JP3478021B2 - 結晶保持装置 - Google Patents

結晶保持装置

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JP3478021B2 JP26780696A JP26780696A JP3478021B2 JP 3478021 B2 JP3478021 B2 JP 3478021B2 JP 26780696 A JP26780696 A JP 26780696A JP 26780696 A JP26780696 A JP 26780696A JP 3478021 B2 JP3478021 B2 JP 3478021B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばチョクラル
スキー法(CZ法)の結晶引上げ装置において、結晶の
一部に存在する凹凸部を保持して引上げるような保持装
置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコン等の半導体材料をチョク
ラルスキー法(CZ法)のような引上げ装置で製造する
際、結晶が大型化、高重量化した場合でも、引上げ部で
あるネック部の強度不足を補って安全に引上げ出来るよ
うな各種技術が提案されており、本出願人も、例えば特
願平7−351275号のような単結晶保持装置を提案
している。
【0003】この装置は、図6に示すように、ワイヤ5
1を巻上げるワイヤ引上げ機構52と、結晶Cの凹凸部
Ckを保持する吊り治具53、53を上昇させる吊り治
具移動機構54を備えており、ワイヤ51の先端には、
種結晶56を保持するシードチャック55が取付けられ
ている。そして、当初、ワイヤ51先端の種結晶56を
原料融液に接触させてワイヤ引上げ機構52で引上げる
ことで、種結晶56の下方に結晶Cを成長させ、種結晶
56と結晶Cの直胴部Ctの間に形成される凹凸部Ck
が所定位置まで上昇すると、それまで開いていた吊り治
具53、53の下端チャック部d、dが内側に揺動して
凹凸部Ckをチャックし、それ以降、ワイヤ引上げ機構
52に代って吊り治具移動機構54による引上げが行わ
れるようになっている。
【0004】このため、一対の吊り治具53、53は、
中間支点pで枢支されるハサミ構造とされ、上端に連結
する各駆動源57、57によって下端チャック部d、d
が開閉自在とされている。因みに、58は吊り治具移動
機構54の一部としての昇降台であり、59は昇降台5
8を昇降動させるためのボールネジであり、60は昇降
台58の昇降動をガイドするガイドバーであり、61は
伸縮自在な蛇腹状のベローズチャンバである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記装置の
場合、吊り治具53、53の力点(駆動源57)から中
間支点pまでの距離に対して、中間支点pから作用点
(チャック部d先端)までの距離が長く、力点(駆動源
57)での微小なガタが作用点(チャック部d先端)で
の大きなガタとなり、ワイヤ引上げ機構52から吊り治
具移動機構54に切換える際にスムーズな切換えが行い
にくい。
【0006】また、中間支点pから作用点(チャック部
d先端)までの距離が長いと、吊り治具53に高荷重が
かかる場合等にたわみ易く(変形し易く)、保持力が弱
まって結晶に滑り現象が生じて保持位置がずれ、目標と
する結晶の育成が難しくなる。
【0007】また、特に図6に示すような装置では、引
上げた結晶Cを取り出す時にベローズチャンバ61を上
方に縮めて結晶Cの周囲を開放して取り出すようにして
いるが、ベローズチャンバ61の周囲にボールネジ59
とかガイドバー60が配置されており、結晶取出しの邪
魔になる場合もある。
【0008】更に、ベローズチャンバ61を用いて真空
室を形成する方法では、近年の結晶の大型化等に伴って
ベローズチャンバを大径化する場合に、真空度に耐え得
る強度を持たせたり、伸縮駆動源を大型化させなければ
ならない等の必要が生じ、困難な問題等が発生する。す
なわち基本的に、チャンバを蛇腹構造にする技術は、蛇
腹部に溜まった不純物の混入、真空度不良、不活性ガス
導入時の気流の乱れ等が生じやすく、可能ならばベロー
ズ構造を採用しない装置の方が好ましい。
