JP3477567B2 - 瞳孔測定装置およびアルツハイマー病診断装置 - Google Patents

瞳孔測定装置およびアルツハイマー病診断装置

Info

Publication number
JP3477567B2
JP3477567B2 JP11727896A JP11727896A JP3477567B2 JP 3477567 B2 JP3477567 B2 JP 3477567B2 JP 11727896 A JP11727896 A JP 11727896A JP 11727896 A JP11727896 A JP 11727896A JP 3477567 B2 JP3477567 B2 JP 3477567B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pupil
video camera
light
alzheimer
size
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP11727896A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0928672A (ja
Inventor
則夫 石川
栄弘 保坂
重昭 園田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Kohden Corp
Original Assignee
Nihon Kohden Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Kohden Corp filed Critical Nihon Kohden Corp
Priority to JP11727896A priority Critical patent/JP3477567B2/ja
Publication of JPH0928672A publication Critical patent/JPH0928672A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3477567B2 publication Critical patent/JP3477567B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Eye Examination Apparatus (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は瞳孔の大きさを測定
する瞳孔測定装置および瞳孔測定によりアルツハイマー
型痴呆症(アルツハイマー病)を診断する装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】老人性痴呆症の患者は国内で約100万
人いるといわれ、このうち約半数が脳血管性痴呆症、残
り半数がアルツハイマー病といわれる。このアルツハイ
マー病の場合、従来早期診断の方法が無かった。現在は
病気の進行を遅らせる薬剤が開発されているため、早期
診断が可能であれば病気の進行を遅らせることは可能で
ある。従って早期診断の方法が期待されていた。
【0003】最近、アメリカの雑誌SCIENCE(VO
L.266 11NOVEMBER1994)により、希釈した散瞳剤を眼に
投与し、その後の瞳孔面積または瞳孔径の拡大率を測定
することにより、アルツハイマー病を早期診断する方法
が発表された。この方法を用いた診断装置はまだ無い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで瞳孔面積あるい
は瞳孔径の拡大率を瞳孔撮像部とこの瞳孔撮像部から得
られるデータを解析するデータ解析部などの従来の装置
を組み合わせてこの種の診断装置を作成しようとすると
次のような問題が生じる。
【0005】まず瞳孔撮像部の従来のものは撮像用に連
続照明装置を用いて連続した光を眼球に照射する一方、
フラッシュ光で瞳孔を刺激し、その後の数秒間の瞳孔面
積あるいは瞳孔径の変化を測定するものであった。上記
のアルツハイマー病を早期診断する方法は、その瞳孔の
大きさの変化を30分から1時間に渡って測定することが
要求されている。しかしながら、このような長時間の測
定の間には、眼球運動が生じることが多く、被写体ブレ
が生じて瞳孔面積あるいは瞳孔径の正確な測定が困難と
なる。
【0006】例えば、ビデオカメラから得られる信号を
処理してモニタに画像を再現するには、通常、電子シャ
ッタは標準の1/60秒とし、ビデオカメラから1画面分
毎、すなわち1/60秒の間隔で出力されるデータから連続
する2フィールドのデータを採り、これによりモニタ画
面に1画面(1フレーム)を作成している。この場合速
い眼球運動が生じていれば間隔が1/60秒の2つのフィー
ルドの瞳孔の映像にすらずれが生じる。これを詳しく説
明すると次のようになる。
【0007】眼球運動は、緩徐相と急速相の2種類に大
別される。緩徐相は眼球運動のゆっくりした動きを指
