JP3469354B2 - 往復動式内燃機関 - Google Patents

往復動式内燃機関

Info

Publication number
JP3469354B2
JP3469354B2 JP12425495A JP12425495A JP3469354B2 JP 3469354 B2 JP3469354 B2 JP 3469354B2 JP 12425495 A JP12425495 A JP 12425495A JP 12425495 A JP12425495 A JP 12425495A JP 3469354 B2 JP3469354 B2 JP 3469354B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pin
piston
oil
connecting rod
cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP12425495A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08296420A (ja
Inventor
哲人 小野寺
一夫 宮澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Motor Co Ltd filed Critical Yamaha Motor Co Ltd
Priority to JP12425495A priority Critical patent/JP3469354B2/ja
Priority to US08/637,218 priority patent/US5694829A/en
Priority to DE69613625T priority patent/DE69613625T2/de
Priority to EP96106571A priority patent/EP0740062B1/en
Publication of JPH08296420A publication Critical patent/JPH08296420A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3469354B2 publication Critical patent/JP3469354B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
  • Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、オイルによりエンジ
ンを潤滑する往復動式内燃機関に関するものである。 【0002】 【従来の技術】往復動式内燃機関には、シリンダヘッ
ド、シリンダボディ及びピストンにより燃焼室を形成
し、この燃焼室内に発生する燃焼圧をピストンで受け、
この燃焼圧をピストンの長手方向の中程の両側に設けた
ピンボス部からピストンピンヘ、さらにコンロッドの小
端及び大端を経てクランク室に配置されたクランク軸に
回転力として伝達するようにしたものがある。ピストン
の上昇によりクランク室内に吸引された空気がピストン
の下降に伴って一次圧縮され、また下降に伴って燃焼室
の燃焼ガスが排出されて一次圧縮された空気が燃焼室内
に導入される。このような往復動式内燃機関では、オイ
ルポンプによりオイルタンクからオイルを吸い上げクラ
ンク室に配置されたクランク軸のジャーナル部を支持す
るシリンダあるいはクランクケース側の軸受部にオイル
を供給するとともに、クランク軸のジャーナルに斜めに
貫通するオイル通路を設け、このオイル通路からピスト
ンに連結されたコンロッドの大端に連通する分岐通路を
設けて大端を潤滑するものがあり、大端を潤滑した後の
オイルは適当にクランク室内に飛び散っていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】このように、コンロッ
ドの大端の潤滑が行なわれ、クランク室の底部に溜った
オイルはチェック弁を通ってリード弁上流の吸気管へ戻
され、コンロッドのピストンピンに連結した小端やピス
トンピン側の潤滑が充分でない。また、運転時熱膨張に
よりピンボス部が変形し、その内径は極部面圧が高くな
り摩耗する場合があり、一部のピストンでは対策として
ピンボス部の内径にアルマイト等の処理を施すものもあ
るが、熱負荷の過酷な場合、摩耗対策として不十分であ
る。 【0004】この発明は、かかる点に鑑みてなされたも
ので、熱変形の影響を球面軸受により補正して正常に機
