JP3477542B2 - 応援給電可能な火災用ロボット設備 - Google Patents

応援給電可能な火災用ロボット設備

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JP3477542B2
JP3477542B2 JP07678995A JP7678995A JP3477542B2 JP 3477542 B2 JP3477542 B2 JP 3477542B2 JP 07678995 A JP07678995 A JP 07678995A JP 7678995 A JP7678995 A JP 7678995A JP 3477542 B2 JP3477542 B2 JP 3477542B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、火災時に消火を行っ
たり、火災監視、避難誘導等を行う火災用ロボット設備
に関するもので、特に、電圧の低下した火災用ロボット
に対して応援給電可能な火災用ロボット設備に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来の火災用ロボットとして特開昭63
−122472号が知られている。この火災用ロボット
は消火剤を積んでおり、火災時にロボットに搭載されて
いる電池により電動モータを駆動し、火災地点まで移動
し、消火剤を放出するように構成されている。そして、
この電池が放電した場合には、正規電圧に充電されてい
る電池と交換するか、若しくは、電池をコンセントに接
続し、充電器を介して充電するかしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来例には次の様な問
題がある。 (1)電池交換する場合は、常に交換用電池を用意して
おくとともに、その電圧を規定電圧に維持しておかねば
ならず、その維持管理が面倒である。
【0004】(2)電池を動力源としているので、長時
間にわたる給電は困難である。そのため、火災用ロボッ
トの行動範囲や消火あるいは火災監視などの能力に制約
を受ける。
【0005】この発明は、上記事情に鑑み火災用ロボッ
トの搭載している電池の電圧低下により火災用ロボット
の行動範囲や消火あるいは火災監視などの能力に制約を
受けない様にすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、火災用ロボ
ットの走行案内をする移動経路と;該移動経路に複数配
設された火災用ロボットと;該火災用ロボットに設けら
れた充電式蓄電池及び応援給電装置と;該火災用ロボッ
トの充電式蓄電池の電圧低下時に隣接する他の火災用ロ
ボットに応援給電命令を発する制御手段と;を備えるこ
と、により前記目的を達成しようとするものである。
【0007】
【作用】制御手段は、火災用ロボットを火災発生地点に
向って移動経路上を進行させるとともに、火災発生地点
近傍で停止させる。そして、該火災用ロボットに消火活
動を開始させると、搭載した機器の電力消費に伴い充電
式蓄電池の電圧が次第に低下する。この時、制御手段の
命令により隣接する火災用ロボットが消火活動中の火災
用ロボットに接近し、応援給受電装置を介して給電が開
始される。
【0008】
【実施例】この発明の第1実施例を図1〜図10により
説明する。トンネルの走行路の側壁上部又は真上にモノ
レール30を設け、該モノレール30に車輪11を介し
て火災用ロボット10を設ける。
【0009】この火災用ロボット10は、例えば、消
火、火災監視用の消火用ロボットであり、間隔をおいて
複数配設されている。前記モノレール30は、火災用ロ
ボットの走行を案内する移動経路で、例えば、前記トン
ネルの他、石油化学工場などのプラント設備の敷地、工
場内、ビルなどの建物内、などの消火対象物に沿って配
設される。
【0010】このモノレール30には前記火災用ロボッ
ト10を待機させるロボットステーション31が間隔を
あけて複数設けられている。このロボットステーション
31は開閉自在なボックスである。
【0011】モノレール30には、所定間隔、例えば、
25m間隔、に移動定点32が設けられている。この移
動定点32は火災用ロボット10が消火、或いは火災監
視のため移動する時の停止位置である。
【0012】火災用ロボット(移動式ロボット本体)1
0には、充電式蓄電池20が設けられており、この蓄電
