JP3473830B2 - 有機性汚泥の脱水方法 - Google Patents

有機性汚泥の脱水方法

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JP3473830B2 JP30741898A JP30741898A JP3473830B2 JP 3473830 B2 JP3473830 B2 JP 3473830B2 JP 30741898 A JP30741898 A JP 30741898A JP 30741898 A JP30741898 A JP 30741898A JP 3473830 B2 JP3473830 B2 JP 3473830B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機性汚泥の脱水
方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、下水、し
尿、産業排水などより生ずる生物処理汚泥が含まれる有
機性汚泥を、効率的に脱水することができる有機性汚泥
の脱水方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、都市下水やし尿処理などから発生
する生物処理汚泥を含む有機性汚泥は、有機物含有量の
増加や腐敗などにより、汚泥脱水に必要な脱水剤の添加
率が増加し、脱水ケーキの含水率が高く、汚泥処理量も
低く抑えざるを得ないなど、難脱水化の傾向にある。こ
れらの難脱水性汚泥に対しては、従来より、種々の脱水
方法が試みられている。例えば、特開昭63−1582
00号公報には、脱水ケーキの含水率が低く、ろ布剥離
性が良好な汚泥の脱水方法として、無機凝集剤添加後の
pH値が5〜8である有機質汚泥に対して両性有機高分子
凝集剤を添加し、次いで脱水する汚泥の脱水方法が提案
されている。また、特開平2−180700号公報に
は、汚泥の処理能力が大きく、懸濁物質の回収率が高
く、ろ布からの脱水ケーキの剥離性が良好であり、脱水
ケーキの含水量を低減することができる有機性汚泥の脱
水方法として、有機性汚泥に無機凝集剤を添加し、さら
に特定のコロイド当量値とアニオン量/カチオン量の比
を有する両性有機高分子凝集剤を添加したのち、脱水す
る方法が提案されている。さらに、特公平3−4716
0号公報には、生成するフロックの強度が大きく、脱水
が容易で、ケーキの含水率が低く、懸濁物質の分離水へ
の流出が少ない有機性汚泥の脱水法として、余剰汚泥に
硫酸バンドなどの金属塩を使用して凝集処理し、さらに
第4級アンモニウム基を有するカチオン性高分子凝集剤
を添加して脱水する方法が提案されている。このような
2種以上の薬剤を併用して脱水する方法は、難脱水性汚
泥の脱水性改善に効果があり、広く用いられるようにな
っている。しかし、これらの従来の技術には、薬品コス
トが高い、効果に汎用性が乏しい、設備や作業が煩雑に
なるなどの問題点がある。一方、脱水機に関しては、圧
密という概念を取り入れた脱水機構を有する高効率型遠
心脱水機が開発され、日本下水道事業団により、平成4
年度民間開発技術審査証明で認定されている。この高効
率型遠心脱水機を用いることにより、低含水率のケーキ
が得られるようになってきてはいるものの、適用できる
汚泥種が限定されている。このために、下水、し尿、産
業排水などから生ずる生物処理汚泥を含む有機性汚泥に
広く適用することができ、少量の薬剤の添加により効果
的に脱水して、フロックの強度が大きく、ろ布からの剥
離性が良好で、含水率の低いケーキを得ることができる
有機性汚泥の脱水方法が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、下水、し
尿、産業排水などより生ずる生物処理汚泥が含まれる有
機性汚泥を、少量の薬剤の添加により効率的に脱水し
て、分離水中のSS濃度が低く、SS回収率が高く、フ
ロックの強度が大きく、含水率の低いケーキを得ること
ができる有機性汚泥の脱水方法を提供することを目的と
してなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、有機性汚泥に、
固有粘度が3dl/g以上で、0.2重量%水溶液の粘
度(mPa・s)と固有粘度(dl/g)の積を0.4
重量%水溶液の曳糸長(mm)で除した商が特定の範囲
にあるカチオン性有機高分子凝集剤を添加し、強い剪断
力のかかる条件下に、汚泥と凝集剤を反応させ、脱水す
ることにより、容易に効果的な脱水を行い得ることを見
いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は、 (1)有機性汚泥にカチオン性有機高分子凝集剤を添加
し、強い剪断力のかかる条件下に、有機性汚泥とカチオ
ン性有機高分子凝集剤とを反応させ、脱水する有機性汚
泥の脱水方法において、固有粘度が3dl/g以上であ
り、B型回転粘度計を用いて回転速度30rpmで測定
した0.2重量%水溶液の粘度(mPa・s)と固有粘
度(dl/g)の積を、0.4重量%水溶液の曳糸長
(mm)で除した商が50〜200であるカチオン性有
機高分子凝集剤を添加し、遠心脱水機を用いて機械脱水
することを特徴とする有機性汚泥の脱水方法、及び、 ()有機性汚泥が下水・し尿排水処理又は産業排水よ
り生じる有機性汚泥である第(1)項記載の有機性汚泥
の脱水方法、を提供するものである。さらに、本発明の
好ましい態様として、 ()カチオン性有機高分子凝集剤のB型回転粘度計を
用いて回転速度30rpmで測定した0.2重量%水溶
液の粘度(mPa・s)と固有粘度(dl/g)の積
を、0.4重量%水溶液の曳糸長(mm)で除した商
が、55〜80である第(1)項記載の有機性汚泥の脱
水方法、 ()カチオン性有機高分子凝集剤が、カチオン性ビニ
ルモノマーとノニオン性ビニルモノマーとのコポリマー
である第(1)項記載の有機性汚泥の脱水方法、 ()カチオン性有機高分子凝集剤が、カチオン性ビニ
ルモノマーとアニオン性ビニルモノマーとノニオン性ビ
ニルモノマーとのコポリマーである第(1)項記載の有
機性汚泥の脱水方法、 ()カチオン性有機高分子凝集剤のカチオン性ビニル
モノマー単位の割合が、全モノマー単位の30〜80モ
ル%である第()項又は第()項記載の有機性汚泥
の脱水方法、及び、 ()遠心脱水機が、高効率型遠心脱水機である第
)項記載の有機性汚泥の脱水方法、を挙げることが
できる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明方法は、有機性汚泥にカチ
オン性有機高分子凝集剤を添加し、強い剪断力のかかる
条件下に、有機性汚泥とカチオン性有機高分子凝集剤と
を反応させ、脱水する有機性汚泥の脱水方法において、
固有粘度が3dl/g以上であり、B型回転粘度計を用い
て回転速度30rpmで測定した0.2重量%水溶液の粘度
(mPa・s)と固有粘度(dl/g)の積を、0.4重量
%水溶液の曳糸長(mm)で除した商が50〜200であ
るカチオン性有機高分子凝集剤を添加し、脱水機を用い
て機械脱水するものである。本発明方法に用いるカチオ
ン性有機高分子凝集剤としては、例えば、カチオン性ビ
ニルモノマーとノニオン性ビニルモノマーから得られる
カチオン性ビニルコポリマー、カチオン性ビニルモノマ
ーとアニオン性ビニルモノマーとノニオン性ビニルモノ
マーから得られる両性ビニルコポリマーなどを挙げるこ
とができる。このようなカチオン性有機高分子凝集剤を
得るためのカチオン性ビニルモノマーに特に制限はな
