JP3476055B2 - 空洞含有ポリエステル系フィルム - Google Patents
空洞含有ポリエステル系フィルムInfo
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Description
テル系フィルムに関する。更に詳しくは、熱転写受像シ
ートの基材として好適な空洞含有ポリエステル系フィル
ムに関する。
紙もしくは天然紙の表面に記録層を形成したものが知ら
れている。しかしこの方法では、表面平滑性が不十分な
ものしか得られない。これに対し、受像シートの平滑性
を向上させるため、薄手のポリプロピレン系合成紙と天
然紙とを貼り合わせたものや、厚手のポリプロピレン系
合成紙を基材として用い、これらの表面に記録層を設け
たものが広く用いられている。これは、ポリプロピレン
系合成紙では、天然紙では得られない表面平滑性を有し
ており、かつ適度なクッション性も併せ持っているから
である。そして、適度なクッション性を有していること
により、熱転写時の加熱ヘッド/転写リボン/受像シー
ト間で均一かつ十分な接触ができるようになり、均一か
つ高濃度の印刷物が得られるようになる。しかし、ポリ
プロピレン系合成紙を基材として用いた場合には、ポリ
プロピレン系合成紙が極めて塑性変形しやすく、かつ可
撓性に乏しいため、受像紙を軽くたわませただけで表面
に折れシワが入り、印刷物の品位を著しく損なってしま
うという重大な欠点があった。
わりにポリエステル系空洞含有フィルムを用いる方法も
提案されている。しかし、ポリエステル系空洞含有フィ
ルムは、一般にポリプロピレン系合成紙よりも剛性が大
きく、クッション性が不十分である。従って、ポリエス
テル系空洞含有フィルムを用いてポリプロピレン系合成
紙を用いた場合と同等の画像濃度を得るためには、クッ
ション性を確保するために空洞含有率をポリプロピレン
系合成紙の空洞含有率より高めなければならない。その
結果、空洞の大きさが著しく大きくなって、表面の平滑
性が損なわれたり、表面に容易に折れシワが生じやすく
なるという本末転倒の結果となってしまう。更に、空洞
含有率を大きくした場合には、製造安定性が著しく不良
となるため、工業スケールで安定してこれを製造する事
は極めて困難である。
術の欠点すなわち、表面平滑性に優れ、十分な画像濃度
が得られ、かつ耐折れシワ性に優れた受像シートが得ら
れないという問題を解決せんとするものである。
に非相溶の熱可塑性樹脂に由来する空洞をフィルム内部
に多数含有し、且つ平均粒径が0.1〜1μmの微粒子
に由来する空洞を多数含有するポリエステル層(スキン
層)が前記フィルム表面に接合されてなる空洞含有ポリ
エステル系フィルムであって、見掛け比重が1.3以下
であり、その少なくとも何れか一方の表面の凝集破壊指
数が3以下であり、かつ該表面の光沢度が20%以上であ
ることを特徴とする空洞含有ポリエステル系フィルムで
ある。
タル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のごと
き芳香族ジカルボン酸又はそのエステルとエチレングリ
コール、ジエチレングリコール、1、4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコールのごときグリコールとを重
縮合させて製造されるポリエステルである。これらのポ
リエステルは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接
反応させる方法のほか、芳香族ジカルボン酸のアルキル
エステルとグリコールとをエステル交換反応させた後重
縮合させるか、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコ
ールエステルを重縮合させるなどの方法によって製造す
ることができる。かかるポリエステルの代表例としては
