JP3466077B2 - 紡糸性に優れたポリトリメチレンテレフタレートチップ - Google Patents

紡糸性に優れたポリトリメチレンテレフタレートチップ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繊維、フィルム又は
ボトル等の押出し成形や射出成形等の溶融成形におい
て、不完全溶融のための欠点発生が少ないポリトリメチ
レンテレフタレートチップ、及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ポリトリメチレンテレフタレート
は、柔らかい風合い、易染性などでカーペット用途向
け、または衣料用途向けなどに注目されている。通常、
ポリトリメチレンテレフタレートなどのポリエステルポ
リマーは、溶融重縮合後にロープ状に溶融押出し、冷却
した後、適当な大きさに切断してチップとするのである
が、水中での冷却条件によって耐衝撃性の弱いチップが
出来てしまうことを見出した。
【0003】耐衝撃性の弱いチップはチップの輸送に用
いられる空気式輸送機(ニューマーライン)による金属
との接触、またチップ同士の接触により粉状となりやす
く、送風機、排風機の詰まり等の動作不良の原因となり
やすい。また、詰まり対策として粉末除去フィルターを
取り入れると、ポリマーのロスが発生する上にフィルタ
ー取り替えなどの操作が加わりコスト高になってしま
う。更に、粉末ポリマーがチップに付着した形で存在す
ると溶融押出機中での溶融状態が変動し、定量的な溶融
押出しが出来なくなるために、押出し時のスクリュー圧
の変動が発生する。こういった現象が起きると、紡糸時
の糸斑などの原因となりやすい。
【0004】ポリトリメチレンテレフタレートが他のポ
リエステルと比較して上述したような現象が起こり易い
のは、結晶化速度が速く、さらに低温でも結晶し易いた
めだと考えられる。このため、従来行われているポリエ
チレンテレフタレート(PET)と同様のチップ製造法
では粉末状物が発生しやすくなってしまう。ポリトリメ
チレンテレフタレートポリマーの製造方法としては、種
々の方法が提案されている(特開昭51−140992
号公報、特開平5−262862号公報、特開平8−3
11177号公報等)。しかし、具体的なチップ化の方
法については全く開示されていない。また、ポリエチレ
ンテレフタレートチップの製造法に関しても特開平5−
70567号公報に示されているように、内外層の固有
粘度差や密度差について記載されているものはあるが、
上述のような結晶性などについての記載はほとんど見ら
れない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
ポリエステルチップの欠点を改良し、紡糸に代表される
溶融成形に適したポリトリメチレンテレフタレートチッ
プ及びその製造法に関するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らの検討による
と、上述のようにして製造したポリトリメチレンテレフ
タレートチップ中には通常のポリトリメチレンテレフタ
レートポリマーの融点より3〜30℃高い融点を有する
結晶と思われる部分が存在していた。この高融点部分と
しては、チップそのものに含まれる部分と、粉末状やフ
ィルム状でチップに付着している部分とが存在する。こ
れらは例えばロープ状に溶融押出ししたポリマーをカッ
ターで切断する際や、圧気などでチップを輸送するニュ
ーマーライン内壁面にチップが高速で衝突した際など、
チップが強いせん断変形をポリマーの結晶化温度付近で
受けた時に、ポリマーが極度にせん断配向し、結晶サイ
ズの大きな結晶に成長するからだと考えられる。この高
融点部分は紡糸に代表される溶融成形の際に完全に溶融
することが困難であり、紡糸などでは毛羽発生などの欠
陥発生原因となる。
【0007】本発明者らは、上記欠点を解決すべく鋭意
検討を重ねた結果、特定の条件にてポリマーをチップ化
することにより、紡糸の際に糸切れ発生が少ない、溶融
成形に適したポリエステルチップ及びその製造法を提供
するに至った。すなわち本発明の第一は、チップ平均融
点より3℃以上高い融点のポリトリメチレンテレフタレ
ートポリマーが、チップ全体の50mg/(gチップ)
以下で含有されていることを特徴とするポリトリメチレ