く、例えば、一般式[1]で表されるモノマーを挙げる
ことができる。
【化1】 一般式[1]において、R1は水素又はメチル基であ
り、R2はメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブ
チレン基などの炭素数1〜4のアルキレン基であり、プ
ロピレン基及びブチレン基は直鎖状であっても、側鎖を
有するものであってもよい。R3及びR4はメチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基な
どの炭素数1〜4のアルキル基であり、R5は水素、炭
素数1〜4のアルキル基又はベンジル基である。また、
Aは−O−又は−NH−であり、X-は塩素イオン、臭
素イオン、ヨウ素イオンなどのハロゲンイオン、1/2
SO4 2-、NO3 -、CH3COO -、CH3SO4 -、C25
SO4 -などの陰性イオンである。
【0006】一般式[1]で表されるモノマーとして
は、例えば、ジメチルアミノ(メチル、エチル、プロピ
ル又はブチル)アクリレート又はメタクリレート、ジエ
チルアミノ(メチル、エチル、プロピル又はブチル)アク
リレート又はメタクリレート、ジ−n−プロピルアミノ
(メチル、エチル、プロピル又はブチル)アクリレート又
はメタクリレート、ジイソプロピルアミノ(メチル、エ
チル、プロピル又はブチル)アクリレート又はメタクリ
レート、ジ−n−ブチルアミノ(メチル、エチル、プロ
ピル又はブチル)アクリレート又はメタクリレート、ジ
−sec−ブチルアミノ(メチル、エチル、プロピル又はブ
チル)アクリレート又はメタクリレート、ジイソブチル
アミノ(メチル、エチル、プロピル又はブチル)アクリレ
ート又はメタクリレート、ジメチルアミノ(メチル、エ
チル、プロピル又はブチル)アクリルアミド又はメタク
リルアミド、ジエチルアミノ(メチル、エチル、プロピ
ル又はブチル)アクリルアミド又はメタクリルアミド、
ジ−n−プロピルアミノ(メチル、エチル、プロピル又
はブチル)アクリルアミド又はメタクリルアミド、ジイ
ソプロピルアミノ(メチル、エチル、プロピル又はブチ
ル)アクリルアミド又はメタクリルアミド、ジ−n−ブ
チルアミノ(メチル、エチル、プロピル又はブチル)アク
リルアミド又はメタクリルアミド、ジ−sec−ブチルア
ミノ(メチル、エチル、プロピル又はブチル)アクリルア
ミド又はメタクリルアミド、ジイソブチルアミノ(メチ
ル、エチル、プロピル又はブチル)アクリルアミド又は
メタクリルアミドなどの、ハロゲン化水素、硫酸、硝
酸、酢酸などによる中和塩、ハロゲン化アルキル、ハロ
ゲン化ベンジル、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸などによ
る四級化物などを挙げることができる。ハロゲン化水素
としては、例えば、塩化水素、臭化水素などを、ハロゲ
ン化アルキルとしては、例えば、塩化メチル、臭化メチ
ル、ヨウ化メチル、塩化エチル、臭化エチル、ヨウ化エ
チルなどを、ハロゲン化ベンジルとしては、塩化ベンジ
ル、臭化ベンジルなどを挙げることができる。これらの
カチオン性ビニルモノマーは、1種を単独で用いること
ができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いること
もできる。
【0007】カチオン性有機高分子凝集剤の合成に用い
るノニオン性ビニルモノマーとしては、例えば、アクリ
ルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリ
ルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミドなどのア
ミド類、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの
シアン化ビニル系化合物、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルな
どの(メタ)アクリル酸のアルキルエステル類、酢酸ビニ
ルなどのビニルエステル類、スチレン、α−メチルスチ
レン、p−メチルスチレンなどの芳香族ビニル系化合物
などを挙げることができる。これらのノニオン性ビニル
モノマーは、1種を単独で用いることができ、あるい
は、2種以上を組み合わせて用いることもできる。本発
明方法においては、カチオン性有機高分子凝集剤として
用いることができる両性ビニルコポリマーの合成に用い
るアニオン性ビニルモノマーとしては、例えば、アクリ
ル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸などの不飽
和モノカルボン酸及びこれらのナトリウム塩、カリウム
塩、アンモニウム塩などや、マレイン酸、フマル酸、イ
タコン酸などの不飽和ジカルボン酸及びこれらのナトリ
ウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などを挙げること
ができる。これらのアニオン性ビニルモノマーは、1種
を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み
合わせて用いることもできる。本発明方法に使用するカ
チオン性有機高分子凝集剤の製造方法に特に制限はな
く、常法である溶液重合、懸濁重合、エマルション重合
など、いずれの方法をも用いることができる。水溶液重
合においては、モノマーを水に溶解し、雰囲気を不活性
ガスで置換し、重合温度まで昇温したのち、重合開始剤
として、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2'
−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩などの水溶
性重合開始剤を加えて重合することができる。
【0008】本発明方法においては、少量の架橋構造を
有するカチオン性有機高分子凝集剤を用いることができ
る。架橋構造を有するカチオン性有機高分子凝集剤は、
その合成に際して、モノマー混合物に共有結合架橋剤を
添加することにより製造することができる。このような
共有架橋結合剤としては、水溶性ポリマーに架橋結合を
与えるために通常用いられるジエチレン性又はポリエチ
レン性不飽和モノマー、例えば、メチレンビスアクリル
アミドなどを挙げることができる。添加する共有架橋結
合剤の量は、100ppm以下の微量であることが好まし
い。本発明方法に用いるカチオン性有機高分子凝集剤
は、カチオン性ビニルモノマー単位の割合が、全モノマ
ー単位の30〜80モル%であることが好ましく、40
〜70モル%であることがより好ましい。カチオン性ビ
ニルモノマー単位の割合が全モノマー単位の30モル%
未満であると、重力ろ過性が不良となり、ケーキの含水
率と分離水のSS濃度が高くなり、ときには凝集フロッ
クが形成されなくなるおそれがある。カチオン性ビニル
モノマー単位の割合が全モノマー単位の80モル%を超
えると、重力ろ過性が不良となり、ケーキの含水率と分
離水のSS濃度が高くなるおそれがある。本発明方法に
おいて、カチオン性有機高分子凝集剤の固有粘度は3dl
/g以上であり、より好ましくは4dl/g以上であり、
さらに好ましくは5dl/g以上である。カチオン性有機
高分子凝集剤の固有粘度が3dl/g未満であると、凝集
力が弱く、ろ過性が不良となり、脱水能力が不足して、
ケーキの含水率が十分に低下しないおそれがある。本発
明方法において、カチオン性有機高分子凝集剤の固有粘
度は、溶媒として1N硝酸ナトリウム水溶液を用い、3
