JP3470275B2 - ホログラフィック偏光ビームスプリッタ - Google Patents
ホログラフィック偏光ビームスプリッタInfo
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Description
ビームスプリッタに関し、特に、ビデオディスク、デジ
タル・オーディオ・ディスク(コンパクトディスク)、
光ディスク、光磁気記録ディスク、ミニディスク用のピ
ックアップ等に用いられる偏光ビームスプリッタに関す
る。
・ディスク(コンパクトディスク)、光ディスク、光磁
気記録ディスク、ミニディスク用のピックアップでは、
従来、直角プリズムを2個貼り合わせ、その貼り合わせ
面に誘電体多層膜をコートした偏光ビームスプリッタが
用いられている。また、光アイソレータの検光子として
は、方解石で製作された偏光ビームスプリッタが用いら
れている。さらに、図15に示すように、体積ホログラ
ムHを2個の直角プリズムP1、P2の貼り合わせ面に
設けたホログラフィック偏光ビームスプリッタも知られ
ている(例えば、“SPIE”vol.1507,pp.426-434(19
91) 参照)。
86号により、ホログラム単体により構成されたホログ
ラフィック偏光ビームスプリッタも提案されている。
ディスク用のピックアップに用いた場合の構成を図16
を参照にして簡単に説明する(日経マグロウヒル社発行
「光ディスク技術ハンドブック」pp.77〜78から
引用)。光磁気ディスクの場合は、偏光方向の変化を利
用しているので、追記型のように偏光状態を変えるλ/
4板は使用できない。したがって、偏光ビームスプリッ
タ1は、S偏光反射率は100%であるが、P偏光の透
過率は40〜60%にしてある。半導体レーザからの光
ビームはP偏光であるが、光磁気ディスクからの反射光
はカー回転角だけ偏光方向が回転しているため、S成分
が含まれている。偏光ビームスプリッタ2からフォトデ
ィテクタ1までがナイフエッジ法のフォーカスエラー検
出系、フォトディテクタ2までがプッシュプル法による
トラッキングエラー検出系である。フォトディテックタ
3、4までが信号検出系で、偏光ビームスプリッタ3は
P偏光透過率とS偏光反射率が100%で、検光子の役
割を果たしている。λ/2板を回転させることにより、
戻り光の偏光方向を回転させ、偏光ビームスプリッタ3
に対して信号振幅が最大になるようにする。2個のフォ
トディテクタで検出される信号は、偏光ビームスプリッ
タの反射と透過の関係にあるので、逆相の信号になって
いる。一方、光量変動によるノイズは同相となるので、
2個のフォトディテクタの出力の差をとることにより、
ノイズを低減するこのが可能である。
な信号検出系においては、偏光ビームスプリッタ3によ
り分離されたP偏光とS偏光とは相互に大きな角度(図
16の場合は、90°)をなしているため、両方の成分
を検出するには、それぞれ別々の基板に設けられた2個
のフォトディテクタが必要である。
板に設けられた2個のフォトディテクタにより検出でき
るようにした方が、装置を小型に構成でき、かつ、部品
点数を減らすことができる。
スプリッターの代わりに、図17に示すように、例えば
頂角か鋭角の2個の一軸性結晶からなるプリズムPA、
PBを平行平面板状に貼り合わせ、かつ、それらの光学
軸が相互に直交するように構成したウォラストンプリズ
ムWPを用い、このウォラストンプリズムWPによって
入射光を比較的小さい角度でP偏光とS偏光に分け、1
つの基板Bに並列して設けられた2個のフォトディテク
タPh、Phによりそれぞれの成分を同時に検出するよ
うにしている。
は、異方性の結晶で構成しなければならないため、高価
になる問題点がある。
体により構成されたホログラフィック偏光ビームスプリ
ッタの場合も、ホログラムの厚さ、その屈折率変調を大
きくすることにより、P偏光とS偏光の分離角はある程
度は小さくできるが、ホログラムの厚さを100μm、
屈折率変調を0.03としても、高々40°程度でそれ
より小さくすることは困難である。
ムの貼り合わせ面に設けたホログラフィック偏光ビーム
スプリッタの場合も、P偏光とS偏光の分離角を小さく
することは困難である。
たものであり、その目的は、ホログラムを用いた偏光ビ
ームスプリッタにおいて、P偏光とS偏光の分離角、分
離間隔を小さくする光学的構成を提供することである。
明のホログラフィック偏光ビームスプリッタは、直交す
る2つの偏光成分であるP偏光成分とS偏光成分が混合
した光束を所定割合でP偏光成分とS偏光成分に分離す
る偏光ビームスプリッタとして、厚みを有する板状透明
記録材料中に屈折率変調により記録された干渉縞を有す
る反射型ホログラムを備えてなり、該ホログラムの透過
成分と1次回折成分との成す角度を縮小させるか、前記
両成分間の間隔を短くするように、前記透過成分が射出
する位置に光路を曲げる反射面が設けられてなり、前記
反射面と前記ホログラムとの間に透明体が配置されてお
り、かつ、前記ホログラムの入射側に透明体が密着して
設置されてなるものである。
ーフホログラムを含む。その場合、屈折率変調は、透明
記録材料と空気の屈折率差の2分の1となる。
を構成するホログラムの透過成分と1次回折成分との成
す角度を縮小させるか、両成分間の間隔を短くするよう
に、両成分の何れか一方又は両方の成分が射出する位置
に光路を曲げる光学素子が設けられてなるので、分離さ
れたP偏光とS偏光の分離角又は分離間隔を小さくで
き、分離されたP偏光とS偏光を例えば1つの基板に設
けられた2個のフォトディテクタにより検出できるよう
にすることができる。そのため、偏光ビームスプリッタ
を用いる装置全体の小型化を実現することができる。
スプリッタの原理といくつかの実施例について、図面を
参照にして説明する。詳細な説明の前に、用語の定義を
行う。本発明において、「反射型ホログラム」とは、体
積ホログラムにより1次回折光がホログラムの入射側に
回折され、このホログラムにより回折されない透過光が
その反対側に出るものを意味し、「透過型ホログラム」
とは、体積ホログラムにより1次回折光がホログラムの
入射とは反対側に回折され、このホログラムにより回折
されない透過光が同じ入射とは反対側に出るものを意味
する。
のは、透過型ホログラム単体によるホログラフィック偏
光ビームスプリッタであり、その構成は上記出願の明細
書に記載されている通りのもので、直交する2つの偏光
成分であるP偏光成分とS偏光成分が混合した光束を所
定割合でP偏光成分とS偏光成分に分離する偏光ビーム
スプリッタにおいて、厚みを有する板状透明記録材料中
に屈折率変調により記録された干渉縞を有する透過型ホ
ログラムからなり、この板状透明記録材料に入射する光
束の中、P偏光成分とS偏光成分の何れか一方の所定割
合部分を0次光として透過し、他方の所定割合部分を1
次光として回折することにより所定割合でP偏光成分と
S偏光成分を分離するように前記の干渉縞が設定されて
いることを特徴とするものであり、特に、屈折率変調を
Δn、干渉縞の記録されている有効膜厚をd、干渉縞の
法線のホログラムの法線に対する角度をφ、入射光の波
長をλ、ホログラムの法線に対して入射光のなすホログ
ラム内部での角度をθ、干渉縞により回折された1次光
のホログラム内部でのホログラムの法線に対する角度を
θS とする場合に、α=Δnd/λ及びθ、θS 、φの
4変数が以下の3つの方程式を満たし、 Θ2 +(2AB+B2 −1)Θ+A2 =0 ・・・(a) 又は A2 +2BΘA+{Θ2 +(B2 −1)Θ}=0 ・・・ (a') ただし、判別式として、 sinθ sinθS =−A−B ・・・ (a") φ−θ=( cos-1B)/2 ・・・(b) 2φ=θ+θS ±π ・・・(c) ここで、Θ=cos2θ, A=(α/rS )2 , B=rP /rS , rS =εS +iS , rP =εP +iP , εS は0≦εS <1かつεS ={ sin-1(ηS 1/2 )}
/πなる実数, εP は0≦εP <1かつεP ={ sin-1(ηP 1/2 )}
/πなる実数, iS はiS ≧0なる任意の整数, iP は−iS −(εS +εP )≦iP ≦iS +(εS −
εP )なる任意の整数, ηS はS偏光の回折1次光の回折効率, ηP はP偏光の回折1次光の回折効率, かつ、透明記録材料の平均屈折率nを用いた θn = sin-1(1/n),0<θn <π/2 なるθn により表される以下の条件式を満たし、 −θn <θ<θn すなわち1−1/n2 <Θ≦1、又は
−θn <θS <θn かつ、上記の整数iS 、iP により離散的に拘束される
光学条件を満たすものである。
ビームスプリッタを例示する。ホログラム感光材料とし
て、フォトポリマー(デュポン社 オムニデックス35
2)の平均屈折率n=1.52、屈折率変調Δn=0.
03で、膜厚d=33μmを用い、露光光源として、波
長λ=0.514μm、5Wアルゴンレーザ(スペクト
ラフィジクス社製 モデルSP2020−05S)を用
いて、図11の配置により、ホログラム撮影を行った。
すなわち、平行光を用いて、空気中の参照光入射角3
0.0°(感光材料中で19.2°)、物体光の入射角
−30.0°(感光材料中で−19.2°)で感光材料
に照射した。そして、回折効率は上記のように撮影した
ホログラムに対して、30.0°の入射角でそれぞれS
偏光、P偏光の入射光(再生光)を照射し、1次光ある
いは0次光と入射光の強度を測定し、それらの比を求め
た。その結果、S偏光の0次光は0.93(1次光は約
0.07)、P偏光の1次光は0.89となり、図12
に示したような透過型ホログラフィック偏光ビームスプ
リッタが得られた。
のような偏光ビームスプリッタに適する条件を説明す
る。反射型ホログラムが偏光ビームスプリッタに適する
条件は公知であり、それを説明する。
生の際の1次回折光の回折効率ηは、図14の記号を用
いて、コーゲルニクの式(H.Kogelnik"Coupled Wave Th
eoryfor Thick Hologram Gratings"Bell Syst. Tech.,
J.48,2909(1969) )より、 η=tanh2 (ν) (1) と近似され、このとき、添字がS偏光、P偏光に対応す
るとして、 νS =(πΔnd)/{λ( cosθ| cosθS |)1/2 } (2) νP =νS cos{2(φ−θ)} (3) である。このとき、0次透過光の効率は(1−η)であ
る。
間では単調増加であり、また、その曲線は原点を中心と
して回転対称であるので、|x1 |≦|x2 |なる実数
に対して、 tanh2(X1)≦tanh2(X2) (4) となる。ここで、(3)式より、|νP |≦|νS |な
ので、(1)、(4)式より、 ηP ≦ηS (5) が常に成り立つ。
件は、例えば、何れか一方の偏光の1次回折光が100
%、他方の偏光の0次透過光が100%である場合、
(5)式より、前者(1次回折光)がS偏光、後者(0
次透過光)がP偏光に必ずなる。このとき、ηP =0、
νP =0、及び、ηS =1、νS ≠0なので、(3)式
より、 cos{2(φ−θ)}=0 φ−θ=±45°、±135°等 (6) が求まる。(6)式は、1つの状態を表し、それはφと
θのなす角度が45°、すなわち、入射光の方向とホロ
グラムの干渉縞の垂線とのなす角度か45°である。そ
して、設計上、P偏光の0次透過光の効率が100%よ
り多少低くする場合も、この角度が45°の近くで変化
するのみである。
ホログラムを例示する。ホログラム感光材料として、フ
ォトポリマー(デュポン社 オムニデックス352)の
平均屈折率n=1.52、屈折率変調Δn=0.03
で、膜厚d=20μmを用い、この感光材料を図13に
示すように2つの直角プリズム(Bk7、屈折率=1.
52)で挟み、露光光源として、波長λ=0.514μ
m、5Wのアルゴンレーザ(スペクラフィジック社製、
モデルSP2020−05S)を用いて、図13の配置
により、ホログラム撮影を行った。すなわち、平行光を
用いて、直角プリズムの端面より垂直に入射させて、感
光材料中の参照光入射角45.0°、物体光の感光材料
中での入射角−45.0°で感光材料に照射した。これ
は、感光材料中での入射角45°のときにブラッグ条件
となる干渉縞を記録する条件である。このときの回折効
率の理論値は、ηS =1.000、ηP =0(0次透過
光が1─ηP =1)である。
型ホログラム及び反射型ホログラムを用いた偏光ビーム
スプリッタを用いて、P偏光とS偏光の分離角を小さく
する光学的構成の実施例について説明する。
合の実施例を示す。図1の場合は、P偏光とS偏光を分
離する透過型ホログラム10の射出側に透明基板11を
介して別の体積型又はレリーフ型のホログラム12を配
置してなるもので、ホログラム12は、ホログラム10
によって分離されたS偏光とP偏光相互の角度θ1 をそ
れより小さい角度θ2 に縮小する作用、例えば、正レン
ズ作用を持つもの、プリズム作用を有するものである。
正レンズ作用を持つものを用いる場合は、その集光作用
も同時に得られ、例えばS偏光とP偏光をフォトディテ
クタ上に集光させることができる。なお、基板11は省
いて密着又はその位置を空間としてもよい。
らなるホログラフィック偏光ビームスプリッタの射出側
に集光性ないしプリズム作用を有するホログラム12を
配置することにより、P偏光とS偏光の分離角を小さく
して、分離されたP偏光とS偏光を例えば1つの基板に
設けられた2個のフォトディテクタにより検出できるよ
うにすることができる。この場合は、ホログラム12の
特性を適当に設定することにより、角度θ2 を任意に調
節できる。
代わりに、S偏光とP偏光をそれぞれ逆に屈折する屈折
プリズム13を配置した例であり、ホログラム10によ
って分離されたS偏光とP偏光相互の角度θ1 を屈折プ
リズム13によってそれより小さい角度θ2 に縮小する
ことができる。この場合は、屈折プリズム13の頂角、
屈折率を適当に設定することにより、角度θ2 を任意に
調節できる。なお、基板11は省いて密着又はその位置
を空間としてもよい。この場合も、P偏光とS偏光の分
離角を小さくして、分離されたP偏光とS偏光を例えば
1つの基板に設けられた2個のフォトディテクタにより
検出できるようにすることができる。
合の具体的な数値例を示すものであり、ホログラム10
としては、前記したように、平均屈折率n=1.52、
屈折率変調Δn=0.03、膜厚d=33μmのもの
で、波長λ=0.514μmで、30.0°の入射角で
0次光がS偏光(効率0.93)、1次光がP偏光(効
率0.89)のものであり、屈折プリズム13として、
光学ガラス(Bk7、屈折率1.52)の直角プリズム
をホログラム10の射出側に貼り付けて、P偏光とS偏
光の分離角を60°から7.2°に低減したものであ
る。
代わりに、正レンズ14を配置した例であり、ホログラ
ム10によって分離されたS偏光とP偏光相互の角度θ
1 を正レンズ14によってそれより小さい角度θ2 に縮
小することができる。この場合は、正レンズ14の焦点
距離、ホログラム10との間隔を適当に設定することに
より、角度θ2 を任意に調節できる。この場合、正レン
ズ14の集光作用も同時に得られ、例えばS偏光とP偏
BR>光をフォトディテクタ上に集光させることができ
る。なお、基板11は省いて密着又はその位置を空間と
してもよい。
代わりに、反射ブロック15を配置した例であり、ホロ
グラム10によって分離されたS偏光とP偏光は反射ブ
ロック15の側面16、16で反射され、それら相互の
角度θ1 がそれより小さい角度θ2 に縮小することがで
きる。側面16、16での反射は、その全反射又はその
面に設けたミラーにより得られる。この場合は、反射ブ
ロック15の側面16の角度を設定することにより、角
度θ2 を任意に調節できる。この場合も、基板11は省
いて密着又はその位置を空間としてもよい。
に、分離されたS偏光又はP偏光の一方を曲げる例えば
屈折率分布レンズ17を配置した例であり、ホログラム
10によって分離されたS偏光とP偏光の一方は屈折率
分布レンズ17で他方側に曲げられ、それら相互の角度
θ1 がそれより小さい角度θ2 に縮小することができ
る。この場合は、屈折率分布レンズ17の屈折率分布、
寸法を適当に設定することにより、角度θ2 を任意に調
節できる。この場合も、基板11は省いて密着又はその
位置を空間としてもよい。
光の偏光をそれぞれS偏光、P偏光からP偏光、S偏光
にすることも、ホログラム10の設計変更によって可能
である。
射型ホログラムを用いた偏光ビームスプリッタを用い
て、P偏光とS偏光の分離角を小さくしたり、その分離
距離を近付ける光学的構成の実施例について、図7〜図
10を参照にして説明する。
ムスプリッタでは、例えば図15に示したように、ホロ
グラムHの透過光の射出側にもプリズムP2を設けて、
0次透過光が直進するようになっている。これに対し、
図7に示した各実施例においては、反射型ホログラム2
0の射出側に反射面21を用いて、0次透過光(P偏
光)を1次回折光(S偏光)の方向に近づけるものであ
る。
面に対して平行な反射型ホログラム20の入射側に従来
のホログラフィック偏光ビームスプリッタと同様、直角
プリズム22を貼り付けて入射光の入射を容易にし、反
射型ホログラム20の射出側に反射面21を設けてい
る。反射面21は、ホログラム20媒質自体の全反射面
であっても、すなわち、平滑面だけで何らの手段を設け
なくとも、また、金属反射層や別の反射型ホログラムを
設けたものであってもよい。この例の場合は、P偏光と
S偏光の分離角は0°であるが、その間の間隔は、反射
型ホログラム20の厚さで決まる微小間隔になり、例え
ばその後に配置した単一基板上の2つのフォトディテク
タで同時に検知できるよになり、フォトディテクタを直
角プリズム22の射出面に近づけるか一体化して、装置
全体の小型化を実現することができる。また、従来の反
射型ホログラフィック偏光ビームスプリッタの射出側の
プリズムP2を省けるため、低コスト化にもなる。
面に対して傾いていて入射光がホログラム20に対し垂
直に近い場合に、反射型ホログラム20の入射側に、図
示のような屈折プリズム23を貼り付け、P偏光とS偏
光の分離角をある程度確保するようにしている。また、
図7(c)の場合は、同様に入射光がホログラム20に
対し垂直に近い場合であり、反射型ホログラム20の入
射位置には何らプリズムを設けず、反射0次光と回折1
次光の出る位置にのみ屈折プリズム24を貼り付け、P
偏光とS偏光の分離角をある程度確保するようにしてい
る。ただし、入射時の表面反射を少なくするためには、
図7(b)のように、プリズム23を用いて垂直に入射
させるようにすることが望ましい。
0と反射面21の間に、分離後の2つの光線の位置関係
(分離角や間隔)を調節するために、屈折率がホログラ
ム20の平均屈折率に比較的近いガラス等の透明体2
5、26を密着して設置する例である。図8(a)の場
合は、この透明体として平行平面板25を配置した例
で、その厚みを調節することにより、P偏光とS偏光の
間隔が調節される。同図(b)の場合は、この透明体と
して非平行平面板26を配置した例で、その両面間の角
度と厚みを調節することにより、P偏光とS偏光の分離
角と間隔の両方が調節できる。例えば、図7(b)の場
合は、分離してプリズム23を射出した2つの光線は離
れる一方であるが、このように調節後の図8(b)で
は、射出後の2つの光線は相互に近づく位置も存在す
る。その位置に各光線を検知する単一基板上に設けた2
つのフォトディテクタを設置すれば、フォトディテクタ
とプリズム23の距離も近づけることができ、一体化も
可能で、装置全体の小型化が実現できる。
が反射型ホログラム20を0次光として透過し、反射面
21で反射して、再び反射型ホログラム20に入射する
ものであった。図7(a)のように、干渉縞がホログラ
ム表面に対して平行な場合、上下対称のため2度の入射
を共にブラッグ条件とすることが可能であるが、図7
(b)の干渉縞が傾いている場合には、2度の入射の条
件は異なり、回折効率も異なることになる。そして、2
度目の入射時の回折効率の影響により、0次透過光であ
るP偏光の射出の光量を減少させることになり得る。そ
の回避手段として、2度目の入射の角度をブラッグ条
件から大きく外すことにより、その偏光の回折効率を0
%に近付ける、0次透過光を反射型ホログラム20に
2度と入射させない、等が考えられる。図8(c)の場
合は、図8(b)の非平行平面板26の両面間の角度と
厚みを調節することにより、0次透過光であるP偏光が
反射型ホログラム20に再度入射しないで、非平行平面
板26の側面から出るようにした例である。
な数値例を示すものであり、反射型ホログラム20とし
ては、前記したように、平均屈折率n=1.52、屈折
率変調Δn=0.03、膜厚d=20μmのもので、再
生時に波長λ=0.514μm、感光材料中での入射角
度=45°のときにブラッグ条件となる干渉縞を記録し
たものを用いている。平行平面板25及び直角プリズム
22として、屈折率=1.52のBk7のガラスを用
い、厚さ1.5mmの平板ガラス25及び断面形状が直
角二等辺三角形のプリズム22を作製し、図9に示すよ
うなホログラム偏光ビームスプリッタを作製した。
8mW、強度の13.5%におけるビーム直径=約1.
6mmのアルゴンレーザ(スペクトラフィジック社製、
モデルSP2020−05S)のS偏光又はP偏光の2
通りの向きで、プリズム22の入射面から垂直に入射し
た。その際の効率(=射出光量/入射光量)は、S偏
光、P偏光共に0.98以上であった。ただし、その射
出位置は異なり、位置関係は、図9に示す通り、その間
隔は約2.0mmであった。ガラス厚1.5mm×2
1/2 倍=約2.1mmに一致する。この結果及び目視の
結果から、P偏光はホログラム20を0次透過光として
透過し、平板ガラス25の裏面の空気との界面で全反射
していると言える。
ームスプリッタを用いる一般の光学系において、別の機
能をもつ光学素子と組み合わせて使用することが少なく
ない。例えば、偏光を回転する2分の1波長板、分離後
の2光線を近づけるプリズムあるいは集光レンズ、光量
を測るフォトディテクタ、光線がフォトディテクタのセ
ンサからはみ出さないようにビーム径を絞る集光レンズ
等があげられる。これらを偏光ビームスプリッタと密着
するか、又は、透明体の表面形状としてこれらの光学機
能を付加することにより、装置全体の小型化を実現する
ことができる。図10はそれらの例を示すもので、図1
0(a)の場合は、分離されたP偏光とS偏光をそれぞ
れ集光して近付ける正レンズ34を直角プリズム22又
は屈折プリズム23の射出面に一体に貼り付けた例を示
し、図10(b)の場合は、分離されたP偏光とS偏光
を相互に近付ける屈折プリズム33を直角プリズム22
又は屈折プリズム23の射出面に一体に設けた例を示
し、図10(c)の場合は、直角プリズム22又は屈折
プリズム23の射出面に、1つの基板に2個のフォトデ
ィテクタPh、Phを並列して設けてなる光検出器32
を一体に貼り付けた例を示す。図10(a)〜(c)に
おいて、符号35は、プリズム22又は23の入射面に
一体に設けられた2分の1波長板を示している。なお、
これらの光学素子は、図示のように、2つ以上を組み合
わせることも可能である。また、この点は、図1〜図6
の透過型ホログラム10を用いるホログラフィック偏光
ビームスプリッタの場合も同様に適用できる。
ムスプリッタを実施例に基づいて説明してきたが、本発
明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能であ
る。
のホログラフィック偏光ビームスプリッタによると、偏
光ビームスプリッタ本体を構成するホログラムの透過成
分と1次回折成分との成す角度を縮小させるか、両成分