能させ、しかもピンボス部の内部の摩耗を防止する往復
動式内燃機関を提供することを目的としている。 【0005】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決し、かつ
目的を達成するために、請求項1記載の発明は、シリン
ダヘッド、シリンダボディ及びピストンにより燃焼室を
形成し、この燃焼室内に発生する燃焼圧をピストンで受
け、この燃焼圧をピストンの長手方向の中程の両側に設
けたピンボス部からサークリップにより抜け止めされた
ピストンピンヘ、さらにコンロッドの小端及び大端を経
てクランク室に配置されたクランク軸に回転力として伝
達するようにした往復動式内燃機関において、前記ピス
トンピンが球面軸受を介して挿通されるピン挿通孔を前
記ピンボス部に形成し、前記球面軸受は、外面が球面状
で略中央部に前記ピストンピンが挿入されるピン孔を有
し、それぞれ前記ピンボス部の前記ピン挿通孔に摺動自
在に支持され、前記ピン挿通孔に、ピストンピンの軸方
の両方向に前記球面軸受を支持する部分と、前記サー
クリップを保持する部分と、前記球面軸受を挿入するた
めにピストンピンの軸方向に設けた凹部からなる逃げ部
が形成されてなることを特徴としている。 【0006】 【0007】 【0008】 【0009】 【0010】 【作用】請求項1記載の発明では、ピンボス部の内部に
ピストンピンが挿入されるピン孔を設けた球面軸受を、
それぞれピンボス部のピン挿通孔に摺動自在に支持さ
せ、熱変形の影響を球面軸受により補正して正常に機能
させ、しかもピンボス部の内部の摩耗を防止する。 【0011】 【0012】 【0013】 【0014】 【0015】 【実施例】以下、この発明の往復動式内燃機関の実施例
を図面に基づいて説明する。このこの発明の往復動式内
燃機関の実施の形態は、図10乃至図14に示してお
り、図1乃至図9及び図15はこの実施の形態を説明す
るための参考図である。図1は往復動式内燃機関の断面
図、図2はピストンとクランク軸とを連結するコンロッ
ドを示す図、図3は潤滑系統を示す図、図4はピストン
ピン側の潤滑を示す図、図5はオイルの飛散タイミング
を示す図である。 【0016】往復動式内燃機関1は、クランク室圧縮式
2サイクル3気筒ディーゼルエンジンであり、この往復
動式内燃機関1は、クランクケース2上にシリンダボデ
ィ3、シリンダヘッド4を重ねて締結している。シリン
ダボディ3のシリンダボア3a内に摺動自在に挿入され
たピストン5は、コンロッド6を介してクランクケース
2内のクランク軸7に連結した構造となっている。 【0017】シリンダヘッド4は下へッド8と上ヘッド
9との2分割構造になっている。両者の境界部分に副燃
焼室10aが形成されており、この副燃焼室10aは小
径の通路8aによってシリンダボア3aの燃焼室10b
に連通している。副燃焼室10aには、始動点火用のグ
ロープラグ11及び燃料噴射弁12の各先端部が臨んで
いる。 【0018】クランクケース2とシリンダボディ3によ
ってクランク室2aが形成され、シリンダボディ3には
クランク室2aに連通する吸気開口3bが形成されてい
る。吸気開口3bには吸気管13が接続されている。吸
気開口3bには、クランク室2aの吸気を可能とすると
ともに、逆流を防止しクランク室2aでの新気の1次圧
縮を可能とするためのリード弁14が配置されている。 【0019】シリンダボディ3の高さ方向略中央には、
前後方向に2つの第1掃気口15a,15a及び1つの
第2掃気口(図示せず)が形成されており、それぞれ図
示しない掃気通路を介してクランク室2aに連通してい
る。シリンダボディ3の上部には第2掃気口と対向して
主排気口16aが形成され、主排気口16aはこれに連
なる主排気通路16bでシリンダ外壁に導出されてい
る。主排気口16aのシリンダボア軸線方向やや上側に
は一対の副排気口17a,17aがシリンダボア3aの
周方向に間隔を開けて形成されている。副排気口17a
に連なる各副排気通路17bはその下流側で主排気通路
16bに合流し、排気管18を介して排気される。 【0020】燃焼室10bから排気を導く排気通路の途
中である副排気通路17bに、この副排気通路17bと
交差し且つ少なくとも副排気通路17bの一部を貫通
し、排気通路断面積を可変且つ全閉可能とする排気弁1
9を配置し、この排気弁19を駆動装置21で駆動する
ようになっている。 【0021】次に、コンロッド6の軸受部の潤滑につい
て、図2から図5に基づいて説明する。コンロッド6の
