JPH09208794A - 多成分系樹脂組成物、多重分散構造材料及びその製造方法 - Google Patents

多成分系樹脂組成物、多重分散構造材料及びその製造方法

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JPH09208794A
JPH09208794A JP1464796A JP1464796A JPH09208794A JP H09208794 A JPH09208794 A JP H09208794A JP 1464796 A JP1464796 A JP 1464796A JP 1464796 A JP1464796 A JP 1464796A JP H09208794 A JPH09208794 A JP H09208794A
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JP
Japan
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carboxylic acid
modified polypropylene
polypropylene resin
resin composition
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JP1464796A
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English (en)
Inventor
Kunio Yamamoto
邦生 山本
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NIPPON PORIOREFUIN KK
Japan Polyolefins Co Ltd
Original Assignee
NIPPON PORIOREFUIN KK
Japan Polyolefins Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い耐衝撃性と剛性を兼ね備えた多重分散構
造材料およびそのような多重分散構造材料を可能とする
多成分系樹脂組成物。 【解決手段】 成分A1〜99重量%と成分B99〜1重量%から
なり、溶融混練された成分Aと成分Bの相界面及び成分B
の相内部が架橋されており、成分Aが連続相を形成す
る。成分A:カルホ゛ン酸又はその酸無水物誘導体と反応し得
る官能基を含有する軟質材。成分B:変性ホ゜リフ゜ロヒ゜レン樹脂
(イ)と反応性化合物(ロ)からなる架橋性樹脂組成物。(イ)フ
゜ロヒ゜レンの単独重合体又はフ゜ロヒ゜レンと他のα-オレフィンとの共
重合体に、1種以上の不飽和カルホ゛ン酸又はその酸無水物
誘導体をク゛ラフト変性した変性ホ゜リフ゜ロヒ゜レン樹脂。(ロ)カルホ゛ン
酸又はその酸無水物誘導体と反応し得る官能基を分子内
に2個以上有する反応性化合物。但し、変性ホ゜リフ゜ロヒ゜レン
樹脂(イ)中の不飽和カルホ゛ン酸又はその酸無水物誘導体に由
来する単位に対する、成分A及び反応性化合物(ロ)中の官
能基のモル比が、0.01〜20である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐衝撃性付与物とし
て優れる多成分系樹脂組成物及び、剛性と耐衝撃性のバ
ランスに優れ、しかも表面加工性に優れる多重分散構造
材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂、特にポリエチレンやポリ
プロピレン等のポリオレフィン樹脂は、種々の成形法を
適用でき、成形性に優れる他、耐薬品性、電気絶縁性な
どに優れ、、自動車部品などをはじめ様々な用途に用い
られている。こうした熱可塑性樹脂においては、その耐
衝撃性を向上させる目的でエラストマーを分散させるこ
とが行われている。しかしながら、そのような樹脂組成
物にあっては、耐衝撃性を改善することはできても、剛
性等がむしろ低下してしまうことがあり、機械的強度の
バランスが損なわれることがあった。そこで、このよう
な不具合を解決すべく、ポリオレフィン樹脂の物性を改
良して高い次元での強度バランスを有する樹脂組成物が
研究されている。そのようなものとして、ポリオレフィ
ン樹脂を成分の主体(「連続相」、「海相」ともいう)
として、これに第1分散相(「島相」ともいう)−第2
分散相(「湖相」ともいう)の多重分散構造を有する樹
脂組成物の開発が盛んに行われている。そのような例と
して、特開平4−363349号公報には、ポリオレフ
ィン樹脂を成分の主体として、これにポリアミド樹脂を
複合させ、ポリオレフィン樹脂からなる海相(連続相)
−ポリアミド樹脂からなる島相(第1分散相)−ポリオ
レフィン樹脂からなる湖相(第2分散相)の分散形態を
持ついわゆるサラミ構造を呈するものが開示されてい
る。また、特開平4−202247号公報には、熱可塑
性結晶性オレフィン重合体のマトリックス(連続相)
と、該マトリックス中に分散している熱可塑性エラスト
マー重合体よりなる第1分散相からなり、この第1分散
相が、その構成重合体よりも高剛性の熱可塑性重合体
(マトリックスとしての熱可塑性オレフィン重合体とは
異なる)よりなる第2分散相を分散させたオレフィン重
合体組成物が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、何れの
場合も、ポリオレフィン樹脂とポリアミドを用いている
が、それらは相溶性が低い為、両樹脂の特性を生かした
材料を得ることができない。相溶性の低さを解決する手
段としては、ポリプロピレン、エチレンプロピレンエラ
ストマー等を極性のモノマー(無水マレイン酸等)で変
性する手段があるが、組成物の機械物性(剛性、耐衝撃
性等)が悪化するので、望ましくない。また、ポリアミ
ドを用いた系では、水分の影響を受けやすく、耐水性が
劣るという欠点もある。
【0004】そこで、相溶性、耐水性の問題を解決する
ために、ポリオレフィン樹脂との相溶性の高い成分のみ
を用いて多重分散構造を形成させることも考えられた
が、そのようなものは、各樹脂成分の相溶性が高すぎる
ために、分散相を形成することが出来ず互いに混和して
しまう。したがって、同一樹脂に由来する成分からなる
組成物を用いた、多重分散構造を有する材料は未だかっ
て得られていない。
【0005】本発明は、高い耐衝撃性と剛性を兼ね備え
た多重分散構造材料及びそのような多重分散構造材料を
可能とする多成分系樹脂組成物の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる問題
を解決する為鋭意検討を重ねた結果、相互に反応性を持
つ官能基を有する軟質材と特定の架橋性樹脂組成物を配
合し溶融混練すると軟質材が連続相を形成するという現
象を見出し、しかもこの多成分系樹脂組成物をさらに他
の熱可塑性樹脂に配合することにより容易に所謂コアシ
ェル構造を形成させて、耐衝撃性及び剛性を向上させ得
ることを知見し、本発明に至った。
【0007】請求項1記載の多成分系樹脂組成物は、下
記成分A1〜99重量%と下記成分B99〜1重量%と
からなり、溶融混練された成分Aと成分Bの相界面及び
成分Bの相内部が架橋されており、成分Aが連続相を形
成していることを特徴とするものである。 成分A:カルボン酸又はその酸無水物誘導体と反応し得
る官能基を含有する軟質材。 成分B:下記変性ポリプロピレン樹脂(イ)と反応性化
合物(ロ)からなる架橋性樹脂組成物。 (イ)プロピレンの単独重合体又はプロピレンと他のα
−オレフィンとの共重合体に、少なくとも1種の不飽和
カルボン酸又はその酸無水物誘導体をグラフト変性した
変性ポリプロピレン樹脂。 (ロ)カルボン酸又はその酸無水物誘導体と反応し得る
官能基を分子内に少なくとも2個以上有する反応性化合
物。 但し、変性ポリプロピレン樹脂(イ)中の不飽和カルボ
ン酸又はその酸無水物誘導体に由来する単位に対する、
成分A及び反応性化合物(ロ)中の上記官能基のモル比
が、0.01〜20の範囲である。
【0008】請求項2記載の多成分系樹脂組成物は、下
記成分A1〜99重量%と下記成分B99〜1重量%と
からなり、溶融混練された成分Aと成分Bの相界面及び
成分Bの相内部が架橋されており、成分Aが連続相を形
成していることを特徴とするものである。 成分A:カルボン酸又はその酸無水物誘導体と反応し得
る官能基を含有する軟質材。 成分B:下記変性ポリプロピレン樹脂(イ)、反応性化
合物(ロ)及び反応促進剤(ハ)からなる架橋性樹脂組
成物。 (イ)プロピレンの単独重合体又はプロピレンと他のα
−オレフィンとの共重合体に、少なくとも1種の不飽和
カルボン酸又はその酸無水物誘導体をグラフト変性した
変性ポリプロピレン樹脂。 (ロ)カルボン酸又はその酸無水物誘導体と反応し得る
官能基を分子内に少なくとも2個以上有する反応性化合
物。 (ハ)変性ポリプロピレン樹脂(イ)と成分A又は反応
性化合物(ロ)との反応に対する反応促進剤。 但し、変性ポリプロピレン樹脂(イ)中の不飽和カルボ
ン酸又はその酸無水物誘導体に由来する単位に対する、
成分A及び反応性化合物(ロ)中の上記官能基のモル比
が、0.01〜20の範囲であり、反応促進剤(ハ)は
変性ポリプロピレン樹脂(イ)の100重量部に対して
0.001〜20重量部の範囲である。
【0009】請求項3記載の多成分系樹脂組成物は、下
記成分A1〜99重量%と下記成分B99〜1重量%と
からなり、溶融混練された成分Aと成分Bの相界面及び
成分Bの相内部が架橋されており、成分Aが連続相を形
成していることを特徴とするものである。 成分A:カルボン酸またはその無水物誘導体と反応しう
る官能基をグラフト変性した変性軟質材。 成分B:下記変性ポリプロピレン樹脂(イ)と反応性化
合物(ロ)からなる架橋性樹脂組成物。 (イ)プロピレンの単独重合体又はプロピレンと他のα
−オレフィンとの共重合体に、少なくとも1種の不飽和
カルボン酸又はその酸無水物誘導体をグラフト変性した
変性ポリプロピレン樹脂。 (ロ)カルボン酸又はその酸無水物誘導体と反応し得る
官能基を分子内に少なくとも2個以上有する反応性化合
物。 但し、変性ポリプロピレン樹脂(イ)中の不飽和カルボ
ン酸又はその酸無水物誘導体に由来する単位に対する、
成分A及び反応性化合物(ロ)中の上記官能基のモル比
が、0.01〜20の範囲である。
【0010】請求項4記載の多成分系樹脂組成物は、下
記成分A1〜99重量%と下記成分B99〜1重量%と
からなり、溶融混練された成分Aと成分Bの相界面及び
成分Bの相内部が架橋されており、成分Aが連続相を形
成していることを特徴とするものである。 成分A:カルボン酸またはその無水物誘導体と反応しう
る官能基をグラフト変性した変性軟質材。 成分B:下記変性ポリプロピレン樹脂(イ)、反応性化
合物(ロ)及び反応促進剤(ハ)からなる架橋性樹脂組
成物。 (イ)プロピレンの単独重合体又はプロピレンと他のα
−オレフィンとの共重合体に、少なくとも1種の不飽和
カルボン酸又はその酸無水物誘導体をグラフト変性した
変性ポリプロピレン樹脂。 (ロ)カルボン酸又はその酸無水物誘導体と反応し得る
官能基を分子内に少なくとも2個以上有する反応性化合
物。 (ハ)変性ポリプロピレン樹脂(イ)と成分A又は反応
性化合物(ロ)との反応に対する反応促進剤。 但し、変性ポリプロピレン樹脂(イ)中の不飽和カルボ
ン酸又はその酸無水物誘導体に由来する単位に対する、
成分A及び反応性化合物(ロ)中の上記官能基のモル比
が、0.01〜20の範囲であり、反応促進剤(ハ)は
変性ポリプロピレン樹脂(イ)の100重量部に対して
0.001〜20重量部の範囲である。
【0011】本発明の多重分散構造材料は、請求項1〜
4のいずれかに記載の多成分系樹脂組成物が、230℃
未満で成形可能な熱可塑性樹脂中に分散されていること
を特徴とする。この際、充填剤が含まれていることが望
ましい。本発明の多重分散構造材料の製造方法は、請求
項1〜4のいずれかに記載の多成分系樹脂組成物をその
成分B中の変性ポリプロピレン樹脂(イ)が流動する温
度条件にて成分Aと成分Bとを混練して製造した後、前
記変性ポリプロピレン樹脂(イ)が流動しない温度条件
にて該多成分系樹脂組成物と熱可塑性樹脂とを混練する
ことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の多成分系樹脂組成物は、
成分Aの軟質材を主成分とし、これに成分Aが有する官
能基と反応し得る官能基を有するポリプロピレン系架橋
性樹脂組成物を複合させたポリマーアロイである。この
ポリマーアロイは軟質材からなる海相(連続相)−架橋
性樹脂組成物からなる島相(分散相)の分散形態を有す
る。また、本発明の多重分散構造材料は、物性改良の対
象である熱可塑性樹脂を成分の主体とし、これに上記の
多成分系樹脂組成物を複合させたポリマーアロイであ
る。この多重分散構造材料は、熱可塑性樹脂からなる海
相(連続相)−軟質材からなる島相(第1分散相)−ポ
リプロピレン系架橋樹脂組成物からなる湖相(第2分散
相)の分散形態いわゆるコアシェル構造を有する。
【0013】[成分A]本発明の多成分系樹脂組成物に
おける成分Aとして用いられる軟質材としては、ポリオ
レフィン系ゴム、スチレン系ゴム、天然ゴム、イソプレ
ンゴム、ブチルゴムのような非極性のゴムが、カルボン
酸又はその無水物誘導体と反応し得る官能基を含有した
ものが挙げられ、中でも、上記ゴムにカルボン酸又はそ
の無水物誘導体と反応し得る官能基をグラフト変性した
ものが好適である。ポリオレフィン系ゴムとしてはチー
グラー系触媒を用いて、エチレンとα−オレフィン又は
それらと非共役ジエンを共重合することによって得られ
るエチレン−α−オレフィン共重合体を挙げることがで
きる。かかるエチレン−α−オレフィン共重合体の共重
合モノマーとして用いられるα−オレフィンは炭素数3
〜12のα−オレフィンであり、具体例としてはプロピ
レン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン
−1等を挙げることができ、好ましくはプロピレン又は
ブテン−1が用いられる。これらのα−オレフィンは単
独でも、あるいは2種以上を併せて用いることもでき
る。
【0014】また、α−オレフィンと共に非共役ジエン
を共重合させることも可能であり、かかる非共役ジエン
としては、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジ
エン、5−メチル−2,5−ノルボルネン、5−イソプ
ロピリデン−2−ノルボルネン、5−(1−ブテニル)
−2−ノルボルネン、シクロオクタジエン、ビニルシク
ロヘキセン、6−メチル−4,7,8,9−テトラヒドロ
インデン、トランス−1,2−ジビニルシクロブタン、
1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、1,8−
ノナジエン、1,9−デカジエン、3,6−ジメチル−
1,7−オクタジエン、4,5−ジメチル−1,7−オク
タジエン、1,4,7−オクタトリエン、5−メチル−
1,8−ノナジエン等が挙げられる。このようなエチレ
ンとα−オレフィン又はさらに非共役ジエンを共重合し
たポリオレフィン系ゴムの具体例としては、エチレン−
プロピレン共重合体ゴム、エチレン−ブテン共重合体ゴ
ム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム
を挙げることができる。これらオレフィン系ゴム中のエ
チレン含有量は、30〜80重量%のものが好適に用い
られる。
【0015】また、成分Aとして用いられる軟質材とし
ては、モノアルケニル芳香族−非共役ジエンブロック共
重合体及びその水添物にカルボン酸又はその無水物誘導
体と反応し得る官能基をグラフト変性したものを挙げる
こともできる。モノアルケニル芳香族モノマーとして
は、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、p−t−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレ
ン、m−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルア
ントラセン、ビニルトルエン等が挙げられるが、特にス
チレンが好ましい。共役ジエンとしては4〜8個の炭化
水素を有するものであって、1,3−ブタジエン、2−
メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジ
メチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、
1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。さらに、上記の
共役ジエンの混合物も使用し得る。特に好ましい共役ジ
エンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレンが挙げ
られる。モノアルケニル芳香族−共役ジエンブロック共
重合体及びその水添物の具体例としては、スチレン−ブ
タジエン(ジブロック)、スチレン−ブタジエン−スチ
レン(トリブロック)、スチレン−ブタジエン−スチレ
ン−ブタジエン(テトラブロック)共重合体及びこれら
の水添物が挙げられる。
【0016】さらに本発明において成分Aとして用いら
れる軟質材としては、α−オレフィンと、カルボン酸ま
たはその無水物誘導体と反応し得る官能基を有するモノ
マーとの共重合体、即ち、カルボン酸又はその無水物誘
導体と反応し得る官能基を構成部分として有する軟質材
を挙げることもできる。カルボン酸又はその無水物誘導
体と反応し得る官能基を有するモノマーとしては、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート(以下、HEMAとも
いう。)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2
−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレー
ト等の不飽和ヒドロキシ化合物、グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、イタコン酸ジグリシジ
ルエステル、3,4−エポキシ−1−ブテン等の不飽和
エポキシ化合物、ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、ジエチルアミノエチルメタクリレート等の不飽和ア
ミノ化合物、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニ
ル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニ
ル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−オキ
サゾリン等の不飽和オキサゾリン化合物などが挙げられ
る。
【0017】変性軟質材中に含まれる、カルボン酸また
はその無水物誘導体と反応し得る官能基を有するモノマ
ーの量としては、0.01〜50重量%が好ましく、モ
ノマーの量が0.01重量%未満では架橋効果が小さい
為、多成分系樹脂組成物を熱可塑性樹脂に配合する際に
多重分散構造を形成しにくいので好ましくなく、また5
0重量%を超えると、もはや耐衝撃性付与効果が期待で
きないため好ましくない。
【0018】[成分B] 〔(イ)変性ポリプロピレン樹脂〕(イ)成分の変性ポ
リプロピレン樹脂としては、ポリプロピレン樹脂に不飽
和カルボン酸またはその無水物誘導体(以下、不飽和カ
ルボン酸化合物ともいう。)をグラフト変性したものが
挙げられる。
【0019】ここでポリプロピレン樹脂としては様々な
ものがある。例えば、ホモポリプロピレン、エチレン−
プロピレンランダムポリプロピレン、エチレン−プロピ
レンブロックポリプロピレン、ホモポリプロピレンとエ
チレン−プロピレンランダムポリプロピレンとの混合
物、ホモポリプロピレンとエチレン−プロピレンブロッ
クポリプロピレンとの混合物、エチレン−プロピレンラ
ンダムポリプロピレンとエチレン−プロピレンブロック
ポリプロピレンとの混合物、ホモポリプロピレンとポリ
エチレン及び/又はエチレンと炭素数4〜12のα−オ
レフィン共重合体樹脂との混合物、エチレン−プロピレ
ンランダムポリプロピレンとポリエチレン及び/又はエ
チレンと炭素数4〜12のα−オレフィン共重合体樹脂
との混合物、エチレン−プロピレンブロックポリプロピ
レンとポリエチレン及び/又はエチレンと炭素数4〜1
2のα−オレフィン共重合体樹脂との混合物、ホモポリ
プロピレンとエチレン−プロピレンランダムポリプロピ
レンとポリエチレン及び/又はエチレンと炭素数4〜1
2のα−オレフィン共重合体樹脂との混合物、エチレン
−ポリプロピレンランダムポリプロピレンとエチレン−
プロピレンブロックポリプロピレンとポリエチレン及び
/又はエチレンと炭素数4〜12のα−オレフィン共重
合体樹脂との混合物等が挙げられる。これらの中では、
ホモポリプロピレン、エチレン−プロピレンランダムポ
リプロピレン又はエチレン−プロピレンブロックポリプ
ロピレンが機械的強度及び耐熱性の面から好ましく、こ
れらはそれぞれ単独で用いてもよく、二種以上を組み合
わせて用いてもよい。なお、エチレンと炭素数4〜12
のα−オレフィンの共重合体としては、例えば、エチレ
ン−ブテン−1共重合体、エチレン−4−メチルペンテ
ン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体等で
ある。これらのポリプロピレン樹脂のメルトフローレー
ト(以下、MFRともいう)(230℃、荷重2.16
Kg)は1.0〜1000g/10分、好ましくは2.0
〜500g/10分、さらに好ましくは2.0〜300
g/10分である。これらのポリプロピレン樹脂は、本発
明の組成物において、耐熱性と機械的強度を発現し得る
成分である。
【0020】また、不飽和カルボン酸化合物としては、
マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、エ
ンディック酸、炭素数が多くとも18である末端に二重
結合を有するアルケニルコハク酸、炭素数が多くとも1
8である末端に二重結合を有するアルカジエニルコハク
酸等が挙げられるが、特に反応性の高さからこれらの無
水物を用いる方が好ましい。
【0021】変性ポリプロピレン樹脂中に含まれる不飽
和カルボン酸化合物の量としては、0.01〜10重量
%であり、不飽和カルボン酸化合物の量が0.01重量
%未満では、架橋効果が小さく変性ポリプロピレン樹脂
成分が連続相を形成するため好ましくなく、10重量%
を超えると架橋効果が大きいにも関わらず流動性が高く
なり、変性ポリプロピレン樹脂成分が分散相を形成しに
くくなるため好ましくない。
【0022】本発明に用いる変性ポリプロピレン樹脂を
製造するにあたっては、通常知られているところの種々
の方法が利用できる。前記の変性ポリプロピレンを得る
ために用いられるポリプロピレン樹脂を溶媒に溶解して
溶液とし、ラジカル開始剤と不飽和カルボン酸化合物を
混合して反応させる溶液グラフト法、溶媒を使用せず、
押出機内で変性する溶融グラフト法、電子線等を利用す
る放射線グラフト法等が利用できる。さらに未反応の不
飽和カルボン酸化合物を除去する意味で、グラフト変性
後に、溶剤又は温水洗浄等により、未反応物、反応副生
物等を除去する工程を経ることができる。本発明に関わ
る変性ポリプロピレン樹脂のMFR(JIS K-7210)とし
ては、0.1〜1000g/10分が好ましい。この範
囲外では本発明の目的に合致した組成物が得られない。
【0023】〔(ロ)反応性化合物〕本発明において用
いられる(ロ)成分の反応性化合物としては、(イ)成
分の変性ポリプロピレン樹脂に結合した不飽和カルボン
酸又はその無水物誘導体と反応し得る官能基を持つ化合
物である。そのような化合物としては、分子内に2個以
上の官能基、即ち少なくとも2個以上の水酸基もしくは
同一の分子内に多くとも1個のアミノ基と1個の水酸基
を有する多官能化合物が挙げられる。
【0024】分子内に2個以上の水酸基を有する多価ア
ルコールとしては、具体的には、例えばエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、等のグリコール類、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、
等のジオール類や一般式(I) (R1aC(CH2OH)b ・・・(I) (式中、R1は水素、炭素原子数1〜12個の鎖状ある
いは環状アルキル基を表わし、bは2から4の整数を表
わし且つaはa+b=4を満足するように選択される。)
で示されるポリメチロール化合物、すなわちジメチロー
ルエタン、ジメチロールプロパン、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等
の他ビストリメチロールプロパン、ジペンタエリスリト
ール等のポリメチロール化合物を挙げることができる。
【0025】また、下記一般式(II) HO−CH2CH(OH)CH2O[CH2CH(OH)CH2O]C−H ・・・(II) (式中、cは1から10の整数である。)で示されるグ
リセリン化合物、すなわちグリセリン、ジグリセリン、
トリグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリ
ン、オクタグリセリン、デカグリセリン等を挙げること
ができる。更に、アルビトール、ソルビトール、キシロ
ース、アラビノール、グルコース、ガラクトース、ソル
ボース、フルクトース、パラチノース、マルトトリオー
ス、マレジトース等の糖類;水酸基を複数個有するポリ
オレフィン系オリゴマー、エチレン−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート共重合体等の分子内に複数個の水
酸基を有する重合体等が挙げられる。また、以上に述べ
た多価アルコール化合物にエチレンオキシドまたはプロ
ピレンオキシドを付加させた構造を有するポリオキシア
ルキレン化合物、及びこれらと有機カルボン酸とを脱水
縮合して得られるポリエステル等を用いることもでき
る。
【0026】前記のようなポリオキシアルキレン化合物
は、トリメチロールプロパンにプロピレンオキシドを付
加した化合物、ペンタエリスリトールにエチレンオキシ
ドを付加した化合物、ジグリセリンにプロピレンオキシ
ドを付加した化合物、テトラグリセリンにエチレンオキ
シドを付加した化合物、デカグリセリンにプロピレンオ
キシド付加した化合物、1,3−ジヒドロキシプロパ
ン、2,2−ジメチル−1,3−ジヒドロキシプロパン、
トリメチロールエタン、1,1,1−トリメチロールプロ
パン、1,1,1−トリメチロールヘキサン、1,1,1−
トリメチロールドデカン、2−シクロヘキシル−2−メ
チロール−1,3−ジヒドロキシプロパン、2−(p−
メチルフェニル)−2−メチロール−1,3−ジヒドロ
キシプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン、ジ
グリセリン、ヘキサグリセリン、オクタグリセリン、デ
カグリセリン等にエチレンオキシドもしくはプロピレン
オキシドを付加反応させた化合物が挙げられる。
【0027】また、前記のポリグリセリンエステルとし
ては、具体的には、例えばグリセリンモノステアレー
ト、グリセリンモノオレエート、グリセリンモノラウレ
ート、グリセリンモノカプリレート、グリセリンモノヘ
キサノエート、グリセリンモノフェネチルエステル、グ
リセリンモノプロピオネート、グリセリンモノステアレ
ート、ジグリセリンジステアレート、ジグリセリンモノ
オレエート、ジグリセリンモノヘキサノエート、ジグリ
セリンジオクタノエート、テトラグリセリンモノステア
レート、テトラグリセリントリステアレート、テトラグ
リセリンテトラステアレート、テトラグリセリントリヘ
キサノエート、テトラグリセリンモノフェネチルエステ
ル、ヘキサグリセリンモノステアレート、ヘキサグリセ
リンジステアレート、ヘキサグリセリンペンタステアレ
ート、ヘキサグリセリントリオレエート、ヘキサグリセ
リンモノラウレート、ヘキサグリセリンペンタラウレー
ト、デカグリセリンモノステアレート、デカグリセリン
オクタステアレート、デカグリセリンペンタオレエー
ト、デカグリセリンモノラウレート、デカグリセリンジ
ラウレート、ペンタデカグリセリンジステアレート、ペ
ンタデカグリセリンデカオレエート、オクタデカグリセ
リンテトラステアレート等のポリグリセリンエステル;
ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエー
ト、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノカプリ
レート、ソルビタンモノヘキサノエート、ソルビタンモ
ノフェネチルエステル、ソルビタンモノプロピオネー
ト、ソルビタントリステアレート、ソルビタンテトラス
テアレート、等のソルビタンアルキルエステルが挙げら
れる。
【0028】以上に挙げた多価アルコール類のうち好ま
しいのは、一般式(I)で表されるポリメチロール化合
物、一般式(II)で表されるグリセリン化合物、又は一
般式(I)及び一般式(II)で表される化合物にエチレ
ンオキシド、もしくはプロピレンオキシドを付加させた
構造を有するポリオキシアルキレン化合物である。
【0029】本発明に関わる反応性化合物のその他の例
としては、アミノ基と水酸基の両方を有する化合物を挙
げることもできる。アミノ基を有する場合には、反応性
化合物1分子中に含まれるアミノ基は、多くとも1個で
ある。例えばエタノールアミン、3−アミノ−1−プロ
パノール、DL−2−アミノ−1−プロパノール、DL
−1−アミノ−2−プロパノール、4−アミノ−1−ブ
タノール、2−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−
1−ペンタノール、DL−2−アミノ−1−ペンタノー
ル、6−アミノ−1−ヘキサノール、2−(2−アミノ
エトキシ)エタノール等が用いられる。これらの化合物
は2種類以上を同時に併用しても差し支えはない。
【0030】〔(ハ)反応促進剤〕本発明においては、
(ハ)成分として反応促進剤を用いることができる。こ
れは変性ポリプロピレン樹脂中の不飽和カルボン酸化合
物に由来する単位に含まれるカルボニル基を活性化し、
変性軟質材及び反応性化合物中の官能基との反応をより
促進させることを目的として加えるものである。
【0031】そのような反応促進剤としては種々のもの
があるが、その一例として有機カルボン酸の金属塩が挙
げられる。有機カルボン酸の金属塩としては、炭素原子
数1〜30の脂肪酸の金属塩、例えば酢酸、酪酸、オク
タン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチ
ミン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等と周期
表のIA族、IIA族、IIB族、IIIB族の金属(例えば
Li、Na、K、Mg、Ca、Zn、Al等)との塩が
挙げられる。更に具体例を示せば、酢酸リチウム、酢酸
ナトリウム、酢酸マグネシウム、酢酸アルミニウム、酢
酸カリウム、酪酸カルシウム、酪酸亜鉛、オクタン酸ナ
トリウム、オクタン酸カルシウム、デカン酸カリウム、
デカン酸マグネシウム、デカン酸亜鉛、ラウリン酸リチ
ウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カルシウム、
ラウリン酸アルミニウム、ミリスチン酸カリウム、ミリ
スチン酸ナトリウム、ミリスチン酸アルミニウム、パル
チミン酸ナトリウム、パルチミン酸亜鉛、パルチミン酸
マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸
カリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜
鉛、オレイン酸ナトリウム等が好適である。
【0032】他の反応促進剤の例としては、カルボン酸
の金属塩構造を有する樹脂がある。このような樹脂とし
ては、エチレンとラジカル重合性不飽和カルボン酸のI
A族、IIA族、IIB族、IIIB族の金属(例えばLi、
Na、K、Mg、Ca、Zn、Al等)塩とを共重合し
た構造を有するもの、あるいはエチレンとラジカル重合
性不飽和カルボン酸の金属塩と他のラジカル重合性不飽
和カルボン酸及び/又はその誘導体とを多元共重合した
構造を有するものが挙げられる。
【0033】更に、ポリエチレン、ポリプロピレン、エ
チレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン樹脂に
ラジカル重合性不飽和カルボン酸の金属塩(遊離の不飽
和カルボン酸を重合し、その後に中和してもよい。)を
グラフト重合させた構造を有するもの、ポリオレフィン
樹脂にラジカル重合性カルボン酸の金属塩と他のラジカ
ル重合性不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体を同時
に共グラフト重合した構造を有するものが挙げられる。
ここで用いられるラジカル重合性不飽和カルボン酸及び
その誘導体の例としては、(メタ)アクリル酸、マレイ
ン酸、フマル酸、マレイン酸モノメチル、フマル酸モノ
メチル、マレイン酸モノエチル、フマル酸モノエチル、
マレイン酸モノブチル、フマル酸モノブチル、(メタ)
アクリル酸メチル、マレイン酸ジメチル、フマル酸ジメ
チル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、マレイ
ン酸ジブチル、フマル酸ジブチル等を挙げることができ
る。
【0034】本発明の反応促進剤のその他の例として
は、三級アミン化合物を挙げることができる。ここで用
いられる三級アミン化合物の具体例としては、トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミ
ン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリオ
クタデシルアミン、ジメチルエチルアミン、メチルジオ
クチルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジエチルシク
ロヘキシルアミン、N,N−ジエチル−4−メチルシク
ロヘキシルアミン、ジエチルシクロドデシルアミン、
N,N−ジエチル−1−アダマンタナミン、1−メチル
ピロリジン、1−エチルピロリジン、1−エチルピペリ
ジン、キヌクジリン、トリフェニルアミン、N,N−ジ
メチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジ
メチル−m−フェネチアジン、4−t−ブチル−N,N
−ジメチルアニリン等が挙げられる。
【0035】反応促進剤のその他の例としては、四級ア
ンモニウム塩を挙げることができる。ここで用いられる
四級アンモニウム塩としては、例えばテトラメチルアン
モニウムテトラフルオロボレート、テトラメチルアンモ
ニウムヘキサフルオロフォスフェート、テトラメチルア
ンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムブロミ
ド、テトラエチルアンモニウムヨージド、メチルトリ−
n−ブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモ
ニウムブロミド、テトラヘキシルアンモニウムブロミ
ド、テトラヘプチルアンモニウムブロミド、フェニルト
リメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルア
ンモニウムクロリド等が挙げられる。
【0036】更に、IIA族、IIB族、IIIB族の金属の
水酸化物またはIIA族、IIB族の金属のハロゲン化物を
反応促進剤として用いることができる。ここでIIA族、
IIB族、IIIB族の金属の水酸化物としては、例えば水
酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニ
ウム等が挙げられ、IIA族、IIB族の金属のハロゲン化
物としては、例えば塩化カルシウム、臭化カルシウム、
塩化マグネシウム等を挙げることができる。
【0037】更に、オキソ酸とIA族、IIA族、IIB
族、IIIB族の金属の塩を反応促進剤として用いること
ができる。その具体例としては、硝酸ナトリウム、硝酸
カルシウム、硝酸亜鉛、硝酸マグネシウム、硝酸アルミ
ニウム、燐酸ナトリウム、燐酸カルシウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸ナトリ
ウム、硫酸亜鉛、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウ
ム、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム、沃素酸ナトリ
ウム等が挙げられる。その他、LiBF4、NaBF4
KBF4、NaPF6、KPF6、NaPCl6、KPCl
6、NaFeCl4、NaSnCl4、NaSbF6、KS
bF6、NaAsF6、KAsCl6等のルイス酸のアル
カリ金属塩も反応促進剤として使用することができる。
【0038】以上に例示した反応促進剤のうち有機カル
ボン酸の金属塩が好適に用いられる。また、上記の各種
反応促進剤を必要に応じて2種類以上併用することもで
きる。
【0039】本発明に関する成分(イ)、(ロ)及び
(ハ)の配合量は、変性ポリプロピレン樹脂(イ)中の
不飽和カルボン酸化合物に由来する単位に対し、反応性
化合物(ロ)のモル比が、0.01〜10の範囲、好ま
しくは0.1〜8の範囲、更に好ましくは、0.3〜5の
範囲になるように決められる。反応性化合物(ロ)のモ
ル比が0.01を下回る範囲で配合された場合は、架橋
効果が小さく変性ポリプロピレン樹脂成分が連続相を形
成するため好ましくなく、10を上回る範囲で配合して
も、もはや架橋効果が飽和しており経済的にも好ましく
ない。
【0040】また、反応促進剤(ハ)の配合量は、変性
ポリプロピレン樹脂(イ)100重量部に対して、0.
001〜20重量部の範囲、好ましくは0.005〜1
5重量部の範囲、より好ましくは0.01〜10重量部
の範囲である。反応促進剤の配合量が0.001より小
さい場合は、変性ポリプロピレン樹脂中の不飽和カルボ
ン酸化合物に由来する単位と、変性軟質材及び反応性化
合物の官能基との反応を促進する効果が殆ど得られな
い。一方、反応促進剤を20重量部を超えて使用して
も、もはやそれ以上反応を促進する効果は望めず、経済
的にも好ましくない。
【0041】以上に述べた成分A、成分(イ)及び成分
(ロ)又はこれらの成分及び成分(ハ)からなる多成分
系樹脂組成物は、成分Aが連続相を形成し、その連続相
中に成分(イ)及び成分(ロ)、又は成分(イ)、成分
(ロ)及び成分(ハ)が分散相を形成する、いわゆるラ
バーマトリックス構造を形成する特徴を持つ。このよう
な相構造を得るために、成分A及び成分Bの配合量につ
いて規定するならば、成分Aである変性軟質材は、1〜
99重量%の範囲、好ましくは20〜80重量%の範囲
であり、成分Bが99〜1重量%の範囲、好ましくは8
0〜20重量%の範囲である。すなわち本発明の成分A
と、成分Bからなる分散相の割合は1:99〜99:
1、好ましくは20:80〜80:20である。
【0042】成分Aの量が99重量%を超えると、もは
や成分Bを加えることの意味が実質的に失われ、逆に1
重量%よりも少ない場合には、成分Aが連続相を形成す
ることが困難となり本発明の目的を達成できない。成分
Bの量が99重量%を超えると成分Bが分散相を形成す
ることが困難となり、逆に1重量%より少なくなって
は、実質的に物性改良効果がほとんどなく、成分Bを加
える意味がなくなるため、好ましくない。
【0043】また、本発明の多成分系樹脂組成物を製造
する際、成分Aと成分Bとを溶融混練することで目的の
多成分系樹脂組成物が得られるが、成分Aと成分(イ)
及び成分(ロ)、又は成分Aと成分(イ)及び成分
(ロ)及び成分(ハ)を溶融混練することによっても目
的の多成分系樹脂組成物を得ることができる。
【0044】また、本発明の多成分系樹脂組成物には、
該組成物の特徴を損なわない範囲で各種の添加剤、配合
剤、充填剤を使用することが可能である。これらを具体
的に示せば、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、
光安定剤、帯電防止剤、防曇剤、難燃剤、滑剤、スリッ
プ剤、アンチブロッキング剤、核剤、ガラスフィラー等
の無機充填剤、有機充填剤、補強剤、着色剤、染料、顔
料、発泡剤、香料等が挙げられる。
【0045】[熱可塑性樹脂]本発明の上記多成分系樹
脂組成物は、用途や目的に応じて単独で使用され得る
が、マトリックス樹脂となる熱可塑性樹脂中に配合され
ることにより、多重分散構造材料を構成して使用され
る。そのような熱可塑性樹脂としては、高密度ポリエチ
レン、エチレンとブテン−1、ヘキセン−1等のα−オ
レフィンを共重合した低密度ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル
酸メチル、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド等
多くの熱可塑性樹脂が挙げられるが、本発明に好適に用
いられるものとしては230℃未満で混練可能な樹脂が
好ましく、特に好適なものとして成分(イ)の原料とし
て挙げられているポリプロピレン樹脂が挙げられる。
【0046】この熱可塑性樹脂組成物に充填剤を混合す
ることは機械的強度が向上するので好ましい。本発明に
用いられる充填剤としては、各種の有機充填剤、無機充
填剤があり、無機充填剤について具体的に例示すると、
粉末状充填剤、例えばアルミナ、酸化マグネシウム、酸
化カルシウム、亜鉛華等の酸化物;水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、水
酸化カルシウム、酸化錫水和物、酸化アルミニウム水和
物等の水和金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム等の炭酸塩;タルク、クレー、ベントナイト、アタ
パルジャイト等の珪酸塩;ホウ酸バリウム、ホウ酸亜鉛
等のホウ酸塩;燐酸アルミニウム、トリポリ燐酸ナトリ
ウム等の燐酸塩;石膏等の硫酸塩;又はこれらの2種以
上の混合物;繊維状充填剤、例えばガラス繊維、チタン
酸カリウム繊維、金属被覆ガラス繊維、金属繊維等;そ
の他、ガラスビーズ、ガラスバルーン、シラスバルーン
等の球状物、ガラス粉末、ガラスフレーク、マイカ等を
挙げることができる。またこれら無機充填剤の表面をシ
ラン系化合物、例えばビニルトリメトキシシラン、2−
アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、2−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン等で表面処理しておいてもよい。機械的
強度の向上の点から、充填剤は目的の熱可塑性樹脂組成
物100重量部に対して充填剤0.5〜500重量部を
混合するのが好適である。
【0047】これら上記の充填剤又は添加剤は、本発明
の樹脂組成物の特性を実質的に損なわない範囲で複数の
種類のものを同時に併用して配合することができる。
【0048】[多成分系樹脂組成物の製造]本発明の多
成分系樹脂組成物は、成分A、成分(イ)及び成分
(ロ)又はこれらの成分及び成分(ハ)を前記の配合比
で配合混練することで得られるが、成分(イ)、成分
(ロ)又はこれらの成分及び成分(ハ)を予め配合、混
練して架橋性樹脂組成物を得て、これを成分Aに配合、
高温で混練することもできる。この場合、混練温度は2
20℃以上が好ましく、混練温度がこれより低い温度で
は、架橋性樹脂組成物の粘度が高すぎるために、成分A
の軟質材中への分散が不良になりやすいので好ましくな
い。こうして得られる多成分系樹脂組成物は、成分A中
に架橋性樹脂組成物(成分B)が分散したラバーマトリ
ックスの海−島構造を有する組成物となっている。
【0049】[多重分散構造材料の製造]本発明の多重
分散構造材料は、上記で得られた多成分系樹脂組成物を
熱可塑性樹脂に配合混練することで得られる。多成分系
樹脂組成物と熱可塑性樹脂を配合混練する際、多成分系
樹脂組成物の配合量は1〜60重量%が好ましい。1重
量%より少ないと熱可塑性樹脂の改質効果が無いに等し
いため好ましくなく、60重量%より多いとコアシェル
構造を形成することが困難になるため好ましくない。さ
らに混練温度は230℃未満が好ましく、これより高い
温度で混練するとコアシェル構造を保持しにくくなるた
め好ましくない。
【0050】このようにして得られる多重分散構造材料
は、熱可塑性樹脂の中に、成分Aが分散し、さらにその
成分Aの相中に架橋性樹脂組成物(成分B)が分散した
海−島−湖のコアシェル構造を有する組成物となってい
る。
【0051】これらの混練には、通常知られている種々
の樹脂の混練方法を用いることができる。その具体的方
法を例示すれば、各成分を溶融状態で混合する方法、す
なわち一般的に用いられている加圧ニーダー、ロール、
バンバリーミキサー、スタティックミキサー、スクリュ
ー式押出機等を用いる方法を挙げることができる。本発
明の組成物は従来公知の任意の成形加工方法、例えば射
出成形法、押出成形法等によって各種形状の成形物に容
易に加工できる。
【0052】以上のようにして、成分A及び成分Bから
なるラバーマトリックスの海−島構造の多成分系樹脂組
成物が得られ、またこの多成分系樹脂組成物をさらに熱
可塑性樹脂に配合、混練することにより、所謂コアシェ
ル構造を有する多重分散構造材料が得られる。このコア
シェル構造を有する多重分散構造材料は以下の作用によ
り得られるものと考えられる。成分(イ)中の官能基は
成分(ロ)中の官能基と反応して、220℃より低い温
度で架橋構造を形成しているが、220℃より高い温度
ではこの架橋構造が失われ、再び流動性を持つという極
めて特異な性質を有している。このため、成分(イ)の
流動可能な温度である220℃より高い温度で、成分A
と混練することにより、成分(イ)は容易に成分A中に
分散し、冷却することによって、成分(ロ)と成分
(イ)中の官能基が反応して架橋構造を形成し、分散相
を形成する。さらにこの時、連続相である成分Aと分散
相である成分(イ)との相界面にも同様の反応が進行し
相構造を固定する。このようにして得られた多成分系樹
脂組成物は、220℃以下の温度であれば、成分Aは流
動可能であるが、架橋性樹脂成分(成分B)は実質的に
ほとんど流動せず、成分Aと成分(イ)の界面にグラフ
トコポリマーが相溶化剤として存在する。このような温
度条件下で、多成分系樹脂組成物をさらに熱可塑性樹脂
に配合、混練することにより、多成分系樹脂組成物の相
構造が保持されたまま、熱可塑性樹脂を連続相(海)と
して、多成分系樹脂組成物が分散相(島)となる。
【0053】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明する。ただし、本発明はこれらの実施例に何ら制約さ
れるものではない。
【0054】
【表1】 (成分A)表1に示される変性軟質材は、ベース軟質
材、HEMA、有機過酸化物をそれぞれの配合比で40
mmφスクリューを有する同方向2軸押出機を使い樹脂温
度130℃で混練、ペレタイズしたものである。 ※有機過酸化物:「パーカドックス14」化薬アクゾ
(株)製、1,3−ビス−(t−ブチルペルオキシ−イ
ソプロピル)−ベンゼン 表1において、「SEBS」は、スチレン系エラストマ
ー(「タフテックH1042」旭化成(株)製、MF
R:30g/10min、密度(JIS K7112)0.9g/cm3)。
「EPR」は、エチレン−プロピレン系エラストマー
(「P−0080」三井石油化学(株)製、MFR:2
0g/10min、密度(JIS K7112)0.9g/cm3)。「EB
R」は、エチレン−ブテン系エラストマー(「EB12
01P」日本合成ゴム(株)製、MFR:20g/10mi
n、密度(JIS K7112)0.9g/cm3)。表1中のMFRは
JIS K7210 表1 条件14に従った。
【0055】
【表2】 (成分(イ))表2に示される変性軟質材(成分
(イ))はベースポリプロピレンに、無水マレイン酸、
有機過酸化物をそれぞれの配合比で40mmφスクリュー
を有する同方向2軸押出機を使い樹脂温度160℃で混
練、ペレタイズしたものである。表2において、「H−
PP」は、ホモポリプロピレン(「ジェイアロマーMA
510」日本ポリオレフィン(株)製、MFR:0.5g
/10min、密度(JIS K7112)0.9g/cm3)。「B−P
P」は、ブロックポリプロピレン(「ジェイアロマーM
K511」日本ポリオレフィン(株)製、MFR:17
g/10min、密度(JIS K7112)0.9g/cm3)。
【0056】(成分B)架橋性樹脂組成物(成分B)
は、各変性ポリプロピレン樹脂(成分(イ))、反応性
化合物(ロ)及び反応促進剤(ハ)を表3に示されたそ
れぞれの配合比で混練(40mmφスクリューを有する
同方向2軸押出機を使用、樹脂温度250℃)し、ぺレ
タイズしたものである。
【表3】
【0057】(多成分系樹脂組成物)表1に示す各変性
軟質材(No.HR1〜HR5)と、表3に示す各架橋性
樹脂組成物(No.R1〜R7)を使用して表4,5に示
すように種々の多成分系樹脂組成物を調製した。表4,
5に示される各多成分系樹脂組成物は、各変性軟質材
(成分A)、架橋性樹脂組成物(成分B)、成分
(イ)、成分(ロ)、成分(ハ)をそれぞれの配合比で
40mmφスクリューを有する同方向2軸押出機を使
い、樹脂温度250℃で混練、ペレタイズしたものであ
る。
【表4】
【表5】 尚、表4中、「EPDM」はエチレン−プロピレン−ジ
エンゴムを表す。
【0058】得られた各多成分系樹脂組成物を電子顕微
鏡で観察したところ、本発明に相当するNo.K1〜K1
0はいずれもラバーマトリックスの海−島構造をしてい
ることが確認された。No.K1の電子顕微鏡写真を図
1に示す。 (多重分散構造材料)これらの多成分系樹脂組成物を用
いて表6に示すように、種々の多重分散構造材料を調製
した。例えば、実施例1の多重分散構造材料は、熱可塑
性樹脂としてホモポリプロピレン樹脂(日本ポリオレフ
ィン(株)製、ジェイアロマーMA810B、MFR3
0g/10分、密度0.9g/cm3)60重量%に多成分
系樹脂組成物としてK2を40重量%を配合し、40m
mφスクリュー同方向2軸押出機を用い樹脂温度200
℃で混練して得られたポリプロピレン樹脂組成物であ
る。
【表6】 各多重分散構造材料について、曲げ弾性率、アイゾット
衝撃強度、耐ガソホール性を測定した。測定結果を表7
に示す。これらの諸物性を測定する為の試験片は、各樹
脂組成物を射出成形機(IS−150:東芝機械(株)
製)を用いて、温度210℃、金型冷却温度40℃で作
成したものである。得られた試験片は温度23℃の恒温
室に2日間放置し、状態調整を行った。 [測定方法] (剛性テスト)ポリプロピレン樹脂組成物を設定温度2
10℃にて射出成形し、長さ127mm、幅12.7mm、
厚さ6.4mmのテストピースを作成した。このテストピ
ースをASTM D790に準拠して曲げ弾性率を測定した。 (耐衝撃性テスト)ポリプロピレン樹脂組成物を設定温
度210℃にて射出成形し、長さ63mm、幅12.7m
m、厚さ3.18mmのテストピースを作成した。このテス
トピースにノッチを入れ、ASTM D256-56に準拠してIz
od衝撃値を測定した。表7中、「NB(Non Brea
k)」は破壊されなかったことを示す。 (塗装性テスト)ポリプロピレン樹脂組成物を設定温度
210℃にて射出成形し、長さ300mm、幅130mm、
厚さ3mmの板状テストピースを得た。この板状テストピ
ースを水洗して常温乾燥後、プライマー(日本ビーケミ
カル社製、RB150−2)をスプレー塗布し、その後
ウレタン系塗料(日本ビーケミカル社製、R−212S
(メタリック)、R−288S(クリヤー))を順次ス
プレー塗装し、80℃のオーブン中で45分間焼付け仕
上げを行った。得られた塗装テストピースの中央部を長
さ70mm、幅25mmに切削したものを、ガソホール(ガ
ソリン:エタノール=9:1)に浸漬し、塗膜が剥離す
るまでの時間を計測した。
【表7】
【0059】表7から、本発明に相当する各実施例のも
のであれば、剛性、耐衝撃強度、耐ガソホール性のいず
れも高いことがわかる。また、各ポリプロピレン樹脂組
成物の分散状態を透過型電子顕微鏡を用いて観察した。
その結果、本発明に相当する実施例1〜7の組成物は、
海−島−湖のいわゆるコアシェル構造を形成しているこ
とが確認された。実施例1の電子顕微鏡写真を図2に示
す。
【0060】
【発明の効果】本発明の多成分系樹脂組成物と熱可塑性
樹脂とを混練することにより容易に調製される本発明の
多重分散構造材料は、連続相(海相:熱可塑性樹脂)、
第一分散相(島相:成分A)、第二分散相(湖相:成分
B)のコアシェル構造を有している。この結果、曲げ弾
性率を低下させることなく耐衝撃性が向上された熱可塑
性樹脂組成物となる。しかも変性材料を用いるため表面
加工性が付与された熱可塑性樹脂組成物である。
【図面の簡単な説明】
【図1】多成分系樹脂組成物の表面組織を示す電子顕微
鏡写真である。
【図2】多重分散構造材料の表面組織を示す電子顕微鏡
写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/103 KEQ C08K 5/103 KEQ 5/17 KEV 5/17 KEV 7/00 KFT 7/00 KFT C08L 7/00 LBD C08L 7/00 LBD 101/00 LSY 101/00 LSY 101/02 LSZ 101/02 LSZ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分A1〜99重量%と下記成分B
    99〜1重量%とからなり、溶融混練された成分Aと成
    分Bの相界面及び成分Bの相内部が架橋されており、成
    分Aが連続相を形成していることを特徴とする多成分系
    樹脂組成物。 成分A:カルボン酸又はその酸無水物誘導体と反応し得
    る官能基を含有する軟質材。 成分B:下記変性ポリプロピレン樹脂(イ)と反応性化
    合物(ロ)からなる架橋性樹脂組成物。 (イ)プロピレンの単独重合体又はプロピレンと他のα
    −オレフィンとの共重合体に、少なくとも1種の不飽和
    カルボン酸又はその酸無水物誘導体をグラフト変性した
    変性ポリプロピレン樹脂。 (ロ)カルボン酸又はその酸無水物誘導体と反応し得る
    官能基を分子内に少なくとも2個以上有する反応性化合
    物。 但し、変性ポリプロピレン樹脂(イ)中の不飽和カルボ
    ン酸又はその酸無水物誘導体に由来する単位に対する、
    成分A及び反応性化合物(ロ)中の上記官能基のモル比
    が、0.01〜20の範囲である。
  2. 【請求項2】 下記成分A1〜99重量%と下記成分B
    99〜1重量%とからなり、溶融混練された成分Aと成
    分Bの相界面及び成分Bの相内部が架橋されており、成
    分Aが連続相を形成していることを特徴とする多成分系
    樹脂組成物。 成分A:カルボン酸又はその酸無水物誘導体と反応し得
    る官能基を含有する軟質材。 成分B:下記変性ポリプロピレン樹脂(イ)、反応性化
    合物(ロ)及び反応促進剤(ハ)からなる架橋性樹脂組
    成物。 (イ)プロピレンの単独重合体又はプロピレンと他のα
    −オレフィンとの共重合体に、少なくとも1種の不飽和
    カルボン酸又はその酸無水物誘導体をグラフト変性した
    変性ポリプロピレン樹脂。 (ロ)カルボン酸又はその酸無水物誘導体と反応し得る
    官能基を分子内に少なくとも2個以上有する反応性化合
    物。 (ハ)変性ポリプロピレン樹脂(イ)と成分A又は反応
    性化合物(ロ)との反応に対する反応促進剤。 但し、変性ポリプロピレン樹脂(イ)中の不飽和カルボ
    ン酸又はその酸無水物誘導体に由来する単位に対する、
    成分A及び反応性化合物(ロ)中の上記官能基のモル比
    が、0.01〜20の範囲であり、反応促進剤(ハ)は
    変性ポリプロピレン樹脂(イ)の100重量部に対して
    0.001〜20重量部の範囲である。
  3. 【請求項3】 下記成分A1〜99重量%と下記成分B
    99〜1重量%とからなり、溶融混練された成分Aと成
    分Bの相界面及び成分Bの相内部が架橋されており、成
    分Aが連続相を形成していることを特徴とする多成分系
    樹脂組成物。 成分A:カルボン酸またはその無水物誘導体と反応しう
    る官能基をグラフト変性した変性軟質材。 成分B:下記変性ポリプロピレン樹脂(イ)と反応性化
    合物(ロ)からなる架橋性樹脂組成物。 (イ)プロピレンの単独重合体又はプロピレンと他のα
    −オレフィンとの共重合体に、少なくとも1種の不飽和
    カルボン酸又はその酸無水物誘導体をグラフト変性した
    変性ポリプロピレン樹脂。 (ロ)カルボン酸又はその酸無水物誘導体と反応し得る
    官能基を分子内に少なくとも2個以上有する反応性化合
    物。 但し、変性ポリプロピレン樹脂(イ)中の不飽和カルボ
    ン酸又はその酸無水物誘導体に由来する単位に対する、
    成分A及び反応性化合物(ロ)中の上記官能基のモル比
    が、0.01〜20の範囲である。
  4. 【請求項4】 下記成分A1〜99重量%と下記成分B
    99〜1重量%とからなり、溶融混練された成分Aと成
    分Bの相界面及び成分Bの相内部が架橋されており、成
    分Aが連続相を形成していることを特徴とする多成分系
    樹脂組成物。 成分A:カルボン酸またはその無水物誘導体と反応しう
    る官能基をグラフト変性した変性軟質材。 成分B:下記変性ポリプロピレン樹脂(イ)、反応性化
    合物(ロ)及び反応促進剤(ハ)からなる架橋性樹脂組
    成物。 (イ)プロピレンの単独重合体又はプロピレンと他のα
    −オレフィンとの共重合体に、少なくとも1種の不飽和
    カルボン酸又はその酸無水物誘導体をグラフト変性した
    変性ポリプロピレン樹脂。 (ロ)カルボン酸又はその酸無水物誘導体と反応し得る
    官能基を分子内に少なくとも2個以上有する反応性化合
    物。 (ハ)変性ポリプロピレン樹脂(イ)と成分A又は反応
    性化合物(ロ)との反応に対する反応促進剤。 但し、変性ポリプロピレン樹脂(イ)中の不飽和カルボ
    ン酸又はその酸無水物誘導体に由来する単位に対する、
    成分A及び反応性化合物(ロ)中の上記官能基のモル比
    が、0.01〜20の範囲であり、反応促進剤(ハ)は
    変性ポリプロピレン樹脂(イ)の100重量部に対して
    0.001〜20重量部の範囲である。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の多成分
    系樹脂組成物が、230℃未満で成形可能な熱可塑性樹
    脂中に分散されていることを特徴とする多重分散構造材
    料。
  6. 【請求項6】 充填剤が含まれていることを特徴とする
    請求項5記載の多重分散構造材料。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれかに記載の多成分
    系樹脂組成物をその成分B中の変性ポリプロピレン樹脂
    (イ)が流動する温度条件にて成分Aと成分Bとを混練
    して製造した後、 前記変性ポリプロピレン樹脂(イ)が流動しない温度条
    件にて該多成分系樹脂組成物と熱可塑性樹脂とを混練す
    ることを特徴とする多重分散構造材料の製造方法。
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