JP3472180B2 - 3次元周期構造体及び2次元周期構造体並びにそれらの作製方法 - Google Patents

3次元周期構造体及び2次元周期構造体並びにそれらの作製方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光回路を構成する
波長フイルターや偏光子等の種々の光学素子に利用でき
る屈折率の異なる2種以上の物質が、3次元周期構造ま
たは2次元周期構造を形成し、フォトニックバンドギャ
ップ効果を有する3次元周期構造体及び2次元周期構造
体並びにそれらの作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フォトニックバンドギャップ結晶(以
下、フォトニック結晶と略す)は、屈折率の異なる2種
以上の物質が、使用する光の波長よりやや短い周期で格
子を形成しているもので、屈折率が十分大きく異なる
と、電磁波が全く伝搬できない波長帯域(バンドギャッ
プと称されている)が形成される。このバンドギャップ
の波長帯と帯域幅は主に格子の形状と周期及び物質の屈
折率差とにより決まり、広いバンドギャップを得るには
屈折率差が大きい組み合わせが望ましい。特に、光回路
部品の小型化や3次元化を実現する上で、3次元周期構
造のフォトニック結晶が有利であるが、光通信の波長帯
で使用するには、1μm以下の周期をもつ3次元周期構
造を作製する必要があり、技術的に困難であった。
【0003】しかしながら、近年、2次元的にほぼ周期
的な凹凸をもつ基板の上に2種類以上の物質をほぼ周期
的に順次積層し、その積層の中の少なくとも一部分にス
パッタエッチングを単独で、または成膜と同時に用いる
ことにより、3次元的にほぼ周期的な構造体を形成する
作製する技術を開発された。この開発された構造体の典
型的な構造例を図1に示す。図1において、基板上に微
細加工技術により形成した2次元周期の凹凸上に、バイ
アススパッタリング法により、符号101で示す屈折率
l.46のSiO2 と、符号102で示す屈折率3.2
4のアモルファスSi(以下、a−Si)を交互に積層
し、適切な条件を選択してやると、基板上の凹凸を保存
して膜が堆積され、結果的に図1に示すような3次元周
期構造が形成される。この3次元周期構造体は、厚さ方
向(z方向)の1周期内で見ると、SiO2 とaSiが
交互に入れ子になった網状の構造体である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記図
1の従来の3次元周期構造体では、光学特性を測定する
と、z方向では、明瞭なバンドギャップが形成される
が、面内方向(xy方向)では、明瞭なバンドギャップ
を観測できなかった。これは、xy方向ではA−A’面
で切られる断面で、高屈折率のa−Siと低屈折率のS
iO2 の相対割合がz方向に変化する強い変調構造を有
し、平均屈折率が1周期内で増減しているのに対し、z
方向ではB−B’面で切られる断面で、高屈折率のa−
Siと低屈折率のSiO2 の相対割合がほぼ同じになっ
て、変調が弱い構造になっているためと、推測される。
【0005】図2は従来技術による3次元周期構造体の
別の構造例(断面部分のみを示す)であり、この場合
は、基板上に形成された深い凹凸が、初期の積層の過程
で、ジグザグ状の凹凸構造に自己形成され、この形状が
その後も保存されて3次元周期構造体となる例である。
この場合、厚さ方向(z方向)の1周期内で見ると膜状
の2次元構造体となるが、それぞれの物質からなる各領
域の面内の厚さは一定であるため、面内の全ての方向に
開いたバンドギャップを得ることができなかった。
【0006】本発明の目的は、上述の点に鑑みて、フォ
トニックバンドギャップ効果を増大できるように図った
3次元周期構造体およびその作製方法を提供することに
ある。
【0007】本発明のさらなる目的は、フォトニックバ
ンドギャップ効果を増大できるように図った2次元周期
構造体およびその作製方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、低屈折率の物質と高屈折率の物
質が厚さ方向に周期的に積層された3次元周期構造体に
おいて、その厚さ方向の1周期内でそれぞれの物質は2
次元周期的凹凸を持つ膜状の形をなし、それぞれの物質
からなる領域の面内の厚さが、面内でほぼ0〜100%
直線的に変調されていることを特徴とする。
【0009】上記目的を達成するため、請求項2の発明
は、低屈折率の物質と高屈折率の物質が厚さ方向に周期
的に積層された3次元周期構造体において、その厚さ方
向の1周期内で前記低屈折率物質が2次元周期的な網状
の形をなし、その穴部分に前記高屈折率物質が充填さ
れ、それぞれの物質からなる領域の面内の厚さが面内で
変調されていることを特徴とする。
【0010】上記目的を達成するため、請求項3の発明