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンブチレンテ
レフタレートあるいはポリエチレン−2、6−ナフタレ
ートなどが挙げられる。このポリエステルはホモポリマ
ーであってもよく、第三成分を共重合したものであって
も良い。いずれにしても本発明においては、エチレンテ
レフタレート単位、ブチレンテレフタレート単位あるい
はエチレン−2、6−ナフタレート単位が70モル%以
上、好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モ
ル%以上であるポリエステルが好ましい。
の熱可塑性樹脂は任意であり、ポリエステルに非相溶性
のものであれば特に制限されるものではない。具体的に
は、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ
アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン
系樹脂、セルロース系樹脂などがあげられる。特にポリ
スチレン系樹脂あるいはポリメチルペンテン、ポリプロ
ピレンなどのポリオレフィン系樹脂が好んで用いられ
る。
樹脂としてより好ましいものとしては、例えば以下のも
のが挙げられる。すなわち、ポリエステルに非相溶の熱
可塑性樹脂として、少なくともポリスチレン系樹脂とポ
リメチルペンテン系樹脂およびポリプロピレン系樹脂を
含有し、ポリスチレン系樹脂の含有量(a重量%)とポ
リメチルペンテン系樹脂の含有量(b重量%)およびポ
リプロピレン系樹脂の含有量(c重量%)が以下の関
係、0.01≦a/(b+c)≦1、c/b≦1、3≦
a+b+c≦20を満足することが最も好ましく、空洞
率を大きくすると共に耐折れシワ性を改良するのに適し
ている。
チレン構造を基本構成要素として含む熱可塑性樹脂を指
し、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティッ
クポリスチレン、アイソタクティックポリスチレン等の
ホモポリマーの外、その他の成分をグラフトあるいはブ
ロック共重合した改質樹脂、例えば耐衝撃性ポリスチレ
ン樹脂や変性ポリフェニレンエーテル樹脂等、更にはこ
れらのポリスチレン系樹脂と相溶性を有する熱可塑性樹
脂例えばポリフェニレンエーテルとの混合物を含む。
0モル%以上、好ましくは90モル%以上が4−メチル
ペンテン−1から誘導される単位を有するポリマーであ
り、他の成分としてはエチレン単位、プロピレン単位、
ブテン−1単位、3−メチルブテン−1等からの誘導単
位が例示される。
レートは200g/10分以下であることが好ましく、
更に好ましくは30g/10分以下である。これは、メ
ルトフローレートが200g/10分を超える場合に
は、フィルムの軽量化効果を得にくくなるからである。
脂としては、アイソタクティックポリプロピレン、シン
ジオタクティックポリプロピレン等のホモポリマーの
外、その他の成分をグラフトあるいはブロック共重合し
た改質樹脂も含まれる。また、本発明におけるポリプロ
ピレン系樹脂の存在状態としては、上記のポリプロピレ
ン系樹脂を前記ポリメチルペンテンとは別に混合して用
いてもよいし、ポリメチルペンテン系樹脂中にプロピレ
ン単位を共重合成分として導入したものを用いても構わ
ない。
に非相溶な熱可塑性樹脂のポリエステルに対する混合量
は、目的とする空洞の量によって異なってくるが、フィ
ルム全体に対して3〜20重量%の範囲とすることが好
ましく、更には5〜18重量%が好ましい。そして、3
重量%未満では、空洞の生成量を多くすることに限界が
ある。逆に、20重量%以上では、フィルムの延伸性が
著しく損なわれ、また耐熱性や強度、腰の強さが損なわ
れるため好ましくない。
せるため、ポリエステル中あるいは非相溶樹脂中に無機
または有機の粒子を必要に応じて添加してもよい。添加
可能な粒子としては、シリカ、カオリナイト、タルク、
