JP4682022B2 - 周期構造体、周期構造体を用いた素子、及び周期構造体の作製方法 - Google Patents

周期構造体、周期構造体を用いた素子、及び周期構造体の作製方法 Download PDF

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本発明は、電磁波の伝搬特性を調整する為などに用いられる電磁波の波長程度の周期的屈折率分布を持つフォトニック結晶などの周期構造体、周期構造体を用いて検体の物性分析などを行う検体検査素子などの素子、及び周期構造体の作製方法に関する。
近年、ミリ波からテラヘルツ波領域(30GHz〜30THz)のうちの任意の帯域を有する高周波電磁波(テラヘルツ波とも呼ぶ)を用いた、非破壊な検査技術が開発されている。テラヘルツ波の周波数領域には、生体分子をはじめとして、様々な物質の吸収線が存在することが知られている。そのため、この周波数帯の電磁波の応用分野として、X線に替わる安全な透視検査装置に適応してイメージングを行う技術がある。また、物質内部の吸収スペクトルや複素屈折率を求めて、分子の結合状態などを調べる分光技術がある。さらに、生体分子の解析技術、キャリヤ濃度や移動度を評価する技術等も応用分野として期待されている。
また、テラヘルツ波は、多くの高周波電磁波や光波と同様に、伝搬状態を制御することができる。さらにテラヘルツ波は、例えば、伝送線路を伝搬することができ、光波と同じく、レンズや回折格子などの光学系によって、伝搬状態を制御することができる。
一方、フォトニック結晶は、電磁波の伝搬方向に対して物質の屈折率が周期的に変化する様な構造体である。この様な周期構造体は、屈折率分布の差と周期性によって、特定の電磁波の伝搬を禁止するフォトニックバンドギャップを形成することが知られている。テラヘルツ波についても、他の電磁波と同様に、フォトニック結晶の様な周期構造体によって、伝搬を制御することができる。このフォトニックバンドギャップは、検査素子の検査構造、発振素子の共振構造、特定の信号をフィルタリングすることや高効率に導波させる電磁波制御構造などに利用できる。
テラヘルツ波領域のフォトニック結晶として、単純立方格子型の作製例がある(非特許文献1参照)。このフォトニック結晶は、半導体基板の両面に対して、ウェットエッチングとダイシングによって穴加工と溝加工を夫々施して得られている。この加工を施された半導体基板を積層することで3次元フォトニック結晶が得られる。
また、図18は、テラヘルツ波領域ではないが、フォトニック結晶の構造の一例を示す図である(特許文献1参照)。図18のフォトニック結晶は、膜状または網状の周期構造体を、自己クローニング法によって、順次積層した構造である。自己クローニング法とは、パターニングが施された凹凸基板に対し、スパッタとエッチングによって構造を作製する方法である。図18では、面内方向(XY平面)のバンドギャップ効果を増大するため、フォトニック結晶を構成する各物質301、302の面内厚みを変調している。
Phy.Rev.B.,Vol.64,045106,2001 特開2000-258645号公報
非特許文献1は、テラヘルツ領域の格子型(ロッドを格子状に組み上げる型)のフォトニック結晶を開示している。しかしながら、作製の過程において、ウェットエッチングを用いるので、フォトニック結晶の構造は、使用する電磁波の波長に対し、ほぼ一意に決定されてしまう。つまり、この構成では、フォトニックバンドギャップ効果を任意ないし柔軟に制御することは難しい。
また、フォトニックバンドギャップ効果を増大させるために各物質の面内厚みを変調する特許文献1に開示された構成において、面内厚みを変調するということは、屈折率を変調することに相当する。面内屈折率を変調することにより、面内を伝搬する電磁波に対する、フォトニックバンドギャップ効果を増大させている。しかし、特許文献1は、膜状や網状の積層構造にのみ言及しており、ロッドを格子状に組み上げる格子型のフォトニック結晶については言及していない。
上記課題に鑑み、本発明の周期構造体は、少なくとも所定の方向に沿って周期的に屈折率の分布を持つ周期構造体である。そして、所定の方向に伸びるロッド部と空隙部分がそれぞれが複数あり、該複数のロッド部が前記所定の方向と交わる面内方向に規則的に配置され、該空隙部分が該複数のロッド部の間に配置されている(これらのロッド部は1次元または2次元的に配置される)。さらに、前記ロッド部の前記所定の方向に伸びる壁面の少なくとも一部が、前記所定の方向に伝搬するテラヘルツ波の感じる屈折率の分布が変調される様な変調構造を有する。そして、前記変調構造を有する複数のロッド部が前記面内方向に規則的に配置された構造が、互いに固定手段で固定されて、前記所定の方向に、テラヘルツ波の波長程度の間隔をもって周期的に配置されている。
また、上記課題に鑑み、本発明の周期構造体を用いた素子は、上記の周期構造体を含み、前記所定の方向に伝搬する電磁波に対する波長選択性を制御することを特徴とする。
