JP3563940B2 - ガルバノミラー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ガルバノミラーに関し、特に光学式情報記録再生装置の微動トラッキングに用いられるシンプルで小型のガルバノミラーに関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
近時、面記録密度が10Gビット/(インチ)を越える光磁気ディスク装置の開発が進んでいる。この装置では、光磁気ディスクのトラックと交差する方向に例えば回動する粗動用アームの先端部に設けた対物光学系に対するレーザ光束の入射角をガルバノミラー等の偏向手段により微調整して、微動トラッキングを例えば0.34μmと狭いトラックピッチレベルで正確に行うようなことが考えられている。ところで、このような粗動用アームでは構成部品点数の少ないシンプルで小型のガルバノミラーが望まれていた。
【0003】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上述のような背景に鑑みてなさせたものであり、本発明請求項1に記載ののガルバノミラーは、偏向ミラーが取り付けられた可動部と、可動部を回動可能に保持するハウジングとを備えるガルバノミラーであって、可動部に取り付けられ、可動部の回動の軸となる可動部側ピンと、可動部側ピンを回動可能に受ける軸受け部と、可動部側ピンを回転軸方向に押圧する与圧手段とを備え、与圧手段は板バネであり、軸受け部は板バネに形成された凹部である、ことを特徴とする。
【0004】
また、請求項2に記載の本発明のガルバノミラーは、ハウジングに設けられたハウジング側ピンと、可動部を挟んで可動部側ピンと対向する位置において可動部に設けられ、ハウジング側ピンの先端部を回動可能に受ける可動部側軸受け部と、をさらに備えることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
まず、近年のコンピューターにまつわるハード,ソフトの進歩に伴う外部記憶装置への要求、特に大記憶容量への要求の高まりに対して提案されたニア・フィールド記録(NFR : near field recording) 技術と呼ばれる記録再生方式を用いた光磁気ディスク記録再生装置の概要を図1乃至図5を参照して説明する

【0006】
図1はその光ディスク装置の全体概要図である。ディスクドライブ装置1には光ディスク2が図示しないスピンドルモータの回転軸に装着されている。一方、光ディスク2の情報を再生または記録するために回動(粗動)アーム3が光ディスク2の記録面に対して平行になるように取り付けられている。この回動アーム3はボイスコイルモーター4によって回転軸5を回転中心として回動可能となっている。この回動アーム3の光ディスク2に対向する先端には、光学素子を搭載した浮上型光学ヘッド6が搭載されている。また、回動アーム3の回転軸5近傍には光源ユニットおよび受光ユニットを備えた光源モジュール7が配設され、回動アーム3と一体となって駆動する構成となっている。
【0007】
図2、図3は回動アーム3の先端部を説明するものであり、特に浮上型光学ヘッド6を詳細に説明するものである。浮上型光学ユニット6はフレクシャービーム8に取り付けられており、光ディスク2に対向して配置されている。また、フレクシャービーム8は他端で回動アーム3に固着されており、フレクシャービーム8の弾性力により先端部の浮上光学ユニット6を光ディスク2に接触させる方向に加圧している。
【0008】
浮上型光学ユニット6は浮上スライダー9,対物レンズ10,ソリッドイマージョンレンズ(SIL)11,磁気コイル12から構成されており、光源モジュール7から出射された平行なレーザー光束13を光ディスク2上に収束させるはたらきをする。また、回動アーム3の先端部には前記レーザー光束13を浮上型光学ユニット6に導くために立ち上げミラー31が固着されている。 立ち上げミラー31により対物レンズ10に入射したレーザー光束13は、対物レンズ10の屈折作用により収束される。この集光点近傍にはソリッドイマージョンレンズ(SIL)11が配置されており、前記収束光を更に微細なエバネッセント光15として光ディスク2に照射させる。
【0009】
また、光ディスク2に面したソリッドイマージョンレンズ(SIL)11の周囲には、光磁気記録方式で記録するための磁気コイル12が形成されており、記録時には必要な磁界を光ディスク2の記録面上に印加出来るようになっている。このエバネッセント光15と磁気コイル12により、光ディスク2への高密度な記録および再生が可能となる。なお、浮上型光学ユニット6は光ディスク2の回転による空気流により微小量浮上するものであり、光ディスク2の面振れ等に追従する。このため従来の光ディスク装置では必要であった対物レンズの焦点制御(フォーカスサーボ)が不要となっている。
【0010】
以下、図4,図5を用いて回動アーム3上に搭載された光源モジュール7および浮上型光学ユニット6へ導かれる光束に関し詳細に説明する。回動アーム3は先端部に浮上型光学ユニット6を搭載し、他端にはボイスコイルモーター4を駆動するための駆動コイル16が固着されている。駆動コイル16は扁平状のコイルであり、図示せぬ磁気回路内に空隙をおいて挿入配置されている。回転軸5と回動アーム3はベアリング17,17により回動自在に締結されており、駆動コイルに電流を印加すると磁気回路との電磁作用により回転軸5を回転中心として回動アーム3を回動させることができる。