小端6aは、図2に示すように軸受30を介してピスト
ンピン31に設けられ、ピストンピン31はピストン5
の一対のピンボス部5aに挿通されている。コンロッド
6の大端6bは軸受32を介してクランクピン33に設
けられ、クランクピン33はクランク軸7に設けられて
いる。クランク軸7内にはジャーナル軸受部39内のオ
イル溜まり空間と連通するクランクウェブ端面7aから
軸受32に連通するオイル通路34,35が形成され、
コンロッド6の大端6bと軸受32にオイルを導いて潤
滑するようになっている。 【0022】往復動式内燃機関1にはECU200が備
えられ、ECU200はエンジン回転数と負荷情報に基
づきオイルポンプ201の駆動を制御する。オイルポン
プ201の駆動でオイルがオイルタンク202からオイ
ルフィルタ203を介してオイルポンプ201に導かれ
る。オイルポンプ201の駆動でオイルは、オイル分配
管204を介して第1気筒クランクジャーナル部501
aと第1気筒シリンダ内壁吐出口部501bと、第2気
筒クランクジャーナル部502aと第2気筒シリンダ内
壁吐出口部502bと、第3気筒クランクジャーナル部
503aと第3気筒シリンダ内壁吐出口部503bとへ
供給する。 【0023】第1気筒クランクジャーナル部501aに
導かれたオイルは、オイル通路300からジャーナル軸
受部39へ導入される。ジャーナル軸受部39は、アウ
タケージ39aとニードル39bから構成され、ジャー
ナル軸受部39は、シール体301でシールされてい
る。オイル通路300からジャーナル軸受部39へ導入
されるオイルは、アウタケージ39aのオイル孔39c
からニードル39bに導かれて潤滑し、クランクウェブ
端面7aに形成されるリング状のオイル溝7bに導かれ
る。さらに、オイルは、リング状のオイル溝7bからク
ランクピン33に形成されたオイル通路34,35に導
かれる。即ち、ジャーナル軸受部39のアウターケージ
39aの端部はオイル溝7bの中に少し突出しており、
アウターケージ39aの外周とオイル溝7bの大径側内
周との間の隙間が小さいことにより、この隙問を通過し
て直接クランク室2a内に噴出するオイルはほとんどな
い。ジャーナル軸受部39に供給されるオイルのほとん
ど全ては、クランク軸7内のオイル通路34,35から
クランクピン33の外周部に送られる。 【0024】第1気筒シリンダ内壁吐出口部501bに
供給されたオイルは、図1にて、ピストン5が下死点に
ある時、第1ピストンリング310の下方に位置する第
2ピストンリング311近傍となる部分のシリンダ内壁
に吐出口から吐出される。 【0025】第2気筒クランクジャーナル部502aと
第2気筒シリンダ内壁吐出口部502bへのオイルの供
給も同様に構成され、さらに第3気筒クランクジャーナ
ル部503aと第3気筒シリンダ内壁吐出口部503b
へのオイルの供給も同様に構成される。 【0026】クランクピン33の外周部とコンロッド大
端6b内周の間、軸受32が配置され、軸受32はニー
ドル32aと保持器32bから構成されている。特に、
保持器32bにより離間されるニードル32aと、ニー
ドル32aの間の空間32cにオイルが導かれ、さらに
オイル溜り溝6c、オイル孔入口6fから一本のオイル
孔6eを介して表面開口6dに導かれる。 【0027】コンロッド6の大端6bには、内周面の小
端側にオイル溜り溝6cが形成され、このコンロッド6
の大端6bのオイル溜り溝6cからコンロッド6の表面
開口6dヘのオイル孔6eが形成され、表面開口6dは
コンロッド6の小端6aと大端6bのそれぞれ中心を結
ぶ線L1の、ピストン5が下死点から上死点ヘの上昇行
程中コンロッド6がシリンダ中心L2から変位する側に
配置されている。 【0028】クランクピン33の軸受側の側壁33aと
コンロッド大端6bの軸受孔端部6gとの間の最小隙間
(両側)を通ってオイルがクランク室2a内に噴出する
が、オイルの粘性により狭い隙間を通過しにくいため、
噴出は少ない。また、狭い隙間部の長さが長くなること
により最小隙間の総面積がオイル孔入口6fの面積とほ
ぼ等しいか、これより大きい場合でも、オイル孔入口6
fの面積より最小隙間の総面積をより小さく形成すれば
最小隙間を通過してクランク室2a内に噴出するオイル
量はほとんど0となる。 【0029】コンロッド6の大端6bのオイル溜り溝6
cには、図5に示すように、クランク軸7の回転を時計
方向とすると、ピストン7が下死点B.D.Cから上死
点T.D.Cヘの上昇行程中の中間点aから上死点T.