池20は、電動モータ12、モニタノズル13の方向制
御用モータ21、電動ポンプ15、制御装置17、アン
テナ19付きの送受信器18などに電源を供給する。
【0013】前記電動モータ12はチェーンなどを介し
て車輪11を正転/逆転させ火災用ロボット10を走行
させる。又、電動ポンプ15は、連結配管16に設けら
れているが、該連結配管16は延伸装置23を介して受
給管部130に接続されている。前記受給管部130の
先端部には、接触式流体継手110が設けられている。
【0014】22は監視用テレビカメラ、40は消火剤
の貯蔵部、41は火災受信機44とアンテナ43を有す
る送受信機42とが接続されている制御盤、45は火災
受信機44に接続され、かつ、トンネルの側壁に間隔を
おいて複数配設された火災感知器、をそれぞれ示す。こ
の火災感知器45として、例えば、熱、煙、炎の光、ガ
ス、臭いなどによる各種感知器があるが、必要に応じて
適宜選択される。なお、47は連絡管33を介して供給
配管100に接続され、かつ、制御盤41により制御さ
れる給水ポンプである。
【0015】供給配管100は、モノレール30に沿っ
て配設され、該配管100には移動定点32に対応して
複数の供給管部120が設けられている。この供給管部
120には、弁135と接触式流体継手110が設けら
れている。
【0016】前記接触式流体継手110は供給管部12
0と受給管部130とから構成されている(図4)。
【0017】供給管部120の供給路123は直径Dに
形成されているが、その先端部は絞り込まれ、断面円錐
台状をなしている。放出口121の直径dは、前記直径
Dに比べ大幅に縮径されている。両直径の割合d/Dは
必要に応じて適宜決定されるが、例えば、d/Dは1/
5が選ばれる。
【0018】供給管部120の先端にはフランジ122
が設けられている。この供給管部120の先端面は接触
面124をなしているが、この接触面124は、平滑
に、かつ、軸心Cに対して垂直状に形成されている。
【0019】受給管部130には受給路133が設けら
れているが、この受給路133は、出口136に向って
次第に広がっている。受給口131の直径wは前記放出
口121の直径dより若干大きく形成されている。該両
直径の割合d/wは必要に応じて適宜選択され、例え
ば、d/wは0.9が選ばれる。前記放出口121と受
給口131とは対向しており、両口121、131の軸
心は該流体継手110の軸心C上に位置している。
【0020】受給管部130の後端には、フランジ13
2が設けられている。この受給管部130の後端面は、
接触面134をなしているが、この接触面134は平滑
に、かつ、軸心Cに対して垂直状に形成されている。
【0021】この接触面134は、Oリング137を介
して前記接触面124に当接しているが、両接触面12
4、134間にはわずかな隙間があり、この隙間が吸引
部Gを形成している。
【0022】この吸引部Gは放出口121、受給口13
1と連通し、通水時には両口121、131間における
圧力と同圧、即ち、負圧となる。なお、両接触面12
4、134の面積の大きさは、必要に応じて適宜選択さ
れるが、その面積が大きくなるに従って吸引力が増大す
る。
【0023】モノレール30に間隔をおいて配設された
ロボットステーション31には、それぞれ充電用給受電
装置の給電手段が設けられている。この給電手段の種類
や形状などは必要に応じて適宜選択され、例えば、非接
触式給電装置(手段)401が設けられている。
【0024】この非接触式給電装置401はモノレール
30に沿って所定間隔、例えば、全長3000mのモノ
レールに500mおきに設けられており、その給電装置
の全長は、例えば、2mであり火災用ロボット10の停
止位置が多少ずれても火災用ロボット10に給電ができ
るようになっている。
【0025】この給電装置401は、図3に示す様に、
コ字状の磁性体401aに巻かれた給電用配線401b
を備えている。この配線401bは腐食を防止するため
樹脂により被覆されている。
【0026】非接触式給電装置401は、ロボットステ
ーション31内に設けられ、かつ、給電回路C1に配設
されている。
【0027】この給電回路C1は高周波電源装置411
に接続している。
【0028】火災用ロボット(移動式ロボット本体)1
0には、充電用給受電装置の受電手段、例えば、非接触