0℃において測定した値である。固有粘度は、カチオン
性有機高分子凝集剤がカチオン性ビニルモノマーとノニ
オン性ビニルモノマーとのコポリマーである場合はpH4
として、また、カチオン性有機高分子凝集剤がカチオン
性ビニルモノマーとアニオン性ビニルモノマーとノニオ
ン性ビニルモノマーとのコポリマーである場合はpH3と
して測定することが好ましい。
【0009】本発明方法においては、カチオン性有機高
分子凝集剤のB型回転粘度計を用いて回転速度30rpm
で測定した0.2重量%水溶液の粘度(mPa・s)と固
有粘度(dl/g)の積を0.4重量%水溶液の曳糸長(m
m)で除した商が50〜200であり、より好ましくは
55〜80である。B型回転粘度計を用いて回転速度3
0rpmで測定した0.2重量%水溶液の粘度(mPa・
s)と固有粘度(dl/g)の積を0.4重量%水溶液の
曳糸長(mm)で除した商が50未満であっても、200
を超えても、ろ過性が不良となり、脱水能力が不足し
て、ケーキの含水率が十分に低下しないおそれがある。
本発明方法において、カチオン性有機高分子凝集剤の
0.2重量%水溶液は、次のようにして調製することが
できる。すなわち、精製したカチオン性有機高分子凝集
剤1.00gを精秤し、脱イオン水499gをスターラ
ーで撹拌しながら、粒状のかたまりが生じないように少
量ずつ添加し、500rpmで2時間撹拌したのち、室温
で1日放置して溶解させる。カチオン性有機高分子凝集
剤の0.4重量%水溶液は、精製したカチオン性有機高
分子凝集剤2.00gと脱イオン水498gを用いて、
同様に調製することができる。本発明方法において、カ
チオン性有機高分子凝集剤のB型粘度計を用いて回転速
度30rpmで測定した0.2重量%水溶液の粘度(mPa
・s)は、30℃において測定した値である。B型粘度
計としては、(株)東京計器製のB型粘度計などのブルッ
クフィールド形単一円筒粘度計を用いることができる。
ローターの回転速度は30rpmとし、回転速度とロータ
ー番号の組み合わせによって、粘度測定時に目盛板の指
針が20〜100%の範囲に入るものを選定する。ロー
ター回転時間は、指針が安定するまでの約5分程度とす
ることが好ましい。本発明方法において、カチオン性有
機高分子凝集剤の0.4重量%水溶液の曳糸長は、30
℃において測定した値である。曳糸長は、凝集剤水溶液
の糸引き性を測定するものであり、凝集剤分子間又は分
子内の架橋、枝分かれの有無、分子量分布に関係する指
標として用いられる。使用する測定器としては、例え
ば、協和界面科学(株)製の曳糸長測定器などを挙げるこ
とができる。カチオン性有機高分子凝集剤の0.4重量
%水溶液約100mlをビーカーにとり、曳糸長測定器の
ガラス製回転楕円体をその長径に相当する液面下11mm
まで浸漬し、10〜15秒間浸漬を続けたのち、上昇速
度15.2mm/secで引き上げ、糸が切れるまでの液面か
らの上昇距離を測定する。測定は10回繰り返して行
い、その平均値を曳糸長とする。
【0010】本発明方法において使用する脱水機は、機
械脱水し得るものであれば特に制限はなく、例えば、遠
心力を利用する遠心脱水機、多数のロールの間に2枚の
ろ布を連続的に移動させ、1台の機械で重力によるろ過
と圧搾及び圧縮による脱水を行うベルトプレス脱水機、
ろ布に付着させた汚泥中の水分を真空により吸引し脱水
する真空脱水機、圧力をかけて圧搾することにより脱水
する加圧脱水機、らせん羽根を回転させて圧搾による脱
水を行うスクリュープレス脱水機などを挙げることがで
きる。これらの脱水機の中で、遠心脱水機を好適に使用
することができ、高効率型遠心脱水機を特に好適に使用
することができる。高効率型遠心脱水機は、圧密という
概念を取り入れた脱水機構を有する遠心脱水機で、前述
したように、日本下水道事業団により、平成4年度民間
開発技術審査証明で認定されているものである。高効率
型遠心脱水機としては、例えば、月島機械(株)製の高効
率型遠心脱水機(セントリーエース)、巴工業(株)製の
高効率型遠心脱水機(DM型)、コトブキ技研工業(株)
製の高効率型遠心脱水機(セントリプレス)などを挙げ
ることができる。本発明方法においては、強い剪断力の
かかる条件が、ホモジナイザーを用いる5,000rpm、
5秒以上の撹拌に相当する条件であることが好ましい。
遠心脱水機における強い剪断力のかかる条件と、ホモジ
ナイザーの撹拌条件の対応は、次のようにして求めるこ
とができる。すなわち、実装置における汚泥供給量と凝
集剤水溶液注入量より、汚泥に対する凝集剤の添加率
(mg/リットル)を算出し、このときの脱水ろ液(分離
水)中の残留凝集剤量を、コロイド滴定法により求め
る。一方、実装置の汚泥をホモジナイザーにかけ、所定
の回転数で安定したのち、凝集剤を実装置と同じ添加率
で添加し、所定の時間撹拌したのちろ過し、ろ液中の残
留凝集剤量を測定する。ホモジナイザー処理後のろ液中
の残留凝集剤量が、実装置における脱水ろ液中の残留凝
集剤量と一致する条件が、遠心脱水機における強い剪断
力のかかる条件と対応するホモジナイザーの回転数及び
撹拌時間である。使用するホモジナイザーとしては、例
えば、NIHONSEIKI KAISHA製のEXC
EL AUTO HOMOGENIZER ED−7型、
SMT(株)製のHIGH−FLEX HOMOGENI
ZER HF93−4型、広沢鉄工所(株)製のHIGH
POWER HOMOGENIZER PII−C型などを
挙げることができる。本発明の有機性汚泥の脱水方法に
よれば、少量の薬剤の添加により効果的に脱水して、分
離水中のSS濃度が低く、SS回収率が高く、フロック
強度が大きく、含水率の低いケーキを得ることができ
る。
【0011】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例で使用した凝集剤
A−1〜A−7の組成、0.2重量%水溶液の粘度、固
有粘度、0.4重量%水溶液の曳糸長及び[(水溶液粘度
×固有粘度)/曳糸長]の値を第1表に、比較例で使用
した凝集剤B−1〜B−6の組成、0.2重量%水溶液
の粘度、固有粘度、0.4重量%水溶液の曳糸長及び
[(水溶液粘度×固有粘度)/曳糸長]の値を第2表に示
す。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】また、実施例及び比較例における試験方法
を次に示す。 (1)有機性汚泥とカチオン性高分子凝集剤との反応条
件の推定 実装置における有機性汚泥とカチオン性高分子凝集剤と
の反応条件は、下記の方法により推定した。 (1)実装置における汚泥供給量(m3/h)及び凝集剤
水溶液注入量(m3/h又はリットル/min)を、それぞ
れ流量計又はポンプストロークより求め、凝集剤水溶液
の濃度を考慮して、汚泥に対する凝集剤の添加率(mg/
リットル)を算出する。 (2)そのときの脱水ろ液(分離水)中の残留凝集剤量
を、コロイド滴定法により求める。ろ液20mlをビーカ
ーに採取し、トルイジンブルー指示薬を3〜4滴滴下し
てN/400ポリビニル硫酸カリウム(PVSK)溶液
で滴定し、N/400PVSK消費量を求める。 (3)上記実装置の汚泥200mlを、容量500mlのホモ
ジナイザー用ステンレス製容器に採取し、ホモジナイザ
ー[NIHONSEIKI KAISHA製、EXCE
L AUTO HOMOGENIZER ED−7型]に
セットし、所定の回転数で安定した段階で上記(1)の凝
集剤を実装置と同じ添加率で速やかに添加し5秒間撹拌
