JPH08231816A - ポリプロピレン系樹脂組成物、その発泡体および製造法 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂組成物、その発泡体および製造法

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JPH08231816A
JPH08231816A JP7163552A JP16355295A JPH08231816A JP H08231816 A JPH08231816 A JP H08231816A JP 7163552 A JP7163552 A JP 7163552A JP 16355295 A JP16355295 A JP 16355295A JP H08231816 A JPH08231816 A JP H08231816A
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雅 桜井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】微細で均一な気泡を有する発泡体を製造するの
に適したポリプロピレン系樹脂組成物を提供すること。 【構成】(A)ポリプロピレン系ブロック共重合体90
〜60重量部、および(B)ポリエチレン系樹脂10〜
40重量部を含有する樹脂組成物であって、ポリプロピ
レン系ブロック共重合体が、(a)結晶性のポリプロピ
レン99〜90重量%、および(b)非晶性のエチレン
・α−オレフィン共重合体1〜10重量%を含有しかつ
下記の溶融特性(1) メルトインデックス(MI):2〜
15g/10分、(2) キャピラリーレオメータによるダ
イスウェル比:1.7以上を有するポリプロピレン系ブ
ロック共重合体であることを特徴とするポリプロピレン
系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、微細かつ均一な気泡を
有する発泡体を製造するのに適したポリプロピレン系樹
脂組成物、その発泡体および製造法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】特開昭55−31807 号公報には、メルトイ
ンデックスが0.5 〜15g/10分のポリプロピレン50〜80重
量%、高密度ポリエチレン5〜40重量%、低密度ポリエ
チレン5〜25重量%およびEPゴム0〜5重量%からな
るポリオレフィン系熱可塑性樹脂組成物が記載されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報記載の樹脂組成物は、押出発泡時におけるガス保持性
が十分とは言えず、このような樹脂組成物を用いても、
満足し得る程度に微細かつ均一な気泡を有するポリプロ
ピレン系樹脂発泡体を得るには十分なものとは言い難い
ものであった。微細かつ均一な気泡を有するポリプロピ
レン系発泡体を得るためには、ポリプロピレン系樹脂組
成物の押出発泡成形時におけるガス保持性が優れている
ことが必要であり、このためガス保持性に優れたポリプ
ロピレン系樹脂組成物の開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ガス保持
性に優れたポリプロピレン系樹脂組成物を開発すべく鋭
意検討した結果、特定の組成および溶融特性を有するポ
リプロピレン系ブロック共重合体を含有するポリプロピ
レン系樹脂組成物を用いることにより、ガス保持性に優
れたポリプロピレン系樹脂組成物が得られ、この組成物
を用いることにより、微細かつ均一な気泡を有するポリ
プロピレン系発泡体が得られることを見出し、本発明に
至った。
【0005】すなわち本発明は、(A)ポリプロピレン
系ブロック共重合体90〜60重量部、および(B)ポ
リエチレン系樹脂10〜40重量部を含有する樹脂組成
物であって、ポリプロピレン系ブロック共重合体が、
(a)結晶性のポリプロピレン99〜90重量%、およ
び(b)非晶性のエチレン・α−オレフィン共重合体1
〜10重量%を含有しかつ下記の溶融特性 (1) メルトインデックス(MI):2〜15g/10
分、 (2) キャピラリーレオメータによるダイスウェル比:
1.7以上を有するポリプロピレン系ブロック共重合体
であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物、
その発泡体および製造法を提供するものである。
【0006】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物はガ
ス保持性に優れており、これを用いることにより、微細
かつ均一な気泡を有し耐衝撃性等も兼ね備えた発泡体を
