JP2005029449A - シリコン単結晶の製造装置 - Google Patents

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輝幸 玉木
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豊 岸田
Hideo Kato
英生 加藤
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Abstract

【課題】 安定にかつ信頼性高く引上げることが可能なシリコン単結晶装置を提供する。
【解決手段】 CZ法によりシリコン単結晶を成長させるにおいて、種結晶直下にシリコン単結晶インゴットの無転位化のための小口径部を形成した後、この小口径部よりも直径が大きくかつ所望するインゴットの最終的直径よりも小さな直径まで拡径して略円柱状の被把持部位を形成し、その後、この被把持部位を機械的に把持して所望直径および長さを有するシリコン単結晶インゴットを育成しつつ引上げるのに用いられるシリコン単結晶の製造装置であって、当該機械的把持手段として、ガイドリングおよびこのガイドリングの内周部に係合し上下方向にスライド可能な複数の挟持用コマを有し、かつ前記挟持用コマに対して上部側より係合しコマを下方側に向かって押圧する押込み機構を備えた構造を採択し、確実かつ安定した機械的把持を行う。
【選択図】 図3

Description

本発明は、シリコン単結晶の製造方法および製造装置に関するものである。詳しく述べると本発明は、育成されるシリコン単結晶インゴットの大口径化・長尺化により引上げ重量が増加しても、安定にかつ信頼性高く引上げることが可能な引上げ方法および引上げ装置に関するものである。
現在、集積回路(IC)、大規模集積回路(LSI)等のデバイスとして工業的に広く用いられている半導体としては、シリコンが代表的なものである。
このような半導体産業等において用いられるシリコン単結晶は、多結晶を原料として、多結晶棒に誘導加熱で溶融帯を作りこれを種結晶側から移動させて単結晶を成長させる浮遊帯溶融法(Floating Zone法、FZ法と略称される。)、あるいは、多結晶を坩堝に入れて加熱溶融し、種結晶を溶融液に浸漬してから引上げて種結晶後方に単結晶インゴットを成長させる引上げ法(Czochralski法、CZ法と略称される。)によって製造されている。
これらの製法は単結晶の用途によって選択され、FZ法によって製造された単結晶は高抵抗率の用途、CZ法により製造された単結晶は低〜中抵抗率の用途に供されるが、近年、LSI製造技術の進歩により1個の電子回路がますます微小化する一方、加工基板となる単結晶ウェハーの面積を大きくして1回のプロセスでウェハー中に形成される回路数の増大を図ることにより、1つの回路当たりのコストの低減が図られている。このため、単結晶製造技術に対し、大直径化が絶えず要求されており、同時に、単結晶製造時の時間当たりの生産性を高めるため、1本の単結晶インゴットの長さを長くする方法も追求されている。
上述したCZ法は、大口径のインゴットが得やすいという長所を備えているのみならず、自動直径制御や、原料多結晶のリチャージによる半連続化等の改良技術が進んでコスト面でもFZ法を凌いでいるのが実状である。
CZ法による引上げ装置においては、従来、融液面に対して種結晶を昇降する引上げワイヤー等の昇降手段によって、種結晶後方に育成される単結晶インゴットをそのまま引上げる構成が取られていたが、この場合、この単結晶インゴットの重量は、前記種結晶ないしはその直下に結晶の無転位化を図るために形成されるダッシュネック(Dash neck)部と称される小口径部分によって受けることとなるが、特にこのダッシュネック部は、口径が3〜4mm程度であり、せいぜい200kg程度の重量にしか耐えられないものであった。
このように従来の引上げ装置においては、インゴットの大口径化、長尺化に限界があった。
このため、単結晶インゴットの大口径化・長尺化に伴う重量増加に対処すべく、引上げ機構における改良が種々提案されている。
例えば、特開平5−270968号公報においては、単結晶育成時に前記ダッシュネック部を囲撓する筒状の型枠を設け、この型枠にフッ素樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を流し込んで硬化させて、ダッシュネック部を補強する方法が、特開平5−270976号公報においては、ダッシュネック部回りにカーボンファイバー等の補強繊維を巻き付けて、ダッシュネック部を補強する方法が、特開平7−138089号公報においては、単結晶育成時にダッシュネック部を冷却ないし加熱して当該部位の引張強さが最大となる600〜800℃程度に維持する方法が、さらに特公平7−515号公報においては、ダッシュネック部による無転位化後、所望口径まで拡径していくいわゆるコーン部において、一旦縮径してクビレ部を形成し、この部位にツメ状の係止部材を引架けることによりインゴットを把持する把持手段を別途設け、この把持手段を昇降することで単結晶を引上げる方法が、さらに特開平7−172981号公報においては、空圧シリンダによって開閉可能な複数のアームを有する把持手段を単結晶の成長軸方向から単結晶インゴットを囲撓するように配し、前記空圧シリンダを作動させてこの複数のアームのそれぞれ先端部に設けられた把持部を、単結晶インゴットの直胴部に押圧することでインゴットを把持し、この把持手段を昇降することで単結晶を引上げる方法が開示されている。
