JP3476678B2 - 立体造形装置および立体造形方法 - Google Patents

立体造形装置および立体造形方法

Info

Publication number
JP3476678B2
JP3476678B2 JP18290498A JP18290498A JP3476678B2 JP 3476678 B2 JP3476678 B2 JP 3476678B2 JP 18290498 A JP18290498 A JP 18290498A JP 18290498 A JP18290498 A JP 18290498A JP 3476678 B2 JP3476678 B2 JP 3476678B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
liquid
dimensional modeling
modeling apparatus
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP18290498A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000015613A (ja
Inventor
高木  太郎
誠治 早野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Aspect Inc
Original Assignee
Hitachi Ltd
Aspect Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Aspect Inc filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP18290498A priority Critical patent/JP3476678B2/ja
Publication of JP2000015613A publication Critical patent/JP2000015613A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3476678B2 publication Critical patent/JP3476678B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、立体造形装置及び
立体造形方法に関し、特に石膏の薄層を順次、硬化、積
層することにより立体形状の加工物を形成する立体造形
装置及び立体造形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】実体物の薄層形状データを用いて立体物
を作成する方法として、積層造形方法が知られている
(例えば、積層造形システム(中川威雄、丸山洋二編
著、工業調査会発行、発行日1996年11月15
日))。積層造形法とは、三次元の実体形状物を複数枚
の薄層に分けて、これを立体形状物を構成するデータと
して取扱い、再び、該薄層形状データに基づいて、実体
的な薄層を順次積層することにより元の実体形状物を復
元する加工法の総称であるが、その代表的な加工法とし
て光造形法が知られている。
【0003】光造形法は、液状の光硬化性樹脂材料を使
用し、これに光を照射し、その際に起こる光固化反応を
利用して硬化させ、加工物を作製するものである。しか
し、光造形法によれば、材料の光硬化性樹脂が高価であ
ることや、光硬化性樹脂が液状であるため、特に複雑な
形状を作製する場合に加工物の支持構造(サポート)を
付加する必要がある(同書、第38頁〜第41頁参照)
ことなどから、費用の低減や加工時間の短縮が求められ
る用途に適用することが困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、硬化性の材
料として焼き石膏が知られている。焼き石膏は単に「石
膏」と呼ばれることもあるが、硬化した「石膏」と区別
するため、ここでは「焼き石膏」と呼ぶことにする。
「焼き石膏」の主成分は硫酸カルシウムの1/2水和物
であって、これに水を加えると水和反応が起こり、2水
和物である、いわ
【0005】ゆる「石膏」に変化する。この反応を化1
に示す。
【0006】
【化1】