し、急速相は眼球運動の速い動きを指す。急速相とは、
例えば踏切りで通過する電車を左から右に追いかけて見
たとき、一瞬で左に眼球を戻すときの動きを意味する。
逆に緩徐相は、電車を左から右に追いかけるときの眼球
の動きを意味する。さて、急速相における眼球の回転速
度は、300 〜500 度/sec といわれる。仮に500 度/se
c としたとき眼球の表面あるいはその表面と共に動く瞳
孔は以下のような運動をする。ここで図9に示すように
眼球の直径を30mmと仮定する。また電子シャッタの開時
間は標準の1/60秒とする。 (1)瞳孔中心の移動速度は、π×30×(500/360)mm/se
c=約131mm/sec (2)1/60秒間の瞳孔中心の移動距離は、(131mm/sec)
×(1/60sec)=約2.2mm (3)被写体としての瞳孔のブレは次のようになる。
【0008】瞳孔の大きさは、一般に直径が3〜5mm程
度である。ここでは図9に示すように4mmと仮定する。
直径が4mmの瞳孔が、1/60秒の間に2.2mm 移動するとい
うことは、図10に示すように長軸方向の径が約6.2mm 、
短軸方向の径が約4mm の略楕円の映像となって現れると
いうことである。この場合見かけの面積は真の面積の約
150 %以上となり50%以上の誤差が生じる。このため正
確な瞳孔面積あるいは瞳孔径を測定することは不可能と
なる。
【0009】そこで一つの方法として、電子シャッタの
開時間は標準の1/60秒のままとするが、ビデオカメラか
ら得られる同じ1フィールドのデータを2度用いて、モ
ニタ画面に1画面(1フレーム)を作成する方法をとっ
ても良い。しかしこの方法によっても連続照明であれば
1/60秒間の1フィールドの間で画像がブレて不鮮明な瞳
孔画像となってしまう。
【0010】他の対策の1つとして、電子シャッタの開
時間を例えば1/1000秒という短い時間に設定して強い光
の連続照明を用いる方法がある。この方法によれば、前
述したように眼球の回転速度が500 度/sec 、眼球の直
径が30mmのとき、眼球の表面に沿って動く瞳孔中心の移
動速度は、約131mm/sec であるから、1/1000秒間の瞳孔
中心の移動距離は、(131mm/sec) ×(1/1000sec)=0.131m
m である。瞳孔の直径が4mmであるとすると瞳孔の見か
けの面積を真の面積と比べると、4.131 2 /42=1.067
(倍)となり、誤差は6.7 %程度と小さくなる。
【0011】しかし、強い光を連続して眼球に照射する
と、角膜障害を起こす危険性があり実用的でない。逆に
弱い連続照明を用いて電子シャッタの開時間を例えば1/
1000秒という短い時間にすると、画像が暗くなるため画
像解析が困難となり、瞳孔の大きさの測定には不向きで
ある。
【0012】次に瞳孔撮像部から得られるデータを解析
するデータ解析部であるが、従来は所定時間毎に得られ
る瞳孔の大きさに関するデータをそのまま用いているた
め、瞳孔自体が縮小・拡大し、その面積が絶えず変化し
ている点が無視され誤差を招くこととなっていた。例え
ば最初の瞳孔面積の測定値を100 %とし、以後の瞳孔面
積を0.2 秒に1回の割で40秒間測定すると、図7に示す
ように瞳孔面積は絶えず変化し、その変化率は100 〜13
0 %程度まで及んでいる。従って、短時間の細かな動き
を測定するのであれば良いが、長時間のトータルの変化
を測定するためには良い方法とはいえないばかりかこの
ようなデータから正しい診断をすることは困難であっ
た。
【0013】本発明は、このような従来の装置の組合わ
せでは測定時間の長いアルツハイマー病の診断が不可能
であった点に鑑みなされたものであり、その目的は、瞳
孔の大きさを正確に測定するための鮮明な瞳孔の画像デ
ータが得られ、瞳孔面積あるいは瞳孔径の測定データが
多少変動しても平均化されたデータが得られるようにし
たため、正確にアルツハイマー病の診断を可能となる装
置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図8(A) に示すように被検者の眼球に向けて設置される
ビデオカメラaと、このビデオカメラaの撮像用の光を
所定の周期でパルス状に照射する光照射手段bと、前記
ビデオカメラaから出力される映像信号を処理して瞳孔
の大きさに関する量を複数の時点について所定数ずつ検
出する検出手段cとを具備する。
【0015】請求項2に係る発明は、図8(B) に示すよ
うに請求項1に係る発明において、検出手段cが検出し
た所定数の瞳孔の大きさに関する量の平均値を計算する
平均値計算手段dを具備する。
【0016】請求項3に係る発明は、図8(C) に示すよ
うに被検者の眼球に向けて設置されるビデオカメラa
と、このビデオカメラaの撮像用の光を所定の周期でパ
ルス状に照射する光照射手段bと、前記ビデオカメラa
から出力される映像信号を処理して瞳孔の大きさに関す
る量を複数の時点について所定数ずつ検出する検出手段
cと、この検出手段cが検出した量に基づいてアルツハ
