JP3466245B2 - エクトイン合成酵素遺伝子 - Google Patents
エクトイン合成酵素遺伝子Info
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- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N15/00—Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
- C12N15/09—Recombinant DNA-technology
- C12N15/63—Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
- C12N15/79—Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
- C12N15/82—Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for plant cells, e.g. plant artificial chromosomes (PACs)
- C12N15/8241—Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology
- C12N15/8261—Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology with agronomic (input) traits, e.g. crop yield
- C12N15/8271—Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology with agronomic (input) traits, e.g. crop yield for stress resistance, e.g. heavy metal resistance
- C12N15/8273—Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology with agronomic (input) traits, e.g. crop yield for stress resistance, e.g. heavy metal resistance for drought, cold, salt resistance
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- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/195—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria
- C07K14/215—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria from Halobacteriaceae (F)
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- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
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- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エクトイン合成に係わ
る酵素をコードするDNA、そのDNAを宿主細胞に導
入することによるエクトイン合成能を付与する方法及び
形質転換された宿主細胞に関する。
る酵素をコードするDNA、そのDNAを宿主細胞に導
入することによるエクトイン合成能を付与する方法及び
形質転換された宿主細胞に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ある
種の微生物は、高浸透圧の環境下では、補償物質(Compa
tible solute) とよばれる物質を細胞内に蓄積してスト
レス環境に対する耐性を獲得する。この補償物質として
は、糖、ポリオール、ベタインやある種のアミノ酸が知
られている(Truper, H. G.ら, Experientia 第42卷第11
82-1187 頁 1986 年) 。
種の微生物は、高浸透圧の環境下では、補償物質(Compa
tible solute) とよばれる物質を細胞内に蓄積してスト
レス環境に対する耐性を獲得する。この補償物質として
は、糖、ポリオール、ベタインやある種のアミノ酸が知
られている(Truper, H. G.ら, Experientia 第42卷第11
82-1187 頁 1986 年) 。
【0003】エクトインは、1,4,5,6−テトラヒ
ドロ−2−メチル−4−ピリミジン−カルボン酸または
3,4,5,6−テトラヒドロ−2−メチル−4−ピリ
ミジン−カルボン酸で示される環状アミノ酸であり、好
塩性菌 Ectothiorhodospirahalochlorisが生産する補償
物質として発見され、その高浸透圧に対する耐性作用
(高浸透圧耐性という)についても知られている(Galin
ski, E. A.ら, Eur.J. Biochem. 第149 卷第135-139
頁 1985 年;高野光男ら, 日本発酵工学会大会プログラ
ム第193 頁 1988 年)。また,エクトインの生合成経路
(Peters, P.ら,FEMS Microbiol. Lett. 第71卷第157-1
62 頁 1990 年) や物性(Khunajakr,N. ら, Annual Repo
rts of International Center of Cooperative Researc
h in Biotechnology, Japan 第12卷第157-167 頁 1989
年) についても報告されている。
ドロ−2−メチル−4−ピリミジン−カルボン酸または
3,4,5,6−テトラヒドロ−2−メチル−4−ピリ
ミジン−カルボン酸で示される環状アミノ酸であり、好
塩性菌 Ectothiorhodospirahalochlorisが生産する補償
物質として発見され、その高浸透圧に対する耐性作用
(高浸透圧耐性という)についても知られている(Galin
ski, E. A.ら, Eur.J. Biochem. 第149 卷第135-139
頁 1985 年;高野光男ら, 日本発酵工学会大会プログラ
ム第193 頁 1988 年)。また,エクトインの生合成経路
(Peters, P.ら,FEMS Microbiol. Lett. 第71卷第157-1
62 頁 1990 年) や物性(Khunajakr,N. ら, Annual Repo
rts of International Center of Cooperative Researc
h in Biotechnology, Japan 第12卷第157-167 頁 1989
年) についても報告されている。
【0004】エクトインは、L−アスパルテート−β−
セミアルデヒドから生合成され、その合成過程にL−ジ
アミノ酪酸トランスアミナーゼ、L−ジアミノ酪酸アセ
チルトランスフェラーゼ及びエクトイン合成酵素が係わ
る。以下、これら酵素群をエクトイン合成酵素群と呼
ぶ。細菌の酵素合成の誘導機構として、一連の酵素群が
同一の調節遺伝子により同調的に誘導されるオペロンと
呼ばれる遺伝子発現の調節機構が知られている。エクト
イン合成酵素は、α−N−アセチル−ジアミノ酪酸から
エクトインを合成する酵素であり、好塩性細菌からの精
製方法やその性質について報告されている(山本美穂子
ら, 日本生物工学会講演要旨集第203 頁 1992 年)。し
かしながら、エクトイン合成酵素およびエクトイン合成
酵素群の遺伝子構造および塩基配列については,これま
で知られていなかった。
セミアルデヒドから生合成され、その合成過程にL−ジ
アミノ酪酸トランスアミナーゼ、L−ジアミノ酪酸アセ
チルトランスフェラーゼ及びエクトイン合成酵素が係わ
る。以下、これら酵素群をエクトイン合成酵素群と呼
ぶ。細菌の酵素合成の誘導機構として、一連の酵素群が
同一の調節遺伝子により同調的に誘導されるオペロンと
呼ばれる遺伝子発現の調節機構が知られている。エクト
イン合成酵素は、α−N−アセチル−ジアミノ酪酸から
エクトインを合成する酵素であり、好塩性細菌からの精
製方法やその性質について報告されている(山本美穂子
ら, 日本生物工学会講演要旨集第203 頁 1992 年)。し
かしながら、エクトイン合成酵素およびエクトイン合成
酵素群の遺伝子構造および塩基配列については,これま
で知られていなかった。
【0005】ある種の微生物がエクトインを細胞内に蓄
積することにより、高浸透圧等の生命体にとって強いス
トレスとなる外的環境下での生育を可能にしていること
から、エクトインの作用に注目し、エクトインを抽出単
離する方法 (Khunajakr, N.ら, Annual Reports of Int
ernational Center of Cooperative Research in Biote
chnology, Japan 第12卷第157-167 頁 1989 年) や化
学的に合成する方法(特開平3−31265号)が開発
されている。
積することにより、高浸透圧等の生命体にとって強いス
トレスとなる外的環境下での生育を可能にしていること
から、エクトインの作用に注目し、エクトインを抽出単
離する方法 (Khunajakr, N.ら, Annual Reports of Int
ernational Center of Cooperative Research in Biote
chnology, Japan 第12卷第157-167 頁 1989 年) や化
学的に合成する方法(特開平3−31265号)が開発
されている。
【0006】本発明者らは、このエクトインの特異な作
用に着目し、次のような見地から鋭意研究を重ねてき
た。エクトインそのものでなく、例えば微生物や植物等
にエクトインを合成する機能を獲得させることにより高
浸透圧耐性能を付与すれば、高濃度培養の発酵法による
有用物質の効率的な製造法の開発が可能となり、また乾
燥に由来する高浸透圧環境に対して抵抗力のある耐乾燥
性の植物の創製が可能となる。更に、砂漠等の乾燥土壌
に微生物を生育させることによる土壌の豊饒化や、乾燥
地および高塩環境の海岸地等に適した植物の創製が可能
となる。
用に着目し、次のような見地から鋭意研究を重ねてき
た。エクトインそのものでなく、例えば微生物や植物等
にエクトインを合成する機能を獲得させることにより高
浸透圧耐性能を付与すれば、高濃度培養の発酵法による
有用物質の効率的な製造法の開発が可能となり、また乾
燥に由来する高浸透圧環境に対して抵抗力のある耐乾燥
性の植物の創製が可能となる。更に、砂漠等の乾燥土壌
に微生物を生育させることによる土壌の豊饒化や、乾燥
地および高塩環境の海岸地等に適した植物の創製が可能
となる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高塩濃度
の環境下で増殖し、細胞内にエクトインを蓄積して高浸
透圧耐性を発揮する細菌の存在に着目し、そのような特
性を有する細菌を、タイ国北東部の土壌より採取して同
定した。この高浸透圧耐性の細菌は分類学上、ハロモナ
ス属に属するグラム陰性の好気性桿菌であり、カタラー
ゼ陽性、DNAのGC値は65.4-65.7 mol%、食塩濃度0.