【0009】以上のようなことから、吊り治具によって
結晶の凹凸部を保持して引上げる機構を有する保持装置
において、凹凸部を確実に保持することが出来、高荷重
がかかっても保持位置がずれたりガタが生じないような
結晶保持装置が望まれる。また、ベローズチャンバを用
いた引上げ装置の場合、結晶を取り出す際に、取出し部
周辺に干渉物を配置しない構造が好ましい。更に、可能
ならば、ベローズチャンバそのものを採用しない引上げ
装置が望まれる。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、請求項1において、原料融液に種結晶を接触
させ、回転させながら引上げて単結晶を成長させる過程
において、種結晶と結晶の直胴部との間に存在する凹凸
部を吊り治具で保持して引上げるようにした結晶保持装
置において、吊り治具の先端の一部を動部とし、この
揺動部を揺動させて前記凹凸部の保持及び解除を行うよ
うにするとともに、この揺動部の開閉とロックを操作す
るロック機構を設けた。
【0011】このように、吊り治具の先端の揺動部を揺
動させて凹凸部を保持するようにすれば、ストローク長
が短いため凹凸部に高荷重がかかってもたわみにくく
(変形しにくく)なり、保持位置がずれるような不具合
がなくなる。また、揺動支点のガタが作用点(チャック
部先端)で増幅されるような不具合もなくなり、凹凸部
を正確に保持出来る。
【0012】また請求項2では、結晶の引上げ手段を、
種結晶を保持するシードチャックを引上げるワイヤ引上
げ機構と、このワイヤ引上げ機構と一体で且つ吊り治具
を昇降動させる吊り治具移動機構から構成し、ワイヤ引
上げ機構によって引上げ中、吊り治具によって凹凸部を
保持すると、ワイヤ引上げ機構による引上げから吊り治
具移動機構による引上げに切換えて結晶の育成を継続す
るようにした。
【0013】そして、吊り治具の先端に揺動部を設ける
構成は、特にこのようなワイヤで引上げ中に吊り治具に
よる引上げに切換えるような装置に有効であり、吊り治
具による凹凸部の保持が正確、確実になされるため、ワ
イヤ引上げから吊り治具による引上げの移行がスムーズ
に行える。
【0014】また請求項3では、結晶の保持手段とし
て、二重管構造で上下方向に相対移動可能な外側回転筒
と内側回転筒を設け、外側回転筒に前記吊り治具を設け
るとともに、内側回転筒に前記ロック機構を設けるよう
にした。そして、例えば内側回転筒の中を引上げワイヤ
の通路とし、このワイヤで引上げられる結晶の凹凸部を
外側回転筒の吊り治具の揺動部で保持するとともに、内
側回転筒と外側回転筒を上下方向に相対移動させて揺動
部をロックする。
【0015】また請求項4では、前記ロック機構を、吊
り治具の揺動部の外面を覆うことの出来るキャップ状部
材とし、このキャップ状部材を上昇又は下降させて揺動
部の外面を押え付けてロックし、反対側に移動させて揺
動部の外面から離脱させ同時に揺動部を解放側に揺動さ
せるようにした。そしてこのようにロック機構をキャッ
プ状部材とし、このキャップ状部材を吊り治具に対して
相対移動させ機械的にロックすれば、保持する結晶が高
重量化しても確実に保持することが出来る。
【0016】また請求項5では、前記吊り治具移動機構
を引上げ装置の後方に配置し、引上げ装置の前方と両側
方の空間部を開放するようにした。そしてこのように引
上げ装置の前方と両側方の空間部を大きく開放すれば、
結晶の取出し時に干渉されるものがなくなり、スムーズ
に結晶を取り出せる。
【0017】また請求項6では、ワイヤ引上げ機構と吊
り治具移動機構を、引上げ装置の上部真空室の上部に設
けるようにした。このように結晶の引上げ手段を上部真
空室の上部に設けるようにすれば、上部真空室にベロー
ズ構造を採用する必要がなくなり、リジッド構造の真空
室にすることが出来て、前記不純物、真空度等の問題を
解決することが出来る。この際、例えば図6に示す従来
構造の結晶保持装置で、ワイヤ引上げ機構52とか昇降
台58等を上部真空室の上部に設けようとすると、吊り
治具53のストロークを長くしなければならず、凹凸部
を正確に保持出来なくなる虞れがあるが、本発明のよう
に吊り治具の先端部にストローク長の短い揺動部を設け
ていれば、このような虞れがない。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について添付