ンテレフタレートチップである。
【0008】本発明の第二は、10メッシュのフィルタ
ーを通過し、300メッシュのフィルターを通過しない
粉末状物またはフィルム状物がチップ全体の300mg
/(gチップ)以下含有しており、該粉末状物またはフ
ィルム状物がチップ平均融点より3℃以上高い融点のポ
リトリメチレンテレフタレートポリマーからなることを
特徴とするポリトリメチレンテレフタレートチップであ
る。本発明の第三は、溶融押出ししたポリマーを、結晶
化エネルギーが40mJ/mg以下となるように冷却固
化した後、切断時の摩擦発熱温度が100℃以下となる
ように切断してチップ化することを特徴とするポリトリ
メチレンテレフタレートチップの製造法である。
【0009】本発明のポリトリメチレンテレフタレート
とは、酸成分としてテレフタル酸を用い、グリコール成
分としてトリメチレングリコールを80モル%以上含有
したポリエステルポリマーである。本発明においてトリ
メチレングリコールとしては、1,3−プロパンジオー
ルである。
【0010】本発明に用いるポリトリメチレンテレフタ
レートには、必要に応じて本発明の効果を損なわない範
囲で、酸成分としてイソフタル酸、コハク酸、アジピン
酸、2,6ーナフタレンジカルボン酸などや、グリコー
ル成分としてエチレングリコール、1,4ーブタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、ポリオキシアルキレ
ングリコールなどのグリコール成分が共重合されていて
も良い。また、必要に応じて各種の添加剤、例えば、艶
消し剤、熱安定剤、難燃剤、帯電防止剤、消泡剤などを
共重合または混合しても良い。
【0011】本発明のチップは、チップ平均融点より3
℃以上高い融点のポリトリメチレンテレフタレートポリ
マーが、チップ全体の50mg/(gチップ)以下含有
されていることが必要であり、また、さらに好ましく
は、10メッシュのフィルターを通過し、300メッシ
ュのフィルターを通過しない粉末状物またはフィルム状
物がチップ全体の300mg/(gチップ)以下含有さ
れており、該粉末状物またはフィルム状物がチップ平均
融点より3℃以上高いポリトリメチレンテレフタレート
ポリマーからなることが必要である。ここでいうチップ
とは、表面に付着物のないポリトリメチレンテレフタレ
ートチップのことである。
【0012】チップ平均融点より3℃以上高い融点のポ
リマーは、溶融成形を行う際に完全に溶融することが困
難となり、また溶融したとしても、溶融前の結晶配向な
どの履歴を完全に消すことが困難であり、成形時の欠
陥、特に紡糸時の糸切れなどの原因となる。また、完全
に溶融しようとした場合、高温で長時間かけて溶融する
必要があり、熱安定性のあまり良くないポリトリメチレ
ンテレフタレートでは熱劣化を起こし、有毒な分解ガス
の発生、着色、力学的物性の低下を引き起こす。このよ
うな高融点ポリマーは、チップ中に含まれているか、あ
るいはフィルム状や粉末状となってチップに付着してい
る。ここでいうフィルム状とはサイズは様々であり、板
状のもの、針状のものも含まれる。また、粉末状につい
ても粒子状のものも含む。
【0013】チップ中に含まれているチップ平均融点よ
り3℃以上高いポリマー(高融点ポリマー)の量は、ポ
リトリメチレンテレフタレートの溶媒として用いられる
o−クロロフェノールにチップを溶解した場合にこの高
融点ポリマーは結晶性が高いために溶解しないことが判
明し、この溶解性の差によって測定する。本発明では、
チップ平均融点より3℃以上高いポリマーの量は少なけ
れば少ないほど良いが、実用上は30mg/(gチッ
プ)以下が好ましく、さらに好ましくは10mg/(g
チップ)以下である。
【0014】また、チップに付着しているフィルム状や
粉末状の高融点ポリマーは粒径が大きいほど溶融しにく
く欠陥となりやすい。30メッシュのフィルターを通過
し、300メッシュのフィルターを通過しない大きさの
フィルム状や粉末状高融点ポリマーが300mg/(g
チップ)を越えると、通常の溶融成形においては完全に
溶融せず欠陥となってしまったり、ニューマーラインの
フィルターが詰まりやすくなったりしてしまう。フィル
ム状や粉末状の高融点ポリマーは少なければ少ないほど
良いが、さらに好ましくは100mg/(gチップ)以
