JP3470437B2 - 偏平形陰極線管 - Google Patents
偏平形陰極線管Info
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Description
一平面に設けられて偏平化が図られた偏平形陰極線管
(以下、「偏平管」という。)に関する。 【0002】 【従来の技術】通常利用されている陰極線管には、電子
銃と蛍光面が対向しているため奥行き寸法が大きいとい
う欠点がある(図5B参照)。この欠点を解決した陰極
線管として、図4に示すように、蛍光面4と電子銃11
を略同一平面に設けた偏平管が開発されている。偏平管
はフロントパネル1を通して電子ビーム20の入射する
側から蛍光面4の画像を観視するもので(これを反射型
という。)、奥行き寸法が小さいだけでなく、蛍光体自
体やフロントパネル1での光の吸収,散乱がなく、高い
輝度が得られる特徴がある。このため、偏平管は薄型の
受像機が要求される携帯用フラットタイプ(薄型)テレ
ビ,車載モニタ,ドアホン等に使用されている。 【0003】尚、偏平管には、電子ビーム20の入射す
る側と反対側から蛍光面4の画像を観視する透過型もあ
るが、以下に説明する技術事項に関しては同様に適用可
能であるため、反射型について説明を続ける。 【0004】図5Aに示すように、偏平管のガラス容器
は、フロントパネル1,スクリーンパネル2及びファン
ネル3の三体構造で構成されていている。これら三体は
別個独立に製造され、概略次のような工程順序で組み立
てられる。 (1)接合面にフリット(半田ガラス)ペーストを塗布
する工程(具体的には、ファンネル3とスクリーンパネ
ル2及びフロントパネル1との接合面では、ファンネル
3の接合面にフリットペーストを塗布し、またフロント
パネル1とスクリーンパネル2との接合面ではスクリー
ンパネル2の接合面にフリットペーストを塗布する) (2)これら三体の位置合わせ及び加圧工程 (3)フリットシール工程(熱を加え、フリットを融解
・結晶化させ、接合面を固着する。) (4)電子銃封止工程(ネック24内に電子銃11を設
置し、ステム部23,ネック24部を封着する。) (5)排気工程 【0005】このような偏平管のフリットによる接合に
関しては、次に説明する三体構造か二体構造かの相違を
除き、通常の陰極線管の場合と同様である。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】通常の陰極線管のガラ
ス容器は、図5Bに示すように、パネル部分20と、フ
ァンネルとネックが一体になった部分22との二体構造
である。このため、フリットによる接合の際、別個に製
造された二体の正確な位置合わせ及びフリットシール工
程の際の均一な加圧は比較的容易である。 【0007】これに対して、偏平管のガラス容器は、図
5Aに示すように、フロントパネル1,スクリーンパネ
ル2及びファンネル3からなる三体構造から形成されて
いる。従って、フリットによる接合工程の際に三体が同
時に接合されるため、三体の正確な位置合わせ及びフリ
ットシール時の均一な加圧が難しく、各ガラス管相互の
結合が不完全な偏平管が発生し易い。 【0008】さらに、図4及び図5Aに示すようなフロ
ントパネル1が平板のタイプの偏平管では、スクリーン
パネル2はその上端部で平板フロントパネル1と接合す
るため、従来の偏平管に比べスクリーンパネル2の背面
部の上下方向の沿面寸法及び側面部の奥行寸法が必然的
に長くなっている。このような背面部の長いスクリーン
パネル2は、製造時に、プレス加工のプランジャーから
容易に取り出せるようにするため、底面部のなす角度θ
(図5Aのθ1,θ2参照)が、直角より多少大きい鈍
角になっている。 【0009】一方、ファンネル3の接合面である頂面
は、プレス加工の型の製造の要請から対称形であること
が好ましいため矩形形状であり(図2D参照)、このθ
に対応する部分の角度は直角になっている。このため、
この角度相違に起因する形状の不整合から、位置合わせ
が更に難しく各ガラス管相互の結合が不完全な偏平管が
発生し易い。 【0010】接合工程の後、偏平管の内部は脱気され真
空にされる。接合不良の偏平管は、この脱気時又はその
後に、偏平管外部の空気が内部に流入するエアーリーク
現象を発生して不良品となってしまう。不良品の偏平管
に対して、接合面に沿ってフリットを再塗布してフリッ
トシール工程を再度実施しても、エアーリークを抑える
ことが困難な場合が多く、また作業工数がかかり、偏平
管の信頼性の面でも問題が残る。 【0011】従って、本発明は、上述の接合不良の発生
を減少し、その後のエアーリーク現象の発生を減少せし
めることを目的とする。 【0012】更に本発明は、従来の偏平管に最小の変更
を加えることにより、このエアーリーク現象の発生を減
少せしめることを目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明にかかる偏平形陰
極線管は、平板フロントパネル、スクリーンパネル及び
ファンネルの三体構造が相互にフリットで接合される偏
平形陰極線管に於いて、スクリーンパネルの側壁部と背
面部の形成する角度が鈍角であり、ファンネルの矩形枠
形状接合面の短辺側幅寸法が長辺側幅寸法より大であ
り、フリットシールの際に、ファンネルと平板フロント
パネル及びスクリーンパネルとの間の接合面で、ファン
ネルが平板フロントパネル及びスクリーンパネルより内
方に突出して接合面の内周全体に亘り溶出フリット係留
の棚を形成して成る。 【0014】 【0015】 【作用】上述のように構成された本発明にかかる偏平形
陰極線管は、ファンネルと平板フロントパネル及びスク
リーンパネルとの間の接合面で、スクリーンパネルの側
壁部と背面部の形成する角度が鈍角であって、ファンネ
ルの矩形枠形状接合面の短辺側幅寸法が長辺側幅寸法よ
り大として、フリットシール時に、ファンネルが平板フ
ロントパネル及びスクリーンパネルより偏平管内方に突
出するように位置決めされ接合面の内周縁全長に沿って
溶出フリット係留棚が形成される。このため、フリット
シール時に加熱・加圧により溶け出たフリットがこの係
留棚に溜まって冷却・結晶化し、接合面の内周縁全長に
沿ってこれを覆って連続的な封止部材を形成して空気漏
れを阻止する。 【0016】 【実施例】以下、本発明に係る偏平形陰極線管(偏平
管)の一実施例について、添付の図面を参照しながら説
明する。 【0017】図1は、本実施例に係る偏平管の斜視図で
ある。この偏平管は、蛍光面の対角線寸法が約4インチ
(約101mm)の4インチ偏平管である。図1の偏平
管のガラス容器は、図5Aで説明した偏平管と同様に、
平板フロントパネル1,スクリーンパネル2及びファン
ネル3の三体構造で形成される。 【0018】平板フロントパネル1は、その主面が平ら
な透明なガラス(例えば、一般的にモノクロ用CRTガ
ラス,カラー用CRTガラスと称されるガラス。)から
製造されている。 【0019】スクリーンパネル2も色は半透明であるが
同様なガラスから製造され、内側面に蛍光面4が形成さ
れている。本実施例のようにフロントパネルが平板であ
る場合には、スクリーンパネル2の上下方向の沿面寸法
は必然的に比較的長いものとなる。 【0020】ファンネル3は色も不透明であるが同様な
ガラスから製造され、ファンネル部3a及びネック部3
bを一体としたものからなる。主としてファンネル3部
の外には偏向ヨーク(図示せず。)が設置され、ネック
部内には電子銃(図示せず。)が設置される。 【0021】尚、この明細書では偏平管各部の位置・方
向を特定する際に、白抜き矢印方向より観視している利
用者を基準として、図1に記載するように上下左右の方
向及び前面後面の向きを定めるものとする。 【0022】図1に示すような偏平管では、スクリーン
パネル2の内側面には蛍光面4が形成され、利用者は、
平板フロントパネル1を通してスクリーンパネル2の内
側面の蛍光面4の画像を観視する。図5Aに示したよう
に、偏平管は三体構造であり、平板フロントパネル1,
スクリーンパネル2及びファンネル3は別個独立に製造
され、フリットにより相互に固着されている。 【0023】図2は、図1の偏平管のガラス容器の三体
構造の内、スクリーンパネル2の形状(図2A,B,
C)及びファンネル3の形状(図2D,E)の特徴を説
明する図である。 【0024】図2Aはスクリーンパネル2の正面図,図
2Bは右側面図及び図2Cは底面図である。スクリーン
パネル2は、右側壁部(スカート部)6,左側壁部(ス
カート部)7,頂面部9及びこれらを接続する背面部8
から形成される。正面図(図2A)で示す端面部分(逆
U字形状の枠部分)5は、接合時に平板フロントパネル
1の裏側主面の周縁部に対してフリットを介して接合さ
れる。 【0025】図2Cの底面図で明らかな通り、右側壁部
6又は左側壁部7と、背面部8との形成する角度θは、
直角より多少大きい鈍角になっている。この角度θは、
内周面が形成する内角θ1で例えば角度95°であり、
外周面が形成する内角θ2で例えば角度93°である。
いずれの角度θも直角より大きい鈍角としているのは、
スクリーンパネル2製造の際にプレス加工時にプランジ
ャーから容易に抜き出せるようにするためであり、特に
スカート部の寸法が比較的長い場合に必要である。 【0026】また、角度θ1と角度θ2の差は、右側壁
部6及び左側壁部7の板厚に先細りのテーパを形成する
ものであり、右側壁部6及び左側壁部7は背面部8との
接続箇所から平板フロントパネル1との接合箇所に向か
って徐々に薄いものとなっており、プランジャーから容
易に抜き出せるようになっている。 【0027】図2Dはファンネル3の平面図であり、図
2Eは正面図である。ファンネル3は、ファンネル部3
a及びネック部3bから形成され、概して、ファンネル
部3aの外には偏向ヨーク(図示せず。)が、ネック部
3b内には電子銃(図示せず。)が夫々配置される。平
面図(図3D)で示すように、ファンネル3の頂面部分
(矩形枠形状)10は、プレス加工成型の便宜よりその
中心を通る水平線及び垂直線に対して線対称の対称形状
である。 【0028】本実施例の偏平管の特徴は、下側の台座と
なるファンネル3とその上に搭載・固着される平板フロ
ントパネル1及びスクリーンパネル2との間の接合面
で、ファンネル3が平板フロントパネル1及びスクリー
ンパネル2より偏平管内方に突出させたことにある。こ
れを実現するために、具体的には、ファンネル3とスク
リーンパネル2との間の接合面の内、ファンネル3の頂
面部の矩形枠形状10(図2D)をした接合面の短辺側
15の接合面幅方向寸法tS2とスクリーンパネル2の側
壁部分6,7接合面(図2C)の幅方向寸法tS1の比
が、(従来は約1.0:1.0であったものを)約1.
5:1.0の関係になるように構成している。 【0029】更に好ましくは、、ファンネル3とスクリ
ーンパネル2との間の接合面の内、ファンネル3の頂面
部の矩形枠形状10(図2D)をした接合面の長辺側1
6の接合面幅方向寸法tL2とスクリーンパネル2の背面
部分8接合面の幅方向寸法t L1の比が、(従来は約1.
0:1.0であったものを)約1.2:1.0の関係に
なるように構成している。 【0030】ファンネル3接合面の短辺側15の接合面
幅方向寸法tS2とスクリーンパネル接合面の幅方向寸法
tS1の比を、約1.5:1.0の関係にすることでファ
ンネル3のガラス板厚tS2が厚すぎてファンネルガラス
製造時の作業性に支障がある場合には、上述の寸法関係
の代わりに、ファンネル3とスクリーンパネル2との間
の接合面の内、ファンネル3の頂面部の矩形枠形状10
(図2D)をした接合面の長辺側16の接合幅方向寸法
tL2をスクリーンパネル2の背面部分8接合面の幅方向
寸法tL1に対して相対的に大きくして、ファンネル3の
頂面部の矩形枠形状10をした接合面15の短辺側の接
合面幅方向寸法tS2とスクリーンパネル2の側壁部分
6,7接合面の幅方向寸法tS1の比を、約1.5:1.
0以下とする。 【0031】本実施例にかかる偏平管(図1)の三体構
造の接合工程は、次のようになる。平板フロントパネル
1とスクリーンパネル2との間の接合は、正面図(図2
A)で示すスクリーンパネル2の端面部分5にフリット
を塗布して平板フロントパネル1の裏側主面周縁部に対
して接合される。同時に、平板フロントパネル1及びス
クリーンパネル2とファンネル3との間の接合は、正面
図(図2D)で示すファンネル3の頂面部分10にフリ
ットを塗布して平板フロントパネル1及びスクリーンパ
ネル2に対して接合される。 【0032】三体構造の接合に関する工程は、従来技術
に関して説明した製造工程と同じである。即ち、フリッ
トペーストを塗布した後、ファンネル,スクリーンパネ
ル及びフロントパネルの三体は図1に示すような使用時
の姿勢に保持され、図3Aに示す突き当て箇所「▽」
(左右2箇所)を位置決め基準として三体の位置決めが
行われる。その後、三体は加圧されながら加熱され、フ
リットを融解・結晶化させ、接合面が固着される。その
際、溶融したフリットの一部が接合面から外へ溶出す
る。その後、ネック部3b内に電子銃を設置して、ステ
ム部(ネック部解放端),ネック部3bを封着する。そ
の後、偏平管内部の排気を行う。 【0033】図3により、上述のように製造された偏平
管を構成する三体の接合面における接合後の相互の位置
関係を説明する。図3Aは、三体の接合面の後側右部分
(図1の破線楕円箇所)を上方から透して見た接合面部
分透視図である。図3Bは、図3Aの実施例の効果を説
明するための比較例であり従来の偏平管の接合面の接合
面部分透視図である。図3Cは図3Aの偏平管の接合面
のC−C′方向切断面図である。図3Dは図3Bの比較
例の偏平管の接合面のD−D′方向切断面図であり、図
3EはE−E′方向切断面図である。 【0034】図3全体を通して、台座となるファンネル
3の頂面部形状(図2Dの平面図参照)は太い実線で示
し、その上に搭載されるスクリーンパネル2の底面部形
状(図2Cの底面図参照)及び平板フロントパネル1の
底面部形状(図1参照)は破線で示し、平板フロントパ
ネル1及びスクリーンパネル2とファンネル3との間の
フリットがフリットシール工程により溶出して冷却し結
晶化して形成されたフリットのかぶり(封止部材)13
を陰影線を付して示している。 【0035】尚、図3A,Bには示してないが、封止部
材13は、接合面外周に沿っても若干形成されるが、こ
の場合は製品の外周面に凸部となって現れるため余り大
きいフリットのかぶりは好ましくなく、封止部材13の
形成は専ら図3に示す内周面に形成されるようにフリッ
トの塗布等が工夫されている。 【0036】次に、従来の接合面形状(図3B)を、上
述した「本実施例の偏平管の特徴」に記載した接合面形
状(図3A)に変更した経過を説明する。 【0037】本発明の発明者等は、偏平管外部から内部
への空気の漏れ(エアーリーク)不良の発生箇所を突き
止め、その原因を解析し、空気漏れが接合面における2
つの部材の寸法及び両部材の相互の結合関係に起因する
ことを発見したのである。 【0038】先ず、空気漏れの発生箇所の発見につい
て、図3B,図3D及び図3Eを用いて説明する。図3
Bは、比較例の空気の漏れ不良を起こした偏平管でり、
空気漏れ不良箇所を調べると、図3Bの接合面のD−
D′のような箇所で発生していることが突き止められ
た。 【0039】この空気の漏れ箇所の断面を観察してみる
と、図3Bの接合面のD−D′方向切断面図である図3
Dで明らかなように、ファンネル3がスクリーンパネル
2よりも偏平管外方に引っ込んでいるため、フリットシ
ール時にスクリーンパネル2とファンネル3間の接合面
からの溶出フリットは直接的に下方に流れ落ちながら冷
却・結晶化され、封止部材13は接合面ではなくファン