した図面に基づき説明する。ここで、図1は本発明の結
晶保持装置を適用した引上げ装置の第1構成例の要部
図、図2はロック機構の作用図で(A)は解放状態、
(B)はロック状態を示すもの、図3は本発明の結晶保
持装置を適用した引上げ装置の第2構成例の側面図、図
4は図3のA−A断面図、図5は本発明の結晶保持装置
を適用した引上げ装置の第3構成例の要部図である。
【0019】本発明の結晶保持装置は、例えば半導体材
料であるシリコン単結晶をいわゆるチョクラルスキー法
(CZ法)によって成長させる結晶引上装置に適用さ
れ、特に重量の重い単結晶を安全に且つ有転位化させる
ことなく引上げることが出来るようにされている。
【0020】すなわちこの結晶引上装置は、図1に示す
ように、不図示のルツボを収容する不図示の下部チャン
バと、この下部チャンバの上部に所定クリアランスをと
って配設される昇降台1と、この昇降台1と前記下部チ
ャンバの間に配設されるベローズチャンバ2を備え、前
記昇降台1は吊り治具移動機構3によって上下動自在に
されるとともに、昇降台1の上部には、結晶保持機構4
が設けられている。
【0021】また、この結晶保持機構4の上部には、ワ
イヤ引上げ機構5が設けられており、ワイヤ6下方のシ
ードチャック7で保持される種結晶8を一定速度で引上
げることで、種結晶8の下方に結晶Cを成長させること
が出来るようにしている。
【0022】前記吊り治具移動機構3は、前記昇降台1
に螺合するボールネジ10と、このボールネジ10を回
転駆動する駆動モータ11と、昇降台1の昇降動をガイ
ドするガイドバー12を備えており、駆動モータ11の
作動によって昇降台1を昇降動させるようにしている。
【0023】前記結晶保持機構4は、昇降台1の上部に
取付けられた磁気シール13と、この磁気シール13に
対して軸受を介して回転自在に設けられる外側回転筒1
4と、この外側回転筒14の筒内に回転自在に設けられ
たボールネジナット15、及びボールスプラインナット
16と、外周面にネジ部が形成され且つ前記ボールネジ
ナット15に螺合する内側回転筒17を備え、前記ボー
ルネジナット15の上部には、ウォームホイール18が
一体化されている。そしてこのウォームホイール18に
は、ウォームギヤ20が噛合しており、モータ21によ
って駆動されるようになっている。
【0024】このため、モータ21によってウォームギ
ヤ20が回転すると、ボールネジナット15に回転が伝
達され、このボールネジナット15に螺合する内側回転
筒17が外側回転筒14に対して相対的に上下動する。
【0025】また、前記外側回転筒14の下端部には、
下向きに平行に延出する一対の吊り治具22、22が設
けられ、この吊り治具22、22の下端側の一部は揺動
支点p、pまわりに揺動可能なストローク長の短い揺動
部22a、22aとして構成されている。そしてこの揺
動部22a、22aの下端部は内側に折り曲げられてチ
ャック部d、dとされている。
【0026】前記内側回転筒17の下端部には、ロック
機構としてのキャップ状部材23が取付けられている。
このキャップ状部材23は、揺動部22a、22aの外
面を覆うことの出来る筒状形状となり、吊り治具22、
22に干渉しないで上下動し得るようにされるととも
に、上下に移動することで、揺動部22a、22aをロ
ック又は解放方向に揺動させるようにしている。
【0027】すなわち、図2に示すように、キャップ状
部材23の下端部には、揺動部22a、22aの外面部
を押圧するローラ24、24が設けられるとともに、下
端中央部には、一対の揺動部22a、22a間に挿入さ
れるガイドピン25が設けられ、また、揺動部22a、
22aの内面側は、上部側の間隔が狭まるようなテーパ
部とされている。
【0028】このため、図2(A)に示すように、キャ
ップ状部材23が吊り治具22、22に対して相対的に
上昇すると、ガイドピン25の作用によって揺動部22
a、22aが解放側に揺動し、(B)に示すように、キ
ャップ状部材23が吊り治具22、22に対して相対的
に下降すると、揺動部22a、22aの外面がローラ2
4、24に押圧されて揺動部22a、22aが閉じ側に
揺動しロックされる。
【0029】因みに、図1に示すように、外側回転筒1
4の上部には、ベルト27を巻回せしめることの出来る