【0011】
回動アーム3上に搭載された光源モジュール7には半導体レーザー18,レーザー駆動回路19,コリメートレンズ20,複合プリズムアッセイ21,レーザーパワーモニターセンサー22,反射プリズム23,データ検出センサー24,およびトラッキング検出センサー25が配置されている。半導体レーザー18から放出された発散光束状態のレーザー光束は、コリメートレンズ20によって平行光束に変換される。この平行光束の断面形状は半導体レーザー18の特性から長円状であり、光ビームを光ディスク2上に微小に絞り込むには都合が悪いため略円形断面に変換する必要がある。このためコリメートレンズ20から出射された断面長円状の平行光束を、複合プリズムアッセイ21に入射させることにより平行光束の断面形状を整形する。
【0012】
複合プリズムアッセイ21の入射面21aは入射光軸に対して所定の斜面を形成しており、入射光を屈折させることにより平行光束の断面形状を長円形状から略円形形状に整形することが出来る。整形されたレーザー光束は複合プリズムアッセイ21内を進み第1のハーフミラー面21bに入射する。第1のハーフミラー面21bは光ディスク2から得られた情報を、データ検出センサー24,およびトラッキング検出センサー25に導くために設定されているが、往路においては半導体レーザー18から出射されたレーザーの出力パワーを検出するためのレーザーパワーモニターセンサー22への光束を分離する役目を果たす。
【0013】
レーザーパワーモニターセンサー22は受光した光の強度に比例した電流を出力するため、図示せぬレーザーパワーコントロール回路にこの出力を帰還させることにより半導体レーザー18の出力を安定化させることが出来る。複合プリズムアッセイ21から出射された略円形断面形状をもったレーザー光束13は偏向ミラー26に照射され、レーザー光束13の進行方向が変えられる。この偏向ミラー26は紙面に垂直な軸を回動中心とするガルバノモーター27に取り付いており、レーザー光束13を紙面に平行な方向に微小角度振ることが出来るようになっている。
【0014】
また、ガルバノモーター27には偏向ミラー26の回転角度を検出する偏向ミラー位置検出センサー28が配設されている。偏向ミラー26を反射したレーザー光束13は、第1のリレーレンズ29および第2のリレーレンズ(イメージングレンズ)30を経て、立ち上げミラー31で反射後浮上型光学ユニット6に至る。この第1のリレーレンズ29および第2のリレーレンズ30は、偏向ミラー26の反射面と浮上型光学ユニット6に配置されている対物レンズ10の瞳面(主平面)との関係を共役関係になるようにするもので、リレーレンズ光学系を形成するものである。すなわち光ディスク2上の集光ビームが所定のトラックから僅かにずれた場合、偏向ミラー26を僅かに回転させることにより対物レンズ10に入射させるレーザー光束13を傾かせ、光ディスク2上の焦点を移動させて補正するものである。しかしながら、この方式で焦点の補正を行う時、偏向ミラー26と対物レンズ10の光学的距離が長い場合は、対物レンズ10へ入射するレーザー光束13の移動量が大きくなり、対物レンズ10に入射出来なくなる場合がある。
【0015】
この様な現象を回避するため、第1のリレーレンズ29および第2のリレーレンズ30によって、偏向ミラー26の反射面と対物レンズ10の瞳面との関係を共役関係になるように設定し、偏向ミラー26が回動しても対物レンズ10に入射するレーザー光束13は移動せず、正確なトラッキング制御が可能となるようにしている。なお、光ディスク2の内周/外周に渡るアクセス動作は、ボイスコイルモーター4により回動アーム3を回動させて行い、極微小なトラッキング制御のみ偏向ミラー26を回動させて行う。
【0016】
光ディスク2から反射されて戻ってきた復路のレーザー光束13は、往路と逆に進み偏向ミラー26に反射されて複合プリズムアッセイ21に入射する。その後第1のハーフミラー面21bで反射され、第2のハーフミラー面21cに向かう。第2のハーフミラー面21cは、トラッキング検出センサー25へ向かう透過光と、データ検出センサー24へ向かう反射光を生成し、復路のレーザー光束を分離する。第2のハーフミラー面21cを透過したレーザー光束はトラッキング検出センサー25へ照射され、トラッキング誤差信号を出力する。
【0017】
一方、第2のハーフミラー面21cで反射されたレーザー光束はウォラストンプリズム32により偏光分離され、かつ集光レンズ33によって収束光に変換後、反射プリズム23で反射されてデータ検出センサー24に照射される。データ検出センサー24は2つの受光領域をもっており、ウォラストンプリズム32により偏光分離された2つの偏光ビームをそれぞれ受光することにより、光ディスク2に記録されているデータ情報を読みとりデータ信号を出力する。なお、正確には前記トラッキング誤差信号およびデータ信号は図示せぬヘッドアンプ回路によって生成され、制御回路または情報処理回路に送られるものである。
