JP3354306B2 - 染着除去剤 - Google Patents

染着除去剤

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安宏 吉田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は染着除去剤に関し、詳
しくは染毛剤が使用時にあやまって生え際の額や襟足お
よび手指に付着して汚れた場合、その染毛剤汚れを除去
するための除去剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 従来、皮膚に付着した染毛剤汚れを落
とすためには、有機溶剤やアルカリ剤を含む除去剤、あ
るいはシャンプーや石鹸等が使用されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 しかし、除去効果が
十分なものはなく、皮膚を何回もこする必要があり皮膚
が赤くなるという欠点があった。また、除去効果を高め
るためにN−メチルピロリドン、ベンジルアルコール等
の有機溶剤やアンモニア、モノエタノールアミン等のア
ルカリ剤を配合したものは、皮膚に体する刺激が強く、
使用後に皮膚がかさつく等の問題があった。
【0004】
【問題を解決するための手段】 そこで、本発明者は染
着除去剤に陽イオン界面活性剤、ベンジルオキシエタノ
ールおよび炭素数2〜4の低級アルコールを配合するこ
とにより、上記欠点を解決することができることを見出
した。
【0005】本発明に用いられる陽イオン界面活性剤と
しては、下記(1)式または(2)式に示す一般式で表
されるものが用いられる。例えば、塩化アルキルトリメ
チルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウ
ム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルト
リメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアン
モニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭
化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジ
メチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウ
ム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジコ
コイルジメチルアンモニウム、塩化ミリスチルジメチル
ベンジルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジ
ルアンモニウム、塩化ラウリルピリジニウム、塩化セチ
ルピリジニウムなどが挙げられる。その配合量は、0.
05〜10重量%であり、0.05重量%よりも少ない
と、除去効果が十分ではない。10重量%よりも多くて
も、それ以上の効果は期待できない。なお、配合量の下
限については、0.1重量%が好ましく、0.1重量%
以上配合することにより、より優れた除去効果が得られ
る。上限については、5重量%が好ましく、5重量%を
越えた場合は除去効果の上昇は少なくなる。
【0006】
【化1】 (1)式中、R1,R2,R3,R4の1〜2個は直鎖また
は分枝鎖の炭素数8〜22の長鎖アルキル基、下記
(3)式または長鎖ヒドロキシアルキル基を示し、残余
は炭素数1〜3のアルキル基またはヒドロキシアルキル
基を示し、Xはハロゲン原子または炭素数1〜2のアル
キル硫酸基を示す。
【化2】
【化3】 (2)式中、R5は炭素数8〜22の長鎖アルキル基を
示し、Xはハロゲン原子を示す。
【0007】本発明に使用されるベンジルオキシエタノ
ールの配合量は、0.1〜30重量%であり、0.1重
量%よりも少ないと、除去効果が十分ではない。30重
量%よりも多くても、それ以上の効果は期待できない。
なお、配合量の下限については、1重量%が好ましく、
1重量%以上配合することにより、より優れた除去効果
が得られる。上限については、20重量%が好ましく、
20重量%を越えた場合は除去効果の上昇は少なくな
る。
【0008】本発明に使用される炭素数2〜4の低級ア
ルコールとしては、エタノール、プロパノール、イソプ
ロパノール、ブタノールなどが挙げられる。その配合量
は、0.1〜40重量%であり、0.1重量%よりも少
ないと、除去効果が十分ではない。40重量%よりも多
くても、それ以上の効果は期待できない。なお、配合量
の下限については、2重量%が好ましく、2重量%以上
配合することにより、より優れた除去効果が得られる。
上限については、20重量%が好ましく、20重量%を
越えた場合は除去効果の上昇は少なくなる。
【0009】本発明の染毛剤の剤型としては、液状、乳
液状、クリーム状、ゲル状、ペースト状、エアゾールあ
るいはエアゾールフォーム状などが挙げられる。これら
の中でも、乳液状、クリーム状、ゲル状またはペースト
状が使用簡単であることから好ましい。
【0010】また、本発明の染着除去剤には、保湿成分
として多価アルコール、多価アルコールアルキルエーテ
ルまたは糖類を配合することが好ましい。これにより、
皮膚を保護することができるため、処理後の皮膚をしっ
とりと落ち着かせることができる。多価アルコール、多
価アルコールアルキルエーテルまたは糖類としては、グ
リセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレング
リコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレ
ングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコ
ールモノブチルエーテル、エチレングリコールエチルエ
ーテル、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールエチルエーテル、イソステアリルグリセリ
ルエーテル、キミルアルコール、ジグリセリルオレイル
エーテル、バチルアルコール、ソルビトール、マルトー
ス、マンニトール、キシリット、キシロース、マルチト
ール、ショ糖およびブドウ糖などが挙げられる。これら
の中でも、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリ
コール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレング
リコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エ
チレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール
メチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル
およびキシリットが好ましい。その配合量は、1〜60
重量%、好ましくは5〜50重量%である。5重量%よ
りも少ないと皮膚をしっとりと落ちつかせる効果が充分
でなく、また50重量%を越えるとその効果の上昇は少
なくなる。
【0011】更に、同じ目的のために、ヒアルロン酸、
コンドロイチン硫酸、キチンなどのムコ多糖類、グリチ
ルリチン酸、グリチルレチン酸、グアイアズレン、アロ
エエキスあるいはマロニエエキスなどを配合することも
できる。
【0012】また、増粘剤として、カルボキシビニルポ
リマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、第四級窒素含有セルロースエーテル、キ
サンタンガム、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、
ペクチン、プルラン、ファーセラン、アラビアガム、ガ
ッチガム、トラガントガム、カンテン末など、油分とし
て、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ミツロ
ウ、ラノリン、セレシン、オリーブ油、シリコーン油な
どを配合することができる。
【0013】その他、非イオン性界面活性剤、両性界面
活性剤、高級アルコール、防腐剤、殺菌剤、植物抽出
物、香料等を適宜、配合することができる。
【0014】本発明の染着除去剤は、脱脂綿等に含ませ
て軽く拭き取るだけで、酸化染毛剤、酸性染毛料あるい
は一時塗毛料等の染毛剤、または口紅などで染着した皮
膚に対して、十分な除去効果があり、しかも皮膚に対す
る刺激はなく、処理後の皮膚がかさつくということもな
い。
【0015】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0016】<比較実験>市販の染毛剤(ホーユー株式
会社製のビゲンヘアカラー6G)を人の上腕部に塗り、
30分放置し水洗した後、表1の実施例1〜2および比
較例1〜7の染着除去剤を脱脂綿に含浸させ、同程度の
強さで拭き取る操作を10回繰り返した。そして、染毛
剤の除去効果および皮膚刺激性について、下記の基準で
評価し、結果を表1に示した。
【0017】<評価基準> (1)除去効果 ◎…完全に除去できた。 ○…ほぼ、除去できた。 △…やや着色が残っている。 ×…ほとんど除去できず、着色が残っている。 (2)皮膚刺激性 ○…発赤やかさつきはなく、処理前と、同じ状態であ
る。 △…やや発赤とかさつきが認められる。 ×…発赤とかさつきが認められる。
【0018】
【表1】
【0019】 実施例3 重量% 塩化ラウリルトリメチルアンモニウム 1.0 塩化セチルピリジニウム 0.8 ベンジルオキシエタノール 4.0 イソプロパノール 5.0 グリセリン 5.0 プロピレングリコール 10.0 ヒドロキシエチルセルロース 0.3 香料 0.2 精製水 適量 上記組成の染着除去剤を調製し、市販の酸性染毛料(ホ
ーユー株式会社製のホーユーマイルドカラー)で染着し
た皮膚に対して用いたところ、実施例1と同様に除去効
果に優れ、また皮膚刺激も認められなかった。
【0020】 実施例4 重量% 臭化セチルトリメチルアンモニウム 1.0 ベンジルオキシエタノール 7.0 エタノール 8.0 ジグリセリン 5.0 ヒアルロン酸ナトリウム 0.2 香料 0.2 精製水 適量 上記組成の染着除去剤を調製し、市販の一時塗毛料(ホ
ーユー株式会社製のビゲンクイックタッチ)で染着した
皮膚に対して用いたところ、実施例1と同様に除去効果
に優れ、また皮膚刺激も認められなかった。
【0021】
【発明の効果】 本発明の染着除去剤は、染毛剤汚れが
皮膚に付着した場合、その汚れを除去する効果が高く、
しかも皮膚刺激が少なく、処理後に皮膚が赤くなった
り、かさつくこともない。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽イオン界面活性剤、ベンジルオキシエ
    タノールおよび炭素数2〜4の低級アルコールを配合す
    ることを特徴とする染着除去剤。
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