プーリ部14aを形成して回転モータ26の駆動力を外
側回転筒14に伝達し得るようにし、また、ワイヤ引上
げ機構5は、巻取りプーリ28に巻付けられたワイヤ6
をガイドプーリ30を介して下方に延出させ、内側回転
筒17の筒内を通して吊り治具22、22の中間部に臨
ませている。尚、内側回転筒17の上端と、ワイヤ引上
げ機構5の機枠との間には、伸縮自在なベローズ29を
設けている。
【0030】以上のような装置の作用等について説明す
る。まず、ワイヤ6下端の種結晶8をルツボ内の原料融
液に接触させてワイヤ引上げ機構5によって引上げる
と、種結晶8の下方に結晶Cが成長し、ネック部に引続
いて直胴部Ctが形成される。この際、種結晶8と直胴
部Ctの間に存在する凹凸部Ckが所定の位置まで引上
げられると、モータ21が作動して内側回転筒17が外
側回転筒14に対して相対的に降下し、図2の(A)の
状態であったキャップ状部材23が(B)に示す位置ま
で降下して揺動部22a、22aを閉じ側に揺動させ、
チャック部d、dで凹凸部Ckを保持するとともに、ロ
ーラ24、24が揺動部22a、22a外面を押え付け
てロックする。
【0031】揺動部22a、22aによって凹凸部Ck
が保持されると、ワイヤ引上げ機構5による引上げは中
止され、吊り治具移動機構3による引上げに移行する。
すなわち、駆動モータ11によってボールネジ10が回
転し、昇降台1が上昇し始める。
【0032】このような引上げ方法において、揺動部2
2a、22aの揺動支点pからチャック部dまでの長さ
が短くてストロークも短いため、変形等の影響が少なく
なり、凹凸部Ckの保持は確実に行われる。また、キャ
ップ状部材23によって確実にロックされるため、結晶
重量が増えても保持位置がずれるような不具合はない。
【0033】次に、図3及び図4に基づき、引上げ装置
の第2構成例について説明する。尚、図中、前記構成例
と同一部材等には同一番号を付している。この引上げ装
置は、ワイヤ引上げ機構5と結晶保持機構4について
は、第1構成例の構成とほぼ同一とし、吊り治具移動機
構3の構成を変化させたものであり、装置の前方と両側
方の空間部を開放して、引上げ後の結晶Cの取出しの容
易化を図ったものである。
【0034】すなわち、装置の後方に背面フレーム31
を立設し、この背面フレーム31の前面に上下方向に延
びる左右一対のリニヤレール32、32を設けるととも
に、このリニヤレール32、32に昇降台1の基端側の
リニヤガイド33、…を摺動自在に係合させ、また、昇
降台1基端側の左右中間部に螺合部1aを設け、この螺
合部1aにボールネジ10を螺合させている。
【0035】そして、このボールネジ10を回転させる
ことで、昇降台1を昇降動させるが、前記のように昇降
台1の上部に設けられた結晶保持機構4とワイヤ引上げ
機構5の構成は前記例の場合と同様である。
【0036】このような装置において、図3の鎖線に示
すように、結晶Cの引上げが完了すると、ベローズチャ
ンバ2の下端部と下部チャンバ34の接続が外されてベ
ローズチャンバ2は上方に縮められ、結晶Cの周囲が開
放される。因みに、このベローズチャンバ2は、例えば
金属製の蛇腹状部材であり、結晶育成時には、下端部が
下部チャンバ34に接続されて内部に真空室を形成する
ようにされており、昇降台1の上昇に連れて引き伸ばさ
れながら内部の真空を保持し、引上げが終了すると、下
部チャンバ34から外されて結晶Cの周囲を開放出来る
ようにしている。
【0037】そしてこの結晶取出し時には、第1構成例
のようにボールネジ10とか、ガイドバー12のような
取出しに干渉する部材がないため、円滑に結晶を取り出
すことが出来る。
【0038】次に、図5に基づき、引上げ装置の第3構
成例について説明する。この場合も前記構成例と同様の
部材等に同一番号を付している。この装置は、ベローズ
チャンバ2を廃止して、装置の簡素化を図り、同時にベ
ローズチャンバに伴う各種不具合、すなわち不純物の混
入、真空度不良、不活性ガスの気流の乱れ等を是正する
ようにしたものである。
【0039】すなわち、この装置は、ベローズチャンバ
2に代えてリジッド構造の上部真空室35を設け、この
上部真空室35の上部に、吊り治具移動機構3とワイヤ
引上げ機構5を設けるようにしている。すなわち、ボー