式受電装置321が設けられている。この装置321
は、図3に示す様に、コ字状の磁性体321aに巻かれ
た受電コイル321bを備えている。この受電コイル3
21bは電源変換装置322に接続されている。充電式
蓄電池20には応援給受電装置の応援給電手段1と応援
受電手段2が接続されている。この両手段1、2の種類
や形状などは必要に応じて適宜選択される。
【0029】この電源変換装置322は、受電コイル3
21bによって受電された高周波電流を直流電流に変換
して蓄電池(充電式電池)20を充電する。
【0030】火災用ロボット10のブロック回路図を図
5により説明する。図5において、MPU10はマイク
ロコンピュータ、ROM11は図7、図8にフローチャ
ートで示す動作プログラムを記憶するリードオンリメモ
リ、EEPROM11は火災用ロボット10の自己アド
レス、制御に必要なロボット毎に異なる設定値等を記憶
した電気的に書き換え可能なEEPROMをそれぞれ示
す。なお、EEPROM11の代わりにディップスイッ
チ等を用いてもよい。
【0031】RAM11は作業領域としてのランダムア
クセスメモリ、CB11は電動モータ12の制御回路、
CB12はモニタノズル13の方向制御モータ21の制
御回路、CB13は電動ポンプ15の制御回路、CB1
4は、延伸装置23の制御回路、CB15は弁135の
放水制御回路、CB16は監視用テレビカメラ22の制
御回路、CB17は蓄電池の充電監視回路、PN11は
各種スイッチやテンキー等(図示せず)が設けられた入
力操作部、DP11は各種表示灯やLCD等の表示器
(図示せず)が設けられた表示部、MS11は定点カウ
ント用のマイクロスイッチ、IF11〜IF19、IF
101、IF102はインターフェース、をそれぞれ示
す。なお、IF19は送受信機18接続用インターフェ
ースである。
【0032】制御盤41のブロック回路図を図6により
説明する。図6において、MPU20はマイクロコンピ
ュータ、ROM21は図9、図10にフローチャートで
示す動作プログラムを記憶するリードオンリメモリ、E
EPROM21は複数のロボット10の各アドレス、火
災用ロボット10ごとに必要な火災用ロボット毎に異な
る設定値等を記憶した電気的に書き換え可能なEEPR
OM、をそれぞれ示す。尚、EEPROM21の代わり
にディップスイッチ等を用いてもよい。
【0033】RAM21は作業領域としてのランダムア
クセスメモリ、TRX21は火災受信機44と信号の授
受を行う火災情報送受信回路、TM1、TM2は充電時
間を決めるタイマ、CB21は高周波電源装置411の
制御回路、CB22は制御盤41により制御される給水
ポンプ47の制御装置、PN21は各種スイッチやテン
キー等(図示せず)が設けられた入力操作部、DP21
は各種表示灯やLCD等の表示器や監視用テレビカメラ
22からの映像信号に基づき表示するブラウン管、等
(図示せず)が設けられた表示部、IF21〜IF28
はインターフェース、をそれぞれ示す。尚、IF28は
送受信機42接続用インターフェースである。前記TM
1、TM2は省略することも可能である。
【0034】本実施例の作用について説明する。火災用
ロボット10は、電圧監視回路CB17が充電式電池
(蓄電池)20の充電電圧を監視しており(S10
2)、電圧が所定電圧に低下したことを検出すると、制
御装置17は送受信機18を介して制御盤41に給電要
求信号を送信する(S104)。
【0035】制御盤41は給電要求信号を受信すると、
給電要求信号を送信した火災用ロボット10を判別し、
要求した火災用ロボット10が停止しているロボットス
テーション31の非接触式給電装置401の給電用配線
401bに高周波電源装置411を通じて高周波電流を
給電する(S204、S205)。
【0036】火災用ロボット10は、給電用配線401
bに流れる高周波電流を非接触式受電装置321の受電
コイル321bによって電磁誘導により受電するととも
に、受電した高周波電流を電源変換装置322で直流電
流に変換し、充電式電池20を充電する。
【0037】電圧監視回路CB17が充電式電池20の
電圧が規定電圧に回復したことを検出すると(S10
2)、制御装置17は制御盤41に給電完了信号を出力
する(S103)。これにより、制御盤41は高周波電
源装置411の動作を停止し、給電を停止する(S20
7、S202)。
【0038】火災受信機44が、火災感知器45から火
