JP3479138B2 - ポリオレフィン系樹脂組成物及びシート - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂組成物及びシート

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JP3479138B2
JP3479138B2 JP32598094A JP32598094A JP3479138B2 JP 3479138 B2 JP3479138 B2 JP 3479138B2 JP 32598094 A JP32598094 A JP 32598094A JP 32598094 A JP32598094 A JP 32598094A JP 3479138 B2 JP3479138 B2 JP 3479138B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融加工性、二次加工
性に優れたポリオレフィン系樹脂組成物に関するもので
あり、特に真空成形時のシボ流れが少なく、ドローダウ
ンが少なく、且つ深絞り時の偏肉が少ない、真空成形性
に優れる自動車、船舶、列車等の内装材料に好適なポリ
オレフィン系樹脂組成物及び該組成物を用いたシートを
提供するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車、船舶、列車等に用いられる内装
表皮材料は、エンボス加工により表面にシボ付けしたシ
ートを真空成形等の二次加工した部材が広く用いられて
いる。このような部材は一般には次のような方法で製造
されている。 (1)原料樹脂をカレンダー成形または押出成形などに
よりシートを製造する。 (2)該シートをエンボス加工によりシボ付けし加飾す
る。 (3)シボ付けされたシートを真空成形等により所定の
形状に成形し、部材とする。
【0003】このような製造方法に適した材料として
は、特公昭56−15743号公報,特公昭62−93
8号公報,特公昭62−59139号公報,特公昭63
−9522号公報或いは特開平1−292065号公報
等に開示されているような、ポリオレフィン系樹脂と部
分架橋α−オレフィン系共重合体ゴムのブレンド物から
なる熱可塑性エラストマー組成物が知られており、該エ
ラストマー組成物を上記方法に従い容易に内装用部材と
することができる。しかしながらその製造に当たって
は、熱可塑性エラストマー組成物に用いる部分架橋α−
オレフィン系共重合体ゴムの架橋度を適切に制御するこ
とが必要であり、架橋度が不適切であるとシート成形
性、真空成形性等の各工程が困難になり、逆に架橋度を
高くし過ぎると溶融成形性が著しく低下する等の欠点を
有している。
【0004】一方、特公昭57−6461号公報,特公
昭57−24375号公報,特公昭57−115441
号公報或いは特開昭62−81443号公報等に開示さ
れているような、ポリオレフィン系樹脂と架橋していな
いα−オレフィン系共重合体ゴムからなるブレンド物を
内装材料に用いた場合は、真空成形を行う際に予めエン
ボス加工で加飾してあるシボが流れてしまうこと、真空
成形時のドローダウンが大きいこと、その結果真空成形
の深絞り時に均一な肉厚のものが得にくいことなどの問
題点があった。
【0005】したがって、溶融成形が容易で、シボ流れ
が少なく、ドローダウンが小さい等真空成形性に優れ、
且つ柔軟で風合いも優れる、自動車、船舶、列車等の内
装材料として好適なポリオレフィン系材料の開発が望ま
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の製造
方法に適し、安価で、従来の熱可塑性エラストマーのよ
うに架橋度の制御等の操作が不要であり、シボ流れが少
なく、ドローダウンが小さく、真空成形加工の深絞り時
においても製品肉厚の均一性を得ることができるポリオ
レフィン系の樹脂組成物及び該樹脂組成物を用いたシー
トの開発を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
の解決のため種々検討した結果、特定の組成からなる架
橋性樹脂組成物と、特定の性質を有する高溶融張力ポリ
プロピレンからなるポリオレフィン系樹脂組成物を用い
ることにより、前記問題点を解決し得ることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、(A)架橋性樹脂組成物50〜
95重量部および、(B)230℃におけるメルトテン
ション(MT)とメルトフローインデックス(MFR)
が下記式(1) logMT>−1.16×logMFR+1.2 (1) (但し、MFRは0.01〜20の範囲である。)の関
係にある高溶融張力ポリプロピレン50〜5重量部から
なり、該架橋性樹脂組成物(A)が、(a)エチレンと
ラジカル重合性酸無水物及びこれ以外のラジカル重合性
コモノマーからなる多元共重合体であり、該多元共重合
体中のラジカル重合性酸無水物基に由来する単位が0.
1〜20重量%であり、その他のラジカル重合性コモノ
マーに由来する単位が5〜40重量%であるエチレン系
多元共重合体、(b)分子内に水酸基を少なくとも二つ
有する多価アルコール化合物及び(c)反応促進剤を含
有し、成分(a)中のラジカル重合性酸無水物に由来す
る単位に対し、成分(b)である多価アルコール化合物
中の水酸基の単位のモル比が0.01〜10の範囲であ
り、且つ成分(c)である反応促進剤が成分(a)であ
るエチレン系共重合体100重量部に対して0.001
〜20重量部の範囲であることを特徴とするポリオレフ
ィン系樹脂組成物及び該樹脂組成物を用いて成形された
シートである。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、架橋性樹脂組成物(A)の成分(a)であるエ
チレン系多元共重合体は、エチレンとラジカル重合性酸
無水物及びその他のラジカル重合性コモノマー(以下第
3モノマーと言う)とを共重合してなる多元共重合体で
ある。
【0010】ここでラジカル重合性酸無水物としては、
様々なものがあるが、具体的には、例えば、無水マレイ
ン酸、無水イタコン酸、無水エンディック酸、無水シト
ラコン酸、1−ブテン−3,4−ジカルボン酸無水物、
炭素数が多くとも18である末端に二重結合を有するア
ルケニル無水コハク酸、炭素数が多くとも18である末
端に二重結合を有するアルカジエニル無水コハク酸等を
挙げることができる。これらのラジカル重合性酸無水物
は単独で用いてもよく、またその複数を組み合わせても
よい。そして、これらの中では、無水マレイン酸及び無
水イタコン酸が好適に用いられる。
【0011】本発明において、(a)成分のエチレン系
多元共重合体は、ラジカル重合性酸無水物に由来する単
位は0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量
%の範囲である。該ラジカル重合性酸無水物に由来する
単位が0.1重量%未満では、架橋構造を効率的に導入
することができず、得られるポリオレフィン系樹脂組成
物の強度、耐熱性等が不足する。また、20重量%を越
えると、得られるポリオレフィン系樹脂組成物の成形加
工が困難となり、柔軟性も低下するため好ましくない。
【0012】前記ラジカル重合性酸無水物と併用する第
3モノマーとしては、エチレン系不飽和エステル化合
物、エチレン系不飽和アミド化合物、エチレン系不飽和
酸化合物、エチレン系不飽和エーテル化合物、エチレン