炭酸カルシウム、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウ
ム、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化チタン、硫化亜
鉛、有機白色顔料等が例示されるが特に限定されるもの
ではない。
は、見掛け比重が1.3以下、より好ましくは1.1以
下である必要がある。そして、見掛け比重が1.3より
大きい場合は、フィルムに内在する空洞の量が少な過
ぎ、熱転写印刷時に十分な画像濃度が得られない。一
方、見掛け比重の下限は規制されないが、耐折れシワ性
を確保するために0.7以上とすることが好ましく、更に
は0.8以上とすることが好ましい。
は、その少なくとも何れか一方の表面の凝集破壊指数が
3以下、より好ましくは2以下、最も好ましくは1であ
ることを要する。この要件は本発明の最も重要な構成要
件であり、これを満足することにより、熱転写印刷時の
画像濃度を飛躍的に向上させることが可能となるのであ
る。逆に、フィルム表面の凝集破壊指数が3を超える場
合には、従来知られていた空洞含有ポリエステル系フィ
ルムと同等の画像濃度しか得られない。
ム表面を構成するポリエステルの凝集力を表す指数であ
り、この値が大きいほど凝集力が大きいことを表す。そ
して表面の凝集破壊指数は、フィルム表面の近傍を構成
するポリエステルに内在する空洞の存在状態によって決
定される。即ち、凝集破壊指数を小さくさせることは、
より微細な空洞をより多くフィルム表面の近傍に形成す
ることを意味するのであって、この効果によって飛躍的
な画像濃度の向上効果が得られるのである。
ィルムは、表面の凝集破壊指数を3以下とすると同時
に、該表面の光沢度が20%以上、より好ましくは30%以
上であることを要する。これは、表面の光沢度が20%に
満たない場合には、フィルム表面の平滑性ひいては熱転
写受像シートの表面平滑性が損なわれ、熱転写印刷時に
インクリボンと受像紙との均一密着性を得ることが困難
となり、画像濃度が極端に低下するからである。また、
熱転写画像もざらつき、印刷品位が大きく低下する。
意であり何ら制限されるものではないが以下に均一な2
軸配向フィルムであって、前記凝集破壊指数と光沢を得
るための達成手段を例示しながら詳細に説明する。ま
ず、平均粒径が0.1〜1μmの微粒子に由来する微細
空洞を含有するポリエステル層(スキン層)をフィルム
表面に接合することによって、前記凝集破壊指数と光沢
度を達成することが出来る。かかるスキン層中の空洞含
有率についても何ら制限されるものではないが、20体
積%以上の空洞を形成することが好ましい。
均径が0.1μmに満たない場合には、後述するフィル
ム延伸工程での空洞形成能が著しく低下し、フィルム表
面の劈開強度を3以下とすることが困難となり、所期の
熱転写感度特性の向上効果が得られない。逆に平均径が
1μmを超える粒子を用いた場合には、空洞形成能は優
れるものの、フィルム表面の平滑性が著しく低下して光
沢度を20%以上とすることが困難となり、熱転写感度特
性をかえって低下させてしまう。
は、無機粒子であっても有機粒子であってもよく、何ら
制限されるものではないが、例えば二酸化チタンや炭酸
カルシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、二酸化珪素、酸
化アルミニウム、タルク、カオリンなどが挙げられる。
またこれらの粒子は必要に応じて表面処理をしても構わ
ない。その処理剤としては酸化アルミニウム、二酸化珪
素、酸化亜鉛、シリコン系樹脂、シロキサン系樹脂、フ
ッ素系樹脂、シランカップリング剤やチタネートカップ
リング剤、ポリオールやポリビニルピリジンなどが挙げ
られるが、これらに限定されるものではない
化チタン微粒子および硫化亜鉛微粒子が挙げられる。更
に、フィルムにより効果的に隠蔽性を付与出来る観点か
ら、酸化チタン微粒子が最も好んで用いられる。酸化チ