イマー病か否かを判定eする判定手段とを具備する。
【0017】請求項4に係る発明は、図8(D) に示すよ
うに被検者の眼球に向けて設置されるビデオカメラa
と、このビデオカメラaの撮像用の光を所定の周期でパ
ルス状に照射する光照射手段bと、前記ビデオカメラa
から出力される映像信号を処理して瞳孔の大きさに関す
る量を複数の時点について所定数ずつ検出する検出手段
cと、この検出手段cが検出した所定数の瞳孔の大きさ
に関する量の平均値を計算する平均値計算手段dと、こ
の平均値計算手段dが計算して求めた瞳孔の大きさに関
する量の平均値に基づいてアルツハイマー病か否かを判
定する判定手段eとを具備する。
【0018】請求項5に係る発明は、図8(E) に示すよ
うに被検者の眼球に向けて設置されるビデオカメラa
と、このビデオカメラaの撮像用の光を照射する光照射
手段fと、前記ビデオカメラaから出力される映像信号
を処理して瞳孔の大きさに関する量を複数の時点につい
て所定数ずつ検出する検出手段cと、この検出手段cが
検出した量に基づいて、少なくとも1つの定められた時
点間における瞳孔の大きさの変化率を計算する変化率計
算手段gと、この変化率計算手段が計算して求めた瞳孔
の大きさに関する量の変化率に基づいてアルツハイマー
病か否かを判定する判定手段eとを具備する
【0019】
【発明の実施の形態】請求項1に係る発明では、光照射
手段bにより被検者の眼球に撮像用の光がパルス状に照
射される。ビデオカメラaから出力される映像信号はこ
のパルス状の光を照射された瞳孔の映像信号であり、検
出手段cはこの映像信号を処理して瞳孔の大きさに関す
る量を複数の時点について所定数ずつ検出する。
【0020】請求項2に係る発明では、平均値計算手段
dは、検出手段cが検出した所定数の瞳孔の大きさに関
する量の平均値を計算する。
【0021】請求項3に係る発明では、光照射手段bに
より被検者の眼球に撮像用の光がパルス状に照射され
る。ビデオカメラaから出力される映像信号はこのパル
ス状の光を照射された瞳孔の映像信号であり、検出手段
cはこの映像信号を処理して瞳孔の大きさに関する量を
複数の時点について所定数ずつ検出する。判定手段e
は、検出手段が検出した量に基づいてアルツハイマー病
か否かを判定する。
【0022】請求項4に係る発明では、光照射手段bに
より被検者の眼球に撮像用の光がパルス状に照射され
る。ビデオカメラaから出力される映像信号はこのパル
ス状の光を照射された瞳孔の映像信号であり、検出手段
cはこの映像信号を処理して瞳孔の大きさに関する量を
複数の時点について所定数ずつ検出する。平均値計算手
段dは、検出手段cが検出した所定数の瞳孔の大きさに
関する量の平均値を計算する。判定手段eは、平均値計
算手段が計算して求めた瞳孔の大きさに関する量の平均
値に基づいてアルツハイマー病か否かを判定する。
【0023】請求項5に係る発明では、光照射手段fに
より被検者の眼球に撮像用の光が照射される。ビデオカ
メラaから出力される映像信号はこの光を照射された瞳
孔の映像信号であり、検出手段cはこの映像信号を処理
して瞳孔の大きさに関する量を複数の時点について所定
数ずつ検出する。変化率計算手段gはこの検出手段cが
検出した量に基づいて、少なくとも1つの定められた時
点間における瞳孔の大きさの変化率を計算する。さらに
この変化率計算手段が計算して求めた瞳孔の大きさに関
する量の平均率に基づいてアルツハイマー病か否かを判
定する。
【0024】
【実施例】第1の実施例の全体構成を図1を参照して説
明する。一対のビデオカメラ1A,1Bは、それぞれ光学レ
ンズ、撮像素子などからなり、被写体を2次元の画像に
変換し、その画像を複数の画素に分割し、各画素を電気
信号に変換し、それらを所定の順序で出力するものであ
る。本実施例では撮像素子はCCDである。また、本実
施例では赤外線を用いているためビデオカメラ1A,1B の
前面には雑音となる可視光を排除する可視光カットフィ
ルタ2A,2B が設けられている。ビデオカメラ1A,1B の近
傍にはそれぞれ光源3A,3B が設けられている。光源3A,3
B は赤外光を発生するLEDである。
【0025】ビデオカメラ1A,1B 、可視光カットフィル
タ2A,2B 、光源3A,3B は、図2に示すようにゴーグル20
を構成する要素となっている。すなわちこれらはゴーグ
ル本体21に取り付けられ一体化されている。光源3A,3B
は、それぞれ複数個のLEDからなり、これらはビデオ
カメラ1A,1B の前面の周囲に配置されている。
【0026】再び図1に戻って説明すると、一対のビデ
オカメラコントロールユニット4A,4Bはビデオカメラ1
A,1B の電子シャッターの動作のタイミング、すなわち
露光の周期と露光時間を制御すると共にビデオカメラ1
A,1B の出力を制御するものであり、ビデオカメラ1A,1B
から出力された映像信号に同期信号を含ませた複合映
像信号を作成して出力するものである。同期照明回路5