【0018】
次に、前述のガルバノモーター27において、偏向ミラー26を回動可能に支持するための構成について説明する。
図6は、ガルバノモータ27を示す斜視図である。ガルバノモータ27の偏向ミラー26はミラーホルダ100により保持され、所定の回動軸(Zとする)を中心として回動する。ミラーホルダ100は、ハウジング110内で回動軸Zを中心として回動可能に支持されている。
【0019】
図7は、図6に示すガルバノモータ27のA−A’断面図である。図7における形態は、図8で説明される実施形態を説明するための参考例である。ハウジング110には、ミラーホルダ100を回動軸Z方向両側(上下)から挟み込む一対のセンターピン122,124が設けられている。また、ミラーホルダ100の上下面には、センターピン122,124を受ける軸受部106,108が夫々形成されている。一対のセンターピン122,124のうち、下側のセンターピン124はハウジング110の底部に圧入固定されている。一方、上側のセンターピン122はハウジング110の頂部に設けられた形成されたバネ部材150と一体形成されている。
【0020】
なお、軸受部106,108は略円錐状の凹部であり、下側センターピン124は、先端が丸く形成された略円錐状(頂角は軸受部106,108の円錐の頂角よりも小さい)のピンである。また、上側センターピン122の先端はドーム形状を有している。
【0021】
バネ部材150は帯状の板バネであり、その一端にセンターピン122が形成され、他端がネジ151でハウジング110の上面に固定されている。バネ部材150の適度な弾性力により上側センターピン122は軸受部106に対して付勢される。
【0022】
かくして、上側/下側センターピン122,124と軸受部106,108及びバネ部材150によって、ミラーホルダ100が回動軸Zの回りで回動自在に保持される。バネ部材150(上側センターピン122を含む)が軸受機構と与圧機構とを兼ねているため、構成部品点数を少なくすることができる。
【0023】
なお、図6に示すようにミラーホルダ100の両側に一対のマグネット191,192が設けられており、ミラーホルダ100には各マグネットに対向する図示しない一対のコイルが設けられている。コイルに電流を流すと、コイルとマグネット191,192の電磁誘導の作用によりミラーホルダ100が回動軸Zを中心として回動し、偏向ミラー26に反射されるレーザー光束の向きを変えることができる。
【0024】
図8は、本願発明の実施形態のガルバノモータを示す断面図である。本願発明の実施形態では、上側センターピン200がミラーホルダ100の上部に取り付けられており、この上側センターピン200を受ける軸受部206がバネ部材250と一体に形成されている。バネ部材250の適度な弾性力により軸受部206は上側センターピン200に対して付勢される。このように、バネ部材250(軸受部206を含む)が軸受機構と与圧機構とを兼ねているため、構成部品点数を少なくすることができる。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のガルバノミラーによると、予圧バネにセンターピン又は軸受を設けることによって、軸受機構と予圧機構を兼用することができる。これにより、構成部品数を減らして、粗動アームの小型化に資することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の光磁気ディスク装置の基本構成を示す図である。
【図2】回動アームの先端部を示す図である。
【図3】浮上型光学ユニットを示す断面図である。
【図4】偏向ミラーと浮上型光学ユニットを示す平面図である。
【図5】回動アームの側断面図である。
【図6】ガルバノモータを示す斜視図である。
【図7】ガルバノモータの参考例を示す断面図である。
【図8】本願発明の実施形態のガルバノモータを示す断面図である。
【符号の説明】
26 偏向ミラー
27 ガルバノモータ
100 ミラーホルダ
106 軸受部
110 ハウジング
111 貫通溝
122 上側センターピン
124 下側センターピン
150 バネ部材
200 上側センターピン
250 バネ部材

Claims (2)

  1. 偏向ミラーが取り付けられた可動部と、前記可動部を回動可能に保持するハウジングとを備えるガルバノミラーであって、
    前記可動部に取り付けられ、前記可動部の前記回動の軸となる可動部側ピンと、
    前記可動部側ピンを回動可能に受ける軸受け部と、
    前記可動部側ピンを回転軸方向に押圧する与圧手段とを備え、
    前記与圧手段は板バネであり、
    前記軸受け部は前記板バネに形成された凹部である、
    ことを特徴とするガルバノミラー。
  2. 前記ハウジングに設けられたハウジング側ピンと、
    前記可動部を挟んで前記可動部側ピンと対向する位置において前記可動部に設けられ、前記ハウジング側ピンの先端部を回動可能に受ける可動部側軸受けと、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のガルバノミラー。
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