ネル3の側面部を覆っていることが確認された。 【0040】従って、この箇所ではファンネル3とスク
リーンパネル2の間に介在する硬化フリットのみが空気
漏れ阻止作用を担っており、フリットのかぶり13は空
気漏れ阻止作用に実質的に関与していなく、全体として
空気の漏れ(エアーリーク)阻止機能が低下しているも
のと推定された。 【0041】一方、比較例の空気の漏れ不良を起こした
偏平管であっても空気漏れ不良を起こしていない箇所を
調べると、図3Bの接合面のE−E′のような箇所であ
り、この箇所を断面観察してみると、図3Eで明らかな
ように、ファンネル3がスクリーンパネル2よりも偏平
管内方に若干突き出ているため、両部材によって形成さ
れた棚14によってフリットシール工程の時に溶出した
フリットが、直接的に下方に流れ落ちるのを阻止されな
がら冷却・結晶化され、接合面の内周に沿って接合面を
覆っていることが確認された。 【0042】従って、この箇所ではファンネル3とスク
リーンパネル2の間に介在する硬化フリットだけでな
く、フリットのかぶり13も空気漏れ阻止作用を担って
おり、全体として空気の漏れ阻止機能が向上しているも
のと推定された。 【0043】そこで、本発明の発明者等は、図3Eに示
されるように、ファンネル3を、その上に配置されるス
クリーンパネル2及び平板フロントパネル1よりも偏平
管内方に突き出させて、接合面内周全体に沿って溶出フ
リット係留棚14を形成し溶出フリットを係留して封止
部材13とすることが、空気漏れ阻止に対して有効であ
るとして、図3Aに示す本実施例にかかる偏平管を開発
した。 【0044】図3Aに示す偏平管では、封止部材13
が、平板フロントパネル1底面部及びスクリーンパネル
2底面部とファンネル3頂面部との間の接合面の内周全
体に沿って連続的に形成されている。接合面の断面観察
をしてみると、図3Aの接合面のC−C′方向切断面図
である図3Cで明らかなように、封止部材13はスクリ
ーンパネル2及びファンネル3によって形成される棚1
4によってフリットシール工程の時に直接下方に流れ落
ちるのを阻止されながら冷却・結晶化され、接合面の内
周縁全長に沿って接合面を覆い、この結果、偏平管外部
から内部への空気の漏れ(エアーリーク)を十分に阻止
している。 【0045】即ち、本実施例(図3A)の偏平管と比較
例である従来技術の偏平管(図3B)とを比較すると、
本実施例の偏平管は封止部材13が接合面の内周縁全長
に亘ってこれを覆う様に形成されているのに対し、比較
例の偏平管では封止部材13が接合面の内周全体に亘っ
ては形成されてなく一部で途切れていて、この途切れた
箇所ではフリットのかぶり13がファンネル3の側面部
に固着している点で相違がある。この溶出フリット係留
棚14が接合面内周縁全長に沿って形成されれば、偏平
管のサイズ,三体の製造公差及び組立時の位置合わせ公
差が異なっても、空気の漏れ不良は全く発生しないか又
は著しく減少するものと期待される。 【0046】次に、この封止部材係留の棚14を形成す
る具体的手段に関しては、従来の偏平管の三体構造の形
状の変更を出来るだけ少ないものとし且つ変更に要する
コストをも考慮して手段を検討した。 (1)三体構造は、いずれも外形寸法は変更しない。 (2)最も有効な手段は、ファンネル3の接合面10
(図2Dの平面図参照)の短辺側15の厚さを偏平管内
方に増大(幅を拡大)することである(tS1→tS2)。 (3)次に、ファンネル3の接合面10の長辺側16の
厚さを内方に増大(幅を拡大)することも効果が認めら
れた(tL1→tL2)。 【0047】本実施例の4インチ偏平管では、現状技術
のガラス製造公差±0.4mm及び組立公差±0.5m
mを考慮して、ファンネル3の接合面10に関して従来
の短辺側15の厚さtS1(図3B)を約50%増加した
厚さtS2(図3A)に形状変更し、更に確実を期すため
に従来の長辺側16の厚さtL1(図3B)を約20〜3
0%増加した厚さtL2(図3A)に形状変更した。 【0048】この結果、従来の偏平管の空気漏れ不良発
生率が1%前後あったのに比較して、本実施例の偏平管
の空気漏れ不良発生率はその1/10以下の0.1%未
満となり、実質的に空気漏れ不良発生は無くなり歩留ま
りの向上が達成された。勿論、空気漏れ不良に伴うフリ
ットの再塗布及び再度のフリットシール工程は不要とな
り、品質の信頼性の向上も図ることが出来た。 【0049】以上により、本発明にかかる一実施例の説
明を終了するが、本発明は上述の実施例に限定されるも
のではない。例えば、本実施例の説明は、反射型に基づ
き行っているが、透過型もガラス管の三体構造自体は反
射型と相違せず、本発明が適用できることは勿論であ
る。また、三体構造の接合は図1に示す使用時の姿勢に
保持され行なわれるので下部に位置するファンネルの厚
さを増大し段差(棚)を形成したが、逆さまの姿勢に保
持して接合する場合には下部に位置するフロントパネル
及びスクリーンパネルの厚さを増大し段差(棚)を形成
することもできる。本発明の技術的範囲は特許請求の範
囲の記載に基づいて定められる。 【発明の効果】本発明によれば、接合不良の発生を減少
し、その後のエアーリーク現象の発生を減少せしめるこ
とが出来る。 【0050】更に本発明によれば、従来の偏平管に最小
の変更を加えることにより、このエアーリーク現象の発
生を減少せしめることが出来る。
ある。 【図2】図1の偏平管の三体の内、スクリーンパネルの
形状とファンネルの形状を説明する図である。ここで、
Aは、スクリーンパネル形状の正面図,Bは右側面図及
びCは底面図を示す。また、Dはファンネル形状の正面
図及びEは底面図を示す。 【図3】偏平管の接合面を示す部分透視図である。ここ
で、Aは本実施例にかかる偏平管の接合面を示し、Bは
比較例としての従来の偏平管の接合面を示す。 【図4】偏平管を説明する図である。 【図5】偏平管と通常の陰極線管のガラス容器の構造の
相違を説明する図である。Aは偏平管のガラス容器が三
体構造であることを説明する図であり、Bは通常の陰極
線管が二体構造であることを示す図である。 【符号の説明】 1 平板フロントパネル 2 スクリーンパネル 3 ファンネル 13 フリット 14 溶出フリット係留棚
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 平板フロントパネル、スクリーンパネル
及びファンネルの三体構造が相互にフリットで接合され
る偏平形陰極線管に於いて、上記スクリーンパネルの側壁部と背面部の形成する角度
が鈍角であり、 上記ファンネルの矩形枠形状接合面の短辺側幅寸法が長
辺側幅寸法より大であり、 フリットシールの際に、上記ファンネルと上記平板フロ
ントパネル及び上記スクリーンパネルとの間の接合面
で、該ファンネルが該平板フロントパネル及び該スクリ
ーンパネルより内方に突出して接合面の内周全体に亘り
溶出フリット係留の棚を形成することを特徴とする偏平
形陰極線管。
Priority Applications (4)
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---|---|---|---|
JP03718995A JP3470437B2 (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | 偏平形陰極線管 |
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Family Applications (1)
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