JP3473184B2 - ポリオレフィン成形品 - Google Patents

ポリオレフィン成形品

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JP3473184B2 JP15015595A JP15015595A JP3473184B2 JP 3473184 B2 JP3473184 B2 JP 3473184B2 JP 15015595 A JP15015595 A JP 15015595A JP 15015595 A JP15015595 A JP 15015595A JP 3473184 B2 JP3473184 B2 JP 3473184B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリオレフィン成形品、
さらに詳しくは、紫外線硬化樹脂層を有する黄変のない
ポリオレフィン成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にポリオレフィンは比較的安価でか
つ優れた機械的性質を有するので、射出成形品、中空成
形品、フィルム、シート、繊維など各種の成形品の製造
に用いられている。しかしながら、ポリオレフィンとり
わけプロピレン系重合体は、該重合体中に酸化を受けや
すい第3級炭素を有しているため、成形加工時および実
用時に熱酸化劣化を受けやすいという欠点がある。この
ため、従来から熱酸化劣化を防止する目的で、フェノー
ル系、リン系、チオエーテル系などの各種の酸化防止剤
が広く用いられている。しかしながら、各種酸化防止剤
を配合してなるポリオレフィン組成物を成形し、得られ
た成形品に紫外線硬化性インクや塗料を用いて印刷若し
くは塗装などの表面処理を施した場合、該成形品に配合
した酸化防止剤が紫外線照射によって黄変し成形品の商
品価値が著しく低下するといった問題に遭遇する。
【0003】それ故、従来からポリオレフィン成形品の
紫外線キュア印刷若しくは塗装時の黄変を防止する目的
で特定の酸化防止剤を配合することが提案されている。
例えば、特開平6−100737号公報には、プロピレ
ン系重合体にビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチ
ルフェニル)ペンタエリスリトール−ジフォスファイト
及びペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]から成る群より選択された酸化防止剤を添加する
ことが記載されている。また、本出願人に係る特開平6
−313076号公報には結晶性ポリプロピレン系樹脂
に175℃以上の融点を有するリン系酸化防止剤を配合
することが記載されている。
【0004】一方、特開昭63−95246号公報に
は、印刷インクとの接触後高温下あるいは高温加湿下で
変色の生じないポリプロピレン組成物を得る目的で、ポ
リプロピレンに対して酸化防止剤として(a)フェノー
ル系酸化防止剤であってフェノール基の2及び6位が少
なくとも炭素数1以上の置換基で置換されているモノ、
ビス、トリスまたはテトラキスフェノール系酸化防止
剤、(b)チオエーテル系酸化防止剤および(c)フォ
スファイト、フォスフォナイト系及びフォスフォン酸系
酸化防止剤から選ばれる1種または2種以上の混合物を
配合することが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
63−95246号公報にはポリプロピレンシートを印
刷インクとして特に紫外線硬化型のインクを用いて印刷
した場合の問題点とその解決策については触れられてい
ない。
【0006】本発明者らは、特開平6−100737号
公報及び特開平6−313076号公報に提案された成
形品に満足することなく、さらに紫外線硬化印刷若しく
は塗装時の黄変のないポリオレフィン成形品を得るべく
検討した結果、ポリオレフィンに特定のリン系化合物及
びフェノール系化合物を特定量配合すると上述した従来
のポリオレフィン成形品の欠点を解決することができる
ことを見い出し、本発明に至った。そこで、本発明の目
的は紫外線硬化樹脂層を有する黄変のないポリオレフィ
ン成形品を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ポリオ
レフィン100重量部に対して、下記〜なる群から
選ばれた1種又は2種以上の化合物とテトラキス[メチ
レン−3−(3′,5′−ジーt−ブチル−4′−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]メタンとをそれぞれ
0.01〜1重量部含有する組成物を成形してなる、紫
外線硬化樹脂層を有するポリオレフィン成形品が提供さ
れる。 ビス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニ
ル)−ペンタエリスリトール−ジフォスファイト、 テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフ
ェニル)−4,4′−ビフェニレン−ジ−フォスフォナ
イト、 下記一般式(1)で示されるリン系化合物
【化2】 (式中、R1は直接結合若しくは炭素数1〜4のアルキ
リデン基を示し、Ar1及びAr2はそれぞれアルキルア
リーレン基を示し、nは1〜4の整数を示し、nが1を
示す場合、R2は炭素数1〜28のアルキル基を示し、