D.Cを僅かに過ぎるまでの期間にオイルがオイル溜り
溝6cに溜る。このコンロッド6の大端6bのオイル溜
り溝6cに溜るオイルは、クランク軸7の回転による遠
心力でオイル孔6eからコンロッド側面中央の表面開口
6dに導かれ、表面開口6dからコンロッド6の小端6
a及びピストン頂部裏側へ飛散して潤滑する。オイル飛
散放流101はコンロッド6の小端6aとピストンボス
5aの間の両側の隙間100にもふりかかる(図4)。 【0030】このオイルが飛散するタイミングbは、表
面開口6dの位置、表面開口6dの大きさ、あるいはク
ランク軸回転数等によって定まる。この実施例では表面
開口6dの大きさを、シリンダボア径のl/40〜1/
50にし、且つオイル孔6eはコンロッド6の中心から
アルファ=15゜〜45゜の角度でコンロッド大端6b
のクランクピン穴中心に向けて形成されている(図
2)。これにより、クランク軸7の回転で大端6bから
飛び散るオイルが確率的により多くすることができる。 【0031】また、次に、吸気開口3bの配置位置につ
いて説明する。図6の参考例では、クランク室2aへ逆
止弁であるリード弁14を介して吸気開口3bが連通し
ており、この連通位置をシリンダ中心L2を境にしてコ
ンロッド6側且つ、ピストン5が上昇行程中にある時の
コンロッド6の大端6bを指向して吸気開口3bが形成
されている。このように、吸気開口3bの連通位置がシ
リンダ中心L2を境にしてコンロッド6側且つ、ピスト
ン5が上昇行程中にある時の大端6bを指向しているた
め、吸気開口3bからの空気の流れと、クランク軸7の
回転により大端6bから飛び散るオイルが、より適確
に、かつ効果的にコンロッド6の小端6a及びピストン
頂部裏側へ飛散して潤滑する。 【0032】図7の参考例では、クランク室2aへ逆止
弁であるリード弁14を介して吸気開口3bを連通し、
この連通位置をシリンダ中心L2を境にして、反コンロ
ッド側とし、上死点T.D.Cに近い位置Xに設けてい
るが、例えば二点鎖線で示す下死点B.D.Cに近い位
置Y、または両者の中間位置Zに設けることができる。 【0033】このように、クランク室2aへリード弁1
4を介して吸気開口3bを連通し、この連通位置がシリ
ンダ中心L2を境にして、反コンロッド側となってお
り、この吸気開口3bからの空気の流れがクランク軸7
の回転方向に沿うため、大端6bから飛び散るオイルが
確率的によりコンロッド6の小端6a及びピストン頂部
裏側へ飛散して潤滑する。 【0034】コンロッド6に設けるオイル孔6eの別の
参考例を、図2、図8及び図9に基づいて説明する。コ
ンロッド6には2つのオイル孔6eが、図2におけるオ
イル孔6eと同様に、クランク軸方向からの投影図上、
コンロッド6の中心からα15゜〜45゜の角度でコン
ロッド6の大端6bのクランクピン穴中心に向けて形成
されている。このオイル孔6eの表面開口6dは、図8
及び図9(a),(b)に示すようにクランク軸方向に
離間してコンロッド6の両側に位置される。そして少な
くとも表面開口6dの一部は、コンロッド6のリブ6g
の外側に位置する。これにより、オイル飛散流101
は、コンロッド6の小端6aはピストンボス5aの間の
両側の隙間100により確実に降りかかることになり、
ピストンピン31まわりの潤滑がより確実に実施される
ことになる。なお、オイル孔6e及び表面開口6dは、
図9(a),(b)に示すように表側と裏側で位置を一
致させているが、図9(c)に示すように表側と裏側で
位置をずらして形成しても良い。 【0035】次に、この発明の実施例を、図10乃至図
14に基づいて説明する。図10はピストンの側面図、
図11は図10のXI−XI線に沿う断面図、図12は
図11のXII−XII線に沿う断面図、図13は図1
1のXIII−XIII線に沿う断面図である。 【0036】この実施例では、ピストン5のピンボス部
5aにピン挿通孔5bが形成され、このピン挿通孔5b
にピストンピン31が球面軸受40を介して挿通され、
サークリップ41によって抜け止めされている。ピン挿
通孔5bにはピストンピン31の軸方向に凹部からなる
逃げ部5cが形成されており、この逃げ部5cから球面
軸受40を挿入して組立てる。 【0037】運転時熱膨張によりピンボス部5aが変形
し、その内径は極部面圧が高くなり摩耗する場合があ
り、一部のピストンでは対策としてピンボス部5aの内
径にアルマイト等の処理を施すものもあるが、熱負荷の
過酷な場合、摩耗対策として不十分である。 【0038】この実施例では、ピストンピン31を球面
軸受40で軸支しているため、2サイクルディーゼルエ
