JP3477834B2 - 光ディスク - Google Patents
光ディスクInfo
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ光の照射によっ
て、情報信号の再生又は記録が行われる光ディスクに関
する。 【0002】 【従来の技術】例えば、ディジタルオーディオディス
ク、いわゆるコンパクトディスクや、ビデオディスク等
の光ディスクは、予め情報信号に応じて位相ピットが形
成された透明基板上にアルミニウム反射膜を成膜し、こ
のアルミニウム反射膜上に保護膜を形成することで構成
されている。 【0003】また、最近では、空間的に再生専用エリア
と記録可能エリアに分離された光ディスクが提案されて
いる。この光ディスクは、透明基板の上記再生専用エリ
アに対応する面のみに上記位相ピットが形成されて構成
されている。 【0004】上述のような光ディスクにおいては、位相
ピットに対する信号再生の分解能がほとんど再生光学系
の光源の波長λと対物レンズの開口数NAによって決ま
り、透明基板上に形成された位相ピットの周期が回折限
界(λ/2NA)以上の場合に良好な再生信号が得られ
る。 【0005】このため、上記のような光ディスクにおい
て、位相ピットの高密度記録(形成)を図る場合、例え
ば再生光学系の光源である例えば半導体レーザの波長λ
を短くし、対物レンズの開口数NAを大きくすることで
達成できる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな空間的に再生専用エリアと記録可能エリアに分離さ
れた光ディスクにおいては、該再生専用エリアと該記録
可能エリアの分離の仕方によって、両者間のアクセス時
間を最大限に短縮することができない場合がある。例え
ば、ディスクの内周側と外周側で記録可能エリアと再生
専用エリアを分割する場合やセクタ単位で分割する場合
は、再生専用エリアにある既存の情報に関与した情報を
記録可能エリアに記録する際、両者が離れてしまってい
るのでアクセスに時間がかかる。 【0007】また、空間的に再生専用エリアと記録可能
エリアに分離された光ディスクにおいては、各々の記録
容量は、せいぜい半分ずつである。このような光ディス
クにおいて、例えばモニタに表示される背景画像に関す
る映像信号を、再生専用エリアに位相ピットとして記録
しようとすると、記録容量が足りない場合が生じる。 【0008】そこで、再生専用エリアの記録容量を大き
く設定することが考えられるが、この場合、記録可能エ
リアの記録容量が少なくなってしまい、扱える記録デー
タの量が大幅に制限されるという問題が生じる。 【0009】また、他の方法としては、例えば再生専用
エリアの位相ピットの形成ピッチを縮めることにより、
この再生専用エリアの記録容量を高密度にし、短波長レ
ーザで読み出す方法が考えられる。 【0010】しかし、この場合、短波長レーザとして、
グリーン、ブルー等の短波長レーザを使用することが考
えられるが、これらの短波長レーザは、信号記録を達成
出来るほどの出力がなく、現在のところ高速変調を実現
できていないのが現状である。従って、再生専用エリア
に対する信号再生用のレーザ光線(短波長レーザ)と記
録可能エリアに対する信号記録再生用の光源(通常しよ
うされているレーザ)が必要になり、光学系の構造が複
雑になるという問題がある。 【0011】さらに、再生専用エリアと記録可能エリア
を、ディスクとして構造を異ならせて製造する場合、例
えば、記録膜を全面に設けた後、再生専用エリアの部分
の記録膜をエッチングするように、ディスクの製造工程
に2種類以上の作成プロセスが含まれてしまい手間がか
かることになる。 【0012】このように、従来、空間的に再生専用エリ
アと記録可能エリアに分離された光ディスクにおいて
は、再生専用エリアと記録可能エリアの分割の仕方によ
っては、両者間のアクセス時間を最大限に短縮すること
ができなかったり、また、記録可能エリアの記録容量を
減らすことなく、再生専用エリアの記録容量を増加させ
ることができず、再生専用エリアに映像信号等の大容量
のデータを位相ピットとして記録(形成)することがで
きなかったり、さらに製造工程に手間がかかっていた。 【0013】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であり、再生専用エリアと記録可能エリアのアクセス時
間を最大限に短縮すると共に、記録可能エリアの記録容
量を減らすことなく、再生専用エリアの記録容量を増加
させることができ、さらに、製造工程を簡単にし、か
つ、光学系の構造を複雑にする必要がなく、従来の光学
系をそのまま使用することができる光ディスクの提供を
目的とする。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明に係る光ディスク
は、透明基板上に、GexSbyTezを用い、その組
成範囲をx+y+z=1、かつ、0.20≦x≦0.2
5、0.20≦y≦0.30である相変化材料膜で形成
された再生専用トラックと記録可能トラックとが、ラン
ド/グルーブの連続構造で、1トラック単位で交互に隣
接して形成され、上記ランド/グルーブのうち一方が上
記再生専用トラックとされ、上記再生専用トラックは、
位相ピットが予め設けられ、情報信号の読み出し時に、
上記相変化材料膜が、溶融後固相化したときに結晶化状
態に戻る出力範囲の読み出し光の走査スポット内で部分
的に液相化して、光反射率が変化し、読み出し後に、結
晶状態に戻る構成とされている。 【0015】 【0016】 【0017】 【0018】 【0019】 【0020】 【0021】 【作用】本発明に係る光ディスクは、再生専用トラック
と記録可能トラックが1トラック単位で交互に隣接して
なるので、アクセス時間を最大限に短縮することができ
る。 【0022】 また、本発明に係る光ディスクにおいて
は、1トラック単位で交互に隣接して設けられた上記再
生専用トラックと上記記録可能トラックに、相変化材料
膜を形成していることから、記録可能トラックの記録容
量を減らすことなく、再生専用トラックの記録容量を増
加させることができる。また、読み出し光及び書き込み
光の発生源である光源を従来と同じに1つの光源で構成
することができるため、光学系の構造を複雑にする必要
がなく、従来の光学系をそのまま使用できる。以下、相
変化材料膜の性質を説明すると共に、本発明において、
どのように該相変化材料膜の性質を利用しているかを説
明する。 【0023】一般に、相変化材料膜は、照射される光の
出力及びパルス幅によって、以下のような状態変化を行
う。即ち、光を照射しても、相変化材料膜は、溶融せず
初期状態を保持したまま結晶化状態である場合(以下、
非溶融状態という。)、光を照射している間は、溶融し
て液相化状態になっているが、光が通過した後、その冷
却によって固相化したときに再び結晶化状態に戻る場合
(以下、溶融結晶化状態という。)、及び光が通過した
後、その冷却によって固相に変化したときに、非晶質、
即ちアモルファス状態に変化する場合(以下、溶融非晶
質化状態という。)がある。 【0024】ここで、上記3種類の状態変化に対応する
照射光の出力の範囲(領域)を以下のように定義する。
まず、相変化材料膜が非溶融状態となる照射光の出力の
範囲を非溶融領域、相変化材料膜が溶融結晶化状態とな
る照射光の出力の範囲を溶融結晶化領域、及び相変化材
料膜が溶融非晶質化状態となる照射光の出力の範囲を溶
融非晶化領域と定義する。 【0025】本発明に係る光ディスクでは、トラック単
位で交互に隣接して設けられた上記再生専用トラックと
上記記録可能トラックに、溶融後、結晶化し得る相変化
材料膜を形成していることから、例えば再生専用トラッ
クに対する情報信号の読み出しは、以下のように行われ
る。ここで、この再生専用トラックには従来より高密度
の位相ピットが記録されているものとする。 【0026】まず、この再生専用トラックにおける従来
より高密度の位相ピットによる記録の再生に当たって
は、再生時の照射光である読み出し光の光ディスクとの
相対的移動による光ディスクにおける走査スポット内で
の温度分布を利用して、そのスポット内に生じる高温領
域で部分的に相変化材料膜に液相状態を発生させて反射
率を著しく増加させ、この液相状態部分内にある位相ピ
ットについては、例えば回折による読み出しを可能とし
ている。つまり、走査スポット内において液相状態部分
の位相ピットと他の状態の部分の位相ピットとを区別し
て読み出し、等価的に走査スポット内の有効領域の面積
を小さくしている。このため、λ/2NAに制約されな
い超解像再生を可能とする。また、位相ピットによる記
録が解像限界以内である場合には、後述する記録可能ト
ラックでの再生同様、結晶化温度に達しないような低パ
ワー出力のレーザ光の照射により再生することができ
る。 【0027】一方、記録可能トラックに対する情報信号
の書き込みは、以下のように行われる。相変化材料膜に
高パワーで照射光である書き込み光を照射し、一旦液相
状態とした後、急冷することにより溶融非晶質化状態で
あるアモルファス状態とする。このアモルファス状態と
されたときに相変化材料膜上に形成されるマークが記録
マークとなる。即ち、相変化材料膜は、書き込み光の出
力とパルス幅によって、非溶融状態、溶融結晶化状態及
び溶融非晶質化状態に変化するが、この書き込み動作に
おいては、書き込み光の出力及びパルス幅を、上記の例
でいえば、溶融非晶質化領域の範囲に設定して、書き込
みを行う。このとき、上記溶融非晶質化領域の範囲に設
定された書き込み光が照射された部分が非晶質化し、光
学的にピット情報が新たに書き込まれた形となる。 【0028】また、消去は相変化材料膜に低パワーで光
を照射し、結晶化温度以上、融点以下の温度状態とし結
晶状態とする。したがって、情報の書換えは、既存の情
報を一旦初期化することなく、いわゆるオーバーライト
である重ね書きによって可能となる。 【0029】また、情報の再生は相変化材料膜が結晶化
温度に達しないような低パワーのレーザ光照射により行
う。即ち、記録可能トラックに対して情報の読み出しを
行う場合は、上記読み出し光の出力を、上記の例でいえ
ば、非溶融領域の範囲に設定して、読み出しを行う。こ
の読み出し動作においては、記録可能トラック上の相変
化材料膜の結晶化部分における光反射と非晶質化部分
(ピット情報)における光反射の違いによって、記録さ
れているピット情報を光学的に読み出す。この場合、読
み出し光の出力が、上記非溶融領域の範囲に設定されて
いることから、読み出し時に非晶質化部分を除去、すな
わち、結晶化することがない。 【0030】 したがって、本発明に係る光ディスク
は、再生専用トラックと記録可能トラックとを1トラッ
ク単位で交互に隣接するように該各トラックを相変化材
料膜上に形成しているので、再生専用エリアと記録可能
エリアのアクセス時間を最大限に短縮すると共に、記録
可能エリアの記録容量を減らすことなく、再生専用エリ
アの記録容量を増加させることができ、さらに、製造工
程を簡単にし、かつ、光学系の構造を複雑にする必要が
なく、従来の光学系をそのまま使用することができる。 【0031】また、本発明に係る光ディスクの信号再生
方法は、上述した理由により、再生専用エリアと記録可
能エリアのアクセス時間を最大限に短縮した光ディスク
を、記録可能エリアの記録容量を減らすことなく、再生
専用エリアの記録容量を増加させることができ、さら
に、製造工程を簡単にし、かつ、光学系の構造を複雑に
せず、従来の光学系をそのまま使用して、該光ディスク
に記録された情報信号を再生することができる。 【0032】 【実施例】以下、本発明に係る光ディスク及び光ディス
クの信号再生方法を適用した光ディスクを説明する。 【0033】この光ディスクは、図1にその概略構成を
示すように、最内周側にTOCエリアZtが割り当てら
れ、その外周側に位相ピットが形成される再生専用トラ
ックと記録可能トラックがトラック単位で交互に隣接し
てなる再生記録エリアZRWが割り当てられている光ディ
スクDである。 【0034】以下に、再生記録エリアZRWの具体的な構
成を図1〜図7を参照しながら説明する。 【0035】先ず、図1に示す再生記録エリアZRW の
任意の領域zNの拡大図と、図2に示す基本的な概略断
面図を参照しながら本実施例の光ディスクを説明する。 【0036】この図1及び図2に示した構成を持つ再生
記録エリアZRWは、位相ピットPが部分的に形成された
円盤状のガラス基板、例えばフォトポリマー法により形
成されたガラス2P(フォト・ポリマー)基板である透
明基板1上に、溶融後、結晶化し得る相変化材料膜2を
直接的に形成し、再生専用トラックTRと記録可能トラ
ックTWとを1トラックずつ交互に隣接させて形成して
いる。 【0037】すなわち、上記再生専用トラックTRと上
記記録可能トラックTWとを1トラックおきに交互に隣
接させて形成した再生記録エリアZRW 及びTOCエリ
アZtに連続的に、相変化材料膜2を形成している。再
生専用トラックTRには、位相ピットPが予め記録され
ており、記録可能トラックTWの相変化材料膜2には、
後述するように記録マークMが形成される。 【0038】図3は、透明基板1上に、溶融後、結晶化
し得る相変化材料膜2を含んだ積層膜3を形成し、再生
専用トラックTRと記録可能トラックTWとを1トラック
ずつ交互に隣接させて形成した再生記録エリアZRW の
任意の領域zNの概略断面図である。この場合の任意の
領域zNの拡大図は、上記図1と同様である。 【0039】すなわち、この図3に示す任意の領域zN
を持つ光ディスクは、上記再生専用トラックTRと上記
記録可能トラックTWとを1トラックおきに交互に隣接
させて形成した再生記録エリアZRW 及びTOCエリア
Ztに連続的に、相変化材料膜2を含む積層膜3を形成
している。このため、再生専用トラックTRに既に記録
された情報に関与した情報を記録可能トラックTWに記
録するような場合には、トラックが隣接しているので、
アクセス時間を短縮することができる。 【0040】この相変化材料膜2を含む積層膜3は、透
明基板1側から順に第1の誘電体膜4、相変化材料膜
2、第2の誘電体膜5、反射膜6及び第3の誘電体膜7
が順次積層されて構成されている。ここで、透明基板1
と第1の誘電体膜4との間には、図示しない半透明金属
膜を形成してもよい。この場合、半透明金属膜、第1及
び第2の誘電体膜4及び5、反射膜6によって、この光
ディスクDの光学的特性、例えば非晶質部と結晶部の光
反射率等の設定が行われる構成となっている。また、第
3の誘電体膜7によって積層膜3の機械的強度が向上
し、繰り返し読み出し耐久性が向上する。さらに、第3
の誘電体膜7の上には、図示しないUVによる保護膜を
形成してもよい。なお、上記半透明金属としては、例え
ばAuのように屈折率nが1.0以下、消衰係数が2.