そしてnが2〜4の整数を示す場合、R2はポリオール
残基を示す)。本明細書では説明の便宜上、上記〜
の化合物は以下「化合物A」と略記し、そしてテトラキ
ス[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチルー
4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンは
以下「化合物B」と略記する。
【0008】本発明で用いるポリオレフィンとしては、
エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4
−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1
などのα−オレフィンの結晶性単独重合体、これら2種
以上のα−オレフィンの結晶性、低結晶性若しくは非晶
性ランダム共重合体又は結晶性ブロック共重合体、非晶
性エチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体、
非晶性エチレン−環状アルケン共重合体(たとえば、非
晶性エチレン−テトラシクロドデセン共重合体)などの
ポリオレフィン、上述のα−オレフィンと酢酸ビニル若
しくはアクリル酸エステルとの共重合体、該共重合体の
ケン化物、これらα−オレフィンと不飽和シラン化合物
との共重合体、これらα−オレフィンと不飽和カルボン
酸若しくはその無水物との共重合体、該共重合体と金属
イオン化合物との反応生成物、上述のポリオレフィンを
不飽和カルボン酸若しくはその誘導体で変性した変性ポ
リオレフィン、上述のポリオレフィンを不飽和シラン化
合物で変性したシラン変性ポリオレフィンなどを例示す
ることができ、これらポリオレフィンの単独使用はもち
ろんのこと、2種以上のポリオレフィンを混合して用い
ることもできる。
【0009】また、上述のポリオレフィンに各種合成ゴ
ム(たとえばポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリク
ロロプレン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレ
ン、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエン系ゴム、アクリ
ロニトリル−ブタジエン系ゴム、スチレン−ブタジエン
−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−
スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチ
レン−スチレンブロック共重合体、スチレン−プロピレ
ン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、エチレン−
エチレン−ブチレン−エチレンブロック共重合体、エチ
レン−プロピレン−ブチレン−エチレンブロック共重合
体など)又は熱可塑性合成樹脂(たとえばポリスチレ
ン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニ
トリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミド、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタ
レート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、塩素化ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリ
デン、フッ素樹脂、石油樹脂(たとえばC5系石油樹
脂、水添C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、水添C9系石
油樹脂、C5〜C9共重合石油樹脂、水添C5〜C9共重合
石油樹脂、酸変性C9系石油樹脂などの軟化点80〜2
00℃の石油樹脂)、DCPD樹脂(たとえばシクロペ
ンタジエン系石油樹脂、水添シクロペンタジエン系石油
樹脂、シクロペンタジエン−C5共重合石油樹脂、水添
シクロペンタジエン−C5共重合石油樹脂、シクロペン
タジエン−C9共重合石油樹脂、水添シクロペンタジエ
ン−C9共重合石油樹脂、シクロペンタジエン−C5〜C
9共重合石油樹脂、水添シクロペンタジエン−C5〜C9
共重合石油樹脂などの軟化点80〜200℃のDCPD
樹脂)などを混合して用いることもできる。結晶性プロ
ピレン単独重合体、プロピレン成分を70重量%以上含
有する結晶性プロピレン共重合体であって、結晶性エチ
レン−プロピレンランダム共重合体、結晶性エチレン−
プロピレンブロック共重合体、結晶性プロピレン−ブテ
ン−1ランダム共重合体、結晶性エチレン−プロピレン
−ブテン−1三元共重合体、結晶性プロピレン−ヘキセ
ン−ブテン−1三元共重合体及びこれらの2種以上の混
合物が特に好ましく用いられる。
【0010】本発明で用いられる化合物Aの内、前記一
般式(1)において、R1で示される炭素数1〜4のアル
キリデン基としては、メチレン、エチリデン、プロピリ
デン、i−プロピリデン、ブチリデンなどがあげられ、
Ar1及びAr2で示されるアルキルアリーレン基として
は、4,6−ジアルキルフェニル−2−イル(アルキル
基としては、同種若しくは異種のアルキル基を示し、メ