下である。10メッシュより大きい粉末状物中に高融点
ポリマーが存在した場合は前者のo−クロロフェノール
溶解法にて検出することができる。なおチップ平均の融
点とは、フィルム状や粉末状ポリマーを除いたチップの
融点をDSCを用いて昇温速度5℃/分、窒素中で測定
した際の融解ピークのピークトップの値として求めた値
である。
【0015】また、高融点ポリマーの含有率は、次の式
に従って求めた。 高融点ポリマー含有率(mg/(gチップ))=W×R W:粉末状またはフィルム状ポリマーあるいはo−クロ
ロフェノール 未溶解物のチップ中に含まれる割合(mg/(gチッ
プ)) R:粉末状またはフィルム状ポリマーあるいはo−クロ
ロフェノール 未溶解物の融点を測定した際の融解ピーク面積に対す
る、チップ平均の融点より3℃以上高いピーク面積の割
【0016】チップ平均融点はチップを構成するポリト
リメチレンテレフタレートの組成によって変動する。例
えば、ポリトリメチレンテレフタレートホモポリマーの
場合、チップ平均融点は232℃なので、高融点ポリマ
ーの融点は235℃以上となる。本発明における、ポリ
トリメチレンテレフタレートポリマーの極限粘度[η]
は0.4〜1.5の範囲であることが好ましい。極限粘
度が1.5を越えると溶融粘性が高くなりすぎ、溶融成
形することが困難となってしまう。また、0.4未満で
は成形物の力学的物性が十分ではなくなってしまう。
【0017】また、本発明におけるチップ一粒の重量は
10〜1000mgであることが好ましい。チップ中の
高融点部分は、カット時に生成するため、カット面が多
いほど多くなる。従って10mg以下のチップではカッ
ト面が多くなりすぎ好ましくない。またチップが小さす
ぎると運搬、保管等の際に静電気により壁面等への付着
が激しく取り扱いが困難となってしまう。また、100
0mg以上では通常用いられる圧縮空気による搬送が困
難になったり、溶融成形時のエクストルーダーでの溶融
が困難になったりする。チップの大きさは好ましくは2
0〜500mg、更に好ましくは30〜200mgの範
囲である。本発明に用いるポリマーは、公知のポリエス
テル重合方法により重合することができる。例えば、酸
とグリコールを直接エステル化した後適当な触媒の存在
下で重縮合する方法、酸の低級アルキルエステルとグリ
コールとを適当な触媒の存在下でエステル交換反応した
後溶融重縮合する方法等が挙げられる。
【0018】このように溶融重合したポリマーは、溶融
押出した後、水等の適当な冷却剤で冷却し、切断してチ
ップ化する。本発明においては溶融押出したポリマー
を、結晶化エネルギーが40mJ/mg以下となるよう
に冷却固化した後に切断してチップ化する必要がある。
結晶化エネルギーは、冷却固化したポリマーの熱的挙動
ををDSCにて昇温速度5℃/分、窒素中で測定した際
に室温〜100℃付近にみられる結晶化のための発熱エ
ネルギーである。結晶化エネルギーが小さいということ
は、ポリマーの結晶化度が大きいことである。従って本
発明では結晶化エネルギーが40mJ/mg以下となる
ように、冷却固化の段階で結晶化させる必要がある。結
晶化エネルギーが40mJ/mgを越えるような結晶化
が十分に起こっていないポリマーをカットするとチップ
中に含まれている高融点ポリマーを50mg/(gチッ
プ)以下にすることができない。
【0019】しかし、結晶化を進め、結晶化エネルギー
が5mJ/mg未満になるとポリマーが脆くなりすぎカ
ットの際に粒径の小さい粉状ポリマーが多量にできてし
まうためにチップを圧気などで輸送する際に用いる排風
機や、乾燥機の排風ラインに設置するフィルター詰まり
が起こりやすくなり好ましくない。結晶化エネルギーは
好ましくは5〜35mJ/mg、更に好ましくは10〜
30mJ/mgである。このような結晶化エネルギーの
ポリマーを得るためには、溶融押出しポリマーの吐出孔
サイズ、冷却剤温度、冷却時間等を適宜調節する必要が
ある。
【0020】吐出孔サイズとしては直径1〜20mm、
好ましくは2〜10mmである。吐出孔サイズが小さい
と吐出量が少なくなるためポリマーの滞留時間が長くな
りすぎ熱劣化を起こし易くなってしまう。冷却剤温度は
10〜50℃、冷却時間は1〜100秒の範囲であるこ
とが好ましい。冷却剤温度が低すぎるとポリマーが結晶