A,5B はビデオカメラコントロールユニット4A,4B から
出力される複合映像信号の同期信号に基づいて光源3A,3
B の点滅のタイミングを決定するものである。
【0027】マルチプレクサ6は、ビデオカメラコント
ロールユニット4A,4B それぞれの出力を選択して出力す
るものである。A/D変換器7は、マルチプレクサ6の
出力をディジタル信号に変換して出力するものである。
【0028】ディジタルコンピュータ8は、ビデオカメ
ラコントロールユニット4A,4B 、同期照明回路5A,5B 、
マルチプレクサ6およびA/D変換器7を制御すると共
にA/D変換器7の出力データを処理するものであり、
本実施例ではパーソナルコンピュータである。
【0029】ディジタルコンピュータ8は、CPU9
と、このCPU9に接続された主メモリ10、外部記憶制
御部11、入出力制御部13、キーボード制御部14、表示制
御部15およびプリンタ制御部16と、外部記憶制御部11、
キーボード制御部14、表示制御部15およびプリンタ制御
部16それぞれに接続された外部記憶装置12、キーボード
17、表示装置18、プリンタ19とを具備している。CPU
9はこのディジタルコンピュータ8全体を統括制御する
ものであり、主メモリ10に格納されたプログラムに基づ
いて各部の制御やデータ処理を行うものである。主メモ
リ10はROM(読み出し専用メモリ)とRAM(読み出
し/書き込みメモリ)から成る。ROMには外部記憶装
置12からRAMに読み出されたプログラムをCPU9が
実行する際に必要なプログラムやデータが格納されてい
る。RAMはCPU9がデータ処理を行う際に必要なデ
ータあるいはデータ処理結果が書き込まれるものであ
る。外部記憶装置12には種々のプログラムやデータが格
納されており、本実施例では図3のプログラムが格納さ
れている。
【0030】外部記憶制御部11は、CPU9の指示によ
り外部記憶装置12に対するデータの読み出し、書き込み
を制御するものである。入出力制御部13は、外部装置に
対するデータの授受あるいは制御信号の送出を制御する
ものである。
【0031】キーボード17は、複数のキーを有し、これ
らのキーが押下されるとそれに応じた信号を出力するも
のである。キーボード制御部14は、CPU9の指示によ
りキーボード17の出力信号を制御して主メモリ10に格納
するものである。表示装置18は与えられたデータを表示
画面に可視表示するものであり、本実施例ではCRTで
ある。表示制御部15は、CPU9の指示により主メモリ
10に格納されたデータを表示装置18に表示させるもので
ある。プリンタ19は、与えられたデータを用紙に印刷す
るものである。プリンタ制御部16は、CPU9の指示に
よりプリンタ19を制御し、このプリンタ19により主メモ
リ10に格納されたデータに基づく印字を行わせるもので
ある。
【0032】本実施例において、ビデオカメラ1A,1B
と、光源3A,3B と、同期照明回路2A,2Bと、ビデオカメ
ラコントロールユニット4A,4B と、マルチプレクサ6
と、A/D変換器7と、ディジタルコンピュータ8を構
成する手段のうち映像信号を処理して瞳孔の大きさを検
出する機能に相当する手段とから瞳孔測定装置が構成さ
れている。このうちビデオカメラ1A,1B がビデオカメラ
に相当し、光源3A,3B と同期照明回路5A,5B から光照射
手段が構成され、ビデオカメラコントロールユニット4
A,4B と、マルチプレクサ6と、A/D変換器7と、デ
ィジタルコンピュータ8を構成する手段のうち映像信号
を処理して瞳孔の大きさを検出する機能に相当する手段
から検出手段が構成されている。
【0033】また本実施例において、上記瞳孔測定装置
を構成する各要素と、ディジタルコンピュータ8を構成
する手段のうち瞳孔の大きさに基づいてアルツハイマー
病か否かを判定する機能に相当する手段とからアルツハ
イマー病診断装置が構成されている。瞳孔測定装置を構
成する各要素は前述した実施例の各要素にそれぞれ対応
しており、ディジタルコンピュータ8を構成する手段の
うち瞳孔の大きさに基づいてアルツハイマー病か否かを
判定する機能に相当する手段が判定手段に相当する。
【0034】次に、このように構成された本実施例装置
の動作を図3のフローチャートを参照して説明する。こ
こでキーボード17の操作により図3のフローチャートに
示すプログラムが外部記憶装置12から主メモリ10のRA
Mに読み出されているものとする。
【0035】(1)散瞳剤投与前;ステップ 301におい
てまず被検者は図2に示したゴーグル20を装着し測定の
準備をする。このとき図1に示すように左眼22A はビデ
オカメラ1Aの前方に、右眼22B はビデオカメラ1Bの前方
に位置する。次にステップ302 において本装置の電源を
オンにし、測定をスタートすると、ステップ303 の測定
を開始する。その結果ビデオカメラコントロールユニッ
ト4A,4B それぞれから図4(a),(b) に示すように左眼及
び右眼の複合映像信号が出力される。同期照明回路5Aは