系不飽和炭化水素化合物等を挙げることができる。
【0013】これらを具体的に記せば、エチレン系不飽
和エステル化合物としては、酢酸ビニル、(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メ
タ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸
ベンジル、フマル酸メチル、フマル酸エチル、フマル酸
プロピル、フマル酸ブチル、フマル酸ジメチル、フマル
酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、フマル酸ジブチル、
マレイン酸メチル、マレイン酸エチル、マレイン酸プロ
ピル、マレイン酸ブチル、マレイン酸ジメチル、マレイ
ン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸ジブ
チル、等を例示する事ができる。
【0014】エチレン系不飽和アミド化合物としては、
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリル
アミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロ
ピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アク
リルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N
−オクチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)ア
クリルアミド、等を例示することができる。
【0015】エチレン系不飽和カルボン酸化合物として
は(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、等を例
示することができる。エチレン系不飽和エーテル化合物
としてはメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテ
ル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、
オクタデシルビニルエーテル、フェニルビニルエーテ
ル、等を例示することができる。エチレン系不飽和炭化
水素化合物及びその他の化合物としてはスチレン、α−
メチルスチレン、ノルボルネン、ブタジエン、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、アクロレイン、クロト
ンアルデヒド、トリメトキシビニルシラン、トリエトキ
シビニルシラン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、等を挙
げることができる。これらの第3モノマーは、必要に応
じて2種類以上同時に併用してもよい。
【0016】本発明に関する架橋性樹脂組成物(A)の
成分(a)のエチレン系共重合体中の第3モノマーの含
量は、5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%で
ある。この第3モノマーの含量が5重量%未満では得ら
れるポリオレフィン系樹脂組成物が硬くなり、2次成形
性が低下するため好ましくなく、また40重量%を越え
ると、得られるポリオレフィン系樹脂組成物が柔軟にな
りすぎ、耐熱性も低下するため好ましくない。
【0017】成分(a)であるエチレン系多元共重合体
のMFR(JIS K−7210表1の条件4に従う)
は、0.1〜500g/10分の範囲が好ましく、更に
好ましくは0.1〜100g/10分、特に好ましく
は、0.1〜30g/10分である。MFRが0.1g
/10分未満または500g/10分を越える場合に
は、本発明の目的に合致した成形性の良いポリオレフィ
ン系樹脂組成物が得られない。このようなエチレン系多
元共重合体は、一般的に知られている方法、即ち、塊
状、溶液、懸濁、またはエマルジョン等の重合プロセス
により製造することができるが、基本的に通常の高圧法
低密度ポリエチレン製造設備及びその技術を利用して製
造される。
【0018】本発明に関わる架橋性樹脂組成物(A)の
(b)成分である、分子内に2個以上の水酸基を有する
多価アルコール化合物としては、例えば、エチレングリ
コール、グリセリン、1,4ブタンジオール、1,6ヘ
キサンジオール、1,8オクタンジオール、1,10デ
カンジオール、トリメチロールメタン、トリメチロール
エタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ルなどのアルコール化合物;ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、テトラエチレングリコール等の
ポリエチレングリコール;ジグリセリン、トリグリセリ
ン、テトラグリセリンなどのポリグリセリン;アルビト
ール、ソルビトール、キシロース、アラビノース、グル
コース、ガラクトース、ソルボース、フルクトース、パ
ラチノース、マルトトリオース、マレジトース、ソルビ
タン等の糖類;これらの糖類の脱水縮合物;上記の各種
化合物にエチレンオキサイド叉はプロピレンオキサイド
を付加させたポリオキシアルキレン化合物;上記の各種
化合物をカルボン酸で部分的にエステル化した化合物;
上記のポリオキシアルケニレン化合物を更にカルボン酸
で部分的にエステル化した化合物;上記の部分的にエス
テル化した化合物に更にエチレンオキシド叉はプロピレ
ンオキシドを付加させたポリオキシアルキレン化合物;
エチレン−酢酸ビニル共重合体の鹸化物、ポリビニルア
ルコール、水酸基を2以上有するポリオレフィン系オリ
ゴマー、エチレン−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート共重合体などの水酸基を2以上有する重合体などを
挙げることができる。
【0019】多価アルコール化合物の融点は300℃以
下であることが好ましい。また、これらの多価アルコー
ル化合物は2種類以上同時に併用しても差し支えない。
(b)成分である多価アルコール化合物として特に好ま
しいのは、以下に示す多価アルコールの中から選ばれる
少なくとも1種の化合物である。これらの化合物は、い
わゆる架橋剤としての作用を有することに加えて、本発
明に関わる架橋性樹脂組成物に成形安定性を与え、成形
する場合において、成形体にゲル,ブツなどが発生する
のを防止する作用を有する。
【0020】先ず、下記一般式(I) (R1a C(CH2 0H)b (I) [式中、R1 は水素,炭素原子数1〜12個の鎖状ある
いは環状アルキル基叉はアラルキル基を表し、aは0〜
2の整数を表し、bは2〜4の整数を表し、かつa+b
=4を満足するように選択される。]または下記一般式
(II) CH2 (OH)CH(OH)CH2 O[CH2 CHOHCH2 O]m H (II) [式中、mは0〜10の整数である。]で示される化合
物にエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドを付加
させた構造を有するポリオキシアルキレン化合物、或い
は下記一般式(III) R2 −COOH (III) [式中、R2 は炭素数2〜25個の鎖状アルキル基、環
状アルキル基、アラルキル基またはアルケニル基を示
す。]で示される有機カルボン酸化合物と、前記一般式