タン微粒子はアナターゼ型、ルチル型の何れでもよい。
また、粒子表面にアルミナやシリカ等の無機処理を施し
てもよいし、シリコン系あるいはアルコール系等の有機
処理を施してもよい。
度は任意であるが、20〜50重量%とすることが好まし
い。そして、添加量が20%に満たない場合には空洞の形
成能が不十分となって、フィルム表面の凝集破壊指数を
3以下とすることが困難となる。逆に50%を超える場合
には、フィルム表面の平滑性が急激に損なわれ、フィル
ム表面の光沢度を20%以下とすることが困難となる。
剤、耐光剤、蛍光剤、帯電防止剤などを添加することも
可能である。
ィルム全体厚みの30%未満であることが好ましい。そし
て、スキン層の厚みが1μmに満たない場合には、フィ
ルム表面積あたりの微粒子濃度のバラツキが大きくなる
ため、画像濃度にムラが生じ、印刷物がザラついた印象
を与える傾向にある。一方、20μmを超える厚みでスキ
ン層を形成しても、画像濃度の向上効果は得られず無意
味である。更に、スキン層厚みがフィルム全体厚みの30
%を超える場合には、フィルム全体の延伸性が著しく低
下する傾向にあり、安定した工業生産性を確保する上で
好ましくない。
の製造方法は任意であり、特に制限されるものではない
が、例えば以下のようにして製造することが出来る。
方法としては、A層とB層の樹脂を別々の押出機に供給
した後、溶融状態で積層して同一のダイから押し出す共
押出法を採用することが最も好ましい。
度差をもったロール間での延伸(ロール延伸)やクリッ
プに把持して拡げていくことによる延伸(テンター延
伸)や空気圧によって拡げることによる延伸(インフレ
ーション延伸)などによって2軸配向処理される。配向
処理することにより、ポリエステル/非相溶性樹脂間お
よびポリエステル/微粒子間で界面剥離を生じ、微細空
洞が多数発現する。
る条件は、空洞の生成と密接に関係する。以下では、最
も好んで用いられる逐次2軸延伸方法、特に未延伸シー
トを長手方向次いで幅方向に延伸する方法を例にとり、
延伸・配向条件を説明する。
部に微細な空洞を多数形成するために最も重要なプロセ
スである。縦延伸は、周速が異なる2本あるいは多数本
のロール間で延伸する。このときの加熱手段としては、
加熱ロールを用いる方法でも非接触の加熱方法を用いる
方法でもよく、それらを併用してもよい。この中で最も
好ましい延伸方法としては、ロール加熱と非接触加熱を
併用する方法があげられる。この場合、まず加熱ロール
を用いてフィルムを50℃〜ポリエステルのガラス転移点
以下の温度に予備加熱した後、フィルムの表裏について
独立した制御系の赤外線ヒータで加熱する。このとき、
スキン層面がより低温となるように加熱し、不足する熱
量は反対面からの赤外線加熱で補う。このように、フィ
ルム表裏を異なる温度に加熱して延伸することが極めて
重要である。そして、非接触の加熱装置で温度差を設け
る方法は一つの好ましい例に過ぎず、他の方法、例えば
異なる温度のロール間にフィルムを挟んで加熱する方法
等によっても同様の効果が得られる。何れにしろ、フィ
ルム全体の加熱を反スキン層側から主体的に行ってフィ
ルムを均一に延伸するに足りる十分な熱量を供給し、ス
キン層面をより低い温度で延伸することが、スキン層中
に無機微粒子由来の空洞を多数形成させるために重要な
ポイントである。
フィルムをテンターに導入し、幅方向に 2.5〜5倍に延
伸する。このときの好ましい延伸温度は、100 ℃〜20
0℃である。
に対し、必要に応じて熱処理を施す。熱処理はテンター
中で行うのが好ましく、ポリエステルの融点Tm−50℃
〜Tmの範囲で行うのが好ましい。
有フィルムは、スキン層中に十分な微細空洞を含有する
とともに、その製造安定性も優れている。
ィルムは、少なくともそのいずれか一方の表面に塗布層
を有していても構わない。そして、塗布層を設けること
により、インキやコーティング剤などの塗れ性や接着性
を改良することができる。塗布層を構成する化合物とし
ては、ポリエステル系樹脂が好ましいが、この他にも、
ポリウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリ
ル系樹脂など、通常のポリエステルフィルムの接着性を
向上させる手段として開示されている化合物等が適用可
能である。
アコート方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレ
イコート方式、カーテンコート方式、エアナイフコート
方式、ブレードコート方式、リバースロールコート方式
など通常用いられている方法が適用できる。塗布する段
階としては、フィルムの延伸前に塗布する方法、縦延伸
後に塗布する方法、配向処理の終了したフィルム表面に
塗布する方法などのいずれの方法も可能である。
テル系フィルムは、従来の空洞含有フィルムに対し、優
れた耐折れシワ性と表面の平滑性を有しつつ、飛躍的な
画像濃度の向上効果が得られる。
を用い、熱転写受像シートを作成するためには、フィル
ム表面に熱転写インクシートから移行してくるインクや
拡散性(昇華性)染料を受容するための記録層を形成す
ればよい。この場合、フィルム上に直接記録層を形成し
てもよいし、易接着層や白色度向上層あるいは帯電防止
層等の下塗り層を介して形成してもよい。
ィルムを単独で基材として用いてもよいし、他の基材と
複合して用いてもよい。複合可能な他の基材としては、
天然紙、各種合成樹脂フィルム、織布、不織布等が挙げ
られるが、これらに制限されるものではない。
に粘着加工を施し、熱転写印刷可能な粘着ラベルとして
用いてもよい。
る測定・評価方法を以下に示す。
し、その厚みを50点測定して平均厚みt(単位μm)
を求める。次にサンプルの重量を0.1mgまで測定
し、w(単位g)とする。そして、下式によって見かけ
比重を計算した。 見かけ比重(−)=(w/t)×10000
118 (18mm幅)、(2)ニチバン製セロテープ(24mm幅)
を準備する。これらのテープを50mmにカット(端部折り
返し)し、気泡が入らないようにフィルムに貼り付け指
でしごいて十分に密着させる。そしてテープを180 °方
向に一気に引き剥がし、フィルム表面の剥離状態によっ
て5段階に評価する。
0度での反射率を求めた。
塗工し、寸法固定して160℃で30秒間熱処理して記
録層を形成し、熱転写受像シートを作成する。
6サイズにカットしたサンプルについて、市販のインク
リボン(株式会社キャラベルデータシステム製昇華転写
プリンター用プリントセットP−PS100)と市販熱
転写プリンタ(ボン電気株式会社製熱転写型ラベルプリ
ンターBLP−323)を用いて、印字スピード100
mm/秒、ヘッド電圧18Vで印字する。印字パターン
には、C(シアン)、M(マジェンタ)、Y(イエロ
ー)、およびそれらを重ね印字したK(ブラック)の4
色について、各色9mm×9mmの正方形のベタ文字を
7個ずつ(計28個)A6シート内に配置したパターン
を用いる。印字後、マクベス濃度計(TR−927)を
用いて、CMYK各色の反射濃度を計測し、4色(計2
8カ所)の平均濃度を求める。
ルデータシステム製昇華転写プリンター用プリントセッ
トP−PS100:天然紙の両面に発泡ポリプロピレン
フィルムをラミネートし、記録層を形成したもの)につ
いても同様の方法で平均濃度を求め、市販受像紙の濃度
に対するサンプルの濃度の比率(%)で熱転写感度特性
を評価する。
幅1cmの短冊状に切り取り、直径5mmのガラス棒に
巻き付け、しごく。その後サンプルを再度伸ばし、実体
顕微鏡を用いて表面に発生した折れシワの状態を観察し
た。 ランクA:折れシワなし ランクB:全面に細い折れシワあり ランクC:全面に太い折れシワあり
ムのスキン層厚みをT 2 、フィルムの総合延伸倍率=縦
延伸倍率×横延伸倍率(未延伸フィルムに倍率マーカー
を記入して実測)をDとし、次式によって算出した。 空洞含有率(%)=100−100×T1 /(T2 ×