チル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、s−
ブチル、t−ブチル、アミル、t−アミル、ヘキシル、
ヘプチル、オクチル、i−オクチル、t−オクチル、2
−エチルヘキシル、ノニル、i−ノニル、デシル、i−
デシル、ウンデシル、ドデシル、t−ドデシル)などが
あげられ、R2で示される炭素数1〜28のアルキル基
としては、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、
ブチル、s−ブチル、t−ブチル、アミル、t−アミ
ル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、i−オクチル、t
−オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、i−ノニ
ル、デシル、i−デシル、ウンデシル、ドデシル、t−
ドデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、オクタデシ
ル、エイコシル、ドコシル、テトラコシル、ヘキサコシ
ル、オクタコシルなどが、またポリオール残基として
は、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、スピログリコール、ビス(2−
ヒドロキシエチル)オキサミド、グリセリン、トリメチ
ロールエタン、トリメチロールプロパン、トリエタノー
ルアミン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌ
レート、エリスリトール、ペンタエリスリトールなどの
ポリオールの残基があげられる。
【0011】従って、一般式(1)で示されるリン系化合
物として好ましいものは、2,2′−メチレン−ビス
(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−2−エチルヘキ
シルフォスファイト、2,2′−メチレン−ビス(4,6
−ジ−t−アミルフェニル)−2−エチルヘキシルフォ
スファイト、2,2′−エチリデン−ビス(4,6−ジ−
t−ブチルフェニル)オクタデシルフォスファイト、
2,2′−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−アミルフ
ェニル)オクタデシルフォスファイト、ビス[2,2′
−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニ
ル)]−エチレングリコール−ジフォスファイト、ビス
[2,2′−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフ
ェニル)]−1,4−ブタンジオール−ジフォスファイ
ト、ビス[2,2′−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−
ブチルフェニル)]−1,6−ヘキサンジオール−ジフ
ォスファイト、ビス[2,2′−メチレン−ビス(4−
メチル−6−t−ブチルフェニル)]−3,9−ビス
(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン−ジ
フォスファイト、ビス[2,2′−メチレン−ビス(4,
6−ジ−t−ブチルフェニル)]−3,9−ビス(1,1
−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10
−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン−ジフォス
ファイト、ビス[2,2′−メチレン−ビス(4,6−ジ
−t−アミルフェニル)]−3,9−ビス(1,1−ジメ
チル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テト
ラオキサスピロ[5.5]ウンデカン−ジフォスファイ
ト、ビス[2,2′−エチリデン−ビス(4−メチル−
6−t−ブチルフェニル)]−3,9−ビス(1,1−ジ
メチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テ
トラオキサスピロ[5.5]ウンデカン−ジフォスファ
イト、ビス[2,2′−エチリデン−ビス(4,6−ジ−
t−ブチルフェニル)]−3,9−ビス(1,1−ジメチ
ル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラ
オキサスピロ[5.5]ウンデカン−ジフォスファイ
ト、ビス[2,2′−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t
−アミルフェニル)]−3,9−ビス(1,1−ジメチル
−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオ
キサスピロ[5.5]ウンデカン−ジフォスファイト、
ビス[2,2′−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチ
ルフェニル)]−N,N′−ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)オキサミド−ジフォスファイト、
【0012】トリス[2,2′−メチレン−ビス(4,6
−ジ−t−ブチルフェニル)]−グリセリン−トリフォ
スファイト、トリス[2,2′−メチレン−ビス(4,6
−ジ−t−ブチルフェニル)]−トリメチロールエタン
−トリフォスファイト、トリス[2,2′−メチレン−
ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)]−トリメチ
ロールプロパン−トリフォスファイト、トリス[2,
2′−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)]−ト
リエタノールアミン−トリフォスファイト、トリス
[2,2′−ビス(4,6−ジ−t−アミルフェニル)]
−トリエタノールアミン−トリフォスファイト、トリス
[2,2′−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフ
ェニル)]−トリエタノールアミン−トリフォスファイ
ト、トリス[2,2′−メチレン−ビス(4,6−ジ−t
−アミルフェニル)]−トリエタノールアミン−トリフ
ォスファイト、トリス[2,2′−エチリデン−ビス
(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)]−トリエタノー
ルアミン−トリフォスファイト、トリス[2,2′−エ
チリデン−ビス(4,6−ジ−t−アミルフェニル)]
−トリエタノールアミン−トリフォスファイト、トリス
[2,2′−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフ
ェニル)]−N,N′,N″−トリス(2−ヒドロキシエ
チル)イソシアヌレート−トリフォスファイト、テトラ
キス[2,2′−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチ
ルフェニル)]−エリスリトール−テトラフォスファイ
ト、テトラキス[2,2′−メチレン−ビス(4,6−ジ
−t−ブチルフェニル)]−ペンタエリスリトール−テ
トラフォスファイトなどを例示できる。
【0013】従って、本発明で用いられる化合物Aとし
ては、特にビス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチル
フェニル)−ペンタエリスリトール−ジフォスファイ
ト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチル
フェニル)−4,4′−ビフェニレン−ジ−フォスフォ
ナイト、2,2′−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブ
チルフェニル)−2−エチルヘキシルフォスファイト、
ビス[2,2′−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ア
ミルフェニル)]−3,9−ビス(1,1−ジメチル−2
−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサ
スピロ[5.5]ウンデカン−ジフォスファイトおよび
トリス[2,2′−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニ
ル)]−トリエタノールアミン−トリフォスファイトが
好ましい。これら化合物Aの単独使用はもちろんのこ
と、2種以上の化合物Aを併用することもできる。該化
合物Aの配合割合は、ポリオレフィン100重量部に対
して0.01〜1重量部、好ましくは0.05〜0.5重
量部である。0.01重量部未満の配合ではポリオレフ
ィン成形品の黄変防止効果が充分に発揮されず、また1
重量部を超えても構わないが、それ以上の黄変防止効果
が期待できず実際的でないばかりでなくまた不経済であ
る。
【0014】本発明で用いられる化合物Bの配合割合
は、ポリオレフィン100重量部に対して0.01〜1
重量部、好ましくは0.05〜0.5重量部である。0.
01重量部未満の配合ではポリオレフィン成形品の黄変
防止効果が充分に発揮されず、また1重量部を超えても
構わないが、それ以上の黄変防止効果が期待できず実際
的でないばかりでなくまた不経済である。
【0015】本発明のポリオレフィン成形品が有する紫
外線硬化樹脂層には、たとえば紫外線硬化樹脂のみから
なる高光沢、耐擦傷性などを付与するハードコート層や
紫外線硬化樹脂を含有する紫外線硬化インク層若しくは
塗料層などが包含されるが、ここでは紫外線硬化インク
層を例にとって、以下、具体的に説明する。紫外線硬化
性樹脂を含有する紫外線硬化性インクは、色料(有機及
び無機の顔料類)、ビヒクル及び補助剤(界面活性剤、
希釈剤、ワニス、トナー、ビクトリヤなど)からなり、
ビヒクルすなわち紫外線硬化性樹脂としては感光性プレ
ポリマー(オリゴマー)、感光性モノマー及び光重合開
始剤(増感剤)からなる。
【0016】感光性プレポリマーとしては、たとえばペ
ンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート〔本明細
書において(メタ)アクリレートとは、アクリレート及
びメタクリレートの総称である〕、ペンタエリスリトー
ルテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタン
トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテ
トラ(メタ)アクリレート、エポキシ化乾性油(メタ)
アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル
(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAエポキシ
(メタ)アクリレート、脂肪族エポキシ(メタ)アクリ
レート、ポリ(メタ)アクリレートカルバメート、ヒド
ロキシ基含有(メタ)アクリレート、ジイソシアヌレー
ト並びにヒドロキシ基含有樹脂若しくは乾性油の3成分
からなる反応生成物、ポリエステル・(メタ)アクリレ
ート、ポリエーテル・(メタ)アクリレート、ポリ(メ
タ)アクリレート・アルキッド、メラミン・(メタ)ア
クリレートなどを例示できる。
【0017】感光性モノマーとしては、たとえばヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエ
ン(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモ
ノ(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アク
リレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリプロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレートなどを例示できる。
【0018】また光重合開始剤としては、たとえばアン
スラキノン、ベンゾインエーテル類、ベンジル、ベンゾ
フェノン、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフ
ェノン、4,4′−ビス(トリクロロメチル)ベンゾフ
ェノン、2−クロロチオザンセノン、ジブチルフェニル
フォスフィン、α,α−ジエトキシアセトフェノン、p
−ジメチルアミノベンズアルデヒド、2−エチルアンス
ラキノン、ザンセノン、2−ベンゾイルベンゾエート
類、ベンゾイルビフェニル、1−ベンゾイルナフタレ
ン、4−ベンゾイルピリジン、2−クロロアンスラキノ
ン、クロロベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキ
シル−フェニルケトン、(η5−2,4−シクロペンタジ
エン−1−イル)[(1,2,3,4,5,6−η)−(1
−メチルエチル)ベンゼン]−アイアン(I+)−ヘキ
サフルオロフォスフェート(I-)、2,2−ジメトキシ
−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−
1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリ
ノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ
−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン
−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニ
ル−フォスフィンオキサイド、1−[4−(2−ヒドロ
キシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メ
チル−1−プロパン−1−オン、ビス(シクロペンタジ
エニル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1
−イル)−フェニル]チタニウムなどを例示できる。
【0019】紫外線硬化樹脂層の形成は、たとえば以下
の方法で行うことができる。すなわち、ポリオレフィン
成形品表面に上述の紫外線硬化性樹脂組成物の被膜を形
成したのち、紫外線照射装置を用いて紫外線を照射して
紫外線硬化性樹脂を硬化させて、紫外線硬化樹脂層を形
成する。また、紫外線照射装置としては、たとえばキセ
ノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、
カーボンアーク灯、タングステンランプ、ハロゲンラン
プなどがあげられる。
【0020】本発明のポリオレフィン成形品にあって
は、通常ポリオレフィンに添加される各種の添加剤たと
えばフェノール系(ただし、化合物Bを除く)、チオエ
ーテル系、リン系(ただし、化合物Aを除く)などの酸
化防止剤、光安定剤、重金属不活性化剤(銅害防止
剤)、透明化剤、造核剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、
アンチブロッキング剤、無滴剤、過酸化物の如きラジカ
ル発生剤、難燃剤、難燃助剤、顔料、ハロゲン捕捉剤、
金属石ケン類などの分散剤若しくは中和剤、有機系や無
機系の抗菌剤、無機充填剤(たとえばタルク、マイカ、
クレー、ウォラストナイト、ゼオライト、カオリン、ベ
ントナイト、パーライト、ケイソウ土、アスベスト、炭
酸カルシウム、水酸化マグネウム、水酸化アルミニウ
ム、ハイドロタルサイト、塩基性アルミニウム・リチウ
ム・ヒドロキシ・カーボネート・ハイドレート、二酸化
ケイ素、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸
化マグネシウム、硫化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸マグネ
シウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ガラ
ス繊維、チタン酸カリウム、炭素繊維、カーボンブラッ
ク、グラファイト及び金属繊維など)、カップリング剤
(たとえばシラン系、チタネート系、ボロン系、アルミ
ネート系、ジルコアルミネート系など)の如き表面処理
剤で表面処理された前記無機充填剤、又は有機充填剤
(たとえば木粉、パルプ、故紙、合成繊維、天然繊維な
ど)を本発明の目的を損なわない範囲で化合物Aに併用
することができる。
【0021】本発明のポリオレフィン成形品は、たとえ
ば以下の製造方法によって得ることができる。すなわ
ち、ポリオレフィンに前記の化合物Aおよび化合物B並
びに通常ポリオレフィンに添加される前述の各種添加剤
のそれぞれ所定量を通常の混合装置たとえばヘンシェル
ミキサー(商品名)、スーパーミキサー、リボンブレン
ダー、バンバリミキサーなどを用いて混合し、通常の単
軸押出機、2軸押出機、ブラベンダー又はロールなど
で、溶融混練温度150℃〜320℃、好ましくは18
0℃〜290℃で溶融混練ペレタイズすることにより組
成物とし、該組成物を射出成形法、押出成形法、ブロー
成形法などの各種成形法により、目的とする用途によっ
ては単層体若しくは積層体の成形品となし、この成形品
の表面に上述の紫外線硬化樹脂層を設けてポリオレフィ
ン成形品を得ることができ、実用に供される。
【0022】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるも
のではない。なお、実施例及び比較例で用いた評価方法
は次の方法によった。 紫外線黄変性:得られたペレットを用いて長さ50mm、
巾50mm、厚み2mmの試験片を射出成形法により作成
し、該試験片に東洋インキ製造(株)製の紫外線硬化性イ
ンクを0.3ml盛り、紫外線照射装置(ウシオ電機(株)
製のUVC−181)を用いて、紫外線波長300nm、
紫外線照射強度80w/cm、照射時間3秒、紫外線発生
源と被照射試験片との距離100mmの条件で紫外線を照
射してオフセツト印刷を行い、紫外線硬化インク層(紫
外線硬化樹脂層)を有する試験片を得た。得られた紫外
線硬化インク層を有する試験片の黄変度合いを目視によ
り判定し、次の基準により評価した。 ○:黄変なし ×:黄変あり
【0023】以下の実施例および比較例で用いられる後
記の表1〜表4に示される各種添加剤は下記の通りであ
る。 化合物A[1]:ビス(2,4−ジ−t−ブチル−5−
メチルフェニル)−ペンタエリスリトール−ジフォスフ
ァイト、 化合物A[2]:テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル
−5−メチルフェニル)−4,4′−ビフェニレン−ジ
−フォスフォナイト、 化合物A[3]:2,2′−メチレン−ビス(4,6−ジ
−t−ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルフォスフ
ァイト、 化合物A[4]:2,2′−エチリデン−ビス(4,6−
ジ−t−アミルフェニル)オクタデシルフォスファイ
ト、 化合物A[5]:ビス[2,2′−メチレン−ビス(4
−メチル−6−t−ブチルフェニル)]−エチレングリ
コール−ジフォスファイト、 化合物A[6]:ビス[2,2′−メチレン−ビス(4,
6−ジ−t−ブチルフェニル)]−1,4−ブタンジオ
ール−ジフォスファイト、 化合物A[7]:ビス[2,2′−エチリデン−ビス
(4,6−ジ−t−オクチルフェニル)]−1,6−ヘキ
サンジオール−ジフォスファイト、 化合物A[8]:ビス[2,2′−メチレン−ビス(4,
6−ジ−t−ブチルフェニル)]−3,9−ビス(1,1
−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10
−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン−ジフォス
ファイト、 化合物A[9]:ビス[2,2′−エチリデン−ビス
(4,6−ジ−t−アミルフェニル)]−3,9−ビス
(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,
8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン−ジ
フォスファイト、 化合物A[10]:ビス[2,2′−メチレン−ビス
(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)]−N,N′−ビス
(2−ヒドロキシエチル)オキサミド−ジフォスファイ
ト、 化合物A[11]:トリス[2,2′−プロピリデン−
ビス(4,6−ジ−ノニルフェニル)]−グリセリン−
トリフォスファイト、 化合物A[12]:トリス[2,2′−i−プロピリデ
ン−ビス(4,6−ジ−t−ドデシルフェニル)]−ト
リメチロールエタン−トリフォスファイト、 化合物A[13]:トリス[2,2′−ブチリデン−ビ
ス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)]−トリメ
チロールプロパン−トリフォスファイト、 化合物A[14]:トリス[2,2′−ビス(4,6−ジ
−t−ブチルフェニル)]−トリエタノールアミン−ト
リフォスファイト、 化合物A[15]:トリス[2,2′−メチレン−ビス
(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)]−トリエタノー