工業的に安定して製造することができる。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明で使用されるポリプロピレン系ブロック共重合体
(A)は、結晶性のポリプロピレン(a)中に非晶性の
エチレン・α−オレフィン共重合体(b)が分散してい
る重合体の他に、結晶性のポリプロピレン(a)と非晶
性のエチレン・α−オレフィン共重合体(b)とが化学
結合している共重合体も含むが、通常は前者の分散して
いる重合体である。かかるポリプロピレン系ブロック共
重合体(A)は、公知の方法例えば、特開昭61−69823
号公報に記載された方法に従って製造することができ
る。
【0008】結晶性のポリプロピレン(a)は、結晶性
を損なわない程度に少量のエチレン、α−オレフィン等
の共重合成分が共重合されていてもよい。共重合成分と
しては、例えば、1−ブテン、4−メチルペンテン−
1、1−オクテン、1−ヘキセン等が挙げられる。
【0009】非晶性のエチレン・α−オレフィン共重合
体(b)は、非晶性であればその組成比及びα−オレフ
ィンの種類は特に限定されない。エチレン/α−オレフ
ィンの重量比は、好ましくは20/80〜80/20で
あり、α−オレフィンの具体例としては、例えば、プロ
ピレン、1−ブテン、4−メチルペンテン−1、1−オ
クテン、1−ヘキセン等が挙げられる。
【0010】本発明で使用されるポリプロピレン系ブロ
ック共重合体(A)における、(a)/(b)の重量比
は、99/1〜90/10であり、好ましくは98/2
〜92/8である。(a)/(b)の重量比が、99/
1を越えると本発明のポリプロピレン系樹脂発泡体の耐
衝撃性が低くなり、90/10未満の場合には、ガス保
持性が低下する
【0011】本発明のポリプロピレン系ブロック共重合
体(A)のMIは、2〜15g/10分(JISK72
10に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgfで測
定)であり、好ましくは3〜10g/10分である。M
Iが、2g/10分未満の場合には、押出成形時にスク
リューせん断による発熱が大きく、樹脂温度が上昇しガ
ス抜けが起こり、所定密度の発泡体を得ることが困難と
なり、15g/10分を越えると発泡体の耐衝撃性が低
下する。
【0012】ポリプロピレン系ブロック共重合体(A)
のキャピラリーレオメータによるダイスウェル比は、
1.7以上(JIS K7199に準拠し、長さ(l)
=20mm、直径(d)=1 mm、流入角はフラットの
キャピラリーを使用し、測定温度185℃、せん断速度
121sec -1で測定)であり、好ましくは1.7〜3で
ある。1.7未満ではガス保持性が低く、押出成型時に
ガス抜けが発生してしまい、微細かつ均一な気泡を有す
る発泡体を得ることができない。
【0013】本発明で用いるポリエチレン系樹脂(B)
は、押出発泡時の低温加工性および発泡体に要求される
物性(剛性、耐衝撃性など)等に応じて、低密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィ
ン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体などから適
宜選択することができる。なかでもMIが0.1〜20
g/10分(JISK7210に準じて、温度190
℃、荷重2.16kgfで測定)のものを用いるのが好
ましく、特に密度が0.86〜0.905g/cm3である
エチレン・α−オレフィン共重合体の単独もしくは密度
が0.86〜0.905g/cm3であるエチレン・α−オ
レフィン共重合体と密度が0.94〜0.97g/cm3
ある高密度ポリエチレンとを、エチレン・α−オレフィ
ン共重合体/高密度ポリエチレンの重量比が40/60
以上の範囲で用いることが、発泡体の剛性および耐衝撃
性の点で好ましい。発泡体の耐衝撃性の点からさらに好
ましいエチレン・α−オレフィン共重合体としては、M
Iが0.1〜10g/10分で、密度が0.86〜0.
89g/cm3であるものが挙げられる。ポリエチレン系樹
脂(B)として用いられるエチレン・α−オレフィン共
重合体の組成比およびα−オレフィンの種類は特には限
定されないが、エチレン/α−オレフィンの重量比は、
好ましくは、90/10〜40/60であり、α−オレ
フィンの具体例としては、例えば、プロピレン、1−ブ
テン、4−メチル−ペンテン−1、1−オクテン、1−
ヘキセン等が挙げられる。
【0014】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、
ポリプロピレン系ブロック共重合体(A)とポリエチレ
ン系樹脂(B)を含有し、(A)/(B)の重量比は、
90/10〜60/40である。重量比が、90/10
を越えると、発泡成形時の加工性が低下して均一な気泡