D)
法によって計測出来る他、ヒートプレス前後のスキン層
厚み変化率や電子顕微鏡を用いた断面観察等からも算出
可能である。ヒートプレス法で空洞含有率を評価する場
合には、ヒートプレス機でフィルム中の空洞を完全に押
しつぶし、ヒートプレス前後でのB層厚み(電子顕微鏡
観察)変化率をF=(ヒートプレス後のB層厚み)/
(ヒートプレス前のB層厚み)、ヒートプレス前後での
フィルム単位面積当たりの重量変化率をG=(ヒートプ
レス後の単位面積当たり重量)/(ヒートプレス前の単
位面積当たり重量)とした場合、次式によって算出出来
る。 空洞含有率(%)=100−(F/G)×100
1.7 のポリスチレン樹脂(三井東圧株式会社製トーポレ
ックス570-57U )20重量%とメルトフローレート1.7
のポリプロピレン樹脂(三井東圧株式会社製ノーブレン
FO-50F)20重量%およびメルトフローレート8のポリ
メチルペンテン樹脂(三井石油化学株式会社製TPX,
DX−845)60重量%をペレット混合し、2軸押し
出し機に供給して十分に混練りし、空洞形成剤を調整し
た。
料として極限粘度0.64のポリエチレンテレフタレート樹
脂50重量%に平均粒径 0.3μm(電顕法)のアナター
ス型二酸化チタン(富士チタン株式会社製TA-300)50
重量%を混合したものをベント式2軸押し出し機に供給
して予備混練りした後、溶融ポリマーを連続的にベント
式単軸混練り機に供給して混練りして微粒子(酸化チタ
ン)含有マスターペレットを調整した。
10重量%と微粒子(酸化チタン)含有マスターペレッ
ト5重量%および固有粘度0.62のポリエチレンテレフタ
レート樹脂85重量%をペレット混合して真空乾燥を施
し、A層を構成するフィルムの原料とした。
タレート樹脂30重量%と前記の微粒子(酸化チタン)
含有マスターペレット70重量%をペレット混合して真
空乾燥を施し、B層を構成するフィルムの原料とした。
層を構成するフィルムの原料をそれぞれ別個の押出し機
に供給し、フィードブロックを用い、A層の片面にB層
を溶融状態で接合した。このとき、A層とB層の吐出量
比率は、ギアポンプを用いて93対7体積比に制御した。
次いでTダイを用いて30℃に調節された冷却ドラム上に
押し出し、厚み約600μmの未延伸シートを作成し
た。このとき、B層側が非ドラム面、A層側がドラム面
となるように押し出した。
伸シートを、加熱ロールを用いて65℃に均一加熱し、
65℃に温度制御したメタルロールと温度非制御のゴム
ロールとでフィルムを挟んで速度規制(2m/分)し、
同様に速度規制(6.8m/分)した高速ロール(メタ
ルロールは30℃に温度制御、ゴムロールは温度制御せ
ず)との間で3.4倍に延伸した。このとき、速度規制し
た2組のロールは、速度規制点の間隔が25cmとなる
ように平行に設置し、B面(非ドラム面)側がゴムロー
ル面に接触するように配置した。また、ニップロール中
央部に金反射膜を備えた赤外線加熱ヒータ(定格20W
/cm)をフィルムの両面に対向して設置(フィルム表
面から1cmの距離)し、A層面を定格の100%の電
流で加熱し、B層面を定格の60%で加熱した。このよ
うにして得られた1軸延伸フィルムをテンターに導き、
150℃に加熱して 3.7倍に横延伸し、幅固定して 220
℃で5秒間の熱処理を施し、更に 210℃で幅方向に4%
緩和させることにより、厚み75μmの空洞含有ポリエス
テル系フィルム(実施例1)を得た。
%の電流値で赤外線加熱することを除いては、実施例1
と全く同様の方法で空洞含有ポリエステル系フィルム
(比較例1)を得た。
含有マスターペレットを真空乾燥したものを単独で用い
ること以外は、実施例1と全く同様の方法で空洞含有ポ
リエステル系フィルム(比較例2)を得た。
た微粒子(酸化チタン)含有マスターペレット10重量
%と真空乾燥を施した固有粘度0.62のポリエチレンテレ
フタレート樹脂83重量%およびメルトフローレート1.