また特開平10−273387号公報においては、ダッシュネック部を形成後、コーン部を形成する前に、ネック部に比して単結晶の重量保持に十分な大きさの口径を有する略円筒状の把持部(以下、「ミニ直胴部」とも称する。)を設け、この部位を側面側から機械的に把持してその後の単結晶を引上げる方法が開示されており、その把持機構としては、1対ないしは複数の開閉アームより構成されるもの、内周側に逆テーパ面を有するガイドリング(規制子)とこの逆テーパ面に対し上下方向にスライド可能に係止された複数の挟持用コマ(移動子)とから構成されるものなどが示されている。
さらに特開平10−310490号公報においては、上記特開平10−273387号公報に示されるようなガイドリングと挟持用コマとからなる把持機構において、挟持用コマの縮径方向(下方側)への移動による単結晶の把持力の付与のために、挟持用コマの下端部にワイヤを接続しこのワイヤをガイドリング内に組み込まれた複数のガイドローラによって偏向して上部側へ延長し、さらに上部側でこの延長されたワイヤを巻き取る機構を設けてなる構成が示されている。
しかしながら、特開平5−270968号公報に示されるような熱硬化性樹脂によるダッシュネック部の補強は、型枠の設置に非常に精密な位置合わせが必要であり、また、特開平5−270976号公報に示されるような補強繊維によるダッシュネック部の補強は、機構面で非常に複雑であり、いずれも操作信頼性に欠けるものであり、かつその補強効果も十分なものではなかった。さらに、特開平7−138089号公報によるダッシュネック部の温度制御による方法は、基本的にはダッシュネック部自体の強度によって育成単結晶インゴットを保持するものであるため、温度制御および機構が複雑なわりには、保持重量の向上が望めないものであった。また、特公平7−515号に開示される技術においては、保持のためのクビレ部を単結晶インゴットに形成する必要があるが、径を小さくする際の熱応力で、転位が生じたり多結晶化する等の危険性があり、またこのクビレが半径方向に均一に形成されないと、ツメ状の係止部材を係合した際に、成長軸が傾いてしまうといった虞れもあった。さらに、特開平7−172981号公報に示されるような単結晶インゴットの直胴部を把持機構によって把持する場合、把持機構自体の構成が複雑でコスト高となり、また直胴部を把持することから機構自体が大型のものであることに加え、横方向からの大きな荷重に耐える強固なフレーム構造を有する必要があって装置全体の重量が増し、この把持機構を上方より支持し昇降可能とする機構もシャフト等を用いた大がかりなものとなり、またその把持を行う際の操作も煩雑な制御を有するというものであった。
一方、特開平10−273387号公報に示されるようなミニ直胴部を保持する方法は、所望径の直胴部を把持しようとする上記方法と比較して、把持機構が小型のものですみ、特に把持機構としてガイドリングと挟持用コマとからなる構成を有するものを用いれば、単結晶のほぼ周面全体に面接触するようにして把持することができるため安定した把持が可能であり、かなり有効な方法であると思われる。しかしながら、特開平10−273387号公報において示される構成では挟持用コマの移動を積極的に規制する機構はない。単結晶とコマとの当接面に生じる摩擦力により、単結晶が下方へ移動しようとするとコマが下方(縮径方向)に移動し、より強い把持力が得られるため落下が防止されるとの説明がなされているが、逆に単結晶に少しでも上方へ移動しようとする力が働くとコマが上方へと移動してしまい把持力が一瞬失われ単結晶が落下してしまう危険性がある。
また特開平10−310490号公報に示される構成においては、挟持用コマをワイヤによって牽引することで縮径方向に締め付けるものであるために十分な把持力が得られるものとも思われるが、機構的に非常に複雑なものであり、高温に曝される部位にこのような複雑な機構を設けることは信頼性の上から十分なものではなく、特にワイヤの熱伸長によって締め付け力が低下することが危惧されるものである。
さらに、このように育成される単結晶インゴットを、引上げ操作途中より種結晶の引上げ軸とは、別の昇降手段に連結された把持手段によって機械的に把持しようとする場合、当該把持手段の単結晶インゴットに対する当接面は、必ずしもインゴット周面に均等に接することができるとは限らず、把持手段が単結晶インゴットの引上げ軸に対して傾いた状態で係止されることが起こり得る。この状態で単結晶インゴットを把持手段側で支持すると、単結晶インゴットの重心に加わる遠心力と把持手段に連結された昇降手段におけるワイヤの張力変動により、単結晶インゴットのふれ回りが起こり、単結晶の育成が継続できない事態となる恐れがあった。
このように、単結晶インゴットの大口径化・長尺化に伴う重量増加に対処するために、種々の方法が従来提唱されているものの、安定して操業することが可能という程度のものはなかった。