【0007】この反応に際しては結晶構造の変化が伴
い、新たに作られる「石膏」の結晶は相互に結合するの
で、結果として硬化が起こることになるのである。この
現象を利用して「焼き石膏」は、古くから型取りなどに
利用されている。しかし、「焼き石膏」に水を加え、水
和反応を起こさせて硬化させるためには
【0008】、「焼き石膏」の結晶間にも水を浸透させ
ねばならないことから、上記化1で示される化学当量よ
りも多量の水が必要であるとともに、「焼き石膏」の結
晶構造が変化するには長い時間がかかる。例えば、粉末
の「焼き石膏」に、該「焼き石膏」が十分に硬化するだ
けの水を加えると、硬化を完了した「焼き石膏」、硬化
中の「焼き石膏」、未反応の粉末状態の「焼き石膏」等
の様々な状態が発生する。このため、全体の反応が終了
する前に、「焼き石膏」の粉末の表面に陥没が生じたり
して形状が崩れるので、「焼き石膏」はもっぱら型取り
の材料として使用されてきたが、積層造形法には使用さ
れることはなかった。
【0009】本願発明は、かかる問題点に鑑みて創作さ
れたものであり、液体との反応によって硬化する、「焼
き石膏」等の粉末を用いて、安価に、かつ制御性よく立
体形状を作製することのできる立体造形装置、および立
体造形方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の立体造形装置
は、薄層を積層させて元の実体形状物の形状を復元する
立体造形装置において、液体との反応によって硬化する
粉末と、前記粉末を載置する台と、前記台上の粉末を平
にして薄層化する手段と、実体形状物の薄層形状データ
に従って、前記薄層の完全硬化に必要な量より少ない量
の液体の量を1回分とし、時間の間隔をおいて複数回に
分けて前記粉末の表面の同じ所定区域に液体を散布又は
噴射して該薄層を硬化する液体供給手段とを有すること
を特徴とする。
【0011】また本発明の立体造形装置は、上記立体造
形装置において、各回の液体を散布又は噴射する毎に、
散布又は噴射された液体と粉末との反応進行状態を検査
する検査手段と、前記検査手段からの検査信号に従っ
て、前記液体供給手段を制御する調整手段を有すること
を特徴とする。
【0012】検査手段としては、例えば粉末の表面での
反射光の反射率測定手段や、誘電率測定手段や加工物ま
たは加工物周辺の温度を測定する手段が用いられる。ま
た液体供給の調整手段は、液体供給手段が散布又は噴射
する液体の供給量、供給時間、供給回数、または供給時
期を調整することを特徴とする。
【0013】本発明の立体造形方法は、薄層を積層させ
て元の実体形状物の形状を復元する立体造形方法におい
て、液体との反応によって硬化する粉末を供給する工程
と、前記粉末の表面を平坦にする工程と、実体形状物の
薄層形状データに従って、前記粉末表面の所定の区域に
液体を散布又は噴射する工程と、実体形状物の薄層形状
データに従って、前記薄層の完全硬化に必要な量より少
ない量の液体の量を1回分とし、時間の間隔をおいて複
数回に分けて同じ所定区域に液体を散布又は噴射する工
程とを有することを特徴とする。
【0014】
【0015】
【0016】なお、硬化材料粉末の代表的な材料とし
て、焼き石膏が考えられるが、水を含む液体との反応に
より硬化するものであれば、これに限らないことは明ら
かである。焼き石膏の混合物や、アルカリ土類金属塩を
含む類似の化合物の中には水和によって硬化する性質を
もつものがある。例えば、充填材が混合された改質石膏
や、ポルトランドセメントがその例である。
【0017】
【実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発明の実
施の形態の立体造形装置を、添付の図面を用いて説明す
る。図1は本発明の実施の形態に係る立体造形装置の全
体構成を示す断面図である。図において、3は粉末の焼
き石膏であり、容器1の中の載置台2上に所定量が供給
される。4はネジ切りされた軸5を回転させる昇降駆動
手段であり、載置台2を適当な位置に昇降する。
【0018】6は円筒状のスキージであり、スキャナ8
によってネジ切りされた軸7が回転することにより、左
右に移動することができ、載置台2上の焼き石膏3の表
面を平にするものである。9はヘッドであり、焼き石膏