(II)で示されるポリグリセリンとを脱水縮合して得ら
れる、分子内に2個以上の水酸基を有するポリグリセリ
ンエステルのうち1種以上である。
【0021】上記のポリオキシアルキレン化合物は、一
般式(I)で示されるポリメチロール、叉は(II)で示
されるポリグリセリンに、エチレンオキサイド叉はプロ
ピレンオキサイドを常法で付加反応させることによって
容易に得られる。ここで、一般式(I)で示されるポリ
メチロールとしては、例えば、1,3−ジヒドロキシプ
ロパン;2,2−ジメチル−1,3−ジヒドロキシプロ
パン;トリメチロールエタン;1,1,1−トリメチロ
ールプロパン;1,1,1−トリメチロールヘキサン;
1,1,1−トリメチロールドデカン;2−シクロヘキ
シル−2−メチロール−1,3−ジヒドロキシプロパ
ン;2−(p−メチルフェニル)−2−メチロール−
1、3−ジヒドロキシプロパン;ペンタエリスリトール
などが挙げられる。また、一般式(II)で示されるポリ
グリセリンとしては、例えば、グリセリン,ジグリセリ
ン,ヘキサグリセリン,オクタグリセリン,デカグリセ
リンなどが挙げられる。これらの化合物にエチレンオキ
サイド叉はプロピレンオキサイドを付加させて得られる
ポリオキシアルキレン化合物は、通常単一の化合物とし
て得ることは極めて困難であり、一般に複数の異なる構
造の化合物の混合物として得られるが、本発明の目的に
は全く問題なく用いることができる。さらに、一般式
(I)及び/又は(II)で示される多価アルコール化合
物を2種類以上用いて同時にエチレンオキシド又はプロ
ピレンオキシドを付加させたポリオキシアルキレン化合
物を用いても差し支えない。
【0022】一般式(I)又は(II)で示される化合物
へのエチレンオキシド又はプロピレンオキシドの付加量
は、用いる上記の化合物に含まれる水酸基の数に左右さ
れるため、一概には規定することはできないが、少なく
とも上記の化合物1モルに対してエチレンオキシド又は
プロピレンオキシドを2モル以上付加させることが好ま
しい。付加量の上限は、特にないが、一般的に付加量が
一般式(I)又は(II)で示される多価アルコール1モ
ルに対して50モルを超えると、得られたポリオキシア
ルキレン化合物の分子量が大きくなりすぎ、組成物を調
整する際の混合性が低下したり、成形後のブリードなど
の問題が生ずるために好ましくない。
【0023】ポリグリセリンエステルは、一般式(III)
で示される有機カルボン酸叉はその等価体(例えば、ア
ルカリ金属塩,酸ハロゲン化物など)と一般式(II)で
示されるポリグリセリンとを一般に知られている方法
で、脱水縮合する事によって容易に製造する事ができ
る。使用されるポリグリセリンエステル化合物は、分子
内に2個以上の水酸基を有することが必要である。従っ
て、一般式(II)のポリグリセリンをエステル化する際
の有機カルボン酸の使用量は、ポリグリセリンに含まれ
る水酸基の個数を考慮して決定する必要がある。
【0024】ポリグリセリンエステル化合物としては、
例えば、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノ
オレエート、グリセリンモノラウレート、ジグリセリン
モノステアレート、ジグリセリンジステアレート、ジグ
リセリンモノオレエート、ジグリセリンモノヘキサノエ
ート、ジグリセリンジオクタノエート、テトラグリセリ
ンモノステアレート、テトラグリセリントリステアレー
ト、ヘキサグリセリンモノステアレート、ヘキサグリセ
リンジステアレート、ヘキサグリセリンペンタステアレ
ート、デカグリセリンモノステアレート、デカグリセリ
ンジラウレート、ペンタデカグリセリンジステアレー
ト、ペンタデカグリセリンデカオレエート、オクタデカ
グリセリンテトラステアレート等が挙げられる。これら
のポリグリセリンエステルを二種類以上併用する事もで
きる。
【0025】(b)成分である多価アルコール化合物の
使用量は、(a)成分である架橋性エチレン系共重合体
中に含まれるラジカル重合性酸無水物に由来する単位に
対して、多価アルコール化合物に含まれる水酸基の単位
のモル比が0.01〜10の範囲であり、0.05〜5
の範囲となることが好ましい。このモル比が0.01未
満であると、組成物に架橋構造を効果的な量で導入する
には不十分となる。一方、モル比が10を超えると、架
橋構造を効果的に導入する点において無意味であるだけ
でなく経済的にも好ましくない。
【0026】本発明に関する架橋性樹脂組成物に含まれ
る(c)成分である反応促進剤とは、エチレン系共重合
体中に含まれるラジカル重合性酸無水物に由来する単位
に含まれるカルボニル基を活性化し、水酸基と酸無水物
との反応を促進させる化合物である。このような反応促
進剤としては様々なものがあるが、その一例を挙げれ
ば、有機カルボン酸の金属塩がある。有機カルボン酸の
金属塩としては、炭素数1〜30の脂肪酸と周期表のI
A族,IIA族,IIB族, IIIB族の金属(例えばLi,
Na,K,Mg,Ca,Zn,Al等)との塩が挙げら
れる。具体例を示せば、酢酸リチウム,酢酸ナトリウ
ム,酢酸マグネシウム,酢酸アルミニウム,酪酸カリウ
ム,酪酸カルシウム,酪酸亜鉛,ラウリン酸ナトリウ
ム,ラウリン酸カルシウム,ミリスチン酸カリウム,ミ
リスチン酸ナトリウム,ステアリン酸ナトリウム,ステ
アリン酸カルシウム,ステアリン酸亜鉛,オレイン酸ナ
トリウム,ベヘン酸ナトリウムなどの脂肪族カルボン酸
の金属塩;安息香酸ナトリウム,安息香酸亜鉛,フタル
酸ナトリウム,フタル酸アルミニウム,テレフタル酸マ
グネシウム,ナフタレンジカルボン酸カルシウムなどの
芳香族カルボン酸の金属塩が挙げられる。これらのう
ち、ラウリン酸ナトリウム,ミリスチン酸ナトリウム,
ステアリン酸ナトリウム,ステアリン酸カルシウム,ス
テアリン酸亜鉛,オレイン酸ナトリウムが好適に用いら
れる。
【0027】有機カルボン酸の金属塩の他の例として
は、カルボン酸の金属塩構造を有する重合体がある。こ
のような重合体としては、エチレンとラジカル重合性カ
ルボン酸のIA族,IIA族,IIB族, IIIB族の金属
(例えばLi,Na,K,Mg,Ca,Zn,Al等)
塩とを共重合した構造を有するもの、あるいはエチレン
とラジカル重合性不飽和カルボン酸の金属塩と他のラジ
カル重合性不飽和カルボン酸及び/またはその誘導体と
を多元共重合した構造を有するものが挙げられ、本発明
の目的には、好適に用いることができる。
【0028】更に、ポリエチレン,ポリプロピレン,エ
チレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系樹脂
に、該ラジカル重合性不飽和カルボン酸の金属塩(遊離
の不飽和カルボン酸をグラフト重合し、その後に中和し
ても良い。)をグラフト重合させた構造を有するもの、
ポリオレフィン系重合体にラジカル重合性不飽和カルボ
ン酸の金属塩と他のラジカル重合性不飽和カルボン酸及
び/またはその誘導体を同時に共グラフト重合した構造
を有するものが挙げられる。ここで用いられるラジカル
重合性不飽和カルボン酸及びその誘導体としては、(メ
タ)アクリル酸,マレイン酸,フマル酸,マレイン酸モ
ノメチル,フマル酸モノメチル,マレイン酸モノエチ
ル,フマル酸モノエチル,マレイン酸モノブチル,フマ
ル酸モノブチル,(メタ)アクリル酸メチル,マレイン
酸ジメチル,フマル酸ジメチル,マレイン酸ジエチル,
フマル酸ジエチル,マレイン酸ジブチル,フマル酸ジブ
チルなどが挙げられる。