する。 (4)回転数は、例えば、500、1,000、2,00
0、3,000、5,000、7,000、10,000、
15,000rpmなどとする。 (5)各回転数で反応させたのち、ナイロンろ布を敷いた
ブフナーロートに、内径50mmの硬質塩化ビニル製円筒
を置き、その中へ凝集した汚泥を一気にそそぎ込み、ろ
液を採取する。 (6)このろ液中の残留凝集剤量を、上記(2)と同じ方法
で測定する。 (7)上記(2)で求めた残留凝集剤量と同じ残留凝集剤量
が得られる回転数が、ホモジナイザーを用いる場合に相
当する実装置における強い剪断力のかかる条件であると
推定する。 (2)フロック強度の評価 実施例及び比較例において、フロック強度は、下記の方
法により評価した。ナイロンろ布を敷いたブフナーロー
トに内径50mmの硬質塩化ビニル製円筒を置き、その中
へ凝集した汚泥を一気に注ぎ込み、ナイロンろ布上に堆
積した汚泥を手に取り、徐々に絞ってそのときの強度を
以下の通り判定する。 強:1回の手絞りで、すぐに絞り込まれたケーキとな
り、最大握力で最後まで絞ることができる。 中:1回の手絞りで、絞り込まれるが、最大握力では、
ケーキが指の間に侵入する。 弱:4〜5回ゆっくり絞ると、水が抜け、固形状のケー
キが得られるが、握力を高めると、指の間から抜け出
る。 不可:手の中にケーキが残らず、ほとんど指の間から抜
け出る。 (3)従来型遠心脱水機適用試験 性能評価試験のうち、従来型遠心脱水機に適用する机上
評価試験は次の方法により行った。 (1)汚泥200mlを、容量500mlのホモジナイザー用
ステンレス製容器に採取する。 (2)汚泥を入れたステンレス製容器をホモジナイザー
[NIHONSEIKIKAISHA製、EXCEL
AUTO HOMOGENIZER ED−7型]にセッ
トし、所定の回転数で安定した状態になった時点で、
0.2重量%凝集剤水溶液の所定量を速やかに添加した
のち、5秒間撹拌する。 (3)形成された凝集フロックの粒径を測定したのち、ナ
イロンろ布を敷いたブフナーロートに内径50mmの硬質
塩化ビニル製円筒を置き、その中へ凝集した汚泥を一気
にそそぎ込み、20秒後の重力ろ液量を測定する。 (4)さらに、ナイロンろ布上に堆積した汚泥について、
フロック強度を測定するとともに、その一定量をベルト
プレス用ろ布に取り、0.5kg/cm2の圧力で1分間圧搾
を行い、脱水ケーキの含水率を測定する。 (4)高効率型遠心脱水機適用試験 (1)汚泥200mlを、容量500mlのホモジナイザー用
ステンレス製容器に採取する。 (2)汚泥を入れたステンレス製容器をホモジナイザー
[NIHONSEIKIKAISHA製、EXCEL
AUTO HOMOGENIZER ED−7型]にセッ
トし、所定の回転数で安定した状態になった時点で、
0.2重量%凝集剤水溶液の所定量を速やかに添加した
のち、5秒間撹拌する。 (3)形成された凝集フロックの粒径を測定したのち、ナ
イロンろ布を敷いたブフナーロートに内径50mmの硬質
塩化ビニル製円筒を置き、その中へ凝集した汚泥を一気
にそそぎ込み、20秒後の重力ろ液量を測定する。 (4)ナイロンろ布上に堆積した汚泥について、フロック
強度を測定するとともに、その全量を遠沈管に取り、
3,000Gの遠心力で10分間遠心分離操作を行い、
遠沈管の底に堆積したケーキを採取し、よく混合したの
ち、さらに遠沈管に約100mlを充填して同様の条件で
遠心分離操作を行う。この操作を5回繰り返したのち、
遠沈管底部側の脱水ケーキをカッターで掻き取り含水率
を測定する。
【0015】比較例1〜2及び実施例1〜3において
は、し尿処理場の消化汚泥について脱水処理を行った。 比較例1 現状では、し尿処理場の消化汚泥に対して、遠心脱水機
を用い、凝集剤B−2を210mg/リットル機内注入に
より添加して処理している。消化汚泥の性状は、pH6.
9、電気伝導率205mS/m、SS1.61重量%、
VSS/SS74.5重量%、繊維分/SS2.5重量%
である。現状において、脱水ケーキの含水率は82.0
〜83.0重量%、分離水のSS濃度200〜600mg
/リットル、SS回収率96〜98重量%である。現状
品B−2での脱水ろ液中の残留凝集剤量は、1.2mlN
/400PVSK/20mlろ液であり、机上評価で求め
たこれに相当する撹拌条件は、ホモジナイザー撹拌で
5,000rpm×5秒であった。消化汚泥200mlを容量
500mlのステンレス製容器に採取し、ホモジナイザー
[NIHOHSEIKI KAISHA製、EXCEL
AUTO HOMOGENIZER ED−7型]にセッ
トし、回転数が5,000rpmで安定になった時点で凝集
剤B−2の0.2重量%水溶液を凝集剤濃度が210mg
/リットルになるように添加したのち、5秒間撹拌し
た。次いで、ナイロンろ布を敷いたブフナーロートに内
径50mmの硬質塩化ビニル製円筒を置き、その中へ凝集
した汚泥を一気に注ぎ込み、20秒後の重力ろ液量を測
定したところ、112mlであった。ナイロンろ布上に堆
積した汚泥のフロック強度は、中〜強であった。ろ過後
の汚泥をベルトプレス用ろ布に取り、0.5kg/cm2の圧
力で1分間圧搾を行って脱水ケーキを得た。得られた脱
水ケーキの含水率は、82.0重量%であった。 比較例2 凝集剤B−2の代わりに凝集剤B−1を用い、比較例1
と同様にして凝集ろ過試験及び圧搾試験を行った。20
秒後の重力ろ液量は106ml、汚泥のフロック強度は中
〜強、脱水ケーキの含水率は82.1重量%であった。 実施例1 凝集剤B−2の代わりに凝集剤A−1を用い、比較例1
と同様にして凝集ろ過試験及び圧搾試験を行った。20
秒後の重力ろ液量は134ml、汚泥のフロック強度は
強、脱水ケーキの含水率は80.5重量%であった。 実施例2 凝集剤B−2の代わりに凝集剤A−2を用い、比較例1
と同様にして凝集ろ過試験及び圧搾試験を行った。20
秒後の重力ろ液量は145ml、汚泥のフロック強度は
強、脱水ケーキの含水率は80.0重量%であった。 実施例3 凝集剤B−2の代わりに凝集剤A−3を用い、比較例1
と同様にして凝集ろ過試験及び圧搾試験を行った。20
秒後の重力ろ液量は140ml、汚泥のフロック強度は
強、脱水ケーキの含水率は79.8重量%であった。さ
らに、凝集剤B−2の代わりに凝集剤A−3を用いて、
実機評価を行った。脱水ケーキの含水率は79.5〜8
0.3重量%、分離水のSS濃度34〜52mg/リット
ル、SS回収率99.8重量%以上であった。比較例1
〜2及び実施例1〜3の結果を、第3表に示す。
【0016】
【表3】
【0017】第3表の机上評価の結果に見られるよう
に、0.2重量%水溶液の粘度と固有粘度の積を0.4重
量%水溶液の曳糸長で除した商が50未満であるカチオ
ン性有機高分子凝集剤を用いた比較例1〜2と、該商が
50〜200であるカチオン性有機高分子凝集剤を用い
た実施例1〜3を比較すると、実施例1〜3の方が、2
0秒後のろ液量が多く、フロック強度が強く、ケーキ含
水率が低く、効果的に脱水されていることが分かる。ま
た、比較例1と実施例3の実機運転の結果を比較する
と、実施例3の方が、ケーキの含水率と分離水のSS濃
度が低く、SS回収率が高く、実機運転においても、机
上評価に対応した良好な脱水効果が得られていることが
分かる。
【0018】比較例3〜6及び実施例4〜7において
は、下水処理場の混合汚泥について脱水処理を行った。 比較例3 現状では、下水処理場の混合汚泥に対して、遠心脱水機
を用い、凝集剤B−3を280mg/リットル機内注入に
より添加して処理している。混合汚泥の性状は、pH5.