災情報、例えば火災信号を受信すると、その火災信号に
基づいて火災発生地点を判別し、その情報を制御盤41
に出力する。
【0039】制御盤41は、火災発生地点の情報に基づ
き(S203、S206)、火災用ロボット10を停止
させる移動定点32aを判別し(S208)、火災用ロ
ボット10を特定して火災発生地点の情報と移動定点3
2aの情報、並びに移動指令を送受信機42を通じ無線
で送信する(S209)。
【0040】ここで、例えば、火災用ロボット10の特
定方法としては、制御盤41から出力したアドレスと各
火災用ロボット10に記憶されている自己アドレスが一
致した場合に、その火災用ロボット10が火災発生地点
の情報と移動指令を受け取る方法が用いられる。
【0041】制御盤41によって指定された火災用ロボ
ット10は、その制御装置17が火災発生地点情報と移
動命令を受信すると(S105、S106)、充電式電
池20の電流を用いて、電動モータ12を正転もしくは
逆転して(S109)ロボットステーション31から制
御盤41によって指定された移動定点32aまで移動す
る(S110〜S112)。制御装置17は、火災用ロ
ボット10が指定された移動定点32aまで移動すると
電動モータ12を停止させる(S113)とともに、ジ
ョイント接続命令(S114)が発せられる。このと
き、停止した移動定点32aの位置を制御盤41に送信
するようにしてもよい。
【0042】停止位置の判別方法として、フローチャー
トに示した様に、各移動定点32に突起を設け、一方、
火災用ロボット10には移動定点32の突起を検出する
マイクロスイッチMS11を設け、該マイクロスイッチ
が移動定点32を通過する毎に定点信号を出力する。こ
の通過した移動定点の数をカウントして(S110、S
111)、そのカウントされた数と火災用ロボットが移
動命令とともに読込んだ火災地点情報としての通過すべ
き移動定点の数Kとの大小の比較を行って、移動停止点
32aを判別する。
【0043】別方法としては、電動モータ12が何回転
したかを回転計などで計測することにより、移動停止点
を判別する方法もある。又、カウント方法としては、先
述の発光素子及び受光素子を設ける方法をとってもよ
い。
【0044】火災用ロボット10が停止した場合に、制
御盤41が停止信号を受信したならば、操作者が制御盤
41を操作し、無線で、監視用テレビカメラ22の回動
命令を火災用ロボット10に送る。そして、上下左右に
回動している監視用テレビカメラ22が火災地点を写し
た場合には制御盤41から監視用テレビカメラ22の回
動停止命令を送出する。
【0045】ここで、上下左右に監視用テレビカメラ2
2を首振りさせて火災地点を監視用テレビカメラ22の
中央に映し出させる。このとき、操作者が映像から火災
と判断した場合には、制御盤41から火災確定命令を送
出する。
【0046】火災用ロボット10の制御装置17は、そ
の火災確定命令によって、監視用テレビカメラ22の回
転角と俯角を検出して火災位置を判断する(S11
5)。なお、操作者が制御盤41を操作し、無線で、監
視用テレビカメラ22の回動命令を火災用ロボット10
に送る代わりに、火災用ロボット10が停止したら監視
用テレビカメラ22が自動的に回動を開始するようにし
てもよく、又、回動停止命令と火災確定命令とを1つの
信号で行うようにしもよい。
【0047】このとき、制御装置17は停止している移
動定点32aの位置情報信を映像信号に重畳させて送信
し、映像の中に表示させるようにしても良い。
【0048】前述のように、火災用ロボット10が移動
停止点32aで停止すると、制御装置17はジョイント
接続命令(S114)を発して延伸装置23を駆動さ
せ、一点鎖線の位置にある受給管部130Aを移動し
て、フランジ132を供給管部120のフランジ122
に当て、接触面124、134を当接させる。
【0049】制御装置17はモニタノズル13の方向制
御モータ21を回転制御してモニタノズル13を火災地
点に指向させるとともに(S116)、放水制御部に弁
開放命令(S117)を送出し、弁135を開放させ
る。制御装置17は電動ポンプ15を始動させると共
に、送受信器18、42を介して制御盤41に放出開始
命令を送信し(S118)、給水ポンプ47を始動さ
せ、接触式流体継手110を通じて貯蔵部40に貯蔵さ
れている消火剤、例えば泡混合液をモニタノズル13か