を有するポリプロピレン系樹脂発泡体を安定して製造す
ることができず、また、押出成形加工時の低温加工性及
び発泡体の耐衝撃性が低下する。重量比が、60/40
未満の場合には、発泡成形時の加工性が低下し、均一な
気泡を有するポリプロピレン系樹脂発泡体を安定して製
造することができず、また発泡体の剛性、耐熱性および
ヒンジ特性等が低下する。
【0015】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物は、
ポリプロピレン系ブロック共重合体(A)、ポリエチレ
ン系樹脂(B)の他に発泡剤を含有していてもよく、ま
た本発明の効果を維持できる程度において、必要に応じ
て各種添加剤、例えば、発泡助剤、1次、2次酸化防止
剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、フィラー等を含
有していてもよい。
【0016】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、
例えば、ポリプロピレン系ブロック共重合体(A)、ポ
リエチレン系樹脂(B)および所望の添加剤をタンブラ
ーにて混合し、さらに押出機にて溶融混練することによ
り製造することができる。
【0017】次に、本発明のポリプロピレン系樹脂発泡
体の製造法について説明する。ポリプロピレン系樹脂発
泡体は、以下の2工程により製造することができる。 〔第1工程〕ポリプロピレン系ブロック共重合体
(A)、ポリエチレン系樹脂(B)、発泡体および必要
に応じ他の添加剤を溶融混練してポリプロピレン系樹脂
組成物を得る工程。 〔第2工程〕上記で得られたポリプロピレン系樹脂組成
物を発泡させる工程。
【0018】まず、第1工程について説明する。本発明
で用いる発泡剤の種類は、特には限定されないが、例え
ば、加熱により分解して気体を発生する熱分解型発泡剤
や、物理発泡剤(蒸発型発泡剤)などが挙げられる。よ
り具体的には、熱分解型発泡剤としては、アゾジカルボ
ンアミド、オキシベンゼンスルホニルヒドラジド、アゾ
ビスビスブチロニトリル、アゾジカルボン酸バリウム、
ヒドラゾジカルボンアミド等が挙げられ、物理発泡剤と
しては、ヘプタン、ヘキサン、ジクロロエタン等の有機
溶媒が挙げられる。これらの中でも、熱分解型発泡剤、
特に、アゾジカルボンアミドが好ましい。また、通常
は、分解温度が、160 〜180 ℃付近である発泡剤を用い
るのが好ましいが、180 ℃を越える分解温度を有する発
泡剤であっても、発泡助剤を併用することにより分解温
度を180 ℃以下に下げることにより、使用することがで
きる。また、発泡剤の分解時の発熱により、不均一な気
泡が生成するのを防止するために、吸熱性の分解挙動を
示す発泡剤、例えば、炭酸水素ナトリウムなどを併用す
ることが好ましい。
【0019】発泡剤の添加量は特に限定されず、発泡剤
の種類に応じて、所望の発泡体密度を得るのに必要なガ
ス量から算出することができる。本発明で用いられるポ
リプロピレン系樹脂組成物は、ガス保持性に優れている
ので、所望密度の発泡体を得るために必要な発泡体の添
加量は、発泡体の種類に応じ、化学量論的計算により求
めることができる。得られる発泡体の密度は、0.2 〜0.
7g/cm3のものが好ましく用いられる。本発明のポリプロ
ピレン系樹脂は、発泡剤の配合量を調節することによ
り、密度が0.2 〜0.7g/cm3の発泡体を得ることができ
る。
【0020】上記第1工程の好ましい態様として、例え
ば、以下の2つのものが挙げられる。 ひとつは、ポリ
プロピレン系ブロック共重合体(A)とポリエチレン系
樹脂(B)とを混合し、(A)および(B)の溶融温度
以上の樹脂温度で溶融混練した後、さらに発泡剤を添加
して引き続き溶融混練を行うものである。他のひとつ
は、(A)、(B)および発泡剤を混合し、溶融混練す
るものである。上記第1工程で得られたポリプロピレン
系樹脂組成物は、通常、引き続いて発泡工程(第2工
程)に供される。
【0021】次に、第2工程について説明する。上記第
1工程で得られたポリプロピレン系樹脂組成物を、第2
工程において、公知の方法に準じて発泡、成形すること
により、微細かつ均一な気泡を有する所望の形状のポリ
プロピレン系樹脂発泡体が得られる。
【0022】例えば、本発明のポリプロピレン系樹脂発
泡体がシート状である場合には、第1工程で得られたポ
リプロピレン系樹脂組成物を、Tダイスまたはサーキュ
ラーダイスを取り付けた押出機を用いて押出し、シート
状に成形すると同時に所定密度に発泡させるいわゆる押
出発泡法が好ましい。この場合、シートの厚みは特には
限定されないが、一般的には、1〜10mm程度である。
かかる押出発泡の際の樹脂温度は、160〜180℃程
度が好ましい。