の表面に水を噴射する水噴射器10、焼き石膏の表面に
光を照射する光源11および焼き石膏の表面で反射され
た光を受光する光センサ12とを備えている。ヘッド9
は、ネジ切りされた軸13と係合しており、軸13がス
キャナ14によって回転すると、左右に移動する。ま
た、スキャナ14自身も、不図示の別のスキャナによ
り、前後に移動させられるので、ヘッド9は、前後左右
どの位置にも移動することができる。
【0019】15は昇降駆動手段4を介して載置台2を
上下させたり、スキャナ8,14を介してスキージ6や
ヘッド9の位置を移動させたり、あるいはヘッド9の水
噴射器10、光源11、光センサ12の制御を行う制御
装置である。16は制御装置15内に設けられた水添加
量調節器であり、光センサからの電気信号をもとに焼き
石膏の水和反応の進行状態を検知し、水噴射器10から
供給される水の量を調節する。
【0020】制御装置15には、実体形状物の薄層形状
データが入力されている。なお、ここで実体形状物の薄
層形状データとは、実際の立体物を一定の厚さで輪切り
にした各薄層の平面形状を、位置データで表現したもの
をいう。図2は、図1に示す本願発明の実施の形態に係
る立体造形装置を用いて、焼き石膏の薄層を形成する成
層工程を示す図であり、図3は、同じく図1に示す本願
発明の実施の形態に係る立体造形装置を用いて、焼き石
膏の薄層に水を噴射して水和反応を起こさせる工程を示
す図である。
【0021】図4は、ヘッド9に取り付けられた光源1
1と光センサ12の構成を示す図であり、光源11は発
光ダイオード11aと集光レンズ11bからなり、光セ
ンサ12はフォトトランジスタ12aと集光レンズ12
bとからなっている。そして、発光ダイオード11aか
ら照射された光が焼き石膏の表面で焦点を結び、該表面
で反射された光がフォトトランジスタ12aで集光され
るように、光の照射方向、および光の受光方向を設定し
ている。例えば、図3では、光の照射方向を約45°に
設定しているので、反射光の受光方向も対称的な位置で
約45°となる。
【0022】図5(a)、(b)、(c)は、焼き石膏
の表面に水を噴射したときの焼き石膏の水和反応現象を
模式的に表したものである。焼き石膏の粉末の表面に水
を噴射する前の状態(図5(a))では、焼き石膏の粒
子17の間には空気が満たされている。この状態で、水
を噴射すると、水1
【0023】8が焼き石膏の粒子17の空隙を充填し、
化1で示されるような、水和反応が開始される(図5
(b))。水和反応には1時間ほどかかるが、水和反応
が進んだ状態では、図5(c)に示すように、焼き石膏
の粒子17が石膏の粒子19に変化する。反応によって
水が消費されるので、石膏の粒子19の空隙には再び空
気が入り込む。
【0024】なお、焼き石膏の粒子17の層と石膏の粒
子19の層との間には、水和が不完全な石膏の粒子20
の層ができる。そして、水の浸透が早いと、水和の不完
全な石膏の粒子20の層が厚くなってしまう。従って、
焼き石膏と水とを過不足なく適正に反応させるために
は、焼き石膏の層の厚さ、水噴射器10から供給する一
回の水の量、次の水の供給を行うタイミング、水の供給
回数等を、精密に設定する必要がある。
【0025】そこで、本願発明では、光センサ12によ
って焼き石膏の表面で反射する光の強さを検出し、焼き
石膏の水和反応の進行状態を監視している。まず、水を
噴射する前の状態(図5(a))では、焼き石膏の粒子
17によって光が乱反射するので、光センサ12に入力
する反射光量は少ない。次に、水を噴射すると、図5
(b)に示すように、水18が焼き石膏の粒子17の空
隙を充填するので、表面の平滑度が増加して光センサ1
2に入力する反射光量が増加する。そして、水和反応が
進んで石膏の粒子が生成すると、図5(c)に示すよう
に、再び表面の光の乱反射が増加して、光センサ12に
入力する反射光量が減少する。
【0026】図6は、水和反応の進行に従って表面の平
滑度が変化する状態を示す図であり、水を噴霧した直後
は表面の平滑度が高く、水和反応が進むにつれて粒子化
が進むので乱反射が増加し、すなわち平滑度が低下し、
ある一定時間が経過すると、粒子化が終了する。このよ
うにして、光の反射光を観察することにより反応の終了
時点を正確に知ることができる。