7 のポリスチレン樹脂(三井東圧株式会社製トーポレッ
クス570-57U )7重量%をペレット混合したものを用い
ること以外は、実施例1と同様の方法で空洞含有ポリエ
ステル系フィルム(比較例3)を得た。
チタン粒子に代えて平均粒子径 0.3μm(電顕法)の硫
化亜鉛微粒子を用いること以外は、実施例1と同様の方
法で空洞含有ポリエステル系フィルム(実施例2)を得
た。なお、A層の原料は実施例1と全く同一のものを用
いた。
B層吐出量を均等に二分割してA層の両面にB層を形成
すること以外は実施例1と同様の方法により、B1層
(非ドラム面)/A層/B2層(ドラム面)構成の未延
伸シートを作成した。その後の延伸・熱処理工程は実施
例1と全く同様の方法で空洞含有ポリエステル系フィル
ム(実施例3)を得た。
レフタレート樹脂40重量%と実施例1で用いた微粒子
(酸化チタン)含有マスターペレット50重量%、蛍光
増白剤含有マスターペレット(固有粘度0.62のポリ
エチレンテレフタレート樹脂中にイーストマン社製OB
−1を2重量%含有)10重量%をペレット混合して真
空乾燥したものを用いた。これ以外は実施例1と全く同
じ方法で未延伸フィルムを作成した。
いて83℃に均一加熱し、93℃に温度制御したメタル
ロールと非加熱のゴムロールとでフィルムを挟んで速度
規制(2m/分)し、同様に速度規制(6.8m/分)
した高速ロール(メタルロールは30℃に制御、ゴムロ
ール温度は制御せず)との間で 3.4倍に延伸した。この
とき、速度規制した2組のロールは、速度規制点の間隔
が25cmとなるように平行に設置し、B面(非ドラム
面)側がゴムロール面に接触するように配置した。な
お、本実施例では補助加熱装置を用いず、ロール加熱の
みによってフィルムを加熱した。
をテンターに導き、120℃に加熱して 3.5倍に横延伸
し、幅固定して 220℃で5秒間の熱処理を施し、更に 2
10℃で幅方向に4%緩和して空洞含有ポリエステル系フ
ィルム(実施例4)を得た。
レートチップ88重量%に分子量4000のポリエチレ
ングリコールフレーク2重量%およびメルトフローレー
ト180のポリメチルペンテンペレット(三井石油化学
株式会社製TPX,DX−820)10重量%を加えて
混合し、A層を構成するフィルムの原料とした。
径0.8μm(電顕法)の炭酸カルシウム粒子(備北粉
化株式会社製、ソフトン3200)を30重量%含む微
粒子(炭酸カルシウム)含有マスターペレットを作成
し、このマスターペレット45重量%と極限粘度0.62の
ポリエチレンテレフタレート樹脂55重量%を混合して
真空乾燥を施し、B層を構成するフィルムの原料とし
た。
れぞれ別個の押出し機に供給し、フィードブロックを用
い、A層の両面にB層を接合した。その後の工程は、常
法により、98℃で 3.5倍に縦延伸し、 125℃で 3.2倍に
横延伸、次いで 220℃で熱処理し、空洞含有ポリエステ
ル系フィルム(比較例4)を得た。
タレート樹脂84重量%と微粒子(酸化チタン)含有マ
スターペレット16重量%をペレット混合して真空乾燥
したものを用いること以外は、実施例1と同様の方法で
空洞含有ポリエステル系フィルム(比較例5)を得た。
/微粒子(酸化チタン)含有マスターペレット/固有粘
度0.62のポリエチレンテレフタレート樹脂=7/5/8
8とすること以外は、実施例1と全く同様の方法で空洞
含有ポリエステル系フィルム(実施例5)を得た。
る事ができる。実施例1〜5のフィルムを基材として用
いた熱転写記録シートでは、本発明で規定される要件を
満足しているので、表面平滑度と耐折れシワ性に優れ、
かつ高濃度の熱転写画像が得られることが解る。これに
対し、見掛け比重が本発明で規定される要件を超える比
較例3、表面の凝集破壊指数が本発明で規定される要件
を超える比較例1,4,5、表面の光沢度が本発明で規
定される要件に満たない比較例2では相対画像濃度が小
さく、高濃度の熱転写画像が得られないことが解る。
に優れ、十分な画像濃度が得られ、かつ耐折れシワ性に
優れた受像シート用として有用な空洞含有ポリエステル
系フィルムであることがわかる。
Claims (6)
- 【請求項1】 ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂
に由来する空洞をフィルム内部に多数含有し、且つ平均
粒径が0.1〜1μmの微粒子に由来する空洞を多数含
有するポリエステル層(スキン層)が前記フィルム表面
に接合されてなる空洞含有ポリエステル系フィルムであ
って、見掛け比重が1.3以下であり、その少なくとも
何れか一方の表面の凝集破壊指数が3以下であり、かつ
該表面の光沢度が20%以上であることを特徴とする空洞
含有ポリエステル系フィルム。 - 【請求項2】 請求項1記載のスキン層中の空洞含有率
が20体積%以上であることを特徴とする空洞含有ポリ
エステル系フィルム。 - 【請求項3】 請求項1あるいは2記載のスキン層の厚
みが1〜20μmかつフィルム全体厚みの30%未満である
ことを特徴とする空洞含有ポリエステル系フィルム。 - 【請求項4】 請求項1乃至3記載のいずれかのスキン
層中に添加される微粒子が酸化チタンであることを特徴
とする空洞含有ポリエステル系フィルム。 - 【請求項5】 請求項1乃至3記載のいずれかのスキン
層中に添加される微粒子が硫化亜鉛であることを特徴と
する空洞含有ポリエステル系フィルム。 - 【請求項6】 ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂と
して、少なくともポリスチレン系樹脂とポリメチルペン
テン系樹脂およびポリプロピレン系樹脂を含有し、ポリ
スチレン系樹脂の含有量(a重量%)とポリメチルペン
テン系樹脂の含有量(b重量%)およびポリプロピレン
系樹脂の含有量(c重量%)が以下の関係を満足するこ
とを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の空洞
含有ポリエステル系フィルム。 0.01≦a/(b+c)≦1 c/b≦1 3≦a+b+c≦20
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP87798A JP3476055B2 (ja) | 1998-01-06 | 1998-01-06 | 空洞含有ポリエステル系フィルム |
EP98110403A EP0884347B1 (en) | 1997-06-09 | 1998-06-06 | Porous polyester film and thermal transfer image-receiving sheet |
DE1998625818 DE69825818T2 (de) | 1997-06-09 | 1998-06-06 | Poröser Polyesterfilm und thermisches Übertragungsbildempfangsschicht |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP87798A JP3476055B2 (ja) | 1998-01-06 | 1998-01-06 | 空洞含有ポリエステル系フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11199694A JPH11199694A (ja) | 1999-07-27 |
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ID=11485913
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Families Citing this family (3)
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JP2007324013A (ja) * | 2006-06-02 | 2007-12-13 | Shimadzu Corp | 回転陽極x線管装置 |
-
1998
- 1998-01-06 JP JP87798A patent/JP3476055B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH11199694A (ja) | 1999-07-27 |
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