図4(c) に示すようにビデオカメラコントロールユニッ
ト4Aの出力の同期信号に同期し、例えば、幅1ミリ秒の
パルス信号を光源3Aに出力する。この信号により指示さ
れる周期および幅で光源3Aは点灯する。同様に同期照明
回路5Bは図4(d) に示すようにビデオカメラコントロー
ルユニット4Bの出力の同期信号に同期し、かつ周期が0.
2 秒、幅1マイクロ秒のパルス信号を光源3Aに出力す
る。この信号により指示された時間幅で光源3Bは点灯す
る。尚、ビデオカメラ1A,1Bの電子シャッタはビデオカ
メラコントロールユニット4A,4B により、同期照明回路
5A,5B が光源3A,3B を点灯させる時期と同じタイミング
で開となるようにされている。マルチプレクサ6はビデ
オカメラコントロールユニット4Aの出力を図4(e) のタ
イミングで選択してA/D変換器7に出力し、ビデオカ
メラコントロールユニット4Bの出力を図4(f) のタイミ
ングで選択してA/D変換器7に出力する。このため、
ビデオカメラコントロールユニット4A,4B それぞれの出
力は交互に1フィールド毎A/D変換され、ディジタル
コンピュータ8に与えられる。
【0036】一方、ディジタルコンピュータ8のCPU
9は、図3に示すステップ305 において、第1の計時を
開始するとともにA/D変換器7から出力される左右そ
れぞれの1フィールドずつの映像信号を取り込み、主メ
モリ10のRAMに格納する。次にCPU9はステップ30
6 に進み、取り込んだ左右それぞれの1フィールドずつ
の映像信号を2値化して瞳孔の画像の輪郭を明確に形成
する。次にCPU9はステップ307 に進み、形成した左
右それぞれの瞳孔の画像から瞳孔面積を求め、そのデー
タを主メモリ10のRAMに格納する。次にCPU9はス
テップ308 に進み、第1の計時を開始してから1分経過
するまで待ち、1分間経過していればステップ309 に進
む。ここで光源をOFFし、パルス状の光照射を中止す
る。
【0037】次にCPU9は、ステップ310 に進み、こ
こで今までに求めた左右それぞれについて瞳孔面積の平
均値を求め、これらを主メモリ10のRAMに格納する。
CPU9は、ステップ308 において、1分が経過してい
ないと判断するならばステップ306 に戻る。CPU9
は、ステップ310 の処理の後は、キーボード17のキー操
作による測定開始指示が与えられるまで待つことにな
る。ここで検査者は被検者に装着したゴーグル20を外
し、被検者の眼球に散瞳剤を投与する。そして被検者は
再度ゴーグル20を装着する。検査者はゴーグル20が被検
者に正しく装着されたことを確認すると、キーボード17
のキー操作により測定開始指示を入力する。
【0038】(2)散瞳剤投与後;CPU9は図3に示
すステップ312 において、上記測定開始指示が与えられ
ると測定回数に1が加えられ第1回目の測定が開始され
る。すなわち前述のステップ304 に戻って散瞳剤投与後
の瞳孔面積の測定と記憶が開始されることとなる。な
お、本実施例における散瞳剤投与後の測定はステップ30
6 およびステップ307 を繰返す1分間の測定を7分間に
1回の割りで都合5回行うようにプログラムされてい
る。従って、その1分間の中を細分化して複数回測定し
た瞳孔面積はステップ310 において平均化されて記憶さ
れる。その後CPU9はステップ311において、6分間
待つための計時を行う。その計時で6分間の経過が確認
されると、ステップ312 において測定回数に1が加えら
れ、次の回の測定に入ることとなる。この測定はステッ
プ313 で5回終了と確認されるまで、すなわち散瞳剤投
与後30分まで繰返して行われることとなる。
【0039】CPU9はステップ310 で平均化したデー
タを記憶すると同時に、散瞳剤を投与する前の瞳孔面積
との比を計算し表示装置17の画面に図5に示されるよ
うなグラフを描くようにプログラムされている。さらに
同図5では、散瞳剤の投与された左目に加えて散瞳剤の
投与されていない右目のデータを同時に表示して比較が
容易にできるよう構成している。加えて同図では、右目
および左目の画像自体もオーバラップして表示してある
ため、変化の様子を合わせて観測し診断の一助になるよ
うに構成している。
【0040】CPU9は、ステップ314 において測定結
果に基づいてアルツハイマー病か否かの判定を行う。こ
の判定は、次のようにして行われる。
【0041】CPU9は、まず最後の1分間の測定(第
5回目の測定)における3秒毎の平均値のうち最低の値
を求め、その値が113 (%)を越えていればアルツハイ
マー病であると判断し、その値が113 (%)を越えてい
なければアルツハイマー病でないと判断し、それらの結
果を表示装置18に表示する。
【0042】次にこのような判定を行う根拠を説明す
る。まず、1分間の測定が5回行われたときには、前述
のように図5に示すようなデータが表示装置18の表示画
面に表示されている。ここで最後の1分間の測定の終了
時点は、被検者に散瞳剤が投与されてから29分が経過す