【0029】また本発明に関わる反応促進剤の他の例と
しては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、
ジメチルエチルアミン、ジエチルシクロヘキシルアミン
等の三級アミン化合物、例えばテトラメチルアンモニウ
ムテトラフルオロボレート、テトラメチルアンモニウム
ヘキサフルオロホスフェート、テトラメチルアンモニウ
ムブロミド、テトラエチルアンモニウムブロミド等の四
級アンモニウム塩、例えば水酸化カルシウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物や、
塩化カルシウム、臭化カルシウム、塩化マグネシウム等
の金属ハロゲン化物、或いは例えば硝酸ナトリウム、硝
酸カルシウム、燐酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸
亜鉛、塩素酸カリウム、沃素酸ナトリウム等のオキソ酸
の金属塩、さらには例えばNaBF4、KPF6、NaPCl6、NaFeCl
4 、NaSnCl4 、NaSbF6、NaAsF6、KAsCl6等のルイス酸の
金属塩や、パラトル塩スルホン酸ナトリウム,パラトル
塩スルホン酸カリウム、クロロエタンスルホン酸アルミ
ニウム、エチルメタンスルホン酸カルシウム、エチルエ
タンスルホン酸亜鉛等の有機スルホン酸の金属塩を挙げ
ることができる。以上に例示した反応促進剤のうち、カ
ルボキシル基を含む重合体の金属塩及び有機カルボン酸
の金属塩が好適に用いられる。また上記の各種の反応促
進剤を必要に応じて2種類以上併用することもできる。
【0030】本発明の架橋性樹脂組成物(B)に含まれ
る(c)成分である反応促進剤の使用量は、(a)成分
である架橋性エチレン系共重合体100重量部に対して
0.001〜20重量部の範囲となることが必要であ
り、0.01〜15重量部の範囲となることが好まし
い。この量が0.001重量部未満であると、反応が遅
くなり過ぎて組成物中に架橋構造を効果的に導入するこ
とが困難となり、20重量部を超えると反応速度を向上
させる点で無意味であるばかりでなく、経済的にも好ま
しくない。
【0031】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物に含
まれる上記架橋性樹脂組成物(A)の割合は50〜95
重量部の範囲で用いられる。好ましくは50〜90重量
部の範囲、さらに好ましくは60〜80重量部の範囲で
ある。この架橋性樹脂組成物が95重量部を越えた場
合、耐熱性、機械的強度等が低下してしまい、また50
重量部未満では、柔軟性、伸びが低下するため好ましく
ない。
【0032】この架橋性樹脂組成物の製造法には、通常
知られている種々の樹脂の混合方法を用いることができ
る。その具体的方法を例示すれば、加圧ニーダー、ロー
ル、バンバリーミキサー、スタティックミキサー、スク
リュー式押出機等の混練機を用いて溶融混練する方法が
挙げられる。この際、予めドライブレンドし、得られる
混合物を溶融混練りすることによって均一な混合物を得
ることができる。
【0033】次に高溶融ポリプロピレン(B)について
説明する。本発明に関わる高溶融張力ポリプロピレン
(B)としては、 a.高分子反応の利用、 b.電子線、放射線(高エネルギー線)の照射或いは、 c.パーオキサイドの添加 等の方法により部分的架橋を施した/あるいは長鎖分岐
を導入したポリプロピレンを挙げる事ができる。また、
本発明の高溶融張力ポリプロピレンは、溶融張力〔M
T:測定温度230℃、押出速度15mm/分、引き取
り速度6.3m/分、オリフィス径2.095mm、L
/D=3.8の測定条件で樹脂ストランドを引き取った
ときにかかる荷重(g)を表す〕とメルトフローインデ
ックス(MFR:JIS K7210表1条件14)の
間に式(1) logMT>−1.16×logMFR+1.2 …………(1) の関係があることが重要である。本発明で用いられる高
溶融張力ポリプロピレンのMTとMFRの関係が式
(1)を満たさない場合、得られるポリオレフィン系樹
脂組成物を用いて成形したシートの真空成形性等の二次
加工性が低下する。また、高溶融張力ポリプロピレンの
MFRは0.01〜20g/10分の範囲、好ましくは
0.05〜15g/10分の範囲、より好ましくは0.
1〜10g/10分の範囲である。MFRが0.01g
/10分よりも小さい場合は得られるポリオレフィン系
樹脂組成物の成形性が低下し、20g/10分より大き
い場合は、実質的に十分効果のあるメルトテンションが
得られなくなる。
【0034】このような高溶融張力ポリプロピレンとし
ては、(i)プロピレンの単独重合体およびまたはプロ
ピレンと他のα−オレフィンとの共重合体に、不飽和カ
ルボン酸およびまたはその誘導体を0.01〜2重量%
グラフトした変性ポリプロピレンと、(ii)成分(i)
である変性ポリプロピレン中の不飽和カルボン酸および
またはその誘導体に由来する単位と反応しうる官能基
を、分子内に少なくとも2個以上有する反応性化合物と
からなる樹脂組成物を挙げることができる。
【0035】上記成分(i)の変性ポリプロピレンの製
造に使用されるポリプロピレンとしては、プロピレンホ
モポリマー、或いはプロピレンとエチレン或いは/及び
炭素数4〜10のα−オレフィンからなる群から選ばれ
るプロピレン−α−オレフィン共重合体を挙げることが
できる。プロピレン−α−オレフィン共重合体に用いら
れるα−オレフィンは1種または2種以上組み合わせて
使用することができる。炭素数4〜10のα−オレフィ
ンとしては例えば、1−ブテン、イソブチレン、1−ペ
ンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3,
4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル
−1−ヘキセン等が挙げられる。プロピレンとエチレン
との共重合体であるときにはエチレン単位の含量が5
(好ましくは4)重量%以下、プロピレンと炭素数4〜
10のα−オレフィンとの共重合体であるときには該α
−オレフィン単位の含量が20(好ましくは16)重量
%以下であることが好ましい。共重合体はランダム共重
合体であってもブロック共重合体であっても良い。
【0036】成分(i)の変性ポリプロピレンを得るた
めに用いられる不飽和ジカルボン酸およびまたはその誘
導体(以後「不飽和ジカルボン酸化合物」という)とし
ては、様々なものがあるが、具体的には、例えば、マレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロト
ン酸、イソクロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン
酸、無水エンディック酸、無水シトラコン酸、1−ブテ
ン−3,4−ジカルボン酸無水物、炭素数が多くとも1
8である末端に二重結合を有するアルケニル無水コハク
酸、炭素数が多くとも18である末端に二重結合を有す
るアルカジエニル無水コハク酸、ジカルボン酸のモノエ
ステル等を挙げることができる。これらの不飽和ジカル
ボン酸化合物は単独で用いてもよく、またその複数を組
み合わせてもよい。そして、これらの中では、無水マレ
イン酸及び無水イタコン酸が好適に用いられる。
【0037】成分(i)の変性ポリプロピレンにおい
て、該不飽和ジカルボン酸化合物のグラフト量は0.0
1〜2重量%の範囲であり、好ましくは0.03〜1.