5以上、膜厚が5〜15nmであるものが用いられる。 【0041】以下、この図3に示す概略断面図を持つ光
ディスクについての実施例を実施例1として示す。 【0042】実施例1 この実施例1では、図1に示す再生専用トラックTRと
記録可能トラックTWとのトラックピッチを1.5μm
としている。各トラックTR、TWは、1トラックおきに
形成されているので、再生専用トラックTR同士及び記
録可能トラックTW同士のピッチは、それぞれ3.0μ
mとなる。また、再生専用トラックTRに予め記録され
ている位相ピットPは、深さが120nm、ピット長が
0.3μm、繰り返し周期が0.6μmである。なお、
この実施例1は、透明基板上に形成される各膜の構造を
異ならせることにより具体例1と具体例2とに分けられ
るので、以下ではこれら具体例1、具体例2について説
明する。 【0043】先ず、具体例1では、上記位相ピットPが
形成されたガラス2P基板である透明基板1の上に、Z
nS/SiO2からなる第1の誘電体膜4を膜厚90n
mで被着形成する。また、この第1の誘電体膜4の上に
は、Ge0.22Sb0.22Te0.56からなる相変化材料膜2
を厚さ20nmで被着形成する。また、この相変化材料
膜2の上には、ZnS/SiO2からなる第2の誘電体
膜5を厚さ30nmで被着形成する。また、この第2の
誘電体膜5の上には、Altiからなる反射膜6を厚さ
150nmで被着形成する。また、この反射膜6の上に
は、ZnS/SiO2からなる第3の誘電体膜7を厚さ
400nmで被着形成する。 【0044】このように形成された具体例1の光ディス
クDの記録可能トラックTWに信号を記録し、再生する
場合を以下に説明する。なお、以下で用いるレーザ光は
波長が780nmであり、対物レンズのNAは0.55
である。 【0045】先ず、光ディスクの初期化を行う。すなわ
ち、製造されたばかりの光ディスクは非晶質状態(アモ
ルファス状態)となっており、これを結晶状態にするた
めの初期化を行う。具体的には、線速7m/secとな
るように回転している光ディスクDにパワー6mWのD
Cレーザ光を照射して初期化(結晶化)を行う。 【0046】信号の記録は、線速12m/secとなる
ように回転している光ディスクDの記録可能トラックT
wに、パルス状(断続的)にパワー18mWのレーザ光
を照射し、マーク長1μmのアモルファスによる信号を
形成して行う。 【0047】そして、このアモルファスによる信号の再
生は、線速7m/secとなるように回転している光デ
ィスクDの記録可能トラックTw上の該信号にパワー1
mWのレーザ光を照射して行う。なお、このときのC/
Nは45dBとなった。 【0048】次に、この具体例1の光ディスクの再生専
用トラックTRに記録されている位相ピットPよりなる
信号を再生する場合を以下に説明する。なお、この再生
専用トラックTRにおける信号の再生の詳細については
後述するが、再生時の照射光である読み出し光の光ディ
スクとの相対的移動による光ディスクにおける走査スポ
ット内での温度分布を利用して、そのスポット内に生じ
る高温領域で部分的に相変化材料膜に液相状態を発生さ
せて反射率を著しく減少させ、この液相状態部分外にあ
る位相ピットについては、例えば回折による読み出しを
可能としている。つまり、走査スポット内において液相
状態部分の位相ピットと他の状態の部分の位相ピットと
を区別して読み出し、等価的に走査スポット内の有効領
域の面積を小さくしている。このため、λ/2NAに制
約されない超解像再生を可能とする。また、位相ピット
による記録が解像限界以内である場合には、結晶化温度
に達しないような低パワー出力のレーザ光の照射により
再生することができる。 【0049】この位相ピットPよりなる信号の再生は、
線速5m/secとなるように回転している光ディスク
Dの再生専用トラックTRにパワー12mWのレーザ光
をDC照射して行う。このとき、ピット長0.3μmの
位相ピットPよりなる信号は、C/Nが40dBで再生
できた。 【0050】次に、具体例2では、上記位相ピットPが
形成された透明基板1の上に、ZnS/SiO2からな
る第1の誘電体膜4を膜厚90nmで被着形成する。ま
た、この第1の誘電体膜4の上には、Ge0.21Sb0.26
Te0.53からなる相変化材料膜2を厚さ20nmで被着
形成する。また、この相変化材料膜2の上には、ZnS
/SiO2からなる第2の誘電体膜5を厚さ60nmで
被着形成する。また、この第2の誘電体膜5の上には、
Dyからなる反射膜6を厚さ150nmで被着形成す
る。また、この反射膜6の上には、ZnS/SiO2か
らなる第3の誘電体膜7を厚さ400nmで被着形成す
る。 【0051】このように形成された具体例2に関しても
上述した具体例1と同様に、光ディスクDの記録可能ト
ラックTWに信号を記録し、再生する場合について以下
に説明する。なお、以下で用いるレーザ光の波長と対物
レンズのNAは、上述した具体例1に用いたのと同様7
80nmと0.55である。 【0052】光ディスクの初期化(結晶化)は、線速7
m/secとなるように回転している光ディスクDにパ
ワー6mWのDCレーザ光を照射して行う。 【0053】信号の記録は、線速12m/secとなる
ように回転している光ディスクDの記録可能トラックT
wに、パルス状(断続的)にパワー17mWのレーザ光
を照射し、マーク長1μmのアモルファスによる信号を
形成して行う。 【0054】そして、このアモルファスによる信号の再
生は、線速7m/secとなるように回転している光デ
ィスクDの記録可能トラックTw上の該信号にパワー1
mWのレーザ光を照射して行う。なお、このときのC/
Nは50dBとなった。 【0055】また、この具体例2の光ディスクの再生専
用トラックTRに記録されている位相ピットPよりなる
信号を再生する原理も、上述した具体例1の場合と同様
である。位相ピットPよりなる信号の再生は、線速6m
/secとなるように回転している光ディスクDの再生
専用トラックTRにパワー10mWのレーザ光をDC照
射して行う。このとき、ピット長0.3μmの位相ピッ
トPよりなる信号は、C/Nが40dBで再生できた。 【0056】以上より、上記具体例1及び具体例2に分
けられる実施例1は、相変化材料膜2の組成範囲を、線
速或はレーザパワー制御により、溶融後にアモルファス
と結晶の両者の状態を取り得る範囲としている。すなわ
ち、相変化材料膜2には、GexSbyTez を用い、そ
の組成範囲をx+y+z=1、かつ、0.20≦x≦
0.25、0.20≦y≦0.30としている。 【0057】もし、相変化材料膜2を上記組成範囲(条
件)を満たさないGexSbyTezにより形成した場合
に、光ディスクDはどの位のC/Nとなるかを以下に示
しておく。ここでは、上記具体例1と比較する例を比較
例1、上記具体例2と比較する例を比較例2として説明
をする。 【0058】先ず、相変化材料膜2を構成するGexS
byTez において、例えばx=0.28、y=0.1
6である場合、すなわち、Ge0.28Sb0.16Te0.56で
ある相変化材料膜2を有する比較例1について説明す
る。 【0059】この比較例1は、上記具体例1の比較対象
である。よって、相変化材料膜2の組成式を除く他の構
成は上記具体例1と同様である。すなわち、位相ピット
Pが形成された透明基板1の上には、ZnS/SiO2
からなる第1の誘電体膜4を膜厚90nmで被着形成し
ている。また、この第1の誘電体膜4の上には、上述し
たようなGe0.28Sb0.16Te0.56からなる相変化材料
膜2を厚さ20nmで被着形成している。また、この相
変化材料膜2の上には、ZnS/SiO2からなる第2
の誘電体膜5を厚さ30nmで被着形成している。ま
た、この第2の誘電体膜5の上には、AlTiからなる
反射膜6を厚さ150nmで被着形成している。また、
この反射膜6の上には、ZnS/SiO2からなる第3
の誘電体膜7を厚さ400nmで被着形成している。 【0060】このように形成された比較例1の光ディス
クDの記録可能トラックTWにおける信号の記録は、線
速8m/sec〜15m/secとなるように光ディス
クDを回転させ、パワー9mW〜20mWでレーザ光を
パルス状に照射し、マーク長1μmのアモルファスによ
る信号を形成しても、再生時のC/Nは30dB以下に
しかならず、記録可能領域へのアモルファス記録は劣化
していると判断される。ここで、再生時の線速及びレー
ザ光パワーは具体例1の再生時と同様とした。 【0061】すなわち、例えばx=0.28、y=0.
16であり、Ge0.28Sb0.16Te0.56からなる相変化
材料膜2を用いた比較例1では、記録可能トラックTW
への信号の書き込みが上記具体例1に比較して著しく劣
化してしまい、記録可能領域でのアモルファス記録が困
難となる。 【0062】次に、相変化材料膜2を構成するGexS
byTez において、例えばx=0.16、y=0.3
3である場合、すなわち、Ge0.16Sb0.33Te0.51で
ある相変化材料膜2を有する比較例2について説明す
る。 【0063】この比較例2は、上記具体例2の比較対象
である。よって、相変化材料膜2の組成式を除く他の構
成は上記具体例2と同様である。すなわち、位相ピット
Pが形成された透明基板1の上には、ZnS/SiO2
からなる第1の誘電体膜4を膜厚90nmで被着形成し
ている。また、この第1の誘電体膜4の上には、上述し
たようなGe0.16Sb0.33Te0.51からなる相変化材料
膜2を厚さ20nmで被着形成している。また、この相
変化材料膜2の上には、ZnS/SiO2からなる第2
の誘電体膜5を厚さ60nmで被着形成している。ま
た、この第2の誘電体膜5の上には、Dyからなる反射
膜6を厚さ150nmで被着形成している。また、この
反射膜6の上には、ZnS/SiO2からなる第3の誘
電体膜7を厚さ400nmで被着形成している。 【0064】このように形成された比較例2の光ディス
クDの再生専用トラックTRにおける信号の再生は、線
速1m/sec〜12m/secとなるように光ディス
クDを回転させ、パワー5mW〜20mWでレーザ光を
照射し、ピット0.3μmの位相ピットPによる信号を
再生しても、再生時のC/Nは30dB以下にしかなら
なかった。 【0065】すなわち、例えばx=0.16、y=0.
33であり、Ge0.16Sb0.33Te0.51からなる相変化
材料膜2を用いた比較例2では、再生専用トラックTR
での信号の再生が上記具体例2に比較して劣化してしま
う。 【0066】以上、図1乃至図3を参照しながら説明し
た光ディスクDは、位相ピットPが部分的に形成され
た、例えばフォトポリマー法により形成されたガラス2
P基板である透明基板1上に、溶融後、結晶化し得る相
変化材料膜2を形成し、再生専用トラックTRと記録可
能トラックTWとを1トラックずつ交互に隣接させて形
成しているので、再生専用トラックTRに既に記録され
た情報に関与した情報を記録可能トラックTWに記録す
るような場合には、アクセス時間を短縮することができ
る。また、相変化材料膜2の組成範囲が、線速或はレー
ザパワー制御により、溶融後にアモルファスと結晶の両
者の状態を取り得る範囲であり、特に、GexSbyTe
z を用い、その組成範囲をx+y+z=1、かつ、0.