ルアミン−トリフォスファイト、 化合物A[16]:トリス[2,2′−メチレン−ビス
(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)]−N,N′,N″
−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート−
トリフォスファイト、 化合物A[17]:テトラキス[2,2′−メチレン−
ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)]−エリスリ
トール−テトラフォスファイト、 化合物A[18]:テトラキス[2,2′−メチレン−
ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)]−ペンタエ
リスリトール−テトラフォスファイト。
【0024】化合物B:テトラキス[メチレンー3−
(3′,5′−ジーt−ブチルー4′−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]メタン、 リン系酸化防止剤1:ビス(2,4−ジ−t−ブチルフ
ェニル)−ペンタエリスリトール−ジフォスファイト、 リン系酸化防止剤2:テトラキス(2,4−ジ−t−ブ
チルフェニル)−4,4′−ビフェニレン−ジ−フォス
フォナイト、 リン系酸化防止剤3:2,2′−エチリデン−ビス(4,
6−ジ−t−ブチルフェニル)フルオロフォスファイ
ト、 Ca−St:ステアリン酸カルシウム。
【0025】実施例1〜8 ポリオレフィンとしてメルトフローレート(230℃にお
ける荷重21.18Nを加えた場合の10分間の溶融樹脂の吐
出量、以下MFRと略記する)6.0g/10分の安定
化されていない粉末状結晶性プロピレン単独重合体10
0重量部に、後記の表1に示す化合物A、化合物Bおよ
び添加剤(Ca−St)をそれぞれ所定の配合割合で混合し
てヘンシェルミキサー(商品名)に入れ、3分間撹拌混
合したのち、口径40mmの単軸押出機で200℃にて溶
融混練処理してペレット化した。得られたペレットを用
いて前記の試験方法により紫外線黄変性の評価を行い、
その結果を表1に示す。
【0026】比較例1〜3 MFRが6.0g/10分の安定化されていない粉末状
結晶性プロピレン単独重合体100重量部に、後記の表
1に示す化合物B、酸化防止剤および添加剤(Ca−St)
の所定量を配合し、実施例1〜8に準拠して溶融混練処
理してペレットを得た。得られたペレットを用いて前記
の試験方法により紫外線黄変性の評価を行い、その結果
を表1に示す。
【0027】実施例9〜16 ポリオレフィンとしてMFR1.0g/10分の安定化
されていない粉末状結晶性エチレン−プロピレンランダ
ム共重合体(エチレン含有量4.0重量%)99重量%及
びメルトインデックス(190℃における荷重21.18Nを加
えた場合の10分間の溶融樹脂の吐出量;以下MIと略記
する)7.0g/10分の安定化されていない粉末状直
鎖状低密度ポリエチレン(エチル分岐30個/1000炭素)
1重量%とからなる合計100重量部に、後記の表2に
示す化合物A、化合物B及び添加剤(Ca−St)をそれぞ
れ所定の配合割合で混合してヘンシェルミキサー(商品
名)に入れ、3分間撹拌混合したのち、口径40mmの単
軸押出機で200℃にて溶融混練処理してペレット化し
た。得られたペレットを用いて前記の試験方法により紫
外線黄変性の評価を行い、その結果を表2に示す。
【0028】比較例4〜6 MFRが1.0g/10分の安定化されていない粉末状
結晶性エチレン−プロピレンランダム共重合体(エチレ
ン含有量4.0重量%)99重量%及びMIが7.0g/1
0分の安定化されていない粉末状直鎖状低密度ポリエチ
レン(エチル分岐30個/1000炭素)1重量%とからなる
合計100重量部に、後記の表2に示す化合物B、酸化
防止剤および添加剤(Ca−St)の所定量を配合し、実施
例9〜16に準拠して溶融混練処理してペレットを得
た。得られたペレットを用いて前記の試験方法により紫
外線黄変性の評価を行い、その結果を表2に示す。
【0029】実施例17〜24 ポリオレフィンとしてMFR4.0g/10分の安定化
されていない粉末状結晶性エチレン−プロピレンブロッ
ク共重合体(エチレン含有量8.5重量%)100重量部
に、後記の表3に示す化合物A、化合物Bおよび添加剤
(Ca−St)をそれぞれ所定の配合割合で混合しヘンシェ
ルミキサー(商品名)に入れ、3分間撹拌混合したの
ち、口径40mmの単軸押出機で200℃にて溶融混練処
理してペレット化した。得られたペレットを用いて前記
の試験方法により紫外線黄変性の評価を行い、その結果
を表3に示す。
【0030】比較例7〜9 MFRが4.0g/10分の安定化されていない粉末状
結晶性エチレン−プロピレンブロック共重合体(エチレ
ン含有量8.5重量%)100重量部に、後記の表3に示
す化合物B、酸化防止剤および添加剤(Ca−St)のそれ
ぞれ所定量を配合し、実施例17〜24に準拠して溶融
混練処理してペレットを得た。得られたペレットを用い
て前記の試験方法により紫外線黄変性の評価を行い、そ
の結果を表3に示す。
【0031】実施例25〜32 ポリオレフィンとしてMFR7.0g/10分の安定化
されていない粉末状結晶性エチレン−プロピレン−ブテ
ン−1三元共重合体(エチレン含有量2.5重量%、ブ
テン−1含有量4.5重量%)80重量%、MI7.0g/
10分の安定化されていない粉末状直鎖状低密度ポリエ