ンジンのように熱負荷の大きいピストン5において熱変
形の影響を球面軸受40により補正し、ピンボス軸受の
機能を正常に保ち、ピンボス部5aの内径摩耗等の損傷
を防止することができる。また、ピストンピン31の変
形が少なくなるため、コンロッド6の小端6aの軸受の
寿命が向上する。さらに、ピストン5が球面軸受40で
フリーになるため、ピストン5とシリンダ壁面の摺動ロ
スが低減する。 【0039】なお、図11において、ピン挿通孔5bの
内径Aと、球面軸受40の内径Bとの間には、A>Bと
なるように設定する。これにより、コンロッド6とピス
トン5が相対的に変位しても、ピストンピン31がピン
孔5bと干渉し、互いに焼き着く問題は発生しない。こ
れにより、球面軸受40はピンボス軸受としての機能を
いつまでも正常に保つことができる。 【0040】図14はピストンの側面図である。この実
施例では、前記実施例と同様にピン孔5bには凹部から
なる逃げ部5cが形成されており、この逃げ部5cはピ
ストン軸方向に対して斜めに傾斜させて形成し、この
げ部5cから球面軸受40を挿入して組立てる。この実
施例では、シリンダ壁面からピストンピン31側にオイ
ルを導くことができる。 【0041】図15は、この発明が適用される2サイク
ル、クランクケース圧縮式、渦流室内燃料噴射式ディー
ゼルエンジンにおいて、ピストンピン31を直接ピンボ
ス部5aで支承する場合の参考例である。 【0042】従来の吸気通路に燃料が供給される2サイ
クルガソリンエンジンにおいては、クランク室内にて燃
料が気化し、ピストン5がクランク室側から冷却される
が、本渦流室内燃料噴射式ディーゼルエンジンにおいて
は、ピストン5がクランク室側から冷却されることがな
い。このためピストン5の温度が上昇し易く熱変形が大
きい。また、ディーゼルエンジンはガソリンエンジンに
比べ燃焼圧が高く、ピストン頂部に作用する燃焼圧が大
きい。このため、エンジン停止且つ冷機時真っ直ぐなピ
ン孔5bが運転中熱変形し、またピストン5の頂部に燃
焼圧が作用する一方、コンロッド6側からの反力が、ピ
ストンピン31を介してピンボス部5aに作用するた
め、やはりピン孔5bが運転中変形する。このため、本
渦流室内燃料噴射式ディーゼルエンジンにおいては、ピ
ストンピン31の端部におけるピストンピン31とピン
ボス部5aのピン孔5bとの接触面圧が大きくなり、ピ
ン孔5bが磨耗変形し長期の運転が困難となる問題があ
った。 【0043】この問題解決としてピストンピン31の端
部をテーパ状に外形寸法を小さくした第1のテーパ部3
1bを形成し、ピストンピン31に対して相対的にピン
孔5bが変形しても、ピストンピン31の端部の接触面
圧を小さくすることが考えられる。 【0044】これにより、ピストンピン31の端部の接
触面圧を下げることができ、ピン孔5bの磨耗変形を防
止することができる。 【0045】しかし、ピストンピン31の端面31aと
第1のテーパ部31bとの角部がピン孔5bと接触する
部分では、この角部を境にして接触面圧が0から急激に
変化することになる。第1のテーパ部31bの接触面圧
が許容値以下であったとしても、接触面圧が0から急激
に変化する箇所においては応力集中が発生し、極く部分
的に接触面圧が許容値を越えることとなる。このため、
第1のテーパ部31bの端部においてなおピン孔5bの
磨耗変形が発生し、この小さな磨耗変形が起点となり、
長期運転時において運転不能を来すピストン損傷が発生
することが考えられる。 【0046】図15におけるピストンピン31は、外形
23mm、全65.5mmで、両端部において端面31
aから20mmの範囲を外側テーパ(片側傾き1/10
00)状に加工されている。さらに、端面31aから5
mmの範囲は外側テーパ(片側傾き1/3000)状に
加工されている。すなわち、2段テーパ状に形成されて
いる。一方、ピン孔5bの上側はピストンピン31の抜
け止め用のサークリップ150から22mmである。こ
のため、エンジンが運転停止状態において、ピストンピ
ン31はピン孔5bの中央寄り2mmしかピン孔5bと
接触していない。運転中爆発圧力が作用すると、ピスト
ンピン31が中央部がコンロッド6により上向きに、両
端部がピン孔5bから下向きに荷重を受けて弾性変形
し、内側の長い方の第1のテーパ部31bでピン孔5b
と接触するようになり、接触面圧を下げることができ
る。且つこの第1のテーパ部31bの端部はさらに傾き
の大きいテーパ状に形成しているので、応力集中が緩和
される。なお、2段目の第2のテーパ部31dは半径8
