JP3477355B2 - ガルバノミラー - Google Patents

ガルバノミラー

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、ガルバノミラー
に関し、特に光学式情報記録再生装置の微動トラッキン
グに用いるのに好適なガルバノミラーに関するものであ
る。 【0002】 【発明が解決しようとする課題】近時、面記録密度が1
0Gビット/(インチ)2を越える光磁気ディスク装置
の開発が進んでいる。この装置では、光磁気ディスクの
トラックと交差する方向に例えば回動する粗動用アーム
の先端部に設けた対物光学系に対するレーザ光束の入射
角をガルバノミラー等の偏向手段により微調整して、微
動トラッキングを例えば0.34μmと狭いトラックピッ
チレベルで正確に行うようなことが考えられている。と
ころで、このような粗動用アームに通常用いられるガル
バノミラーとして、ピボット支持方式のものがあるが、
この方式のものでは可動部を円滑に動作させるために与
圧バネを利用していたため、ガルバノミラーの軸方向の
小型化に限界があるばかりか、可動部の摩擦トルクを調
整することが難しかった。 【0003】 【課題を解決するための手段】この発明は、上述のよう
な背景に鑑みてなさせたものであり、請求項1の発明
は、電磁駆動により偏向ミラーを取り付けた可動部を回
転軸を中心に所定角度範囲回動させるガルバノミラーで
あって、前記可動部の回転軸を、固定側に前記可動部を
挟んで設けた2つのセンターピンと、これらのセンター
ピンの各先端部を夫々受ける前記可動部側に設けた2つ
の軸受とによって構成すると共に、一方のセンターピン
を非磁性材料で形成し、且つこのセンターピンの前記軸
受と接触する側と反対の端部に強磁性材料又は永久磁石
で構成した作用部を設け、このセンターピンをリング状
の電磁コイルを介して軸方向に摺動自在に支持し、前記
リング状の電磁コイルの前記作用部に対する吸引力によ
り前記摺動自在なセンターピンを前記軸受けに対して軸
方向に押圧するようにしたことを特徴とする。 【0004】 【発明の実施の形態】まず、近年のコンピューターにま
つわるハード,ソフトの進歩に伴う外部記憶装置への要
求、特に大記憶容量への要求の高まりに対して提案され
たニア・フィールド記録(NFR: near field recordin
g) 技術と呼ばれる記録再生方式を用いた光磁気ディス
ク記録再生装置の概要を図1乃至図5を参照して説明す
る。 【0005】図1はその光ディスク装置の全体概要図で
ある。ディスクドライブ装置1には光ディスク2が図示
しないスピンドルモータの回転軸に装着されている。一
方、光ディスク2の情報を再生または記録するために回
動(粗動)アーム3が光ディスク2の記録面に対して平
行になるように取り付けられている。この回動アーム3
はボイスコイルモーター4によって回転軸5を回転中心
として回動可能となっている。この回動アーム3の光デ
ィスク2に対向する先端には、光学素子を搭載した浮上
型光学ヘッド6が搭載されている。また、回動アーム3
の回転軸5近傍には光源ユニットおよび受光ユニットを
備えた光源モジュール7が配設され、回動アーム3と一
体となって駆動する構成となっている。 【0006】図2、図3は回動アーム3の先端部を説明
するものであり、特に浮上型光学ヘッド6を詳細に説明
するものである。浮上型光学ユニット6はフレクシャー
ビーム8に取り付けられており、光ディスク2に対向し
て配置されている。また、フレクシャービーム8は他端
で回動アーム3に固着されており、フレクシャービーム
8の弾性力により先端部の浮上光学ユニット6を光ディ
スク2に接触させる方向に加圧している。 【0007】浮上型光学ユニット6は浮上スライダー
9,対物レンズ10,ソリッドイマージョンレンズ(S
IL)11,磁気コイル12から構成されており、光源
モジュール7から出射された平行なレーザー光束13を
光ディスク2上に収束させるはたらきをする。また、回
動アーム3の先端部には前記レーザー光束13を浮上型
光学ユニット6に導くために立ち上げミラー31が固着
されている。 立ち上げミラー31により対物レンズ1
0に入射したレーザー光束13は、対物レンズ10の屈
折作用により収束される。この集光点近傍にはソリッド
イマージョンレンズ(SIL)11が配置されており、
前記収束光を更に微細なエバネッセント光15として光
ディスク2に照射させる。 【0008】また、光ディスク2に面したソリッドイマ
ージョンレンズ(SIL)11の周囲には、光磁気記録
方式で記録するための磁気コイル12が形成されてお
り、記録時には必要な磁界を光ディスク2の記録面上に
印加出来るようになっている。このエバネッセント光1
5と磁気コイル12により、光ディスク2への高密度な
記録および再生が可能となる。なお、浮上型光学ユニッ
ト6は光ディスク2の回転による空気流により微小量浮
上するものであり、光ディスク2の面振れ等に追従す
る。このため従来の光ディスク装置では必要であった対
物レンズの焦点制御(フォーカスサーボ)が不要となっ
ている。 【0009】以下、図4,図5を用いて回動アーム3上
に搭載された光源モジュール7および浮上型光学ユニッ
ト6へ導かれる光束に関し詳細に説明する。回動アーム
3は先端部に浮上型光学ユニット6を搭載し、他端には
ボイスコイルモーター4を駆動するための駆動コイル1
6が固着されている。駆動コイル16は扁平状のコイル
であり、図示せぬ磁気回路内に空隙をおいて挿入配置さ
れている。回転軸5と回動アーム3はベアリング17,
17により回動自在に締結されており、駆動コイルに電
流を印加すると磁気回路との電磁作用により回転軸5を
回転中心として回動アーム3を回動させることができ
る。 【0010】回動アーム3上に搭載された光源モジュー
ル7には半導体レーザー18,レーザー駆動回路19,
コリメートレンズ20,複合プリズムアッセイ21,レ
ーザーパワーモニターセンサー22,反射プリズム2
3,データ検出センサー24,およびトラッキング検出
センサー25が配置されている。半導体レーザー18か
ら放出された発散光束状態のレーザー光束は、コリメー
トレンズ20によって平行光束に変換される。この平行
光束の断面形状は半導体レーザー18の特性から長円状
であり、光ビームを光ディスク2上に微小に絞り込むに
は都合が悪いため略円形断面に変換する必要がある。こ
のためコリメートレンズ20から出射された断面長円状
の平行光束を、複合プリズムアッセイ21に入射させる
ことにより平行光束の断面形状を整形する。 【0011】複合プリズムアッセイ21の入射面21a
は入射光軸に対して所定の斜面を形成しており、入射光
を屈折させることにより平行光束の断面形状を長円形状
から略円形形状に整形することが出来る。整形されたレ
ーザー光束は複合プリズムアッセイ21内を進み第1の
ハーフミラー面21bに入射する。第1のハーフミラー
面21bは光ディスク2から得られた情報を、データ検
出センサー24,およびトラッキング検出センサー25
に導くために設定されているが、往路においては半導体
レーザー18から出射されたレーザーの出力パワーを検
出するためのレーザーパワーモニターセンサー22への
光束を分離する役目を果たす。 【0012】レーザーパワーモニターセンサー22は受
光した光の強度に比例した電流を出力するため、図示せ
ぬレーザーパワーコントロール回路にこの出力を帰還さ
せることにより半導体レーザー18の出力を安定化させ
ることが出来る。複合プリズムアッセイ21から出射さ
れた略円形断面形状をもったレーザー光束13は偏向ミ
ラー26に照射され、レーザー光束13の進行方向が変
えられる。この偏向ミラー26は紙面に垂直な軸を回動
中心とするガルバノモーター27に取り付いており、レ
ーザー光束13を紙面に平行な方向に微小角度振ること
が出来るようになっている。 【0013】また、ガルバノモーター27には偏向ミラ
ー26の回転角度を検出する偏向ミラー位置検出センサ
ー28が配設されている。偏向ミラー26を反射したレ
ーザー光束13は、第1のリレーレンズ29および第2
のリレーレンズ(イメージングレンズ)30を経て、立
ち上げミラー31で反射後浮上型光学ユニット6に至
る。この第1のリレーレンズ29および第2のリレーレ
ンズ30は、偏向ミラー26の反射面と浮上型光学ユニ
ット6に配置されている対物レンズ10の瞳面(主平
面)との関係を共役関係になるようにするもので、リレ
ーレンズ光学系を形成するものである。すなわち光ディ
スク2上の集光ビームが所定のトラックから僅かにずれ
た場合、偏向ミラー26を僅かに回転させることにより
対物レンズ10に入射させるレーザー光束13を傾か
せ、光ディスク2上の焦点を移動させて補正するもので