また、上記課題に鑑み、本発明の周期構造体の作製方法は、少なくとも基板片面に対して、ドライエッチングプロセスによって周期構造体を作製し、前記基板を積層することで上記の周期構造体を作製する周期構造体の作製方法である。そして、前記エッチングプロセスの条件を制御することによって、前記変調構造を制御することを特徴とする。
本発明の周期構造体は、所定の方向(使用時に電磁波の伝搬方向となるべき方向)に伸びるロッド部に関し、この方向に伸びる壁面の少なくとも一部が変調構造を有している。したがって、この変調構造によって、フォトニックバンドギャップを任意ないし柔軟に制御することができる。従来、フォトニックバンドギャップを制御する方法として、物質(そのうちの1つが空気である場合もある)の屈折率差、充填率、格子定数を変化させるといった手法があった。本発明の周期構造体は、フォトニックバンドギャップの制御パラメータとして、ロッド壁面の変調構造を加えることで、設計の自由度が上がるという効果がある。
また、本発明の周期構造体の作製方法によれば、上記変調構造の作製を、エッチングプロセスの組み合わせや、条件を変化させることで実現している。つまり、周期構造体の充填率や格子定数を実質的に変化させずに変調構造を作製することによって、周期構造体のフォトニックバンドギャップを任意ないし柔軟に制御することができる。
以下に、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。尚、図中の同一要素に関しては、同符号を用いる。図1は、本実施形態の周期構造体の構成を示す斜視図である。図1の様に、本実施形態の周期構造体100は、X方向、Y方向、Z方向に伸びるロッドを交差させて格子状に組み上げた格子型の単純立方格子型の周期構造体である。ここでロッドとは、長手方向を有するほぼ柱状であって任意の断面形状を持つ構造物を指す。図1に示す様に、ロッドは、各面内のロッド部(XY面内に配列されたロッド部を110で示し、YZ面内に配列されたロッド部を111で示し、ZX面内に配列されたロッド部を112で示す)が連なって構成されている。
ここにおいて、例えば、同一平面上に、十字状の構造物がある場合、2つのロッドが交差しているとみなす。本実施形態では、周期構造物として、単純立方格子型の周期構造物を扱うが、この周期構造に限定されるものではない。例えば、同一面内で複数のロッドを平行に配列したロッド列の構造体を交互に各ロッド列を交差させながら(典型的には直交させながら)積み上げた周期構造体であるウッドパイル構造の様な、ロッドを格子状に組み上げる周期構造体でもよい。この際、所定方向に伸びて積み上げられるロッドには、予め、後述の変調構造を周期的に形成しておく。また、3次元構造に限定されるものでもなく、2次元の周期構造体にも適応可能である。要は、ロッド部が所定方向に沿って周期的に配置されている周期構造体であればよい。
ここで、図1の様に、周期構造体100を伝搬する電磁波の方向をZ方向と仮定する。この時、周期構造体100を構成する格子は、ロッドの長手方向が電磁波の伝搬方向に対して平行なロッドと、垂直なロッドに分けることができる。電磁波の伝搬方向に対して、長手方向が平行なロッドを、伝搬方向に対して平行なロッドと呼ぶ。そして、電磁波の伝搬方向に対して、長手方向が垂直なロッドを総称して、面内方向のロッドと呼ぶ。つまり、図1においては、伝搬方向に対して平行なロッドは、Z方向のロッド部110の列に相当し、面内方向のロッドは、XY平面に存在するロッド部111、112の列に相当する。
図1に示す様に、本実施形態の周期構造体100は、少なくとも電磁波の伝搬方向(Z方向)に対し長手方向が平行なロッドに関し、ロッドの長手方向の壁面が、電磁波の感じる屈折率の分布が変調される様な変調構造101を有する。これら変調構造101は、ロッドの長手方向に対して、周期的な間隔をもって配置されている。つまり、変調構造101を有するロッド部110が、ロッドの長手方向に、所定の間隔をもって周期的に配置されている。こうして、本実施形態の周期構造体100は、少なくとも2つ以上の屈折率の異なる物質(1つの物質が空気である場合もある)が、或る周期性をもって配置される周期構造体となる。
図1の変調構造101は、長手方向に沿って勾配を有するテーパ形状となっているが、窪み形状、複数の窪みを有する凹凸形状などであってもよい。また、変調構造101を持つロッド部110は、XY面内で2次元的に規則的に配置されているが、1次元的に配置されてもよい。変調構造101の形態は全て同じでもよいが、異なる形態のものが含まれてもよい。その含み方の態様も任意である。
上記周期構造体100をテラヘルツ波用として用いる場合、ロッド部110の変調構造101のサイズはテラヘルツ波の波長程度のサイズとなる。図1の構成例では、ロッドが或る屈折率を持つ物質で、その周りが空気或いは他の屈折率を持つ物質であるが、反対に、ロッドが空気(すなわち、エアロッド)で、その周りが或る屈折率を持つ物質であってもよい。用途によっては、周期構造体100を構成する少なくとも一部の物質が検体を収容ないし吸収できるものであったりする。また、用途に応じて、周期構造体100の一部に周期構造ではない欠陥部を含んでもよい。
上記の周期構造体100を用いて、電磁波に対する波長選択性(バンドギャップの周波数特性)を任意に制御して利用する様々な素子を構成することができる。例えば、こうした素子として、周期構造体の屈折率分布の変化によって、検体の同定、存否または性状検査などを行う検体検査素子がある。また、こうした素子として、波長選択性を任意に制御することで、任意の波長の電磁波を透過、反射させることやその共振状態を制御することを特徴とするフィルタ素子、遅延素子、または発振デバイスがある。
こうした素子において、前記周期構造体の変調構造によって変調される屈折率分布の周期性が部分的に異なっており、これらの異なる周期性を持つ複数の周期構造体が集積化された構成も採り得る。
上記の周期構造体は、次の様な方法で作製できる。この作製方法では、少なくとも基板片面に対して、ドライエッチングプロセスによって2次元または1次元の周期構造体を作製し、この基板を積層することで3次元または2次元の周期構造体を作製する。そして、エッチング条件を制御することによって、上記変調構造を任意に制御することを特徴とする。上記基板の周期構造体について、周期構造体作製後に、再度変調構造をエッチングすることによって、変調構造を微調整することもできる。
本実施形態の周期構造体は、所定の方向に伸びるロッドに関し、この方向に伸びる壁面の少なくとも一部が変調構造を有している。そして、この変調構造によって、フォトニックバンドギャップを柔軟ないし任意に制御するものである。したがって、物質の屈折率差、充填率、格子定数を変化させるといった手法に対して、フォトニックバンドギャップの制御パラメータとしてロッド壁面の変調構造を加えることで、設計の自由度が上がるという効果がある。
また、本実施形態の周期構造体の作製方法によれば、上記変調構造の作製を、エッチングプロセスの組み合わせや、条件を変化させることで実現している。従来、フォトニックバンドギャップを変化させるためには、新規なマスクを用意していた。本実施形態の作製方法によれば、変調構造によって、フォトニックバンドギャップを制御するものなので、新たなマスクを追加する必要はない。そのため、マスク製作に必要な時間が短縮され、製作コストも削減されるという効果がある。また、変調構造によって、フォトニックバンドギャップを制御するものであるため、変調構造を後加工によって変化させることで、所望のバンドギャップの周波数特性を得ることが可能になる。つまり、再利用性が高まるという効果がある。
以下に、より具体的な実施例について、図面を参照して説明する。
(実施例1)
本発明の実施例1は周期構造体に関する。この基本構成は、上記実施形態の周期構造体と同様である。図1の様に、本実施例の周期構造体100は、電磁波の伝搬方向に対して平行なロッドに関し、各ロッド部110の長手方向の壁面が変調構造101を有している。例えば、図1の様に、変調構造101は、電磁波の伝搬方向に対して、或る角度をもって、単調にロッド部断面形状のサイズが小さくなるテーパ形状を有している。そして、周期構造体100は、変調構造101を持つロッド部110が、面内方向のロッド層(ロッド部111、112を含む層)を介して、周期的に配置される構成である。
変調構造101は図1に図示のものに限るものではない。図6は、本発明の周期構造体100の最小単位の構成例に関するZX平面図である。変調構造101は、単調に形状が変化する上述のテーパ形状(a)の他に、以下の様な態様を取り得る。図6(b)、(c)、(f)、(g)の様に、部分的に窪んでいる構造や膨らんでいる構造を取り得る。尚、窪み構造や膨らみ構造は、ロッドの中心に向かって変化しているが、中心からずれていてもよい。また、図6(d)、(e)の様な凹凸構造も取り得る。また、テーパ形状も直線的なものに限らず、図6(h)、(i)の様に、曲線的であってもよい。その他、変調の割合も一様である必要はなく、段階的に変化する構成や、これらの変調構成を組み合わせる様な構成でもよい。例えば、図6(a)の構成を例に取れば、2段階に分けて、勾配が異なるテーパ領域があってもよく、図6(d)の構成を例に取れば、凹凸の周期が変化してもよい。要は、変調構造101は、電磁波の伝搬方向に対して、ロッド部110の壁面形状の少なくとも一部が、連続的に変化する形状であればよい。
また、図1において、各層の変調構造101は3層あり、各層は同じ変調構造101を有している。しかし、各層が同じ変調構造101を有する必要もなく、各層の変調構造が異なっていてもよい。また、場合によっては、変調構造101の面内方向の構造も、部分的に異なっていてもよい。
図2は、図1の周期構造体100の断面図を示したものである。図2(a)はZX平面の断面図、図2(b)はZY面の断面図である。また、図2(c)はXY平面の断面図である。ここで、(a)と(b)は、電磁波の伝搬方向に平行な成分の断面図に相当し、(c)は面内方向の断面図に相当する。図2の様に、本実施例における周期構造体100は、1辺の長さがwの正方形断面形状を有するロッドを、間隔aで3次元的に組み上げた構造である。ただし、断面構造はこれに限るものではない。長方形、円、楕円、多角形などであってもよい。この様に、ロッド部110の断面形状は任意であるが、ロッド部110の電磁波の伝搬方向(長手方向)の長さは、断面形状の最大径より大きいのが好ましい。こうすれば、電磁波の伝搬方向に対する、伝搬する電磁波の感じる屈折率の変調領域が占める割合が大きくなるため、フォトニックバンドギャップ効果を増大することができる。
ここで、間隔aは格子定数に相当し、wは充填率を決定する。図2の様に、本実施例における変調構造101は、電磁波の伝搬方向に対して、勾配の角度θをもって、ロッド部110の断面形状が直線的に変化する構造を有する。本来、格子型の周期構造体において、バンドギャップの周波数特性は、格子定数と充填率と屈折率分布の屈折率差によって決定される。本実施例ないし本発明では、変調構造101によって、バンドギャップの周波数特性をさらに多様に変化させるものである。
図3は、図1の本実施例の周期構造体100の作製例を示す断面図である。図3では、図2における周期構造体100の断面AA’とBB’を併せて記載している。本実施例では、格子型の周期構造体100について、変調構造101の形状が角度θを有する。尚、図3で作製される構造は、周期構造体100に関し、電磁波の伝搬方向に対して平行なロッド部110と、面内方向のロッド部111、112の各1層を含む構造である。
図3において、基板351として、高抵抗(高抵抗なため、用いる電磁波に対して透明な)シリコン基板を用いる。ただし、この材料に限るものではない。その他の高抵抗半導体基板を用いることもできる。また、セラミック材料や、ポリエチレンなどの樹脂材料も使用できる。基板材料として好ましい物としては、本実施例の目的とするテラヘルツ波に対して十分透明であり、エア部分(ロッド以外)の材料との屈折率差が大きく、さらに、加工し易い材料がよい。また、図3(a)における各断面は、同一基板内に構成される。以下に、周期構造体100の作製工程を述べる。
図3(a)の如く、基板351の厚みを400μmまで研磨する。
図3 (b) の如く、レジスト(AZP4903:商品名)10μmを裏面に塗布し、レジストパターン352(面内方向の穴パターン)をパターニングする。
図3 (c) の如く、シリコンのドライエッチングにより、基板351裏面に深さ160μmの穴を作製する。
図3 (d) の如く、基板351裏面のレジストパターン352を除去し、表面にレジスト(AZP4903)10μmを塗布し、レジストパターン353(面内方向の格子状の溝パターン)をパターニングする。
図3 (e) の如く、所定のエッチング条件下において、シリコンのドライエッチングにより、基板351表面に深さ290μmの格子状溝と変調構造101を作製する。
図3 (f) の如く、基板351表面のレジストパターン353を除去し、2次元の周期構造体を得る。
本実施例では、この様に得られた2次元の周期構造体を10層、電磁波の伝搬方向に積層することによって、格子定数a=400μm、ロッドの一辺の長さw=110μmの格子型の周期構造体100を得る。場合によって、これらの2次元の周期構造体は、所定のサイズに切出されることもある。
本実施例では、積層方法として、図4の様に、上記エッチングプロセス中において、各層の周期構造体に貫通孔401を同時に作製し、積層された複数の周期構造体を固定ピンによって固定する。図4では、(a)の周期構造体100の上面図と、(b)
の貫通孔401を横断する断面図(CC’断面)を示す。固定ピンを用いることにより、例えば、欠陥層を挿入することや、変調構造101が異なる層を挿入することが簡単にできる。各層の周期構造体の固定方法は、これに限らず、接着剤等によって固定することや、積層した後、空隙部分に樹脂材料などを充填し、各層の周期構造体を固定する方法などが採用できる。
本実施例では、図3(e)の工程において、シリコンのドライエッチングのエッチング条件を調整することによって、変調構造101におけるテーパ角度θを得ている。より詳しくは、基板351上面に対し、誘導結合型プラズマとBOSCHプロセスを用いた反応性イオンエッチングによって、パターニングを行う。ここで、BOSCHプロセスとは、エッチングとデポジションを交互に繰り返してパターニングするエッチングプロセスである。例えば、プロセス条件として、エッチング性の強い条件を使用することによって、図6(a)の様なテーパ形状型の変調構造101を得ることができる。プロセス条件として、デポジション性の強い条件を使用することによって、逆のテーパ形状を得ることもできる。
また、エッチング性やデポジション性がつり合う条件では、垂直な構造を得ることもできる。これらのエッチング条件を、適宜選択することで、所望の構造が得られる。例えば、このエッチング条件を変化させて、テーパ角度θを変化させることができ、同じマスクによって、複数の異なるバンドギャップを有する周期構造体100を作製できるという効果がある。また、テーパ角度θが不足している場合、再度レジストでパターニングし、エッチングによってテーパ角度θを変化させることもできる。これは、例えば、周期構造体100を作製した後、バンドギャップを測定した結果、所望の特性が得られなかった場合の調整工程として利用できる。この場合、後加工用のマスクが必要ないので、作製コストを削減できるという効果がある。
尚、本実施例で示した作製工程は、あくまでも一例であり、これに限るものではない。図6に示した様に、周期構造体100が有する変調構造101の形態によって、作製方法や作製工程が変化する。例えば、図6(b)の形状は、図3(e)の工程で、反応性イオンエッチングにおいて、エッチング性の強い条件によって上部のテーパ形状を形成する。その後、エッチング条件を切り替えて、デポジション性の強い条件によって下部のテーパ形状を形成する。これらのエッチング条件を逆にすることで、図6(f)の様な形状も形成可能である。
また、図6(c)、(g)、(h)、(i)の形状は、これらのエッチング条件の割合を段階的に変化させて形成する。さらに、これらのエッチング条件を繰り返すことで、図6(d)、(e)の様な凹凸の形状も形成可能である。
周期構造体100を構成する材料によっても、作製方法や作製工程が変化することは言うまでもない。さらには、エッチングする部分と残す材料部分の関係を逆転させて、エアロッドとすることもできる。この場合、基板を完全に貫いてエアロッド部を形成することもできるし、途中までエアロッド部を形成して下部の基板部を平板状に残すこともできる。
次に、本実施例の周期構造体100の周波数特性について述べる。尚、周期構造体100の周波数特性は、電磁界解析によって得ている。図5は、上記周期構造体100の解析結果である。上記した様に、周期構造体100の変調構造101は、角度θで直線的に傾斜しているテーパ形状(図6(a)に相当)を有している。図5では、角度θとして、90度、88度、81度の3種類の解析結果を示している。尚、角度90度は、変調構造101がない(ここではテーパ形状がない)状態を指している。角度θが小さい程、変調構造101の変調割合が大きくなる。図5の様に、本実施例の変調構造101においては、角度θによって、フォトニックバンドギャップの周波数特性を制御できている。具体的には、角度θが小さい程(変調割合が大きい程)、周期構造体100のフォトニックバンドギャップは広がる傾向を示している。さらに、フォトニックバンドギャップが変動する位置として、高周波側のバンド端が、変調構造101の変調割合に応じて変動する様子が分かる。そして、変調構造101の存在によって、第2、第3のバンドギャップの境界が不鮮明になっている。
図7は、変調構造101の別な態様として、図6(b)に示した様な三角状の窪み形状の解析例である。ここでは、三角状の窪みとして二等辺三角形状のものを適用している。そして、ロッド部に対する窪み深さdを、0μm、20μm、55μmと変化させている。尚、窪み深さ0μmは、変調構造101がない(窪み形状がない)状態を指している。ここでは、窪み深さdが大きい程、変調構造101の変調割合が大きくなる。図7の様に、窪み深さdによって、フォトニックバンドギャップの周波数特性を制御できている。具体的には、窪み深さdが大きい程(変調割合が大きい程)、周期構造体100のフォトニックバンドギャップは広がる傾向を示している。さらに、テーパ形状と同じく、フォトニックバンドギャップが変動する位置について、高周波側のバンド端が、変調構造101の変調割合に応じて変動する様子が分かる。また、テーパ形状と同じく、変調構造101の存在によって、第2、第3のバンドギャップの境界が不鮮明になっているが、テーパ形状の場合程、変化していない。
また、図8は、変調構造101の別な態様として、図6(c)に示した様な円弧状の窪み形状の解析例である。ここでは、円弧状の窪みとして、上記二等辺三角形の窪みに対して、各頂点を結ぶ円弧形状を適用している。そして、ロッド部に対する窪み深さdを、0μm、20μm、55μmと変化させている。尚、窪み深さ0μmは、変調構造101がない(窪み形状がない)状態を指している。ここでは、窪み深さdが大きい程、変調構造101の変調割合が大きくなる。図8の様に、窪み深さdによって、フォトニックバンドギャップの周波数特性を制御できている。具体的には、窪み深さdが大きい程(変調割合が大きい程)、周期構造体100のフォトニックバンドギャップは広がる傾向を示している。さらに、テーパ形状の場合と同じく、フォトニックバンドギャップが変動する位置について、高周波側のバンド端が、変調構造101の変調割合に応じて変動する様子が分かる。また、変調構造101の存在による第2、第3のバンドギャップの境界の不鮮明さは、上記テーパ形状、三角形状の場合に対して、異なった特性を示している。
この他の変調構造(例えば、図6(d)〜(i)など)についても、変調割合によって、フォトニックバンドギャップの周波数特性が変化すると考えられる。
以上のことより、周期構造体100について、電磁波の伝搬方向と平行なロッドに対して、変調構造101を設け、適切な変調割合を設定することで、フォトニックバンドギャップの周波数特性を任意ないし柔軟に制御できることが分かる。特に、変調構造101を設けることによって、高周波側のバンド端のみを、選択的に変化できるという効果がある。また、適切な変調構造101を選択することによって、高周波側のバンドギャップの形状を制御できるという効果がある。さらに、第2、第3のバンドギャップといった、高周波側のバンドギャップの位置や形状も制御できることが分かる。
尚、特許文献1で用いた自己クローニング法を、波長が数10〜100μmオーダに達するテラヘルツ波領域に適用すると、プロセス過程において、特許文献1の構造の膜や網構造が平坦化してしまう。そのため、フォトニック結晶を作製することが難しく、特許文献1の形態の構造を、テラヘルツ波領域に適応させることは難しい。また、特許文献1の構造は、順次誘電体を積層する構造であるため、例えば、空隙に検体を挿入して、バンドギャップの変化を観測するといった検査素子への適応には不向きである。この点、本実施例は、テラヘルツ波領域に適応させることは容易で、検体挿入用の空隙を備える検査素子への適用も容易である。
また、本実施例では、非特許文献1で用いているウェットエッチングではなくドライエッチングを用いている。ウェットエッチングプロセスは、テーパ角度がプロセス条件によってほぼ決定されてしまうため、フォトニック結晶の構造は、テーパ角度を含めて、使用する電磁波の波長に対し、ほぼ一意に決定されてしまう。つまり、フォトニックバンドギャップ効果を任意ないし柔軟に制御することは難しい。この点、本実施例の様にドライエッチングを用いると、フォトニックバンドギャップ効果を任意ないし柔軟に制御することができる。
(実施例2)
実施例2は、本発明の周期構造体100を用いて、検体の性状などを検査する検査素子へ適応させた例に関わる。
本実施例では、周期構造体100を検査素子として用いる。本実施例の検査素子では、上記周期構造体100を複数集積化する。そして、各周期構造体100のフォトニックバンドギャップのバンド端が任意の周波数位置にある様に、上記変調構造101を夫々制御している。例えば、図9の検査モジュール901は、上記周波数位置がλ1、λ2、λ3、λ4に対応する検査素子902(a)、902(b)、902(c)、902(d)が集積化されている。検査素子902以外の部分は、これらの素子を一体的に支持する部分である。
検査モジュール901の作製方法としては、各検査素子902が存在する領域に対して、変調構造101の作製条件を変えることによって形成する方法がある。
検査素子としての動作を説明する。例えば、検査モジュール901の空隙部分に検体を挿入する。この空隙部分に挿入する検体は、同一のものでも、各検査素子902に対して、異なる検体を挿入してもよい。この時、検体を挿入することによって、フォトニック結晶の屈折率分布における屈折率差が変化するため、フォトニックバンドギャップが変化する。その様子を図11に示す。
図11の様に、フォトニックバンドギャップのバンド端は、検体の存在によって、低域側(実線から破線)にシフトする。仮に、バンド端が存在する周波数域に、検体の特異な吸収が存在する場合、バンド端の変化はより顕著になる。例えば、この様な周波数シフトと信号の減衰特性、さらにバンド端の特異な変化を利用することにより、検体の材料を特定することが可能である。また、検体のある/なしでの比較だけでなく、検体自体の構造変化や特性変化を検出することも可能である。
図9は、この様な検査動作を行うための装置の概略構成図である。図9の様に、検査素子902を集積化した検査モジュール901を間にして、発生器903と検出器904が配置されている。発生器903は、例えば、テラヘルツ波領域の電磁波を発生する装置である。電磁波としては、連続波でもパルス波でもよい。検出器904は、検査モジュール901内の検査素子902によって伝搬状態が変化したテラヘルツ波を検出する装置である。必要に応じて、検体の情報を格納する不図示のデータベース及び比較手段や、外部より検体に光などで刺激を与える不図示の手段を備えていてもよい。
図9では、検査モジュール901を透過したテラヘルツ波を検出器904で検出しているが、この態様に限るものではない。例えば、図10で示す様に、検査モジュール901で反射したテラヘルツ波を検出器904により検出してもよい。
本実施例では、検査モジュール901内の各検査素子902が存在する領域に対して、テラヘルツ波を一括して照射している。この場合、検体がない場合の応答と、検体が存在する場合の応答を比較し、解析によって、各バンド端の変化を検出することができる。また、より簡便には、各検査素子902を順次マスクする様な不図示のマスク手段を用いて、各バンド端における変化を検出する方法も可能である。
ただし、検査モジュール901内の各検査素子902が存在する領域に対して、テラヘルツ波を一括して照射する方式に限るものではない。例えば、図12の様に、走査機構1201を用いて検査モジュール901を矢印で示す如く移動させる方式も可能である。この場合、発生器903から発生するテラヘルツ波1202は、各検査素子902に集光されている。また、図13の様に、テラヘルツ波1302自体を矢印で示す如く走査する走査機構1301により検査する方式も可能である。さらに、図14の様に、検査モジュール901に存在する複数の検査素子902を包括する様なテラヘルツ波1402を用いてもよい。この場合、走査機構1401によって、矢印で示す如くテラヘルツ波1402を走査する。図14では、上記したテラヘルツ波1402は線状であるが、これに限るものではなく、面状でもよい。要は、複数の検査素子902を包括できればよい。
以上では、本発明の周期構造体100を用いて、検体の性状などを検査する検査素子へ適応させた例を示してきた。しかし、適応例としては、これに限らず、一般的な電磁波制御素子、例えば、フィルタ素子や遅延素子、または発振デバイスにも適応可能である。例えば、フィルタ素子としては、場所によって、波長選択性が変化する素子を提供できる。また、遅延素子としては、場所によって、遅延特性が異なる素子を提供できる。また、発振デバイスとしては、例えば、利得媒質の特性の歩留まりが悪い場合、発振特性を調べる様なスクリーニングに利用できる。または、複数の波長で発振するデバイスを集積化する用途もある。
本実施例では、変調構造101の作製条件を変更することによって、フォトニックバンドギャップを任意ないし柔軟に制御できるので、作製コストが削減できるという効果がある。また、従来、パルス波を印加し、その伝搬状態の変化より検体の物性などを検査する場合、その周波数解像度は、時間領域の計測時間に律則される。本実施例では、バンド端を微妙に変化させ、検体を検査することが可能である。そのため、各バンド端の応答を観測することで、周波数解像度を簡単に向上させることができるという効果もある。また、長時間の計測も必要ないため、検査時間が短縮できるという効果がある。また、フォトニックバンドギャップを制御するために、マスクを別途用意する必要がないため、マスク種類の削減ができ、コスト削減ができる。
(実施例3)
実施例3も、本発明の周期構造体100を用いて、検体の性状などを検査する検査素子へ適応させた例に関わる。尚、実施例2と重複する部分は省略する。
本実施例では、本発明の周期構造体100を検査素子として用い、導波路上に、上記周期構造体100を複数集積化している。そして、各周期構造体100のフォトニックバンドギャップのバンド端が任意の周波数位置にある様に、上記変調構造101を夫々制御している。図15に、本実施例の検査素子の概略構成平面図を示す。図15では、導波路1501として、マイクロストリップラインを用いる。マイクロストリップラインは、誘電体を上下の電極で挟むことで形成される。しかし、導波路の構造としては、これに限るものではなく、既知の導波路構造を用いることができる。
図15の検査素子は、導波路1501と、複数の検査素子1502と、発生部1503と、複数の検出部1504で構成される。本実施例では、複数の検査素子1502として、バンド端の位置がλ1、λ2、λ3、λ4に夫々対応する検査素子1502(a)、1502(b)、1502(c)、1502(d)が集積化されている。そして、各検査素子1502に対応して、導波路1501が導波路1550a、1550b、1550cへと枝分かれし、複数の検出部1504(a)、1504(b)、1504(c)、1504(d)が集積化されている。本実施例では、テラヘルツ波を発生する発生部1503は、光スイッチを用いる。光スイッチは、例えば、低温成長したガリウムヒ素(LT-GaAs)を、導波路1501内でもって選択的に貼り付ける形で構成する。この光スイッチに対して、外部より、電界と超短パルス信号が印加されると、導波路1501にはテラヘルツ波が結合し、伝搬する。
この様な検査素子の作製方法を図16に示す。図16は、図15における導波路集積型検査素子のDD’面の断面図である。図16の様に、予め、各検査素子1502は、変調構造101を制御することによって集積化して形成される。この作製方法については、図4の方法が使用できる。次に、テラヘルツ波に対して透明な上部電極基板1601上に、導波路1550a、1550b、1550cである上部電極パターンを配置し上部電極基板構造とする。下部電極基板1602は、金属基板でもよいし、テラヘルツ波に対して透明な基板上に金属プレーンが形成されているものを用いてもよい。その後、集積化された検査素子1502を、図16に示す様に、上部電極基板1601と下部電極基板1602によって挟みこみ、固定化する。
本実施例では、導波路1501内を伝搬するテラヘルツ波を分岐させ、各検査素子1502に入力する。その後、検査素子1502によって伝搬状態が変化したテラヘルツ波は、各検出部1504によって検出される。尚、図15では、テラヘルツ波を分岐している態様であるが、これに限るものではない。例えば、図17の平面図の様に、全部または一部の検査素子1702を、テラヘルツ波の伝搬経路を構成する導波路1701に対して直列に配置して、検出部1704に導く態様であってもよい。検査素子としての動作は、実施例2と同様である。
尚、本実施例においても、本発明の周期構造体100を用いて、検体の性状などを検査する検査素子へ適応させた例を示してきた。しかし、適応例としては、これに限らず、一般的な電磁波制御素子、例えば、フィルタ素子や発振デバイスにも適応可能である。例えば、導波路内の任意の場所に、波長選択性や遅延特性が変化する複数の素子を集積化できる。また、発振デバイスとしては、例えば、利得媒質の特性の歩留まりが悪い場合、発振特性を調べる様なスクリーニングに利用できる。または、複数の波長で発振するデバイスを集積化する用途がある。また、発振器と検出素子を兼ねたものにも適応可能である。例えば、検体の存在や状態によって、発振器の発振周波数が変化する様な素子にも適応できる。
本実施例では、テラヘルツ波が伝搬する導波路によって、各素子を集積化している。そのため、従来、テラヘルツ波を空間に放射するタイプに比べ、小型化できるという効果がある。また、一般に、テラヘルツ波は水分に対する吸収特性が大きいため、空間に放射するタイプの場合、水分を除去する手段が必要であった。本実施例では、テラヘルツ波を導波路に結合させ、閉じ込める態様であるため、水分を除去する手段が必要なく、装置が小型化できるという効果がある。
本発明における実施形態または実施例1の周期構造体を説明する斜視図。 図1の周期構造体の各種の断面図。 図1の周期構造体の作製プロセス例を説明する断面図。 周期構造体を固定化するための一形態を説明する図。 図1の周期構造体の動作を説明するためのグラフ。 本発明の周期構造体の変調構造の種々の構造を説明する断面図。 他の周期構造体の動作を説明するためのグラフ。 他の周期構造体の動作を説明するためのグラフ。 本発明の周期構造体を検査素子として用いる実施例2の装置構成図。 本発明の周期構造体を検査素子として用いる実施例2の変形例の装置構成図。 実施例2の検査素子の動作を説明するグラフ。 テラヘルツ波の走査方法の一形態を説明するための斜視図。 テラヘルツ波の走査方法の他の形態を説明するための斜視図。 テラヘルツ波の走査方法の他の形態を説明するための斜視図。 本発明の周期構造体を集積化した検査素子として用いる実施例3の装置構成平面図。 図15の集積化した検査素子の作製例を説明する断面図。 集積化した検査素子の他の構成を説明する平面図。 周期構造体の先行技術を説明する図。
符号の説明
100 周期構造体
101 変調構造
110 所定の方向に伸びるロッド部
351 基板
901 検査モジュール
902、1502、1702 検査素子
903、1503 発生器
904、1504、1704 検出部

Claims (8)

  1. 少なくとも所定の方向に沿って周期的に屈折率の分布を持つ周期構造体であって、
    所定の方向に伸びるロッド部と空隙部分がそれぞれ複数あり、該複数のロッド部が前記所定の方向と交わる面内方向に規則的に配置され、該空隙部分が該複数のロッド部の間に配置され、
    前記ロッド部の前記所定の方向に伸びる壁面の少なくとも一部が、前記所定の方向に伝搬するテラヘルツ波の感じる屈折率の分布が変調される様な変調構造を有し、
    前記変調構造を有する複数のロッド部が前記面内方向に規則的に配置された構造が、互いに固定手段で固定されて、前記所定の方向に、テラヘルツ波の波長程度の間隔をもって周期的に配置されていることを特徴とする周期構造体。
  2. 前記変調構造は、勾配を有するテーパ形状、窪み形状、膨らみ形状、または複数の窪みを有する凹凸形状であることを特徴とする請求項1に記載の周期構造体。
  3. 請求項1または2に記載の周期構造体を含み、前記所定の方向に伝搬するテラヘルツ波に対する波長選択性を制御することを特徴とする周期構造体を用いた素子。
  4. 前記変調構造によって変調される屈折率分布の周期性によってフォトニックバンドギャップのバンド端の周波数位置が異なる複数の周期構造体が集積化されていることを特徴とする請求項3に記載の素子。
  5. 前記周期構造体の屈折率分布の変化によって、周期構造体に収容される検体の同定、存否または性状検査を行う検体検査素子として構成されたことを特徴とする請求項3または4に記載の素子。
  6. 少なくとも基板片面に対して、ドライエッチングプロセスによって周期構造体を作製し、前記基板を積層することで請求項1または2に記載の周期構造体を作製する周期構造体の作製方法であって、
    前記エッチングプロセスの条件を制御することによって、前記変調構造を制御し、前記エッチングプロセス中において、前記基板に、固定ピンにより前記周期構造体を固定するための貫通孔を同時に作製することを特徴とする周期構造体の作製方法。
  7. 前記基板の周期構造体について、周期構造体の作製後に、再び前記変調構造をエッチングすることによって、前記変調構造を微調整することを特徴とする請求項6に記載の周期構造体の作製方法。
  8. ロッドを格子状に組み上げた格子型の周期構造体であって、
    テラヘルツ波が伝搬する方向に長手方向を有する第1のロッド部と、
    前記テラヘルツ波が伝搬する方向に交差する面内方向に長手方向を有する第2のロッド部と、を有し、
    前記テラヘルツ波が伝搬する方向に前記第1のロッド部と前記第2のロッド部とが、互いに固定手段で固定されて、交互に配置されており、
    前記第1のロッド部の長手方向の壁面に、前記伝搬するテラヘルツ波の周波数に対する屈折率を変調させるための変調構造が構成されることを特徴とする周期構造体。
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