20≦x≦0.25、0.20≦y≦0.30としてい
るので、記録可能エリアの記録容量を減らすことなく、
再生専用エリアの記録容量を増加させることができ、さ
らに、製造工程を簡単にし、かつ、光学系の構造を複雑
にする必要がなく、従来の光学系をそのまま使用するこ
とができる。 【0067】次に、図4乃至図6を参照しながら、透明
基板1上の再生専用トラックTRと記録可能トラックTW
がランドL/グルーブGからなる連続溝構造に形成さ
れ、グルーブGを再生専用トラックTRとして、該再生
専用トラックTRと記録可能トラックTWとを隣接するよ
うに交互に形成した光ディスクDについて説明する。 【0068】この光ディスクDも図1にその基本的な概
略構成を示すように、最内周側にTOCエリアZtが割
り当てられ、その外周側に位相ピットが形成される再生
専用トラックと記録可能トラックがトラック単位で交互
に隣接してなる再生記録エリアZRWが割り当てられてい
る光ディスクDである。 【0069】先ず、図4及び図5は再生記録エリアZRW
の任意の領域zNの拡大図及び基本的な概略断面図であ
る。 【0070】この図4及び図5に示した構成を持つ再生
記録エリアZRWは、位相ピットPが部分的に形成された
円盤状のガラス基板、例えばフォトポリマー法により形
成されたガラス2P基板である透明基板1上に、溶融
後、結晶化し得る相変化材料膜2を直接的に形成し、再
生専用トラックTRと記録可能トラックTWとを1トラッ
クずつ交互に隣接させて形成している。 【0071】ここで、再生専用トラックTRはグルーブ
G上に、記録可能トラックTWはランドL上に形成され
ている。したがって、この光ディスクDは、グルーブG
上に形成した再生専用トラックTRと、ランドL上に形
成した記録可能トラックTWを1トラックおきに交互に
隣接させて形成した再生記録エリアZRW 及びTOCエ
リアZtに連続的に、相変化材料膜2を形成している。
再生専用トラックTRには、位相ピットPが予め記録さ
れており、記録可能トラックTWの相変化材料膜2に
は、後述するように記録マークMが形成される。 【0072】図6は、透明基板1上に、溶融後、結晶化
し得る相変化材料膜2を含んだ積層膜3を形成し、グル
ーブG上に形成した再生専用トラックTRとランドL上
に形成した記録可能トラックTWとを1トラックずつ交
互に隣接させて形成した再生記録エリアZRW の任意の
領域zNの概略断面図である。この場合の拡大図は、上
記図4と同様である。 【0073】すなわち、この図6に示す任意の領域zN
を持つ光ディスクは、グルーブG上に形成した再生専用
トラックTRとランドL上に形成した上記記録可能トラ
ックTWとを1トラックおきに交互に隣接させて形成し
た再生記録エリアZRW 及びTOCエリアZtに連続的
に、相変化材料膜2を含む積層膜3を形成している。こ
のため、再生専用トラックTRに既に記録された情報に
関与した情報を記録可能トラックTWに記録するような
場合には、トラックが隣接しているので、アクセス時間
を短縮することができる。 【0074】この相変化材料膜2を含む積層膜3は、図
3に示したと同様に、透明基板1側から順に第1の誘電
体膜4、相変化材料膜2、第2の誘電体膜5、反射膜6
及び第3の誘電体膜7が順次積層されて構成されている
のでここでは説明を省略する。 【0075】以下、この図6に示す概略第面図を持つ光
ディスクについての実施例を実施例2として示す。 【0076】実施例2 この実施例2では、図4に示すグルーブG上に形成され
た再生専用トラックT RとランドL上に形成された記録
可能トラックTWとのトラックピッチを1.5μmとし
ている。他の構造は、上記実施例1と同様であるのでこ
こでは説明を省略する。 【0077】このように形成された実施例2の光ディス
クDの記録可能トラックTWに信号を記録し、再生する
場合についても上記実施例1の場合と同様となった。ま
た、上記比較例1及び比較例2についても、この実施例
2に当てはまる。 【0078】以上、図4乃至図6を参照しながら説明し
た光ディスクDは、位相ピットPが部分的に形成され
た、例えばフォトポリマー法により形成されたガラス2
P基板である透明基板1上に、溶融後、結晶化し得る相
変化材料膜2を形成し、グルーブG上に形成した再生専
用トラックTRとランドL上に形成した記録可能トラッ
クTWとを1トラックずつ交互に隣接させて形成してい
るので、再生専用トラックTRに既に記録された情報に
関与した情報を記録可能トラックTWに記録するような
場合には、アクセス時間を短縮することができる。ま
た、相変化材料膜2の組成範囲が、線速或はレーザパワ
ー制御により、溶融後にアモルファスと結晶の両者の状
態を取り得る範囲であり、特に、GexSbyTez を用
い、その組成範囲をx+y+z=1、かつ、0.20≦
x≦0.25、0.20≦y≦0.30としているの
で、記録可能エリアの記録容量を減らすことなく、再生
専用エリアの記録容量を増加させることができ、さら
に、製造工程を簡単にし、かつ、光学系の構造を複雑に
する必要がなく、従来の光学系をそのまま使用すること
ができる。 【0079】また、図4乃至図6を参照しながら説明し
たこの光ディスクDは、グルーブG上に再生専用トラッ
クTRを設け、ランドL上に記録可能トラックTWを設け
ているので、超解像再生時の溶融部分や、記録マークの
必要以上の広がりを抑制できる。もちろん、グルーブG
上に記録可能トラックTWを、ランドL上に再生専用ト
ラックTRを形成してもよい。 【0080】 【0081】また、上述した光ディスクDにおいては、
透明基板1、相変化材料膜2、第1及び第2の誘電体膜
4及び5、反射膜6を以下の他の材料によって形成して
もよい。 【0082】先ず、透明基板1は、アクリル系樹脂、ポ
リオレフィン系樹脂、ガラス等を用いることができる。 【0083】相変化材料膜2は、カルコゲナイトすなわ
ちカルコゲン化合物あるいは単体のカルコゲンによって
構成することができる。例えば、Se、Teの各単体、
さらにこれらのカルコゲナイトのSb2Se3,Sb2T
e3,Se,Te,Bi2Te3,BiSe,In−S
e,In−Sb−Te,In−SbSe,In−Se−
Tl,Ge−Te−Sb,Ge−Te等のカルコゲナイ
ト系材料を用いることができる。ただし、この相変化材
料膜2は線速あるいはレーザパワーの制御により、溶融
後にアモルファスと結晶の両者の状態をとれる組成範囲
を有することが必要とされる。 【0084】第1、第2の誘電体膜4及び5は、Al、
Si等金属及び半導体元素の窒化物、酸化物、硫化物で
ある、例えばAlN,Si3N4,SiO2 ,Al2O3,
ZnS,MgF2 を用いることができる。ただし、半導
体レーザ波長領域において吸収の無いものであることが
条件となる。 【0085】反射膜6は、熱伝導率が0.0004J/
(cm・K・s)から2.2J/(cm・K・s)の値
を有する金属元素、半金属元素、半導体元素及びそれら
の化合物あるいは混合物が用いられる。 【0086】また、上記半透明金属としては、例えばC
uの他に、Au、Ag当を用いることができる。 【0087】次に、この光ディスクDに対して情報信号
の記録再生を行うディスク記録再生装置の概略構成を図
7〜図10に基づいて説明する。ここで、用いる光ディ
スクDは、上記図3に示した概略断面を持つ光ディスク
とする。 【0088】この記録再生装置は、図7に示すように、
光ディスクDを回転駆動するスピンドルモータ11と、
光ディスクDに対して情報信号の記録再生を光学的に行
う光ヘッド12とを有する。 【0089】スピンドルモータ11は、その回転軸11
aの先端に、光ディスクDの中央部が装着されるターン
テーブル13が設けられている。光ヘッド12は、スピ
ンドルモータ11の設置位置からターンテーブル13に
装着される光ディスクDを隔てた反対の位置に設置され
ており、例えばリニアモータ及びガイド軸を主体とする
図示しない既知のスライド機構によって、光ディスクD
の径方向に移動自在とされている。また、このスライド
機構には、光ヘッド12の位置を電気的に検出するスラ
イドエンコーダ14が設けられている。 【0090】この光ヘッド12には、レーザ光源15か
らの光ビームOを光ディスクD上に集光する対物レンズ
16が配設されている。この対物レンズ16は、二次元
アクチュエータ17によって、光ディスクDの接離方向
及び光ディスクDの径方向にそれぞれ僅かに移動する。
この二次元アクチュエータ17は、図示しないが例えば
フォーカス・コイル、トラッキング・コイル及びマグネ
ットからなる磁気回路を有する。 【0091】また、このディスク記録再生装置の回路系
は、少なくとも、モータ駆動制御回路21、信号選別回
路22、復調回路23、レーザ駆動制御回路24、フォ
ーカスサーボ回路25、トラッキングサーボ回路26及
びこれら各種回路を制御するシステムコントローラ27
を有して構成されている。 【0092】モータ駆動制御回路21は、システムコン
トローラ27からの駆動制御信号Smに基づいてスピン
ドルモータ11を駆動して、光ディスクDをCLV(線
速度一定)方式又はCAV(角速度一定)方式で回転駆
動させる回路である。 【0093】信号選別回路22は、光ヘッド12の光検
出手段28からの検出信号Sから、アドレス情報を含む
再生情報信号Sr、フォーカシングエラー信号Sf及び
トラッキングエラー信号Stを選別する回路である。こ
の信号選別回路22にて選別された信号中、再生情報信
号Srは復調回路23に供給され、フォーカシングエラ
ー信号Sfはフォーカスサーボ回路25に供給され、ト
ラッキングエラー信号Stはトラッキングサーボ回路2
6にそれぞれ供給される。 【0094】復調回路23は、信号選別回路22からの
再生情報信号Srをディジタルデータに変換し、更にこ
の変換したディジタルデータに付加されているエラー訂
正等の符号化処理を復号化処理して再生情報データDr
として出力する回路である。この復調回路23からの再
生情報データDrは、システムコントローラ27に供給
されると共に、インターフェイス回路41及びインター
フェイスバス(例えばSCSIバス)42を介してこの
記録再生装置に接続されているコンピュータ(図示せ
ず)に供給される。 【0095】レーザ駆動制御回路24は、システムコン
トローラ27からの駆動制御信号Scに基づいて光ヘッ
ド12内に設置されているレーザ光源15を駆動し、か
つ上記駆動制御信号Scの信号レベル等に基づいて、こ
のレーザ光源15から出射される光ビームOの出力(パ
ワー)及びパルス幅を制御する回路である。 【0096】フォーカスサーボ回路25は、信号選別回
路22からのフォーカシングエラー信号Sfに基づいて
光ヘッド12の上記二次元アクチュエータ17を駆動・
制御することにより、対物レンズ16を光ディスクDの
接離方向に移動させてその焦点調整を行う回路である。
トラッキングサーボ回路26は、信号選別回路22から
のトラッキングエラー信号Stに基づいて光ヘッド12
の二次元アクチュエータ17を駆動・制御することによ
り、対物レンズ16を光ディスクDの径方向に移動させ
てそのトラッキング調整を行う回路である。 【0097】システムコントローラ27は、その内部に
メモリが組み込まれており、このメモリには、TOCエ
リアZtに記録されている再生専用トラックTRと記録
可能トラックTWの位置を示す情報(以下、単にトラッ
ク位置情報と記す)が格納される配列変数領域が論理的
に割り付けられている。 【0098】即ち、システムコントローラ27は、再生
されたTOCエリアZtからの再生データのうち、上記
トラック位置情報を上記配列変数領域に格納し、光ヘッ
ド12による再生専用トラックTR又は記録可能トラッ
クTWへのアクセス時に、スライドエンコーダ14から
の光ヘッド12の位置検出データDpを上記トラック位
置情報と比較して、現在どのトラックに光ヘッド12が
いるかを判別する。 【0099】光ヘッド12は、図8の拡大図に示すよう
に、光ビームOの光源である半導体レーザからなる上記
レーザ光源15、光ビームOを光ディスクD上に集光さ
せる上記対物レンズ16及び光ディスクD上で反射した
戻り光ビームOrを検出して、その光量に応じた電流レ
ベル又は電圧レベルの電気信号(検出信号S)に変換す
る光検出手段28等を含む光学系の全体が、1個のユニ
ットとして構成され、既知の移動手段(例えばリニアモ
ータ等)によって光ディスクDの径方向に沿って移動す
るようになっている。 【0100】この光学系には、上記光学部品のほかに、
レーザ光源15から出射された光ビームOを平行光にす
るコリメータレンズ31と、光ビームOを少なくとも3
本の光束成分に分離する位相回折格子32と、レーザ光
源15からの光ビームOと光ディスクDからの戻り光ビ
ームOrとを分離する偏光ビームスプリッタ33と1/
4波長板34からなる光アイソレータ35とが配設さ
れ、また、戻り光ビームOrの光路中において、偏光ビ
ームスプリッタ33と光検出手段28との間に、戻り光
ビームOrの焦点距離の調整と非点収差を発生させるた
めのシリンドリカル・レンズ及び凹レンズで構成される
マルチレンズ36と、戻り光ビームOrを光検出手段2
8上に収束する結像レンズ37とが配設されている。 【0101】次に、上記光ヘッド12の動作について説
明する。まず、レーザ光源15から出射された光ビーム
Oは、コリメータレンズ31により平行光とされ、位相
回折格子32に入射される。この位相回折格子32によ
って、少なくとも3本の光束成分(0次光、+1次光及
び−1次光)に分離された光ビームOは、偏光ビームス
プリッタ33によりP成分のみの直線偏光、即ちP偏光
のみが通過する。 【0102】この偏光ビームスプリッタ33を通過した
P偏光は、1/4波長板34を通過することによって、
位相差がπ/2となり、例えば右回りの円偏光となる。
対物レンズ16にて光ディスクDに集光された右回りの
円偏光は、光ディスクD面で反射され、回転方向が逆の
左回りの円偏光となる。 【0103】このとき、3本の光ビームO(円偏光)の
うち、中央の1本(0次光)は光ディスクD上の記録ト
ラックの中央を照射し、残りの2本の光ビームO(±1
次光)は、記録可能エリアZwにおいては、案内溝を照
射する。従って、記録トラックの中央を照射する光ビー
ムOは、その照射した位置が再生専用トラックTRであ
る場合、記録トラックに沿って形成されている位相ピッ
トPに対応した変調を受ける。また、上記光ビームOの
照射位置が記録可能トラックTWである場合、案内溝に
照射されている光ビームOは、案内溝のエッジに対応す
る変調を受ける。 【0104】上記変調を受けた左回りの円偏光は、再び
対物レンズ16を通過して1/4波長板34を通過す
る。この1/4波長板34では、更に位相差がπ/2と