【0027】従って、水を噴射してから継続的に平滑度
を示す電気信号を監視し、反応によって水が消費されて
平滑度がある一定の値にまで低下したとき、再度水を噴
射すれば、意図しない部分に水を余分に浸透させること
なく、水を供給することができる。次に、図2〜図6を
参照しながら、本願発明の実施の形態に係る造形方法に
ついて説明する。
【0028】まず、図2に示すように、昇降駆動装置4
により、載置台2を所定量上昇させ、スキージ6に接近
させる。次いで、スキャナ8によりスキージ6を図の矢
印方向に移動させる。これにより、円筒状のスキージ6
は回転しながら移動し、スキージに接触した粉末は水平
方向に輸送され、余分な粉末は前方に排出される。これ
により、焼き石膏の粉末の表面は圧縮されることなく、
平坦で均一な厚さの薄層が形成される。
【0029】例えば、加工物21の上面に0.2mm程
度の厚さの焼き石膏の粉末の薄い層を形成する。次に、
制御装置15は、ヘッド9を所定の開始位置まで移動さ
せ、ヘッド9の水噴射器10から、焼き石膏の粉末の薄
い層に向かって水の噴射を開始する。そして、薄層形状
データに従い、ヘッド9を走査させて所定の領域の表面
全域に水を噴射する。ここで、噴射器10は微細な水滴
を噴射するものであり、例えばインクジェットプリンタ
で用いられるものと類似のインクジェットを用いてもよ
い。
【0030】水の噴射が終わると検査工程に進む。検査
工程では、まず、光源11から焼き石膏の粉末表面に光
を照射し、該表面から反射された光を光センサ12によ
り受光する。光センサ12内のフォトトランジスタ12
bは、受光した光の強さを電気信号に変換して、制御装
置15内の水添加量調節器16に送る。水添加量調節器
16は、この電気信号の強さから水和反応の進行状態を
監視し、水和反応の終了する時点を把握する。
【0031】一般に水の供給は複数回に分けて行う。以
下、これについて説明する。最初の水の供給は、焼き石
膏の硬化に必要な量よりも少ない量の水を噴射する。こ
こでの水の浸透は、焼き石膏の粉末の層の厚さよりもい
くらか深い程度、例えば約0.3mm程度の深さに留め
る。このときの水の量は少ないので、不完全な硬化とな
る。その後、改めて2回目の走査を行い、水を噴射す
る。ここでも水の浸透は約0.3mmに留める。このよ
うにして何回か繰り返し水を供給することにより、薄層
は完全に硬化させることができる。
【0032】このような工程を繰り返して薄層を積層さ
せることにより、加工精度を高め、加工分解能の向上を
図ることが可能となる。これに対して、一度に多量の水
を供給すると、所定の深さおよび領域以上に水が浸透
し、あるいは拡散して加工精度や加工分解能が低下する
とともに、硬化自体も不完全なものとなる恐れがある。
【0033】なお、光センサ12と水噴射器10はヘッ
ド9に取り付けてあるので、水の供給時間と検査時間が
ほぼ同じになってしまい、適正な検査ができない。そこ
で、水噴射のためのヘッド9の走査を適当な間隔で中断
し、その間を利用してヘッド9を一定の位置に戻し、水
の消費状態を監視する方法が有効である。このような、
水噴射のためにヘッドを走査した後に、再び水和反応の
進行状態を把握するためのヘッドの走査を行う水和工程
を、図7のフローチャートに示している。
【0034】(第2の実施の形態)上記第1の実施の形
態では、焼き石膏の粉末の表面平滑度の変化を監視して
水和反応の進行を把握していたが、焼き石膏の水和反応
の進行状態が安定していて再現性が見込めるならば、予
め反応終了時間を予測することができる。この場合、焼
き石膏の粉末の表面平滑度の監視する工程を省略するこ
とも可能である。
【0035】図8はその場合の本願発明の第2の実施の
形態に係る造形装置の構成を示す図であり、図1と同じ
符号を示すものは、同じ部材を示している。21は制御
装置であり、ヘッド9の走査回数を計数するカウンタ2
2と、ヘッド9の走査の開始時刻、走査の停止時刻や水
和反応終了予定時間等を設定するためのタイマ23を備
えている。
【0036】24は焼き石膏の温度を測定する温度セン
サであり、測定温度は制御装置21に送られる。制御装
置15には、温度に対応した水和反応特性データが予め
記憶しているので、温度センサ24の測定温度に基づい