【0023】上記のようにして得られるポリプロピレン
系樹脂発泡体は、(A)ポリプロピレン系ブロック共重
合体90〜60重量部、および(B)ポリエチレン系樹
脂10〜40重量部を含有する樹脂組成物であって、ポ
リプロピレン系ブロック共重合体が、(a)結晶性のポ
リプロピレン99〜90重量%、および(b)非晶性の
エチレン・α−オレフィン共重合体1〜10重量%を含
有しかつ下記の溶融特性 (1) メルトインデックス(MI):2〜15g/10
分、 (2) キャピラリーレオメータによるダイスウェル比:
1.7以上を有するポリプロピレン系ブロック共重合体
であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物か
らなり、微細かつ均一な気泡を有するものである。
【0024】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物
は、ガス保持性に優れており、これを用いることによ
り、微細で均一な気泡を有し耐衝撃性等も兼ね備えたポ
リプロピレン系樹脂発泡体を工業的に有利に製造するこ
とができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明について、実験例を用いて説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 ・MIは、JIS K7210に準拠し測定した。 (ポリプロピレン系ブロック共重合体:温度230℃、
荷重2.16kgf) (ポリエチレン系樹脂 :温度190℃、
荷重2.16kgf) ・キャピラリーレオメ−タによるダイスウェル比は、J
IS K7199に準拠して測定した。 (キャピラリー:長さ20mm、直径1mm、流入角は
フラット。) (測定温度185℃、せん断速度121sec -1) ・曲げ弾性率は、JIS K7203に準拠し測定し
た。 (試験片:50×100mm、曲げ速度:10mm/
分) (スパン間距離:50mm) ・デュポン衝撃強度は、JIS K5400に記載され
る衝撃変形法試験機(B法)を用いて試験片(100 ×10
0 mm)に衝撃を加え、JIS K7211に記載され
ている測定方法にて50%破壊エネルギーを測定し、その
値を衝撃強度とした。
【0026】(実施例1)70重量部の(A1)ポリプ
ロピレン系ブロック共重合体〔(a)結晶性のポリプロ
ピレン95重量%と(b)非晶性のエチレン・プロピレ
ン共重合体(エチレン/プロピレンの重量比:40/6
0)5重量%を含有し、MI=6g/10分、キャピラ
リーレオメータによるダイスウェル比=1.9)〕、お
よびポリエチレン系樹脂として、20重量部の(B1)
エチレン・1−ブテン共重合体〔VLDPE:MI=2
g/10分、密度=0.900g/cm3〕と10重量部の
(B2)高密度ポリエチレン〔HDPE:MI=5g/
10分、密度=0.95g/cm3〕をタンブラーを用いて
混合した後、ストランドダイスを付けた90mmφ押出
機にて、溶融混練(シリンダー温度:220℃、ダイス
温度:220℃、スクリュー回転数:40rpm)して
ポリプロピレン系樹脂組成物を得た。該ポリプロピレン
系樹脂組成物100重量部に、アゾジカルボンアミド
1.2重量部、塩基性炭酸亜鉛0.6重量部を添加し、
タンブラーを用いて混合した後、1200mmTダイスを取
り付けた90mmφ押出機にて、押出発泡(シリンダー
温度:160℃、ダイス温度:170℃、スクリュー回
転数:40rpm)を行った。得られた発泡シート(シ
ート厚み4mm、密度0.3g/cm3)は、耐衝撃性に優
れ、微細で均一な気泡を有するものであった。
【0027】(実施例2)ポリプロピレン系ブロック共
重合体として、70重量部の(A2)ポリプロピレン系
ブロック共重合体〔(a)結晶性のポリプロピレン95
重量%と(b)非晶性のエチレン・プロピレン共重合体
(エチレン/プロピレンの重量比:40/60)5重量
%を含有し、MI=10g/10分、キャピラリーレオ
メータによるダイスウェル比=1.75)〕を用いた以
外は実施例1と同様にして耐衝撃性に優れ、微細で均一
な気泡を有する発泡シ−トを得た(厚み4mm、密度
0.3g/cm3)を得た。
【0028】(実施例3)ポリプロピレン系ブロック共
重合体の量を80重量部とし、ポリエチレン系樹脂とし
て、20重量部の(B3)エチレン・プロピレン共重合
体〔ULDPE:MI=1g/10分、密度0.87g/c
m3 〕を用いた以外は実施例1と同様にして耐衝撃性に
優れ、微細で均一な気泡を有する発泡シ−トを得た(厚
み4mm、密度0.3g/cm3)を得た。
【0029】(実施例4)ポリエチレン系樹脂として、
20重量部の(B3)および10重量部の(B2)を用
いる以外は実施例1と同様にして耐衝撃性に優れ、微細