なることから入射した左回りの円偏光は、S成分のみの
直線偏光、即ちS偏光になる。このS偏光は、偏光ビー
ムスプリッタ33の境界面33aにて反射される。 【0105】この偏光ビームスプリッタ33の境界面3
3aにて反射された3本の戻り光ビームOrは、マルチ
レンズ36及び結像レンズ37を介して光検出手段28
上に入射される。この光検出手段28においては、入射
された3本の戻り光ビームOrを光電変換して、それぞ
れ検出信号Sに変換し、図7で示す信号選別回路22に
供給する。 【0106】ところで、相変化材料膜2は、一般に、照
射される光ビームOの出力とそのパルス幅によって、以
下に示すような状態変化を行う(図9参照)。即ち、光
ビームOを照射しても、相変化材料膜2は、溶融せず初
期状態を保持したまま結晶化状態である場合(以下、非
溶融状態と記す)、光ビームOを照射している間は、溶
融して液相化状態になっているが、光ビームOが通過し
た後、その冷却によって固相化したときに再び結晶化状
態に戻る場合(以下、溶融結晶化状態と記す)、及び光
ビームOが通過した後、その冷却によって固相に変化し
たときに、非晶質、即ちアモルファス状態に変化する場
合(以下、溶融非晶質化状態と記す)がある。 【0107】ここで、説明の便宜上、上記3種類の状態
変化に対応する光ビームOの出力とパルス幅の範囲(領
域)を以下のように定義する。まず、相変化材料膜2が
非溶融状態となる光ビームOの出力とパルス幅の範囲を
非溶融領域A、相変化材料膜2が溶融結晶化状態となる
光ビームOの出力とパルス幅の範囲を溶融結晶化領域
B、及び相変化材料膜2が溶融非晶質化状態となる光ビ
ームOの出力とパルス幅の範囲を溶融結晶化領域Cとす
る。 【0108】通常、記録媒体に対するデータアクセスに
おいては、データの読み出しとデータの書き込みの2挙
動があり、この光ディスクDに関しては、TOCエリア
Zt、再生専用トラックTR及び記録可能トラックTWに
対してデータの読み出しが行われ、データの書き込み
は、記録可能トラクTWに対してのみ行われる。 【0109】具体的に、上記ディスク記録再生装置に
て、光ディスクDに対してデータの記録再生を行う場合
について説明する。 【0110】まず、光ディスクDのターンテーブル13
への装着完了に基づいて、システムコントローラ27
は、モータ駆動制御回路21に駆動制御信号Smを出力
する。このモータ駆動制御回路21は、システムコント
ローラ27からの駆動制御信号Smに基づいて、スピン
ドルモータ11をCAV方式又はCLV方式で回転駆動
させる。ここでは、CLV方式で光ディスクDを回転
し、その線速度は7m/secに設定してある。 【0111】次に、システムコントローラ27は、光ヘ
ッド12用の図示しない既知のスライド機構に駆動信号
を供給する。このスライド機構は、上記システムコント
ローラ27からの駆動信号に基づいて、光ヘッド12を
光ディスクDの径方向に移動させる。そして、光ヘッド
12を光ディスクDの最内周側、即ちTOCエリアZt
に位置させ、このTOCエリアZtから上記トラック位
置情報を含むTOCデータを読み出す。この読み出した
トラック位置情報を含むTOCデータは、システムコン
トローラ27内に組み込まれているメモリの所定の配列
変数領域に格納される。 【0112】このTOCデータの具体的読み出しは、以
下で示す再生専用トラックTRに対するデータの読み出
しの説明において一括して説明する。 【0113】即ち、光ディスクDのTOCエリアZt及
び再生専用トラックTRに対するデータの読み出しにつ
いては、光ビームOの出力が溶融結晶化領域Bの範囲に
設定され、かつ光ディスクDに対して連続照射されるこ
とによってTOCエリアZt及び再生専用トラックTR
上のピット情報を読み出す。この光ビームOの出力は、
システムコントローラ27からレーザ駆動制御回路24
に供給される駆動制御信号Scに基づいて設定される。 【0114】即ち、システムコントローラ27におい
て、スライドエンコーダ14から供給される位置検出デ
ータDpとメモリ内に格納されているトラック位置情報
とに基づいて、現在、光ビームOの照射位置が再生専用
トラックTRであることが判別されると、システムコン
トローラ27は、レーザ駆動制御回路24に対して、溶
融結晶化領域Bの範囲を示す信号レベルの駆動制御信号
Scを出力する。レーザ駆動制御回路24は、システム
コントローラ27からの駆動制御信号Scの信号レベル
に応じてレーザ光源15を駆動・制御する。この場合、
光ビームOの出力は、溶融結晶化領域Bの範囲(例え
ば、出力=10mW)に設定されることになる。なお、
この読み出し動作においては、光ビームOが連続照射さ
れるため、上記溶融結晶化領域Bの範囲を決定するパル
ス幅は、光ビームOのスポット径/線速度にて換算する
ことよって求めることができる。 【0115】このとき、光ビームOの走査スポットSP
内での光強度は、図10の破線Aに示すように、ほぼガ
ウス分布に準じた強度分布になる。また、上記光ビーム
Oの照射による相変化材料膜2の温度分布は、実線Bに
示すように、走査スポットSPの中心から、光ビームO
の走査速度に対応した距離分、走査方向に対して遅れた
位置にピークを有する分布となる。 【0116】いま、走査スポットSP内に例えば2つの
位相ピットPが含まれる程度に位相ピットP間のピッチ
が狭いとする。また、走査されるスポットSPに最初に
進入する位相ピットを先頭ピットPa、次に進入する位
相ピットを次段ピットPbとして定義する。そして、走
査スポットSPが先頭ピットPa上を動くとき、その先
頭ピットPa上の相変化材料膜2は、次第に温度が上昇
するが、その相変化材料膜が液相化する温度に到達する
前にその先頭ピットPaが光学的に読み出される。 【0117】その後、走査スポットSPがその走査によ
って次段ピットPbにかかると、その次段ピットPb上
の相変化材料膜2の温度が上昇する。しかし、その温度
上昇は、次段ピットPb上の相変化材料膜2が液相化す
るまでには至らない。一方、同一走査スポットSP内に
ある先頭ピットPaは、その上の相変化材料膜2が走査
スポットSPによる光照射が続いていることから、その
温度が溶融温度MTより更に上昇し、その相変化材料膜
2が液相化することになる。 【0118】従って、この場合、先頭ピットPa上の相
変化材料膜2は、その液相化によって例えば光反射率が
著しく増加し、走査スポットSPによる先頭ピットPa
の光学的な読み出しが可能となる。 【0119】即ち、このTOCエリアZt及び再生専用
トラックTRに対するデータの読み出しにあたっては、
その光ビームOの光ディスクDとの相対移動による光デ
ィスクDにおける走査スポットSP内での温度分布を利
用して、その走査スポットSP内に生じる高温領域Px
で部分的に相変化材料膜2に液相状態を発生させ、これ
により、例えばその部分の光反射率を著しく増加させ、
この液相状態部分Px内にある位相ピットPaに対して
の光学的読み出しを可能としている。 【0120】つまり、走査スポットSP内において、液
相状態部分Pxの位相ピットPと他の状態の部分の位相
ピットを区別して読み出し、等価的に走査スポットSP
の有効領域Pzの面積を小さくする。その結果、位相ピ
ットPの配列ピッチを走査スポットSPの径よりも小さ
くすることが可能となり、位相ピットPを高密度形成し
ても、レンズ系の開口数NA、光ビームの波長λに制限
されることなく、高解像度をもってその読み出しを行う
ことができ、実質的に、再生専用トラックTRの記録容
量を大幅に増大させることができる。なお、この走査ス
ポットSPが通過した後、先頭ピットPa及び次段ピッ
トPb上の相変化材料膜2は、その通過後の冷却によっ
て結晶化状態に戻ることになる。 【0121】このTOCエリアZt及び再生専用トラッ
クTRに対するデータの読み出しにおいては、上記のよ
うに、光ビームOの出力を10mW、線速度を7m/s
ecとした場合において、位相ピット(ピット長=0.
3μm)を再生したときのC/Nは50dBであり、高
C/N(S/N)で位相ピットを光学的に読み出すこと
ができる。 【0122】次に、記録可能トラックTWに対してデー
タの書き込みを行う場合について説明する。この書込み
動作は、インターフェイスバス64に接続されている例
えばコンピュータ等から送られて来る記録データがシス
テムコントローラ27に供給されることによって行われ
る。 【0123】上述したように、相変化材料膜2は、光ビ
ームOの出力とパルス幅によって、非溶融状態、溶融結
晶化状態及び溶融非晶質化状態に変化する。従って、こ
の書込み動作においては、光ビームOの出力及びパルス
幅を、溶融非晶質化領域Cの範囲に設定して、データ
(ピット)の書き込みを行う。この光ビームOの出力設
定及びパルス幅設定は、以下のようにして行われる。 【0124】即ち、システムコントローラ27は、レー
ザ駆動制御回路24に対して、溶融非晶質化領域Cの範
囲を示す信号レベルで、かつ記録データに応じてオンオ
フ制御された駆動制御信号Scを出力する。レーザ駆動
制御回路Scは、システムコントローラ27からの駆動
制御信号Scの信号レベル及びそのオンオフ・タイミン
グに応じてレーザ光源15を駆動・制御する。この場
合、光ビームOは、その出力が、溶融非晶質化領域Cの
範囲(この実施例においては、出力=10mW、パルス
幅=118ns(デューティー50%))に設定され、
レーザ駆動制御回路によるオンオフ制御によって、部分
的に照射が行われるパルスレーザ(パルス幅=118n
s)として出力される。 【0125】そして、上記のように、上記溶融非晶質化
領域Cの範囲に設定された光ビームOが部分的に照射さ
れることによって、その照射された部分が非晶質化し、
光学的にピット情報が新たに書き込まれたかたちとな
る。このときの記録ピットのピット長は0.83μmと
なる。 【0126】次に、記録可能トラックTWに対してデー
タの読み出しを行う場合は、上記光ビームOの出力を、
非溶融領域Aの範囲に設定して、読み出しを行う。即
ち、システムコントローラ27において、スライドエン
コーダ14から供給される位置検出データDpとシステ
ムコントローラ27のメモリ内に格納されているトラッ
ク位置情報とに基づいて、現在、光ビームOの照射位置
が記録可能トラックTWであることが判別されると、シ
ステムコントローラ27は、レーザ駆動制御回路24に
対して、非溶融領域Aの範囲を示す信号レベルの駆動制
御信号Scを出力する。 【0127】レーザ駆動制御回路24は、システムコン
トローラ27からの駆動制御信号Scの信号レベルに応
じてレーザ光源15を駆動・制御する。この場合、光ビ
ームOの出力は、非溶融領域Aの範囲(この実施例にお
いては、出力=1mW)に設定されることになる。な
お、この記録可能トラックTWに対する読み出し動作に
おいても、光ビームOが連続照射されるため、上記非溶
融領域Aの範囲を決定するパルス幅は、光ビームOのス
ポット径/線速度にて換算することよって求めることが
できる。 【0128】そして、記録可能トラックTW上の相変化
材料膜2の結晶化部分における光反射と非晶質化部分
(ピット情報)における光反射の違いによって、記録さ
れているピット情報を光学的に読み出す。この場合、光
ビームOの出力が、上記非溶融領域Aの範囲に設定され
ていることから、読み出し時に非晶質化部分(ピット情
報)を消去、即ち結晶化することがない。 【0129】この記録可能トラックTWに対するデータ
の読み出しにおいては、上記のように、光ビームOの出
力を1mW、線速度を7m/Sとした場合において、記
録ピット(ピット長=0.83μm)を再生したときの
C/Nは45dBであり、高C/N(S/N)で記録ピ
ットを光学的に読み出すことができる。 【0130】このように以上に説明したディスク記録再
生装置は、上記光ディスクDに対して情報信号の記録再
生を行うことができる。特に、上記光ディスクDは、再
生専用トラックTRと記録可能トラックTWとを交互に隣
接して設けており、さらに、相変化材料膜2の組成範囲
が、線速或はレーザパワー制御により、溶融後にアモル
ファスと結晶の両者の状態を取り得る範囲であり、特
に、GexSbyTez を用い、その組成範囲をx+y+
z=1、かつ、0.20≦x≦0.25、0.20≦y
≦0.30としている。このため、上記ディスク記録再
生装置は、光ディスクDの記録可能エリアの記録容量を
減らすことなく、再生専用エリアの記録容量を増加させ
るように再生することができる。さらに、光学系の構造
を複雑にする必要がなく、従来の光学系をそのまま使用
することができる。 【0131】 【発明の効果】本発明に係る光ディスク装置は、位相ピ
ットPが部分的に形成された、例えばフォトポリマー法
により形成されたガラス2P基板である透明基板上に、
溶融後、結晶化し得る相変化材料膜を形成し、再生専用
トラックと記録可能トラックとを1トラック単位で交互
に隣接させて形成しているので、再生専用トラックに既
に記録された情報に関与した情報を記録可能トラックに
記録するような場合には、アクセス時間を短縮すること
ができる。また、相変化材料膜の組成範囲が、線速或は
レーザパワー制御により、溶融後にアモルファスと結晶
の両者の状態を取り得る範囲であり、特に、GexSb
yTezを用い、その組成範囲をx+y+z=1、か
つ、0.20≦x≦0.25、0.20≦y≦0.30
としているので、記録可能エリアの記録容量を減らすこ
となく、再生専用エリアの記録容量を増加させることが
でき、さらに、製造工程を簡単にし、かつ、光学系の構
造を複雑にする必要がなく、従来の光学系をそのまま使
用することができる。 【0132】 また、本発明に係る光ディスクは、位相
ピットが部分的に形成された、例えばフォトポリマー法
により形成されたガラス2P基板である透明基板上に、
溶融後、結晶化し得る相変化材料膜を形成し、グルーブ
上に形成した再生専用トラックとランド上に形成した記
録可能トラックとを1トラック単位で交互に隣接させて
形成しているので、再生専用トラックに既に記録された
情報に関与した情報を記録可能トラックに記録するよう
な場合には、アクセス時間を短縮することができる。ま
た、相変化材料膜の組成範囲が、線速或はレーザパワー
制御により、溶融後にアモルファスと結晶の両者の状態
を取り得る範囲であり、特に、GexSbyTezを用
い、その組成範囲をx+y+z=1、かつ、0.20≦
x≦0.25、0.20≦y≦0.30としているの
で、記録可能エリアの記録容量を減らすことなく、再生
専用エリアの記録容量を増加させることができ、さら
に、製造工程を簡単にし、かつ、光学系の構造を複雑に
する必要がなく、従来の光学系をそのまま使用すること
ができる。さらにまた、この光ディスクは、ランド/グ
