JP3473859B2 - 制振装置 - Google Patents

制振装置

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JP3473859B2 JP30112893A JP30112893A JP3473859B2 JP 3473859 B2 JP3473859 B2 JP 3473859B2 JP 30112893 A JP30112893 A JP 30112893A JP 30112893 A JP30112893 A JP 30112893A JP 3473859 B2 JP3473859 B2 JP 3473859B2
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一也 村越
信行 荒井
勝 石井
宏 宮野
宏一 洞
浩 倉林
俊夫 小見
隆史 藤田
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    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F15/00Suppression of vibrations in systems; Means or arrangements for avoiding or reducing out-of-balance forces, e.g. due to motion

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建物等の構造物の振動
を抑制する制振装置に関し、より詳しくは、可動質量を
運動させて制振作用を得るようにしたマス・ダンパと呼
ばれる制振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】地震や風圧力等の外力によって建物等の
構造物に発生する振動を抑制するため、可動質量の運動
を利用して制振作用を得るようにしたマス・ダンパと呼
ばれる制振装置が知られている。マス・ダンパは、一般
に、建物の最上部付近に設置され、建物の主たる振動方
向が水平方向であるため、マス・ダンパの可動質量は水
平方向に移動可能に支持されている。このようなマス・
ダンパには、アクティブ・マス・ダンパ、パッシブ・マ
ス・ダンパ、それにハイブリッド・マス・ダンパ等の種
類がある。
【0003】前記アクティブ・マス・ダンパは、可動質
量を水平方向に駆動する駆動系と、駆動系を制御する制
御系とを備えており、アクティブ・マス・ダンパでは、
制御系で駆動系を制御し、可動質量を建物に対して相対
的に適切に運動させることによって、建物自体の振動が
抑制される。
【0004】また、前記パッシブ・マス・ダンパは、可
動質量と建物との間に介設されたスプリングと減衰装置
を備えており、可動質量とスプリングと減衰装置で構成
される振動系の固有振動周期と減衰比が、適切な周期
(建物の一次固有周期に近い周期)と減衰比に設定され
ている。そして、パッシブ・マス・ダンパでは、可動質
量が建物の振動を受けて振動し、このときの可動質量の
変位に応じた大きさの力がスプリングを介して、また、
可動質量の速度に応じた大きさの力が減衰装置を介し
て、建物に作用することによって、建物自体の振動が抑
制される。
【0005】また、前記ハイブリッド・マス・ダンパ
は、パッシブ・マス・ダンパに、更に、駆動系と制御系
とを付加したものであるが、ただし、別の見方として、
アクティブ・マス・ダンパに更に、スプリングと、必要
に応じてダンパとを付加したものと考えることもでき
る。そのため、ハイブリッド・マス・ダンパの作用は、
パッシブ・マス・ダンパの作用を駆動系によって補助、
修正、ないし強化して、より効果的な制振作用が得られ
るようにしたものであるということもでき、或いは、ア
クティブ・マス・ダンパにパッシブ・マス・ダンパの作
用を付加することによって、駆動系の動力源の負荷を軽
減するようにしたものであるということもできる。
【0006】従って、アクティブ・マス・ダンパないし
ハイブリッド・マス・ダンパには、可動質量を駆動する
ための駆動系が、可動質量と建物との間に介設され備え
られている。従来のこの種の駆動系の例としては、特公
平5−56414号に開示されているアクティブ・マス
・ダンパに備えられているもののように、可動質量の内
側空間にモータ及び歯車機構を配設した構成の駆動系が
知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のマス・ダンパ用の駆動系では、モータないし
歯車機構の点検や交換、調整等をはじめとする、定期な
いし臨時の保守作業の作業性が悪いという不具合があ
り、また、制振装置の高さがかなり大きくなるため、制
振装置を建物の屋内に設置した場合には、まるまる1階
分のフロアがその制振装置に占領されてしまうという不
都合があった。本発明は前記事情に鑑み案出されたもの
であって、本発明の目的は、モータ等の駆動系の保守作
業を容易に行なえ、更には、高さを低くでき屋内に配設
する場合に有利な制振装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、構造物の振動を抑制する制振装置であっ
て、構造物に固定される基台と、高さ方向に扁平な形状
形成され前記基台上に水平方向に移動可能に支持され
た可動質量と、前記可動質量を駆動させる駆動系と、前
記駆動系を制御する制御系と、前記基台と前記可動質量
間に配設され、前記可動質量の移動に伴って減衰力を
発生するダンパと、前記基台と前記可動質量間に配設
され、前記可動質量と共に振動系を形成するスプリング
とを備え、前記駆動系は、前記可動質量に連結され該
動質量の移動方向に沿って延在するビームと、前記ビー
ムに設けられたラックと、前記ラックに噛合するピニオ
ンと、前記ピニオンを回転させるモータで構成され、前
記制御系は、構造物の振動を検出する振動センサと、前
記振動センサの検出出力に基づいて前記モータを制御す
る制御器で構成され、前記ビームは前記可動質量の側面
に連結され、前記モータ及びピニオンは前記可動質量の
移動範囲外における前記基台上に配設され、前記ダンパ
と前記スプリングとは、前記可動質量の上方に、平面的
に並べて配設されていることを特徴とする。
【0009】また、本発明は、前記駆動系が、前記モー
タと前記ピニオンの間の前記基台上に平面的に並べて配
設された減速機及びクラッチを含んで構成されており、
前記クラッチが前記減速機と前記ピニオンとの間に配置
されていることを特徴とする。また、本発明は、前記ダ
ンパがオイルダンパで、そのシリンダ本体が前記可動質
量の上面で該可動質量の移動方向と平行する方向に取着
されていることを特徴とする。また、本発明は、前記ス
プリングが前記可動質量の移動方向と直交する方向に間
隔をおき前記可動質量の移動方向に平行して、移動範囲
を越える初期撓わみを有して多数配設されていることを
特徴とする。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に従って説
明する。図1は本発明に係る制振装置の平面図、図2は
同正面図を示す。1は制振装置で、制振装置1は構造物
に固定される基台3と、基台3上に水平方向に移動可能
に配設された可動質量5と、可動質量5を駆動させる駆
動系7と、駆動系7を制御する制御系9と、基台3と可
動質量5との間に設けられたコイルスプリング11と、
基台3と可動質量5との間に設けられたオイルダンパ1
3等を備える。基台3は細長状の部材の組み合わせによ
り平面視長方形の枠状に形成され、基台3の一方の短辺
3Aと、他方の短辺3B寄りに位置する箇所に、夫々ス
プリング掛止部材15が短辺3A,3Bに平行して配設
され、また、基台3の両長辺3C上で前記スプリング掛
止部材15の間には、長辺3Cに沿ってガイドレール1
7が取り付けられている。
【0011】前記可動質量5は高さ方向に扁平直方体
状に形成され、その長辺5C方向を基台3の短辺3A,
3Bに平行させて前記スプリング掛止部材15,15の
間に配設され、実施例では鋼製でその質量が2tonに
設定されている。前記可動質量5は、その長辺5C方向
の両側下端に取着されたベアリング19が前記ガイドレ
ール17に係合して該ガイドレール17上を直線移動で
きるように配設されている。これらベアリング19やガ
イドレール17により、基台3上において可動質量5を
水平方向に移動可能に支持する支持系20が構成され、
この支持系20は、可動質量5を、その中立位置からの
可動範囲が±30cmとなるように支持している。前記
可動質量5の長辺5C方向の中央部には短辺5Aに平行
した凹部501が形成され、この凹部501を除く可動
質量5の上面には、可動質量5の短辺5Aの中央を延在
し前記スプリング掛止部材15に対向するスプリング掛
止部材21が立設され、また、前記可動質量5の長辺5
C方向中央部で駆動系7側に臨む側面箇所には継手23
を介してビーム25が連結されている。前記ビーム25
は可動質量5と直交する方向に延在し、ビーム25の先
端はスプリング掛止部材15から突出して駆動系7側に
臨み、ビーム25は、基台3に取着されたベアリング2
7を介してその長手方向に移動可能に支持され、ビーム
25の上面にはラック29が取着されている。
【0012】前記コイルスプリング11は、前記スプリ
ング掛止部材21の両側と、これに対応するスプリング
掛止部材15との間に配設されている。前記コイルスプ
リング11は、基台3の長辺3Cと平行し短辺3A,3
B方向に間隔をおいて合計20本配設され、実施例で
は、それら20本のコイルスプリング11の全てを合わ
せた全体としては、レベル2地震時に生じる±30cm
の変形に対し、残留歪が生じない引っ張りばねで構成さ
れ、ばね定数が117Kgf/cmに設定されており、
可動質量5の移動範囲を越える初期撓わみを有し配設さ
れている。そして、可動質量5の質量が記述の如く2t
onに設定されているため、可動質量5とコイルスプリ
ング11とで構成される振動系の固有振動周期は0.8
29秒となっている。前記オイルダンパ13はシリンダ
本体1301と、このシリンダ本体1301に組み込ま
れたピストンと、このピストンに連結されたピストンロ
ッド1303により構成され、前記シリンダ本体130
1は、前記可動質量5の上面の凹部501に取着され、
前記ピストンロッド1303は該シリンダ本体1301
の両側から突出し、一方の端部は基台3側に連結されて
いる。実施例では、オイルダンパ13として速度2乗型
で、最大速度が170cm/s、最大減衰力が2.85
tonfのものが用いられている。
【0013】前記駆動系7は基台3の他方の短片3B
と、この短片3B寄りのスプリング掛止部材15との間
に配設されている。前記駆動系7は、ACサーボモータ
31と、このモータ31の動力を受けその回転速度を減
速する減速機33と、減速機33の出力の伝達、遮断を
行なうクラッチ35により構成され、クラッチ35の出
力軸にはピニオン37が取着され、このピニオン37は
前記ラック29に噛合している。
【0014】前記制御系9は、建物等の構造物の振動を
検出する振動センサ901と、前記振動センサ901の
検出出力に基づいて前記モータ31の回転速度を適切に
制御する制御器903等で構成されている。これら振動
センサ901及び制御器903には、従来公知のアクテ
ィブ・マス・ダンパやハイブリッド・マス・ダンパに使
用されているものを利用できる。
【0015】上記構成からなる制振装置1は、地震入力
3cm/sでアクティブに稼働できるように設定してあ
り、振動センサ901からの検出出力に基づいて制御器
903によりモータ31が制御され、減速器33、クラ
ッチ35、ピニオン37、ラック29、ビーム25を介
して可動質量5が駆動され、可動質量5を基台3に対し
て相対的に適切に運動させることにより、制振効果が奏
される。このとき可動質量5は、可動質量5とスプリン
グ11とからなる振動系の固有振動周期で振動しようと
するが、その振動を駆動系7によって補助、補正、ない
し強化することによって、効果的な制振作用が得られ
る。
【0016】本実施例によれば、基台3上において、可
動質量5と駆動系7が平面的に並べられて制振装置1が
構成されているので、モータ31や減速機33、クラッ
チ35、ピニオン37、ラック29等の駆動系7の点検
や交換、調整等をはじめとする保守作業を簡単に行なう
ことが可能となり、更に、制振装置1の高さを低く抑え
ることができ、制振装置1を屋内に配設する場合に有利
となる。また、実施例では、クラッチ35を含ませて駆
動系7を構成したので、万一、駆動系9が故障した場合
には、クラッチ35を切断することによって、この制振
装置1はパッシブ・マス・ダンパとして機能することが
できる。また、実施例では、扁平な可動質量5上におい
て、オイルダンパ13とコイルスプリング11を平面的
に並べたので、制振装置1の高さを低く抑える上でより
一層有利となる。
【0017】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明は、
構造物の振動を抑制する制振装置であって、構造物に固
定される基台と、高さ方向に扁平な形状形成され前記
基台上に水平方向に移動可能に支持された可動質量と、
前記可動質量を駆動させる駆動系と、前記駆動系を制御
する制御系と、前記基台と前記可動質量間に配設さ
れ、前記可動質量の移動に伴って減衰力を発生するダン
パと、前記基台と前記可動質量間に配設され、前記
動質量と共に振動系を形成するスプリングとを備え、前
記駆動系は、前記可動質量に連結され該可動質量の移動
方向に沿って延在するビームと、前記ビームに設けられ
たラックと、前記ラックに噛合するピニオンと、前記ピ
ニオンを回転させるモータで構成され、前記制御系は、
構造物の振動を検出する振動センサと、前記振動センサ
の検出出力に基づいて前記モータを制御する制御器で構
成され、前記ビームは前記可動質量の側面に連結され、
前記モータ及びピニオンは前記可動質量の移動範囲外に
おける前記基台上に配設され、前記ダンパと前記スプリ
ングとは、前記可動質量の上方に、平面的に並べて配設
されているので、モータ等の駆動系の保守作業を容易に
行なえ、更には、高さを低くでき屋内に配設する場合に
有利な制振装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る制振装置の平面図である。
【図2】本発明に係る制振装置の正面図である。
【符号の説明】
1 制振装置 3 基台 5 可動質量 7 駆動系 9 制御系 11 コイルスプリング 13 オイルダンパ 25 ビーム 29 ラック 31 モータ 33 減速機 35 クラッチ 37 ピニオン 901 振動センサ 903 制御器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大山 秀美 東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目6番15号 株式会社フジタ内 (72)発明者 中村 佳也 東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目6番15号 株式会社フジタ内 (72)発明者 村越 一也 東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目6番15号 株式会社フジタ内 (72)発明者 荒井 信行 東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目6番15号 株式会社フジタ内 (72)発明者 石井 勝 東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目6番15号 株式会社フジタ内 (72)発明者 宮野 宏 東京都江東区東雲1−9−31 三菱製鋼 株式会社内 (72)発明者 洞 宏一 東京都江東区東雲1−9−31 三菱製鋼 株式会社内 (72)発明者 倉林 浩 東京都江東区東雲1−9−31 三菱製鋼 株式会社内 (72)発明者 小見 俊夫 東京都江東区東雲1−9−31 三菱製鋼 株式会社内 (72)発明者 藤田 隆史 千葉県流山市中野久木575−28 (56)参考文献 特開 昭61−59036(JP,A) 特開 平5−248120(JP,A) 特開 昭62−127540(JP,A) 特開 平2−91369(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 15/02 E04H 9/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物の振動を抑制する制振装置であっ
    て、 構造物に固定される基台と、高さ方向に 扁平な形状形成され前記基台上に水平方向
    移動可能に支持された可動質量と、 前記可動質量を駆動させる駆動系と、 前記駆動系を制御する制御系と、 前記基台と前記可動質量間に配設され、前記可動質量
    の移動に伴って減衰力を発生するダンパと、 前記基台と前記可動質量間に配設され、前記可動質量
    と共に振動系を形成するスプリングとを備え、 前記駆動系は、前記可動質量に連結され該可動質量の移
    動方向に沿って延在するビームと、前記ビームに設けら
    れたラックと、前記ラックに噛合するピニオンと、前記
    ピニオンを回転させるモータで構成され、 前記制御系は、構造物の振動を検出する振動センサと、
    前記振動センサの検出出力に基づいて前記モータを制御
    する制御器で構成され、前記ビームは前記可動質量の側面に連結され、 前記モー
    タ及びピニオンは前記可動質量の移動範囲外における
    基台上に配設され、 前記ダンパと前記スプリングとは、前記可動質量の上方
    に、平面的に並べて配設され ている、 ことを特徴とする制振装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動系は、前記モータと前記ピニオ
    ンの間の前記基台上に平面的に並べて配設された減速機
    及びクラッチを含んで構成されており、前記クラッチは
    前記減速機と前記ピニオンとの間に配置されている請求
    項1記載の制振装置。
  3. 【請求項3】 前記ダンパはオイルダンパで、そのシリ
    ンダ本体が前記可動質量の上面で該可動質量の移動方向
    と平行する方向に取着されている請求項1または2記載
    の制振装置。
  4. 【請求項4】 前記スプリングは前記可動質量の移動方
    向と直交する方向に間隔をおき前記可動質量の移動方向
    に平行して、移動範囲を越える初期撓わみを有して多数
    配設されている請求項3記載の制振装置。
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