は、低屈折率物質と高屈折率物質が周期的に積層された
3次元周期構造体のそれぞれの物質の上面、下面が2次
元的凹凸周期構造を有し、厚さ方向の1周期内で、ある
物質は複数の方向から原料物質を入射させることにより
その物質の上面の凹凸は下面の凹凸よりも強調され、別
のある物質は再付着効果を持つデポジションまたはエッ
チングにより上面の凹凸は下面の凹凸より弱められるこ
とにより、それぞれの物質からなる領域の厚さが面内で
変調が与えられて、フォトニックバンドギャップ効果を
増大させる3次元周期構造体の作製方法において、基板
表面に微細な周期の凹凸パターンを形成する第1の工程
と、前記基板を、基板バイアス印加可能で低屈折率物質
と高屈折率物質の2個のターゲットを有するスパッタリ
ング装置に入れ、前記パターンの凹部が整形されて小さ
な楔または突起を残して平坦化されるように、エッチン
グ効果や再付着効果が非常に大きい基板バイアスとガス
圧の条件で、高屈折率物質をスパッタする第2の工程
と、該高屈折率物質上に低屈折率物質を所定の角度のジ
グザグ形状になるように基板バイアスとガス圧を調整し
てスパッタする第3の工程と、等方的なエッチングによ
り低屈折率層の断面がほぼ3角形になるまで全体的にエ
ッチングする第4の工程と、該3角形の低屈折率層の上
に高屈折率物質が小さな楔または突起を有するほぼ平坦
な表面になるように基板バイアスとガス圧を調整して高
屈折率物質をスパッタする第5の工程と、等方的なエッ
チングにより該高屈折率層の断面が逆3角形になるまで
全体的にエッチングする第6の工程とを有し、その後、
前記第3の工程から前記第6の工程を順次繰り返すこと
を特徴とする。
【0011】上記目的を達成するため、請求項4の発明
は、低屈折率物質と高屈折率物質が周期的に積層された
3次元周期構造体のそれぞれの物質の上面、下面が2次
元的凹凸周期構造を有し、厚さ方向の1周期内で、ある
物質は複数の方向から原料物質を入射させることにより
その物質の上面の凹凸は下面の凹凸よりも強調され、別
のある物質は再付着効果を持つデポジションまたはエッ
チングにより上面の凹凸は下面の凹凸より弱められるこ
とにより、それぞれの物質からなる領域の厚さが面内で
変調が与えられて、フォトニックバンドギャップ効果を
増大させる3次元周期構造体の作製方法において、基板
表面に微細な周期の凹凸パターンを形成する第1の工程
と、前記基板を、基板バイアス印加可能で、低屈折率物
質と高屈折率物質の2個のターゲットを有するスパッタ
リング装置に入れ、前記パターンの凹部が整形されて4
5°程度の角度を持つ楔状の形状になるように、基板バ
イアスとガス圧を調整して低屈折率物質をスパッタする
第2の工程と、該低屈折率物質の上にバイアスを印加せ
ずに高屈折率物質を積層する第3の工程と、異方性が高
く高屈折率物質をより選択的にエッチングできるドライ
エッチングを行う第4の工程と、該高屈折率物質の上に
低屈折率物質を所定の角度を持つ楔状の形状になるよう
に、基板バイアスとガス圧を調整してスパッタする第5
の工程と、等方的で低屈折率物質をより選択的にエッチ
ングできるドライエッチングを行い、低屈折率層に台形
状の穴を明ける第6の工程と、高屈折率物質を下面の楔
形状を鈍らせるように凹部には厚く、凸部には薄く積層
する第7の工程と、異方性が高く高屈折率物質をより選
択的にエッチングできるドライエッチングを行い、高屈
折率層の断面が分離した逆台形を網状の穴の部分に形成
する第8の工程とを有し、その後、前記第5の工程から
前記第8の工程を順次繰り返すことを特徴とする。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【作用】本発明では、複数種類の物質が3次元的または
2 次元的に周期構造を有する構造体において、各物質の
面内の厚さを面内で変調することにより、フォトニック
バンドギャップ効果を増大する。また、本発明は、この
ような膜厚変調構造を基板上に微細加工技術により形成
した2次元あるいは1次元周期の凹凸上で、2種類以上
の物質をほぼ周期的に順次積層し、その積層の中の少な
くとも一部分にスパッタエッチングを単独で、または成
膜と同時に用いることにより、凹凸を所望の形状に整形
する技術を用いて、3次元周期構造体または2次元周期
構造体を実現し、これによりフォトニックバンドギャッ
プ効果の増大を得る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0022】なお、以下の説明で、無変調構造とは、積
層方向の1周期中に占める高屈折率物質と低屈折率部物
質と膜厚比が、基板の平行な面内のどこであっても、ほ
ぼ一定な構造を意味し、変調構造とは、同膜厚比が面内
の場所により変化する構造を意味することとする。
【0023】(第1実施形態)図3の(a)は本発明の
一実施形態における3次元周期構造体の断面構造を示
し、図3の(b)はその3次元周期構造体の立体構造を
示す。図3に示す構造体は、低屈折率の物質301と高
屈折率の物質302が厚さ方向(z方向)に周期的に積
層された構造体であって、その厚さ方向の1周期内でそ
れぞれの物質は2次元周期的凹凸を持つ膜状の形をな
し、それぞれの物質からなる領域の面内の厚さが、面内
で0〜100%直線的に変調されている3次元周期構造
である。
【0024】この図3の構造でのバンドギャップを3次
元電磁界解析により評価した結果を図4に示す。また、
図5は図4の本発明の評価結果と比較するために、図2
の従来の構造のでのバンドギャップを3次元電磁界解析
により評価した結果を示す。図4の(b)は図4の
(a)の要部を拡大して示したものであるが、これらグ
ラフにおいて、太い破線は使用波長帯のTM偏波のバンド
ギャップを示し、その他の多数の細線はそれよりもエネ
ルギーの高いTM偏波のバンドギャップを示している。同
様に、図5の(b)は図5の(a)の要部を拡大して示
したものであるが、これらグラフにおいて、直線はTM偏
波のバンドギャップを示し、細い破線はTE偏波のバンド
ギャップを示している。図4の(c)は図3(a)に対
応する断面構造を示し、図5の(c)は図2に対応する
断面構造を示しており、また図4の各領域の面内の最大
厚さを使用波長の1周期と同じa、図5の各領域の面内
の厚さを0.8aに形成して、本3次元電磁界解析を実
行したことを表わしている。
【0025】更に、図4、図5の3次元電磁界解析で
は、単位格子(単位セル)を図6の(a)のに示すよう
にとり、斜線部が高屈折率物質のアモルファスSi(屈
折率3.24)、白抜き部分が低屈折率物質のSiO2
(屈折率1.46)とし、x,y,z方向をNx,N
y,Nzに分割して解析した。この場合の第1ブリュア
ンゾーン(第1BZ)を図6の(b)に示した。
【0026】図5に示すように、図2での従来の膜厚変
調のない構造(無変調構造)では、面内方向であるM点
ではTE偏波でわずかにバンドギャップが開き、TM偏
波ではバンドギャップが開かない。更に、面内のK点で
は、TE偏波,TM偏波共にバンドギャップが開かない
ため、TE,TMの両方の偏波で、3次元フォトニック
結晶とはならない。
【0027】一方、図4に示すように、図3の本発明の
膜厚変調構造では、TM偏波が面内方向であるM点で大
きなバンドギャップが開き、また、面内のK点において
も、TM偏波にバンドギャップが見られ、面内全方向に
共通のバンドギャップが開いているため、完全な3次元
フォトニック結晶となる。
【0028】(第2実施形態)図7は本発明の別の実施
形態における断面構造を示す。ここで、符号702で示
す斜線部が高屈折率物質のアモルファスSi(屈折率
3.24)、符号701で示す白抜き部分が低屈折率物
質のSiO2 (屈折率1.46)である。この構造は、
上述の図3のような0〜100%まで膜厚が変化してい
ないが、その膜厚が周期内で大きく変化している。即
ち、z方向ではA1−A1’面の近傍で屈折率が最小に
なり、A2−A2’面近傍で屈折率が最大になる。一
方、x,y方向では、B1−B1’面近傍で屈折率が最
大になり、B2−B2’面近傍で屈折率が最小になる。
この構造を3次元電磁界解析すると、図3の構造の場合
とほぼ同じフォトニックバンドギャップの増大効果が得
られる。
【0029】(第1、第2実施形態の変形例)図3およ
び図7の構造において、面内の周期構造が2次元でなく
1次元の場合は、厚さ方向に周期的に積層すると2次元
の周期構造になり、偏光素子のような偏波を制御する部
品に有用な構造であるが、このような2次元周期構造に
おいても、膜厚変調構造はフォトニックバンドギャップ
効果を増大するのに有効である。本発明では3次元周期
構造を主としているが、面内の周期構造が1次元で積層
された構造が2次元の周期構造も勿論含まれる。
【0030】以上述べたように、厚さ方向に周期的に積
層された構造体において、厚さ方向の1周期内で屈折率
の異なるそれぞれの物質が2次元または1次元の周期的
凹凸を持つ膜状の形をもつ構造で、面内の厚さが、l周
期内で面内で変調されていると、フォトニックバンドギ
ャップが拡大する効果が得られる。
【0031】(第3実施形態)図8は本発明のさらに別
の実施形態における断面構造を示す。ここで、符号80
2で示す斜線部が高屈折率物質、符号801で示す白抜
き部分が低屈折率物質である。この構造においては、厚
さ方向の1周期内である低屈折率物質801が2次元周
期的な網状の形をなし、その穴部分に別の高屈折率物質
802が充填され、それぞれの物質からなる領域の面内
の厚さが、面内で変調されている。この構造において
も、3次元電磁界解析すると、TM偏波でM点、K点に
明瞭なバンドギャップが開く。
【0032】(第4実施形態)図9は本発明のまたさら
に別の実施形態における断面構造を示す。ここで、符号
902で示す斜線部が高屈折率物質、符号901で示す
白抜き部分が低屈折率物質である。この構造において
は、厚さ方向の1周期内である低屈折率物質901が膜
状の形をなし、その膜中に2次元周期的な窪みがあり、
この窪み部分に別の高屈折率物質902が充填され、そ
れぞれの物質からなる領域の面内の厚さが、面内で変調
されている。この構造においても、3次元電磁界解析す
ると、TM偏波でM点に明瞭なバンドギャップが開く
が、その変調度が弱いため、K点ではギャップは開かな
い。
【0033】(作製工程)上述した図3、図6、図7及
び図9に示す本発明の構造体の作製には、通常は複雑な
加工技術を必要とするが、2次元的周期凹凸基板上に2
種類以上の物質をほぼ周期的に順次積層し、その積層の
中の少なくとも一部分にスパッタエッチングを単独で、
または成膜と同時に用いることにより3次元周期構造体
を形成する作製技術を用いると、本発明の3次元周期構
造体は容易に形成可能である。
【0034】即ち、バイアススパッタリングによる膜形
成では、付着反応と、イオンによるエッチングの両方の
反応が共存し、ガス圧や基板へのバイアスを変化させる
と、方向性のあるイオン,方向性の無い中性分子,及び
エッチングされた物質の再付着の寄与が変化する。この
バイアススパッタリングを凹凸のある基板上で行うと、
複数の方向から原料物質が入射する効果で、その物質の
上面の凹凸は下面の凹凸よりも強調される。一方、再付
着効果を持つデポジションあるいはエッチングの効果が
大きいと、その物質の上面の凹凸は下面の凹凸より弱め
られる。
【0035】そこで、本願発明者らは、これらの反応を
定量的に制御することにより、任意の傾きの楔状に整形
したり、あるいは、表面をほぼ平坦化する技術を確立
し、本発明の複雑な3次元周期構造および2次元周期構
造を実現するに至った。
【0036】(作製工程の第1例) 図10は上述の図に示す本発明の第2実施形態の周期
構造体を作製する工程を示したものである。図10は対
象の1側面(例えば、x−z面)の状態を表している
が、3次元周期構造体の作製の場合は、90°回転した
他の側面(例えば、y−z面)のも図10と全く同様な
状態となる。
【0037】先ず、石英ガラス等の基板1001表面に
フォトエッチング等の微細加工技術により1μm以下の
微細な凹凸パターン1002を形成する(工程10−
1)。この凹凸パターン1002の凹部は水平面と垂直
面を有する単純な段差である。
【0038】この基板1001を、基板バイアス印加可
能で、低屈折率物質と高屈折率物質の2個のターゲット
を有するスパッタリング装置に入れ、高屈折率物質10
03をスパッタする(工程10−2)。この時、単純な
段差状の凹部が整形されて、比較的浅い楔状の形状にな
るように、基板バイアス(バイアス電圧)とガス圧を調
整する。
【0039】この浅い楔状の形状の高屈折率物質100
3上に、低屈折率物質1004を、エッチング効果や再
付着効果の少ない条件でスパッタすることにより、比較
的深い楔状の形状にすることができる(工程10−
3)。
【0040】この深い楔状の形状の低屈折率物質100
4の上に、高屈折率物質1005をエッチング効果や再
付着効果が大きい条件でスバッタすると、楔を浅くでき
る(工程10−4)。
【0041】以下、これら(工程10−3)と(工程1
0−4)を順次繰り返すことにより、図7の構造を作製
できる(工程10−5)。
【0042】(作製工程の第2例)一方、図3に示す本
発明の第1実施形態の周期構造体の構造をバイアスパタ
リング法で実現するには、次に述べるような工夫が必要
である。この工程を図11に示す。
【0043】先ず、基板1101表面に微細加工技術に
より1μm以下の周期の凹凸パターン1102を形成す
る(工程11−1)。この凹凸パターン1102の凹部
は、図10と同様に、単純な段差である場合が通常であ
るが、ジグザク構造(連続する複数の各頭部が三角形の
構造)のような構造でも同様な結果が得られる。
【0044】この基板1101を、基板バイアス印加可
能で、低屈折率物質と高屈折率物質の2個のターゲット
を有するスパッタリング装置に入れ、高屈折率物質11
03をスパッタする(工程11−2)。この時、エッチ
ング効果や再付着効果が非常に大きい基板バイアスとガ
ス圧の条件で、スパッタすると、上記単純な段差状の凹
部が整形されて、平坦化される。しかし、完全に平坦化
すると、この上にスパッタされる低屈折率物質が元の基
板上の2次元周期構造を再現できないため、光学特性上
は問題にならない小さな楔1104を残す。
【0045】この上に低屈折率物質1105を20°乃
至70°の角度のジグザグ形状になるように基板バイア
スとガス圧を調整してスパッタする(工程11−3)。
次いで、等方的なエッチング(例えば、イオンエッチン
グ)により、低屈折率層の断面が3角形1106になる
まで全体的にエッチングする(工程11−4)。
【0046】次いで、この上に高屈折率物質1107が
小さな楔を有するほぼ平坦な表面になるように基板バイ
アスとガス圧を調整して高屈折率物質1107をスパッ
タする(工程11−5)。
【0047】この後、等方的なエッチングにより、高屈
折率層の断面が逆3角形1108になるまで、全体的に
エッチングする(工程11−6)。
【0048】以下、これら(工程11−3)〜(工程1
1−6)の工程を順次繰り返して、図3の構造を得る
(工程11−7)。
【0049】図11の工程は図10の工程よりも複雑に
はなるが、バイアススパッタリングとイオンエッチング
は同一装置で行えるため、通常の方法では作製が著しく
困難な図3の構造を比較的容易に作製できる。なお、本
工程では窪み1102、1106に高屈折率物質110
3、1107を積層して平坦化し、低屈折率物質110
5でジグザグ構造を形成しているが、これらはバイアス
スパッタ条件で制御できるため、逆になってもよい。ま
た、平坦化時に小さな楔を作る場合を説明したが、この
小さな楔の代わりに小さな突起でも同じように機能す
る。
【0050】(作製工程の第3例)図12は、上述の図
9に示す本発明の第4実施形態における網状の2次元周
期構造を持つ3次元周期構造体の作製工程を示す。
【0051】先ず、基板1201表面に微細加工技術に
より1μm以下の周期の凹凸パターン1202を形成す
る(工程12−1)。この凹凸パターン1202の凹部
は、図10、図11と同様に、単純な段差である。
【0052】この基板1201を、基板バイアス印加可
能で、低屈折率物質と高屈折率物質の2個のターゲット
を有するスパッタリング装置に入れ、低屈折率物質12
03をスパッタする(工程12−2)。この時、単純な
段差状の凹部が整形されて、45°程度の角度を持つ楔
状の形状になるように基板バイアスとガス圧を調整す
る。
【0053】この上にバイアスを印加せずに高屈折率物
質1204を積層すると、下面の楔形状を鈍らせるよう
に、凹部には厚く、凸部には薄く高屈折率物質が積層さ
れる(工程12−3)。
【0054】次いで、異方性が高く、高屈折率物質をよ
り選択的にエッチングできるドライエッチングを行う
と、高屈折率物質の突起の部分が消失して、高屈折率層
の断面が分離した3角形1205が形成される(工程1
2−4)。
【0055】次いで、この上に低屈折率物質1206を
45°程度の角度を持つ楔状の形状になるように、基板
バイアスとガス圧を調整してスパッタする(工程12−
5)。
【0056】以下、上記(工程12−3)、(工程12
−4)、(工程12−5)の工程を繰り返して、図9の
構造を得る(工程12−6)。
【0057】(作製工程の第4例)図13は、網状の2
次元周期構造を持つ図8に示す本発明第3実施形態の3
次元周期構造体の作製工程を示し、この工程は図12の
工程を一部変更したものある。
【0058】先ず、基板1301の表面に微細加工技術
により形成した1μm以下の周期の凹凸パターン130
2上に、低屈折率物質1303をスパッタし、更に、基
板バイアスを印加せずに高屈折率物質を積層し、次い
で、異方性が高く、高屈折率物質をより選択的にエッチ
ングできるドライエッチングを行い、高屈折率層の断面
が分離した3角形1305を形成するまでの工程は図1
2の(工程12−1)〜(工程12−4)と同じであ
る。
【0059】この上に低屈折率物質1306を20°乃
至70°程度の角度を持つ楔状の形状になるように、基
板バイアスとガス圧を調整してスパッタした(工程13
−5)後、等方的で、低屈折率物質をより選択的にエッ
チングできるドライエッチングを行い、低屈折率層に台
形状の穴1307を明ける(工程13−6)。このよう
にして、網状の低屈折率層が得られる。
【0060】次いで、高屈折率物質1308を下面の楔
形状を鈍らせるように、凹部には厚く、凸部には薄く、
積層する(工程13−7)。
【0061】次いで、異方性が高く、高屈折率物質をよ
り選択的にエッチングできるドライエッチングを行い、
高屈折率層の断面が分離した逆台形1309を網状の穴
の部分に形成する(工程13−8)。
【0062】以下、上記の(工程13−5)、(工程1
3−6)、(工程13−7)、(工程13−8)の各工
程を順次繰り返して、図8の構造を得る(工程13−
9)。
【0063】以上、いずれの工程も、スパッタリングと
エッチングを繰り返すことにより、所望の周期内膜厚変
調構造が得られる。
【0064】
【実施例】更に、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0065】(第1実施例)まず最初に、前述した図
3、および図11に対応する本発明の第1実施例を説明
する。合成石英ガラス基板に電子ビームレジストを0.
2μm塗布し、チャージアップを防ぐ導電性膜を塗布し
て、電子ビーム露光で周期0.4μmの6方最密の格子
ドットパターンを露光した。導電性膜を剥離して、電子
ビームレジストを現像後、C26 ガスを用いた反応性
イオンエッチングで深さ0.2μm石英ガラスをエッチ
ングする。レジストを除去後(図11の工程11−
1)、SiO2 とアモルファスSiの2つのターゲット
を有する公知のバイアススパッタリング装置(図示しな
い)を用い、先ず、基板RF(高周波)バイアスをかけ
ずにアモルファスSiを、アルコンガス圧 15mTo
rr、ガス流量 120SCCMの条件で0.7μmの
厚さ(平均値)、スパッタリングにより堆積すると、凹
パターンが埋まって、中心に0.05μm程度のわずか
窪みを残す程度にほぼ平坦化された(工程11−2)。
【0066】このアモルファスSi上にSiO2 を、基
板RFバイアス 60W,アルゴンガス圧 2mTor
r,ガス流量 90SCCMの条件で0.5μmの厚さ
(平均値)、スパッタリングにより堆積すると、平均傾
斜角が60度のジグザグの断面形状に整形された(工程
11−3)。
【0067】その後、SF6 ガスをエッチングガスとし
て、RFパワー 50W,アルゴンガス圧 10mTo
rr,ガス流量 150SCCMの条件で、SiO2
等方的に0.l5μm、エッチングして、一辺が0.4
μmの2等辺3角形の断面形状に整形した(工程11−
4)。
【0068】この2等辺3角形の断面形状の上に基板R
FバイアスをかけずにアモルファスSiを、アルゴンガ
ス圧 10mTorr,ガス流量 80SCCMの条件
で0.55μmの厚さ(平均値)、スパッタリングによ
り堆積すると、凹パターンが埋まって、中心に0.1μ
m程度の窪みを残してほぼ平坦化された(工程11−
5)。その後、SF6 ガスをエッチングガスとして、R
Fパワー 30W,アルゴンガス圧 8mTorr,ガ
ス流量 120SCCMの条件で、アモルファスSiを
等方的に0.2μm、エッチングして、一辺が0.4μ
mの逆2等辺3角形に近い断面形状に整形した(工程1
1−6)。
【0069】この後、上記のSiO2 の堆積、エッチン
グ、アモルファスSiの堆積、エッチングの各工程を1
0回繰返して、図3に相当する構造を作製した(工程1
1−7)。
【0070】この作製した試料の面内の光透過率を測定
したところ、1.38μm近辺で面内全方向にストップ
バンドが観測され、3次元フォトニックバンドギャップ
結晶構造となっていることが確認された。比較のため、
この試料と同じサイズ、材料、層数で従来技術による図
2に相当する3次元周期構造体を作製して光透過率を測
定したところ、T−M方向でTE偏波のみでしかストッ
プバンドは観測されなかった。このことから、図3に示
す膜厚変調された膜状構造では、フォトニックバンドギ
ャップ効果が増強されることが確認された。
【0071】(第2実施例)次に、前述の図9、および
図12に対応する本発明の別の実施例を説明する。合成
石英ガラス基板に電子ビームレジストを0.2μm塗布
し、チャージアップを防ぐ導電性膜を塗布して、電子ビ
ーム露光で周期0.4μmの6方最密の格子ドットパタ
ーンを露光した。導電性膜を剥離して、電子ビームレジ
ストを現像後、C26 ガスを用いた反応性イオンエッ
チングで、深さ0.16μm、石英ガラスをエッチング
する。レジストを除去後(図12の工程12−1)、S
iO2とアモルファスSiの2つのターゲットを有する
バイアススパッタリング装置を用い、先ず、SiO2
を、基板RFバイアス 70W,アルゴンガス圧 2.
5mTorr,ガス流量 100SCCMの条件で0.
6μmの厚さ(平均値)、スパッタリングにより堆積す
ると、平均傾斜角が45度、深さ0.2μmのジグザグ
な断面形状に整形された(工程12−2)。
【0072】次いで、基板RFバイアスをかけずにアモ
ルファスSiを、アルゴンガス圧15mTorr,ガス
流量 120SCCMの条件で0.4μmの厚さ(平均
値)、スパッタリングにより堆積すると、溝部分が突起
部分から、より多く堆積され、ジグザグな断面形状がな
まって、0.05μmの緩い凹凸構造となった(工程1
2−3)。
【0073】次に、Arガスにより、RFパワー 10
0W,ガス圧 1mTorr,ガス流量 20SCCM
の条件で、アモルファスSiをエッチングすると、凸部
分のほうが凹部分よりも早くエッチングされ、幅0.3
μm、高さ0.18μmの逆三角形の断面形状を持つア
モルファスSiが得られた(工程12−4)。
【0074】この逆三角形の断面形状を持つアモルファ
スSi上にSiO2 を、基板RFバイアス 70W,ア
ルゴンガス圧 2.5mTorr,ガス流量 100S
CCMの条件で0.5μmの厚さ(平均値)、スパッタ
リングにより堆積すると、平均傾斜角が45度、深さ
0.2μmのジグザグな断面形状に再び整形された(工
程12−5)。
【0075】この後、アモルファスSiの堆積、エッチ
ング、SiO2 の堆積の各工程を10回繰返して、図9
に相当する構造を作製した(工程12−6)。
【0076】この作製した試料の面内の光透過率を測定
したところ、1.4μm近辺でΓ−M方向でTE,TM
共に面ストップバンドが観測されたが、K点ではストッ
プバンドは観測されなかった。
【0077】以上、物質系としてはSiO2 とアモルフ
ァスSiの組み合わせ、作製技術としてはバイアススパ
ッタリングを用いる実施例を示したが、3次元電磁波解
析から明らかなように、これは3次元フオトニック結晶
構造に一般的に成り立つもので、本物質系や本作製方法
に限られるものではないことは明らかである。例えば、
本発明においては、物質系としては、低屈折率物質とし
てSi34 ,Al23 等、また高屈折率物質として
Ge,GaAs, 金属等を使用でき、また作製方法とし
て、ドライエッチング、ウェハボンデング等が利用でき
る。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
屈折率の異なる複数種類の物質が厚さ方向に周期的に積
層された周期構造体において、厚さ方向の1周期内でそ
のそれぞれの物質が2次元まは1次元の周期的凹凸を持
つ膜状または2次元周期的な網状の形をなし、それぞれ
の物質からなる領域の面内の厚さが、面内で変調される
ように構成しているので、フォトニックバンドギャップ
効果が増強される。
【0079】本発明のこのような構造は、凹凸のある基
板上で、屈折率の異なる複数種類の物質を周期的に積層
する方法において、そのそれぞれの物質が上面、下面で
2次元的ないし1次元的凹凸周期構造を有し、厚さ方向
の1周期内で、ある物質が複数の方向から原料物質を入
射させることにより、その物質の上面の凹凸は下面の凹
凸よりも強調され、別のある物質は再付着効果を持つデ
ボジションまたはエッチングにより上面の凹凸は下面の
凹凸よりも弱められることにより、それぞれの物質から
なる領域の厚さに対し面内で変調が与えられるので、簡
潔容易に作製できる。
【0080】また、このような本発明による3次元周期
構造または2 次元周期構造は、その増強されたフォトニ
ックバンドギャップ効果を用いて、波長フイルター、光
スイッチ、アイソレータ、低閾値レーザ等、種々の光部
品の高性能化、小型化に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の3次元周期構造体を示す構造図である。
【図2】従来の3次元周期構造体の別例を示す構造断面
図である。
【図3】本発明による面内で膜厚の変調構造を有する3
次元周期構造体の1例を示す構造断面図である。
【図4】本発明による3次元周期構造体の3次元電磁界
解析結果を示し、(a)はグラフ、(b)はその一部拡
大図、(c)は断面図である。
【図5】従来の3次元周期構造体の3次元電磁界解析結
果を示し、(a)はグラフ、(b)はその一部拡大図、
(c)は断面図である。
【図6】図4、図5の電磁界解析に用いた単位格子
(a)とブリュアンゾーン(b)を示す模式図である。
【図7】本発明による面内で膜厚の変調構造を有する3
次元周期構造体の別例を示す構造断面図である。
【図8】本発明による面内で膜厚の変調構造を有する網
状の3次元周期構造体の一例を示す構造断面図である。
【図9】本発明による面内で膜厚の変調構造を有する網
状の3次元周期構造体の別例を示す構造断面図である。
【図10】本発明による図7 の3次元周期構造構造体の
作製工程を示す工程図である。
【図11】本発明による図3の3次元周期構造構造の作
製工程を示す工程図である。
【図12】本発明による図9の3次元周期構造構造の作
製工程を示す工程図である。
【図13】本発明による図8の3次元周期構造構造の作
製工程を示す工程図である。
【符号の説明】
101、301、701、801、901 低屈折率の
物質 102、302、702、802、902 高屈折率の
物質 1001、1101、1201、1301 基板 1002、1102、1202、1302 凹凸パター
ン 1003、1005、1103、1107、1204
高屈折率物質 1004、1105、1203、1303、1306
低屈折率物質 1106、1108、1305 3角形 1307 台形状の穴 1308 高屈折率物質 1309 逆台形
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 彰二郎 宮城県仙台市若林区土樋236 (72)発明者 佐藤 尚 宮城県仙台市青葉区荒巻神明町25−6− 202 (72)発明者 大寺 康夫 宮城県仙台市青葉区土樋1丁目6番15号 コーポ金子201号 (72)発明者 川嶋 貴之 宮城県仙台市青葉区川内三十人町45番5 号 ル・ヴィラージュ203号 (56)参考文献 特開 平10−335758(JP,A) 特開 平9−326506(JP,A) 特開2000−56133(JP,A) 特開2000−131522(JP,A) 特開2000−171632(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/12 - 6/138

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低屈折率の物質と高屈折率の物質が厚さ
    方向に周期的に積層された3次元周期構造体において、
    その厚さ方向の1周期内でそれぞれの物質は2次元周期
    的凹凸を持つ膜状の形をなし、それぞれの物質からなる
    領域の面内の厚さが、面内でほぼ0〜100%直線的に
    変調されていることを特徴とする3次元周期構造体。
  2. 【請求項2】 低屈折率の物質と高屈折率の物質が厚さ
    方向に周期的に積層された3次元周期構造体において、
    その厚さ方向の1周期内で前記低屈折率物質が2次元周
    期的な網状の形をなし、その穴部分に前記高屈折率物質
    が充填され、それぞれの物質からなる領域の面内の厚さ
    が面内で変調されていることを特徴とする3次元周期構
    造体。
  3. 【請求項3】 低屈折率物質と高屈折率物質が周期的に
    積層された3次元周期構造体のそれぞれの物質の上面、
    下面が2次元的凹凸周期構造を有し、厚さ方向の1周期
    内で、ある物質は複数の方向から原料物質を入射させる
    ことによりその物質の上面の凹凸は下面の凹凸よりも強
    調され、別のある物質は再付着効果を持つデポジション
    またはエッチングにより上面の凹凸は下面の凹凸より弱
    められることにより、それぞれの物質からなる領域の厚
    さが面内で変調が与えられて、フォトニックバンドギャ
    ップ効果を増大させる3次元周期構造体の作製方法にお
    いて、 基板表面に微細な周期の凹凸パターンを形成する第1の
    工程と、 前記基板を、基板バイアス印加可能で低屈折率物質と高
    屈折率物質の2個のターゲットを有するスパッタリング
    装置に入れ、前記パターンの凹部が整形されて小さな楔
    または突起を残して平坦化されるように、エッチング効
    果や再付着効果が非常に大きい基板バイアスとガス圧の
    条件で、高屈折率物質をスパッタする第2の工程と、 該高屈折率物質上に低屈折率物質を所定の角度のジグザ
    グ形状になるように基板バイアスとガス圧を調整してス
    パッタする第3の工程と、 等方的なエッチングにより低屈折率層の断面がほぼ3角
    形になるまで全体的にエッチングする第4の工程と、 該3角形の低屈折率層の上に高屈折率物質が小さな楔ま
    たは突起を有するほぼ平坦な表面になるように基板バイ
    アスとガス圧を調整して高屈折率物質をスパッタする第
    5の工程と、 等方的なエッチングにより該高屈折率層の断面が逆3角
    形になるまで全体的にエッチングする第6の工程とを有
    し、 その後、前記第3の工程から前記第6の工程を順次繰り
    返すことを特徴とする3次元周期構造体の作製方法。
  4. 【請求項4】 低屈折率物質と高屈折率物質が周期的に
    積層された3次元周期構造体のそれぞれの物質の上面、
    下面が2次元的凹凸周期構造を有し、厚さ方向の1周期
    内で、ある物質は複数の方向から原料物質を入射させる
    ことによりその物質の上面の凹凸は下面の凹凸よりも強
    調され、別のある物質は再付着効果を持つデポジション
    またはエッチングにより上面の凹凸は下面の凹凸より弱
    められることにより、それぞれの物質からなる領域の厚
    さが面内で変調が与えられて、フォトニックバンドギャ
    ップ効果を増大させる3次元周期構造体の作製方法にお
    いて、 基板表面に微細な周期の凹凸パターンを形成する第1の
    工程と、 前記基板を、基板バイアス印加可能で、低屈折率物質と
    高屈折率物質の2個のターゲットを有するスパッタリン
    グ装置に入れ、前記パターンの凹部が整形されて45°
    程度の角度を持つ楔状の形状になるように、基板バイア
    スとガス圧を調整して低屈折率物質をスパッタする第2
    の工程と、 該低屈折率物質の上にバイアスを印加せずに高屈折率物
    質を積層する第3の工程と、 異方性が高く高屈折率物質をより選択的にエッチングで
    きるドライエッチングを行う第4の工程と、 該高屈折率物質の上に低屈折率物質を所定の角度を持つ
    楔状の形状になるように、基板バイアスとガス圧を調整
    してスパッタする第5の工程と、 等方的で低屈折率物質をより選択的にエッチングできる
    ドライエッチングを行い、低屈折率層に台形状の穴を明
    ける第6の工程と、 高屈折率物質を下面の楔形状を鈍らせるように凹部には
    厚く、凸部には薄く積層する第7の工程と、 異方性が高く高屈折率物質をより選択的にエッチングで
    きるドライエッチングを行い、高屈折率層の断面が分離
    した逆台形を網状の穴の部分に形成する第8の工程とを
    有し、 その後、前記第5の工程から前記第8の工程を順次繰り
    返すことを特徴とする3次元周期構造体の作製方法。
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