従って、本発明は、新規なシリコン単結晶の製造装置を提供することを課題とするものである。本発明はまた育成されるシリコン単結晶インゴットの大口径化・長尺化により引上げ重量が増加しても、安定にかつ信頼性高く引上げることが可能なシリコン単結晶の製造装置を提供することを課題とするものである。本発明はさらに、比較的簡便な操作でかつ簡単な機構によって、引上げ重量が増加しても、安定にかつ信頼性高く引上げることが可能なシリコン単結晶製造方法および製造装置を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決する本発明は、
(1)シリコン融液に種結晶を浸漬し、この種結晶を回転させながら引上げることにより種結晶後端部にシリコン単結晶を成長させるにおいて、種結晶直下にシリコン単結晶インゴットの無転位化のための小口径部を形成した後、この小口径部よりも直径が大きくかつ所望するインゴットの最終的直径よりも小さな直径まで拡径して略円柱状の被把持部位を形成し、その後、この被把持部位を機械的に把持して所望直径および長さを有するシリコン単結晶インゴットを育成しつつ引上げるのに用いられるシリコン単結晶の製造装置であって、
シリコン融液を収容する坩堝と、前記シリコン融液に対し種結晶を種結晶引上げ用線条体によって昇降自在に垂下させる種結晶引上げ手段と、内周部において下端部側に向かい漸次縮径されたテーパー面を有するガイドリングおよびこのガイドリングの内周部に係合し前記テーパー面を上下方向にスライド可能な複数の挟持用コマからなる前記単結晶の被把持部位を狭圧把持する単結晶把持手段と、この単結晶把持手段を上方より昇降可能に懸架する把持部引上げ手段を有してなり、
前記挟持用コマに対して上部側より係合しコマを下方側に向かって押圧する押込み機構を備えてなること特徴とするシリコン単結晶の製造装置である。
また、本発明のシリコン単結晶の製造装置において、(2)前記把持部引上げ手段は、前記単結晶把持手段が単結晶の被把持部位を狭圧把持した際に生じる鉛直軸からの前記単結晶把持手段の軸線の傾きを自在に吸収する姿勢制御機構を介して、前記単結晶把持手段へと連結されているものであることが好ましい。
以上述べたように本発明においては、シリコン単結晶インゴット引上げ操作途中において、育成されるシリコン単結晶インゴットにおけるミニ直胴部を機械的把持機構によって把持するが、従来技術におけるようなコマの動きの積極的な制御なしに、自然機構学的にミニ直胴部を狭圧把持することが可能となる。さらに、このような押込み機構は構造的にも簡単でかつ軽量化可能であり、高温下に曝される過酷な条件下においても安定した機能を発揮できる。
また、本発明においては、ミニ直胴部の機械的把持に際して不可避的に生じる重心と回転軸とのズレを是正でき、当該把持手段での把持による単結晶引上げに切り替える際の単結晶のふれ回りが生じることを防止することができる。
このため、大口径大重量のシリコン単結晶インゴットの安定した引上げ操作が可能となる。
(作用)
本発明においては、シリコン単結晶インゴット引上げ操作途中において、単結晶インゴットのダッシュネック部直下に形成したミニ直胴部を、内面が逆テーパー面とされたガイドリングおよびこのガイドリングの内周部に係合し前記テーパー面を上下方向にスライド可能な複数の挟持用コマからなる把持手段によって機械的によって把持するものである。把持開始位置に配置された把持手段に対し、成長中の単結晶のミニ直胴部が、把持手段の内部に下方側から進入してくると、コマは単結晶表面との摩擦力によりすり上がり拡径方向に動くが、コマを上側から押さえ込む機構を取り付けることにより、従来技術におけるようなコマの動きの積極的な制御なしに、自然機構学的にミニ直胴部を狭圧把持することが可能となる。さらに、このような押込み機構は構造的にも簡単でかつ軽量化可能であり、高温下に曝される過酷な条件下においても安定した機能を発揮できる。
また、本発明においては前記単結晶把持手段が単結晶の被把持部位を狭圧把持した際に生じる鉛直軸からの前記単結晶把持手段の軸線の傾きを自在に吸収する姿勢制御機構を介して、前記単結晶把持手段へと連結されているために、ミニ直胴部の機械的把持に際して不可避的に生じる重心と回転軸とのズレを是正でき、当該把持手段での把持による単結晶引上げに切り替える際の単結晶のふれ回りが生じることを防止することができる。
以下、本発明を具体的実施態様に基づきより詳細に説明する。
本発明に係る単結晶製造装置は、シリコン融液を収容する坩堝と、前記シリコン融液に対し種結晶を種結晶引上げ用線条体によって昇降自在に垂下させる種結晶引上げ手段と、内周部において下端部側に向かい漸次縮径されたテーパー面を有するガイドリングおよびこのガイドリングの内周部に係合し前記テーパー面を上下方向にスライド可能な複数の挟持用コマからなる単結晶把持手段と、この単結晶把持手段を上方より昇降可能に懸架する把持部引上げ手段を有しており、さらに上記把持手段の挟持用コマに対し、上部側より係合しコマを下方側、すなわち縮径方向に向かって押圧する押込み機構を有するものである。
このうち、まず単結晶把持手段につき説明すると、下記に詳述するようにして単結晶インゴットに形成されるミニ直胴部を把持する単結晶把持手段の挟持用コマは、例えば、軸線に沿った貫通孔を中心部に有する切頭逆円錐台を半径方向に複数に切断して得られるような形状を概略有している。そして、その外周面側が、前記ガイドリングのテーパー面にほぼ沿った面形状を呈して、前記テーパー面上で自在にスライドするガイドリング当接面として、また内周面(貫通孔)側が、ガイドリングの軸線と同軸的で拡縮可能な仮想円筒の周面の一部を構成し、単結晶ミニ直胴部に当接するミニ直胴部把持面として、それぞれ機能する。