で均一な気泡を有する発泡シ−ト(厚み4mm、密度
0.3g/cm3)を得た。
【0030】(実施例5)ポリプロピレン系ブロック共
重合体として、80重量部の(A3)ポリプロピレン系
ブロック共重合体〔(a)結晶性のポリプロピレン97
重量%と(b)非晶性のエチレン・プロピレン共重合体
(エチレン/プロピレンの重量比:40/60)3重量
%を含有し、MI=8g/10分、キャピラリーレオメ
ータによるダイスウェル比=1.9)〕を用い、ポリエ
チレン系樹脂として、20重量部の(B3)を用いた以
外は実施例1と同様にして耐衝撃性に優れ、微細で均一
な気泡を有する発泡シ−ト(厚み4mm、密度0.3g
/cm3)を得た。
【0031】(実施例6)ポリプロピレン系ブロック共
重合体として、65重量部の(A1)を用い、ポリエチ
レン系樹脂として15重量部の(B3)および20重量
部の(B2)を用いた以外は実施例1と同様にして耐衝
撃性に優れ、微細で均一な気泡を有する発泡シート(厚
み4ミリ、密度0.3g/cm3 )を得た。
【0032】(比較例1)ポリプロピレン系ブロック共
重合体として、70重量部の(A4)ポリプロピレン系
ブロック共重合体〔(a)結晶性のポリプロピレン95
重量%と(b)非晶性のエチレン・プロピレン共重合体
(エチレン/プロピレンの重量比:40/60)5重量
%を含有し、MI=6g/10分、キャピラリーレオメ
ータによるダイスウェル比=1.6)〕を用いた以外は
実施例1と同様にして押出発泡成形を行った。しかしな
がら、押出発泡時にガス抜けが発生し、厚み2mm、密
度0.8g/cm3 の発泡シートしか得られなかった。
【0033】(比較例2)ポリプロピレン系ブロック共
重合体として、65重量部の(A5)ポリプロピレン系
ブロック共重合体〔(a)結晶性のポリプロピレン85
重量%と(b)非晶性のエチレン・プロピレン共重合体
(エチレン/プロピレンの重量比:40/60)15重
量%を含有し、MI=8g/10分、キャピラリーレオ
メータによるダイスウェル比=1.65)〕を用い、ポ
リエチレン系樹脂として、25重量部の(B4)と10
重量部の(B5)高密度ポリエチレン〔HDPE:MI
=0.4g/10分、密度0.955g/cm3 〕を用い
た以外は実施例1と同様にして、押出発泡成形を行っ
た。しかしながら、押出発泡時にシート表面からのガス
抜けが発生し、気泡が粗く不均一で外観の悪いシート
(厚み4mm、密度0.3g/cm3 )しか得られなかっ
た。
【0034】(実施例7)アゾジカルボンアミドを0.
6重量部とした以外は実施例3と同様にして、微細で均
一な気泡を有する発泡シート(厚み2mm、密度0.4
5g/cm3 )を得た。
【0035】(比較例3)ポリプロピレン系ブロック共
重合体として、80重量部の(A6)ポリプロピレン系
ブロック共重合体〔(a)結晶性のポリプロピレン95
重量%と(b)非晶性のエチレン・プロピレン共重合体
(エチレン/プロピレンの重量比:40/60)5重量
%を含有し、MI=6g/10分、キャピラリーレオメ
ータによるダイスウェル比=1.5)〕を用いた以外は
実施例7と同様にして、押出発泡成形を行った。しかし
ながら、押出発泡時にガス抜けが発生し、厚み1mm、
密度0.8g/cm3 )のシートしか得られなかった。
【0036】(比較例4)ポリプロピレン系ブロック共
重合体として、80重量部の(A7)ポリプロピレン系
ブロック共重合体〔(a)結晶性のポリプロピレン95
重量%と(b)非晶性のエチレン・プロピレン共重合体
(エチレン/プロピレンの重量比:40/60)5重量
%を含有し、MI=1g/10分、キャピラリーレオメ
ータによるダイスウェル比=1.9)〕を用いた以外は
実施例3と同様にして、押出発泡成形を行った。しかし
ながら、押出発泡時にガス抜けが発生し、厚み2mm、
密度0.8g/cm3 )のシートしか得られなかった。
【0037】(比較例5)ポリプロピレン系ブロック共
重合体として、80重量部の(A8)ポリプロピレン系
ブロック共重合体〔(a)結晶性のポリプロピレン95
重量%と(b)非晶性のエチレン・プロピレン共重合体
(エチレン/プロピレンの重量比:40/60)5重量
%を含有し、MI=18g/10分、キャピラリーレオ
メータによるダイスウェル比=1.9)〕を用いた以外
は実施例3と同様にして、押出発泡成形を行った。微細
で均一な気泡を有する発泡シート(厚み4mm、密度
0.3g/cm3 )が得られたが、耐衝撃性が低いもので
あった。
【0038】(比較例6)ポリプロピレン系ブロック共
重合体として、95重量部の(A1)を用い、ポリエチ
レン系樹脂として、5重量部の(B3)を用いた以外は
実施例3と同様にして、押出発泡成形を行った。微細で
均一な気泡を有する発泡シート(厚み4mm、密度0.