チレン(エチル分岐30個/1000炭素)10重量%及びム
ーニー粘度ML1+4(100℃)が30の安定化されて
いない粉末状非晶性エチレン−プロピレンランダム共重
合体(プロピレン含有量25重量%)10重量%とから
なる合計100重量部に、後記の表4に示す化合物A、
化合物Bおよび添加剤(Ca−St)をそれぞれ所定の配合
割合で混合しヘンシェルミキサー(商品名)に入れ、3
分間撹拌混合したのち、口径40mmの単軸押出機で20
0℃にて溶融混練処理してペレット化した。得られたペ
レットを用いて前記の試験方法により紫外線黄変性の評
価を行い、その結果を表4に示す。
【0032】比較例10〜12 MFRが7.0g/10分の安定化されていない粉末状
結晶性エチレン−プロピレン−ブテン−1三元共重合体
(エチレン含有量2.5重量%、ブテン−1含有量4.5重量
%)80重量%、MIが7.0g/10分の安定化され
ていない粉末状直鎖状低密度ポリエチレン(エチル分岐
30個/1000炭素)10重量%及びムーニー粘度ML1+
4(100℃)が30の安定化されていない粉末状非晶性
エチレン−プロピレンランダム共重合体(プロピレン含
有量25重量%)10重量%とからなる合計100重量部
に、後記の表4に示す化合物B、酸化防止剤および添加
剤(Ca−St)のそれぞれ所定量を配合し、実施例25〜
32に準拠して溶融混練処理してペレットを得た。得ら
れたペレットを用いて前記の試験方法により紫外線黄変
性の評価を行い、その結果を表4に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】表1に記載の実施例及び比較例は、ポリオ
レフィンとして結晶性プロピレン単独重合体を用いた場
合である。表1からわかるように、実施例1〜8は本発
明にかかわる化合物Aおよび化合物Bを含有したもので
あり、実施例1〜8と比較例1〜3とを比較すると実施
例1〜8のものは紫外線黄変がないのに対して、比較例
1〜3のものは紫外線黄変があることがわかる。すなわ
ち、化合物A[1]及び化合物A[2]の2,4−ジ−
t−ブチル−5−メチルフェニル基を2,4−ジ−t−
ブチルフェニル基に置換したリン系酸化防止剤1及びリ
ン系酸化防止剤2ならびに化合物A[3]〜[4]のア
ルコキシ基をフッ素に置換したリン系酸化防止剤3は、
成形品の紫外線黄変を防止する効果がないことがわか
る。従って、本発明に係わる化合物Aおよび化合物Bの
2成分の配合を同時に満たさない各比較例のものは、本
発明の効果を奏さないことが明らかである。すなわち、
本発明で得られる成形品の紫外線黄変を防止する効果
は、本発明による化合物Aおよび化合物Bを併用したと
きにはじめてみられる特有の効果であるといえる。
【0038】表2〜表4は、ポリオレフィンとしてそれ
ぞれ結晶性エチレン−プロピレンランダム共重合体及び
直鎖状低密度ポリエチレンの混合物、結晶性エチレン−
プロピレンブロック共重合体又は結晶性エチレン−プロ
ピレン−ブテン−1三元共重合体、直鎖状低密度ポリエ
チレン及び非晶性エチレン−プロピレンランダム共重合
体の混合物を用いたものであり、これらについても上述
と同様の効果が確認された。
【0039】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン成形品は、従来
公知の各種酸化防止剤を配合した紫外線硬化樹脂層を有
するポリオレフィン成形品に比較して、紫外線照射によ
る黄変がなく、所定の色調、装飾効果などを維持し得る
ことができる。また、本発明による紫外線黄変を防止す
る効果は紫外線硬化樹脂層に使用される紫外線硬化性樹
脂の種類には依存しないで酸化防止剤と紫外線との光化
学反応の結果に基づくものと考えられる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン100重量部に対して、
    下記〜なる群から選ばれた1種又は2種以上の化合
    物とテトラキス[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t
    −ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
    ト]メタンとをそれぞれ0.01〜1重量部含有する組
    成物を成形してなる、紫外線硬化樹脂層を有するポリオ
    レフィン成形品: ビス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニ
    ル)−ペンタエリスリトール−ジフォスファイト、 テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフ
    ェニル)−4,4′−ビフェニレン−ジ−フォスフォナ
    イト、 下記一般式(1)で示されるリン系化合物 【化1】 (式中、R1は直接結合若しくは炭素数1〜4のアルキ
    リデン基を示し、Ar1及びAr2はそれぞれアルキルア
    リーレン基を示し、nは1〜4の整数を示し、nが1を
    示す場合、R2は炭素数1〜28のアルキル基を示し、
    そしてnが2〜4の整数を示す場合、R2はポリオール
    残基を示す)。
  2. 【請求項2】 紫外線硬化樹脂層は紫外線硬化インク層
    である請求項1記載の成形品。
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