もちろん、挟持用コマがガイドリングのテーパー面をスライド自在に移動することによって、複数の挟持用コマの各ミニ直胴部把持面が集合することで形成される概ね円筒周面状の把持面を拡縮自在に形成できる限り、挟持用コマの形状等は特に限定されるものではない。
また挟持用コマの数としては、把持するミニ直胴部の外周面と良好な面接触を保てる限りにおいて特に限定されるものではないが、例えば、前記したような切頭逆円錐台を2〜5個、より好ましくは3〜4個に均等に分割して得られるようなものであることが望まれる。
さらにガイドリングと各挟持用コマは、ガイドリングの内面側の逆テーパー面をスライド自在に挟持用コマが移動できる限り、双方が特に係合されている必要はないが、挟持用コマがガイドリングの逆テーパー面上の一定部位で円滑に移動できるように、例えば、逆テーパー面側に設けられた軌道状の溝(あるいはほぞ)部に嵌合するほぞ(あるいは溝)部を挟持用コマに形成することも可能である。さらにこのような嵌合部に、挟持用コマがガイドリングテーパー面より脱落することを防止するために、その断面に鉤状構造を付したり、別途ストッパー部材を設けることも可能である。
また、前記挟持用コマのミニ直胴部把持面は、把持しようとするミニ直胴部の表面形状に沿って外力により変形可能な構造体により構成されていることが望ましい。代表的には、一定の空隙率を有して何らかの充填物を所定容積内に配した枕様の構造であり、例えば、複数の粒状体と、これら複数の粒状体を外方より覆う柔軟なシートないし箔状の囲繞体とより構成されるもの、多孔体、あるいは繊維嵩高集合体などといったものから構成され得る。多孔体、繊維嵩高集合体を用いる場合であっても、その外方を柔軟な囲繞体によって覆うことが望ましい。シリコン単結晶インゴット表面には成長縞段差等による凹凸形状が存在するが、その把持面を外力により変形可能な構造とし凹凸形状に追従して変形させることで、インゴットに対して均一に接することができ、片当たり等による集中応力の発生等の不具合が生じることなく、負荷される押圧力を当接部全体に均一に分散させて、インゴットを把持することができるため、把持における安定性および信頼性が向上するためである。
しかして、本発明のシリコン単結晶製造装置においては、上記したような把持手段の挟持用コマに対し、上部側より係合しコマを下方側、すなわち縮径方向に向かって押圧する押込み機構を有する。
この押込み機構の構成としては、上記したような所望の作用を発揮するものである限り、特に限定されるものではない。その構成例としては、例えば、略棒状の部材を用い、その一端部を挟持用コマの上面と係合し得る作用点とし、また他端部を上方より牽引される力点とし、さらに、中間部を、ガイドリングの上面、外周面等の部位に取付けられた支柱体上に回動自在に支持することで支点とした、いわゆる「てこ」状の構成としたものが採択できる。その他、挟持用コマの上面とガイドリングの上面、外周面等の部位との間を、伸縮可能な部材、例えば2つリンクを「V」の字に連結してなる部材、いわゆる、トッグル・ジョイントで連結し、この中間の連結点に「V」の字の谷を浅くするような運動を与えるように上方から引上げる力を加えるような構成とすること、あるいはベルクランク様の部材を用いた構成とすることなど、各種の構成を採択することも可能である。
また、この押込み機構にコマに対する押圧力を付与する構造としても特に限定されるものではないが、例えば、前記把持手段を上方より昇降可能に懸架する把持部引上げ手段の把持手段との接続部に上記したような「てこ」状構造を組込み、当該接続部を「てこ」の力点とする、すなわち、把持手段に対する引上げ手段の一部に組み込む構成、あるいは把持部引上げ手段とは別途に設けられた、上部において巻取り機構に接続された線条体を、「てこ」の力点に接続する構成等が採択し得る。
また、本発明の単結晶製造装置において、上記したような単結晶把持手段を上方より保持し、育成されるシリコン単結晶の成長軸に沿って昇降させる昇降手段の構成としても、少なくともシリコン単結晶インゴット成長初期(種結晶の融液浸漬からシリコン単結晶インゴットに前記把持手段により把持されるミニ直胴部が形成されるまでの段階)においては、種結晶の昇降機構と独立して機能するものであれば、その具体的構成としては特に限定されるものではなく、吊り下げワイヤーとその捲取機構からなるワイヤー駆動方式、チェーン駆動方式、ラック・ピニオン駆動方式等任意のものとすることができる。
しかしながら、好ましくは、この前記把持部引上げ手段は、前記単結晶把持手段が単結晶の被把持部位を狭圧把持した際に生じる鉛直軸からの前記単結晶把持手段の軸線の傾きを自在に吸収する姿勢制御機構を介して、前記単結晶把持手段へと連結されているものであることが望ましい。この姿勢制御機構は、例えば、自動調心球軸受、自動調心ころ軸受などに見られるような、転動体に対する一方の軌道面を球面となした構造、あるいは球面軸受などに見られるような接続部を球面当たりとした構造を連結部に組み込むことによって構成することができる。あるいはまた、接合穴に挿通したピンによって連結部を構成するにおいて接合穴を長穴としたり、あるいはピン側を接合穴径に比べて細いものを使用したりして連結部に自在度をもたせることによって構成することができる。もちろん、これらの例示したような構成に何ら限定されるものではない。
また、本発明において前記したような単結晶把持手段を構成する材質としては、特に限定されるものではないが、十分な耐熱性および強度を有していることが望まれ、各構成部位によっても異なるが、例えばSiC、Si、Al、ZrO等のセラミックス、Mo、Ti、Nb、W、Ta等の耐熱金属、その他カーボン、シリコン、ステンレス鋼等によって構成され得る。
さらに本発明の単結晶引上げ装置において、上記したようなインゴット把持手段、これに備えられるコマ押込み機構、把持手段の昇降手段、並びに姿勢制御機構以外の構成としては、少なくともチャンバー内に、シリコン融液を保持する坩堝、種結晶の把持手段、およびこの種結晶の把持手段を昇降させる昇降手段を備えたものであれば任意のものであって、従来公知の種々の態様を採用し得る。
本発明の単結晶製造装置を用いた製造方法においては、まず常法に基づき、単結晶引上げ装置内に配置された坩堝内に多結晶シリコンおよび必要に応じて添加されるドーパントなどの原料を所定量装填し、加熱ヒータ等によって加熱して原料を溶融して融液を形成し、該融液に、種結晶把持手段に保持された種結晶を一旦浸漬し、その後、前記種結晶把持手段に連結された昇降手段によって種結晶を軸回りに回転させながら引上げ、種結晶の下端に単結晶を成長させていく。
そして無転位化のために一旦径を直径3〜4mm程度まで絞ってダッシュネック部を形成後、しだいに拡径していくが、本発明においては、そのまま所望する最終直径までそのまま拡径するのではなく、前記ダッシュネック部の直径よりも大きな所望直径、例えば20〜120mm程度にまで拡径したところで、この径を維持して所定長、例えば、10〜150mmだけ引上げ、同一直径の円柱部位、すなわち、ミニ直胴部を形成する。
また、ミニ直胴部の長さとしては、特段限定されるものではないが、極端に短いものであると、把持手段による安定した把持が困難となり、一方極端に長いものとしても最終的な引上げ長さが長くなり、実質的に有用な所望直径の直胴部の割合の低下、引上げ操作時間の延長化といった問題に加えて、当該ミニ直胴部の機械的強度の低下の懸念が生じてくるものであるから、上記したような範囲内の長さとすることが適当である。
本発明においては、前述するような把持手段での機械的把持のための被把持部位を、単結晶インゴットのダッシュネック部直下に、このダッシュネック部よりも直径よりも大きくかつ所望する単結晶インゴットの最終直径よりも十分小さな直径のミニ直胴部として形成することを前提とする。当該ミニ直胴部は、ダッシュネック部から拡径されて形成されるものであるために、前記特公平7−515号公報における技術のように縮径してクビレ部を形成する場合に生じるような転位あるいは多結晶化の虞れがない。また、このミニ直胴部以降は、所望の最終直径となるまで再び拡径してコーン部を形成していくものであって、従来一般的に行われている単結晶引上げ操作におけるダッシュネック部形成後の拡径操作において、ある一定時間のみ拡径を停止して引上げを行うのみであって、特段難しい口径制御を必要とするものでもなく、ミニ直胴部の形成自体も容易である。そして、このようにして形成されたミニ直胴部を機械的把持手段によって、把持するために、把持手段自体が大型化することもなく、軽量かつ簡便な構成とすることができるため、当該把持手段の昇降に要する引上げ手段も、種結晶を引上げる引上げ手段と同様に、ワイヤー等の細い線条体によって十分支持懸架可能である。また、前記把持手段によって把持されるミニ直胴部より下方には、当該ミニ直胴部よりも十分に直径の大きな所望する最終直径の直胴部が形成されるため、シリコン融液界面からの輻射熱を当該直胴部が遮ることで、ミニ直胴部を把持する把持手段は、高温環境に曝されないという利点も生じ、当該把持手段を構成する材質の選択余地の拡大する、あるいは把持手段の熱劣化の虞れが低下する。
このようにしてシリコン単結晶インゴットにミニ直胴部を形成したら、再度育成単結晶の口径を漸次拡径してコーン部を形成し、所望口径に達した後はその口径を維持するように引上げ速度、融液温度等を制御して、直胴部を形成する。
しかして、本発明においては、上記のごときミニ直胴部形成後の過程における所望時期において、ミニ直胴部を上記したような把持手段によって把持し、この把持手段に連結された昇降手段によって把持手段を上方へと移動させることで、把持後の単結晶育成を、種結晶保持手段に連結された昇降手段による引上げから、把持手段に連結された昇降手段による引上げに切り替えて、その後、インゴットが所望の長さとなるまで単結晶育成を続けるものである。
なお、このミニ直胴部の把持手段による把持操作について概略記すれば、以下の通りである。
すなわち、ミニ直胴部の把持操作が開始されるまで、単結晶製造装置の引上げチャンバー内の上方位置(単結晶インゴットのミニ直胴部に係合しない位置)に保持されていた単結晶把持手段を、まず、その昇降手段によってミニ直胴部と係合する位置まで下降させる。これにより、把持手段とミニ直胴部とが接触可能となり、把持手段の内部開口部には、引上げされる単結晶インゴットのミニ直胴部が下方より突入してくる。次に、前記したように所定位置まで一旦下降させた単結晶把持手段を昇降手段によって反対に徐々に上昇させる。この際の単結晶インゴット把持手段の上昇速度は、少なくとも種結晶把持手段の上昇による単結晶インゴットの成長速度より遅いものとされる。この速度関係においては、突入してくるミニ直胴部外周面が当接する挟持用コマを上方へ押し上げようと(拡径しようと)作用するので、ミニ直胴部の進入はスムーズに行われ、ミニ直胴部の実体的長さ部位を把持手段の内部開口部内に容易に位置させることができる。ミニ直胴部の所望把持位置が単結晶インゴット把持手段の内部に到達するのに前後して、把持手段の引上げ速度を上げていき、直胴部把持手段側の引上げ速度を、種結晶把持手段側による単結晶インゴットの引上げ速度と等速とさせる。併せて挟持用コマに対する押し込み機構を作動させて、ミニ直胴部に挟持用コマを押圧し強固な把持状態を形成する。
なお、把持手段(ガイドリング)に昇降手段を連結するにおいて、前記したように、押し込み機構を該連結構造の一部とし、「てこ」状の押し込み機構の力点に昇降手段を接続し、支点をガイドリング上に設置し、そして作用点を挟持用コマの上面に係合し得るものとすれば、昇降手段の牽引力による上向きのモーメントと把持手段側に加わる重量による下向きのモーメントとからなる偶力によって、押し込み機構が作動して挟持用コマを押圧することができる。このように、押し込み機構に対する作動手段を別途設けなくとも、昇降手段による把持手段の引上げ操作によって同時に押し込み機構を確実に作動させ、挟持用コマによるミニ直胴部の安定した把持が行える。よって、このような実施形態は、構成および操作性が簡便となるといった観点等から好ましいものである。
また、このような把持手段によるミニ直胴部の把持に際し、ミニ直胴部表面に存在する成長縞等の凹凸に起因するなどして、複数の挟持用コマをミニ直胴部の軸周りに均等に配置できず、その結果、単結晶インゴットの軸線と把持手段の把持軸とにズレが生じる場合があるが、この場合でも、把持手段が、前記したようが姿勢制御機構を介して把持部引上げ機構に接続されておれば、その調芯は自動的になされ得る。
なお、ミニ直胴部の機械的把持手段による把持後においては、例えば、把持手段側の昇降手段と種結晶側の昇降手段との移動速度を実質的に同じものとして、双方にインゴットの荷重を分散させて引上げを行うこと等が可能となるが、要は、ミニ直胴部の把持後においては、把持手段がインゴットの重量の少なくとも一部、望ましくはインゴット重量の大半を支持する状態とすればよい。
また、重量支持の切り替え操作も、把持(荷重乗り移り開始)後においても暫くの間は、種結晶側の昇降手段の移動速度を把持手段側の昇降手段の移動速度よりも速いものとしておき、徐々に把持手段側の移動速度を上げていき、種結晶側の昇降手段の引上げ速度に同期させた後、種結晶側の昇降手段の引上げ速度を徐々に低下させるといった方式を採ることが、切り替えに伴うショックを単結晶成長界面に伝えない上で望ましい。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。
図1は、本発明に係るシリコン単結晶製造装置の一実施態様における要部構成を使用状態において示す模式図、図2は、本発明装置の把持手段を示す斜視図、図3(a)〜(c)は同実施態様における使用時の作動様式を段階的に示す平面図、図4は同実施態様における把持用コマの構成を模式的に示す図、図5は同実施態様における自動調心機構の構成を模式的に示す図、図6は本発明に係るシリコン単結晶製造装置の別の実施態様における要部構成を使用状態において示す模式図である。
図1に示す実施態様においては、従来のシリコン単結晶引上げ装置と同様に、チャンバー上部には、回転用モーター等の駆動手段によってチャンバー軸回りに回転する結晶保持機構支持盤T1が設けられ、この支持盤上T1に設置された種結晶引上げモーター1に取り付けられた種結晶引上げワイヤー2がチャンバーの軸線に沿ってチャンバー内へと延長されている。前記ワイヤー2の先端部には種結晶保持部(シードチャック)3が設けられており、ここに装着された種結晶4を、前記種結晶引上げモーター1(および支持盤回転用モーター)を駆動することで、チャンバー内に配置された坩堝(図示せず)内に形成されるシリコン融液に一旦浸漬し、その後回転しながら引上げることで単結晶インゴットが育成できるものとされている。
この実施例において装置内に設けられてなる単結晶インゴット把持手段10は、チャンバーの軸線を中心として配置され、内周部において下端部側に向かい漸次縮径されたテーパー面11を有する環状のガイドリング12と、このガイドリングの内周部に係合し前記テーパー面を上下方向にスライド可能な複数の挟持用コマ13とからなるものである。なお、この実施例においては、3つの挟持用コマ13が、丁度、半径方向断面において円を等間隔(120°毎)で3つに分割したような形状および配置をもって存在している。また挟持用コマ13は図4に示すように、その内周側の単結晶インゴットに対する当接部13aが、枕様構造とされており、把持に際して単結晶インゴット表面の成長縞等の凹凸に追従して変形し、大きな接触面積を確保できるようにされている。すなわち、モリブデン等の耐熱性金属ブロックよりなる断面矩形の挟持用コマ本体13aの内周側には、発泡カーボン等の外力により変形可能な嵩高体13cを、タンタル等の耐熱性金属箔よりなる囲繞体13bで外方より覆ってなる枕様構造体が形成されている。囲繞体13bはその端部において、ビス止め等によって挟持用コマ本体13aに脱着可能に係止されており、囲繞体13bおよびその内部に配される嵩高体13cとは、使用劣化により交換可能である。