ある。しかしながら、この方式で焦点の補正を行う時、
偏向ミラー26と対物レンズ10の光学的距離が長い場
合は、対物レンズ10へ入射するレーザー光束13の移
動量が大きくなり、対物レンズ10に入射出来なくなる
場合がある。 【0014】この様な現象を回避するため、第1のリレ
ーレンズ29および第2のリレーレンズ30によって、
偏向ミラー26の反射面と対物レンズ10の瞳面との関
係を共役関係になるように設定し、偏向ミラー26が回
動しても対物レンズ10に入射するレーザー光束13は
移動せず、正確なトラッキング制御が可能となるように
している。なお、光ディスク2の内周/外周に渡るアク
セス動作は、ボイスコイルモーター4により回動アーム
3を回動させて行い、極微小なトラッキング制御のみ偏
向ミラー26を回動させて行う。 【0015】光ディスク2から反射されて戻ってきた復
路のレーザー光束13は、往路と逆に進み偏向ミラー2
6に反射されて複合プリズムアッセイ21に入射する。
その後第1のハーフミラー面21bで反射され、第2の
ハーフミラー面21cに向かう。第2のハーフミラー面
21cは、トラッキング検出センサー25へ向かう透過
光と、データ検出センサー24へ向かう反射光を生成
し、復路のレーザー光束を分離する。第2のハーフミラ
ー面21cを透過したレーザー光束はトラッキング検出
センサー25へ照射され、トラッキング誤差信号を出力
する。 【0016】一方、第2のハーフミラー面21cで反射
されたレーザー光束はウォラストンプリズム32により
偏光分離され、かつ集光レンズ33によって収束光に変
換後、反射プリズム23で反射されてデータ検出センサ
ー24に照射される。データ検出センサー24は2つの
受光領域をもっており、ウォラストンプリズム32によ
り偏光分離された2つの偏光ビームをそれぞれ受光する
ことにより、光ディスク2に記録されているデータ情報
を読みとりデータ信号を出力する。なお、正確には前記
トラッキング誤差信号およびデータ信号は図示せぬヘッ
ドアンプ回路によって生成され、制御回路または情報処
理回路に送られるものである。 【0017】次に、前述のガルバノモータ27におい
て、偏向ミラー26を回動するための構成について説明
する。図6は、ガルバノモータ27(偏向ミラー26を
含むユニット:いわゆるガルバノミラー)を示す断面図
である。偏向ミラー26はミラーホルダ100によって
保持されており、ミラーホルダ100はステータ150
内に収容されている。なお、偏向ミラー26を回転駆動
するためのコイル及びマグネットについては記載を省略
する。 【0018】ミラーホルダ100は、ステータ150に
取り付けられた一対のセンターピン122,124によ
って図中上下方向両側から挟み込まれている。ミラース
テータ100の上下面には一対のセンターピン122,
124を受ける円錐形の孔である軸受部106,108
が形成されている。一対のセンターピン122,124
と軸受部106,108により偏向ミラー26が所定の
回動軸(Z軸とする)を中心として回動可能に支持され
る。なお、偏向ミラー26は、そのミラー面26aの法
線(Y)が回動軸Zに対しに直交するようミラーホルダ
100に取り付けられている。 【0019】一対のセンターピン122,124のう
ち、下側のセンターピン124はステータに圧入固定さ
れている。これに対し、上側のセンターピン122はフ
ランジ形状を有するブシュ130に貫挿された状態で、
ステータ150に取り付けられている。このブシュ13
0の内側にはコイル140が設けられている。 【0020】図7は、上側センターピン122とコイル
140を示す斜視図及び側断面図である。上側センター
ピン122は非磁性材料、具体的には非磁性のステンレ
ス又はセラミックスで構成されている。また、上側セン
ターピン122の頂部には、永久磁石からなるチップ1
60が固定されている。このチップ160は上側がN
極、下側がS極になるよう磁化されている。なお、チッ
プ160は、永久磁石の代わりに強磁性材料で構成して
も良い。コイル140の給電端子141,142は図示
しない制御回路に接続されており、コイル140には、
図中下方に向かう磁界が生じるよう電流が流される。 【0021】図8は、上側センターピン122とコイル
140を示す側断面図である。上側センターピン122
は、チップ160が永久磁石142,144よりわずか
に上に位置するよう取り付けられる。コイル140の電
流により図中下方に向かう磁界が生じると、チップ16
0が下方に向かって引き寄せられる。これにより、上側
センターピン122が下方に付勢される。なお、チップ
160の下側をN極、上側をS極としても良い。その場
合には、コイル140に流れる電流の向きも逆にする。 【0022】このように構成されているため、簡単な構
成で、センターピン122,124でミラーホルダ10
0を挟み込むための与圧を得ることができる。即ち、ス
テータ150に与圧ばね等を設けた場合に比べて、ガル
バノモータの構成を簡単化、小型化することが可能にな
る。さらに、コイル140に流れる電流値を可変するこ
とによって、センターピンと軸受部との摩擦トルク特性
を自由に調節することができる。従って、ガルバノモー
タの組立後に摩擦トルク特性を調節することが可能にな
る。 【0023】図9は、第2の実施形態のガルバノモータ
を示す側断面図である。第2の実施形態では、ブシュ1
30には、上下2つのコイル240,250が設けられ
ている。図10及び図11は、上側センターピン122
とコイル240,250を示す斜視図及び断面図であ
る。図10に示すように、各コイル240,250に
は、下方に向かう磁界が生じるよう電流が流される。 【0024】図11に示すように、上側センターピン1
22には永久磁石からなるチップ260が設けられてい
る。このチップ260は、コイル240,250の上下
方向ほぼ中間に位置するように配置されており、上側が
N極、下側がS極になるよう磁化されている。従って、
上側センターピン122のチップ160を挟んだ上下に
は、下方に向かう磁場が生ずる。そして、チップ260
は、上側のコイル240の磁場からの反発力と下側のコ
イル250の磁場からの吸引力により、下方に付勢され
る。なお、チップ260は強磁性体で構成しても良い。 【0025】このように構成されているため、第2の実
施形態によると、センターピン122,124でミラー
ホルダ100を挟み込むための与圧をより強力にするこ
とができる。 【0026】 【発明の効果】以上説明したように、本発明のガルバノ
ミラーによると、与圧ばね等が不要になるため、ガルバ
ノミラーの構成を簡単で且つ小型にすることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】実施形態の光磁気ディスク装置の基本構成を示
す図である。 【図2】回動アームの先端部を示す図である。 【図3】浮上型光学ユニットを示す断面図である。 【図4】偏向ミラーと浮上型光学ユニットを示す平面図
である。 【図5】回動アームの側断面図である。 【図6】第1実施形態のガルバノモータを示す斜視図で
ある。 【図7】図6の上側センターピンとコイルを示す斜視図
である。 【図8】図6の上側センターピンとコイルを示す断面図
である。 【図9】第2実施形態のガルバノモータを示す斜視図で
ある。 【図10】図9の上側センターピンとコイルを示す斜視
図である。 【図11】図9の上側センターピンとコイルを示す断面
図である。 【符号の説明】 26 偏向ミラー 27 ガルバノモータ 100 ミラーホルダ 106,108 軸受部 122,124 センターピン 130 ブシュ 140 コイル 160 チップ

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】電磁駆動により偏向ミラーを取り付けた可
    動部を回転軸を中心に所定角度範囲回動させるガルバノ
    ミラーであって、前記可動部の回転軸を、固定側に前記
    可動部を挟んで設けた2つのセンターピンと、これらの
    センターピンの各先端部を夫々受ける前記可動部側に設
    けた2つの軸受とによって構成すると共に、一方のセン
    ターピンを非磁性材料で形成し、且つこのセンターピン
    の前記軸受と接触する側と反対の端部に強磁性材料又は
    永久磁石で構成した作用部を設け、このセンターピンを
    リング状の電磁コイルを介して軸方向に摺動自在に支持
    し、前記リング状の電磁コイルの前記作用部に対する吸
    引力により前記摺動自在なセンターピンを前記軸受けに
    対して軸方向に押圧するようにしたことを特徴とするガ
    ルバノミラー。
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