化しないため、本発明に必要な40mJ/mg以下の結
晶化エネルギーを有した固化ポリマーを得ることが困難
となる。また冷却剤温度が高すぎる場合や、冷却時間が
短すぎる場合は、固化後のポリマー温度が高すぎるため
結晶化が進み固化物の結晶化エネルギーが低くなりす
ぎ、脆い固化物しか得られなくなってしまう。また冷却
時間を長くしても固化物の結晶化エネルギーは問題ない
が、冷却装置が大きくなるため実用上は100秒程度に
した方が良い。
【0021】本発明におけるチップの製造法においては
カット時の摩擦発熱を押さえ、切断面の温度が100℃
以下となるようにする必要がある。カット時の摩擦発熱
温度が100℃を越えるとポリトリメチレンテレフタレ
ートポリマーの結晶化が始まり、このような温度の時に
切断などのせん断を加えると、前述したような高融点ポ
リマーが多量に生成してしまう。カット時の摩擦発熱温
度を100℃以下にするためには、切断中冷却する必要
があり、水などの冷却溶媒中で切断するか、あるいは冷
却溶媒をかけながら切断することが好ましい。もちろん
切断に冷却した刃物を用いてもよい。このようにして作
られたチップは空気などで配管中を輸送されて、紡糸機
などの成形装置に送られる。高融点の粉末状物やフィル
ム状物は輸送される際に、金属配管の壁面に高速でぶつ
かることによっても発生することがある。従ってチップ
が壁面に高速でぶつかるような、曲率を持った配管内部
をゴム等の緩衝材で被覆することが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、実施例などをもって本発明
を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例などに
より何ら限定されるものではない。なお、実施例中の主
な測定値は以下の方法で測定した。 (1)結晶化エネルギー 溶融押出しし、冷却固化したポリマーの結晶化エネルギ
ーは、ポリマーの熱的挙動をセイコー電子(株)製DS
C200DSCを用いて昇温速度5℃/分、窒素中にて
測定した。結晶化エネルギーは室温〜100℃付近にみ
られる結晶化のための発熱エネルギーを測定に用いたポ
リマーの量で除した値として求めた。
【0023】(2)高融点ポリマー含有率の測定−1 チップに付着している粉末状またはフィルム状の高融点
ポリマー含有率の測定は、次の手順に従って行った。 1.チップ1kgを水で洗浄する。 2.洗浄した水を10メッシュのフィルターで、次いで
300メッシュのフィルターで濾過し、300メッシュ
フィルター上に残った粉末状ポリマーを集め、100℃
にて減圧乾燥を行った後重量を測定し、粉末状ポリマー
のチップに占める割合を求める。 3.2で採取した粉末状ポリマーの融点をセイコー電子
(株)製DSC200を用い、5℃/minの昇温速度
で100mL/minの窒素気流中で測定する。この時
融点は複数のピーク値を持ってもかまわない。 4.3と同様にして洗浄したチップの融点を求める。こ
こでは融解ピークのピーク値を平均融点とする。 5.3の測定の融解ピークのうち、4で求めたチップの
平均融点より3℃以上高いピークの全融解ピークに占め
る割合を求め、この割合を粉末状ポリマー中の高融点ポ
リマーの割合とする。 6.2で求めた全チップ中の粉末状ポリマーの割合と、
5で求めた粉末状ポリマー中の高融点ポリマーの割合よ
り、全チップに対する高融点ポリマーの含有率を求め
る。
【0024】(3)高融点ポリマーの含有率の測定−2 o−クロロフェノール未溶解物中の高融点ポリマー含有
率の測定は次の手順に従って行った。 1.水で洗浄したチップ5gを90℃に加熱した200
mlのo−クロロフェノールに入れ、30分間攪拌し、
溶解する。 2.1を300メッシュのフィルターで濾過し、濾過残
(未溶解物)を水で繰返し洗浄した後、エタノールで繰
返し洗浄する。次いで100℃にて減圧乾燥し、重量を
測定する。 3.2で採取した未溶解物の融点をセイコー電子株式会
社製DSC200を用い、5℃/minの昇温速度で1
00mL/minの窒素気流中で測定する。 4.3と同様にして洗浄したチップの融点を求める。こ
こでは融解ピークのピーク値を平均融点とする。この時
融点は複数のピーク値を持ってもかまわない。 5.3の測定の融解ピークのうち、4で求めたチップの
平均融点より3℃以上高いピークの全融解ピークに占め
る割合を求め、この割合を未溶解物中の高融点ポリマー
の割合とする。 6.2で求めた全チップ中の粉末状ポリマーの割合と、
5で求めた未溶解物中の高融点ポリマーの割合より、全
チップに対する高融点ポリマーの含有率を求める。
【0025】(4)極限粘度[η] 極限粘度[η]は次の定義式に基づいて求められる値で
ある。 [η]=lim 〔(ηr−1)/C)〕 C→0 定義式中のηrは、純度98%以上のo−クロロフェノ
ールで溶解したポリトリメチレンテレフタレートの希釈
溶液の35℃での粘度を同一温度で測定した上記溶剤自
体の粘度で割った値であり、相対粘度と定義されている
ものである。また、Cは上記溶液100ml中のグラム
単位による溶質重量値である。
【0026】(5)チップの評価−糸切れ頻度 糸切れ頻度の評価は加速評価方法として、8エンドの紡
糸機を用いて下記の条件で8本の繊維の紡糸を24時間
行い、その時の毛羽発生頻度で行った。毛羽の発生数は
光学式の毛羽センサーを用いて行った。 押出し温度:270℃ 紡口:直径0.23mmφの孔36個が一重配列したも
の 吐出量:23g/分 巻取速度:5000m/分
【0027】
【実施例1】1,3ープロパンジオールとジメチルテレ
フタレートとを定法により重合して極限粘度[η]0.
7のポリトリメチレンテレフタレートポリマーを得た。
得られたポリマーを直径5mmの吐出孔より20℃の水
中にロープ状に押出しし5秒間冷却した後、水中にて切
断を行った。その後金網を用いた選別機で200mgを
越えるチップを取り除き、平均50mgの大きさ、平均
の融点が229℃のポリトリメチレンテレフタレートチ
ップを得た。この時、冷却固化したポリマーの結晶化エ
ネルギーは25mJ/mgであった。また、切断時の摩
擦発熱温度は60℃であった。得られたチップには融点
254℃の粉末状高融点ポリマーが28mg/g付着
し、またo−クロロフェノール未溶解の融点239℃の
高融点ポリマーが11mg/gあった。このポリマーを
紡糸評価したところ、毛羽の発生数は5回/24時間と
良好であった。
【0028】
【実施例2〜4、比較例1〜5】冷却溶媒の温度と、チ
ップサイズを変えた以外は実施例1と同様な方法でチッ
プの製造を行った。なお、チップサイズはロープ状に押
出したポリマーのカット間隔を変えることにより変化さ
せた。本発明の範囲のチップは良好な紡糸性(毛羽発生
状態)を示した。一方、本発明の範囲から外れたチップ
では毛羽の発生が多く紡糸性に問題があった。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明のポリトリメチレンテレフタレー
トチップは、従来のポリエステルチップの欠点を改良
し、紡糸の際に毛羽発生などの欠点の発生が少なく、紡
糸などの溶融成形に適している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29B 9/00 - 9/16 C08J 3/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チップ平均融点より3℃以上高い融点の
    ポリトリメチレンテレフタレートポリマーが、チップ全
    体の50mg/(gチップ)以下で含有されていること
    を特徴とするポリトリメチレンテレフタレートチップ。
  2. 【請求項2】 10メッシュのフィルターを通過し、3
    00メッシュのフィルターを通過しない粉末状物または
    フィルム状物がチップ全体の100mg/(gチップ)
    以下含有しており、該粉末状物またはフィルム状物がチ
    ップ平均融点より3℃以上高い融点のポリトリメチレン
    テレフタレートポリマーからなることを特徴とする、請
    求項1記載のポリトリメチレンテレフタレートチップ。
  3. 【請求項3】 溶融押出ししたポリマーを結晶化エネル
    ギーが40mJ/mg以下となるように冷却固化した
    後、切断時の摩擦発熱温度が100℃以下となるように
    して切断してチップ化することを特徴とする、請求項1
    又は2記載のポリトリメチレンテレフタレートチップの
    製造法。
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