3%から24% で生育する(奥田光美ら,好塩微生物研究会
講演要旨集,第25卷, 14-17 頁, 1988年)。この菌をハ
ロモナス属KS−3株(Halomonas sp.K
S−3)と命名して、工業技術院生命工学技術研究所に
寄託した〔受託番号FERM P−13952(平成5
年11月5日受託)〕。
の環境下で増殖し、細胞内にエクトインを蓄積して高浸
透圧耐性を発揮する細菌の存在に着目し、そのような特
性を有する細菌を、タイ国北東部の土壌より採取して同
定した。この高浸透圧耐性の細菌は分類学上、ハロモナ
ス属に属するグラム陰性の好気性桿菌であり、カタラー
ゼ陽性、DNAのGC値は65.4-65.7 mol%、食塩濃度0.
3%から24% で生育する(奥田光美ら,好塩微生物研究会
講演要旨集,第25卷, 14-17 頁, 1988年)。この菌をハ
ロモナス属KS−3株(Halomonas sp.K
S−3)と命名して、工業技術院生命工学技術研究所に
寄託した〔受託番号FERM P−13952(平成5
年11月5日受託)〕。
【0008】ハロモナス属KS−3株がエクトインを産
生することを確認(Khunajakr, N.ら, Annual Reports
of International Center of Cooperative Research in
Biotechnology, Japan 第12卷第157-167 頁 1989 年)
して、その培養菌体からエクトイン合成酵素を単離し
た。すなわち、培養菌体をリゾチームにより溶菌させ、
硫酸プロタミンによる除核酸、硫酸アンモニウムを用い
る塩析、疎水性カラムクロマトグラフィーおよびヒドロ
キシアパタイトカラムクロマトグラフィーにより精製し
て、天然型エクトイン合成酵素を単離した。その分子量
はSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により約
19キロダルトン(kDa) と求められ、等電点は4.2-4.4 で
あった。N末端部分の30残基のアミノ酸配列が配列番号
3の配列であることをアミノ酸シークエンサー(アプラ
イドバイオシステム社)により決定した。
生することを確認(Khunajakr, N.ら, Annual Reports
of International Center of Cooperative Research in
Biotechnology, Japan 第12卷第157-167 頁 1989 年)
して、その培養菌体からエクトイン合成酵素を単離し
た。すなわち、培養菌体をリゾチームにより溶菌させ、
硫酸プロタミンによる除核酸、硫酸アンモニウムを用い
る塩析、疎水性カラムクロマトグラフィーおよびヒドロ
キシアパタイトカラムクロマトグラフィーにより精製し
て、天然型エクトイン合成酵素を単離した。その分子量
はSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により約
19キロダルトン(kDa) と求められ、等電点は4.2-4.4 で
あった。N末端部分の30残基のアミノ酸配列が配列番号
3の配列であることをアミノ酸シークエンサー(アプラ
イドバイオシステム社)により決定した。
【0009】更に、本発明者らは、上記のN末端部分ア
ミノ酸配列に基づいて、ハロモナス属KS−3株の遺伝
子DNAからエクトイン合成酵素をコードする遺伝子D
NAの単離に成功し、その塩基配列を決定した。エクト
イン合成酵素をコードするDNAの塩基配列を配列番号
2に示す。
ミノ酸配列に基づいて、ハロモナス属KS−3株の遺伝
子DNAからエクトイン合成酵素をコードする遺伝子D
NAの単離に成功し、その塩基配列を決定した。エクト
イン合成酵素をコードするDNAの塩基配列を配列番号
2に示す。
【0010】エクトイン合成酵素をコードするDNAは
次の方法により単離することができる。すなわち、 4.2
kbp-DNA-EcoRI-SalI断片を制限酵素MboIとNspB
IIで切断し、配列番号2に示す塩基配列の塩基番号3
−230までの228塩基対の断片と塩基番号231−
408までの178塩基対の断片を単離し、両断片をT
4DNAリガーゼで結合させて、塩基番号3−408に
相当する406塩基対のDNA断片を得ることができ
る。更に、両端部の欠失した配列を化学合成したDNA
を結合させて修復することにより、エクトイン合成酵素
をコードするDNAが得られる。または、 4.2kbp-DNA-
EcoRI-SalI断片を制限酵素AspAII(別名BstE
II)とNspBIIにより塩基番号46−408まで
のDNA断片を単離し、両端の欠失部を化学合成したD
NAを結合させて修復することにより、エクトイン合成
酵素をコードするDNAが得られる。
次の方法により単離することができる。すなわち、 4.2
kbp-DNA-EcoRI-SalI断片を制限酵素MboIとNspB
IIで切断し、配列番号2に示す塩基配列の塩基番号3
−230までの228塩基対の断片と塩基番号231−
408までの178塩基対の断片を単離し、両断片をT
4DNAリガーゼで結合させて、塩基番号3−408に
相当する406塩基対のDNA断片を得ることができ
る。更に、両端部の欠失した配列を化学合成したDNA
を結合させて修復することにより、エクトイン合成酵素
をコードするDNAが得られる。または、 4.2kbp-DNA-
EcoRI-SalI断片を制限酵素AspAII(別名BstE
II)とNspBIIにより塩基番号46−408まで
のDNA断片を単離し、両端の欠失部を化学合成したD
NAを結合させて修復することにより、エクトイン合成
酵素をコードするDNAが得られる。
【0011】その塩基配列から決定したエクトイン合成
酵素の全アミノ酸配列は、配列番号1で示される配列で
ある。そのN末端部分アミノ酸配列は、天然型エクトイ
ン合成酵素のN末端部の30アミノ酸の配列と完全に一致
することを確認した。エクトイン合成酵素は137 残基の
アミノ酸からなり、分子量が15.5 kDaのタンパク質であ
り、アミノ酸組成についても、天然型エクトイン合成酵
素について求められた実測値(表1)とよく一致した。
エクトイン合成酵素をコードする塩基配列を、アミノ酸
配列と対比させて配列番号4に示す。
酵素の全アミノ酸配列は、配列番号1で示される配列で
ある。そのN末端部分アミノ酸配列は、天然型エクトイ
ン合成酵素のN末端部の30アミノ酸の配列と完全に一致
することを確認した。エクトイン合成酵素は137 残基の
アミノ酸からなり、分子量が15.5 kDaのタンパク質であ
り、アミノ酸組成についても、天然型エクトイン合成酵
素について求められた実測値(表1)とよく一致した。
エクトイン合成酵素をコードする塩基配列を、アミノ酸
配列と対比させて配列番号4に示す。
【0012】
【表1】
【0013】表1中の天然型酵素および塩基配列は、そ
れぞれ天然型エクトイン合成酵素および塩基配列から決
定したエクトイン合成酵素を意味する。
れぞれ天然型エクトイン合成酵素および塩基配列から決
定したエクトイン合成酵素を意味する。
【0014】本発明者らは、ハロモナス属KS−3株の
遺伝子DNAを制限酵素EcoRIとSalIにより切
断して得られる約4.2 キロ塩基対のDNA断片を単離し
た。このDNA断片中に配列番号2で示されるエクトイ
ン合成酵素をコードする塩基配列が含まれていることを
確認して、プラスミドpBR322に組み込み大腸菌に導入し
たとき、その大腸菌が高食塩濃度の培地中でも生育でき
る高浸透圧耐性の形質を獲得することを見い出した。こ
の大腸菌の形質転換は、エクトインを合成する酵素の遺
伝子が機能したことにより菌体中にエクトインが合成蓄
積され、高浸透圧耐性の形質を獲得したものである。
遺伝子DNAを制限酵素EcoRIとSalIにより切
断して得られる約4.2 キロ塩基対のDNA断片を単離し
た。このDNA断片中に配列番号2で示されるエクトイ
ン合成酵素をコードする塩基配列が含まれていることを
確認して、プラスミドpBR322に組み込み大腸菌に導入し
たとき、その大腸菌が高食塩濃度の培地中でも生育でき
る高浸透圧耐性の形質を獲得することを見い出した。こ
の大腸菌の形質転換は、エクトインを合成する酵素の遺
伝子が機能したことにより菌体中にエクトインが合成蓄
積され、高浸透圧耐性の形質を獲得したものである。
【0015】本発明のエクトインを合成する酵素をコー
ドするDNAを宿主細胞内で複製可能なベクターに組み
込み、宿主に導入することにより、エクトインを効率よ
く合成できる能力を付与することができ、高浸透圧耐性
の形質を獲得させることができる。この技術を用いて高
浸透圧耐性の微生物や植物等を作製することにより、そ
の形質転換体を用いる効率的な発酵法の開発、耐乾燥性
の植物の創製、砂漠の土壌の改良化などが可能となる。
ドするDNAを宿主細胞内で複製可能なベクターに組み
込み、宿主に導入することにより、エクトインを効率よ
く合成できる能力を付与することができ、高浸透圧耐性
の形質を獲得させることができる。この技術を用いて高
浸透圧耐性の微生物や植物等を作製することにより、そ
の形質転換体を用いる効率的な発酵法の開発、耐乾燥性
の植物の創製、砂漠の土壌の改良化などが可能となる。
【0016】本発明の第1の目的は,エクトイン合成酵
素をコードするDNAを提供することにある。エクトイ
ン合成酵素をコードするDNAの塩基配列の具体例とし
て、配列番号2に示す配列およびその対立遺伝子が挙げ
られる。エクトイン合成酵素のアミノ酸配列は配列番号
1に示されるが、そのアミノ酸配列は遺伝子組み換え技
術により部分的に改変・欠失・付加等によりその構造を
改変することができる。それらの構造を改変した酵素に
ついても、エクトイン合成酵素の本質的な酵素活性を有
する限り本明細書でいうエクトイン合成酵素に包含さ
れ、したがって、それらをコードする塩基配列は本発明
に包含される。配列番号1に示すアミノ酸配列の情報に
基づいて、宿主細胞に適したコドンを選択して、エクト
イン合成酵素をコードするDNAを化学的に合成するこ
ともできる。
素をコードするDNAを提供することにある。エクトイ
ン合成酵素をコードするDNAの塩基配列の具体例とし
て、配列番号2に示す配列およびその対立遺伝子が挙げ
られる。エクトイン合成酵素のアミノ酸配列は配列番号
1に示されるが、そのアミノ酸配列は遺伝子組み換え技
術により部分的に改変・欠失・付加等によりその構造を
改変することができる。それらの構造を改変した酵素に
ついても、エクトイン合成酵素の本質的な酵素活性を有
する限り本明細書でいうエクトイン合成酵素に包含さ
れ、したがって、それらをコードする塩基配列は本発明
に包含される。配列番号1に示すアミノ酸配列の情報に
基づいて、宿主細胞に適したコドンを選択して、エクト
イン合成酵素をコードするDNAを化学的に合成するこ
ともできる。
【0017】本発明の第2の目的は,エクトイン合成酵
素をコードする遺伝子を含むDNA断片を提供すること
にある。具体的には、ハロモナス属KS−3株の遺伝子
DNAから制限酵素EcoRIとSalIによる切断に
より単離され、配列番号2に示す塩基配列を含む約4.2
キロ塩基対からなるDNAである。
素をコードする遺伝子を含むDNA断片を提供すること
にある。具体的には、ハロモナス属KS−3株の遺伝子
DNAから制限酵素EcoRIとSalIによる切断に
より単離され、配列番号2に示す塩基配列を含む約4.2
キロ塩基対からなるDNAである。
【0018】本発明の第3の目的は,エクトインの合成
酵素をコードするDNAを、宿主細胞内で自己複製可能
なベクターDNAに組み込み、宿主細胞内で自己複製す
る組み換えDNAとして提供することにある。
酵素をコードするDNAを、宿主細胞内で自己複製可能
なベクターDNAに組み込み、宿主細胞内で自己複製す
る組み換えDNAとして提供することにある。
【0019】本発明の第4の目的は,エクトインの合成
酵素をコードするDNAを含む組み換えDNAを宿主細
胞に導入することにより、宿主細胞にエクトイン合成能
を付与する方法を提供することにある。
酵素をコードするDNAを含む組み換えDNAを宿主細
胞に導入することにより、宿主細胞にエクトイン合成能
を付与する方法を提供することにある。
【0020】本発明の第5の目的は,エクトインの合成
酵素をコードするDNAを含む組み換えDNAを導入し
て形質転換させた微生物や植物を提供することにある。
酵素をコードするDNAを含む組み換えDNAを導入し
て形質転換させた微生物や植物を提供することにある。
【0021】本発明のエクトイン合成酵素をコードする
DNAの検定法には、塩基配列を決定して配列番号2の
塩基配列と比較する方法、配列番号2で示される塩基配
列を有するDNA断片をプローブとするサザンブロット
・ハイブリダイゼーション法による検定、および大腸菌
に遺伝子導入して形質転換させ、高食塩濃度の培地中で
生育することを確認する方法等が採用できる。
DNAの検定法には、塩基配列を決定して配列番号2の
塩基配列と比較する方法、配列番号2で示される塩基配
列を有するDNA断片をプローブとするサザンブロット
・ハイブリダイゼーション法による検定、および大腸菌
に遺伝子導入して形質転換させ、高食塩濃度の培地中で
生育することを確認する方法等が採用できる。
【0022】菌体中のエクトインの検定法: 菌体を10
倍量の70%エタノールで80℃にて10分間抽出し、ガラス
フィルターによる濾過にて粗抽出液を得る。その粗抽出
液中のエタノールを減圧濃縮(35 ℃) にて除去した濃縮
液に、等量のクロロホルムを添加混合した後、遠心分離
(1,500 rpm, 10分間) する。再び、その遠心上清液を減
圧濃縮し、得られた濃縮液を蒸留水で希釈した後、陽イ
オン交換カラム(DIAION SK1B, 三菱化成株式会社製) に
負荷し、水洗後、3 Nの水酸化アンモニウムでエクトイ
ンを溶出し、溶出液中の水酸化アンモニウムを減圧濃縮
にて除去した後、陰イオン交換カラム(DIAION SA10A,三
菱化成株式会社製) に負荷してエクトインを単離する。
エクトインの分析は、ピータース(Peters, P.)らの方法
(FEMS Microbiol. Lett. 第71卷第157-162 頁 1990
年)にしたがって、高速液体クロマトグラフィーまたは
薄層クロマトグラフィーを用いて行う。
倍量の70%エタノールで80℃にて10分間抽出し、ガラス
フィルターによる濾過にて粗抽出液を得る。その粗抽出
液中のエタノールを減圧濃縮(35 ℃) にて除去した濃縮
液に、等量のクロロホルムを添加混合した後、遠心分離
(1,500 rpm, 10分間) する。再び、その遠心上清液を減
圧濃縮し、得られた濃縮液を蒸留水で希釈した後、陽イ
オン交換カラム(DIAION SK1B, 三菱化成株式会社製) に
負荷し、水洗後、3 Nの水酸化アンモニウムでエクトイ
ンを溶出し、溶出液中の水酸化アンモニウムを減圧濃縮
にて除去した後、陰イオン交換カラム(DIAION SA10A,三
菱化成株式会社製) に負荷してエクトインを単離する。
エクトインの分析は、ピータース(Peters, P.)らの方法
(FEMS Microbiol. Lett. 第71卷第157-162 頁 1990
年)にしたがって、高速液体クロマトグラフィーまたは
薄層クロマトグラフィーを用いて行う。
【0023】エクトイン合成酵素活性の検定法: 80mM
トリス塩酸緩衝液(pH 9.5)、4.4mMα−N−アセチル−
ジアミノ酪酸、0.77M 塩化ナトリウムの反応液組成に酵
素試料を添加 (反応液総容量: 45μL) し、15℃で10分
間反応させ、0.6 %のトリフルオロ酢酸を等量添加して
反応を停止させ、反応液中のエクトイン生成量を高速液
体クロマトグラフィーで分析する。エクトイン合成酵素
活性の1 単位は、1 分間あたり1 μmoleのエクトインを
合成し得る酵素量と定義できる。
トリス塩酸緩衝液(pH 9.5)、4.4mMα−N−アセチル−
ジアミノ酪酸、0.77M 塩化ナトリウムの反応液組成に酵
素試料を添加 (反応液総容量: 45μL) し、15℃で10分
間反応させ、0.6 %のトリフルオロ酢酸を等量添加して
反応を停止させ、反応液中のエクトイン生成量を高速液
体クロマトグラフィーで分析する。エクトイン合成酵素
活性の1 単位は、1 分間あたり1 μmoleのエクトインを
合成し得る酵素量と定義できる。
【0024】本発明において,エクトインの合成酵素を
コードするDNAを単離するための材料となる細菌は、
ハロモナス属KS−3株に限られない。エクトインを生
産する能力を有する微生物はすべて用いることができ
る。例えば、Ectothiorhodospira halochloris(アメリ
カン タイプ カルチャー コレクション番号35916)
(Galinski, E.A. ら, Eur. J. Biochem. 第149 卷第13
5-139 頁 1985 年) 、Halomonas elongata(Wohlfarth,
A. ら, J. Gen. Microbiol. 第136 卷第705-712 頁 1
990 年) 、Vibrio costicola (Regev, R. ら, Arch. Bi
ochem. Biophys. 第278 卷第106-112 頁 1990 年) が知
られている。ハロモナス属細菌または他の細胞からエク
トインの合成に係わる酵素をコードするDNAを、配列
番号2に示す塩基配列のDNAをプローブとするハイブ
リダイゼーション法により同一または極めて相同性の高
い塩基配列からなるDNAとして単離できる。更に、エ
クトイン合成酵素をコードするDNAは、配列番号2に
示す塩基配列に基づいて、または配列番号1に示すアミ
ノ酸配列の情報に基づき適当なコドンを選択して、化学
的に合成することができる。更に、部位特異的変異誘導
法(例えば、Kunkel, T. A. ら, Methods in Enzymol.
第154 卷第367-392 頁 1987 年)により、エクトイン合
成酵素をコードするDNAを部分的に改変し、構造を改
変したエクトイン合成酵素をコードするDNAが作製で
きる。
コードするDNAを単離するための材料となる細菌は、
ハロモナス属KS−3株に限られない。エクトインを生
産する能力を有する微生物はすべて用いることができ
る。例えば、Ectothiorhodospira halochloris(アメリ
カン タイプ カルチャー コレクション番号35916)
(Galinski, E.A. ら, Eur. J. Biochem. 第149 卷第13
5-139 頁 1985 年) 、Halomonas elongata(Wohlfarth,
A. ら, J. Gen. Microbiol. 第136 卷第705-712 頁 1
990 年) 、Vibrio costicola (Regev, R. ら, Arch. Bi
ochem. Biophys. 第278 卷第106-112 頁 1990 年) が知
られている。ハロモナス属細菌または他の細胞からエク
トインの合成に係わる酵素をコードするDNAを、配列
番号2に示す塩基配列のDNAをプローブとするハイブ
リダイゼーション法により同一または極めて相同性の高
い塩基配列からなるDNAとして単離できる。更に、エ
クトイン合成酵素をコードするDNAは、配列番号2に
示す塩基配列に基づいて、または配列番号1に示すアミ
ノ酸配列の情報に基づき適当なコドンを選択して、化学
的に合成することができる。更に、部位特異的変異誘導
法(例えば、Kunkel, T. A. ら, Methods in Enzymol.
第154 卷第367-392 頁 1987 年)により、エクトイン合
成酵素をコードするDNAを部分的に改変し、構造を改
変したエクトイン合成酵素をコードするDNAが作製で
きる。
【0025】外来遺伝子の宿主細胞内での発現は、多く
の成書及び文献(例えば、Molecular Cloning; A Labor
atory Manual, 第2 版第1-3 巻 Sambrook, J. ら著, Co
ld Spring Harbor Laboratory Press 出版 New York 19
89年を参照)に基づいて実施することができ、その基礎
理論は既に確立されている。発現させたい目的タンパク
質をコードするDNAの上流に翻訳開始コドンを、下流
には翻訳終止コドンを付加し、転写を制御するプロモー
ター配列(例えば、trp,lac,phoS,PL ,
SV40初期プロモーター)等の制御遺伝子を付加し、
適当なベクター(例えば、pHY300PLK, pBR322, pUC19,
pYAC-neo)に組み込むことにより、宿主の細胞内で複製
し、機能する組み換えDNAを作製することができる。
発現ベクターとしては,宿主細胞内で複製可能な遺伝情
報を含み、増殖できるものであって、検出可能なマーカ
ーとなる遺伝子が含まれるものが好適である。その宿主
の種類に応じて、適切なベクターが選択できる。更に、
宿主細胞内で機能し得る適当なプロモーターが選択でき
る。機能的には、宿主由来の制御遺伝子が望ましい。
の成書及び文献(例えば、Molecular Cloning; A Labor
atory Manual, 第2 版第1-3 巻 Sambrook, J. ら著, Co
ld Spring Harbor Laboratory Press 出版 New York 19
89年を参照)に基づいて実施することができ、その基礎
理論は既に確立されている。発現させたい目的タンパク
質をコードするDNAの上流に翻訳開始コドンを、下流
には翻訳終止コドンを付加し、転写を制御するプロモー
ター配列(例えば、trp,lac,phoS,PL ,
SV40初期プロモーター)等の制御遺伝子を付加し、
適当なベクター(例えば、pHY300PLK, pBR322, pUC19,
pYAC-neo)に組み込むことにより、宿主の細胞内で複製
し、機能する組み換えDNAを作製することができる。
発現ベクターとしては,宿主細胞内で複製可能な遺伝情
報を含み、増殖できるものであって、検出可能なマーカ
ーとなる遺伝子が含まれるものが好適である。その宿主
の種類に応じて、適切なベクターが選択できる。更に、
宿主細胞内で機能し得る適当なプロモーターが選択でき
る。機能的には、宿主由来の制御遺伝子が望ましい。
【0026】細菌、酵母等の微生物や植物細胞への遺伝
子導入法としては、塩化カルシウム法(例えば、Cohen,
S. N.ら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 第69巻第2110
-2114 頁 1972 年)、DEAE- デキストラン法(例えば、
Current Protocols in Molecular Biology第1 巻 9.2
章, Ausubel, F. M.ら著, John Wiley & Sons 出版1987
年)、エレクトロポレーション法、プロトプラスト細胞
を用いる方法、Tiプラスミドを用いる方法、ウイルスベ
クターを用いる方法(例えば、ワトソン・組換えDNA
の分子生物学, Watson, J. D. ら著, 松橋通生ら監訳丸
善出版 1993 年)等が挙げられる。
子導入法としては、塩化カルシウム法(例えば、Cohen,
S. N.ら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 第69巻第2110
-2114 頁 1972 年)、DEAE- デキストラン法(例えば、
Current Protocols in Molecular Biology第1 巻 9.2
章, Ausubel, F. M.ら著, John Wiley & Sons 出版1987
年)、エレクトロポレーション法、プロトプラスト細胞
を用いる方法、Tiプラスミドを用いる方法、ウイルスベ
クターを用いる方法(例えば、ワトソン・組換えDNA
の分子生物学, Watson, J. D. ら著, 松橋通生ら監訳丸
善出版 1993 年)等が挙げられる。
【0027】遺伝子組み換え技術の基本的操作は、多く
の文献および技術書が参照できる。例えば、 Molecular
Cloning; A Laboratory Manual 第2 版第1-3 巻 Sambr
ook,J. ら著, Cold Spring Harbor Laboratory Press
出版 New York 1989年、Current Protocols in Molecul
ar Biology 第1-2 巻 Ausubel, F. M. ら著, Current
Protocols 出版 1993 年およびワトソン・組換えDNA
の分子生物学, Watson, J. D. ら著, 松橋通生ら監訳,
丸善出版 1993 年が挙げられる。本発明の技術分野に用
いられる各種機器類、酵素類や試薬の使用法は、それぞ
れ参考書、付属の説明書および手順書にしたがって実施
できる。
の文献および技術書が参照できる。例えば、 Molecular
Cloning; A Laboratory Manual 第2 版第1-3 巻 Sambr
ook,J. ら著, Cold Spring Harbor Laboratory Press
出版 New York 1989年、Current Protocols in Molecul
ar Biology 第1-2 巻 Ausubel, F. M. ら著, Current
Protocols 出版 1993 年およびワトソン・組換えDNA
の分子生物学, Watson, J. D. ら著, 松橋通生ら監訳,
丸善出版 1993 年が挙げられる。本発明の技術分野に用
いられる各種機器類、酵素類や試薬の使用法は、それぞ
れ参考書、付属の説明書および手順書にしたがって実施
できる。
【0028】本明細書では記載の簡略化のために以下の
略号を使用する。 A : アデニン. C : シトシン. G : グアニン. T : チミン. Ala: アラニン. Arg: アルギニン. Asn: アスパラギン. Asp: アスパラギン酸. Cys: システイン. Gln: グルタミン. Glu: グルタミン酸. Gly: グリシン. His: ヒスチジン. Ile: イソロイシン. Leu: ロイシン. Lys: リジン. Met: メチオニン. Phe: フェニルアラニン. Pro: プロリン. Ser: セリン. Thr: スレオニン. Trp: トリプトファン. Tyr: チロシン. Val: バリン. DNA: デオキシリボ核酸. kDa: キロダルトン.
略号を使用する。 A : アデニン. C : シトシン. G : グアニン. T : チミン. Ala: アラニン. Arg: アルギニン. Asn: アスパラギン. Asp: アスパラギン酸. Cys: システイン. Gln: グルタミン. Glu: グルタミン酸. Gly: グリシン. His: ヒスチジン. Ile: イソロイシン. Leu: ロイシン. Lys: リジン. Met: メチオニン. Phe: フェニルアラニン. Pro: プロリン. Ser: セリン. Thr: スレオニン. Trp: トリプトファン. Tyr: チロシン. Val: バリン. DNA: デオキシリボ核酸. kDa: キロダルトン.
【0029】
【実施例】以下に実施例をあげ,本発明をより詳細に説
明する。本発明は,以下の実施例のみに限定されるもの
ではなく,本発明の技術分野における通常の技術を用い
る改変が可能である。
明する。本発明は,以下の実施例のみに限定されるもの
ではなく,本発明の技術分野における通常の技術を用い
る改変が可能である。
【0030】(実施例1)ハロモナス属細菌の遺伝子DNAの単離
:−
ハロモナス属KS−3株を、M63培地(組成: 1.4% KH2
PO4, 0.4% KOH, 0.2%(NH4)2SO4, 1mM MgSO4, 3.9 μM F
eSO4, 0.4% glucose)に3 %塩化ナトリウムと0.25%酵
母エキスを加え、通気条件下37℃で一夜前培養した。こ
の前培養液を新鮮な3 %塩化ナトリウムを含むM63培地
(100 ml)に2 %濃度で接種し、37℃で通気条件下に
振盪(140 回/分)培養した。約5 時間培養し、培養菌
液の濁度(波長660nm の吸光度)が約2 に達した時に、
塩化ナトリウムを最終濃度15%となるように添加し、更
に5 時間培養した。遠心分離にて菌体を採取し洗浄した
後、約0.25gの菌体を得た。
PO4, 0.4% KOH, 0.2%(NH4)2SO4, 1mM MgSO4, 3.9 μM F
eSO4, 0.4% glucose)に3 %塩化ナトリウムと0.25%酵
母エキスを加え、通気条件下37℃で一夜前培養した。こ
の前培養液を新鮮な3 %塩化ナトリウムを含むM63培地
(100 ml)に2 %濃度で接種し、37℃で通気条件下に
振盪(140 回/分)培養した。約5 時間培養し、培養菌
液の濁度(波長660nm の吸光度)が約2 に達した時に、
塩化ナトリウムを最終濃度15%となるように添加し、更
に5 時間培養した。遠心分離にて菌体を採取し洗浄した
後、約0.25gの菌体を得た。
【0031】この菌体から常法(Current Protocols in
Molecular Genetics, Ausubel, F.M.ら著第431 頁 Cold
Spring Harbor Laboratory Press出版 New York 1972
年)にしたがってDNAを抽出単離した。すなわち、菌
体をプロテアーゼKで溶菌させた後、遠心分離(8,000
rpm, 10 分間)にて残渣を除去し,リボヌクレアーゼで
処理した。更に、フェノール/クロロホルム等量混合液
を用いる抽出法でタンパク質を除去し、エタノール沈殿
法によりDNAを回収して、ハロモナス菌の遺伝子DN
Aを単離した(約0.8 mg)。
Molecular Genetics, Ausubel, F.M.ら著第431 頁 Cold
Spring Harbor Laboratory Press出版 New York 1972
年)にしたがってDNAを抽出単離した。すなわち、菌
体をプロテアーゼKで溶菌させた後、遠心分離(8,000
rpm, 10 分間)にて残渣を除去し,リボヌクレアーゼで
処理した。更に、フェノール/クロロホルム等量混合液
を用いる抽出法でタンパク質を除去し、エタノール沈殿
法によりDNAを回収して、ハロモナス菌の遺伝子DN
Aを単離した(約0.8 mg)。
【0032】(実施例2)エクトイン合成酵素をコードするDNAの単離
:−
配列番号3に示すエクトイン合成酵素タンパク質のN末
端部分アミノ酸配列の両端に対応し、そのアミノ酸配列
をコードし得る塩基配列の組み合わせである二種類の25
塩基長のDNAを化学合成した。その配列はそれぞれ式
[I]と[II]に示す。
端部分アミノ酸配列の両端に対応し、そのアミノ酸配列
をコードし得る塩基配列の組み合わせである二種類の25
塩基長のDNAを化学合成した。その配列はそれぞれ式
[I]と[II]に示す。
【0033】
【化1】
5'-TGATHGTNMGNAAYYTNGARGARGC-3' [I]
5'-GNTYNSWNTYNGMNCANSWYAGGGT-3' [II]
【0034】式[I]および[II]中の、M は、A ま
たはC のいずれか、R は、A またはG のいずれか、W
は、A またはT のいずれか、S は、G またはC のいずれ
か、Yは、C またはT のいずれか、H は、A またはC ま
たはT のいずれか、N は、A またはG またはC またはT
のいずれかを意味する。
たはC のいずれか、R は、A またはG のいずれか、W
は、A またはT のいずれか、S は、G またはC のいずれ
か、Yは、C またはT のいずれか、H は、A またはC ま
たはT のいずれか、N は、A またはG またはC またはT
のいずれかを意味する。
【0035】上記式[I]および[II]の化学合成D
NAをプライマーとし、実施例1で得たハロモナス菌の
遺伝子DNAを鋳型として、Ampli Taq ポリメラーゼ(P
erkin Elmer 製) を用い添付の手順書に従って、ポリメ
ラーゼ連鎖反応法により目的の遺伝子DNAを特異的に
増幅させた。変性、アニーリングおよびポリメラーゼ反
応の温度条件は、それぞれ95℃、45℃および72℃に設定
した。反応産物を低融点アガロースゲル電気泳動法に付
し、90塩基対の目的とするDNA断片を抽出して単離し
た。このDNA断片をプラスミドpUC19 の制限酵素Sm
aIによる切断部位に組み込んだ。この組み換えプラス
ミドを大腸菌DH5αF'(Life Technologies, Inc. 社
製)に導入し形質転換体を作製した。この形質転換体か
ら組み換えプラスミドを回収して、組み込んだ90塩基対
の目的DNA断片の塩基配列をジデオキシ法で決定し
た。その塩基配列にコードされるアミノ酸配列は配列番
号3に示す配列と完全に一致し、目的とするDNA断片
であることを確認した。
NAをプライマーとし、実施例1で得たハロモナス菌の
遺伝子DNAを鋳型として、Ampli Taq ポリメラーゼ(P
erkin Elmer 製) を用い添付の手順書に従って、ポリメ
ラーゼ連鎖反応法により目的の遺伝子DNAを特異的に
増幅させた。変性、アニーリングおよびポリメラーゼ反
応の温度条件は、それぞれ95℃、45℃および72℃に設定
した。反応産物を低融点アガロースゲル電気泳動法に付
し、90塩基対の目的とするDNA断片を抽出して単離し
た。このDNA断片をプラスミドpUC19 の制限酵素Sm
aIによる切断部位に組み込んだ。この組み換えプラス
ミドを大腸菌DH5αF'(Life Technologies, Inc. 社
製)に導入し形質転換体を作製した。この形質転換体か
ら組み換えプラスミドを回収して、組み込んだ90塩基対
の目的DNA断片の塩基配列をジデオキシ法で決定し
た。その塩基配列にコードされるアミノ酸配列は配列番
号3に示す配列と完全に一致し、目的とするDNA断片
であることを確認した。
【0036】(実施例3)エクトイン合成酵素をコードするDNAを含む遺伝子D
NAの単離 :− 実施例1で得たハロモナス菌の遺伝子DNAを下記の8
種類の制限酵素で切断し、アガロースゲル電気泳動によ
り単離した。使用した制限酵素は、EcoRI、Sal
I、ScaI、KpnI、BamHI、PvuII、N
ruIおよびPstIである。各DNA断片について、
アガロースゲル電気泳動により分離した後、エクトイン
合成酵素をコードするDNA断片をプローブとするサザ
ンブロット・ハイブリダイゼーション法により検索し
た。その結果、エクトイン合成酵素をコードするDNA
を完全に含むDNAとして、EcoRIとSalIで切
断される約4.2 キロ塩基対のDNA(この断片を、4.2k
bp-DNA-EcoRI-SalI 断片と称する)を単離した。ハロモ
ナス菌の遺伝子DNAの制限酵素分析の結果を図1に示
す。
NAの単離 :− 実施例1で得たハロモナス菌の遺伝子DNAを下記の8
種類の制限酵素で切断し、アガロースゲル電気泳動によ
り単離した。使用した制限酵素は、EcoRI、Sal
I、ScaI、KpnI、BamHI、PvuII、N
ruIおよびPstIである。各DNA断片について、
アガロースゲル電気泳動により分離した後、エクトイン
合成酵素をコードするDNA断片をプローブとするサザ
ンブロット・ハイブリダイゼーション法により検索し
た。その結果、エクトイン合成酵素をコードするDNA
を完全に含むDNAとして、EcoRIとSalIで切
断される約4.2 キロ塩基対のDNA(この断片を、4.2k
bp-DNA-EcoRI-SalI 断片と称する)を単離した。ハロモ
ナス菌の遺伝子DNAの制限酵素分析の結果を図1に示
す。
【0037】別途、プラスミドpBR322をEcoRIとS
alIで切断して得られる、複製開始点、アンピシリン
耐性遺伝子等を含む大きなDNA断片(この断片を pBR
322-EcoRI-SalI断片と称する)を単離した。4.2kbp-DNA
-EcoRI-SalI 断片と pBR322-EcoRI-SalI断片をT4 DN
Aリガーゼで結合させ、環状の組み換えプラスミドDN
Aを作製した。この組み換えDNAをpECT101 と命名し
た。
alIで切断して得られる、複製開始点、アンピシリン
耐性遺伝子等を含む大きなDNA断片(この断片を pBR
322-EcoRI-SalI断片と称する)を単離した。4.2kbp-DNA
-EcoRI-SalI 断片と pBR322-EcoRI-SalI断片をT4 DN
Aリガーゼで結合させ、環状の組み換えプラスミドDN
Aを作製した。この組み換えDNAをpECT101 と命名し
た。
【0038】(実施例4)エクトイン合成酵素をコードするDNAの塩基配列
:−
実施例3で得た 4.2kbp-DNA-EcoRI-SalI断片の塩基配列
の決定を目的として、ベクター pBluescript II SK+
(東洋紡株式会社製)のクローニング部位領域に組み込
み( pECT201と命名する)、pBluescript II Exo/Mung
DNA シークエンシングシステム(STRATAGENE社製)によ
り塩基配列を決定した。配列番号4にエクトイン合成酵
素タンパク質をコードする塩基配列と全アミノ酸配列を
示す。
の決定を目的として、ベクター pBluescript II SK+
(東洋紡株式会社製)のクローニング部位領域に組み込
み( pECT201と命名する)、pBluescript II Exo/Mung
DNA シークエンシングシステム(STRATAGENE社製)によ
り塩基配列を決定した。配列番号4にエクトイン合成酵
素タンパク質をコードする塩基配列と全アミノ酸配列を
示す。
【0039】(実施例5)エクトイン合成酵素をコードするDNAによる形質転
換 :− 実施例3で得た組み換えDNA(pECT101) には、エクト
イン合成酵素をコードするDNAを完全に含む 4.2kbp-
DNA-EcoRI-SalI断片が組み込まれている。このpECT101
を Molecular Cloning; A Laboratory Manual 第2 版第
1 巻1.77-1.81(Sambrook, J. ら著 Cold Spring Harbor
Laboratory Press出版 New York 1989年) に記載の方
法にしたがって大腸菌DH5αF'に導入して、アンピシリ
ン耐性の形質を獲得した形質転換体(E. coli DH5/pECT
101 と称する)を作製した。更に、この形質転換体につ
いてハイブリダイゼーション法を行い、その形質転換体
中にエクトイン合成酵素をコードするDNAが保有され
ていることを確認した。
換 :− 実施例3で得た組み換えDNA(pECT101) には、エクト
イン合成酵素をコードするDNAを完全に含む 4.2kbp-
DNA-EcoRI-SalI断片が組み込まれている。このpECT101
を Molecular Cloning; A Laboratory Manual 第2 版第
1 巻1.77-1.81(Sambrook, J. ら著 Cold Spring Harbor
Laboratory Press出版 New York 1989年) に記載の方
法にしたがって大腸菌DH5αF'に導入して、アンピシリ
ン耐性の形質を獲得した形質転換体(E. coli DH5/pECT
101 と称する)を作製した。更に、この形質転換体につ
いてハイブリダイゼーション法を行い、その形質転換体
中にエクトイン合成酵素をコードするDNAが保有され
ていることを確認した。
【0040】形質転換体 E. coli DH5/pECT101をM63培
地に0.02%のカザミノ酸および 2μg/mlのチアミン
を添加した培地に接種して、37℃で培養した。培養液の
濁度(波長610 nmの吸光度)が約0.2 に達した時点に、
塩化ナトリウムを最終濃度5%にまで添加し培養を継続
し、菌の生育状況をバイオスキャナーOT-BS-48(大岳製
作所製)で測定した。プラスミドpBR322を同様に大腸菌
DH5αF'に導入して、アンピシリン耐性の形質を獲得し
た形質転換体(E. coli DH5/pBR322と称する)を作製
し、比較対照の形質転換体とした。その結果、図2に示
すように、対照の形質転換体(E. coli DH5/pBR322)が
高塩濃度の培養液中では生育が停止した。これに対し、
形質転換体 E. coli DH5/pECT101は高塩濃度の培養液中
でも順調に生育した。このことは、エクトイン合成酵素
の遺伝子導入により、エクトイン合成能が付与され、高
塩濃度の環境及び高塩濃度によりもたらされる高浸透圧
の環境に対して耐性を示し、増殖し得る形質が獲得され
たこと示すものである。
地に0.02%のカザミノ酸および 2μg/mlのチアミン
を添加した培地に接種して、37℃で培養した。培養液の
濁度(波長610 nmの吸光度)が約0.2 に達した時点に、
塩化ナトリウムを最終濃度5%にまで添加し培養を継続
し、菌の生育状況をバイオスキャナーOT-BS-48(大岳製
作所製)で測定した。プラスミドpBR322を同様に大腸菌
DH5αF'に導入して、アンピシリン耐性の形質を獲得し
た形質転換体(E. coli DH5/pBR322と称する)を作製
し、比較対照の形質転換体とした。その結果、図2に示
すように、対照の形質転換体(E. coli DH5/pBR322)が
高塩濃度の培養液中では生育が停止した。これに対し、
形質転換体 E. coli DH5/pECT101は高塩濃度の培養液中
でも順調に生育した。このことは、エクトイン合成酵素
の遺伝子導入により、エクトイン合成能が付与され、高