る時点になる。29分が経過する時点でアルツハイマー病
患者とそうでない者の瞳孔の拡大率は図6に示すように
明確に異なっている(前述のサイエンス誌参照)。すな
わちアルツハイマー病患者の瞳孔は散瞳剤を投与して29
分経過した後の拡大率は113 %以上となっている。
【0043】本実施例では被検者の瞳孔の変化の様子が
リアルタイムで表示装置に表示されるので検査者は被検
者の病状を即座に判定することができる。これに対し録
画装置を使って測定時におけるビデオカメラの映像信号
出力を記録しておき、後でその信号を解析するようにし
ても良い。この場合も例えば1分間測定した後、6分間
ブランクを設けることを複数回行うといった方法をとる
が、全測定の間、録画装置は常に録画状態としておき、
照明は測定の間(例えば1分間)にのみ、ある周期(例
えば1/60秒の周期)で点灯させるようにする。このよう
にすれば録画を再生する際に測定の時間経過がわかり、
解析作業が簡単となる。また眼球を長時間照射しないの
で連続照明のときに生じていた角膜障害も生じなくな
る。特に赤外光の場合にその効果は大きい。
【0044】本実施例では瞳孔の大きさを測定する場
合、瞳孔面積を測定するようにしたが、これは瞳孔径を
測定するようにしても良い。
【0045】本実施例ではビデオカメラの前面に可視光
カットフィルタを設け、撮像用の光に赤外光を使用した
ので、ゴーグルが被検者から外された状態にあっても測
定に不必要な光が多量に映像信号として取り入れられる
ことがない。このため瞳孔径または瞳孔面積を正確に測
定することができる。
【0046】なお、上記の実施例にあっては散瞳剤を付
与後約30分間の瞳孔の拡大率を観察してアルツハイマー
病の診断を行うものであった。ところが、この種の病気
にかかった患者に長時間の測定を課すことそれ自体無理
があり、正確な診断の妨げとなっていた。そこで、第2
の実施例では、図6のグラフからも明らかなように、ア
ルツハイマー病患者の瞳孔面積あるいは瞳孔直径の拡大
率(変化率)は測定開始時時からかなり大きい物である
点に着目して診断を行う装置を提供するものである。具
体的には、第5図において第1回目の測定値(拡大率)
と第2回目の測定値(拡大率)を結ぶ傾きが所定値以上
となったときをもって本症の診断を行うものである。こ
の実施例によればより短時間に患者に負担をかけること
無く迅速な測定ができるようになるものである。
【0047】本実施例によれば予め定めた各時点近傍の
複数の時点について測定を行い、それらの平均値をと
り、これに基づいて各傾きを求めるようにしたのできわ
めて信頼性が高い値を得ることができる。
【0048】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、瞳孔に撮
像用の光をパルス状に照射するようにしたので露光時間
が短くても撮像に必要な光量を得ることができる。この
ため測定時に眼球運動が生じても鮮明な瞳孔の映像が得
られ、正確に瞳孔の大きさを測定することができる。
【0049】請求項2に係る発明によれば、測定した瞳
孔の大きさの平均値をとるようにしたので、個々の測定
値にたとえ誤差を含むものがあっても全体としてはこれ
に影響されずほぼ正確に瞳孔の大きさを測定することが
できる。
【0050】請求項3に係る発明によれば、測定時に眼
球運動が生じても鮮明な瞳孔の映像が得られるので正確
にアルツハイマー病か否かを判定することができる。
【0051】請求項4に係る発明によれば、個々の瞳孔
の大きさの測定値に大きな誤差を含むものがあっても正
確にアルツハイマー病か否かを判定することができる。
【0052】請求項5に係る発明によれば、アルツハイ
マー病を短時間で判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の全体構成を示す図。
【図2】本発明の実施例で用いられるゴーグルの外観を
示す図。
【図3】本発明の実施例の動作を説明するためのフロー
チャートを示す図。
【図4】本発明の実施例の動作を説明するためのタイミ
ングチャートを示す図。
【図5】本発明の実施例の表示装置に表示されるデータ
の一例を示す図。
【図6】アルツハイマー患者とそうでない者の瞳孔面積
の変化を説明するための図。
【図7】平均をとらない場合の瞳孔面積の測定値の変化
を示す図。
【図8】本願各請求項に係る発明の概略構成を示す図。
【図9】眼球運動による瞳孔中心の移動速度を説明する
ための図。
【図10】被写体としての瞳孔のブレを説明するための
図。
【符号の説明】
1A,1B ビデオカメラ 3A,3B 光源 4A,4B ビデオカメラコントロールユニット 5A,5B 同期照明回路 6 マルチプレクサ 7 A/D変換器 8 ディジタルコンピュータ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−302868(JP,A) 特開 平6−335455(JP,A) 特表 平10−503209(JP,A) 国際公開96/003070(WO,A1) 欧州特許出願公開743041(EP,A 1) Leonard F. M. Sci nto et. al.,A pote ntial noninvasive neurobiological te st for Alzheimer’s disease,Science,米 国,1994年11月11日,Vol.266 N o.5187,p.1051−1054

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検者の眼球に向けて設置されるビデオ
    カメラと、このビデオカメラの撮像用の光を所定の周期
    でパルス状に照射する光照射手段と、前記ビデオカメラ
    から出力される映像信号を処理して瞳孔の大きさに関す
    る量を複数の時点について所定数ずつ検出する検出手段
    とを具備する瞳孔測定装置。
  2. 【請求項2】 前記検出手段が検出した所定数の瞳孔の
    大きさに関する量の平均値を計算する平均値計算手段を
    具備することを特徴とする請求項1記載の瞳孔測定装
    置。
  3. 【請求項3】 被検者の眼球に向けて設置されるビデオ
    カメラと、このビデオカメラの撮像用の光を所定の周期
    でパルス状に照射する光照射手段と、前記ビデオカメラ
    から出力される映像信号を処理して瞳孔の大きさに関す
    る量を複数の時点について検出する検出手段と、この検
    出手段が検出した量に基づいてアルツハイマー病か否か
    を判定する判定手段とを具備するアルツハイマー病診断
    装置。
  4. 【請求項4】 被検者の眼球に向けて設置されるビデオ
    カメラと、このビデオカメラの撮像用の光を所定の周期
    でパルス状に照射する光照射手段と、前記ビデオカメラ
    から出力される映像信号を処理して瞳孔の大きさに関す
    る量を複数の時点について所定数ずつ検出する検出手段
    と、この検出手段が検出した所定数の瞳孔の大きさに関
    する量の平均値を計算する平均値計算手段と、この平均
    値計算手段が計算して求めた瞳孔の大きさに関する量の
    平均値に基づいてアルツハイマー病か否かを判定する判
    定手段とを具備するアルツハイマー病診断装置。
  5. 【請求項5】 被検者の眼球に向けて設置されるビデオ
    カメラと、このビデオカメラの撮像用の光を所定の周期
    でパルス状に照射する光照射手段と、前記ビデオカメラ
    から出力される映像信号を処理して瞳孔の大きさに関す
    る量を複数の時点について検出する検出手段と、この検
    出手段が検出した量に基づいて、少なくとも1つの定め
    られた時点間における瞳孔の大きさの変化率を計算する
    変化率計算手段と、この変化率計算手段が計算して求め
    た瞳孔の大きさに関する量の変化率に基づいてアルツハ
    イマー病か否かを判定する手段とを具備するアルツハイ
    マー病診断装置。
JP11727896A 1995-05-15 1996-05-13 瞳孔測定装置およびアルツハイマー病診断装置 Expired - Fee Related JP3477567B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11727896A JP3477567B2 (ja) 1995-05-15 1996-05-13 瞳孔測定装置およびアルツハイマー病診断装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11584895 1995-05-15
JP7-115848 1995-05-15
JP11727896A JP3477567B2 (ja) 1995-05-15 1996-05-13 瞳孔測定装置およびアルツハイマー病診断装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0928672A JPH0928672A (ja) 1997-02-04
JP3477567B2 true JP3477567B2 (ja) 2003-12-10

Family

ID=26454278

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11727896A Expired - Fee Related JP3477567B2 (ja) 1995-05-15 1996-05-13 瞳孔測定装置およびアルツハイマー病診断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3477567B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1127534A3 (en) 2000-02-24 2002-05-29 Matsushita Electric Works, Ltd. Non-invasive brain function examination