そして、前記把持手段10のガイドリング12の上面には、円周方向において均等に離間された複数の位置、正確にいえば、前記した複数の挟持用コマ13のそれぞれのコマの円周方向幅の中心を通る半径線がガイドリング12の上面と交差する各位置(120°毎)、において、上方へと延長された支柱14が設置されている。この各支柱14には、この支柱14の上端部位の長穴に回動自在に支持された接続部を支点とし、これよりも中心側に位置する端部を、挟持用コマ13の上面と係合し得る作用点とし、また外方側に位置する他端部を上方より牽引される力点とする、一種の「てこ」として機能するコマ押圧子15が取り付けられている。
この各コマ押圧子15の該他端部は、それぞれ接続ロッド16によって上方に位置する第一保持盤17に固定的に一旦連結されている。この第一保持盤17の中央部には、図5に示すように、前記した種結晶保持部(シードチャック)3ないし種結晶4の挿通を可能とする開口部17aが設けてあるが、この開口部17aの縁部からは中空の軸17bが立錐している。一方、この第一保持盤17の上方には第一保持盤と略同軸的でかつ、同様に中央部に開口部18aを有する第二保持盤18があり、この第二保持盤の下面側において前記開口部18aの縁部には、球面状の軌道面を内周側に有するプランマブロック18bが取付けボルト等によって締着されており、このプランマブロック18bの球面状軌道面に前記中空軸17bを球やころ等の転動体17cを介して支持することで、自動調心作用を付与している。なお、図5はこのプランマブロック18bを用いた接続構造を示す断面図である。そして、この第二保持盤18の上面側には、等間隔(120°毎)で3本の単結晶把持部引上げワイヤー19が接続されて懸架されており、これらのワイヤー19は、前記結晶保持機構支持盤T1上に設置された単結晶把持機構引上げモーター20の駆動軸に取り付けられおり、単結晶インゴット把持手段10は、種結晶引上げモーター1に種結晶引上げワイヤー2によって連結された種結晶保持部3とは独立してチャンバー内を昇降可能とされ、かつチャンバー軸回りには種結晶保持部と同期して回転するものとされている。なお、図6に示す別の実施態様におけるように、この第二保持盤18をより少ない2本の単結晶把持部引上げワイヤー19で懸架し、前記結晶保持機構支持盤T1上に設置された単一の単結晶把持機構引上げモーター20の駆動軸に、これら2本のワイヤー19を共に取り付け、より簡便な構成で単結晶インゴット把持手段10を昇降可能に支持することも可能である。もちろん、単結晶インゴット把持手段10の昇降可能な支持は、より多くの部材をもって3点よりも多い位置から行うことも可能である。
このような構成を有する実施態様の装置を用いての単結晶インゴットの育成は、例えば、つぎのようにして行われる。
まず常法に基づき、前記種結晶引上げモーター1を駆動して、種結晶引上げワイヤー2の先端部に保持された種結晶4をシリコン融液に一旦浸漬し、その後引上げることで種結晶4の下端に単結晶5を成長させていく。無転位化のために一旦径を絞ってダッシュネック6を形成後、若干拡径してミニ直胴部7を形成し、その後、さらに拡径してコーン部8を形成し、所望の最終直径となったところで引上速度vとして直胴部9の形成を開始する。
この状態までは、図3(a)に示すように、前記単結晶インゴット把持手段10は、チャンバー内において、単結晶インゴットのミニ直胴部7に係合しない位置に保持されている。
さらに、直胴部の引上げが進行してきたら、単結晶把持機構引上げモーター20を駆動し一旦単結晶把持部引上げワイヤー19を一定速度vで巻き出して、単結晶インゴット把持手段10を所定位置まで下降させ、インゴット把持手段10の内部開口部に、種結晶引上げワイヤー2により引上げされる単結晶インゴットのミニ直胴部7が下方より突入できるようにする。なお、ここで上向きの速度を正とすると、v≧0、v≦0である。ミニ直動部7がインゴット把持手段10の内部開口部に進入してきたら、単結晶把持機構引上げモーター20を反転させ単結晶把持部引上げワイヤー19を一定速度で巻き込んで、図3(b)に示すように、単結晶インゴット把持手段10を再び上昇させる。この際の単結晶インゴット把持手段10の上昇速度は、少なくとも種結晶引上げワイヤー2の引上げ速度、すなわち、単結晶インゴットの成長速度より遅いものとされている(0≦v≦v)。この速度関係においては、突入してくるミニ直胴部7の外周面が当接する挟持用コマ13を上方へ押し上げようと(拡径しようと)作用するので、ミニ直胴部7の進入はスムーズに行われ、ミニ直胴部の実体的長さ部位を単結晶インゴット把持手段10の内部開口部内に容易に位置させることができる。