ら放出させる。
【0050】この時、制御盤41に放出開始を送信する
ようにしてもよい。又、弁開放命令は、例えば供給管部
120側にマイクロスイッチを、受給管部130側にレ
バーを設けておき、このレバーを倒してマイクロスイッ
チを動作させるようにしても良い。
【0051】供給管部120の入口126に流体、例え
ば、消火用水Sを圧力P1で供給すると、該水Sは供給
路123を通りながら放出口121で絞り込まれ、該水
の圧力P1は速度水頭に変換された後、放出口121か
ら受給管部130の受給口131に供給されるととも
に、受給路133内で再び圧力水頭に変換され、圧力P
3で出口136から排出される。
【0052】この時の放出口121からの放水圧力P2
は、ベルヌーイの定理に基いて次式により求められる。 P2=P1−Q2/2gS1 2
【0053】この式において、Qは放出口121の流
量、S1は放出口121の断面積、gは重力加速度、を
それぞれ示す。従って、流量Q、圧力P1が一定の場合
には放出圧力P2は放出口121の断面積S1の関数とな
り、断面積S1を選択することにより放水圧力P2の値を
負にすることができる。
【0054】この様に放出口121の放水圧力P2は、
供給路123及び受給路133中で最も小さな圧力とな
る。例えば、供給路123の圧力P1が10kg/cm2
であり、受給路133の圧力P3が8kg/cm2である
時には、放水圧力P2は−1kg/cm2となる。
【0055】この放水圧力P2は、接触面124、13
4間の吸引部Gの圧力となるので、両接触面124、1
34は吸引部Gを介して強く引き合い吸着する。これに
より両管部120、130は強固に接続されて一体とな
る。
【0056】給水中に両管部120、130を互いに反
対方向に引っ張っても、前記吸引部Gにおける吸引力の
ため両者120、130を引き離すことはできない。し
かし、供給管部120への給水を停止すると、前記吸引
部Gにおける吸引力はなくなるので、両管部120、1
30は自動的に吸着が解除され、離れてしまう。
【0057】なお、火災用ロボットに消火剤、例えば泡
混合液の貯蔵部(タンク)及びそのタンクに貯蔵された
消火剤量を検出する消火剤量検出部を設け、消火初期に
おいてはタンクから消火剤をモニタノズル13に供給
し、消火剤量検出部によって消火剤がないと判別された
場合に、消火剤の貯蔵部40から消火剤を供給するよう
にしてもよい。
【0058】また、タンクに泡原液のみを貯蔵し、消火
剤の貯蔵部からは消火用水のみを供給するようにして、
それらを例えば、ラインプロポーションのような混合器
を用いて混合した後にモニタノズル13から放出するよ
うにしてもよい。ここで、タンクを設ける場合にはタン
クの出口の部分に弁を設けるようにし、それを制御する
放水制御部も制御装置17に設ける。
【0059】消火活動中(S114〜S121)に充電
式蓄電池20の電圧が降下すると、電圧監視手段CB1
7は給電要求信号を制御盤41に送る(S210A)。
そうすると、制御盤41は該火災用ロボットに隣接する
他の火災用ロボットに応援移動命令を発信して(S21
0B)、前記両火災用ロボット10を近接せしめた後、
応援給電開始命令を発する(S210C)。そのため、
応援給受電装置(1,2)を介して被火災用ロボットに
応援火災用ロボットから給電される(図2)。
【0060】消火活動中は、監視用テレビカメラ22か
ら送出される火災発生地点の映像信号を制御盤41のブ
ラウン管(図示せず)に表示し、操作者が鎮火されたか
否かを監視し(S119)、鎮火されたと判断した場合
には、火災消火完了命令を制御盤41から制御装置17
に送出する(S119のN)。そうすると、電動ポンプ
15を停止させると共に、制御装置17から制御盤41
に放出停止命令(S120)が発信され、給水ポンプ4
7を停止させる(S214)。
【0061】一方、制御装置17は、延伸装置23を駆
動させ、火災用ロボット10の受給管部130を縮ま
せ、その移動定点32aに対応して設けられた供給管部
120から切り離すとともに、火災用ロボット10に設
けられた部材(図示せず)をマイクロスイッチから離さ
せることにより弁135を閉じさせ、消火剤、例えば、
泡混合液のモニタノズル13からの放出を停止させる。
【0062】その後電動モータ開始命令(S122)に
より電動モータ12を逆転もしくは正転させて火災用ロ
ボット10を走行させロボットステーション31まで到
達した時点で電動モータ停止命令(S126)を発信
し、電動モータ12を停止し該火災用ロボット10を元
の位置に戻すと共に、次の火災に備える。なお、制御装
置17は戻った旨を制御盤41に発信する。(S12
7)。
【0063】火災用ロボット10がロボットステーショ
ン31まで戻ったことを判別する方法としては、フロー
チャートに示したように、停止した移動停止点32aを
起点として通過した移動定点の数をカウントして、その
数と移動命令とともに読込んだ火災地点情報としての通
過すべき移動定点の数Kとの差が0となった場合にロボ
ットステーション31まで戻ったとする方法が採用され
る(S123〜S125)。
【0064】別方法としては、電動モータ12が何回転
逆回転したかを回転計などで計測することにより、ロボ
ットステーション31に戻ったことを判別する方法もあ
る。又、カウント方法としては前記発光素子及び受光素
子を設ける方法を採用しても良い。
【0065】また、火災用ロボット10が移動停止点3
2aまで移動して電動モータ12を停止した後、更に所
定位置に停止したか否かを判定し、否の場合には位置修
正を行うプログラムを設けても良い。
【0066】更に、火災用ロボット10を正確に指定し
た移動定点に停止させる為の移動微調整手段を設けても
良い。この移動微調整手段として、例えば、火災用ロボ
ット10がロボットステーション31から目標の移動定
点に向う場合に、火災用ロボット10の移動速度をその
途中迄高速で行い、該移動定点近傍に到達したら低速で
行って、その移動定点に停止し易い様に速度を制御する
方法が用いられる。
【0067】また、火災用ロボット10の受給管部13
0と移動定点32aに対応して設けられた給水管部12
0との接続が完了したことを圧力水が送済されたことを
感知する圧力センサを用いて判別し、接続が不十分と判
別される場合には、消火ロボット10の位置修正を行な
い、再度接続を試みるようにしてもよい。なお、火災位
置判別(S115)及び火災監視(S119)を上記の
様に監視用テレビカメラ22を用いて行う代わりに炎セ
ンサを用いて自動制御にて行うようにしても良い。
【0068】この発明の第2実施例を図11、図12に
より説明するが、図1〜図10と同一符号はその名称も
機能も同一である。この実施例と第1実施例との相違点
は流体継手として、接触式流体継手の代わりに、非接触
式流体継手が用いられていることである。
【0069】この実施例の非接触式流体継手を図12に
より説明する。非接触式流体継手510は供給管体52
0と受給管体530とから構成されている。両管体52
0、530は連通間隔WDを介して対向しているが、こ
の連通間隔WDは必要に応じて適宜決定され、例えば、
30mmが選択される。
【0070】供給管体520の供給路523は直径Da
に形成されているが、その先端部は絞り込まれ、断面円
錐台状をなしている。放出口521の直径daは、前記
直径Daに比べ大幅に縮径されている。両直径の割合d
a/Daは必要に応じて適宜決定されるが、例えば、d
a/Daは1/5が選ばれる。
【0071】供給管体520は移動定点32に対向する
支持部材524に固定され、その先端部の外周面は円錐
台状に形成されている。
【0072】受給管体530は火災用ロボット10の支
持部材534により支持されているが、この受給管体5
30には受給路533が設けられている。この受給路5
33は、デフューザ部であり、出口536に向って次第
に広がっている。受給口531には、放出口521に向
かって広がる受給ガイド532が設けられている。
【0073】この受給口531の直径waは前記放出口
521の直径daより若干大きく形成されている。該両
直径の割合da/waは必要に応じて適宜選択され、例
えば、da/waは0.9が選ばれる。前記放出口52
1と受給口531とは対向しており、両口521、53
1の軸心は,該流体継手510の軸心C上に位置してい
る。
【0074】本実施例の作動を説明するが、第1実施例
と相違する非接触式流体継手の作動を中心に説明する。
【0075】制御盤41は、火災受信機44から火災情
報を受信すると、火災用ロボット10に火災位置情報と
移動命令を無線で発信する。火災用ロボット10は充電
式蓄電池20により電動モータ12を駆動し、停止予定
移動定点まで移動し、テレビカメラ22を動作させ、火
災地点の状況を撮影して制御盤41に無線で送信する。
【0076】前述の様に火災用ロボット10が停止予定
移動定点32aで停止した後、第1実施例と同様にして
受給管部530を伸長させ、受給管部530と供給管部
520との間隔を設計通りにする。
【0077】供給管体520の入口526に流体、例え
ば、消火用水Sを圧力P1で供給すると、該水Sは供給
路523を通りながら放出口521で絞り込まれ、該水
の圧力P1は速度水頭に変換され、所定速度となる。
【0078】この様にして所定の速度を得た該流体は放
出口521から噴射され、連通間隔WDを通って受給ガ
イド532に案内されながら受給口531に供給され
る。受給管体530内に流入した該流体Sは、受給路5
33内で再び圧力水頭に変換され、圧力P3で出口53
6から排出される。
【0079】この時、ベルヌーイの定理及び速度エネル
ギから圧力エネルギへの変換効率を考慮することにより
次のような関係式が得られる。 P2=P1−Q2/2gS1 2 P3=ε(P2+Q2/2gS1 2
【0080】この式において、P2は放出口521にお
ける消火用水の圧力、P3は受給管体530にとりこま
れ定常状態となった場合の消火用水の圧力、Qは放出口
521の流量、S1は放出口521の断面積、gは重力
加速度、ε=0.7〜0.8、をそれぞれ示す。
【0081】この結果、受給管体530にとりこまれ定
常状態となった場合の消火用水Sの圧力P3は、供給管
体520に消火用水Sが供給されたときの消火用水の圧
力P1の70〜80%が得られる。
【0082】消火後火災用ロボットが第1実施例と同様
な要領で元のロボットステーション31に戻り、帰還信
号を制御盤41に発信する。
【0083】この発明の第3実施例を図13により説明
する。この実施例と第1、第2実施例ととの相違点は、
例えば、応援を受ける火災用ロボットに対し1台の応援
する火災用ロボットで応援給電する代わりに、複数の応
援する火災用ロボット10n、10mを連続させ応援給
電することである。
【0084】この発明の第4実施例を図14により説明
する。この実施例と第1、第2実施例との相違点は、1
台の火災用ロボットに応援給電手段1及び応援受電手段
2を設ける代わりに、応援給電手段1を備えた応援受電
火災用ロボット10Xと、応援受電手段2を備えた応援
給電火災用ロボット10Yをそれぞれ別個に配設するこ
とである。
【0085】本発明の実施例は前記に限定されるもので
はなく、例えば、応援を受ける火災用ロボットに対し1
台の応援する火災用ロボットで応援給電すると共に、該
応援する火災用ロボットの電圧が低下した時にはロボッ
トステーションに戻り該火災用ロボットの充電式蓄電池
に充電した後再び該火災用ロボットを応援給電に向かわ
せても良い。
【0086】1台の火災用ロボットに応援給電手段1及
び応援受電手段2を設ける代わりに、図14に示すよう
に、応援給電手段1を備えた応援受電火災用ロボット1
0Xと、応援受電手段2を備えた応援給電火災用ロボッ
ト10Yをそれぞれ別個に配設しても良い。
【0087】
【発明の効果】この発明は以上の様に構成したので、活
動中の火災用ロボットの電圧が低下すると、隣接する他
の火災用ロボットが応援給電にかけつけ、該火災用ロボ
ットに十分な電源を供給する。そのため、火災用ロボッ
トの行動範囲や消火あるいは火災監視などの能力に制約
を受けることがないので、設計通りに火災用ロボットを
働かすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す火災用ロボット設備
の概略図である。
【図2】火災用ロボットの拡大縦断面図である。
【図3】スポット式給受電装置の概略図である。
【図4】接触式流体継手を示す断面図である。
【図5】火災用ロボットのブロック回路図である。
【図6】制御盤のブロック回路図である。
【図7】火災用ロボットのプログラムのフローチャート
の前半部を示す図である。
【図8】火災用ロボットのプログラムのフローチャート
の後半部を示す図である。
【図9】制御盤のプログラムのフローチャートの前半部
を示す図である。
【図10】制御盤のプログラムのフローチャートの後半
部を示す図である。
【図11】本発明の第2実施例を示す図である。
【図12】非接触式流体継手の拡大断面図である。
【図13】本発明の第3実施例を示す図である。
【図14】本発明の第4実施例を示す図である。
【符号の説明】
10 火災用ロボット 30 モノレール 31 ロボットステーション 32 移動定点 110 接触式流体継手 120 供給管部 124 接触面 130 受給管部 134 接触面 321 非接触式受電装置 401 非接触式給電装置 510 非接触式流体継手 520 供給管体 530 受給管体 G 吸引部 WD 連通間隔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−327785(JP,A) 特開 平7−67271(JP,A) 特開 平6−40563(JP,A) 特開 平5−293198(JP,A) 特開 平6−79011(JP,A) 特開 平6−285180(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A62C 27/00 507 A62C 31/00 A62C 33/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】火災用ロボットの走行案内をする移動経路
    と;該移動経路に配設され、少なくとも消火用機器また
    は火災監視用機器のいずれか一方を有し、かつ、電池を
    搭載した応援受電手段付火災用ロボットと;該移動経路
    に配設され、かつ、電池を搭載した応援給電手段付火災
    用ロボットと;該応援受電手段付火災用ロボットの電池
    の電圧低下時に該応援給電手段付火災用ロボットに応援
    給電命令を発する制御手段と;を備えていることを特徴
    とする応援給電可能な火災用ロボット設備。
  2. 【請求項2】火災用ロボットの走行案内をする移動経路
    と;該移動経路に複数配設された火災用ロボットと;該
    火災用ロボットに設けられた充電式蓄電池及び応援給受
    電装置と;該火災用ロボットの充電式蓄電池の電圧低下
    時に隣接する他の火災用ロボットに応援給電命令を発す
    る制御手段と;を備えていることを特徴とする応援給電
    可能な火災用ロボット設備。
  3. 【請求項3】火災用ロボットの移動経路に沿って配設さ
    れた供給管部と;該供給管部と火災用ロボットの受給管
    部とを連通せしめる流体継手と;該移動経路に複数配設
    された火災用ロボットと;該火災用ロボットに設けられ
    た充電式蓄電池及び応援給受電装置と;該火災用ロボッ
    トの充電式蓄電池の電圧低下時に隣接する他の火災用ロ
    ボットに応援給電命令を発する制御手段と;を備えてい
    ることを特徴とする応援給電可能な火災用ロボット設
    備。
  4. 【請求項4】前記流体継手が、該供給管部の接触面と受
    給管部の接触面とを当接させ、該供給管部の縮径された
    放出口と受給管部の受給口とを連通せしめるとともに、
    前記両管部の接触面間に前記放出口及び受給口と連通す
    る吸引部を備えている接触式流体継手であることを特徴
    とする請求項3記載の応援給電可能な火災用ロボット設
    備。
  5. 【請求項5】前記流体継手が、縮径された放出口を備
    え、圧力流体の圧力エネルギを速度エネルギに変換する
    供給管体と、該放出口と連通間隔を介して対向する受給
    口を備え、前記圧力流体の速度エネルギを圧力エネルギ
    に変換する受給管体と、からなる非接触式流体継手であ
    ることを特徴とする請求項3記載の応援給電可能な火災
    用ロボット設備。
  6. 【請求項6】移動経路にロボットステーションを設けた
    ことを特徴とすることを特徴とする請求項1、2、又
    は、3記載の応援給電可能な火災用ロボット設備。
  7. 【請求項7】ロボットステーションが、充電用給電手段
    を備え、火災用ロボットロボットが充電用受電手段を備
    えていることを特徴とする請求項6記載の火災用ロボッ
    ト設備。
  8. 【請求項8】制御手段が、火災用ロボットの充電式蓄電
    池の電圧を監視する電圧監視手段の監視結果に基づき、
    応援給電に向かうべき火災用ロボットに応援給電命令を
    発することを特徴とする請求項1、2、又は、3記載の
    応援給電可能な火災用ロボット設備。
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