DE60132459T2 (de) 2000-07-07 2009-01-08 Hamamatsu Photonics K.K., Hamamatsu Pupillenmesssystem
JP2004329879A (ja) * 2003-02-07 2004-11-25 Nippon Syst Design Kk 眼球検査装置及び眼球検査方法
JP4179968B2 (ja) * 2003-11-13 2008-11-12 花王株式会社 リラックス感評価用瞳孔対光反応計測具
AU2005294707A1 (en) * 2004-10-05 2006-04-20 University Of Pittsburgh Of The Commonwealth - System Of Higher Education Method and apparatus for screening for retinopathy
JP5224878B2 (ja) * 2008-04-03 2013-07-03 キヤノン株式会社 眼科装置
EP2499960B1 (en) * 2011-03-18 2015-04-22 SensoMotoric Instruments Gesellschaft für innovative Sensorik mbH Method for determining at least one parameter of two eyes by setting data rates and optical measuring device
WO2022186586A1 (ko) * 2021-03-02 2022-09-09 주식회사 메디셀 질환 진단 장치 및 질환 진단 방법
KR102547769B1 (ko) * 2021-03-02 2023-06-27 주식회사 메디셀 질환 진단 장치

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Leonard F. M. Scinto et. al.,A potential noninvasive neurobiological test for Alzheimer’s disease,Science,米国,1994年11月11日,Vol.266 No.5187,p.1051−1054

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0928672A (ja) 1997-02-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5883691A (en) Pupil measuring system and Alzheimer's disease diagnosing system
US7370967B2 (en) Method and apparatus for optical imaging of retinal function
JP5607640B2 (ja) 眼の特徴の画像を得る方法と装置
JP2987450B2 (ja) 眼球運動測定装置
US20150208916A1 (en) Ophthalmologic apparatus
JP3477567B2 (ja) 瞳孔測定装置およびアルツハイマー病診断装置
JP2008295971A (ja) 眼底カメラ
JP2008246143A (ja) 瞳孔測定装置
JP5665281B2 (ja) 眼科撮影装置
WO2002003853A1 (fr) Dispositif de mesure de la pupille
JP2004337348A (ja) 眼球運動解析システム
JP3914090B2 (ja) 眼球運動解析システム及び眼球撮像装置
US5031632A (en) Method for the instrumentation of sizes of retinal vessels in the fundus and apparatus therefor
JP6593133B2 (ja) 診断支援装置および診断支援方法
JP2005261447A (ja) 眼科撮影装置
JPH06165754A (ja) 眼科装置
WO2004069045A1 (ja) 眼球検査装置及び眼球検査方法
JPH1028674A (ja) 病態判定装置
JP2001275977A (ja) 眼底血流計
JP3200801B2 (ja) 撮像装置
JP3416705B2 (ja) 眼底カメラ
JPH04279143A (ja) 眼球運動検査装置
JP3415226B2 (ja) 角膜細胞撮影装置
JP2975393B2 (ja) 眼測定装置
JP5963839B2 (ja) 眼科撮影装置及び画像合成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030826

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees