JP3467781B2 - 揺動選別装置における穀粒分配装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】この発明は、揺動選別装置におけ
る穀粒分配装置に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】高い供給側から低い排出側への前後方向
に穀粒を流動させながら左右方向に斜め上下の往復動を
与えて混合粒を選別する多段の揺動選別板からなる揺動
選別装置において、揺動選別板の上記前後方向の供給側
端部における揺上側あるいは揺下側に供給口を夫れ夫れ
設け、分配樋からの穀粒を分配ケ−スの分配流路を経て
供給口から各揺動選別板に供給するにあたり、分配ケ−
スの一部の分配流路を揺動選別板の供給側端部から前後
方向外側に突出する突出分配ケ−ス部に構成し、上下方
向の複数の供給口を基準として、分配ケ−スの分配流路
が左右方向に配置して分配流路の傾斜をきつくして多段
の揺動選別板への穀粒流入の円滑化を図つているものが
ある。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来装置
にあつては、分配ケ−スの一部の分配流路を揺動選別板
の供給側端部から前後方向外側に突出する突出分配ケ−
ス部とそれ以外の突出しない部分とに構成されていて、
この分配ケ−スの多段の揺動選別板の側壁部分に取り付
けられる側は開口部に構成されている。従って、分配ケ
−スを揺動選別板の側壁に取り付けられた状態では、突
出分配ケ−ス部以外の開口部は揺動選別板の側壁で閉鎖
されるので問題はないが、多段の揺動選別板から突出状
態で取り付けられる突出分配ケ−ス部における揺動選別
板側の開口部を閉鎖する必要がある。この閉鎖にあた
り、従来装置にあつては、別個に独立して構成した閉鎖
板で閉鎖する構成であり、部品点数が多くなり、組立て
作業も複雑化するという欠点があつた。 【０００４】そこで、この発明は、分配ケ−スの突出分
配ケ−ス部における開口部の閉鎖を、揺動選別板の供給
側の側板を特殊に延長構成することにより、多段の揺動
選別板への穀粒の分配供給を円滑にしたものでありなが
ら、部品点数を少なくし、組立て作業の能率化を図ろう
とするものである。 【０００５】 【課題を解決するための手段】この発明は、このような
従来技術のもつ問題点を解決するために、次の技術的手
段を講じた。即ち、この発明は、左右方向に斜め上下の
往復動を与えて、高い供給側１６ａ（後部）から低い排
出側１６ｂ（前部）への前後方向に穀粒を流動させなが
ら混合粒を選別する多段の揺動選別板１６，１６，…か
らなる揺動選別装置において、これら揺動選別板１６，
１６，…の供給側１６ａであって揺上側１６ｃ又は揺下
側１６ｄのいずれか一方には、各選別板面のそれぞれに
１対１の関係で対応すると共に上下方向に配置される複
数の供給口１６ｅ，１６ｅ，…と、各供給口のそれぞれ
に１対１の関係で対応すると共に仕切り部材でもって区
画される複数の分配流路と、上方の分配樋１７からの穀
粒を受け入れて各分配流路に分配する上部開口部とを備
えた分配ケース１８が固定され、この分配ケース１８
は、前記揺動選別板の供給側１６ａの後端部から後方に
突出する突出分配ケース部１８ｂと該後端部から突出し
ない非突出分配ケース部１８ａとに分けられ、非突出分
配ケース部１８ａは揺動選別板１６，１６，…のうちの
下段側の供給口１６ｅ，１６ｅ，…への分配流路３６，
３６，…を形成し、一方突出分配ケース部１８ｂは閉鎖
板３８を有すると共に揺動選別板１６，１６，…のうち
の上段側の供給口１６ｅ，１６ｅ，…への分配流路３
６，３６，…を形成すべく構成されたことを特徴とする
揺動選別装置における穀粒分配装置の構成としたもので
ある。 【０００６】 【発明の実施の形態】以下、図面に示すこの発明の実施
例について説明する。まず、図１及び図３に示す実施例
の構成について説明する。この籾摺選別機は、籾摺をす
る籾摺部Ａ，籾摺部Ａからの摺落米を風選する摺落米風
選部Ｂ，摺落米風選部Ｂでの風選後の混合米を籾・玄米
に分離選別する揺動選別型の混合米選別部Ｃ，穀粒を揚
穀搬送する揚穀搬送部Ｄにより構成されている。そし
て、籾摺部Ａを機体の前上部に、また、摺落米風選部Ｂ
を機体の前下部に配置すると共に、摺落米風選部Ｂの吸
引排塵機１を籾摺部Ａの前方に配置し、籾摺部Ａ及び摺
落米風選部Ｂの一横側部に揚穀搬送部Ｄの混合米揚穀機
２を配置し、後部には混合米選別部Ｃを配置し、混合米
選別部Ｃの後方には、揚穀搬送部Ｄの玄米揚穀機３を配
置する構成である。 【０００７】籾摺部Ａは、籾ホッパ４，籾摺ロール５，
５，拡散板の内装されている籾摺室６等で構成されてい
る。次に、摺落米風選部Ｂについて説明すると、上方の
籾摺室６から摺落米が流下して、摺落米風選箱体７にお
ける摺落米風選路８の後部の選別始端側に供給され、終
端側ほど高位に斜設された摺落米風選路８で摺落米は風
選される構成である。この摺落米風選路８の始端側下方
には、選別された籾・玄米の摺落米を受ける摺落米受樋
９が設けられおり、また、終端側下方には、粃米を受け
る粃受樋１０が設けられている。摺落米風選路８を始端
側から終端側へ流れた選別風は、吸引排塵機１，排塵筒
１１を経て機外へ排出される構成である。粃受樋１０に
落下選別された粃は、粃揚穀機１２を経て籾ホッパ４に
還元され、また、摺落米受樋９に落下選別された摺落米
は、摺落米ラセン１３で横一側方に搬送されて混合米揚
穀機２の下部に流入し、混合米揚穀機２で揚穀されて混
合米ホッパ１４に供給される。 【０００８】次に、揺動選別装置１５で構成されている
混合米選別部Ｃについて説明する。多段の揺動選別板１
６，１６，…は、高位の供給側１６ａから低位の排出側
１６ｂである前後方向（図１の紙面に直交する方向）に
穀粒が流動する構成とし、また、この前後方向に直交す
る選別方向である左右方向の一側の揺上側１６ｃを高く
揺下側１６ｄを低くして傾斜した構成として、この左右
方向を機体の前後方向（図１の左右方向）に沿わせた状
態で、揺動アーム（図示省略）で左右方向に斜上下に往
復動する構成である。混合米ホッパ１４内の混合米は、
分配樋１７，分配ケース１８を経て、揺動選別板１６，
１６，…の前後方向の高い供給側１６ａで、且つ、左右
方向の低い揺下側１６ｄに構成されている供給口１６
ｅ，１６ｅ，…から、揺動選別板１６，１６，…に供給
される構成である。揺動選別板１６，１６，…の前後方
向の排出側１６ｂには、玄米仕切板１９及び籾仕切板２
０が設けられていて、揺動選別板１６，１６，…の左右
方向揺上側１６ｃの玄米分布流域，左右方向中間部の混
合米分布流域及び左右方向揺下側１６ｄの籾分布流域に
分布した穀粒が、夫れ夫れ玄米仕切板１９及び籾仕切板
２０で、玄米，混合米及び籾に仕切られる構成である。
このようにして仕切られた玄米は、玄米受樋２１に流下
し、玄米流路２２を経て、後方の玄米揚穀機３の下部に
流入し、玄米揚穀機３で揚穀されて、機体後部から機外
に取り出されるものである。また、玄米仕切板１９と籾
仕切板２０とで仕切られた混合米は、混合米受樋２３，
混合米流路２４を経て混合米小米選別搬送装置２９（ラ
セン軸３１，ラセン翼３０，小米選別網受樋３３で構成
されていて、モ−タ３２で駆動される。）に流入し、小
米選別搬送装置２９で小米・青米を選別除去しながら摺
落米受樋９へ搬送され、次いで、摺落米受樋９の摺落米
移送ラセン１３で搬送されて、混合米揚穀機２の下部に
流入して揚穀され、混合米ホッパ１４，分配樋１７，分
配ケース１８を経て、揺動選別板１６，１６，…に供給
されて再選別されるものである。また、籾仕切板２０で
仕切られた籾は、籾受樋２５から籾流路２６を経て籾揚
穀機２７に流入し、籾揚穀機２７で揚穀されて、籾還元
流路２８を経由して籾摺部Ａに還元され、再度の籾摺が
される構成である。 【０００９】次に、分配樋１７，分配ケ−ス１８及び揺
動選別板１６，１６，…の供給口１６ｅ，１６ｅ，…部
分について、具体的に説明する。揺動選別板１６，１
６，…の前後方向の供給側１６ａ端部における揺下側１
６ｄ端部に、各選別板面に1対１の関係で対応する供給
口１６ｅ，１６ｅ，…を上下方向に沿わせて夫れ夫れ設
けている（なお、供給口１６ｅ，１６ｅ，…を供給側１
６ａの揺上側１６ｃ端部に設けてもよい。）。この揺動
選別板１６，１６，…の上下方向の供給口１６ｅ，１６
ｅ，…に、分配樋１７・分配ケ−ス１８を経て穀粒を供
給するにあたり、図５乃至図７に示すように、分配ケ−
ス１８を揺動選別板１６，１６，…の揺下側１６ｄの側
壁３５と接触する非突出分配ケ−ス部１８ａと揺動選別
板１６，１６，…の揺下側１６ｄの側壁３５から前後方
向において後外側に突出した突出分配ケ−ス部１８ｂと
で構成されていて、非突出分配ケ−ス部１８ａの分配流
路３６，３６，…は隣接の流路部とは仕切部材１８ｃ，
１８ｃ…で仕切られていて、かつ上部の縦流路及び下部
の右傾斜流路で構成されていて、供給口１６ｅ，１６
ｅ，…に右側から流入し、また、突出分配ケ−ス部１８
ｂの分配流路３６，３６，…は上部の縦流路及び下部の
左傾斜流路で構成されていて、供給口１６ｅ，１６ｅ，
…に左側から流入する構成であり、非突出分配ケ−ス部
１８ａ及び突出分配ケ−ス部１８ｂの傾斜した分配流路
３６，３６，…を短く構成できて穀粒の流入が円滑とな
る。この分配ケ−ス１８の上部は、分配樋１７から穀粒
の流入する開口部に構成されていて、横側部は、揺動選
別板１６，１６，…の揺下側１６ｄの側壁３５側だけが
開口していて、他はふさいだ構成である。 【００１０】次に、突出分配ケ−ス部１８ｂの揺動選別
板１６，１６，…側の開口部分の閉鎖方法について説明
する。揺動選別板１６，１６，…の供給側１６ａの側壁
３７に、９０度折り曲げ状に閉鎖板３８を一体的に取り
付け、揺動選別板１６，１６，…に供給側１６ａの側壁
３７を取り付けると、閉鎖板３８と突出分配ケ−ス部１
８ｂの開口部との位置決めができて、ボルト・ナット
（図示省略）等の取付具で閉鎖板３８を取り付ける構成
である。 【００１１】次に、図８及び図９に基づいて、混合米ホ
ッパ１４について説明する。混合米揚穀機２の投出口部
２ａに張力の調節自在な左右のばね３９，３９で、混合
米ホッパ１４が吊り下げ支持されていて、混合米ホッパ
１４の流出口には、供給調節弁４０が開閉自在に軸支さ
れていて、調節モ−タ４１が正転あるいは逆転すると、
伝動歯車４２，４２を介して供給調節弁４０が開閉調節
される。調節モ−タ４１の取付位置について更に具体的
に説明すると、図９に示すように、混合米ホッパ１４の
下部は、前・後傾斜板１４ａ，１４ｂで中間部に穀粒が
流動すると共に、図８で示すように、右傾斜板１４ｃは
垂直に近い急傾斜とし、左傾斜板１４ｄは緩やかな傾斜
として、穀粒を混合米ホッパ１４の右側下部に案内する
構成とし、この左傾斜板１４ｄの下方の空間部４３に調
節モ−タ４１を配置することにより、混合米ホッパ１４
に穀粒が供給された状態で、重心が平面から見て混合米
ホッパ１４における前後方向及び左右方向の中間部に位
置する状態とし、ばね３９，３９に支持されている混合
米ホッパ１４の上下動の円滑化を図っている。 【００１２】次に、図１乃至図４に示す実施例の作用に
ついて説明する。籾摺選別機で籾摺選別作業をする場合
には、機体の回転各部を駆動し、籾ホッパ４に籾を供給
し、籾摺部Ａの籾供給調節弁（図示省略）を開ける。す
ると、籾が籾摺ロール５，５に供給され、互いに反対方
向に回転している籾摺ロール５，５で籾摺され、拡散板
で拡散された摺落米は下方の摺落米風選路８に供給さ
れ、摺落米風選路８を流れている選別風により選別さ
れ、軽い籾殻は摺落米風選路８の終端側に流れて、吸引
排塵機１及び排塵筒１１を経て機外に排出され、また、
比較的軽い粃は粃受樋１０に落下選別され、また、重い
籾・玄米の混合米は摺落米受樋９に落下選別される。つ
いで、摺落米受樋９に落下選別された摺落米は、摺落米
ラセン１３で一横側方に搬送され、混合米揚穀機２の下
部に流入・揚穀されて、混合米ホッパ１４に供給され、
次いで、分配樋１７及び分配ケース１８を経由して、揺
動選別板１６，１６，…に供給される。 【００１３】このようにして、揺動選別板１６，１６，
…に供給された混合米は、揺動アーム（図示省略）の左
右方向斜上下の往復揺動により、粒形の大小，比重の大
小あるいは摩擦抵抗の差異等により選別されて、左右方
向の揺上側である玄米分布流域に偏流分布した玄米は、
玄米仕切板１９で仕切られて取り出されて、玄米受樋２
１，玄米流路２２を経て玄米揚穀機３の下部に流入し、
玄米揚穀機３で揚穀されて機外に取り出される。また、
揺動選別板１６，１６，…の左右方向中間部である混合
米分布流域に偏流分布した混合米は、玄米仕切板１９と
籾仕切板２０とで仕切られて取り出され、次いで混合米
は混合米受樋２３，混合米流路２４を経て混合米小米選
別搬送装置２９に流入し、混合米小米選別搬送装置２９
で小米・青米が除去された後に混合米揚穀機２の下部に
流入して揚穀され、更に、混合米ホッパ１４，分配樋１
７，分配ケース１８を経て、揺動選別板１６，１６，…
に供給されて再選別される。また、揺動選別板１６，１
６，…の左右方向揺下側の籾分布流域に偏流分布した籾
は、籾仕切板２０で仕切られて取り出され、籾受樋２
５，籾流路２６，籾揚穀機２７を経て籾摺部Ａに揚穀還
元されて、再度籾摺される。 【００１４】 【発明の効果】この発明は、上述のように構成されてい
るので、混合米ホッパ１４から分配樋１７に供給された
穀粒は、分配ケース１８における非突出分配ケース部１
８ａの分配流路３６，３６，…を経て、また、分配ケー
ス１８における突出分配ケース部１８ｂの分配流路３
６，３６，…を経て、多段の揺動選別板１６，１６，…
の各選別板面のそれぞれに１対１の関係で対応すると共
に上下方向に構成配置されている供給口１６ｅ，１６
ｅ，…に夫れ夫れ供給されることになり、分配流路３
６，３６，…の通路部分を短くして揺動選別板１６，１
６，…に円滑に穀粒を供給できるものでありながら、分
配ケース１８の突出分配ケース部１８ｂの一側開口部
を、閉鎖板３８で閉鎖する構成としているので、供給側
１６ａの側壁３７を揺動選別板１６，１６，…に取り付