て反応終了予定時間をより正確に算出することができ
る。これにより、水噴射の時間、量、間隔、回数を適正
に制御することが可能となる。
【0037】また、本実施の形態に係る造形装置によれ
ば、焼き石膏の粉末の薄層を形成した後、タイマ23が
指示する時間に走査を開始し、所定の領域に水を噴射す
る。そして、タイマ23が指示する水和反応終了予定時
間まで待機する。水和反応終了予定時間が経過すると、
再び、ヘッド9を走査して同じ所定の領域に水噴射を行
う。このようにして、カウンタ22が指示する回数だ
け、走査して水噴射を行う。
【0038】そして再び、タイマ23が指示する時間に
焼き石膏の粉末の層を積層する。こうして上記各工程を
繰り返すことにより、最終的に立体物を形成することが
できる。 (第3の実施の形態)噴射する水に、染料や顔料などの
着色剤を加えておくと、加工物の造形と同時に着色を行
うこともできる。
【0039】あるいは、着色剤を混ぜた液体噴射器を複
数個、備えることにより、フルカラーを含む所望の着色
や模様を施すことも可能である。この方法によれば、反
応によって水が焼き石膏に吸収される一方で、着色剤が
加工物の表面で凝縮することになる。そのため乾燥した
石膏に直接着色剤を染み込ませて着色する方法よりも、
濃淡のハッキリした着色がなされる。
【0040】(第4の実施の形態)但し、噴霧する水に
染料や顔料などの着色剤を加えた第3の実施の形態の場
合、焼き石膏の表面が着色剤で被覆されるので、反射光
の散乱状態が水のみを噴霧した場合と異なる場合があ
る。従って、光センサ12を用いて水和反応の進行を把
握する方法では、問題がある。
【0041】この場合には、焼き石膏の誘電率の変化を
利用することにより、水和反応の進行を正しく把握する
ことができる。例えば、液体の水の誘電率は約81で、
この値は空気の約80倍、乾燥した焼き石膏や石膏の5
倍以上である。従って、噴射された水が焼き石膏の粒子
と反応する過程で、誘電率は著しく減少する。図9は、
焼き石膏の誘電率の変化を測定するための誘電率測定装
置25の構成を示す図である。図において、26a,2
6bは一定の間隔を置いて取り付けられた電極、27は
電極26aと電極26bとの間に交流電圧を印加し、そ
の間に流れる電流を測定する電子回路、28は外部電磁
ノイズを排除する接地シールド部材、29は底が平坦な
絶縁性被覆部材であり、これらによって誘電率測定装置
25は構成されている。
【0042】30は誘電率測定装置25を上下させる昇
降機、31は軸32を回転することにより、誘電率測定
装置25を水平方向の任意の位置に移動させるスキャナ
である。次に、誘電率測定装置25を用いて、粉末の誘
電率を測定する方法について説明する。
【0043】まず、スキャナ31と昇降機30によっ
て、誘電率測定装置25を所定の位置まで移動させ、誘
電率測定装置25の絶縁性被覆部材29の底部を薄層の
粉末表面に、ほぼ密着させる。粉末表面の誘電率は水和
反応の進行状態によって変化しているので、電極26a
と電極26bとの間に電子回路27により交流電圧を印
加すると、粉末表面の誘電率の影響を受け、電極26
a,電極26b間に流れる電流が変わる。この場合、誘
電率の変化と電流の大きさの変化の関係は、ほぼ線型の
関係にある。
【0044】こうして測定された誘電率は、光の反射率
データの代わりに、例えば、図1の制御装置15に送ら
れる。制御装置15は、誘電率データを水和反応の進行
状態データに変換して、水噴射器10を適宜制御する。 (第5の実施の形態)図10は、同じ形状の加工物を多
数個造形する場合に適した、さらに別の実施の形態に係
る造形装置の構成を示す図であり、図1と同じ符号を示
すものは、同じ部材を示している。
【0045】図において、33は焼き石膏の粉末の表面
全体に一度に水を噴霧することのできる水噴霧器であ
り、容器1の上方に固定されている。35は薄いスクリ
ーンで形成されたステンシル、34aと34bはステン
シル35を次のステンシルに自動的に交換するステンシ
ル交換器である。図11はステンシル35の一部を示す
上面図であり、各穴の形状は同一で、立体物の薄層形状
データに従って形成されている。
【0046】なお、ステンシル35は立体物を形成する
層の数だけ用意される。次に、本実施の形態に係る造形
装置の動作について説明する。まず、焼き石膏の粉末が
供給された後、スキージ6が移動して焼き石膏の表面が
平にされる。次いで、ステンシル交換器34a,34b
により、最初の層に対応するステンシル35が焼き石膏
の粉末に接近した位置に設定される。
【0047】次に、水噴霧器33によって水を噴霧する
と、ステンシル35の穴の開いている部分を介して水が
焼き石膏の粉末に届き、その部分を選択的に硬化させ
る。何回か水を噴霧してその部分が十分に硬化したら、
次の層に対応するステンシルに交換する。こうして、層
の数に対応する数のステンシルを交換して、各層の硬化
を終了すると、一度に多数の同じ形状の立体物が出来上
がる。
【0048】本実施の形態によれば、ステンシルを利用
しているので、水の噴射を選択的に行う必要がない。す
なわち、図1に示す造形装置に比べて、ヘッドの3次元
的移動や走査駆動が不要なので、造形時間の短縮を図る
ことができる。なおステンシルの穴は必ずしもすべてが
同一である必要がない。複数の異なった立体形状物に対
応した穴をステンシルに形成することにより、異なった
立体形状物を多数得ることができる。
【0049】また、同じ形状多数の加工物を一度に造形
し、かつこれらの加工物に別の着色を行う場合には、図
10に示す本実施の形態の造形装置と図1の第1の実施
の形態に係る造形装置とを併用すれば効果的である。例
えば、図10に示す本実施の形態の造形装置を用いる
と、同じ形状多数の加工物を一度に造形することができ
るし、図1の第1の実施の形態に係る造形装置を用い
て、それぞれの加工物に別々に所定の着色を行うことが
できる。
【0050】
【発明の効果】本願発明によれば、液体との反応によっ
て硬化する、「焼き石膏」等の粉末を用いて、安価に、
かつ制御性よく立体物の形状を造形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る立体造形装置の全体
構成を示す断面図である。
【図2】図1に示す本願発明の実施の形態に係る立体造
形装置を用いて、焼き石膏の薄層を形成する成層工程を
示す図であり
【図3】図1に示す本願発明の実施の形態に係る立体造
形装置を用いて、焼き石膏の薄層に水を噴射して水和反
応を起こさせる工程を示す図である。
【図4】ヘッド9に取り付けられた光源11と光センサ
12の構成を示す図である。
【図5】図5(a)、(b)、(c)は、焼き石膏の表
面に水を噴射したときの焼き石膏の水和反応現象を模式
的に表したものである。
【図6】水和反応の進行に従って表面の平滑度が変化す
る状態を示す図である。
【図7】水噴射のためにヘッドを走査した後に、再び水
和反応の進行状態を把握するためのヘッドの走査を行う
水和工程を示すフローチャートである。
【図8】本願発明の別の実施の形態に造形装置の構成を
示す図である。
【図9】焼き石膏の誘電率の変化を測定するための誘電
率測定装置である。
【図10】本願発明のさらに別の実施の形態に係る装置
の構成を示す図である。
【図11】ステンシル35の一部を示す上面図である。
【符号の説明】
1 容器、 2 載置台、 3 焼き石膏、 4 昇降駆動手段、 5、7、13 軸、 6 スキージ、 8、14 スキャナ、 9 ヘッド、 10 水噴射器、 11 光源、 11a 発光ダイオード、 11b,12b 集光レンズ、 12 光センサ、 12a フォトトランジスタ、 15 制御装置、 16 水添加量調節器、 17 焼き石膏の粒子、 18 水、 19 石膏の粒子、 20 水和反応が不完全な石膏の粒子、 21 石膏からなる加工物、 22 カウンタ、 23 タイマ、 24 温度センサ、 25 誘電率測定装置、 26a,26b 電極、 27 電子回路、 28 シールド部材、 29 絶縁被覆部材、 33 水噴霧器、 34a,34b ステンシル自動交換器、 35 ステンシル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−218712(JP,A) 特開 平8−1641(JP,A) 特表 平7−507508(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B28B 1/00 B28B 1/30 - 1/32