ルーブの一方を再生専用トラックとし、他方を記録可能
トラックとしているので、超解像再生時の溶融部分や、
記録マークの必要以上の広がりを抑制できる。 【0133】
て、情報信号の再生又は記録が行われる光ディスクに関
する。 【0002】 【従来の技術】例えば、ディジタルオーディオディス
ク、いわゆるコンパクトディスクや、ビデオディスク等
の光ディスクは、予め情報信号に応じて位相ピットが形
成された透明基板上にアルミニウム反射膜を成膜し、こ
のアルミニウム反射膜上に保護膜を形成することで構成
されている。 【0003】また、最近では、空間的に再生専用エリア
と記録可能エリアに分離された光ディスクが提案されて
いる。この光ディスクは、透明基板の上記再生専用エリ
アに対応する面のみに上記位相ピットが形成されて構成
されている。 【0004】上述のような光ディスクにおいては、位相
ピットに対する信号再生の分解能がほとんど再生光学系
の光源の波長λと対物レンズの開口数NAによって決ま
り、透明基板上に形成された位相ピットの周期が回折限
界(λ/2NA)以上の場合に良好な再生信号が得られ
る。 【0005】このため、上記のような光ディスクにおい
て、位相ピットの高密度記録(形成)を図る場合、例え
ば再生光学系の光源である例えば半導体レーザの波長λ
を短くし、対物レンズの開口数NAを大きくすることで
達成できる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな空間的に再生専用エリアと記録可能エリアに分離さ
れた光ディスクにおいては、該再生専用エリアと該記録
可能エリアの分離の仕方によって、両者間のアクセス時
間を最大限に短縮することができない場合がある。例え
ば、ディスクの内周側と外周側で記録可能エリアと再生
専用エリアを分割する場合やセクタ単位で分割する場合
は、再生専用エリアにある既存の情報に関与した情報を
記録可能エリアに記録する際、両者が離れてしまってい
るのでアクセスに時間がかかる。 【0007】また、空間的に再生専用エリアと記録可能
エリアに分離された光ディスクにおいては、各々の記録
容量は、せいぜい半分ずつである。このような光ディス
クにおいて、例えばモニタに表示される背景画像に関す
る映像信号を、再生専用エリアに位相ピットとして記録
しようとすると、記録容量が足りない場合が生じる。 【0008】そこで、再生専用エリアの記録容量を大き
く設定することが考えられるが、この場合、記録可能エ
リアの記録容量が少なくなってしまい、扱える記録デー
タの量が大幅に制限されるという問題が生じる。 【0009】また、他の方法としては、例えば再生専用
エリアの位相ピットの形成ピッチを縮めることにより、
この再生専用エリアの記録容量を高密度にし、短波長レ
ーザで読み出す方法が考えられる。 【0010】しかし、この場合、短波長レーザとして、
グリーン、ブルー等の短波長レーザを使用することが考
えられるが、これらの短波長レーザは、信号記録を達成
出来るほどの出力がなく、現在のところ高速変調を実現
できていないのが現状である。従って、再生専用エリア
に対する信号再生用のレーザ光線(短波長レーザ)と記
録可能エリアに対する信号記録再生用の光源(通常しよ
うされているレーザ)が必要になり、光学系の構造が複
雑になるという問題がある。 【0011】さらに、再生専用エリアと記録可能エリア
を、ディスクとして構造を異ならせて製造する場合、例
えば、記録膜を全面に設けた後、再生専用エリアの部分
の記録膜をエッチングするように、ディスクの製造工程
に2種類以上の作成プロセスが含まれてしまい手間がか
かることになる。 【0012】このように、従来、空間的に再生専用エリ
アと記録可能エリアに分離された光ディスクにおいて
は、再生専用エリアと記録可能エリアの分割の仕方によ
っては、両者間のアクセス時間を最大限に短縮すること
ができなかったり、また、記録可能エリアの記録容量を
減らすことなく、再生専用エリアの記録容量を増加させ
ることができず、再生専用エリアに映像信号等の大容量
のデータを位相ピットとして記録(形成)することがで
きなかったり、さらに製造工程に手間がかかっていた。 【0013】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であり、再生専用エリアと記録可能エリアのアクセス時
間を最大限に短縮すると共に、記録可能エリアの記録容
量を減らすことなく、再生専用エリアの記録容量を増加
させることができ、さらに、製造工程を簡単にし、か
つ、光学系の構造を複雑にする必要がなく、従来の光学
系をそのまま使用することができる光ディスクの提供を
目的とする。 【0014】 【課題を解決するための手段】本発明に係る光ディスク
は、透明基板上に、GexSbyTezを用い、その組
成範囲をx+y+z=1、かつ、0.20≦x≦0.2
5、0.20≦y≦0.30である相変化材料膜で形成
された再生専用トラックと記録可能トラックとが、ラン
ド/グルーブの連続構造で、1トラック単位で交互に隣
接して形成され、上記ランド/グルーブのうち一方が上
記再生専用トラックとされ、上記再生専用トラックは、
位相ピットが予め設けられ、情報信号の読み出し時に、
上記相変化材料膜が、溶融後固相化したときに結晶化状
態に戻る出力範囲の読み出し光の走査スポット内で部分
的に液相化して、光反射率が変化し、読み出し後に、結
晶状態に戻る構成とされている。 【0015】 【0016】 【0017】 【0018】 【0019】 【0020】 【0021】 【作用】本発明に係る光ディスクは、再生専用トラック
と記録可能トラックが1トラック単位で交互に隣接して
なるので、アクセス時間を最大限に短縮することができ
る。 【0022】 また、本発明に係る光ディスクにおいて
は、1トラック単位で交互に隣接して設けられた上記再
生専用トラックと上記記録可能トラックに、相変化材料
膜を形成していることから、記録可能トラックの記録容
量を減らすことなく、再生専用トラックの記録容量を増
加させることができる。また、読み出し光及び書き込み
光の発生源である光源を従来と同じに1つの光源で構成
することができるため、光学系の構造を複雑にする必要
がなく、従来の光学系をそのまま使用できる。以下、相
変化材料膜の性質を説明すると共に、本発明において、
どのように該相変化材料膜の性質を利用しているかを説
明する。 【0023】一般に、相変化材料膜は、照射される光の
出力及びパルス幅によって、以下のような状態変化を行
う。即ち、光を照射しても、相変化材料膜は、溶融せず
初期状態を保持したまま結晶化状態である場合(以下、
非溶融状態という。)、光を照射している間は、溶融し
て液相化状態になっているが、光が通過した後、その冷
却によって固相化したときに再び結晶化状態に戻る場合
(以下、溶融結晶化状態という。)、及び光が通過した
後、その冷却によって固相に変化したときに、非晶質、
即ちアモルファス状態に変化する場合(以下、溶融非晶
質化状態という。)がある。 【0024】ここで、上記3種類の状態変化に対応する
照射光の出力の範囲(領域)を以下のように定義する。
まず、相変化材料膜が非溶融状態となる照射光の出力の
範囲を非溶融領域、相変化材料膜が溶融結晶化状態とな
る照射光の出力の範囲を溶融結晶化領域、及び相変化材
料膜が溶融非晶質化状態となる照射光の出力の範囲を溶
融非晶化領域と定義する。 【0025】本発明に係る光ディスクでは、トラック単
位で交互に隣接して設けられた上記再生専用トラックと
上記記録可能トラックに、溶融後、結晶化し得る相変化
材料膜を形成していることから、例えば再生専用トラッ
クに対する情報信号の読み出しは、以下のように行われ
る。ここで、この再生専用トラックには従来より高密度
の位相ピットが記録されているものとする。 【0026】まず、この再生専用トラックにおける従来
より高密度の位相ピットによる記録の再生に当たって
は、再生時の照射光である読み出し光の光ディスクとの
相対的移動による光ディスクにおける走査スポット内で
の温度分布を利用して、そのスポット内に生じる高温領
域で部分的に相変化材料膜に液相状態を発生させて反射
率を著しく増加させ、この液相状態部分内にある位相ピ
ットについては、例えば回折による読み出しを可能とし
ている。つまり、走査スポット内において液相状態部分
の位相ピットと他の状態の部分の位相ピットとを区別し
て読み出し、等価的に走査スポット内の有効領域の面積
を小さくしている。このため、λ/2NAに制約されな
い超解像再生を可能とする。また、位相ピットによる記
録が解像限界以内である場合には、後述する記録可能ト
ラックでの再生同様、結晶化温度に達しないような低パ
ワー出力のレーザ光の照射により再生することができ
る。 【0027】一方、記録可能トラックに対する情報信号
の書き込みは、以下のように行われる。相変化材料膜に
高パワーで照射光である書き込み光を照射し、一旦液相
状態とした後、急冷することにより溶融非晶質化状態で
あるアモルファス状態とする。このアモルファス状態と
されたときに相変化材料膜上に形成されるマークが記録
マークとなる。即ち、相変化材料膜は、書き込み光の出
力とパルス幅によって、非溶融状態、溶融結晶化状態及
び溶融非晶質化状態に変化するが、この書き込み動作に
おいては、書き込み光の出力及びパルス幅を、上記の例
でいえば、溶融非晶質化領域の範囲に設定して、書き込
みを行う。このとき、上記溶融非晶質化領域の範囲に設
定された書き込み光が照射された部分が非晶質化し、光
学的にピット情報が新たに書き込まれた形となる。 【0028】また、消去は相変化材料膜に低パワーで光
を照射し、結晶化温度以上、融点以下の温度状態とし結
晶状態とする。したがって、情報の書換えは、既存の情
報を一旦初期化することなく、いわゆるオーバーライト
である重ね書きによって可能となる。 【0029】また、情報の再生は相変化材料膜が結晶化
温度に達しないような低パワーのレーザ光照射により行
う。即ち、記録可能トラックに対して情報の読み出しを
行う場合は、上記読み出し光の出力を、上記の例でいえ
ば、非溶融領域の範囲に設定して、読み出しを行う。こ
の読み出し動作においては、記録可能トラック上の相変
化材料膜の結晶化部分における光反射と非晶質化部分
(ピット情報)における光反射の違いによって、記録さ
れているピット情報を光学的に読み出す。この場合、読
み出し光の出力が、上記非溶融領域の範囲に設定されて
いることから、読み出し時に非晶質化部分を除去、すな
わち、結晶化することがない。 【0030】 したがって、本発明に係る光ディスク
は、再生専用トラックと記録可能トラックとを1トラッ
ク単位で交互に隣接するように該各トラックを相変化材
料膜上に形成しているので、再生専用エリアと記録可能
エリアのアクセス時間を最大限に短縮すると共に、記録
可能エリアの記録容量を減らすことなく、再生専用エリ
アの記録容量を増加させることができ、さらに、製造工
程を簡単にし、かつ、光学系の構造を複雑にする必要が
なく、従来の光学系をそのまま使用することができる。 【0031】また、本発明に係る光ディスクの信号再生
方法は、上述した理由により、再生専用エリアと記録可
能エリアのアクセス時間を最大限に短縮した光ディスク
を、記録可能エリアの記録容量を減らすことなく、再生
専用エリアの記録容量を増加させることができ、さら
に、製造工程を簡単にし、かつ、光学系の構造を複雑に
せず、従来の光学系をそのまま使用して、該光ディスク
に記録された情報信号を再生することができる。 【0032】 【実施例】以下、本発明に係る光ディスク及び光ディス
クの信号再生方法を適用した光ディスクを説明する。 【0033】この光ディスクは、図1にその概略構成を
示すように、最内周側にTOCエリアZtが割り当てら
れ、その外周側に位相ピットが形成される再生専用トラ
ックと記録可能トラックがトラック単位で交互に隣接し
てなる再生記録エリアZRWが割り当てられている光ディ
スクDである。 【0034】以下に、再生記録エリアZRWの具体的な構
成を図1〜図7を参照しながら説明する。 【0035】先ず、図1に示す再生記録エリアZRW の
任意の領域zNの拡大図と、図2に示す基本的な概略断
面図を参照しながら本実施例の光ディスクを説明する。 【0036】この図1及び図2に示した構成を持つ再生
記録エリアZRWは、位相ピットPが部分的に形成された
円盤状のガラス基板、例えばフォトポリマー法により形
成されたガラス2P(フォト・ポリマー)基板である透
明基板1上に、溶融後、結晶化し得る相変化材料膜2を
直接的に形成し、再生専用トラックTRと記録可能トラ
ックTWとを1トラックずつ交互に隣接させて形成して
いる。 【0037】すなわち、上記再生専用トラックTRと上
記記録可能トラックTWとを1トラックおきに交互に隣
接させて形成した再生記録エリアZRW 及びTOCエリ
アZtに連続的に、相変化材料膜2を形成している。再
生専用トラックTRには、位相ピットPが予め記録され
ており、記録可能トラックTWの相変化材料膜2には、
後述するように記録マークMが形成される。 【0038】図3は、透明基板1上に、溶融後、結晶化
し得る相変化材料膜2を含んだ積層膜3を形成し、再生
専用トラックTRと記録可能トラックTWとを1トラック
ずつ交互に隣接させて形成した再生記録エリアZRW の
任意の領域zNの概略断面図である。この場合の任意の
領域zNの拡大図は、上記図1と同様である。 【0039】すなわち、この図3に示す任意の領域zN
を持つ光ディスクは、上記再生専用トラックTRと上記
記録可能トラックTWとを1トラックおきに交互に隣接
させて形成した再生記録エリアZRW 及びTOCエリア
Ztに連続的に、相変化材料膜2を含む積層膜3を形成
している。このため、再生専用トラックTRに既に記録
された情報に関与した情報を記録可能トラックTWに記
録するような場合には、トラックが隣接しているので、
アクセス時間を短縮することができる。 【0040】この相変化材料膜2を含む積層膜3は、透
明基板1側から順に第1の誘電体膜4、相変化材料膜
2、第2の誘電体膜5、反射膜6及び第3の誘電体膜7
が順次積層されて構成されている。ここで、透明基板1
と第1の誘電体膜4との間には、図示しない半透明金属
膜を形成してもよい。この場合、半透明金属膜、第1及
び第2の誘電体膜4及び5、反射膜6によって、この光
ディスクDの光学的特性、例えば非晶質部と結晶部の光
反射率等の設定が行われる構成となっている。また、第
3の誘電体膜7によって積層膜3の機械的強度が向上
し、繰り返し読み出し耐久性が向上する。さらに、第3
の誘電体膜7の上には、図示しないUVによる保護膜を
形成してもよい。なお、上記半透明金属としては、例え
ばAuのように屈折率nが1.0以下、消衰係数が2.