00〜900の球面状に形成しても良い。また、2段目
の第2のテーパ部31dと端面31aとの角部は糸面取
り、即ちさらに0.5〜1mmの45゜の面取りを実施
するとなお良い。 【0047】なお、この発明はディーゼルエンジンのみ
ならずガソリンエンジンにも同様に適用できる。 【0048】 【発明の効果】前記したように、請求項1記載の発明
は、ピンボス部の内部にピストンピンが挿入されるピン
孔を設けた球面軸受を、それぞれピンボス部のピン挿通
孔に摺動自在に支持させ、熱変形の影響を球面軸受によ
り補正して正常に機能させ、しかもピンボス部の内部の
摩耗を防止することができる。 【0049】 【0050】 【0051】 【0052】
【図面の簡単な説明】 【図1】クランク室圧縮式2サイクルエンジンの断面図
である。 【図2】ピストンとクランク軸とを連結するコンロッド
を示す図である。 【図3】潤滑系統を示す図である。 【図4】ピストンピン側の潤滑を示す図である。 【図5】オイルの飛散タイミングを示す図である。 【図6】吸気通路の配置位置を示す図である。 【図7】吸気通路の配置位置の他の参考例を示す図であ
る。 【図8】ピストンピン側の潤滑を示す図である。 【図9】オイル孔及び表面開口の位置を示す図である。 【図10】この発明を説明するピストンの側面図であ
る。 【図11】図10のXI-XI線に沿う断面図である。 【図12】図11のXII-XII線に沿う断面図である。 【図13】図11のXIII-XIII線に沿う断面図である。 【図14】他の実施例のピストンの側面図である。 【図15】さらに他の参考例のピストンの側面図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01M 1/08 F01M 1/06 F01P 3/08 F16J 1/16 F02F 3/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】シリンダヘッド、シリンダボディ及びピス
    トンにより燃焼室を形成し、この燃焼室内に発生する燃
    焼圧をピストンで受け、この燃焼圧をピストンの長手方
    向の中程の両側に設けたピンボス部からサークリップに
    より抜け止めされたピストンピンヘ、さらにコンロッド
    の小端及び大端を経てクランク室に配置されたクランク
    軸に回転力として伝達するようにした往復動式内燃機関
    において、 前記ピストンピンが球面軸受を介して挿通されるピン挿
    通孔を前記ピンボス部に形成し、 前記球面軸受は、外面が球面状で略中央部に前記ピスト
    ンピンが挿入されるピン孔を有し、それぞれ前記ピンボ
    ス部の前記ピン挿通孔に摺動自在に支持され、 前記ピン挿通孔に、ピストンピンの軸方向の両方向に前
    記球面軸受を支持する部分と、前記サークリップを保持
    する部分と、前記球面軸受を挿入するためにピストンピ
    ンの軸方向に設けた凹部からなる逃げ部が形成されてな
    ることを特徴とする往復動式内燃機関。
JP12425495A 1995-04-25 1995-04-25 往復動式内燃機関 Expired - Fee Related JP3469354B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12425495A JP3469354B2 (ja) 1995-04-25 1995-04-25 往復動式内燃機関
US08/637,218 US5694829A (en) 1995-04-25 1996-04-24 Piston and piston pin arrangement for reciprocating machine
DE69613625T DE69613625T2 (de) 1995-04-25 1996-04-25 Brennkraftmaschine
EP96106571A EP0740062B1 (en) 1995-04-25 1996-04-25 Internal combustion engine

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12425495A JP3469354B2 (ja) 1995-04-25 1995-04-25 往復動式内燃機関

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08296420A JPH08296420A (ja) 1996-11-12
JP3469354B2 true JP3469354B2 (ja) 2003-11-25