0重量%、更に好ましくは0.05〜0.7重量%の範
囲である。該不飽和ジカルボン酸化合物のグラフト量が
0.01重量%未満では、得られる高溶融張力ポリプロ
ピレンの溶融張力が低くなり、式(1)の関係を満足し
なくなる。また、2重量%を越えると、得られる高溶融
張力ポリプロピレン中にゲル成分が多く発生し、成形体
の外観や引張特性などの物性が損なわれる恐れがあるた
め好ましくない。
【0038】本発明に用いる変性ポリオレフィンを製造
するにあたっては、通常知られている種々の方法が利用
できる。すなわち、ポリオレフィン類を溶媒に溶解して
溶液とし、ラジカル開始剤と不飽和ジカルボン酸化合物
を混合、反応させる溶液グラフト法、溶媒の不存在下で
押出機内で変性する溶融グラフト法、電子線等を利用す
る放射線グラフト法等が利用できる。さらに未反応の不
飽和ジカルボン酸化合物を除去する意味で、グラフト変
性後に、溶剤洗浄等により、未反応物、反応副生物を除
去する工程を経ることが好ましい。
【0039】本発明に関する変性ポリオレフィンのMF
R(JIS K−7210 表1の条件14に従う)と
しては、0.1〜100g/10分の範囲が好ましく、
更に好ましくは0.1〜80g/10分である。MFR
が0.1g/10分未満または100g/10分を越え
る場合には、本発明の目的に合致した組成物が得られな
い。
【0040】高溶融張力ポリプロピレンの成分(ii)で
ある反応性化合物中の官能基としては、成分(i)中の
不飽和ジカルボン酸化合物に由来する単位と反応しうる
ものが挙げられる。そのような官能基としては例えば、
水酸基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基等が
用いられる。特に好ましくは水酸基、アミノ基、エポキ
シ基である。
【0041】分子内に2個以上の水酸基を有する多価ア
ルコール化合物及びその誘導体としては、架橋性樹脂組
成物(A)の構成成分(b)である多価アルコール化合
物の例として具体的に例示した化合物が挙げられる。
【0042】また、分子内にアミノ基を2個以上有する
化合物の具体例としては、エチレンジアミン、ジアミノ
プロパン、ジアミノブタン、1,2−ジメチル−1,3
−プロパンアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−メチ
ル−1,5−ペンタジアミン、ジアミノヘプタン、ジア
ミノオクタン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジ
アミン、ジアミノノナン、ジアミノデカン、ジアミノド
デカン、ジエチレントリアミン、N−(アミノエチル)
−1,3−メチルジプロパンジアミン、3,3’−ジア
ミノ−N−メチルジプロピルアミン、3,3’−イミノ
ビスプロピルアミン、トリエチレンテトラミン、トリス
(2−アミノエチル)アミン、テトラエチレンペンタミ
ン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ポリエチレンイ
ミンなどがあげられる。また、アミノ基と水酸基の両方
を有する化合物も用いることができる。例えばエタノー
ルアミン2−ヒドロキシエチルヒドラジン、3−アミノ
−1−プロパノール、DL−2−アミノ−1−プロパノ
ール、DL−1−アミノ−2−プロパノール、4−アミ
ノ−1−ブタノール、2−アミノ−1−ブタノール、2
−アミノ−1−ペンタノール、DL−2−アミノ−1−
ペンタノール、6−アミノ−1−ヘキサノール、2−
(2−アミノエトキシ)エタノールなどが挙げられる。
【0043】分子内にエポキシ基を複数有する化合物と
しては、例えばソルビトールポリグリシジルエーテル、
ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリ
スリトールポリグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグ
リシジルエーテル、ジグリシジルビスフェノールAおよ
びその水添物、フタル酸ジグリシジルエステル、トリメ
チロールプロパントリグリシジルエーテル、ブタンジオ
ールジグリシジルエーテル、エポキシ化大豆油、エポキ
シ化アマニ油、シクロヘキサンジメタノールジグリシジ
ルエーテル、ヘキサントリオールグリシジルエーテル、
脂環式エポキシ樹脂、異節環状型エポキシ樹脂、臭素化
エポキシ樹脂、ビスフェノールA−エピクロロヒドリン
樹脂、多官能性エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、臭
素化ノボラック型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノール
A型エポキシ樹脂、ビフェニール型エポキシ樹脂、ポリ
グリシジルアミン型エポキシ樹脂、エステル型エポシキ
樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フ
ェノールノボラック型エポキシ樹脂等を挙げることがで
きる。
【0044】分子内にイソシアナート基を複数有する化
合物としては、例えばエチレンジイソシアナート、ジイ
ソシアナートブタン、ジイソシアナートヘキサン、ジイ
ソシアナートドデカン、ジイソシアナート−2−メチル
ペンタン、m−フェニレンジイソシアナート、p−フェ
ニレンジイソシアナート、2,4−トリレンジイソシア
ナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,5−
ナフチレンジイソシアナート、4’,4’,4’’−ト
リフェニルメタントリイソシアナート、4,4’ジフェ
ニルメタントリイソシアナート、3,3’−ジメチル−
4,4’−ジフェニレンジイソシアナート、m−キシリ
レン−ジイソシアナート、p−キシリレン−ジイソシア
ナート等が挙げられる。以上に述べた化合物は2種類以
上同時に併用しても差し支えない。
【0045】高溶融張力ポリプロピレンの成分(ii)で
ある反応性化合物の使用量は、成分(i)である変性ポ
リオレフィン中に含まれる不飽和ジカルボン酸化合物に
由来する単位に対して反応性化合物に含まれる官能基の
数の比が1:10〜10:1の範囲が望ましい。さらに
望ましくは1:7〜7:1の範囲、更に好ましくは1:
5〜5:1の範囲である。この範囲をはずれて反応性化
合物の量が少ない場合、組成物に効果的な量の長鎖分岐
および/または架橋構造を導入することはできず、前述
のMTとMFRの関係式(1)を満足できない。また、
上記の範囲をはずれて反応性化合物の量が多い場合、長
鎖分岐および/または架橋構造を導入する点において実
質的に無意味であり、さらには本発明の組成物の他の物
性を損なう恐れがあるため好ましくない。
【0046】高溶融張力ポリプロピレンには、上記成分
(i)及び成分(ii)に更に反応促進剤を加えて使用す
ることができる。反応促進剤は、成分(i)中の不飽和
ジカルボン酸化合物に由来する単位と反応性化合物中に
含まれる官能基との反応を促進させ、効率よく長鎖分岐
を生ぜしめるために有効である。このような反応促進剤
の例としては、先に記述した架橋性樹脂組成物(A)の
構成成分(c)である反応促進剤として例示した化合物
と同じものを挙げることができる。それらの中でも、カ
ルボキシル基を含む重合体の金属塩及び有機カルボン酸
の金属塩が好適に用いられる。またこれらの各種の反応
促進剤を必要に応じて2種類以上併用することもでき
る。反応促進剤の使用量は、成分(i)である変性ポリ
プロピレン100重量部に対して0.001〜20重量
部の範囲、好ましくは0.01〜15重量部の範囲であ
る。添加量が0.001重量部より少なくては添加の効
果がなく、逆に20重量部より多く加えてももはや無意
味である。
【0047】本発明に関わる高溶融張力ポリプロピレン
(B)の他の例としては、例えば特開昭62−1217
04あるいは特開平2−298536に開示されている
方法に従って製造されるようなポリプロピレンが挙げら
れる。即ち、約15容量%未満の活性酸素濃度に保たれ
た環境下において、電子線やγ- 線等の高エネルギー放
射線を照射することにより溶融張力を向上させたポリプ
ロピレン系樹脂、或いは、大気酸素またはその等価物が
実質的に存在しない環境下で低分解温度過酸化物とプロ
ピレン重合体物質とを混合し、その後過酸化物を加熱分
解させることによって溶融張力を向上させたポリプロピ
レン系樹脂を挙げることもできる。該低分解温度過酸化
物としては、ジ(s−ブチル)ペルオキシジカーボネー
ト、ビス(2−エトキシ)ペルオキシジカーボネート、
ジシクロヘキシルペルオキシジカーボネート、ジ−n−
ブチルペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペル
オキシジカーボネート、t−ブチルペルオキシネオデカ
ノアート、t−アミルペルオキシネオデカノアートおよ
びt−ブチルペルオキシビバラート等が例示できる。
【0048】以上に述べた高溶融張力ポリプロピレンは
50〜5重量部の範囲で用いられる。好ましくは50〜
10重量部の範囲、さらに好ましくは40〜20重量部
の範囲である。この高溶融張力ポリプロピレンが50重
量部を越えると、得られるポリオレフィン系樹脂組成物
の柔軟性が低下し本樹脂を用いて成形したシートの真空
成形が困難となる。また5重量部より少ない場合は、耐
熱性、機械的強度等が低下する。
【0049】以上述べてきた架橋性樹脂組成物(A)と
高溶融張力ポリプロピレン(B)とより本発明のポリオ
レフィン系樹脂組成物を得る方法としては、種々の樹脂
の混合方法を用いることができる。具体的には、加圧ニ
ーダー、ロール、バンバリーミキサー、スタティックミ
キサー、スクリュー式押出機等の混練機を用いて溶融混
練する方法を挙げることができる。或いは、架橋性樹脂
組成物(A)を構成する各成分と高溶融張力ポリプロピ
レン(B)とをヘンシェルミキサー、タンブラーのよう
な混合機を用いてドライブレンドした後、そのまま溶融
混練することによって一気にポリオレフィン系樹脂組成
物を製造することも可能である。また、本発明の樹脂組
成物の一次加工成形時に各成分を溶融混合することも可
能である。すなわち、各成分をペレット、粉体の状態等
で混合(ドライブレンド)し、シートの製造段階を利用
して溶融混合することも可能である。
【0050】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物の2
30℃におけるMFR(JIS K7214 表1条件
14)は、0.01〜20g/10分の範囲であること
が望ましい。好ましくは、0.05〜15g/10分の
範囲、より好ましくは0.1〜10g/10分の範囲で
ある。0.01g/10分より小さい場合は、押出機に
よる成形加工が極めて困難になり、20g/10分より
大きい場合は、溶融粘度が高くなり100μm以上のシ
ート成形が困難になる。
【0051】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、
以上述べたように架橋性樹脂組成物(A)及び高溶融張
力ポリプロピレン(B)からなる。ここで用いられる架
橋性樹脂組成物(A)は、通常行われる温度条件(18
0℃以上)での混練及び成形が可能であり、成形後常温
に冷却されるとエチレン系共重合体(a)に含まれる酸
無水物基と多価アルコール化合物(b)との反応によっ
て架橋構造が形成される(この際の架橋構造の形成は、
反応促進剤(c)によって促進される)。このような易
成形性を有して且つ、架橋構造を有する樹脂は、熱成形
性と得られる成形体の物性の両立を図るために架橋度の
制御を行う必要がなく、その点で従来の部分架橋α−オ
レフィン系重合体ゴムを用いる熱可塑性エラストマー組
成物と大きく異なる。一方高溶融張力ポリプロピレン
(B)は、プロピレン系樹脂の本質として、ポリオレフ
ィン系樹脂群の中では高い耐熱性と強度を有しているだ
けでなく、高い溶融張力を示す。これら両者の特性を生
かすことにより、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物
は、良好な成形性を有すると同時に、本樹脂組成物を用
いて成形されたシボ付きシートは良好な真空成形性を有
するのである。
【0052】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、
架橋性樹脂組成物(A)及び高溶融張力ポリプロピレン
(B)を主成分とするが、該組成物の特性を損なわない
範囲で各種の添加剤、配合剤、充填剤等を使用すること
ができる。これらを具体的に示せば、酸化防止剤(耐熱
安定剤)、紫外線吸収剤(光安定剤)、帯電防止剤、防
曇剤、難燃剤、滑剤(スリップ剤、アンチブロッキング
剤)、ガラスフィラー等の無機充填剤、有機充填剤、補
強剤、着色剤(染料、顔料)、香料等が挙げられる。
【0053】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、
さらに用途や目的に応じて、様々なポリオレフィン樹脂
を配合して用いることも可能である。そのようなポリオ
レフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリイソプレン、ポリブテン、ポリ-3- メチ
ルブテン-1、ポリ-4- メチルペンテン-1、ポリブタジエ
ン、ポリスチレンなどのホモポリマ−を挙げることがで
きる。また、これらのホモポリマ−を構成する各コモノ
マ−の共重合体、例えば、エチレン−プロピレン共重合
体など;ブテン-1、4-メチルペンテン-1、ヘキセン-1、
オクテン-1等をコモノマ−とする直鎖状樹脂組成物;プ
ロピレン−エチレンのブロック共重合等の共重合体を挙
げることもできる。さらに、上記の各樹脂の混合物、グ
ラフト共重合体、ブロック共重合体;エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体等を挙げることもできる。これらのポリオ
レフィン樹脂の配合量は、本発明のポリオレフィン系組
成物の特性を失わない範囲で自由に選ぶことができる
が、一般的にはポリオレフィン系樹脂組成物100重量
部に対して200重量部以下の範囲とするのが好まし
い。
【0054】上記のような樹脂組成物を用いることによ
って、優れた物性を有するシートを製造することができ
る。本発明のシートは、従来から知られている方法で成
形することによって得ることができる。そのような成形
方法としては例えば、(共)押出成形法,インフレーシ
ョン成形法,射出成形法,熱プレス成形法,カレンダー
成形法等を挙げることができる。成形する際の温度は、
ポリオレフィンを成形する温度条件100〜280℃の
範囲、より好ましくは、150〜250℃の範囲であ
る。本発明のシートの厚みは、製品の使用目的に応じて
自由に選択できるが、特に真空成形用シートの用途に対
しては100〜500μmの範囲で選択される。本発明
のシートは単体での使用および他の材料を積層しても使
用できる。本発明のシートは、特に自動車、船舶、列車
等の内装表皮材料として用いられる場合、真空成形時の
シボ流やれドロダウン及び偏肉が少ない等真空成形性に
優れる上、表面の耐傷付き性、柔軟性、風合い等にも優
れている。以下本発明を参考例、実施例及び比較例によ
って具体的に説明する。むろん、本発明は以下に掲げる
実施例によって限定されるものではない。
【0055】
【実施例】実施例、比較例における各物性の評価方法を
説明する。 1.常温引張り試験 JIS K7113に準じて行った。くわしくは、得ら
れたポリオレフィン系樹脂組成物を用いて成形したシー
トを15×100mmの大きさに切り、引張り試験機を
用いて、引張り速度300mm/min.で破断強度を
測定した。 2.真空成形時の耐熱性(ドローダウン性)の評価 100mm×25mm×0.5mmの試験片の両端を固
定し、オーブン中160℃で2分間加熱後の試験片の中
央部の垂れ下がり距離を測定した。その垂れ下がり距離
を、20mmを100としたときの百分率で表した。 3.深絞り性及び耐シボ流れ性の評価 150mm×100mm×30mmの金型を用いて、上
下250℃に設定したヒーターでシボ付きシートを加熱
し、圧力60mmHgの減圧下で真空成形をおこない、
成形後の該シートをカッターナイフで切ってその断面を
観察し、偏肉が殆どないものを○、偏肉があるものを×
とした。また、シボの流れ性は、上記の真空成形前後に
おける平均シボ深度を表面粗さ計で測定しその変化率で
評価した。変化率の小さいものほどシボ流れに対する抵
抗性が高く、逆に変化率が大きく特に60%を越えるも
のはシボ流れ性が劣ると判断した。
【0056】参考例で使用した、エチレン系共重合体の
共重合組成を表1にまとめた。 (参考例1)エチレン系共重合体として表1に示すEP
C1 100重量部、多価アルコール化合物としてデカ
グリセリンのエチレンオキシド(8.0モル)付加体
(DG−80E)0.16重量部、及び反応促進剤とし
てエチレン−メタクリル酸(18重量%)共重合体のナ
トリウム塩〔カルボキシル基の60%中和、MFR(J
IS K7210表1条件4)3.0g/10分〕10
0重量部とステアリン酸ナトリウム30重量部の混合物
を6.5重量部を、ヘンシェルミキサーでブレンドし
た。これを、20mmφスクリュー付きの異方向二軸押
出機を用い、220℃で溶融混練して架橋性樹脂組成物
A−1のペレットを得た。この樹脂のMFRは(JIS
K7210表1条件14)12g/10分であった。
【0057】(参考例2〜5及び7〜9)表2に示した
ような組成で、参考例1と同様の方法で架橋性樹脂組成
物のペレットを得た。
【0058】(参考例6)エチレン系共重合体EPC5
100重量部、ペンタエリスリトールのプロピレンオ
キシド(4.5モル)付加体1.3重量部、及びエチレ
ン−メタクリル酸(10重量%)共重合体の亜鉛塩〔カ
ルボキシル基の10%中和、MFR(JIS K721
0表1条件4)3.0g/10分〕100重量部とオレ
イン酸ナトリウム15重量部の混合物11.5重量部を
ヘンシェルミキサーでブレンドした。このブレンド体
(A−6)をそのまま実施例で用いた。
【0059】(参考例10)表3に示したように無水マ
レイン酸を0.23重量%グラフトした変性ポリプロピ
レン30重量%、ポリオレフィン系樹脂としてホモポリ
プロピレン〔PO−1:MFR(JIS K7210表
1条件14)3.0g/10分、密度0.9g/cm
3 〕70重量%に対し反応性化合物としてトリメチロー
ルプロパントリグリシジルエーテル(TMG)を[グリ
シジル基の数/無水マレイン酸に由来する単位の数]=
2.0となるように添加し、ヘンシェルミキサーでブレ
ンドした。この混合物を、20mmφスクリュー付きの
異方向二軸押出機を用い、230℃で溶融混練して高溶
融張力ポリプロピレンB−1のペレットを得た。この樹
脂のMFRは(JIS K7210表1条件14)1.
5g/10分、MTは16gであった。
【0060】(参考例11〜15及び17〜19)表3
に示したような組成で、参考例10と同様の方法で高溶
融張力ポリプロピレンのペレットを得た。
【0061】(参考例16)参考例10に示した変性ポ
リプロピレン、ポリオレフィン及び反応性化合物の全量
100重量部に、更に反応促進剤としてN,Nジメチル
アニリン0.05重量部を加え、ヘンシェルミキサーで
ブレンドした。このブレンド体(B−7)をそのまま実
施例で用いた。
【0062】(実施例1)参考例1(表2)で得た架橋
性樹脂組成物A−1 70重量%と参考例10(表3)
で得た高溶融張力ポリプロピレンB−1 30重量%
を、37mmφのスクリューをつけた同方向二軸押出機
を用い、230℃の温度で溶融混練して、ポリオレフィ
ン系樹脂組成物を得た。本樹脂組成物のMFR(JIS
K7210表1条件14)は5.2g/10分であっ
た。得られたポリオレフィン系樹脂組成物を、冷却ロー
ルにシボ付きロールを使用した、25mmφのスクリュ
ーを有するTダイス付き押出機でシート成形し、厚さ2
50μmのシボ付きシートを得た。本シートのドローダ
ウンは小さく、深絞り性も優れており、またシボ流れに
対する抵抗性も高かった。これらの結果を、表4に纏め
た。
【0063】(実施例2〜10)表4にしめしたような
架橋性樹脂組成物(A)及び高溶融張力ポリプロピレン
(B)を用い、実施例1と同様の方法でポリオレフィン
系樹脂組成物を得た。得られたポリオレフィン系樹脂組
成物を、実施例1と同様にしてシート成形し、厚さ25
0μmのシボ付きシートを得た。このシートの性能評価
を行った結果、表4に示すようにいずれも良好な結果が
得られた。
【0064】(比較例1)架橋性樹脂組成物A−1のみ
を用いて、実施例1と同様にしてシート成形し、厚さ2
50μmのシボ付きシートを得た。このシートの性能評
価を行った結果、ドローダウン及び深絞り性は良好であ
ったが、シボ流れに対する抵抗性が小さかった。
【0065】(比較例2)架橋性樹脂組成物A−1 2
0重量%及び高溶融張力ポリプロピレンB−180重量
%の組成とした他は、実施例1と同様にしてポリオレフ
ィン系樹脂組成物を得、次いでシート成形を行った。得
られたシートの評価を行った結果、ドローダウン性は良
好であったが、深絞り性が劣った。
【0066】(比較例3〜5)架橋性樹脂組成物(A)
として、表4に示すものを用いた他は実施例1と同様に
してポリオレフィン系樹脂組成物を得、次いでシート成
形を行った。得られたシートの評価を行った結果、何れ
もドローダウンが大きく真空成形による評価が困難であ
った。
【0067】(比較例6〜8)高溶融張力ポリプロピレ
ン(B)として、表4に示すものを用いた他は実施例1
と同様にしてポリオレフィン系樹脂組成物を得、次いで
シート成形を行った。得られたシートの評価を行った結
果、何れもドローダウン及び深絞り性は良好であった
が、シボ流れに対する抵抗性が小さかった。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は
優れた熱成形性を有し、また該樹脂組成物を用いたシー
トは、シボ流れが少なく、ドローダウンも小さい上、深
絞り時の偏肉もなく、優れた真空成形性を示し、自動