ルネジ10に螺合する昇降台1、及びガイドバー12を
上部真空室35の上板36上に配置するとともに、結晶
保持機構4の外側回転筒14の下端部に取付けられた吊
り治具としての吊り筒37を、上板36中央の貫通孔を
通して下方に延出させ、貫通部をオイルシール38で封
鎖している。
【0040】そして、吊り筒37の下端部に揺動部とし
ての一対の揺動部材40、40を設け、この揺動部材4
0、40の外面に沿って内側回転筒17下端のキャップ
状部材23を上下に移動させてロック又は解放するよう
にしている。そしてこのロック機構の細部、及びその他
の結晶保持機構4、及びワイヤ引上げ機構5等の構成も
前記例と同様である。
【0041】このような装置では、吊り筒37の軸長が
長くなるが、結晶の凹凸部Ckを保持する揺動部材4
0、40のストローク長は短いため、たわみ(変形)等
による保持誤差が少なく、しかもキャップ状部材23に
よって確実にロック出来、位置ずれが生じない。また、
上部真空室35がリジッドなため、結晶Cが大型化して
も簡易に対応することが出来、ベローズチャンバ2を採
用するような前記不具合を防止することが出来る。
【0042】尚、本発明は、上記実施形態に限定される
ものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の
特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一
な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかな
るものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明の結晶保持装置は、
請求項1のように、結晶の凹凸部を吊り治具で保持して
引上げるようにした結晶保持装置において、吊り治具の
先端の一部をストローク長の短い揺動部とし、この揺動
部によって凹凸部の保持及び解除を行うとともに、この
揺動部の開閉とロックを操作するロック機構を設けたた
め、凹凸部に高荷重がかかってもたわみにくく、保持位
置がずれるような不具合がない。そしてこのような結晶
保持装置を、請求項2のように、ワイヤ引上げ機構によ
る引上げの途中で吊り治具移動機構による引上げに切換
えるような引上げ装置に適用すれば、吊り治具による引
上げにスムーズに切換えることが出来る。
【0044】また請求項3のように、結晶保持手段とし
て、吊り治具を取付けた外側回転筒と、ロック機構を取
付けた内側回転筒を設け、これらを相対移動可能にする
とともに、請求項4のように、ロック機構をキャップ状
部材にすれば、確実にロック又は解放作動させることが
出来、保持する結晶が高重量化しても保持位置がずれる
ような不具合がない。また請求項5のように、吊り治具
移動機構を引上げ装置の後方に配置すれば、装置の前方
と両側方の空間部を大きく開放することが出来、結晶の
取出しをスムーズに行うことが出来る。また請求項6の
ように、ワイヤ引上げ機構と吊り治具移動機構を、引上
げ装置の上部真空室の上部に設ければ、上部真空室にベ
ローズ構造を採用する必要がなくなり、不純物混入、真
空度不良等の問題を解決出来るとともに、簡素な構成と
なり、且つ結晶の大型化にも簡易に対応することが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の結晶保持装置を適用した引上げ装置の
第1構成例の要部図である。
【図2】ロック機構の作用図で(A)は解放状態、
(B)はロック状態を示すものである。
【図3】本発明の結晶保持装置を適用した引上げ装置の
第2構成例の側面図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】本発明の結晶保持装置を適用した引上げ装置の
第3構成例の要部図である。
【図6】従来の結晶保持装置を適用した引上げ装置の要
部図である。
【符号の説明】
1…昇降台、 1a…螺合部、
2…ベローズチャンバ、 3…吊り治具移
動機構、4…結晶保持機構、 5…ワ
イヤ引上げ機構、6…ワイヤ、
7…シードチャック、8…種結晶、
10…ボールネジ、11…駆動モータ、
12…ガイドバー、13…磁気シール、
14…外側回転筒、14a…プーリ
部、 15…ボールネジナット、16
…ボールスプラインナット、 17…内側回転筒、
18…ウォームホイール、 20…ウォーム
ギヤ、21…モータ、 22…吊
り治具、22a…揺動部、 23…
キャップ状部材、24…ローラ、
25…ガイドピン、26…回転モータ、
27…ベルト、28…巻取りプーリ、
29…ベローズ、30…ガイドプーリ、
31…背面フレーム、32…リニヤレール、
33…リニヤガイド、34…下部チャン
バ、 35…上部真空室、36…上板、
37…吊り筒、38…オイル
シール、 40…揺動部材、51…ワイ
ヤ、 52…ワイヤ引上げ機構、
53…吊り治具、 54…吊り治具
移動機構、55…シードチャック、 56
…種結晶、57…駆動源、 58
…昇降台、59…ボールネジ、 60
…ガイドバー、61…ベローズチャンバ、C…結晶、
Ck…凹凸部、Ct…直胴
部、 d…チャック部、p…支
点。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−288191(JP,A) 特開 平3−285893(JP,A) 特開 平3−295893(JP,A) 特開 昭63−252991(JP,A) 特開 平9−183694(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 1/00 - 35/00 H01L 21/208 EUROPAT(QUESTEL)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料融液に種結晶を接触させ、回転させ
    ながら引上げて単結晶を成長させる過程において、前記
    種結晶と結晶の直胴部との間に存在する凹凸部を吊り治
    具で保持して引上げるようにした結晶保持装置におい
    て、前記吊り治具の先端の一部を動部とし、この揺動
    部を揺動させて前記凹凸部の保持及び解除を行うように
    するとともに、この揺動部の開閉とロックを操作するロ
    ック機構を設けたことを特徴とする結晶保持装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の結晶保持装置におい
    て、前記結晶の引上げ手段は、種結晶を保持するシード
    チャックを引上げるワイヤ引上げ機構と、このワイヤ引
    上げ機構と一体で且つ前記吊り治具を昇降動させる吊り
    治具移動機構からなり、前記ワイヤ引上げ機構によって
    引上げ中、前記吊り治具によって凹凸部を保持すると、
    ワイヤ引上げ機構による引上げから吊り治具移動機構に
    よる引上げに切換えて結晶の育成を継続することを特徴
    とする結晶保持装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の結晶保持
    装置において、前記結晶の保持手段は、二重管構造で上
    下方向に相対移動可能な外側回転筒と内側回転筒を備
    え、前記外側回転筒に前記吊り治具が設けられ、前記内
    側回転筒に前記ロック機構が設けられることを特徴とす
    る結晶保持装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の結晶保持装置におい
    て、前記ロック機構は、前記吊り治具の揺動部の外面を
    覆うことの出来るキャップ状部材であり、このキャップ
    状部材を上昇又は降下させて揺動部の外面を押え付けて
    ロックし、反対側に移動させて揺動部の外面から離脱さ
    せ同時に揺動部を解放側に揺動させることを特徴とする
    結晶保持装置。
  5. 【請求項5】 請求項2乃至請求項4のいずれか1項に
    記載の結晶保持装置において、前記吊り治具移動機構を
    引上げ装置の後方に配置し、引上げ装置の前方と両側方
    の空間部を開放するようにしたことを特徴とする結晶保
    持装置。
  6. 【請求項6】 請求項2乃至請求項4のいずれか1項に
    記載の結晶保持装置において、前記ワイヤ引上げ機構と
    吊り治具移動機構を、引上げ装置の上部真空室の上部に
    設けるようにしたことを特徴とする結晶保持装置。
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