5以上、膜厚が5〜15nmであるものが用いられる。 【0041】以下、この図3に示す概略断面図を持つ光
ディスクについての実施例を実施例1として示す。 【0042】実施例1 この実施例1では、図1に示す再生専用トラックTRと
記録可能トラックTWとのトラックピッチを1.5μm
としている。各トラックTR、TWは、1トラックおきに
形成されているので、再生専用トラックTR同士及び記
録可能トラックTW同士のピッチは、それぞれ3.0μ
mとなる。また、再生専用トラックTRに予め記録され
ている位相ピットPは、深さが120nm、ピット長が
0.3μm、繰り返し周期が0.6μmである。なお、
この実施例1は、透明基板上に形成される各膜の構造を
異ならせることにより具体例1と具体例2とに分けられ
るので、以下ではこれら具体例1、具体例2について説
明する。 【0043】先ず、具体例1では、上記位相ピットPが
形成されたガラス2P基板である透明基板1の上に、Z
nS/SiO2からなる第1の誘電体膜4を膜厚90n
mで被着形成する。また、この第1の誘電体膜4の上に
は、Ge0.22Sb0.22Te0.56からなる相変化材料膜2
を厚さ20nmで被着形成する。また、この相変化材料
膜2の上には、ZnS/SiO2からなる第2の誘電体
膜5を厚さ30nmで被着形成する。また、この第2の
誘電体膜5の上には、Altiからなる反射膜6を厚さ
150nmで被着形成する。また、この反射膜6の上に
は、ZnS/SiO2からなる第3の誘電体膜7を厚さ
400nmで被着形成する。 【0044】このように形成された具体例1の光ディス
クDの記録可能トラックTWに信号を記録し、再生する
場合を以下に説明する。なお、以下で用いるレーザ光は
波長が780nmであり、対物レンズのNAは0.55
である。 【0045】先ず、光ディスクの初期化を行う。すなわ
ち、製造されたばかりの光ディスクは非晶質状態(アモ
ルファス状態)となっており、これを結晶状態にするた
めの初期化を行う。具体的には、線速7m/secとな
るように回転している光ディスクDにパワー6mWのD
Cレーザ光を照射して初期化(結晶化)を行う。 【0046】信号の記録は、線速12m/secとなる
ように回転している光ディスクDの記録可能トラックT
wに、パルス状(断続的)にパワー18mWのレーザ光
を照射し、マーク長1μmのアモルファスによる信号を
形成して行う。 【0047】そして、このアモルファスによる信号の再
生は、線速7m/secとなるように回転している光デ
ィスクDの記録可能トラックTw上の該信号にパワー1
mWのレーザ光を照射して行う。なお、このときのC/
Nは45dBとなった。 【0048】次に、この具体例1の光ディスクの再生専
用トラックTRに記録されている位相ピットPよりなる
信号を再生する場合を以下に説明する。なお、この再生
専用トラックTRにおける信号の再生の詳細については
後述するが、再生時の照射光である読み出し光の光ディ
スクとの相対的移動による光ディスクにおける走査スポ
ット内での温度分布を利用して、そのスポット内に生じ
る高温領域で部分的に相変化材料膜に液相状態を発生さ
せて反射率を著しく減少させ、この液相状態部分外にあ
る位相ピットについては、例えば回折による読み出しを
可能としている。つまり、走査スポット内において液相
状態部分の位相ピットと他の状態の部分の位相ピットと
を区別して読み出し、等価的に走査スポット内の有効領
域の面積を小さくしている。このため、λ/2NAに制
約されない超解像再生を可能とする。また、位相ピット
による記録が解像限界以内である場合には、結晶化温度
に達しないような低パワー出力のレーザ光の照射により
再生することができる。 【0049】この位相ピットPよりなる信号の再生は、
線速5m/secとなるように回転している光ディスク
Dの再生専用トラックTRにパワー12mWのレーザ光
をDC照射して行う。このとき、ピット長0.3μmの
位相ピットPよりなる信号は、C/Nが40dBで再生
できた。 【0050】次に、具体例2では、上記位相ピットPが
形成された透明基板1の上に、ZnS/SiO2からな
る第1の誘電体膜4を膜厚90nmで被着形成する。ま
た、この第1の誘電体膜4の上には、Ge0.21Sb0.26
Te0.53からなる相変化材料膜2を厚さ20nmで被着
形成する。また、この相変化材料膜2の上には、ZnS
/SiO2からなる第2の誘電体膜5を厚さ60nmで
被着形成する。また、この第2の誘電体膜5の上には、
Dyからなる反射膜6を厚さ150nmで被着形成す
る。また、この反射膜6の上には、ZnS/SiO2か
らなる第3の誘電体膜7を厚さ400nmで被着形成す
る。 【0051】このように形成された具体例2に関しても
上述した具体例1と同様に、光ディスクDの記録可能ト
ラックTWに信号を記録し、再生する場合について以下
に説明する。なお、以下で用いるレーザ光の波長と対物
レンズのNAは、上述した具体例1に用いたのと同様7
80nmと0.55である。 【0052】光ディスクの初期化(結晶化)は、線速7
m/secとなるように回転している光ディスクDにパ
ワー6mWのDCレーザ光を照射して行う。 【0053】信号の記録は、線速12m/secとなる
ように回転している光ディスクDの記録可能トラックT
wに、パルス状(断続的)にパワー17mWのレーザ光
を照射し、マーク長1μmのアモルファスによる信号を
形成して行う。 【0054】そして、このアモルファスによる信号の再
生は、線速7m/secとなるように回転している光デ
ィスクDの記録可能トラックTw上の該信号にパワー1
mWのレーザ光を照射して行う。なお、このときのC/
Nは50dBとなった。 【0055】また、この具体例2の光ディスクの再生専
用トラックTRに記録されている位相ピットPよりなる
信号を再生する原理も、上述した具体例1の場合と同様
である。位相ピットPよりなる信号の再生は、線速6m
/secとなるように回転している光ディスクDの再生
専用トラックTRにパワー10mWのレーザ光をDC照
射して行う。このとき、ピット長0.3μmの位相ピッ
トPよりなる信号は、C/Nが40dBで再生できた。 【0056】以上より、上記具体例1及び具体例2に分
けられる実施例1は、相変化材料膜2の組成範囲を、線
速或はレーザパワー制御により、溶融後にアモルファス
と結晶の両者の状態を取り得る範囲としている。すなわ
ち、相変化材料膜2には、GexSbyTez を用い、そ
の組成範囲をx+y+z=1、かつ、0.20≦x≦
0.25、0.20≦y≦0.30としている。 【0057】もし、相変化材料膜2を上記組成範囲(条
件)を満たさないGexSbyTezにより形成した場合
に、光ディスクDはどの位のC/Nとなるかを以下に示
しておく。ここでは、上記具体例1と比較する例を比較
例1、上記具体例2と比較する例を比較例2として説明
をする。 【0058】先ず、相変化材料膜2を構成するGexS
byTez において、例えばx=0.28、y=0.1
6である場合、すなわち、Ge0.28Sb0.16Te0.56で
ある相変化材料膜2を有する比較例1について説明す
る。 【0059】この比較例1は、上記具体例1の比較対象
である。よって、相変化材料膜2の組成式を除く他の構
成は上記具体例1と同様である。すなわち、位相ピット
Pが形成された透明基板1の上には、ZnS/SiO2
からなる第1の誘電体膜4を膜厚90nmで被着形成し
ている。また、この第1の誘電体膜4の上には、上述し
たようなGe0.28Sb0.16Te0.56からなる相変化材料
膜2を厚さ20nmで被着形成している。また、この相
変化材料膜2の上には、ZnS/SiO2からなる第2
の誘電体膜5を厚さ30nmで被着形成している。ま
た、この第2の誘電体膜5の上には、AlTiからなる
反射膜6を厚さ150nmで被着形成している。また、
この反射膜6の上には、ZnS/SiO2からなる第3
の誘電体膜7を厚さ400nmで被着形成している。 【0060】このように形成された比較例1の光ディス
クDの記録可能トラックTWにおける信号の記録は、線
速8m/sec〜15m/secとなるように光ディス
クDを回転させ、パワー9mW〜20mWでレーザ光を
パルス状に照射し、マーク長1μmのアモルファスによ
る信号を形成しても、再生時のC/Nは30dB以下に
しかならず、記録可能領域へのアモルファス記録は劣化
していると判断される。ここで、再生時の線速及びレー
ザ光パワーは具体例1の再生時と同様とした。 【0061】すなわち、例えばx=0.28、y=0.
16であり、Ge0.28Sb0.16Te0.56からなる相変化
材料膜2を用いた比較例1では、記録可能トラックTW
への信号の書き込みが上記具体例1に比較して著しく劣
化してしまい、記録可能領域でのアモルファス記録が困
難となる。 【0062】次に、相変化材料膜2を構成するGexS
byTez において、例えばx=0.16、y=0.3
3である場合、すなわち、Ge0.16Sb0.33Te0.51で
ある相変化材料膜2を有する比較例2について説明す
る。 【0063】この比較例2は、上記具体例2の比較対象
である。よって、相変化材料膜2の組成式を除く他の構
成は上記具体例2と同様である。すなわち、位相ピット
Pが形成された透明基板1の上には、ZnS/SiO2
からなる第1の誘電体膜4を膜厚90nmで被着形成し
ている。また、この第1の誘電体膜4の上には、上述し
たようなGe0.16Sb0.33Te0.51からなる相変化材料
膜2を厚さ20nmで被着形成している。また、この相
変化材料膜2の上には、ZnS/SiO2からなる第2
の誘電体膜5を厚さ60nmで被着形成している。ま
た、この第2の誘電体膜5の上には、Dyからなる反射
膜6を厚さ150nmで被着形成している。また、この
反射膜6の上には、ZnS/SiO2からなる第3の誘
電体膜7を厚さ400nmで被着形成している。 【0064】このように形成された比較例2の光ディス
クDの再生専用トラックTRにおける信号の再生は、線
速1m/sec〜12m/secとなるように光ディス
クDを回転させ、パワー5mW〜20mWでレーザ光を
照射し、ピット0.3μmの位相ピットPによる信号を
再生しても、再生時のC/Nは30dB以下にしかなら
なかった。 【0065】すなわち、例えばx=0.16、y=0.
33であり、Ge0.16Sb0.33Te0.51からなる相変化
材料膜2を用いた比較例2では、再生専用トラックTR
での信号の再生が上記具体例2に比較して劣化してしま
う。 【0066】以上、図1乃至図3を参照しながら説明し
た光ディスクDは、位相ピットPが部分的に形成され
た、例えばフォトポリマー法により形成されたガラス2
P基板である透明基板1上に、溶融後、結晶化し得る相
変化材料膜2を形成し、再生専用トラックTRと記録可
能トラックTWとを1トラックずつ交互に隣接させて形
成しているので、再生専用トラックTRに既に記録され
た情報に関与した情報を記録可能トラックTWに記録す
るような場合には、アクセス時間を短縮することができ
る。また、相変化材料膜2の組成範囲が、線速或はレー
ザパワー制御により、溶融後にアモルファスと結晶の両
者の状態を取り得る範囲であり、特に、GexSbyTe
z を用い、その組成範囲をx+y+z=1、かつ、0.
20≦x≦0.25、0.20≦y≦0.30としてい
るので、記録可能エリアの記録容量を減らすことなく、
再生専用エリアの記録容量を増加させることができ、さ
らに、製造工程を簡単にし、かつ、光学系の構造を複雑
にする必要がなく、従来の光学系をそのまま使用するこ
とができる。 【0067】次に、図4乃至図6を参照しながら、透明
基板1上の再生専用トラックTRと記録可能トラックTW
がランドL/グルーブGからなる連続溝構造に形成さ
れ、グルーブGを再生専用トラックTRとして、該再生
専用トラックTRと記録可能トラックTWとを隣接するよ
うに交互に形成した光ディスクDについて説明する。 【0068】この光ディスクDも図1にその基本的な概
略構成を示すように、最内周側にTOCエリアZtが割
り当てられ、その外周側に位相ピットが形成される再生
専用トラックと記録可能トラックがトラック単位で交互
に隣接してなる再生記録エリアZRWが割り当てられてい
る光ディスクDである。 【0069】先ず、図4及び図5は再生記録エリアZRW
の任意の領域zNの拡大図及び基本的な概略断面図であ
る。 【0070】この図4及び図5に示した構成を持つ再生
記録エリアZRWは、位相ピットPが部分的に形成された
円盤状のガラス基板、例えばフォトポリマー法により形
成されたガラス2P基板である透明基板1上に、溶融
後、結晶化し得る相変化材料膜2を直接的に形成し、再
生専用トラックTRと記録可能トラックTWとを1トラッ
クずつ交互に隣接させて形成している。 【0071】ここで、再生専用トラックTRはグルーブ
G上に、記録可能トラックTWはランドL上に形成され
ている。したがって、この光ディスクDは、グルーブG
上に形成した再生専用トラックTRと、ランドL上に形
成した記録可能トラックTWを1トラックおきに交互に
隣接させて形成した再生記録エリアZRW 及びTOCエ
リアZtに連続的に、相変化材料膜2を形成している。
再生専用トラックTRには、位相ピットPが予め記録さ
れており、記録可能トラックTWの相変化材料膜2に
は、後述するように記録マークMが形成される。 【0072】図6は、透明基板1上に、溶融後、結晶化
し得る相変化材料膜2を含んだ積層膜3を形成し、グル
ーブG上に形成した再生専用トラックTRとランドL上
に形成した記録可能トラックTWとを1トラックずつ交
互に隣接させて形成した再生記録エリアZRW の任意の
領域zNの概略断面図である。この場合の拡大図は、上
記図4と同様である。 【0073】すなわち、この図6に示す任意の領域zN
を持つ光ディスクは、グルーブG上に形成した再生専用
トラックTRとランドL上に形成した上記記録可能トラ
ックTWとを1トラックおきに交互に隣接させて形成し
た再生記録エリアZRW 及びTOCエリアZtに連続的
に、相変化材料膜2を含む積層膜3を形成している。こ
のため、再生専用トラックTRに既に記録された情報に
関与した情報を記録可能トラックTWに記録するような
場合には、トラックが隣接しているので、アクセス時間
を短縮することができる。 【0074】この相変化材料膜2を含む積層膜3は、図
3に示したと同様に、透明基板1側から順に第1の誘電
体膜4、相変化材料膜2、第2の誘電体膜5、反射膜6
及び第3の誘電体膜7が順次積層されて構成されている
のでここでは説明を省略する。 【0075】以下、この図6に示す概略第面図を持つ光
ディスクについての実施例を実施例2として示す。 【0076】実施例2 この実施例2では、図4に示すグルーブG上に形成され
た再生専用トラックT RとランドL上に形成された記録
可能トラックTWとのトラックピッチを1.5μmとし
ている。他の構造は、上記実施例1と同様であるのでこ
こでは説明を省略する。 【0077】このように形成された実施例2の光ディス
クDの記録可能トラックTWに信号を記録し、再生する
場合についても上記実施例1の場合と同様となった。ま
た、上記比較例1及び比較例2についても、この実施例
2に当てはまる。 【0078】以上、図4乃至図6を参照しながら説明し
た光ディスクDは、位相ピットPが部分的に形成され
た、例えばフォトポリマー法により形成されたガラス2
P基板である透明基板1上に、溶融後、結晶化し得る相
変化材料膜2を形成し、グルーブG上に形成した再生専
用トラックTRとランドL上に形成した記録可能トラッ
クTWとを1トラックずつ交互に隣接させて形成してい
るので、再生専用トラックTRに既に記録された情報に
関与した情報を記録可能トラックTWに記録するような
場合には、アクセス時間を短縮することができる。ま
た、相変化材料膜2の組成範囲が、線速或はレーザパワ
ー制御により、溶融後にアモルファスと結晶の両者の状
態を取り得る範囲であり、特に、GexSbyTez を用
い、その組成範囲をx+y+z=1、かつ、0.20≦
x≦0.25、0.20≦y≦0.30としているの
で、記録可能エリアの記録容量を減らすことなく、再生
専用エリアの記録容量を増加させることができ、さら
に、製造工程を簡単にし、かつ、光学系の構造を複雑に
する必要がなく、従来の光学系をそのまま使用すること
ができる。 【0079】また、図4乃至図6を参照しながら説明し
たこの光ディスクDは、グルーブG上に再生専用トラッ
クTRを設け、ランドL上に記録可能トラックTWを設け
ているので、超解像再生時の溶融部分や、記録マークの
必要以上の広がりを抑制できる。もちろん、グルーブG
上に記録可能トラックTWを、ランドL上に再生専用ト
ラックTRを形成してもよい。 【0080】 【0081】また、上述した光ディスクDにおいては、
透明基板1、相変化材料膜2、第1及び第2の誘電体膜
4及び5、反射膜6を以下の他の材料によって形成して