ミニ直胴部7の所望把持位置が単結晶インゴット把持手段10の内部に到達するのに前後して、次第に単結晶把持機構引上げモーター20の回転速度を上げ、図3(c)に示すように、単結晶インゴット把持手段10の引上げ速度を、種結晶引上げワイヤー2による単結晶インゴットの引上げ速度と等速となるまで上昇させる。単結晶インゴット把持手段10の引上げ速度が、種結晶引上げワイヤー2による単結晶インゴットの引上げ速度と等速(v=v)となり、ミニ直胴部7に当接する把持用コマ13を介して単結晶インゴットの荷重が、単結晶インゴット把持手段10側にかかるようになると、コマ押圧子15の支点に加わるこの荷重による下向きのモーメントと、コマ押圧子15の力点に加わる単結晶把持機構引上げモーター20の牽引力による上向きのモーメントとからなる偶力が生じ、コマ押圧子15が支点を中心として回動する。このため、コマ押圧子15の作用点が、係合する挟持用コマ13の上面を押圧し、挟持用コマ13を下方へ押し下げる(縮径する)力が働くので、挟持用コマ13によるミニ直胴部7の機械的把持が確実になされる。なおコマ押圧子15による挟持用コマ13に対する押圧力は、単結晶インゴット把持手段10にかかる単結晶インゴットの荷重が、大きくなればなるほど強くなるために、挟持用コマ13によるミニ直胴部7の機械的把持は、単結晶引上げ操作を通じて安定したものとなる。
また、この挟持用コマ13によるミニ直胴部7の機械的把持において、単結晶インゴットの軸線に対して把持手段10の中心軸が傾いた状態で、把持状態が形成された場合、そこに生じる偶力によって、把持手段10から単結晶把持機構引上げモーター20に至る接続構造中に配された前記プランマブロック18bによる自動調心作用が生じ、傾きを吸収して、種結晶引上げ手段側による単結晶引上げ軸に、単結晶把持手段引上げ側の中心軸を一致させることができる。このため、単結晶の支持切り換えの際に、上記のような軸線のズレによって単結晶のふれ回りが生じるということもない。
その後、この把持状態を維持したままで、単結晶把持機構引上げモーター20の捲き上げ速度を早め、必要に応じて、逆に種結晶引上げモーター1の巻き上げ速度をある程度まで遅くし、単結晶把持手段10の引上げ速度を種結晶引上げワイヤー2の引上げ速度よりも次第に早くしていくことで、育成される単結晶インゴットの重量支持を種結晶引上げ手段側から単結晶把手段側に徐々に移行させ、所望の荷重配分として、その後、インゴットが所望の長さとなるまで単結晶育成を続けるものである。
本発明に係る単結晶引上げ装置の一実施態様の要部構成を使用状態において模式的に示す概略図、 図1に示す装置における把持手段の拡大斜視図、 (a)〜(c)は同実施態様における使用時の作動様式を段階的に示す平面図、 同実施態様における把持用コマの構成を模式的に示す図、 同実施態様における自動調心機構の構成を模式的に示す図、 本発明に係るシリコン単結晶製造装置の別の実施態様における要部構成を使用状態において示す模式図。
符号の説明
1 種結晶引上げモーター
2 種結晶引上げワイヤー
3 種結晶保持部
4 種結晶
5 単結晶インゴット
6 ダッシュネック部
7 ミニ直胴部
8 コーン部
9 直胴部
10 単結晶インゴット把持手段
11 テーパー面
12 ガイドリング
13 挟持用コマ
13a 挟持用コマ本体の内周側
13b 囲繞体
13c 嵩高体
14 支柱
15 コマ押圧子
16 接続ロッド
17 第一保持盤
17a 第一保持盤開口部
17b 中空軸
17c 転動体
18 第二保持盤
18a 第二保持盤開口部
18b プランマブロック
19 単結晶把持部引上げワイヤー
20 単結晶把持機構引上げモーター

Claims (2)

  1. シリコン融液に種結晶を浸漬し、この種結晶を回転させながら引上げることにより種結晶後端部にシリコン単結晶を成長させるにおいて、種結晶直下にシリコン単結晶インゴットの無転位化のための小口径部を形成した後、この小口径部よりも直径が大きくかつ所望するインゴットの最終的直径よりも小さな直径まで拡径して略円柱状の被把持部位を形成し、その後、この被把持部位を機械的に把持して所望直径および長さを有するシリコン単結晶インゴットを育成しつつ引上げるのに用いられるシリコン単結晶の製造装置であって、
    シリコン融液を収容する坩堝と、前記シリコン融液に対し種結晶を種結晶引上げ用線条体によって昇降自在に垂下させる種結晶引上げ手段と、内周部において下端部側に向かい漸次縮径されたテーパー面を有するガイドリングおよびこのガイドリングの内周部に係合し前記テーパー面を上下方向にスライド可能な複数の挟持用コマからなる前記単結晶の被把持部位を狭圧把持する単結晶把持手段と、この単結晶把持手段を上方より昇降可能に懸架する把持部引上げ手段を有してなり、
    前記挟持用コマに対して上部側より係合しコマを下方側に向かって押圧する押込み機構を備えてなること特徴とするシリコン単結晶の製造装置。
  2. 前記把持部引上げ手段は、前記単結晶把持手段が単結晶の被把持部位を狭圧把持した際に生じる鉛直軸からの前記単結晶把持手段の軸線の傾きを自在に吸収する姿勢制御機構を介してと、前記単結晶把持手段へと連結されているものである請求項1に記載のシリコン単結晶の製造装置。
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