3g/cm3 )が得られたが、耐衝撃性が低いものであっ
た。
【0039】(比較例7)ポリプロピレン系ブロック共
重合体として、55重量部の(A1)を用い、ポリエチ
レン系樹脂として、35重量部の(B3)および10重
量部の(B2)を用いた以外は実施例4と同様にして、
押出発泡成形を行った。微細で均一な気泡を有する発泡
シート(厚み4mm、密度0.3g/cm3 )が得られた
が、剛性が低いものであった。 以上の実施例および比較例の結果を表1および表2にま
とめた。
【表1】
【表2】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリプロピレン系ブロック共重合体
    90〜60重量部、および(B)ポリエチレン系樹脂1
    0〜40重量部を含有する樹脂組成物であって、ポリプ
    ロピレン系ブロック共重合体が、(a)結晶性のポリプ
    ロピレン99〜90重量%、および(b)非晶性のエチ
    レン・α−オレフィン共重合体1〜10重量%を含有し
    かつ下記の溶融特性 (1) メルトインデックス(MI):2〜15g/10
    分、 (2) キャピラリーレオメータによるダイスウェル比:
    1.7以上を有するポリプロピレン系ブロック共重合体
    であることを特徴とするポリプロピレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】ポリプロピレン系ブロック共重合体(A)
    が、結晶性のポリプロピレン(a)中に非晶性のエチレ
    ン・α−オレフィン共重合体(b)が分散している共重
    合体である請求項1記載のポリプロピレン系樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】ポリエチレン系樹脂(B)が、エチレン・
    α−オレフィン共重合体の単独、もしくはエチレン・α
    −オレフィン共重合体および高密度ポリエチレンからな
    る樹脂である請求項1記載のポリプロピレン系樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】ポリエチレン系樹脂(B)が、密度が0.
    86〜0.905g/cm3であるエチレン・α−オレフィ
    ン共重合体の単独、もしくは密度が0.86〜0.90
    5g/cm3であるエチレン・α−オレフィン共重合体と密
    度が0.94〜0.97g/cm3である高密度ポリエチレ
    ンからなる樹脂である請求項1記載のポリプロピレン系
    樹脂組成物。
  5. 【請求項5】発泡剤を含有することを特徴とする請求項
    1記載のポリプロピレン系樹脂組成物。
  6. 【請求項6】請求項1記載のポリプロピレン系樹脂組成
    物からなるポリプロピレン系樹脂発泡体。
  7. 【請求項7】密度が、0.2〜0.7g/cm3である請求
    項6記載のポリプロピレン系樹脂発泡体。
  8. 【請求項8】(a)結晶性のポリプロピレン99〜90
    重量%、および(b)非晶性のエチレン・α−オレフィ
    ン共重合体1〜10重量%を含有し、且つメルトインデ
    ックス(MI):2〜15g/10分で、キャピラリー
    レオメータによるダイスウェル比:1.7以上である溶
    融特性を有するポリプロピレン系ブロック共重合体
    (A)90〜60重量部と、ポリエチレン系樹脂(B)
    10〜40重量部、および発泡剤を溶融混練し、次いで
    発泡させることを特徴とするポリプロピレン系樹脂発泡
    体の製造法。
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