4、電気伝導率355mS/m、SS2.70重量%、
VSS/SS75.7重量%、繊維分/SS10.8重量
%である。現状において、脱水ケーキの含水率は78.
0〜80.0重量%、分離水のSS濃度300〜1,50
0mg/リットル、SS回収率96〜98重量%である。
現状品B−3での脱水ろ液中の残留凝集剤量は、0.8
5mlN/400PVSK/20mlろ液であり、机上評価
で求めたこれに相当する撹拌条件は、ホモジナイザー撹
拌で10,000rpm×5秒であった。混合汚泥200ml
を容量500mlのステンレス製容器に採取し、ホモジナ
イザー[NIHOHSEIKI KAISHA製、EX
CEL AUTO HOMOGENIZER ED−7
型]にセットし、回転数が10,000rpmで安定になっ
た時点で凝集剤B−3の0.2重量%水溶液を凝集剤濃
度が280mg/リットルになるように添加したのち、5
秒間撹拌した。次いで、ナイロンろ布を敷いたブフナー
ロートに内径50mmの硬質塩化ビニル製円筒を置き、そ
の中へ凝集した汚泥を一気に注ぎ込み、20秒後の重力
ろ液量を測定したところ、88mlであった。ナイロンろ
布上に堆積した汚泥のフロック強度は、中であった。ろ
過後の汚泥をベルトプレス用ろ布に取り、0.5kg/cm2
の圧力で1分間圧搾を行って脱水ケーキを得た。得られ
た脱水ケーキの含水率は、79.7重量%であった。 比較例4 凝集剤B−3の代わりに凝集剤B−4を用い、比較例3
と同様にして凝集ろ過試験及び圧搾試験を行った。20
秒後の重力ろ液量は82ml、汚泥のフロック強度は弱〜
中、脱水ケーキの含水率は79.9重量%であった。 比較例5 凝集剤B−3の代わりに凝集剤B−5を用い、比較例3
と同様にして凝集ろ過試験及び圧搾試験を行った。20
秒後の重力ろ液量は79ml、汚泥のフロック強度は弱〜
中、脱水ケーキの含水率は80.0重量%であった。 比較例6 凝集剤B−3の代わりに凝集剤B−6を用い、比較例3
と同様にして凝集ろ過試験及び圧搾試験を行った。20
秒後の重力ろ液量は76ml、汚泥のフロック強度は弱〜
中、脱水ケーキの含水率は80.1重量%であった。 実施例4 凝集剤B−3の代わりに凝集剤A−4を用い、比較例3
と同様にして凝集ろ過試験及び圧搾試験を行った。20
秒後の重力ろ液量は112ml、汚泥のフロック強度は中
〜強、脱水ケーキの含水率は77.6重量%であった。 実施例5 凝集剤B−3の代わりに凝集剤A−5を用い、比較例3
と同様にして凝集ろ過試験及び圧搾試験を行った。20
秒後の重力ろ液量は115ml、汚泥のフロック強度は
強、脱水ケーキの含水率は76.5重量%であった。実
施例6 凝集剤B−3の代わりに凝集剤A−6を用い、比較例3
と同様にして凝集ろ過試験及び圧搾試験を行った。20
秒後の重力ろ液量は128ml、汚泥のフロック強度は
強、脱水ケーキの含水率は76.4重量%であった。 実施例7 凝集剤B−3の代わりに凝集剤A−7を用い、比較例3
と同様にして凝集ろ過試験及び圧搾試験を行った。20
秒後の重力ろ液量は130ml、汚泥のフロック強度は
強、脱水ケーキの含水率は76.4重量%であった。さ
らに、凝集剤B−3の代わりに凝集剤A−7を用いて、
実機評価を行った。脱水ケーキの含水率は75.8〜7
7.0重量%、分離水のSS濃度114〜342mg/リ
ットル、SS回収率99.9重量%以上であった。比較
例3〜6及び実施例4〜7の結果を、第4表に示す。
【0019】
【表4】
【0020】第4表の机上評価の結果に見られるよう
に、0.2重量%水溶液の粘度と固有粘度の積を0.4重
量%水溶液の曳糸長で除した商が50未満であるカチオ
ン性有機高分子凝集剤を用いた比較例3〜6と、該商が
50〜200であるカチオン性有機高分子凝集剤を用い
た実施例4〜7を比較すると、実施例4〜7の方が、2
0秒後のろ液量が多く、フロック強度が強く、ケーキの
含水率が低く、効果的に脱水されていることが分かる。
また、比較例3と実施例7の実機運転の結果を比較する
と、実施例7の方が、ケーキの含水率と分離水のSS濃
度が低く、SS回収率が高く、実機運転においても、机
上評価に対応した良好な脱水効果が得られていることが
分かる。
【0021】比較例7〜12及び実施例8〜14におい
ては、下水処理場の混合汚泥について脱水処理を行っ
た。 比較例7 現状では、下水処理場の混合汚泥に対して、遠心脱水機
を用い、凝集剤B−3を230mg/リットル機内注入に
より添加して処理している。混合汚泥の性状は、pH4.
8、電気伝導率436mS/m、SS4.18重量%、
VSS/SS77.2重量%、繊維分/SS7.4重量%
である。現状において、脱水ケーキの含水率は76.0
〜77.0重量%、分離水のSS濃度200〜500mg
/リットル、SS回収率99.9重量%以上である。現
状品B−3での脱水ろ液中の残留凝集剤量は、0.7ml
N/400PVSK/20mlろ液であり、机上評価で求
めたこれに相当する撹拌条件は、ホモジナイザー撹拌で
10,000rpm×5秒であった。混合汚泥200mlを容
量500mlのステンレス製容器に採取し、ホモジナイザ
ー[NIHOHSEIKI KAISHA製、EXCE
L AUTO HOMOGENIZER ED−7型]に
セットし、回転数が10,000rpmで安定になった時点
で凝集剤B−3の0.2重量%水溶液を凝集剤濃度が2
30mg/リットルになるように添加したのち、5秒間撹
拌した。次いで、ナイロンろ布を敷いたブフナーロート
に内径50mmの硬質塩化ビニル製円筒を置き、その中へ
凝集した汚泥を一気に注ぎ込み、20秒後の重力ろ液量
を測定したところ、19mlであった。ナイロンろ布上に
堆積した汚泥のフロック強度は、弱〜中であった。ろ過
後の汚泥をベルトプレス用ろ布に取り、0.5kg/cm2
圧力で1分間圧搾を行って脱水ケーキを得た。得られた
脱水ケーキの含水率は、76.3重量%であった。 比較例8 凝集剤B−3の代わりに凝集剤B−1を用い、比較例7
と同様にして凝集ろ過試験及び圧搾試験を行った。20
秒後の重力ろ液量は22ml、汚泥のフロック強度は中、
脱水ケーキの含水率は76.8重量%であった。 比較例9 凝集剤B−3の代わりに凝集剤B−2を用い、比較例7
と同様にして凝集ろ過試験及び圧搾試験を行った。20
秒後の重力ろ液量は21ml、汚泥のフロック強度は中、
脱水ケーキの含水率は76.5重量%であった。 比較例10 凝集剤B−3の代わりに凝集剤B−4を用い、比較例7
と同様にして凝集ろ過試験及び圧搾試験を行った。20
秒後の重力ろ液量は18ml、汚泥のフロック強度は弱、
脱水ケーキの含水率は76.0重量%であった。 比較例11 凝集剤B−3の代わりに凝集剤B−5を用い、比較例7
と同様にして凝集ろ過試験及び圧搾試験を行った。20
秒後の重力ろ液量は18ml、汚泥のフロック強度は弱、
脱水ケーキの含水率は76.1重量%であった。 比較例12 凝集剤B−3の代わりに凝集剤B−6を用い、比較例7
と同様にして凝集ろ過試験及び圧搾試験を行った。20
秒後の重力ろ液量は17ml、汚泥のフロック強度は弱、
脱水ケーキの含水率は76.0重量%であった。 実施例8 凝集剤B−3の代わりに凝集剤A−1を用い、比較例7
と同様にして凝集ろ過試験及び圧搾試験を行った。20
秒後の重力ろ液量は41ml、汚泥のフロック強度はやや
強、脱水ケーキの含水率は75.4重量%であった。 実施例9 凝集剤B−3の代わりに凝集剤A−2を用い、比較例7
と同様にして凝集ろ過試験及び圧搾試験を行った。20
秒後の重力ろ液量は42ml、汚泥のフロック強度はやや
強、脱水ケーキの含水率は75.1重量%であった。 実施例10 凝集剤B−3の代わりに凝集剤A−3を用い、比較例7
と同様にして凝集ろ過試験及び圧搾試験を行った。20
秒後の重力ろ液量は42ml、汚泥のフロック強度は強、
脱水ケーキの含水率は74.1重量%であった。 実施例11 凝集剤B−3の代わりに凝集剤A−4を用い、比較例7
と同様にして凝集ろ過試験及び圧搾試験を行った。20
秒後の重力ろ液量は44ml、汚泥のフロック強度は強、
脱水ケーキの含水率は73.7重量%であった。 実施例12 凝集剤B−3の代わりに凝集剤A−5を用い、比較例7
と同様にして凝集ろ過試験及び圧搾試験を行った。20
秒後の重力ろ液量は41ml、汚泥のフロック強度は強、
脱水ケーキの含水率は73.4重量%であった。さら
に、凝集剤B−3の代わりに凝集剤A−5を用いて、実
機評価を行った。脱水ケーキの含水率は73.2〜75.
1重量%、分離水のSS濃度97〜297mg/リット
ル、SS回収率99.9重量%以上であった。 実施例13 凝集剤B−3の代わりに凝集剤A−6を用い、比較例7
と同様にして凝集ろ過試験及び圧搾試験を行った。20
秒後の重力ろ液量は44ml、汚泥のフロック強度は強、
脱水ケーキの含水率は73.2重量%であった。 実施例14 凝集剤B−3の代わりに凝集剤A−7を用い、比較例7
と同様にして凝集ろ過試験及び圧搾試験を行った。20
秒後の重力ろ液量は46ml、汚泥のフロック強度は強、
脱水ケーキの含水率は73.1重量%であった。比較例
7〜12及び実施例8〜14の結果を、第5表に示す。
【0022】
【表5】
【0023】第5表の机上評価の結果に見られるよう
に、0.2重量%水溶液の粘度と固有粘度の積を0.4重
量%水溶液の曳糸長で除した商が50未満であるカチオ
ン性有機高分子凝集剤を用いた比較例7〜12と、該商
が50〜200であるカチオン性有機高分子凝集剤を用
いた実施例8〜14を比較すると、実施例8〜14の方
が、20秒後のろ液量が多く、フロック強度が強く、ケ
ーキの含水率が低く、効果的に脱水されていることが分
かる。また、比較例7と実施例12の実機運転の結果を
比較すると、実施例12の方が、ケーキの含水率と分離
水のSS濃度が低く、SS回収率が高く、実機運転にお
いても、机上評価に対応した良好な脱水効果が得られて
いることが分かる。
【0024】比較例13〜14及び実施例15〜17に
おいては、し尿処理場の消化汚泥について、従来型遠心
脱水機に適用する机上評価試験を行った。 比較例13 消化汚泥の性状は、pH6.9、電気伝導率205mS/
m、SS1.61重量%、VSS/SS74.5重量%、
繊維分/SS2.5重量% である。消化汚泥200mlを
容量500mlのステンレス製容器に採取し、ホモジナイ
ザー[NIHOHSEIKI KAISHA製、EXC
EL AUTO HOMOGENIZER ED−7型]
にセットし、回転数が5,000rpmで安定になった時点
で凝集剤B−1の0.2重量%水溶液を凝集剤濃度が2
10mg/リットルになるように添加したのち、5秒間撹
拌した。次いで、ナイロンろ布を敷いたブフナーロート
に内径50mmの硬質塩化ビニル製円筒を置き、その中へ
凝集した汚泥を一気に注ぎ込み、20秒後の重力ろ液量
を測定したところ、86mlであった。ナイロンろ布上に
堆積した汚泥のフロック強度は、弱であった。ろ過後の
汚泥をベルトプレス用ろ布に取り、0.5kg/cm2の圧力
で1分間圧搾を行って脱水ケーキを得た。得られた脱水
ケーキの含水率は、82.7重量%であった。 比較例14 凝集剤B−1の代わりに凝集剤B−2を用い、比較例1
3と同様にして凝集ろ過試験及び圧搾試験を行った。2
0秒後の重力ろ液量は96ml、汚泥のフロック強度は弱
〜中、脱水ケーキの含水率は82.2重量%であった。 実施例15 凝集剤B−1の代わりに凝集剤A−1を用い、比較例1
3と同様にして凝集ろ過試験及び圧搾試験を行った。2
0秒後の重力ろ液量は120ml、汚泥のフロック強度は
中〜強、脱水ケーキの含水率は81.5重量%であっ
た。 実施例16 凝集剤B−1の代わりに凝集剤A−2を用い、比較例1
3と同様にして凝集ろ過試験及び圧搾試験を行った。2
0秒後の重力ろ液量は125ml、汚泥のフロック強度は
強、脱水ケーキの含水率は81.2重量%であった。 実施例17 凝集剤B−1の代わりに凝集剤A−3を用い、比較例1
3と同様にして凝集ろ過試験及び圧搾試験を行った。2
0秒後の重力ろ液量は110ml、汚泥のフロック強度は
強、脱水ケーキの含水率は81.0重量%であった。比
較例13〜14及び実施例15〜17の結果を、第6表
に示す。
【0025】
【表6】
【0026】第6表の結果に見られるように、0.2重
量%水溶液の粘度と固有粘度の積を0.4重量%水溶液
の曳糸長で除した商が50未満であるカチオン性有機高
分子凝集剤を用いた比較例13〜14と、該商が50〜
200であるカチオン性有機高分子凝集剤を用いた実施
例15〜17を比較すると、実施例15〜17の方が、
20秒後のろ液量が多く、フロック強度が強く、ケーキ
含水率が低く、効果的に脱水されていることが分かる。
【0027】比較例15〜16及び実施例18〜20に
おいては、比較例13〜14及び実施例15〜17に用
いたし尿処理場の消化汚泥について、高効率型遠心脱水
機に適用する机上評価試験を行った。 比較例15 消化汚泥200mlを容量500mlのステンレス製容器に
採取し、ホモジナイザー[NIHOHSEIKI KA
ISHA製、EXCEL AUTO HOMOGENIZ
ER ED−7型]にセットし、回転数が5,000rpm
で安定になった時点で凝集剤B−1の0.2重量%水溶
液を凝集剤濃度が210mg/リットルになるように添加
したのち、5秒間撹拌した。次いで、ナイロンろ布を敷
いたブフナーロートに内径50mmの硬質塩化ビニル製円
筒を置き、その中へ凝集した汚泥を一気に注ぎ込み、2
0秒後の重力ろ液量を測定したところ、86mlであっ
た。ナイロンろ布上に堆積した汚泥のフロック強度は、
弱であった。ろ過後の汚泥を遠沈管に取り、3,000
Gの遠心力で10分間遠心分離操作を行い、遠沈管の底
に堆積したケーキを採取し、よく混合したのち、さらに
遠沈管に約100ml充填して同様の条件で遠心分離操作
を行った。この操作を5回繰り返したのち、遠沈管底部
側の脱水ケーキをカッターで掻き取り、含水率を測定し
たところ、81.0重量%であった。 比較例16 凝集剤B−1の代わりに凝集剤B−2を用い、比較例1
5と同様にして凝集ろ過試験及び遠心分離試験を行っ
た。20秒後の重力ろ液量は96ml、汚泥のフロック強
度は弱〜中、脱水ケーキの含水率は80.9重量%であ
った。 実施例18 凝集剤B−1の代わりに凝集剤A−1を用い、比較例1
5と同様にして凝集ろ過試験及び遠心分離試験を行っ
た。20秒後の重力ろ液量は120ml、汚泥のフロック
強度は中〜強、脱水ケーキの含水率は79.6重量%で
あった。 実施例19 凝集剤B−1の代わりに凝集剤A−2を用い、比較例1
5と同様にして凝集ろ過試験及び遠心分離試験を行っ
た。20秒後の重力ろ液量は125ml、汚泥のフロック
強度は強、脱水ケーキの含水率は78.3重量%であっ
た。 実施例20 凝集剤B−1の代わりに凝集剤A−3を用い、比較例1
5と同様にして凝集ろ過試験及び遠心分離試験を行っ
た。20秒後の重力ろ液量は110ml、汚泥のフロック
強度は強、脱水ケーキの含水率は78.1重量%であっ
た。比較例15〜16及び実施例18〜20の結果を、
第7表に示す。
【0028】
【表7】
【0029】第7表の結果に見られるように、0.2重
量%水溶液の粘度と固有粘度の積を0.4重量%水溶液
の曳糸長で除した商が50未満であるカチオン性有機高
分子凝集剤を用いた比較例15〜16と、該商が50〜
200であるカチオン性有機高分子凝集剤を用いた実施
例18〜20を比較すると、実施例18〜20の方がケ
ーキ含水率が低く、高効率型遠心脱水機に適用される条
件においても、効果的に脱水されていることが分かる。
【0030】比較例17〜18及び実施例21〜23に
おいては、下水処理場の混合汚泥について、従来型遠心
脱水機に適用する机上評価試験を行った。 比較例17 混合汚泥の性状は、pH4.8、電気伝導率436mS/
m、SS4.18重量%、VSS/SS77.2重量%、
繊維分/SS7.4重量% である。消化汚泥200mlを
容量500mlのステンレス製容器に採取し、ホモジナイ
ザー[NIHOHSEIKI KAISHA製、EXC
EL AUTO HOMOGENIZER ED−7型]
にセットし、回転数が5,000rpmで安定になった時点
で凝集剤B−4の0.2重量%水溶液を凝集剤濃度が2
30mg/リットルになるように添加したのち、5秒間撹
拌した。次いで、ナイロンろ布を敷いたブフナーロート
に内径50mmの硬質塩化ビニル製円筒を置き、その中へ
凝集した汚泥を一気に注ぎ込み、20秒後の重力ろ液量
を測定したところ、19mlであった。ナイロンろ布上に
堆積した汚泥のフロック強度は、弱〜中であった。ろ過
後の汚泥をベルトプレス用ろ布に取り、0.5kg/cm2
圧力で1分間圧搾を行って脱水ケーキを得た。得られた
脱水ケーキの含水率は、76.3重量%であった。 比較例18 凝集剤B−4の代わりに凝集剤B−5を用い、比較例1
7と同様にして凝集ろ過試験及び圧搾試験を行った。2
0秒後の重力ろ液量は18ml、汚泥のフロック強度は
弱、脱水ケーキの含水率は76.0重量%であった。 実施例21 凝集剤B−4の代わりに凝集剤A−4を用い、比較例1
7と同様にして凝集ろ過試験及び圧搾試験を行った。2
0秒後の重力ろ液量は41ml、汚泥のフロック強度は
強、脱水ケーキの含水率は73.4重量%であった。 実施例22 凝集剤B−4の代わりに凝集剤A−5を用い、比較例1
7と同様にして凝集ろ過試験及び圧搾試験を行った。2
0秒後の重力ろ液量は44ml、汚泥のフロック強度は
強、脱水ケーキの含水率は73.2重量%であった。 実施例23 凝集剤B−4の代わりに凝集剤A−6を用い、比較例1
7と同様にして凝集ろ過試験及び圧搾試験を行った。2
0秒後の重力ろ液量は46ml、汚泥のフロック強度は
強、脱水ケーキの含水率は73.1重量%であった。比
