係を示すグラフである。
【図6】本発明の第二の実施例であるフォトレジスト膜
の膜厚を1000Åにした場合の露光光量と溝パターン
の断面との関係を示すグラフである。
【図7】本発明の第三の実施例であるフォトレジスト膜
の膜厚を1500Åにした場合の露光光量と溝パターン
の断面との関係を示すグラフである。
【図8】従来のスタンパの製造方法を示す工程図であ
る。
【図9】従来のスタンパの溝の形状を示す断面図であ
る。
【符号の説明】 1 被エッチング材 2 フォトレジスト膜 3 潜像 4a 溝 7 導電皮膜 8 酸化皮膜 9 金属層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被エッチング材上にポジ型のフォトレジ
    スト膜を形成する第一工程と、 光ビームにより所定のパターンを前記フォトレジスト膜
    に露光して潜像を形成する第二工程と、 露光されて潜像が形成された前記フォトレジスト膜を現
    像して前記被エッチング材上のフォトレジスト膜に所定
    のパターンの溝を形成する第三工程と、 前記被エッチング材上に形成された前記フォトレジスト
    膜をマスクにしてその被エッチング材をエッチングする
    第四工程と、 エッチングされた前記被エッチング材上の前記フォトレ
    ジスト膜を除去する第五工程と、 前記フォトレジスト膜を除去された前記被エッチング材
    上に導電皮膜を形成する第六工程と、 前記導電皮膜上に金属層を電鋳により形成する第七工程
    と、 前記被エッチング材上に形成された前記金属層を剥離す
    る第八工程と、を備える光ディスク原盤の製造方法。
  2. 【請求項2】 光ビームの光量とフォトレジスト膜の膜
    厚とについてそれぞれを調節することにより、第三工程
    で被エッチング材上に形成されるフォトレジスト膜の溝
    の底幅を光ビームのビームスポット径以下に設定する請
    求項1記載の光ディスク原盤の製造方法。
  3. 【請求項3】 第六工程と第七工程との間に第六工程で
    形成された導電皮膜を酸化して酸化皮膜を形成する工程
    を設けて、その酸化皮膜上に電鋳により形成された金属
    層が酸化皮膜を界面にして剥離されるようにした請求項
    1記載の光ディスク原盤の製造方法。
  4. 【請求項4】 第六工程は、銀、金、ニッケル、クロ
    ム、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、モリブデン
    のいずれか一つを形成材料として導電皮膜を形成する請
    求項1記載の光ディスク原盤の製造方法。
  5. 【請求項5】 酸化皮膜を水酸化ナトリウム、炭酸ナト
    リウム、トリリン酸ナトリウム、クロム酸カリウムのい
    ずれか一つを溶剤とする湿式処理により形成する請求項
    3記載の光ディスク原盤の製造方法。
  6. 【請求項6】 酸化皮膜をオゾン洗浄による乾式処理に
    より形成する請求項3記載の光ディスク原盤の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 酸化皮膜を界面にして金属層を剥離され
    た被エッチング材をマスタとして、第七工程と第八工程
    とを複数回繰り返す請求項3記載の光ディスク原盤の製
    造方法。
JP9150298A 1998-04-03 1998-04-03 光ディスク原盤の製造方法 Pending JPH11296915A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9150298A JPH11296915A (ja) 1998-04-03 1998-04-03 光ディスク原盤の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9150298A JPH11296915A (ja) 1998-04-03 1998-04-03 光ディスク原盤の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11296915A true JPH11296915A (ja) 1999-10-29

Family

ID=14028199

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9150298A Pending JPH11296915A (ja) 1998-04-03 1998-04-03 光ディスク原盤の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11296915A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7968017B2 (en) 2001-04-06 2011-06-28 Sony Corporation Stamper for optical disc, method for manufacturing optical disc, and optical disc

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7968017B2 (en) 2001-04-06 2011-06-28 Sony Corporation Stamper for optical disc, method for manufacturing optical disc, and optical disc

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH07326077A (ja) マスターによらずに光ディスクを生産するためのマトリックスの製造方法
JPH11296918A (ja) 光情報記録媒体用スタンパの製造方法
JPH0453015B2 (ja)
WO2003058616A1 (fr) Procede de production d'une matrice de pressage destinee la production d'un support de donnees, matrice de donnees et matrice de pressage intermediaire dotee d'un disque maitre
JP2000113526A (ja) 光情報記録媒体用スタンパの製造方法
JPH11296915A (ja) 光ディスク原盤の製造方法
JPH09115190A (ja) 光ディスク用スタンパの製造方法
JPH10241213A (ja) 光ディスク用スタンパーの製造方法
JP2000256889A (ja) スタンパー複製用盤の製造方法および光学記録媒体の製造方法
JPH11102541A (ja) 光ディスク用原盤の製造方法
JP2003085829A (ja) 光情報媒体用スタンパの製造方法およびこれに用いるフォトレジスト原盤、ならびに、光情報媒体用スタンパおよび光情報媒体
JP2006525540A (ja) フォトリソグラフィプロセス方法、スタンパ、該スタンパの使用及び光データ記憶媒体
JP3749520B2 (ja) 情報媒体製造用スタンパの製造方法、スタンパ、及び原盤付スタンパ中間体
JP2001357565A (ja) 光ディスク原盤の製造方法及び光ディスク原盤
JP3136759B2 (ja) スタンパ、その製造方法、及び光記録媒体
JPH10241214A (ja) 光ディスク用スタンパーの製造方法
JPH11350181A (ja) スタンパの製造方法
JP2002245685A (ja) 微細パターンの形成方法
JP2002184009A (ja) 記録媒体原盤の製造方法
JP3655289B2 (ja) 光情報記録媒体及びその製造方法
JP4055259B2 (ja) 原盤の製造方法、情報記録媒体成型用のスタンパー及び情報 記録媒体
JP2010118121A (ja) 光ディスク用原盤の製造方法、光ディスク用原盤、スタンパ、及び光ディスク
JP2003022583A (ja) 光ディスク原盤の製造方法及び光ディスク原盤
JP2001184733A (ja) 光ディスク原盤の製造方法
JP2001338444A (ja) 原盤、スタンパ及び情報記録媒体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040406