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄層を積層させて元の実体形状物の形状
    を復元する立体造形装置において、 液体との反応によって硬化する粉末と、 前記粉末を載置する台と、 前記台上の粉末を平にして薄層化する手段と、 実体形状物の薄層形状データに従って、前記薄層の完全
    硬化に必要な量より少ない量の液体の量を1回分とし、
    時間の間隔をおいて複数回に分けて前記粉末の表面の同
    じ所定区域に液体を散布又は噴射して該薄層を硬化する
    液体供給手段とを有することを特徴とする立体造形装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の立体造形装置において、 前記各回の液体を散布又は噴射する毎に、散布又は噴射
    された液体と粉末との反応進行状態を検査する検査手段
    と、 前記検査手段からの検査信号に従って、前記液体供給手
    段を制御する調整手段を有することを特徴とする立体造
    形装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の検査手段は、粉末の表
    面での反射光の反射率測定手段であることを特徴とする
    立体造形装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の反射率測定手段は、光
    照射手段と受光手段とを備えていることを特徴とする立
    体造形装置。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の検査手段は、誘電率測
    定手段であることを特徴とする立体造形装置。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載の立体造形装置の検査手
    段において、加工物または加工物周辺の温度を測定する
    手段を備え、温度依存性に基づいて前記液体と粉末との
    反応の進行を推定することを特徴とする立体造形装置。
  7. 【請求項7】 請求項2乃至6のいずれかに記載の調整
    手段は、前記液体供給手段が散布又は噴射する液体の供
    給量、供給時間、供給回数、または供給時期を調整する
    ものであることを特徴とする立体造形装置。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の立体形状装置の液体供
    給手段は、無色又は複数種類の着色液体供給を行うもの
    であることを特徴とする立体造形装置。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれかに記載の立体
    造形装置において、 前記所定領域は、マスクを介して前記粉末の表面の所定
    区域に液体を散布又は噴射することを特徴とする立体造
    形装置。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれかに記載の立
    体形状装置において、 前記粉末を載置する台を上下に移動する手段を備えてい
    ることを特徴とする立体造形装置。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれかに記載の
    立体形状装置において、 前記液体は水であり、前記粉末は焼き石膏であることを
    特徴とする立体造形装置。
  12. 【請求項12】 薄層を積層させて元の実体形状物の形
    状を復元する立体造形方法において、 液体との反応によって硬化する粉末を供給する工程と、 前記粉末の表面を平坦にする工程と、 実体形状物の薄層形状データに従って、前記粉末表面の
    所定の区域に液体を散布又は噴射する工程と、 実体形状物の薄層形状データに従って、前記薄層の完全
    硬化に必要な量より少ない量の液体の量を1回分とし、
    時間の間隔をおいて複数回に分けて同じ所定区域に液体
    を散布又は噴射する工程とを有する立体造形方法。
JP18290498A 1998-06-29 1998-06-29 立体造形装置および立体造形方法 Expired - Lifetime JP3476678B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18290498A JP3476678B2 (ja) 1998-06-29 1998-06-29 立体造形装置および立体造形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18290498A JP3476678B2 (ja) 1998-06-29 1998-06-29 立体造形装置および立体造形方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000015613A JP2000015613A (ja) 2000-01-18
JP3476678B2 true JP3476678B2 (ja) 2003-12-10

Family

ID=16126419

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18290498A Expired - Lifetime JP3476678B2 (ja) 1998-06-29 1998-06-29 立体造形装置および立体造形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3476678B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3501692A1 (en) 2017-12-20 2019-06-26 Ricoh Company, Limited Method and apparatus for fabricating three-dimensional object

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4907766B2 (ja) * 1998-10-29 2012-04-04 ズィー・コーポレーション 三次元プリント材料系及び方法
US8167999B2 (en) * 2007-01-10 2012-05-01 3D Systems, Inc. Three-dimensional printing material system with improved color, article performance, and ease of use
JP2009050917A (ja) * 2008-11-04 2009-03-12 Komatsu Igata Seisakusho:Kk 石膏鋳型
JP4722988B2 (ja) * 2008-11-10 2011-07-13 有限会社小松鋳型製作所 造形用材料、機能剤、造形製品及び製品
JP5488406B2 (ja) * 2010-11-04 2014-05-14 セイコーエプソン株式会社 造形用スラリー及び造形方法
JP2013154615A (ja) * 2012-01-31 2013-08-15 Brother Industries Ltd 立体造形装置、立体造形物の製造方法、立体造形装置用の造形液、および立体造形粉体
JP5659192B2 (ja) * 2012-05-18 2015-01-28 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 立体造形用混合粉体及び立体造形物
US10596756B2 (en) 2015-06-22 2020-03-24 Ricoh Company, Ltd. Three-dimensional shaping apparatus, three-dimensional shaping method, and information processing device
JP6682887B2 (ja) * 2015-06-22 2020-04-15 株式会社リコー 立体造形装置、立体造形方法、立体造形プログラム、および情報処理装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5204055A (en) * 1989-12-08 1993-04-20 Massachusetts Institute Of Technology Three-dimensional printing techniques
US5387380A (en) * 1989-12-08 1995-02-07 Massachusetts Institute Of Technology Three-dimensional printing techniques
JPH081641A (ja) * 1994-06-23 1996-01-09 Mitsubishi Materials Corp 半水石膏の凝結時間測定方法及びその装置と石膏建材の製造工程管理方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3501692A1 (en) 2017-12-20 2019-06-26 Ricoh Company, Limited Method and apparatus for fabricating three-dimensional object

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000015613A (ja) 2000-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3476678B2 (ja) 立体造形装置および立体造形方法
US20200324487A1 (en) Method and system for additive-ablative fabrication
EP3002110B1 (en) System and method for additive manufacturing of an object
US10086559B2 (en) System for online monitoring powder-based 3D printing processes and method thereof
JP6441955B2 (ja) 配線基板作製方法および配線基板作製装置
TWI619616B (zh) 製作三維物件之技術
JP3431729B2 (ja) 回路基板の製造方法及び製造装置
IL281794A (en) Method and system for supplement production with the help of temperature control in a closed circuit
US20230173752A1 (en) Slurry-based stereolithographic apparatus
JPH05200975A (ja) スクリーン印刷機
JPWO2017006412A1 (ja) 造形装置および造形方法
JPH02117195A (ja) 回路基板の半田レジスト層形成方法
KR102177318B1 (ko) 디스펜서를 이용한 이종 잉크 공급 제어가 가능한 연속 시어링 코팅 장치 및 그 방법
WO2023112205A1 (ja) 3次元積層造形装置
TWI832166B (zh) 用於形成材料層之列印機壓抵總成及實體自由成形體製造方法及系統
JPH05278122A (ja) 立体モデル造形装置
JP2000280224A (ja) 窯業製品のプレス柄寸法安定化方法
TW201004711A (en) Coating apparatus
JPH0416325B2 (ja)
JP2000094528A (ja) 光造形装置のスキージ装置
JP2023131281A (ja) 電気回路形成方法、および制御プログラム
JPH10249944A (ja) 光造形装置
JPH09100176A (ja) 石膏ボードの製造法
JPH05104510A (ja) 基板へのモルタル塗布方法
JP2001171009A (ja) モデル表面処理剤

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030916

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080926

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080926

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090926

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090926

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100926

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100926

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110926

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110926

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120926

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120926

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120926

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130926

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term