較例17〜18及び実施例21〜23の結果を、第8表
に示す。
【0031】
【表8】
【0032】第8表の結果に見られるように、0.2重
量%水溶液の粘度と固有粘度の積を0.4重量%水溶液
の曳糸長で除した商が50未満であるカチオン性有機高
分子凝集剤を用いた比較例17〜18と、該商が50〜
200であるカチオン性有機高分子凝集剤を用いた実施
例21〜23を比較すると、実施例21〜23の方が、
20秒後のろ液量が多く、フロック強度が強く、ケーキ
含水率が低く、効果的に脱水されていることが分かる。
【0033】比較例19〜20及び実施例24〜26に
おいては、比較例17〜18及び実施例21〜23に用
いた下水処理場の混合汚泥について、高効率型遠心脱水
機に適用する机上評価試験を行った。 比較例19 混合汚泥200mlを容量500mlのステンレス製容器に
採取し、ホモジナイザー[NIHOHSEIKI KA
ISHA製、EXCEL AUTO HOMOGENIZ
ER ED−7型]にセットし、回転数が5,000rpm
で安定になった時点で凝集剤B−4の0.2重量%水溶
液を凝集剤濃度が230mg/リットルになるように添加
したのち、5秒間撹拌した。次いで、ナイロンろ布を敷
いたブフナーロートに内径50mmの硬質塩化ビニル製円
筒を置き、その中へ凝集した汚泥を一気に注ぎ込み、2
0秒後の重力ろ液量を測定したところ、19mlであっ
た。ナイロンろ布上に堆積した汚泥のフロック強度は、
弱〜中であった。ろ過後の汚泥を遠沈管に取り、3,0
00Gの遠心力で10分間遠心分離操作を行い、遠沈管
の底に堆積したケーキを採取し、よく混合したのち、さ
らに遠沈管に約100ml充填して同様の条件で遠心分離
操作を行った。この操作を5回繰り返したのち、遠沈管
底部側の脱水ケーキをカッターで掻き取り、含水率を測
定したところ、74.4重量%であった。 比較例20 凝集剤B−4の代わりに凝集剤B−5を用い、比較例1
9と同様にして凝集ろ過試験及び遠心分離試験を行っ
た。20秒後の重力ろ液量は18ml、汚泥のフロック強
度は弱、脱水ケーキの含水率は73.8重量%であっ
た。 実施例24 凝集剤B−4の代わりに凝集剤A−4を用い、比較例1
9と同様にして凝集ろ過試験及び遠心分離試験を行っ
た。20秒後の重力ろ液量は41ml、汚泥のフロック強
度は強、脱水ケーキの含水率は70.6重量%であっ
た。 実施例25 凝集剤B−4の代わりに凝集剤A−5を用い、比較例1
9と同様にして凝集ろ過試験及び遠心分離試験を行っ
た。20秒後の重力ろ液量は44ml、汚泥のフロック強
度は強、脱水ケーキの含水率は70.2重量%であっ
た。 実施例26 凝集剤B−4の代わりに凝集剤A−6を用い、比較例1
9と同様にして凝集ろ過試験及び遠心分離試験を行っ
た。20秒後の重力ろ液量は46ml、汚泥のフロック強
度は強、脱水ケーキの含水率は70.3重量%であっ
た。比較例19〜20及び実施例24〜26の結果を、
第9表に示す。
【0034】
【表9】
【0035】第9表の結果に見られるように、0.2重
量%水溶液の粘度と固有粘度の積を0.4重量%水溶液
の曳糸長で除した商が50未満であるカチオン性有機高
分子凝集剤を用いた比較例19〜20と、該商が50〜
200であるカチオン性有機高分子凝集剤を用いた実施
例24〜26を比較すると、実施例24〜26の方がケ
ーキ含水率が低く、高効率型遠心脱水機に適用される条
件においても、効果的に脱水されていることが分かる。
【0036】比較例21及び実施例27においては、し
尿処理場の余剰汚泥と浄化槽汚泥の混合汚泥について、
高効率型遠心脱水機による実機評価試験を行った。 比較例21 混合汚泥の性状は、pH7.0、電気伝導率258mS/
m、SS1.58重量%、VSS/SS75.2重量%、
繊維分/SS5.1重量% である。混合汚泥に対して凝
集剤B−4を160mg/リットル、すなわちSSに対し
て1.0重量%になるように添加し、ボール部とスクリ
ューの回転数の差すなわち差速を4rpmとして高効率型
遠心脱水処理を行った。得られたケーキの含水率は7
8.3重量%であり、分離水中のSS濃度は1,270mg
/リットルであった。 実施例27 凝集剤B−4の代わりに、凝集剤A−5を用いて、比較
例21と同じ高効率型遠心脱水機による実機評価試験を
行った。得られたケーキの含水率は74.8重量%であ
り、分離水中のSS濃度は23mg/リットルであった。
比較例21及び実施例27の結果を、第10表に示す。
【0037】
【表10】
【0038】比較例21で用いたカチオン性有機高分子
凝集剤B−4と、、実施例27で用いたカチオン性有機
高分子凝集剤A−5は、いずれもジメチルアミノエチル
アクリレートの塩化メチル4級化物とアクリルアミドと
のモル比70/30のコポリマーであり、同一組成を有
しているが、第10表に見られるように、0.2重量%
水溶液の粘度と固有粘度の積を0.4重量%水溶液の曳
糸長で除した商が44である凝集剤B−4を用いた比較
例21と、該商が61である凝集剤A−5を用いた実施
例27を比較すると、実施例27の方がケーキ含水率が
低く、分離水のSS濃度が低く、SS回収率が高くな
り、効果的な脱水処理が行われることが分かる。
【0039】
【発明の効果】本発明の有機性汚泥の脱水方法によれ
ば、少量の薬剤の添加により効果的に脱水して、分離水
中のSS濃度が低く、SS回収率が高く、フロック強度
が大きく、含水率の低いケーキを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 11/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機性汚泥にカチオン性有機高分子凝集剤
    を添加し、強い剪断力のかかる条件下に、有機性汚泥と
    カチオン性有機高分子凝集剤とを反応させ、脱水する有
    機性汚泥の脱水方法において、固有粘度が3dl/g以
    上であり、B型回転粘度計を用いて回転速度30rpm
    で測定した0.2重量%水溶液の粘度(mPa・s)と
    固有粘度(dl/g)の積を、0.4重量%水溶液の曳
    糸長(mm)で除した商が50〜200であるカチオン
    性有機高分子凝集剤を添加し、遠心脱水機を用いて機械
    脱水することを特徴とする有機性汚泥の脱水方法。
  2. 【請求項2】有機性汚泥が下水・し尿排水処理又は産業
    排水より生じる有機性汚泥である請求項1記載の有機性
    汚泥の脱水方法。
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