もよい。 【0082】先ず、透明基板1は、アクリル系樹脂、ポ
リオレフィン系樹脂、ガラス等を用いることができる。 【0083】相変化材料膜2は、カルコゲナイトすなわ
ちカルコゲン化合物あるいは単体のカルコゲンによって
構成することができる。例えば、Se、Teの各単体、
さらにこれらのカルコゲナイトのSb2Se3,Sb2T
e3,Se,Te,Bi2Te3,BiSe,In−S
e,In−Sb−Te,In−SbSe,In−Se−
Tl,Ge−Te−Sb,Ge−Te等のカルコゲナイ
ト系材料を用いることができる。ただし、この相変化材
料膜2は線速あるいはレーザパワーの制御により、溶融
後にアモルファスと結晶の両者の状態をとれる組成範囲
を有することが必要とされる。 【0084】第1、第2の誘電体膜4及び5は、Al、
Si等金属及び半導体元素の窒化物、酸化物、硫化物で
ある、例えばAlN,Si3N4,SiO2 ,Al2O3,
ZnS,MgF2 を用いることができる。ただし、半導
体レーザ波長領域において吸収の無いものであることが
条件となる。 【0085】反射膜6は、熱伝導率が0.0004J/
(cm・K・s)から2.2J/(cm・K・s)の値
を有する金属元素、半金属元素、半導体元素及びそれら
の化合物あるいは混合物が用いられる。 【0086】また、上記半透明金属としては、例えばC
uの他に、Au、Ag当を用いることができる。 【0087】次に、この光ディスクDに対して情報信号
の記録再生を行うディスク記録再生装置の概略構成を図
7〜図10に基づいて説明する。ここで、用いる光ディ
スクDは、上記図3に示した概略断面を持つ光ディスク
とする。 【0088】この記録再生装置は、図7に示すように、
光ディスクDを回転駆動するスピンドルモータ11と、
光ディスクDに対して情報信号の記録再生を光学的に行
う光ヘッド12とを有する。 【0089】スピンドルモータ11は、その回転軸11
aの先端に、光ディスクDの中央部が装着されるターン
テーブル13が設けられている。光ヘッド12は、スピ
ンドルモータ11の設置位置からターンテーブル13に
装着される光ディスクDを隔てた反対の位置に設置され
ており、例えばリニアモータ及びガイド軸を主体とする
図示しない既知のスライド機構によって、光ディスクD
の径方向に移動自在とされている。また、このスライド
機構には、光ヘッド12の位置を電気的に検出するスラ
イドエンコーダ14が設けられている。 【0090】この光ヘッド12には、レーザ光源15か
らの光ビームOを光ディスクD上に集光する対物レンズ
16が配設されている。この対物レンズ16は、二次元
アクチュエータ17によって、光ディスクDの接離方向
及び光ディスクDの径方向にそれぞれ僅かに移動する。
この二次元アクチュエータ17は、図示しないが例えば
フォーカス・コイル、トラッキング・コイル及びマグネ
ットからなる磁気回路を有する。 【0091】また、このディスク記録再生装置の回路系
は、少なくとも、モータ駆動制御回路21、信号選別回
路22、復調回路23、レーザ駆動制御回路24、フォ
ーカスサーボ回路25、トラッキングサーボ回路26及
びこれら各種回路を制御するシステムコントローラ27
を有して構成されている。 【0092】モータ駆動制御回路21は、システムコン
トローラ27からの駆動制御信号Smに基づいてスピン
ドルモータ11を駆動して、光ディスクDをCLV(線
速度一定)方式又はCAV(角速度一定)方式で回転駆
動させる回路である。 【0093】信号選別回路22は、光ヘッド12の光検
出手段28からの検出信号Sから、アドレス情報を含む
再生情報信号Sr、フォーカシングエラー信号Sf及び
トラッキングエラー信号Stを選別する回路である。こ
の信号選別回路22にて選別された信号中、再生情報信
号Srは復調回路23に供給され、フォーカシングエラ
ー信号Sfはフォーカスサーボ回路25に供給され、ト
ラッキングエラー信号Stはトラッキングサーボ回路2
6にそれぞれ供給される。 【0094】復調回路23は、信号選別回路22からの
再生情報信号Srをディジタルデータに変換し、更にこ
の変換したディジタルデータに付加されているエラー訂
正等の符号化処理を復号化処理して再生情報データDr
として出力する回路である。この復調回路23からの再
生情報データDrは、システムコントローラ27に供給
されると共に、インターフェイス回路41及びインター
フェイスバス(例えばSCSIバス)42を介してこの
記録再生装置に接続されているコンピュータ(図示せ
ず)に供給される。 【0095】レーザ駆動制御回路24は、システムコン
トローラ27からの駆動制御信号Scに基づいて光ヘッ
ド12内に設置されているレーザ光源15を駆動し、か
つ上記駆動制御信号Scの信号レベル等に基づいて、こ
のレーザ光源15から出射される光ビームOの出力(パ
ワー)及びパルス幅を制御する回路である。 【0096】フォーカスサーボ回路25は、信号選別回
路22からのフォーカシングエラー信号Sfに基づいて
光ヘッド12の上記二次元アクチュエータ17を駆動・
制御することにより、対物レンズ16を光ディスクDの
接離方向に移動させてその焦点調整を行う回路である。
トラッキングサーボ回路26は、信号選別回路22から
のトラッキングエラー信号Stに基づいて光ヘッド12
の二次元アクチュエータ17を駆動・制御することによ
り、対物レンズ16を光ディスクDの径方向に移動させ
てそのトラッキング調整を行う回路である。 【0097】システムコントローラ27は、その内部に
メモリが組み込まれており、このメモリには、TOCエ
リアZtに記録されている再生専用トラックTRと記録
可能トラックTWの位置を示す情報(以下、単にトラッ
ク位置情報と記す)が格納される配列変数領域が論理的
に割り付けられている。 【0098】即ち、システムコントローラ27は、再生
されたTOCエリアZtからの再生データのうち、上記
トラック位置情報を上記配列変数領域に格納し、光ヘッ
ド12による再生専用トラックTR又は記録可能トラッ
クTWへのアクセス時に、スライドエンコーダ14から
の光ヘッド12の位置検出データDpを上記トラック位
置情報と比較して、現在どのトラックに光ヘッド12が
いるかを判別する。 【0099】光ヘッド12は、図8の拡大図に示すよう
に、光ビームOの光源である半導体レーザからなる上記
レーザ光源15、光ビームOを光ディスクD上に集光さ
せる上記対物レンズ16及び光ディスクD上で反射した
戻り光ビームOrを検出して、その光量に応じた電流レ
ベル又は電圧レベルの電気信号(検出信号S)に変換す
る光検出手段28等を含む光学系の全体が、1個のユニ
ットとして構成され、既知の移動手段(例えばリニアモ
ータ等)によって光ディスクDの径方向に沿って移動す
るようになっている。 【0100】この光学系には、上記光学部品のほかに、
レーザ光源15から出射された光ビームOを平行光にす
るコリメータレンズ31と、光ビームOを少なくとも3
本の光束成分に分離する位相回折格子32と、レーザ光
源15からの光ビームOと光ディスクDからの戻り光ビ
ームOrとを分離する偏光ビームスプリッタ33と1/
4波長板34からなる光アイソレータ35とが配設さ
れ、また、戻り光ビームOrの光路中において、偏光ビ
ームスプリッタ33と光検出手段28との間に、戻り光
ビームOrの焦点距離の調整と非点収差を発生させるた
めのシリンドリカル・レンズ及び凹レンズで構成される
マルチレンズ36と、戻り光ビームOrを光検出手段2
8上に収束する結像レンズ37とが配設されている。 【0101】次に、上記光ヘッド12の動作について説
明する。まず、レーザ光源15から出射された光ビーム
Oは、コリメータレンズ31により平行光とされ、位相
回折格子32に入射される。この位相回折格子32によ
って、少なくとも3本の光束成分(0次光、+1次光及
び−1次光)に分離された光ビームOは、偏光ビームス
プリッタ33によりP成分のみの直線偏光、即ちP偏光
のみが通過する。 【0102】この偏光ビームスプリッタ33を通過した
P偏光は、1/4波長板34を通過することによって、
位相差がπ/2となり、例えば右回りの円偏光となる。
対物レンズ16にて光ディスクDに集光された右回りの
円偏光は、光ディスクD面で反射され、回転方向が逆の
左回りの円偏光となる。 【0103】このとき、3本の光ビームO(円偏光)の
うち、中央の1本(0次光)は光ディスクD上の記録ト
ラックの中央を照射し、残りの2本の光ビームO(±1
次光)は、記録可能エリアZwにおいては、案内溝を照
射する。従って、記録トラックの中央を照射する光ビー
ムOは、その照射した位置が再生専用トラックTRであ
る場合、記録トラックに沿って形成されている位相ピッ
トPに対応した変調を受ける。また、上記光ビームOの
照射位置が記録可能トラックTWである場合、案内溝に
照射されている光ビームOは、案内溝のエッジに対応す
る変調を受ける。 【0104】上記変調を受けた左回りの円偏光は、再び
対物レンズ16を通過して1/4波長板34を通過す
る。この1/4波長板34では、更に位相差がπ/2と
なることから入射した左回りの円偏光は、S成分のみの
直線偏光、即ちS偏光になる。このS偏光は、偏光ビー
ムスプリッタ33の境界面33aにて反射される。 【0105】この偏光ビームスプリッタ33の境界面3
3aにて反射された3本の戻り光ビームOrは、マルチ
レンズ36及び結像レンズ37を介して光検出手段28
上に入射される。この光検出手段28においては、入射
された3本の戻り光ビームOrを光電変換して、それぞ
れ検出信号Sに変換し、図7で示す信号選別回路22に
供給する。 【0106】ところで、相変化材料膜2は、一般に、照
射される光ビームOの出力とそのパルス幅によって、以
下に示すような状態変化を行う(図9参照)。即ち、光
ビームOを照射しても、相変化材料膜2は、溶融せず初
期状態を保持したまま結晶化状態である場合(以下、非
溶融状態と記す)、光ビームOを照射している間は、溶
融して液相化状態になっているが、光ビームOが通過し
た後、その冷却によって固相化したときに再び結晶化状
態に戻る場合(以下、溶融結晶化状態と記す)、及び光
ビームOが通過した後、その冷却によって固相に変化し
たときに、非晶質、即ちアモルファス状態に変化する場
合(以下、溶融非晶質化状態と記す)がある。 【0107】ここで、説明の便宜上、上記3種類の状態
変化に対応する光ビームOの出力とパルス幅の範囲(領
域)を以下のように定義する。まず、相変化材料膜2が
非溶融状態となる光ビームOの出力とパルス幅の範囲を
非溶融領域A、相変化材料膜2が溶融結晶化状態となる
光ビームOの出力とパルス幅の範囲を溶融結晶化領域
B、及び相変化材料膜2が溶融非晶質化状態となる光ビ
ームOの出力とパルス幅の範囲を溶融結晶化領域Cとす
る。 【0108】通常、記録媒体に対するデータアクセスに
おいては、データの読み出しとデータの書き込みの2挙
動があり、この光ディスクDに関しては、TOCエリア
Zt、再生専用トラックTR及び記録可能トラックTWに
対してデータの読み出しが行われ、データの書き込み
は、記録可能トラクTWに対してのみ行われる。 【0109】具体的に、上記ディスク記録再生装置に
て、光ディスクDに対してデータの記録再生を行う場合
について説明する。 【0110】まず、光ディスクDのターンテーブル13
への装着完了に基づいて、システムコントローラ27
は、モータ駆動制御回路21に駆動制御信号Smを出力
する。このモータ駆動制御回路21は、システムコント
ローラ27からの駆動制御信号Smに基づいて、スピン
ドルモータ11をCAV方式又はCLV方式で回転駆動
させる。ここでは、CLV方式で光ディスクDを回転
し、その線速度は7m/secに設定してある。 【0111】次に、システムコントローラ27は、光ヘ
ッド12用の図示しない既知のスライド機構に駆動信号
を供給する。このスライド機構は、上記システムコント
ローラ27からの駆動信号に基づいて、光ヘッド12を
光ディスクDの径方向に移動させる。そして、光ヘッド
12を光ディスクDの最内周側、即ちTOCエリアZt
に位置させ、このTOCエリアZtから上記トラック位
置情報を含むTOCデータを読み出す。この読み出した
トラック位置情報を含むTOCデータは、システムコン
トローラ27内に組み込まれているメモリの所定の配列
変数領域に格納される。 【0112】このTOCデータの具体的読み出しは、以
下で示す再生専用トラックTRに対するデータの読み出
しの説明において一括して説明する。 【0113】即ち、光ディスクDのTOCエリアZt及
び再生専用トラックTRに対するデータの読み出しにつ
いては、光ビームOの出力が溶融結晶化領域Bの範囲に
設定され、かつ光ディスクDに対して連続照射されるこ
とによってTOCエリアZt及び再生専用トラックTR
上のピット情報を読み出す。この光ビームOの出力は、
システムコントローラ27からレーザ駆動制御回路24
に供給される駆動制御信号Scに基づいて設定される。 【0114】即ち、システムコントローラ27におい
て、スライドエンコーダ14から供給される位置検出デ
ータDpとメモリ内に格納されているトラック位置情報
とに基づいて、現在、光ビームOの照射位置が再生専用
トラックTRであることが判別されると、システムコン
トローラ27は、レーザ駆動制御回路24に対して、溶
融結晶化領域Bの範囲を示す信号レベルの駆動制御信号
Scを出力する。レーザ駆動制御回路24は、システム
コントローラ27からの駆動制御信号Scの信号レベル
に応じてレーザ光源15を駆動・制御する。この場合、
光ビームOの出力は、溶融結晶化領域Bの範囲(例え
ば、出力=10mW)に設定されることになる。なお、
この読み出し動作においては、光ビームOが連続照射さ
れるため、上記溶融結晶化領域Bの範囲を決定するパル
ス幅は、光ビームOのスポット径/線速度にて換算する
ことよって求めることができる。 【0115】このとき、光ビームOの走査スポットSP
内での光強度は、図10の破線Aに示すように、ほぼガ
ウス分布に準じた強度分布になる。また、上記光ビーム
Oの照射による相変化材料膜2の温度分布は、実線Bに
示すように、走査スポットSPの中心から、光ビームO
の走査速度に対応した距離分、走査方向に対して遅れた
位置にピークを有する分布となる。 【0116】いま、走査スポットSP内に例えば2つの
位相ピットPが含まれる程度に位相ピットP間のピッチ
が狭いとする。また、走査されるスポットSPに最初に
進入する位相ピットを先頭ピットPa、次に進入する位
相ピットを次段ピットPbとして定義する。そして、走
査スポットSPが先頭ピットPa上を動くとき、その先
頭ピットPa上の相変化材料膜2は、次第に温度が上昇
するが、その相変化材料膜が液相化する温度に到達する
前にその先頭ピットPaが光学的に読み出される。 【0117】その後、走査スポットSPがその走査によ
って次段ピットPbにかかると、その次段ピットPb上
の相変化材料膜2の温度が上昇する。しかし、その温度
上昇は、次段ピットPb上の相変化材料膜2が液相化す
るまでには至らない。一方、同一走査スポットSP内に
ある先頭ピットPaは、その上の相変化材料膜2が走査
スポットSPによる光照射が続いていることから、その
温度が溶融温度MTより更に上昇し、その相変化材料膜
2が液相化することになる。 【0118】従って、この場合、先頭ピットPa上の相
変化材料膜2は、その液相化によって例えば光反射率が
著しく増加し、走査スポットSPによる先頭ピットPa
の光学的な読み出しが可能となる。 【0119】即ち、このTOCエリアZt及び再生専用
トラックTRに対するデータの読み出しにあたっては、
その光ビームOの光ディスクDとの相対移動による光デ
ィスクDにおける走査スポットSP内での温度分布を利
用して、その走査スポットSP内に生じる高温領域Px
で部分的に相変化材料膜2に液相状態を発生させ、これ
により、例えばその部分の光反射率を著しく増加させ、
この液相状態部分Px内にある位相ピットPaに対して
の光学的読み出しを可能としている。 【0120】つまり、走査スポットSP内において、液
相状態部分Pxの位相ピットPと他の状態の部分の位相
ピットを区別して読み出し、等価的に走査スポットSP
の有効領域Pzの面積を小さくする。その結果、位相ピ
ットPの配列ピッチを走査スポットSPの径よりも小さ
くすることが可能となり、位相ピットPを高密度形成し
ても、レンズ系の開口数NA、光ビームの波長λに制限
されることなく、高解像度をもってその読み出しを行う
ことができ、実質的に、再生専用トラックTRの記録容
量を大幅に増大させることができる。なお、この走査ス
ポットSPが通過した後、先頭ピットPa及び次段ピッ
トPb上の相変化材料膜2は、その通過後の冷却によっ
て結晶化状態に戻ることになる。 【0121】このTOCエリアZt及び再生専用トラッ
クTRに対するデータの読み出しにおいては、上記のよ
うに、光ビームOの出力を10mW、線速度を7m/s
ecとした場合において、位相ピット(ピット長=0.