けることにより、取り付け作業が簡素化でき、また、部
品点数を減少し部品管理も容易となる。 【００１５】また、分配流路３６のうち、非突出分配ケ
ース１８ａにおける部分は多段の揺動選別板１６，１
６，…の上段側に穀粒供給すべく構成され、突出分配ケ
ース１８ｂにおける部分はその下段側に穀粒供給すべく
構成したことにより、突出分配ケース１８ｂは非突出分
配ケース１８ａよりも上下に短い分配流路構成で足りる
ため、揺動選別板への設置において上下方向に嵩張らな
いものとすることができる。

【図面の簡単な説明】 【図１】切断側面図 【図２】正面図 【図３】平面図 【図４】斜視図 【図５】平面図 【図６】分解した斜視図 【図７】切断側面図 【図８】正面図 【図９】側面図 【符号の説明】 Ａ 籾摺部 Ｂ 摺落米風選部 Ｃ 混合米選別部 Ｄ 揚穀搬送部 １ 吸引排塵機 ２ 混合米揚穀機 ３ 玄米揚穀機 ４ 籾ホッパ ５ 籾摺ロール ６ 籾摺室 ７ 摺落米風選箱体 ８ 摺落米風選路 ９ 摺落米受樋 １０ 粃受樋 １１ 排塵筒 １２ 粃揚穀機 １３ 摺落米ラセン １４ 混合米ホッパ １５ 揺動選別装置 １６ 揺動選別板 １６ａ 供給側 １６ｂ 排出側 １６ｃ 揺上側 １６ｄ 揺下側 １６ｅ 供給口 １７ 分配樋 １８ 分配ケース １８ａ 非突出分配ケ−ス部 １８ｂ 突出分配ケ−ス部 １８ｃ 仕切部材 １９ 玄米仕切板 ２０ 籾仕切板 ２１ 玄米受樋 ２２ 玄米流路 ２３ 混合米受樋 ２４ 混合米流路 ２５ 籾受樋 ２６ 籾流路 ２７ 籾揚穀機 ２８ 籾還元流路 ２９ 混合米小米選別搬送装置 ３０ ラセン翼 ３１ ラセン軸 ３２ モ−タ ３３ 小米選別網受樋 ３５ 側壁 ３６ 分配流路 ３７ 側壁 ３８ 閉鎖板 ３９ ばね ４０ 供給調節弁 ４１ 調節モ−タ ４２ 伝動歯車 ４３ 空間部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B07B 1/00 - 15/00

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 左右方向に斜め上下の往復動を与えて、
   高い供給側１６ａ（後部）から低い排出側１６ｂ（前
   部）への前後方向に穀粒を流動させながら混合粒を選別
   する多段の揺動選別板１６，１６，…からなる揺動選別
   装置において、これら揺動選別板１６，１６，…の供給
   側１６ａであって揺上側１６ｃ又は揺下側１６ｄのいず
   れか一方には、各選別板面のそれぞれに１対１の関係で
   対応すると共に上下方向に配置される複数の供給口１６
   ｅ，１６ｅ，…と、各供給口のそれぞれに１対１の関係
   で対応すると共に仕切り部材でもって区画される複数の
   分配流路と、上方の分配樋１７からの穀粒を受け入れて
   各分配流路に分配する上部開口部とを備えた分配ケース
   １８が固定され、この分配ケース１８は、前記揺動選別
   板の供給側１６ａの後端部から後方に突出する突出分配
   ケース部１８ｂと該後端部から突出しない非突出分配ケ
   ース部１８ａとに分けられ、非突出分配ケース部１８ａ
   は揺動選別板１６，１６，…のうちの下段側の供給口１
   ６ｅ，１６ｅ，…への分配流路３６，３６，…を形成
   し、一方突出分配ケース部１８ｂは閉鎖板３８を有する
   と共に揺動選別板１６，１６，…のうちの上段側の供給
   口１６ｅ，１６ｅ，…への分配流路３６，３６，…を形
   成すべく構成されたことを特徴とする揺動選別装置にお
   ける穀粒分配装置。