塩濃度の環境及び高塩濃度によりもたらされる高浸透圧
の環境に対して耐性を示し、増殖し得る形質が獲得され
たこと示すものである。
【0041】
【発明の効果】本発明で得られるエクトイン合成酵素の
遺伝子DNAを利用して、保水物質として有効な利用が
考えられるエクトインを遺伝子組み換え法により製造す
ることができる。また、本発明のDNAを適当な発現ベ
クターを利用し、種々の微生物や植物などに組み込み、
発現させることによって、高浸透圧環境下に耐える形質
を獲得させることにより、高濃度培養による培養プロセ
スの改良や、高浸透圧にも耐える耐乾燥性の植物を創製
することができる。これらは、砂漠の土壌に微生物群を
復活させたり、乾燥地や海岸にも育成する植物の創製に
つながるものである。
遺伝子DNAを利用して、保水物質として有効な利用が
考えられるエクトインを遺伝子組み換え法により製造す
ることができる。また、本発明のDNAを適当な発現ベ
クターを利用し、種々の微生物や植物などに組み込み、
発現させることによって、高浸透圧環境下に耐える形質
を獲得させることにより、高濃度培養による培養プロセ
スの改良や、高浸透圧にも耐える耐乾燥性の植物を創製
することができる。これらは、砂漠の土壌に微生物群を
復活させたり、乾燥地や海岸にも育成する植物の創製に
つながるものである。
【0042】配列番号:1
配列の長さ:137
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:タンパク質(protein)
起源
生物名:ハロモナス(Halomonas)
株名:KS-3
配列
Met Ile Val Arg Asn Leu Glu Glu Ala Arg Gln Thr Asp Arg Leu Val
1 5 10 15
Thr Ala Glu Asn Gly Asn Trp Asp Ser Thr Arg Leu Ser Leu Ala Glu
20 25 30
Asp Gly Gly Asn Cys Ser Phe His Ile Thr Arg Ile Phe Glu Gly Thr
35 40 45
Glu Thr His Ile His Tyr Lys His His Phe Glu Ala Val Tyr Cys Ile
50 55 60
Glu Gly Glu Gly Glu Val Glu Thr Leu Ala Asp Gly Lys Ile Trp Pro
65 70 75 80
Ile Lys Pro Gly Asp Ile Tyr Ile Leu Asp Gln His Asp Glu His Leu
85 90 95
Leu Arg Ala Ser Lys Thr Met His Leu Ala Cys Val Phe Thr Pro Gly
100 105 110
Leu Thr Gly Asn Glu Val His Arg Glu Asp Gly Ser Tyr Ala Pro Ala
115 120 125
Asp Glu Ala Asp Asp Gln Lys Pro Leu
130 135
【0043】配列番号:2
配列の長さ:411
配列の型:核酸
鎖の数:二本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:Genomic DNA
起源
生物名:ハロモナス(Halomonas)
株名:KS-3
配列
ATG ATC GTT CGC AAT CTC GAA GAA GCG CGC CAG ACC GAC CGT CTG GTC 48
ACC GCC GAA AAC GGC AAC TGG GAC AGC ACC CGC CTG TCG CTG GCC GAA 96
GAT GGT GGC AAC TGC TCC TTC CAC ATC ACC CGC ATC TTC GAG GGT ACC 144
GAG ACC CAC ATC CAC TAC AAG CAT CAC TTC GAG GCT GTT TAT TGC ATC 192
GAA GGC GAG GGC GAA GTG GAA ACC CTG GCC GAT GGC AAG ATC TGG CCC 240
ATC AAG CCG GGT GAC ATC TAC ATC CTC GAC CAG CAC GAC GAG CAC CTG 288
CTG CGC GCC AGC AAG ACC ATG CAC CTG GCC TGC GTG TTC ACG CCG GGC 336
CTG ACC GGC AAC GAA GTG CAC CGC GAA GAC GGT TCC TAC GCA CCT GCC 384
GAC GAA GCC GAC GAC CAG AAG CCG CTG 411
【0044】配列番号:3
配列の長さ:30
配列の型:アミノ酸
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド(peptide)
配列
Met Ile Val Arg Asn Leu Glu Glu Ala Arg Gln Thr Asp Arg Leu Val
1 5 10 15
Thr Ala Glu Asn Gly Asn Trp Asp Ser Thr Arg Leu Ser Leu
20 25 30
【0045】配列番号:4
配列の長さ:414
配列の型:核酸
トポロジー:二本鎖
配列の種類:直鎖状
起源
生物名:ハロモナス(Halomonas)
株名:KS-3
配列の特徴:
特徴を表す記号:タンパク質
存在位置:1..411
特徴を決した方法:E
配列
ATG ATC GTT CGC AAT CTC GAA GAA GCG CGC CAG ACC GAC CGT CTG GTC 48
Met Ile Val Arg Asn Leu Glu Glu Ala Arg Gln Thr Asp Arg Leu Val
1 5 10 15
ACC GCC GAA AAC GGC AAC TGG GAC AGC ACC CGC CTG TCG CTG GCC GAA 96
Thr Ala Glu Asn Gly Asn Trp Asp Ser Thr Arg Leu Ser Leu Ala Glu
20 25 30
GAT GGT GGC AAC TGC TCC TTC CAC ATC ACC CGC ATC TTC GAG GGT ACC 144
Asp Gly Gly Asn Cys Ser Phe His Ile Thr Arg Ile Phe Glu Gly Thr
35 40 45
GAG ACC CAC ATC CAC TAC AAG CAT CAC TTC GAG GCT GTT TAT TGC ATC 192
Glu Thr His Ile His Tyr Lys His His Phe Glu Ala Val Tyr Cys Ile
50 55 60
GAA GGC GAG GGC GAA GTG GAA ACC CTG GCC GAT GGC AAG ATC TGG CCC 240
Glu Gly Glu Gly Glu Val Glu Thr Leu Ala Asp Gly Lys Ile Trp Pro
65 70 75 80
ATC AAG CCG GGT GAC ATC TAC ATC CTC GAC CAG CAC GAC GAG CAC CTG 288
Ile Lys Pro Gly Asp Ile Tyr Ile Leu Asp Gln His Asp Glu His Leu
85 90 95
CTG CGC GCC AGC AAG ACC ATG CAC CTG GCC TGC GTG TTC ACG CCG GGC 336
Leu Arg Ala Ser Lys Thr Met His Leu Ala Cys Val Phe Thr Pro Gly
100 105 110
CTG ACC GGC AAC GAA GTG CAC CGC GAA GAC GGT TCC TAC GCA CCT GCC 384
Leu Thr Gly Asn Glu Val His Arg Glu Asp Gly Ser Tyr Ala Pro Ala
115 120 125
GAC GAA GCC GAC GAC CAG AAG CCG CTG TAA 414
Asp Glu Ala Asp Asp Gln Lys Pro Leu
130 135
【図1】ハロモナス属KS−3株の遺伝子DNAの制限
酵素分析図を示す。図中の記号はそれぞれ制限酵素によ
り切断される位置を示す。図中のボックス部はエクトイ
ン合成酵素をコードする領域を示す。Ps,PstI; B,
BamHI; Pv, PvuII; Sa, SalI; E, E
coRI; Sc, ScaI; K, KpnI; N, Nru
I。
酵素分析図を示す。図中の記号はそれぞれ制限酵素によ
り切断される位置を示す。図中のボックス部はエクトイ
ン合成酵素をコードする領域を示す。Ps,PstI; B,
BamHI; Pv, PvuII; Sa, SalI; E, E
coRI; Sc, ScaI; K, KpnI; N, Nru
I。
【図2】形質転換体 E. coli DH5/pECT101とE. coli DH
5/pBR322の高塩濃度培養液中での生育状態を示す。横軸
は、培養経過時間(hr)を示し、縦軸は、培養液の濁度
(波長610 nmの吸光度)を示す。矢印は、塩化ナトリウ
ムを最終濃度5 %にまで添加した時点を示す。 −●
−,E. coli DH5/pECT101; −○−, E. coli DH5/pBR3
22
5/pBR322の高塩濃度培養液中での生育状態を示す。横軸
は、培養経過時間(hr)を示し、縦軸は、培養液の濁度
(波長610 nmの吸光度)を示す。矢印は、塩化ナトリウ
ムを最終濃度5 %にまで添加した時点を示す。 −●
−,E. coli DH5/pECT101; −○−, E. coli DH5/pBR3
22
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
C12R 1:19)
(72)発明者 大和谷 和彦
大阪府泉佐野市高松北2丁目4番14号
(56)参考文献 Halomonas sp.のect
oine生成−ectoine syn
thaseについて,日本生物工学会講
演要旨集,日本,1992年,203
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C12N 15/09 ZNA
C12N 1/21
C12N 5/10
C12N 9/00
C12N 1/21
CAPLUS(STN)
SwissProt/PIR/GeneS
eq
GenBank/EMBL/DDBJ/G
eneSeq
Claims (8)
- 【請求項1】 配列番号1で示されるアミノ酸配列から
なるエクトイン合成酵素をコードするDNAまたはその
対立遺伝子であるDNA。 - 【請求項2】 エクトイン合成酵素をコードするDNA
の塩基配列が配列番号2で示される配列である請求項1
に記載のDNA。 - 【請求項3】 図1に示される制限酵素分析図を有する
ハロモナス属細菌の遺伝子DNAから制限酵素EcoR
IとSalIによる切断で単離され、エクトイン合成酵
素をコードするDNAを含む約4.2キロ塩基対のDN
A。 - 【請求項4】 ハロモナス属細菌がハロモナス属KS−
3株(受託番号FERM BP−4841)である請求
項3に記載のDNA。 - 【請求項5】 宿主細胞内で複製可能なベクターに、請
求項1ないし4のいずれかに記載のDNAが組み込まれ
た組み換えDNA。 - 【請求項6】 請求項5に記載の組み換えDNAを宿主
細胞に導入して、宿主細胞にエクトイン合成能を付与す
る方法。 - 【請求項7】 請求項5に記載の組み換えDNAで形質
転換された微生物。 - 【請求項8】 請求項5に記載の組み換えDNAで形質
転換された植物。
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DE69434246T DE69434246T2 (de) | 1993-11-09 | 1994-11-01 | Ectoin - synthetasegen |
EP94931196A EP0748869B1 (en) | 1993-11-09 | 1994-11-01 | Ectoine synthetase gene |
PCT/JP1994/001839 WO1995013366A1 (en) | 1993-11-09 | 1994-11-01 | Ectoine synthetase gene |
US08/640,978 US5932781A (en) | 1993-11-09 | 1994-11-01 | Ectoine synthase gene |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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JPH07132091A JPH07132091A (ja) | 1995-05-23 |
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Family Applications (1)
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EP (1) | EP0748869B1 (ja) |
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EP2743350A1 (en) * | 2012-12-13 | 2014-06-18 | Artes Biotechnologie GmbH | A method for producing ectoine or a derivative thereof and a yeast cell for use as a host cell in such a method |
KR102513450B1 (ko) * | 2021-01-07 | 2023-03-22 | 한국생명공학연구원 | 신규한 엑토인 합성효소 및 그 용도 |
CN113528595B (zh) * | 2021-04-16 | 2022-10-28 | 中国热带农业科学院海口实验站 | 一种重组大肠杆菌生产四氢嘧啶及纯化方法 |
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- 1993-11-09 JP JP30476893A patent/JP3466245B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1994
- 1994-11-01 WO PCT/JP1994/001839 patent/WO1995013366A1/ja active IP Right Grant
- 1994-11-01 DE DE69434246T patent/DE69434246T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1994-11-01 EP EP94931196A patent/EP0748869B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1994-11-01 US US08/640,978 patent/US5932781A/en not_active Expired - Fee Related
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Title |
---|
Halomonas sp.のectoine生成−ectoine synthaseについて,日本生物工学会講演要旨集,日本,1992年,203 |
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JPH07132091A (ja) | 1995-05-23 |
WO1995013366A1 (en) | 1995-05-18 |
EP0748869A4 (en) | 2000-12-06 |
DE69434246D1 (de) | 2005-03-03 |
EP0748869B1 (en) | 2005-01-26 |
EP0748869A1 (en) | 1996-12-18 |
US5932781A (en) | 1999-08-03 |
DE69434246T2 (de) | 2005-07-07 |
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