間の間隔を短くするように、両成分の何れか一方又は両
方の成分が射出する位置に光路を曲げる光学素子が設け
られてなるので、分離されたP偏光とS偏光の分離角又
は分離間隔を小さくでき、分離されたP偏光とS偏光を
例えば1つの基板に設けられた2個のフォトディテクタ
により検出できるようにすることができる。そのため、
偏光ビームスプリッタを用いる装置全体の小型化を実現
することができる。
スプリッタの1例の光路図である。
ある。
ある。
ある。
ある。
ある。
スプリッタの基本形態の光路図である。
タの変形形態の光路図である。
の図である。
を示すための図である。
リッタの撮影の配置を示す図である。
フィック偏光ビームスプリッタを示す図である。
撮影の配置を示す図である。
縞の向きを示す記号を示す図である。
タを示す図である。
す図である。
出光学系を示す図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 直交する2つの偏光成分であるP偏光成
分とS偏光成分が混合した光束を所定割合でP偏光成分
とS偏光成分に分離する偏光ビームスプリッタとして、
厚みを有する板状透明記録材料中に屈折率変調により記
録された干渉縞を有する反射型ホログラムを備えてな
り、該ホログラムの透過成分と1次回折成分との成す角
度を縮小させるか、前記両成分間の間隔を短くするよう
に、前記透過成分が射出する位置に光路を曲げる反射面
が設けられてなり、前記反射面と前記ホログラムとの間
に透明体が配置されており、かつ、前記ホログラムの入
射側に透明体が密着して設置されてなるホログラフィッ
ク偏光ビームスプリッタ。 - 【請求項2】 前記反射面が屈折率差による全反射面で
あることを特徴とする請求項1記載のホログラフィック
偏光ビームスプリッタ。 - 【請求項3】 前記反射面が金属反射層であることを特
徴とする請求項1記載のホログラフィック偏光ビームス
プリッタ。 - 【請求項4】 前記反射面が別の反射型ホログラムであ
ることを特徴とする請求項1記載のホログラフィック偏
光ビームスプリッタ。 - 【請求項5】 前記反射面による0次透過光の反射光が
前記ホログラムに再び入射するように構成され、前記ホ
ログラムのこの再入射の角度がブラッグ条件から大きく
外れていることを特徴とする請求項1記載のホログラフ
ィック偏光ビームスプリッタ。 - 【請求項6】 前記の再入射の角度が、該再入射による
前記ホログラムの1次回折効率が20%以下となる角度
であることを特徴とする請求項5記載のホログラフィッ
ク偏光ビームスプリッタ。 - 【請求項7】 前記反射面による0次透過光の反射光が
前記ホログラムに再び入射しないように構成されている
ことを特徴とする請求項1記載のホログラフィック偏光
ビームスプリッタ。 - 【請求項8】 入射光の入射位置、又は、1次回折光又
は前記反射面により反射された0次透過光が射出する位
置の中の少なくとも一箇所に、少なくとも1つの第3の
光学素子を密着させて設置されていることを特徴とする
請求項1記載のホログラフィック偏光ビームスプリッ
タ。 - 【請求項9】 前記の第3の光学素子が偏光回転手段で
あることを特徴とする請求項8記載のホログラフィック
偏光ビームスプリッタ。 - 【請求項10】 前記の第3の光学素子が偏向手段であ
ることを特徴とする請求項8記載のホログラフィック偏
光ビームスプリッタ。 - 【請求項11】 前記の第3の光学素子が集光手段であ
ることを特徴とする請求項8記載のホログラフィック偏
光ビームスプリッタ。 - 【請求項12】 前記の第3の光学素子が光検知手段で
あることを特徴とする請求項8記載のホログラフィック
偏光ビームスプリッタ。
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Publication Number | Publication Date |
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