3μm)を再生したときのC/Nは50dBであり、高
C/N(S/N)で位相ピットを光学的に読み出すこと
ができる。 【0122】次に、記録可能トラックTWに対してデー
タの書き込みを行う場合について説明する。この書込み
動作は、インターフェイスバス64に接続されている例
えばコンピュータ等から送られて来る記録データがシス
テムコントローラ27に供給されることによって行われ
る。 【0123】上述したように、相変化材料膜2は、光ビ
ームOの出力とパルス幅によって、非溶融状態、溶融結
晶化状態及び溶融非晶質化状態に変化する。従って、こ
の書込み動作においては、光ビームOの出力及びパルス
幅を、溶融非晶質化領域Cの範囲に設定して、データ
(ピット)の書き込みを行う。この光ビームOの出力設
定及びパルス幅設定は、以下のようにして行われる。 【0124】即ち、システムコントローラ27は、レー
ザ駆動制御回路24に対して、溶融非晶質化領域Cの範
囲を示す信号レベルで、かつ記録データに応じてオンオ
フ制御された駆動制御信号Scを出力する。レーザ駆動
制御回路Scは、システムコントローラ27からの駆動
制御信号Scの信号レベル及びそのオンオフ・タイミン
グに応じてレーザ光源15を駆動・制御する。この場
合、光ビームOは、その出力が、溶融非晶質化領域Cの
範囲(この実施例においては、出力=10mW、パルス
幅=118ns(デューティー50%))に設定され、
レーザ駆動制御回路によるオンオフ制御によって、部分
的に照射が行われるパルスレーザ(パルス幅=118n
s)として出力される。 【0125】そして、上記のように、上記溶融非晶質化
領域Cの範囲に設定された光ビームOが部分的に照射さ
れることによって、その照射された部分が非晶質化し、
光学的にピット情報が新たに書き込まれたかたちとな
る。このときの記録ピットのピット長は0.83μmと
なる。 【0126】次に、記録可能トラックTWに対してデー
タの読み出しを行う場合は、上記光ビームOの出力を、
非溶融領域Aの範囲に設定して、読み出しを行う。即
ち、システムコントローラ27において、スライドエン
コーダ14から供給される位置検出データDpとシステ
ムコントローラ27のメモリ内に格納されているトラッ
ク位置情報とに基づいて、現在、光ビームOの照射位置
が記録可能トラックTWであることが判別されると、シ
ステムコントローラ27は、レーザ駆動制御回路24に
対して、非溶融領域Aの範囲を示す信号レベルの駆動制
御信号Scを出力する。 【0127】レーザ駆動制御回路24は、システムコン
トローラ27からの駆動制御信号Scの信号レベルに応
じてレーザ光源15を駆動・制御する。この場合、光ビ
ームOの出力は、非溶融領域Aの範囲(この実施例にお
いては、出力=1mW)に設定されることになる。な
お、この記録可能トラックTWに対する読み出し動作に
おいても、光ビームOが連続照射されるため、上記非溶
融領域Aの範囲を決定するパルス幅は、光ビームOのス
ポット径/線速度にて換算することよって求めることが
できる。 【0128】そして、記録可能トラックTW上の相変化
材料膜2の結晶化部分における光反射と非晶質化部分
(ピット情報)における光反射の違いによって、記録さ
れているピット情報を光学的に読み出す。この場合、光
ビームOの出力が、上記非溶融領域Aの範囲に設定され
ていることから、読み出し時に非晶質化部分(ピット情
報)を消去、即ち結晶化することがない。 【0129】この記録可能トラックTWに対するデータ
の読み出しにおいては、上記のように、光ビームOの出
力を1mW、線速度を7m/Sとした場合において、記
録ピット(ピット長=0.83μm)を再生したときの
C/Nは45dBであり、高C/N(S/N)で記録ピ
ットを光学的に読み出すことができる。 【0130】このように以上に説明したディスク記録再
生装置は、上記光ディスクDに対して情報信号の記録再
生を行うことができる。特に、上記光ディスクDは、再
生専用トラックTRと記録可能トラックTWとを交互に隣
接して設けており、さらに、相変化材料膜2の組成範囲
が、線速或はレーザパワー制御により、溶融後にアモル
ファスと結晶の両者の状態を取り得る範囲であり、特
に、GexSbyTez を用い、その組成範囲をx+y+
z=1、かつ、0.20≦x≦0.25、0.20≦y
≦0.30としている。このため、上記ディスク記録再
生装置は、光ディスクDの記録可能エリアの記録容量を
減らすことなく、再生専用エリアの記録容量を増加させ
るように再生することができる。さらに、光学系の構造
を複雑にする必要がなく、従来の光学系をそのまま使用
することができる。 【0131】 【発明の効果】本発明に係る光ディスク装置は、位相ピ
ットPが部分的に形成された、例えばフォトポリマー法
により形成されたガラス2P基板である透明基板上に、
溶融後、結晶化し得る相変化材料膜を形成し、再生専用
トラックと記録可能トラックとを1トラック単位で交互
に隣接させて形成しているので、再生専用トラックに既
に記録された情報に関与した情報を記録可能トラックに
記録するような場合には、アクセス時間を短縮すること
ができる。また、相変化材料膜の組成範囲が、線速或は
レーザパワー制御により、溶融後にアモルファスと結晶
の両者の状態を取り得る範囲であり、特に、GexSb
yTezを用い、その組成範囲をx+y+z=1、か
つ、0.20≦x≦0.25、0.20≦y≦0.30
としているので、記録可能エリアの記録容量を減らすこ
となく、再生専用エリアの記録容量を増加させることが
でき、さらに、製造工程を簡単にし、かつ、光学系の構
造を複雑にする必要がなく、従来の光学系をそのまま使
用することができる。 【0132】 また、本発明に係る光ディスクは、位相
ピットが部分的に形成された、例えばフォトポリマー法
により形成されたガラス2P基板である透明基板上に、
溶融後、結晶化し得る相変化材料膜を形成し、グルーブ
上に形成した再生専用トラックとランド上に形成した記
録可能トラックとを1トラック単位で交互に隣接させて
形成しているので、再生専用トラックに既に記録された
情報に関与した情報を記録可能トラックに記録するよう
な場合には、アクセス時間を短縮することができる。ま
た、相変化材料膜の組成範囲が、線速或はレーザパワー
制御により、溶融後にアモルファスと結晶の両者の状態
を取り得る範囲であり、特に、GexSbyTezを用
い、その組成範囲をx+y+z=1、かつ、0.20≦
x≦0.25、0.20≦y≦0.30としているの
で、記録可能エリアの記録容量を減らすことなく、再生
専用エリアの記録容量を増加させることができ、さら
に、製造工程を簡単にし、かつ、光学系の構造を複雑に
する必要がなく、従来の光学系をそのまま使用すること
ができる。さらにまた、この光ディスクは、ランド/グ
ルーブの一方を再生専用トラックとし、他方を記録可能
トラックとしているので、超解像再生時の溶融部分や、
記録マークの必要以上の広がりを抑制できる。 【0133】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ディスクの基本的な概略構成と
再生記録エリアを示す図である。 【図2】図1に示した光ディスクの再生記録エリアの任
意の領域の基本的な概略断面図である。 【図3】図1に示した光ディスクの再生記録エリアの任
意の領域の概略断面図である。 【図4】再生専用トラックと記録可能トラックがランド
/グルーブからなる連続溝構造に形成された光ディスク
の再生記録エリアの任意の領域の拡大図である。 【図5】再生専用トラックと記録可能トラックがランド
/グルーブからなる連続溝構造に形成された光ディスク
の再生記録エリアの任意の領域の基本的な概略断面図で
ある。 【図6】再生専用トラックと記録可能トラックがランド
/グルーブからなる連続溝構造に形成された光ディスク
の再生記録エリアの任意の領域の概略断面図である。 【図7】本発明に係る光ディスクに対して情報信号の記
録再生を行うディスク記録再生装置の概略構成を示すブ
ロック図である。 【図8】本実施例に係る光ディスクに対して情報信号の
記録再生を行う光ヘッドの光学系を示す構成図である。 【図9】相変化材料膜の、光ビームの出力及びパルス幅
に対応した状態変化(相変化状態)を示す特性図であ
る。 【図10】光ビームの走査スポットの光強度と温度分布
を示す特性図である。 【符号の説明】 D 光ディスク ZRW 記録再生エリア TR 再生専用トラック TW 記録可能トラック P 位相ピット M 記録マーク L ランド G グルーブ 1 透明基板 2 相変化材料膜 3 積層膜 4 第1の誘電体膜 5 第2の誘電体膜 6 光反射膜 7 第3の誘電体膜
再生記録エリアを示す図である。 【図2】図1に示した光ディスクの再生記録エリアの任
意の領域の基本的な概略断面図である。 【図3】図1に示した光ディスクの再生記録エリアの任
意の領域の概略断面図である。 【図4】再生専用トラックと記録可能トラックがランド
/グルーブからなる連続溝構造に形成された光ディスク
の再生記録エリアの任意の領域の拡大図である。 【図5】再生専用トラックと記録可能トラックがランド
/グルーブからなる連続溝構造に形成された光ディスク
の再生記録エリアの任意の領域の基本的な概略断面図で
ある。 【図6】再生専用トラックと記録可能トラックがランド
/グルーブからなる連続溝構造に形成された光ディスク
の再生記録エリアの任意の領域の概略断面図である。 【図7】本発明に係る光ディスクに対して情報信号の記
録再生を行うディスク記録再生装置の概略構成を示すブ
ロック図である。 【図8】本実施例に係る光ディスクに対して情報信号の
記録再生を行う光ヘッドの光学系を示す構成図である。 【図9】相変化材料膜の、光ビームの出力及びパルス幅
に対応した状態変化(相変化状態)を示す特性図であ
る。 【図10】光ビームの走査スポットの光強度と温度分布
を示す特性図である。 【符号の説明】 D 光ディスク ZRW 記録再生エリア TR 再生専用トラック TW 記録可能トラック P 位相ピット M 記録マーク L ランド G グルーブ 1 透明基板 2 相変化材料膜 3 積層膜 4 第1の誘電体膜 5 第2の誘電体膜 6 光反射膜 7 第3の誘電体膜
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 小野 真澄
東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ
ニー株式会社内
(56)参考文献 特開 平5−258345(JP,A)
特開 平6−131701(JP,A)
特開 昭61−271627(JP,A)
実開 昭62−164626(JP,U)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
G11B 7/24
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 透明基板上に、GexSbyTezを用
い、その組成範囲をx+y+z=1、かつ、0.20≦
x≦0.25、0.20≦y≦0.30である相変化材
料膜で形成された再生専用トラックと記録可能トラック
とが、ランド/グルーブの連続構造で、1トラック単位
で交互に隣接して形成され、上記ランド/グルーブのう
ち一方が上記再生専用トラックとされ、上記再生専用ト
ラックは、位相ピットが予め設けられ、情報信号の読み
出し時に、上記相変化材料膜が、溶融後固相化したとき
に結晶化状態に戻る出力範囲の読み出し光の走査スポッ
ト内で部分的に液相化して、光反射率が変化し、読み出
し後に、結晶状態に戻る構成とされていることを特徴と
する光ディスク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20211494A JP3477834B2 (ja) | 1994-03-31 | 1994-08-26 | 光ディスク |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6-62600 | 1994-03-31 | ||
JP6260094 | 1994-03-31 | ||
JP20211494A JP3477834B2 (ja) | 1994-03-31 | 1994-08-26 | 光ディスク |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07320296A JPH07320296A (ja) | 1995-12-08 |
JP3477834B2 true JP3477834B2 (ja) | 2003-12-10 |
Family
ID=26403644
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20211494A Expired - Fee Related JP3477834B2 (ja) | 1994-03-31 | 1994-08-26 | 光ディスク |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3477834B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3076230B2 (ja) * | 1995-10-13 | 2000-08-14 | 日本電気株式会社 | 光ディスク |
-
1994
- 1994-08-26 JP JP20211494A patent/JP3477834B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07320296A (ja) | 1995-12-08 |
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