JP3471232B2 - エレベータ主索の交換方法 - Google Patents

エレベータ主索の交換方法

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JP3471232B2
JP3471232B2 JP27998098A JP27998098A JP3471232B2 JP 3471232 B2 JP3471232 B2 JP 3471232B2 JP 27998098 A JP27998098 A JP 27998098A JP 27998098 A JP27998098 A JP 27998098A JP 3471232 B2 JP3471232 B2 JP 3471232B2
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博之 中川
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、エレベータ主索の
交換方法に関し、詳しくは、乗りかごと釣合重りとをそ
れぞれ長さ調節具を介して結ぶ第1、第2、第3の3本
の主索を備えたエレベータを当該3本の主索を介して乗
りかごと釣合重りとを均衡させた状態にて当該3本の主
索を取替える主索の交換方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、エレベータの主索が3本の主索を
交換する場合には、先ずはじめに、乗りかごと釣合重り
とを取替えられるべき古い主索、即ち旧主索1本にて均
衡させた上で、交換作業が行われていた。図9におい
て、従来のエレベータ主索交換作業現場の環境を説明す
る。図中の符合1は、エレベータ機械室、2は機械室1
内に設置された昇降駆動装置、3は昇降駆動装置2の駆
動軸に取付けられた綱車である。6は綱車3に巻き掛け
られた交換前の複数本の旧主索であり、7は昇降路、8
は昇降路7内に設けられ、旧主索6の一端に吊られてい
る乗りかごである。符合9は昇降路7内に設けられ、旧
主索6の他端に吊られている釣合重りである。図10に
おいて、符合11は乗りかご8の上梁10及び釣合重り
9と旧主索6の端とを結合している着脱自在の長さの調
整具であり、12bは主索を交換する際に乗りかご8と
主索途中との間に介装されて乗りかご8を当該主索途中
に吊らせる為の巻上手段であり、この例ではチェーンブ
ロックを用いている。又、符合12aは、巻上手段12
bの一方の係止部が主索の途中を確実に把持できるよ
う、主索側に装備された主索把持具である。 【0003】次に、従来の交換方法を図9、図10に基
づいて説明する。先ず、乗りかご8を保守運転して釣合
重り9の上部と乗りかご8の上部とがほぼ同一高さの位
置に設定して、乗りかご8の上部に作業者が乗る。図1
0に示すように、3本の旧主索6a、6b、6cのう
ち、1本の旧主索6aに主索把持具12a及ぴ巻上手段
としてのチェーンブロック12bの一方の係止部を取付
け、他方のチェーンを乗りかご8の上部の上梁10に連
結して、チェーンブロック12bを操作する。チェーン
ブロック12bの操作で、主索把持具12aと乗りかご
8との間の距離を縮めて、当該旧主索6aの主索把持具
12aから乗りかご8までの間をたわむように弛める。
この結果、図10に示すように、主索3本ともに弛みが
生ずる。この弛め量は、残り2本の旧主索6b、6cを
交換するに十分な弛みが生じる量とする。 【0004】次に、弛まされた旧主索6bの両端に装着
されている長さ調整具11を、乗りかご8の上梁10及
び釣合重り9の上部からそれぞれ取外し、この旧主索6
bを両端に装着させた長さ調整具11ごと機械室1へと
引き上げる。引き上げられた古い旧主索6bと交換され
る新しい新主索13bの両端には、予め、同様の長さ調
整具11を取付けておくか、或いは、引き上げた旧主索
6bから取外した長さ調整具11を付替えて、機械室1
より新主索13bの両端をそれぞれ乗りかご8及び釣合
重り9へ下ろし、新主索13bの両端の長さ調整具11
を乗りかご上梁10及び釣合重り9の上部へとそれぞれ
取付ける。この旧主索6bと同様の手順にて、旧主索6
cも新主索に取替える。 【0005】ここで、チェーンブロック12bを操作し
て旧主索6aの短縮状態を解除すると、2本の新主索1
3b、13cが緊張して乗りかご8と釣合重り9とが均
衡を保って吊られて、旧主索6aが弛んだ状態になる。
しかし、この状態では旧主索6aを新主索へ交換するこ
とが不可能な為、既に交換を終えた上記2本の新主索
に、上記の主索把持具12a及ぴチェーンブロック12
bを付替えて、上記の旧主索6bと同ようの手順にて、
旧主索6aを新主索13aに交換する。以上にて、3本
の主索の交換を終え、あとは、3本の新主索13の張力
を調整して一連の交換作業を終了する。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】従来の交換方法では、
既に取替えられるべき時期に来ている3本の旧主索で吊
られていたエレベータを旧主索1本にて吊るすことにな
って、旧主索1本に乗りかご及び釣合重りの全荷重が掛
かることになる上、このエレベータの乗りかごの上部に
作業員が乗って交換作業を行なうのは、当該旧主索に更
に一段と重い負荷を掛けることとなり、旧主索や長さ調
整具側の旧主索の取付部はかなり経年劣化しているた
め、主索破断や主索の取付部の破損等の危険が起こる可
能性があり、作業の安全性に問題がある。本発明はかか
る課題の解消を目的とし、安全性の高いエレベータ主索
交換方法の提供を目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】この発明は、乗りかごと
釣合重りとをそれぞれ長さ調節具を介して結ぶ第1、第
2、第3の3本の主索を備えたエレベータを当該3本の
主索を介して乗りかごと釣合重りとを均衡させた状態に
て当該3本の主索を取替える主索の交換方法において、
先ず、第1及び第2の旧主索を介して乗りかごと釣合重
との均衡を保ちつつ、第3の旧主索を新第3主索に取替
えるに当たり、当該新第3主索の少なくとも一方端側に
長尺の長さ調節具を一時使用して取替え、第1と第2の
旧主策と当該新第3主索との張力が同じとなるように調
整し、次に、第2の旧主索及び新第3主索を介して乗り
かごと釣合重との均衡を保ちつつ、第1の旧主索を新第
1主索に取替えると共に、新第3主索に一時使用してい
た長尺の長さ調節具を元の長さ調節具に取替え、最後
に、新第1主索及び新第3主索を介して乗りかごと釣合
重との均衡を保ちつつ、第2の旧主索を新第2主索に取
替える、ことを特徴とするものである。 【0008】 【0009】 【発明の実施の形態】実施の形態1. 実施の形態1は、この発明に係るもので、乗りかごと釣
合重りとを結ぶ第1、第2、第3の3本の主索を備えた
エレベータを当該3本の主索を介して乗りかごと釣合重
りとを均衡させた状態にて当該3本の主索を1本づつ交
換するに当たり、常に、他の2本の主索を以って乗りか
ごと釣合重りとを吊した状態とすると共に、最初の1本
を旧主索から新しい新主索へと交換する際に、当該新主
索の両端の少なくとも一方において、一時的に、長尺の
長さ調整具を用いることを内容とするものである。以
下、図1乃至7に示す実施の形態に基づいて説明する。 【0010】図1において、図はエレベータ主索交換作
業現場の環境を示すもので、図中の符合1はエレベータ
機械室、2は昇降駆動装置、3は綱車、7は昇降路、8
は乗りかご、9は釣合重り、10は乗りかご上部の上梁
である。図1及び図3において、符合6は交換対象の古
い旧主索で、6a、6b、6cの3本の主索からなる。
又、符合11は長さ調整具で、主索6の両端側にあっ
て、当該主索6と乗りかご8及び釣合重り9とをそれぞ
れ係脱自在に連結すると共に、乗りかご8及び釣合重り
9に対する連結部位の調整によって、両端にそれぞれ固
定された長さ調整具11、11を含む当該主索の長さ及
び張力を調整する部材である。この例に示す長さ調整具
は、図3に示すように、頭部に主索の端部を掴むチャッ
ク機能を備えたボルト状本体と調整ナット22とで構成
されている。尚、図9及び図10と同一符合の部材は、
同一若しくは共通の機能及び構成のものであるからその
説明を省略する。 【0011】先ず、1本目の交換作業を図2に基づいて
説明する。第1作業として、図1に示すように、乗りか
ご8と釣合重り9とのそれぞれの上部が、昇降路7内に
おいて、ほぼ同じ高さ位置となるようにエレベータを運
転して設定する(図2の手順30A)。作業者は乗りか
ご8の上部、即ち天井裏に乗って交換作業を行なうた
め、釣合重り9側も手許近くに在る方が都合がよい。第
2作業として、図3に示すように、第1と第2の旧主索
6a、6bの乗りかご8側の当該主索の途中にそれぞれ
主索把持具12a、12aを取付ける(図2の手順30
B)。第3作業として、上記第1及び第2の旧主索6
a、6bの主索把持具12a、12aの間に、巻上手段
としてのチェーンブロック12bの一端側の係合部、例
えばチャック部を取付けると共に、他端側のチェーンを
乗りかご8の上部、例えば上梁10に取付け、当該巻上
手段の操作で、上記の両主索把持具12a、12aと乗
りかご8上部(上梁10)との間を短縮させ、その間の
主索6a、6bを弛ませる。すると、この2本の旧主索
6a、6bによって乗りかご8と釣合重り9とが均衡
し、第3の旧主索6cも主索の全長にわたって弛みが生
ずるため、結局、乗りかご8側において、3本の旧主索
6a、6b、6cに弛みを持たせることになる(図2の
手順30B)。 【0012】第4作業として、第3の旧主索6cと当該
第3の旧主索6cの両端側に在って乗りかご8及び釣合
重り9とにそれぞれ結合されている2本の長さ調整具1
1、11とを、それぞれ乗りかご8及び釣合重り9から
取外すと共に、新しい新第3主索13cの一端の釣合重
り9側には先に取外した長さ調整具11をそのまま、他
端の乗りかご8側には、図4に示すように、新たに、一
時使用の長尺の長さ調整具21を、それぞれ付替える
(図2の手順30C)。この長尺の長さ調整具21は、
基本的形態は長さ調整具11と同ようであるが、ボルト
状本体の長さが普通の長さ調整具11よりも長く形成さ
れたものである。尚、取外された旧主索6cは機械室1
へ引き上げ、同じく、この機械室1側から新主索13c
は綱車3を跨ぐように引き降ろす。この場合、新主索1
3cの両端の一方には長い長さ調整具21を、他方には
普通の長さの長さ調整具11を予め取り付けておくと作
業能率が上がる。 【0013】第5作業として、上記巻上手段12bの操
作で、上記第1及び第2の旧主索6a、6bの短縮状態
を元の状態に復帰させながら、図5に示すように、この
第1及び第2の旧主索6a、6bと新第3主索13cと
の張力が同じとなるよう調整する(図2の手順30
D)。この場合、上記のように、普通の長さ調整具11
よりも長さが長い長尺の長さ調整具21を新主索13c
の一方端側、ここでは乗りかご8側に、一時使用してい
るのは、第1及び第2の旧主索6a、6bと新第3主索
13cとの主索長さの差を小さくするためである。旧主
索6a、6bは永年使用によって初期の規定長さより延
びているため、新しい新主索の規定長さとの差が余りに
大きすぎると、通常使用していた長さ調整具11の長さ
が不足して接続できなかったり、仮に、接続できたとし
ても、上記調整の際に調整量が大きくなり過ぎて、調整
作業が煩雑となったりするからである。従って、この長
尺の長さ調整具21を新主索の少なくとも一方端に用い
ることにより、旧主索の延びの長大化による接続不能の
事態を解消すると共に、3本の主索張力の調整におい
て、全体としての調整量を小さくすることができる。こ
れにより、各調整具11においての調整は、微調整とな
り、旧主索6a、6bのそれぞれの長さ調整具11の調
整ナット22、22や新第3主索13cの調整ナット2
2にて、迅速かつ容易に行なうことができる。又、この
段階で、乗りかご8と釣合重り9とは、第1及び第2の
旧主索6a、6bと新第3主索との3本が協働して吊る
すことになるため、新主索に無理な負荷をかけ無くて済
み、新主索の強靭性や耐久性等の特性を損なわせること
なく維持させることができる。 【0014】次に、2本目の交換作業を説明する。引き
続き第6作業として、図6に示すように、上記第2の旧
主索6bと新第3主索13cとの乗りかご8側の当該主
索の途中に、上記主索把持具12a、12aをそれぞれ
付替える(図2の手順30E)。第7作業として、上記
第2の旧主索6bと新第3主索13cとの主索把持具1
2a、12a間に上記巻上手段12bの一端を付替える
と共に、他端を乗りかご8に連結し、当該巻上手段12
bの操作で、上記主索把持具12a、12aと乗りかご
8との間を短縮して、図6のように、乗りかご8側の3
本の主索に弛みを持たせる(図2の手順30E)。第8
作業として、上記第7作業によって3本の主索に弛みを
持たせた図6の状態において、上記第1の旧主索6a及
び当該第1の旧主索6aの両端側に在って乗りかご8及
び釣合重り9とに結合されている2本の長さ調整具1
1、11を乗りかご8及び釣合重り9からそれぞれ一旦
取外すと共に、新しい新第1主索13c及び新第1主索
13cの一端の釣合重り9側及び他端の乗りかご8側に
一旦取外した上記長さ調整具11、11をそれぞれ付替
える(図2の手順30F)。 【0015】そして更に、第9作業として、上記第7作
業によって3本の主索に弛みを持たせた図6の状態にお
いて、先の第4作業において新第3主索13cの乗りか
ご側8に取付けた上記一時使用の長尺の長さ調整具21
を元の長さ調整具11に付替える(図2の手順30
F)。これは、後述する第10作業において、第2の旧
主索6bと新第3主索13cの短縮状態を元の状態に復
帰させて、上記新第1主索13aと新第3主索13cと
の張力が同じとなるよう新第1主索13aの長さを調整
するに当たり、新第3主索13cの一方端に長尺の長さ
調節具21を付けたままにしておくと(他方端は普通の
長さ調節具11が取り付けてある)、新第1主索13a
両端に取り付けられた普通の長さ調節具11、11を含
む当該新第1主索13aの全長と、両端の長さ調節具1
1、21を含む新第3主索13cの全長とが、長尺の長
さ調節具21と普通の長さ調節具11との長さの相違差
分、不一致となり、新第3主索13cの方が長いままと
なってしまうからである。かかる理由から、この段階
で、長尺の長さ調整具21を元の長さ調整具11に付替
えるのである。これにより、両端の長さ調節具11、1
1をそれぞれ含む新第1主索13aと新第3主索13c
との全長はほぼ一致するので、両新主索13a、13c
の長さ調整を微量とすることができると共に、図7に示
すように、両新主索にて乗りかご8と釣合重り9とを均
衡させて吊るすことができる。尚、この第9作業は上記
の第8作業と作業順序が入れ替わっても差し支えない。 【0016】第10作業として、上記巻上手段12bの
操作で、図6に示す状態にある第2の旧主索6bと新第
3主索13cとのそれぞれの短縮状態を元の状態に復帰
させながら、上記新第1主索13aと新第3主索13c
との張力が同じとなるよう新第1主索13a、或いは
又、必要に応じて新第3主索13c、の長さを調整し
て、当該新第1主索13aと新第3主索13cにて乗り
かご8と釣合重り9とを、図7に示すように、均衡させ
る(図2の手順30G)。この場合、上記第9作業で既
に説明した通り、両端の長さ調節具11をそれぞれ含む
新第1主索13aと新第3主索13cとの全長は一致し
ているので、両新主索13a、13cの長さ調整は微量
となり、その調整作業は容易且つ迅速に行なえる。尚、
この段階では、図7に表れているように、残る1本の旧
主索2bのみが、2本の新主索よりも永年使用によって
延びているので、旧主索2bには延びている長さ分に相
応する弛みが生じることとなる。即ち、この段階でも、
乗りかご8と釣合重り9とは2本の新主索13a、13
cで吊られている。 【0017】最後に、3本目の交換作業を説明する。引
き続き第11作業として、上記新第1主索13aと新第
3主索13cとに上記主索把持具12a、12aをそれ
ぞれ付替えると共に、新第1主索13aと新第3主索1
3cの主索把持具12a、12a間に上記巻上手段12
bの一端を付替える一方、他端を乗りかご8に連結し、
当該巻上手段12bの操作で、上記主索把持具12a、
12aと乗りかご8との間を短縮して、乗りかご8側の
3本の主索に弛みを持たせる(図2の手順30H)。第
12作業として、第2の旧主索6b及び当該第2の主索
6bの両端側に在って乗りかご8及び釣合重り11とに
結合されている2本の長さ調整具11、11をそれぞれ
乗りかご8及び釣合重り9からそれぞれ一旦取外すと共
に、新しい新第2主索13b及び新第2主索13bの一
端の釣合重り9側及び他端の乗りかご8側に一端取外し
た上記長さ調整具11、11をそれぞれ付替える(図2
の手順30J)。第13作業として、上記巻上手段12
bの操作で、新第1主索13aと新第3主索13cの短
縮状態を元の状態に復帰させながら(図2の手順30
K)、新第1主索13a及び新第3主索13cと新第2
主索13bとの張力が同じとなるよう調整した上で(図
2の手順30L)、上記主索把持具12a、12a及び
巻上手段12bを取り外す。 以上、第1乃至第13作
業の一連の作業により3本の主索交換作業は終了する 【0018】実施の形態2. 実施の形態2は、別の実施の形態に係るもので、乗りか
ごと釣合重りとを結ぶ第1、第2、第3の3本の主索を
備えたエレベータを、当該3本の主索を介して乗りかご
と釣合重りとを均衡させた状態にて、当該3本の主索を
1本づつ交換するに当たり、常に、他の2本の主索を以
って乗りかごと釣合重りとを吊した状態とする点で、
記実施の形態1と共通するが、長尺の長さ調整具を用い
ない点で異なる。この実施の形態2は、旧主索の永年使
用による延び量が少ない場合に有効である。旧主索の永
年使用による延び量が少ない場合には、結果として旧主
索と新主索との長さの差が小さいため、一本目の交換に
当たって、新主索の両端とも普通の長さ調節具を用いる
ことができる場合がある。かかる場合には、長尺の長さ
調節具を用いない方が有利である。これによれば、上記
実施の形態1に示す作業手順の第4作業において、一時
使用の長尺の長さ調整具21を付替える(図2の手順3
0C)作業に当たって、普通の長さ調節具11を付替え
ればよい。従って又、上記実施の形態1に示す作業手順
において、一時使用の長尺の長さ調整具21を元の長さ
調整具11に付替える第9作業が無用となる。この外の
作業手順や作業内容は実施の形態1と同様である。 【0019】以下、実施の形態2による主索交換作業を
簡単に説明する。先ず、1本目の交換作業は、第1作業
として、乗りかご8と釣合重り9のそれぞれの上部をほ
ぼ同じ高さ位置に設定する。第2作業として、乗りかご
8側の第1と第2の旧主索6a、6bに主索把持具12
a、12aをそれぞれ取付ける。第3作業として、上記
第1及び第2の旧主索6a、6bの主索把持具12a、
12a間に巻上手段12bの一端を取付けると共に他端
を乗りかご8に連結し、巻上手段12bの操作で、上記
主索把持具12a、12aと乗りかご8との間を短縮し
て、乗りかご8側の3本の主索に弛みを持たせる。第4
作業として、第3の旧主索6c及び当該第3の旧主索6
cの両端側に在って乗りかご8及び釣合重り9とにそれ
ぞれ結合されている2本の長さ調整具11、11をそれ
ぞれ乗りかご8及び釣合重り9から取外すと共に、新し
い新第3主索13cの両端に、先に一端取外した長さ調
整具11、11をそれぞれ付替える。第5作業として、
上記巻上手段12bの操作で、上記第1及び第2の旧主
索6a、6bの短縮状態を元の状態に復帰させながら、
第1及び第2の旧主索6a、6bと新第3主索13cと
の張力が同じとなるよう調整する。 【0020】次に、2本目の交換は、第6作業として、
上記第2の旧主索6bと新第3主索13cとに上記主索
把持具12a、12aをそれぞれ付替える。第7作業と
して、上記第2の旧主索6bと新第3主索13cの主索
把持具12a、12a間に上記巻上手段12bの一端を
付替えると共に、他端を乗りかご8に連結し、当該巻上
手段12bの操作で、上記主索把持具12a、12aと
乗りかご8との間を短縮して、乗りかご8側の3本の主
索に弛みを持たせる。第8作業として、上記第1の旧主
索6a及び当該第1の旧主索6aの両端側に在って乗り
かご8及び釣合重り9とに結合されている2本の長さ調
整具11、11を乗りかご8及び釣合重り9からそれぞ
れ一旦取外す共に、新しい新第1主索13a及び新第1
主索13aの両端に、先に一旦取外した上記長さ調整具
11、11をそれぞれ付替える。第9作業として、上記
巻上手段12bの操作で、第2の旧主索6bと新第3主
索13cの短縮状態を元の状態に復帰させながら、上記
新第1主索13aと新第3主索13cとの張力が同じと
なるよう新第1主索13aの長さを調整して、当該新第
1主索13aと新第3主索13cにて乗りかご8及び釣
合重り9を均衡させる。 【0021】最後に、3本目の交換作業は、第10作業
として、上記新第1主索13aと新第3主索13cとに
上記主索把持具12a、12aをそれぞれ付替えると共
に、新第1主索13aと新第3主索13cとの主索把持
具12a、12a間に上記巻上手段12bの一端を付替
えると共に、他端を乗りかご8に連結し、当該巻上手段
12bの操作で、上記主索把持具12a、12aと乗り
かご8との間を短縮して、乗りかご8側の3本の主索に
弛みを持たせる。第11作業として、第2の旧主索6b
及び当該第2の旧主索6bの両端側に在って乗りかご8
及び釣合重り9とに結合されている2本の長さ調整具1
1、11をそれぞれ乗りかご8及び釣合重り9から一旦
取外す共に、新しい新第2主索13b及び新第2主索1
3bの両端に、先に取外した上記長さ調整具11、11
をそれぞれ付替える。第12作業として、上記巻上手段
12bの操作で、新第1主索13aと新第3主索13c
の短縮状態を元の状態に復帰させながら、新第1主索1
3a及び新第3主索13cと新第2主索13bとの張力
が同じとなるよう調整した上で、上記主索把持具12
a、12a及び巻上手段12bを取り外す。 以上で一
連の作業を終了する。 【0022】実施の形態3.上記実施形態1及び2にお
いて、主索把持具12a及び巻上手段12bの取付け取
外し作業を乗りかご8側で行なう例を説明したが、これ
に限らず、釣合重り9側で行なってもよい。又、作業
は、乗りかご8の上部と釣合重り9の上部とを昇降路7
内で同じ位置に設定し、作業員が乗りかご8の上に乗っ
て行なう例を説明したが、これに限らず、乗りかご8と
釣合重り9との位置を違えて行なってもよい。 【0023】 【発明の効果】この発明によれば、主索3本のうち、常
に2本以上の主索で乗りかご及び釣合重りを吊った状態
にて主索の交換作業を行なうことができるので、旧主索
1本で吊しての作業に比べ、乗りかご及び釣合重りの全
荷重を2本以上に分散することができ、乗りかご作業員
が乗って交換作業を行う場合でも、主索破断や主索の取
付部の破損等による事故を回避することができ、作業の
安全性を格段に高めることができる。 【0024】又、1本目の主索交換において、普通の長
さ調整具に比べて長尺の長さ調整具を一時的に使用する
ことで、新主索に比べて旧主索が永年使用によって長く
延び過ぎていても、新主索と旧主索とを同一張力に容易
に調整することができる上、新主索1本に全負荷が掛か
ることがないので、その品質や特性を損なうことなく、
新主索に与えられた初期の品質や特性を長期にわたって
維持させることができる。 【0025】又、別の実施の形態によれば、旧主索と新
主索との長さの差が小さい場合には、長さ調整具による
微調整のみで3本の主索の張力を同一にできる為、実施
の形態1の発明に比べ、長さ調整具を一時的に長尺の長
さ調節具に交換する必要がなく、交換作業が容易となる
上作業時間が短縮される。又、新主索1本に全負荷が掛
かることがないので、その品質や特性を損なうことな
く、新主索に与えられた初期の品質や特性を長期にわた
って維持させることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 エレベータ主索交換作業の現場環境を示す図
である。 【図2】 実施の形態1の作業手順を示すフローチャー
ト図である。 【図3】 実施の形態1における主索把持具と巻上手段
にて旧主索2本を短縮した状態を示す図である。 【図4】 図3において、弛んだ旧主索1本を長尺の長
さ調整具を付けた新主索に交換した状態を示す図であ
る。 【図5】 実施の形態1において、長尺の長さ調整具の
調整で3本の主索張力を同一とした状態を示す図であ
る。 【図6】 実施の形態1において、主索把持具と巻上手
段にて旧主索1本と新主索1本とを短縮した状態を示す
図である。 【図7】 実施の形態1において、長尺の長さ調整具を
普通の長さ調整具に戻し、巻上手段の動作を解除させて
新主索2本にて吊っている状態を示す図である。 【図8】 実施の形態2において、旧主索1本を新主索
に交換し、各長さ調整具の調整で3本の主索張力を同一
とした状態をしめす図である。 【図9】 従来のエレベータ主索交換中の状態を示す図
である。 【図10】 従来の交換方法を示した図である。 【符号の説明】 1 エレベータ機械室、2 昇降駆動装置、3 綱車、
6a、6b、6c 旧主索、7 昇降路、8 乗りか
ご、9 釣合重り、10 上梁、11 長さ調整具、1
2 長尺の長さ調整具、12a 主索把持具、12b
チェーンブロック(巻上手段)、13、13a、13
b、13c 新主索、22 長尺の長さ調整具。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66B 7/00 - 7/12

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 乗りかごと釣合重りとをそれぞれ長さ調
    節具を介して結ぶ第1、第2、第3の3本の主索を備え
    たエレベータを当該3本の主索を介して乗りかごと釣合
    重りとを均衡させた状態にて当該3本の主索を取替える
    主索の交換方法において、 先ず、第1及び第2の旧主索を介して乗りかごと釣合重
    との均衡を保ちつつ、第3の旧主索を新第3主索に取替
    えるに当たり、当該新第3主索の少なくとも一方端側に
    長尺の長さ調節具を一時使用して取替え、第1と第2の
    旧主策と当該新第3主索との張力が同じとなるように調
    整し、 次に、第2の旧主索及び新第3主索を介して乗りかごと
    釣合重との均衡を保ちつつ、第1の旧主索を新第1主索
    に取替えると共に、新第3主索に一時使用していた長尺
    の長さ調節具を元の長さ調節具に取替え、 最後に、新第1主索及び新第3主索を介して乗りかごと
    釣合重との均衡を保ちつつ、第2の旧主索を新第2主索
    に取替える、 ことを特徴とするエレベータ主索の交換方法。
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