車、船舶、列車等の内装用途に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 71:02) (56)参考文献 特開 平8−143743(JP,A) 特開 平8−27350(JP,A) 特開 平7−241947(JP,A) 特開 平7−70402(JP,A) 特開 平6−87988(JP,A) 特開 平6−166777(JP,A) 特開 平6−57062(JP,A) 特開 平2−298536(JP,A) 特開 昭49−5150(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08K 3/00 - 13/08 C08J 5/18

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)架橋性樹脂組成物50〜95重量
    部および、(B)230℃における溶融張力(MT)と
    メルトフローインデックス(MFR)が下記式(1) logMT>−1.16×logMFR+1.2 (1) (但し、MFRは0.01〜20g/分の範囲であ
    る。)の関係にある高溶融張力ポリプロピレン50〜5
    重量部からなり、該架橋性樹脂組成物(A)が、(a)
    エチレンとラジカル重合性酸無水物及びこれ以外のラジ
    カル重合性コモノマーからなる多元共重合体であり、該
    多元共重合体中のラジカル重合性酸無水物基に由来する
    単位が0.1〜20重量%であり、その他のラジカル重
    合性コモノマーに由来する単位が5〜40重量%である
    エチレン系多元共重合体、(b)分子内に水酸基を少な
    くとも二つ有する多価アルコール化合物及び(c)反応
    促進剤を含有し、成分(a)中のラジカル重合性酸無水
    物に由来する単位に対し、成分(b)である多価アルコ
    ール化合物中の水酸基の単位のモル比が0.01〜10
    の範囲であり、且つ成分(c)である反応促進剤が成分
    (a)であるエチレン系共重合体100重量部に対して
    0.001〜20重量部の範囲であることを特徴とする
    ポリオレフィン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 230℃におけるMFRが、0.01〜
    20g/10分の範囲である請求項1記載のポリオレフ
    ィン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 成分(B)の高溶融張力ポリプロピレン
    が、(i)プロピレンの単独重合体およびまたはプロピ
    レンと他のα−オレフィンとの共重合体に、不飽和ジカ
    ルボン酸およびまたはその誘導体を0.01〜2重量%
    グラフトした変性ポリプロピレンおよび、(ii)成分
    (i)である変性ポリプロピレン中の不飽和カルボン酸
    およびまたはその誘導体に由来する単位と反応しうる官
    能基を、分子内に少なくとも2個以上有する反応性化合
    物とを必須成分として含む請求項1または2記載のポリ
    オレフィン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 高溶融張力ポリプロピレン(B)が、大
    気酸素またはその等価物が実質的に存在せず且つ室温〜
    120℃の温度範囲の環境下において、約90〜120
    ℃の温度範囲内で5分以下の半減期、約60〜約90℃
    の温度範囲内で40分未満の半減期、もしくは室温〜約
    60℃の温度範囲内で60分未満の半減期を有する低分
    解温度過酸化物とプロピレン重合体物質とを混合し、そ
    の後、過酸化物の分解により溶融張力を向上させたポリ
    プロピレンである、請求項1または2記載のポリオレフ
    ィン系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 架橋性樹脂組成物(A)の成分(b)で
    ある多価アルコール化合物が、下記一般式(I) (R1a C(CH2 OH)b (I) [式中、R1 は水素,炭素原子数1〜12個の鎖状ある
    いは環状アルキル基叉はアラルキル基を表し、aは0〜
    2の整数を表し、bは2〜4の整数を表し、かつa+b
    =4を満足するように選択される。] または下記一般式(II) CH2 (OH)CH(OH)CH2 O[CH2 CHOHCH2 O]m H (II) [式中、mは0〜10の整数である。]で示される化合
    物にエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドを付加
    させた構造を有するポリオキシアルキレン化合物、或い
    は下記一般式(III) R2 −COOH (III) [式中、R2 は炭素数2〜25個の鎖状アルキル基、環
    状アルキル基、アラルキル基またはアルケニル基を示
    す。]で示される有機カルボン酸化合物と、前記一般式
    (II)で示される化合物とを脱水縮合して得られる分子
    内に2個以上の水酸基を有するポリグリセリンエステル
    のうち1種以上である請求項1〜4のいずれかに記載の
    ポリオレフィン系樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 架橋性樹脂組成物(A)の成分(c)で
    ある反応促進剤がカルボキシル基を含む重合体の金属塩
    または有機カルボン酸の金属塩である請求項1〜5のい
    ずれかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 高溶融張力ポリプロピレン(B)の成分
    (ii)における官能基が水酸基である請求項3記載のポ
    リオレフィン系樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 高溶融張力ポリオレフィン(B)の成分
    (ii)における官能基がアミノ基である請求項3記載の
    ポリオレフィン系樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 高溶融張力ポリオレフィン(B)の成分
    (ii)における官能基がエポキシ基である請求項3記載
    のポリオレフィン系樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 高溶融張力ポリプロピレン(B)の成
    分(i)である変性ポリプロピレンにおいて、該変性ポ
    リプロピレン中の不飽和カルボン酸およびその誘導体に
    由来する単位と成分(ii)中の官能基の数の比が、1:
    10〜10:1である請求項3或いは請求項7〜9のい
    ずれかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 高溶融張力ポリプロピレン(B)の成
    分(i)及び(ii)にさらに反応促進剤を加えてなる請
    求項3或いは請求項7〜10のいずれかに記載のポリオ
    レフィン系樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 反応促進剤が有機カルボン酸金属塩お
    よびまたは三級アミンである請求項11に記載のポリオ
    レフィン系樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかに記載され
    たポリオレフィン系樹脂組成物からなるシート。
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