JP3478539B2 - 毛染における皮膚の着色防止のための調合剤の使用、新しい皮膚保護剤および毛染法 - Google Patents

毛染における皮膚の着色防止のための調合剤の使用、新しい皮膚保護剤および毛染法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明の対象は、毛染における皮膚の着色防止のため
の調合剤の使用、新しい皮膚保護剤およびこの皮膚保護
剤または調合剤を使用する毛染法である。
毛染の際に、毛染剤の塗布を注意深く実施しても、皮
膚の着色は必ずしも避けられない。特に、髪の生え際に
直接境を接する目に見える皮膚の部分における、皮膚の
着色は、不快で邪魔である。
多数のいわゆる着色汚染除去剤が公知であり、それら
は毛染処理の終わったあとに着色汚染の除去に使用でき
る。使用した薬剤とは無関係に、薬剤に含まれる洗浄剤
による着色汚染の後からの除去および着色汚染の除去に
普通必要な機械的な摩擦は、常に皮膚にとって非常な負
担である。更に、この着色汚染除去剤は、一度発生した
皮膚の着色を、その位置ですっかり除去することができ
ないことが多い。
毛染の際の皮膚の着色の発生を予防するために、水中
油型または油中水型のエマルジョンの形の皮膚クリーム
ならびにワセリンを毛染め処理の始めに髪の生え際に直
接境を接する皮膚の部分に塗ることが行われている。
エマルジョン状の皮膚保護剤を使う場合、特に暗色の
濃い色調で毛染め処理を行う場合は、皮膚は、皮膚の着
色に対して充分には保護されず、着色汚染除去剤による
後処理が必要なことがわかる。
ワセリンは毛染めの際の皮膚の着色に対する保護剤と
しては不適当である。それは水への不溶性のために、髪
の生え際に境を接する皮膚の部分から除去するのは非常
に難しく、例えばアセトンやベンジンのような有機溶剤
の助けによってしか除去できないことが多いからであ
る。
従って、この課題は、毛髪の染色または調色の際に、
皮膚の着色を避けるために使用する調合剤を提供し、髪
の生え際に境を接する皮膚の部分を毛髪の染色または調
色の際の皮膚の着色から保護することにある。この調合
剤は、毛染め処理の後または調色の後に、水で容易かつ
完全に除去でき、更に良好な皮膚親和性を持つべきであ
る。
（Ａ）2700ないし7500の平均分子量をもつポリエチレン
グリコール27ないし50重量パーセント、 （Ｂ）40ないし60モルの酸化エチレンでオキシエチル化
された水添ひまし油（水素添加したひまし油）７ないし
14重量パーセント、 （Ｃ）グリセリンおよび／またはエチルヘキサンジオー
ルおよび／または100ないし300の分子量のポリエチレン
グリコール28ないし42重量パーセント、および （Ｄ）水０ないし18パーセント を含む組成物からなることを特徴とする調合剤を使用
し、毛髪の染色または調色に際して、皮膚の着色から皮
膚を保護することが、上記課題を、極めて優れた方法で
解決することが意外にも判明した。
更に、本発明は （Ａ）2700ないし4800の平均分子量をもつポリエチレン
グリコール25ないし40重量パーセント、 （Ｂ）5600ないし9000の平均分子量をもつポリエチレン
グリコール２ないし10重量パーセント、 （Ｃ）40ないし60モルの酸化エチレンでオキシエチル化
された水添ひまし油７ないし14重量パーセント、 （Ｄ）グリセリンおよび／またはエチルヘキサンジオー
ルおよび／または100ないし300の分子量のポリエチレン
グリコール28ないし42重量パーセント、および （Ｅ）水０ないし18パーセント を含む組成物からなることを特徴とする皮膚保護剤をも
対象とする。
本発明による皮膚保護剤は、その高粘度でワックス状
のねばっこい稠度により毛染め処理の際、特に暗色の色
調に毛染を染める場合に、皮膚の着色に対する特に優れ
た保護作用を保証する。この皮膚保護剤は、毛染め処理
の前に容易に一様に塗布でき、非常に良く皮膚になじ
み、毛染め処理のあと容易に完全に水で除去することが
できる。
特に好ましい実施態様において、本発明の皮膚保護剤
は （Ａ）2700ないし4800の平均分子量をもつポリエチレン
グリコール28ないし32重量パーセント、 （Ｂ）5600ないし9000の平均分子量をもつポリエチレン
グリコール２ないし７重量パーセント、 （Ｃ）40ないし60モルの酸化エチレンでオキシエチル化
された水添ひまし油８ないし13重量パーセント、 （Ｄ）グリセリンおよび／またはエチルヘキサンジオー
ルおよび／または100ないし300の分子量のポリエチレン
グリコール33ないし38重量パーセント、および （Ｅ）水５ないし14パーセント を含む。
ここで使用する調合剤も本発明の皮膚保護剤も、上に
挙げた成分（Ａ）ないし（Ｅ）の他に、普通に使われる
公知の添加剤、例えば、0.1ないし２重量パーセントの
量の香油;0.1ないし１重量パーセントの量の保存料、例
えば安息香酸、マンデル酸、サリチル酸、ソルビン酸、
ホルムアルデヒド、ｐ−ヒドロキシ安息香酸エステル、
メチルクロロイソチアゾリノンおよびメチルイソチアゾ
リノンまたは５−クロロ−２−（2,4−ジクロロフェノ
キシ）フェノールの混合物;0.1ないし２重量パーセント
の量の養毛剤、例えばアラントイン、α−ビサボロー
ル、グリシレチン酸、乳酸ミリスチルまたは乳酸セチ
ル;0.1ないし８重量パーセントの量の粘度調節剤、例え
ばモンモリロナイトまたはアルカリモンモリロナイト；
ならびに0.1ないし１重量パーセントの量の皮膜形成物
質、例えば乳酸キトサン等を含むことができる。
本発明は、更に、普通１ないし2cm幅の、髪の生え際
に境を接する皮膚の部分に、充分な量、一般に５ないし
10グラムの上記の調合剤または本発明の皮膚保護剤を、
場合により箆を使用して、一様に塗布し、つぎに毛髪を
毛染剤で処理する毛染めの方法に関する。その後、着色
した毛髪は水ですすぎ、場合によりシャンプーで洗い、
もう一度水ですすぐ処理をする。
先に塗布した調合剤または本発明の皮膚保護剤は、洗
浄とすすぎによって同時に除去される。
下記の実施例は、本発明の対象をさらに詳しく説明す
るものである。
実施例 実施例1:皮膚保護剤 2700ないし4800の平均分子量をもつポリエチレングリ
コール 30.00g 5600ないし9000の平均分子量をもつポリエチレングリ
コール 5.00g 40ないし60モルの酸化エチレンでオキシエチル化され
た水添ひまし油 10.00g グリセリン 35.26g ナトリウム−モンモリロナイト 4.65g 乳酸ミリスチル 1.00g 乳酸キトサン 0.01g ｐ−ヒドロキシ安息香酸メチルエステル 0.20g サリチル酸 0.10g 香油 0.30g 水 13.48g 100.00g 実施例2:皮膚保護剤 2700ないし4800の平均分子量をもつポリエチレングリ
コール 30.00g 5600ないし9000の平均分子量をもつポリエチレングリ
コール 5.00g 40ないし60モルの酸化エチレンでオキシエチル化され
た水添ひまし油 10.00g グリセリン 35.26g ナトリウム−モンモリロナイト 4.65g 乳酸ミリスチル 1.00g 乳酸キトサン 0.01g ｐ−ヒドロキシ安息香酸メチルエステル 0.20g ソルビン酸 0.10g α−ビサボロール 0.50g 香油 0.30g 水 10.58g 100.00g 実施例3:皮膚保護剤 2700ないし4800の平均分子量をもつポリエチレングリ
コール 30.00g 5600ないし9000の平均分子量をもつポリエチレングリ
コール 5.00g 40ないし60モルの酸化エチレンでオキシエチル化され
た水添ひまし油 10.00g エチルヘキサンジオール 35.26g ナトリウム−モンモリロナイト 4.65g 乳酸ミリスチル 1.00g 乳酸キトサン 0.01g ｐ−ヒドロキシ安息香酸メチルエステル 0.20g サリチル酸 0.10g 香油 0.30g 水 13.48g 100.00g 実施例4:皮膚保護剤 2700ないし4800の平均分子量をもつポリエチレングリ
コール 30.00g 5600ないし9000の平均分子量をもつポリエチレングリ
コール 5.00g 40ないし60モルの酸化エチレンでオキシエチル化され
た水添ひまし油 12.40g 100ないし300の分子量をもつポリエチレングリコール
35.26g ナトリウム−モンモリロナイト 4.65g 乳酸ミリスチル 1.00g 乳酸キトサン 0.01g ｐ−ヒドロキシ安息香酸メチルエステル 0.20g ソルビン酸 0.10g α−ビサボロール 0.50g 香油 0.30g 水 10.58g 100.00g 実施例１ないし４による皮膚保護剤の製造は、その成
分を65℃で溶融し、相互に混合して行う。次いで、皮膚
保護剤の均一な溶融物を、攪拌下に冷却し、45ないし55
℃で容器に充填する。
実施例5:毛染め方法 ブロンドの天然の毛髪を先ず水で湿らせ、髪の生え際
に境を接する皮膚の部分に、実施例４の本発明の皮膚保
護剤7.5グラムを１ないし2cm幅に一様に塗布する。その
後、下記の組成からなる毛髪剤を ４−アミノ−２〔ビス−（2'−ヒドロキシエチル）−
アミノメチル〕フェノール 1.00g １−ナフトール 1.10g セチルアルコール 15.00g 無水亜硫酸ナトリウム 0.30g ラウリルアルコール−ジグリコールエーテルサルフェ
ートナトリウム塩（28％水溶液） 3.50g アンモニア（22％水溶液） 3.00g 水 76.10g 100,00g 使用直前に、50gの過酸化水素溶液（６％）と混合す
る。つぎに、この混合物をブロンドの天然の毛髪に塗布
し、40℃で30分間作用させる。
そのあと、毛髪を水で濯ぎ、同時に皮膚保護剤を除去
する。つぎに、毛髪を乾燥する。毛髪は強い赤色に染色
された。髪の生え際に境を接する皮膚の部分は、皮膚保
護剤によって着色から有効に保護された。
本明細書中に示すパーセントの数字はすべて重量パー
セントを表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特表 平２−500105（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A61K 7/00 - 7/50

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】（Ａ）2700ないし7500の平均分子量をもつ
    ポリエチレングリコール27ないし50重量パーセント、 （Ｂ）40ないし60モルの酸化エチレンでオキシエチル化
    された水添ひまし油７ないし14重量パーセント、 （Ｃ）グリセリンおよび／またはエチルヘキサンジオー
    ルおよび／または100ないし300の分子量のポリエチレン
    グリコール28ないし42重量パーセント、および （Ｄ）水18重量パーセント以下 を含有することを特徴とする、毛髪の染色または調色時
    における皮膚の着色防止のための調合剤。
  2. 【請求項２】（Ａ）2700ないし4800の平均分子量をもつ
    ポリエチレングリコール25ないし40重量パーセント、 （Ｂ）5600ないし9000の平均分子量をもつポリエチレン
    グリコール２ないし10重量パーセント、 （Ｃ）40ないし60モルの酸化エチレンでオキシエチル化
    された水添ひまし油７ないし14重量パーセント、 （Ｄ）グリセリンおよび／またはエチルヘキサンジオー
    ルおよび／または100ないし300の分子量のポリエチレン
    グリコール28ないし42重量パーセント、および （Ｅ）水18重量パーセント以下 からなる組成を含むことを特徴とする毛髪の染色時にお
    ける皮膚の着色防止用皮膚保護剤。
  3. 【請求項３】（Ａ）2700ないし4800の平均分子量をもつ
    ポリエチレングリコール28ないし32重量パーセント、 （Ｂ）5600ないし9000の平均分子量をもつポリエチレン
    グリコール２ないし７重量パーセント、 （Ｃ）40ないし60モルの酸化エチレンでオキシエチル化
    された水添ひまし油８ないし13重量パーセント、 （Ｄ）グリセリンおよび／またはエチルヘキサンジオー
    ルおよび／または100ないし300の分子量のポリエチレン
    グリコール33ないし38重量パーセント、および （Ｅ）水５ないし14パーセント からなる組成を含むことを特徴とする毛髪の染色時にお
    ける皮膚の着色防止用皮膚保護剤。
  4. 【請求項４】髪の生え際に堺を接する皮膚の部分に、充
    分な量の調合剤または皮膚保護剤を一様に塗布し、つぎ
    に毛髪を毛染剤で処理し、つぎに毛髪を水で濯ぎ、それ
    によって皮膚保護剤を同時に除去する場合において、請
    求項１による調合剤または請求項２または３のいずれか
    による皮膚保護剤を使用することを特徴とする毛染め方
    法。
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