Family

ID=14880784

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12425495A Expired - Fee Related JP3469354B2 (ja) 1995-04-25 1995-04-25 往復動式内燃機関

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3469354B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010084573A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Mazda Motor Corp クランク軸の潤滑装置
JP2011163146A (ja) * 2010-02-05 2011-08-25 Ntn Corp エンジンの潤滑装置
JP2015007395A (ja) * 2013-06-25 2015-01-15 トヨタ自動車株式会社 内燃機関のピストン
CN107806514A (zh) * 2017-11-29 2018-03-16 瑞安市创泰活塞制造有限公司 一种发动机活塞
CN108839804A (zh) * 2018-07-26 2018-11-20 大连理工大学 一种多功能飞机座椅
CN114251152B (zh) * 2020-09-22 2022-12-20 马勒汽车技术(中国)有限公司 内燃机的销连接副的润滑机构
CN115233386B (zh) * 2022-08-25 2024-01-30 浙江越隆缝制设备有限公司 一种用于刺绣机的免穿线夹线器

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08296420A (ja) 1996-11-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0381201B1 (en) 2-cycle engine with direct lubricating structure
US4945864A (en) Two cycle engine piston lubrication
JPH0330711B2 (ja)
US5511523A (en) Lubricating system for engine
US5836280A (en) Lubrication system for two cycle engine
WO2001006099A9 (en) Reduced volume scavenging system for two cycle engines
JP3469354B2 (ja) 往復動式内燃機関
US20050022775A1 (en) Crankcase scavenged internal combustion engine
US5174249A (en) Piston cooling device for internal combustion engine
EP0937920A1 (en) Bearing arrangement for a piston pin
EP0740062B1 (en) Internal combustion engine
US5915350A (en) Lubrication system for engine
JP3890857B2 (ja) ピストンの潤滑構造
JP2979007B2 (ja) 2サイクルエンジンの潤滑装置
EP0636773A1 (en) Cylinder head construction for an internal combustion engine
JP2001073733A (ja) 高圧燃料ポンプ駆動用カムの潤滑装置
JP3487534B2 (ja) エンジンの潤滑構造
JP2626337B2 (ja) 内燃機関の潤滑装置
JP3303076B2 (ja) 2サイクルエンジン
JPS5919771Y2 (ja) 2サイクルエンジンの潤滑装置
JP2522754Y2 (ja) ピストンと連接棒の連結構造
JPH01277612A (ja) 内燃機関の潤滑装置
JP3235746B2 (ja) 2サイクル筒内燃料噴射エンジンの潤滑構造及び潤滑方法
JPH0212250Y2 (ja)
JPH04241712A (ja) 2サイクルエンジンの潤滑装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees