JP3464835B2 - 微小円筒形部品の穴径・同心度測定装置 - Google Patents
微小円筒形部品の穴径・同心度測定装置Info
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Description
ルール回転機構を用いることによってフェルール等の微
小円筒形部品の穴径およびその同心度を自動的に測定で
きる微小円筒形部品の穴径・同心度測定装置に関する。
品質管理の一環として穴径寸法および同心度の検査が行
われている。従来の穴径寸法検査では、検査員がピンゲ
ージと呼ばれるテーパのついたワイヤをフェルールに挿
入し、その挿入量により穴径寸法を判定しているが、精
度および信頼性において問題があった。また、同心度検
査では、メカニカルなノイズ(面粗さや振動)に影響を
受けやすく、信頼性に欠ける面があった。
る。 (1)穴径測定 検査員によるピンゲージを用いた測定 上述したようにテーパのついたワイヤをフェルールの穴
に挿入し、挿入量によって穴径寸法を判定する。ピンゲ
ージはその径により各種用意し、検査員が拡大鏡等を用
いてフェルールに挿入する。 画像処理による測定 穴を拡大してCCDカメラ等により2値画像として取り
込み、穴の面積,または外周を計測して穴径値とする。
穴を拡大してCCDカメラ等により白黒濃淡画像として
取り込み、複数のエッジ位置を検出して円に近似して穴
径値とする。
測定 Vブロックにフェルールを載せ、回転させながら穴の移
動を画像処理を用いて計測し、その移動量を同心度とす
る。 穴を基準とした接触式同軸測定 穴径をピンで固定しフェルールを回転させながら、フェ
ルール外周面の変位を電気マイクロ等を使用して接触式
で計測し、その変化量を同心度とする。
員によるピンゲージを用いた測定方法では、検査員の経
験等が要因となり、ピンゲージ挿入圧や挿入角度が必ず
しも一定に保てないので、高精度・高分解能は望めなか
った。穴の形状に異常があった場合には、ピンゲージ挿
入では判定は不可能であった。ピンゲージが磨耗した場
合には、正確な穴径が求められず、ピンゲージの交換が
早い周期で必要となり、ランニングコストが高く、さら
に検査員が1つ1つ計測するため、時間当たりのフェル
ール検査数が少なく、非効率的であった。の画像処理
による測定方法では、2値化画像を使用した測定の場
合、CCDカメラから得られる濃淡画像を2値画像に変
換することにより画像情報の損失が生じ、同じ分解能の
濃淡画像に比べて、分解能の低下があった。そして、面
積や外周を基に計測するため、穴径の形状異常がある
と、形状異常の検出が困難であった。濃淡画像を使用し
た場合には、穴外周の境界を複数点計測し、その位置座
標から穴径を算出するが、穴のゴミ,欠け等の検出や、
穴の細かい欠損により生じる穴外周境界のピンボケの検
出が困難であった。
外周面を基準とした画像処理による測定方法では、穴の
形状異常を要因とする誤差成分を持ち、穴の形状がイビ
ツであった場合、穴径のイビツ量が同心度に含まれてい
た。機械的な回転ブレを要因とする誤差成分も持ち、外
周面の粗さ,振動など、機械的要因の誤差も同心度に含
まれていた。の穴を基準とした接触式同軸測定方法で
は、固定ピンの磨耗等による変形がおきた場合、変形量
が同心度に含まれていた。外周面の粗さ,振動など,機
械的要因の誤差が生じ、これも同心度に含まれていた。
記背景に鑑み、微小円筒形部品寸法システム(特願平4
−350554)を既に提案している。これは顕微鏡画
像処理とレーザ測長器による精密位置測定の技術を組み
合わせることにより、微小円筒形部品の内径,外形およ
び偏心を高精度かつ高速に測定できるようにしたもので
ある。この測定システムによって上記問題となっていた
点、すなわち高精度および高速度測定についてはかなり
解決できたものの、穴のゴミ,欠け等の検出や穴の細か
い欠損により生じる穴外周境界のピンボケの問題があ
り、さらに機械的なブレを要因とする誤差成分を持ち、
外周面の粗さ,振動など、機械的要因の誤差が依然とし
て未解決であった。本発明の目的は、微小円筒形部品を
V字形状部に搭載してベルトで押さえ付け、穴部分を1
画面で取り込み複数の画像情報を取り入れて平均化を図
り、測定点の細分化等のアルゴリズムおよびゴミや穴の
欠け,その他の振動の影響を受けにくい測定アルゴリズ
ムを採用することにより、従来の技術では判定が困難で
あった穴の形状判定、およびメカニカルなノイズ(表面
粗さ,ゴミ付着)の影響を除去するとともに一層の測定
時間の短縮化と測定の高精度化を図った微小円筒形部品
の穴径・同心度測定装置を提供することにある。
に本発明による微小円筒形部品の穴径・同心度測定装置
は、V字形状の微小円筒形部品固定用ブロックと、微小
円筒形部品を前記ブロックのV字形状部分に搭載したと
き円筒面を押さえて保持するとともに、この微小円筒形
部品を回転させるベルトと、前記微小円筒形部品の測定
面側とは反対側の側面から照明する光源と、前記測定面
に対向して配置された光学レンズならびに前記光学レン
ズにより結像される像をイメージ信号に変換するCCD
カメラよりなる撮像部と、前記撮像部をX軸,Y軸およ
びZ軸方向にそれぞれ移動可能なステージと、前記ベル
トおよび各ステージを駆動する駆動手段と、前記イメー
ジ信号を画像処理し所定のアルゴリズムに基づく演算を
行うとともに前記駆動手段を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記撮像部をY軸移動させながら前記微
小円筒形部品の側面の画像を取り込み、所定の演算処理
を行うことにより撮像部を合焦位置にもたらす合焦制御
シーケンスと、前記微小円筒形部品の穴全体を1画面で
取り込み、射影処理を行うことにより仮想穴中心位置を
求めるとともに穴の外周を等分割して複数の測定点を設
定する工程,前記複数の各測定点の外周境界付近データ
に基づきダレ検査を行なう工程,前記複数の測定点毎の
外周境界点を求め円の式に近似することにより穴中心座
標と穴の半径を求める工程,前記穴中心座標と各測定点
の外周境界点との距離を算出して距離が最大・最小にな
る測定点を求め、前記距離が最大となる測定点に基づき
測定点をさらに細分割して局所細分化測定する工程,前
記局所細分化測定で求めた測定点の外周境界点と前記穴
中心座標との距離が最大となる最大測定点に基づき穴ビ
ツ量測定を行なう工程ならびに前記局所細分化測定で得
られた複数の測定点の外周境界点が前記穴の半径に対
し、所定値以上のときはそれらを除いた測定点の外周境
界点によって円に近似することにより近似した円の直径
を穴径とする工程を含む穴径測定シーケンスと、前記穴
径測定で求めた穴中心座標と穴径値をもとに穴の外周の
最上点および最下点付近にデータ領域を設定する工程,
前記データ領域内で複数のデータを取りそれぞれの測定
点に対し外周境界点を求め、上下2つの外周境界点の中
点を穴の垂直方向の穴中心座標とする工程,微小円筒形
部品を所定角度回転させ、前記データ領域を設定する工
程と穴の垂直方向の穴中心座標を求める工程を繰り返す
ことにより複数の穴中心座標を求める工程ならびに前記
所定角度回転させた位置ごとの穴中心座標の変化を取る
ことにより穴中心の同心ズレ誤差を要因とする正弦波を
作成するとともに前記正弦波の一周期未満のノイズとな
る波形部分を除去し、前記正弦波を所定の式に近似する
ことにより同心度を求める工程を含む同心度測定シーケ
ンスを有して構成されている。
置決め板を有し、前記ベルトは前記微小円筒形部品の円
筒軸に対し90°以上の角度になるように押さえ付ける
ことにより、ベルトの回転に伴い前記微小円筒形部品の
測定面とは反対側の面を前記位置決め板に押し付ける力
を生じさせるように構成することができる。前記ダレの
検査は、前記仮想穴中心位置を挟んで向かい合う2つの
測定点の外周境界データについてそれぞれ輝度変化の傾
きを求め、これら輝度変化の傾きを比較することにより
穴の外周の微小な欠けを検査するように構成することが
できる。前記局所細分化測定は、前記距離が最大となる
測定点と、穴中心を挟んでこの測定点に対向する測定点
の2つの測定点についてそれぞれ両側に隣設する2測定
点の間をさらに複数分割してその分割点を測定点とする
ように構成することができる。前記穴ビツ量測定は、前
記局所細分化測定で求めた複数の測定点の外周境界点と
穴中心座標との距離が最大値のものと、最小値のものと
の差を穴ビツ値とするように構成することができる。
過程において、一層の測定の高精度化および測定時間の
短縮化を図ることができ、低コスト化、生産管理および
品質管理に寄与することができる。
説明する。図1は、本発明による微小円筒形部品の穴径
・同心度測定装置で測定されるフェルールの外観を示す
斜視図である。フェルール4は図1に示すような円筒形
をしており、中央にファイバ挿入孔21が設けられてい
る。測定対象はファイバ挿入孔21の穴径dおよび同心
度である。フェルールの実寸法は、例えば、外形が2.
5mmφ,穴径が126μm,長さが10mmであり、
材質は例えば、ジルコニア系セラミックまたはアルミナ
系セラミックが用いられる。
径・同心度測定装置の実施例を示す概略図である。本実
施例は、フェルール4を保持するための保持機構と、フ
ェルール4の端面画像を取り込むため、対物レンズ(光
学レンズ)6と鏡筒7よりなる撮像部である金属顕微鏡
部分と、金属顕微鏡部分の鏡筒7に取り付けられている
CCDカメラ8と、金属顕微鏡部分を支持する支持部
9,支持部9に取り付けられZ軸方向に移動可能なZ軸
ステージ10,Y軸方向に移動可能なY軸ステージ11
およびX軸方向に移動可能なX軸ステージ12を含む支
持構造部と、Z軸駆動部13,Y軸駆動部14,X軸駆
動部15,ベルト駆動部16ならびに各駆動部13,1
4,15,16およびCCDカメラ8の信号線が接続さ
れた制御部18とからなる回路部と、支持構造部と保持
機構を一体に固定する基準ベース(図示していない)
と、制御部18のデータの管理とデータを入力するため
の入力部19と、表示部20とを含んで構成されてい
る。
ち、位置決め板3が連設される微小円筒形部品固定用ブ
ロック2とフェルール回転用ベルト5により構成され
る。位置決め板3はテーパ穴3aを有し、テーパ穴3a
に対向して光源1が設けられている。フェルール回転用
ベルト5は、ブロック2に搭載されたフェルール4の円
筒軸に対し、直角より少し傾けて掛け渡され、図2に示
すθは92度に設定される。このように掛け渡すことに
より、ベルト5を矢印の方向に回転させたとき、フェル
ール4は回転が与えられるとともに長手方向にも移動習
性が与えられ、測定面とは反対側の側面が位置決め板3
に常時押し当てられる。光源1からの光は、位置決め板
3のテーパ穴3aを介し、さらにファイバ挿入孔21を
通って測定面から出射される。したがって、フェルール
の測定面の穴径部分が明るくなり、周囲の面部分は穴径
部分に比較し暗くなるように照明される。
軸ステージ11およびX軸ステージ12によってZ,Y
およびX軸方向に移動できるようになっており、フェル
ール4の外径の大きさによってXおよびZ軸方向が修正
可能である。フェルール4の測定面の合焦動作はY軸の
移動によって行われる。図3は、図1の制御部の詳細を
示すブロック図である。制御部18は、Z軸駆動部1
3,Y軸駆動部14,X軸駆動部15およびベルト駆動
部16を制御する各駆動部制御部18aと、CCDカメ
ラ8からのイメージ情報を制御シーケンスに基づき画像
処理をする画像処理部18bと、画像処理データによっ
て円の式に近似し穴中心座標,穴半径や同心度測定のと
きの正弦波の式に近似する演算,合焦のための演算等を
行う演算部18cを含んで構成されている。演算部18
cはこの他にコンピュータ等による入力部19に対しデ
ータを受信したり、求めた穴径等のデータを送出したり
する。また、表示部20に対し取り入れた画像の表示制
御も行う。
よび同心度測定の制御シーケンスを説明する。フェルー
ル4をブロック2の上にセットし、入力部19から測定
開始信号を入力すると、制御部18はベルト駆動部16
を制御してベルト5を2回転させ、フェルール4を後方
の位置決め板3に押し付け、測定面の位置決めを行う。
つぎにY軸駆動部14を制御してY軸を移動させなが
ら、CCDカメラ8からのイメージ信号(画像)を取り
込む。取り込み画像の中から穴の上下左右の4つの領域
で穴の外周境界付近の輝度データを取って行く。輝度デ
ータの最大変化量の推移を演算部18cによって正規分
布に近似させその頂点を求める。合焦位置では、輝度デ
ータの最大変化量が他のY軸位置に比べて最も大きくな
るので、上述の頂点に対応するY軸位置に金属顕微鏡部
分を移動させることにより金属顕微鏡部を合焦点にもた
らす。
から測定が開始される。CCDカメラ8にはフェルール
4を固定した状態で穴全体を1画面で取り込むようにし
てメカニカルな移動誤差を除去する。図4は、フェルー
ルの穴径部分の射影処理を説明するための図である。取
り込んだ画像25の白のピクセル数は、水平方向と垂直
方向にそれぞれ数え水平方向と垂直方向の重心位置をそ
れぞれ求め、その交点に仮想穴中心位置を定める。この
射影処理では画像を32画面分加算しながら取り込み平
均することにより、安定した画像を得る。図5は、フェ
ルールの穴の外周境界部分の測定法を説明するための図
である。続いて仮想穴中心位置から右水平方向の位置2
6を基準として、穴の外周部を測定点数nで等分割し、
n個所の測定点それぞれで穴の外周境界付近のデータを
とる。
明するための図である。互いに向い合う2点のデータ
(第i測定点と第i+15測定点でn=30にしたと
き)について図6に示すようにそれぞれ輝度変化の傾き
を求め、それらを比較することにより、穴外周に微小な
欠けによる画像のボケた部分(ダレ)が無いか否か検査
する(ダレ検査)。検査基準は、例えば、一方の測定点
の輝度変化の傾きに対し他方の測定点の輝度変化の傾き
が60%以下である場合にはダレであると判断すること
ができる。ダレが存在した場合には、測定不能と判定し
てその時点で測定処理を終了する。このダレ検査により
穴の形状認識を行うことができる。図7は、穴の外周境
界点を決定する方法を説明するための図である。各測定
点について図7に示すように外周付近の輝度データの1
次微分を取り、その重心位置を求めることにより外周境
界点を判定する。この外周境界判定方法によりサブピク
セルオーダの安定した計測が可能となる。つぎに各測定
点の外周境界点の位置データを、最小自乗法により円の
式に近似し、穴中心座標と穴の半径を求める。さらに穴
中心座標と各測定点の外周境界点との距離を算出し、距
離が最大・最小となる測定点を求める。
の図である。図8に示すように距離最大となる測定点2
7と穴中心座標を挟んだ反対側の測定点30の2つの測
定点に対して、それぞれ隣り合う2つの計測点(計測点
27に対しては28,29,計測点30に対しは31,
32)の間を5分割し、分割点を測定点として、合計で
16点の測定点データを読み込む。この16点の測定点
についても図6と同様、それぞれ輝度変化の傾きを求
め、それらを比較することにより、ダレを検査し、ダレ
が存在すれば、測定不能と判定し測定処理を終了する。
ダレがなければ、16点の測定点の外周境界点データと
穴中心座標との距離を求め、距離が最大の測定点の外周
境界点を求め直す。そして、上記距離の最大値と最小値
の差を算出することにより穴ビツ値を導き出し、高精度
な穴ビツ量の測定を可能にしている。
離れている測定点は、ゴミまたは欠けと判断し、それら
を除いた測定点のデータを使用して、再度最小自乗法に
より円に近似する。以上によりゴミ・欠けの影響を受け
にくくなり、測定時間も短縮できる。このようにして近
似した円の直径を穴径とし、近似した円の中心座標を、
穴中心座標として同心度測定で用いる。
する。まず、安定した画像を取り込むため画像を16画
面分加算しながら取り込み平均化する。図9は、同心度
測定のため穴の外周境界のデータ設定領域を示す図であ
る。図9に示すように穴径測定で求めた穴中心座標と穴
径値をもとに、穴の外周の最上点と最下点付近にデータ
領域33,34を設定する。設定されるデータ取得用ウ
インドウ(データ領域)は、50ピクセル×100ピク
セルである。このデータ領域を測定点とし、付近のデー
タを取り、それぞれの測定点について図7と同じ方法で
外周境界点を求める。そして、上下2つの外周境界点の
中点を穴の垂直方向の位置とする。
360°/測定点数(設定角度)だけ回転させる。そし
て、その回転位置で上記と同様、画像16画面分を加算
しながら平均化し図9と同様にデータ領域を設定し、そ
れぞれの測定点について外周境界点を求めその中点を求
める。これを測定点数繰り返すことにより測定の数だけ
中点を求めることができる。上記設定角度ごとに中点を
対応させ穴中心の同心ズレ誤差を要因とする正弦波を作
成する。正弦波作成の際、メカニカルな要因(振動等)
による誤差を除去するため正規の正弦波の1周期未満で
形成される波形はノイズとして取り除かれる。
向座標 上記式に近似することにより振幅Aを求めることがで
き、この振幅Aは同心度となる。このように求めた穴径
および同心度のデータは、コンピュータ等の入力部19
に送られ、データの管理が行われる。表示部20には、
取り込んだ穴の画像が表示され、各制御シーケンスで行
われる処理画像および処理内容等が表示される。
・同心度測定装置は以下に示す種々の効果を有する。穴
径測定において、穴全体を1画面で取り込み、フェルー
ルを固定した状態で測定し、かつ多数の画面を取り込み
平均化することによりメカニカルな移動誤差を除去し安
定した画像情報を得ることができる。穴径と測定面との
境界判定に、濃淡画像を用い輝度変化の1次微分値の重
心を外周境界点とすることにより、サブピクセルオーダ
で安定した計測が可能になる。穴外周の境界点は、穴径
を多数で分割した点で測定し、円の式に最小自乗法を用
いて近似し求めた穴中心と測定点の距離を算出すること
によりゴミ付着点や穴径の欠損部を判定し、ゴミ付着点
・欠損部を除いた測定データのみを用いて再度円の式に
近似しているので、ゴミ・欠けの影響を除くことができ
る。
径の最大径・最小径を求め、穴径の最大部分を細かく再
測定することにより、穴径欠損部の判定をより安定して
測定することができるとともに局所的なサンプリングを
行うので、短時間で高精度な測定が可能になる。穴外周
の欠損部形状のうち、欠損幅の小さいものも、局所的な
細かいサンプリングと向かい合うサンプリング点で輝度
変化の傾きを測定して比較することにより、判定が可能
になる。以上のように内径測定においては、内径を高精
度および高速で測定するとともに穴周囲の明暗変化を検
査し穴ビツおよび欠け等による内径異常を同時に識別す
ることができる。因みにフェルールの製造工程におい
て、測定精度を示す再現性は3σ≦0.1μmとなり、
測定時間は5秒となった。
ブロックにフェルールを搭載しベルトで押さえる構造に
することによりブロックの表面の粗さによるフェルール
回転時のブレを最小限にとどめ内径測定と同様に安定し
た画像を取り入れることができる。また、内径測定と同
じ理由によりサブピクセルオーダで安定した計測が可能
になる。フェルールを所定の設定角度ずつ回転させなが
ら、穴の上下動を測定し、正弦波に近似してその振幅を
同心度としているので、振幅の小さい細かな振動による
差成分を除去し、安定した測定結果を得ることができ
る。そして、フェルールを回転させながら得た穴位置の
測定値に対して、周波数(周期)により分解することに
より、外周面の形状イビツによるノイズ成分のような周
期的な誤差を除去することができる。また、穴の欠け部
分を測定範囲から除去することにより、欠けの影響を除
き、穴の形状異常による影響を抑えることができる。さ
らに穴位置測定は穴の上下動のみに着目しているため、
穴最上部の外周の境界と最下部の外周の境界の位置を求
め、その中点を穴中心とすることにより、単純な処理で
計測することと、フェルール回転時に、ブロック上でフ
ェルールを後方の位置決め板に強制的に押し当てること
により計測時のオートフォーカス処理を測定第1フェル
ールのみにすることができるので、測定時間を従来に比
較し短縮することができる。以上のように同心度測定で
は、V溝上でフェルールを回転し、回転角度に対応した
内径中心の変位より正規の周期の単振動成分のみを計算
することにより、機械的な加工精度による回転ブレの影
響を除去でき、安定した測定再現性および高速測定を可
能にした。因みに再現性は3σ≦0.1μmとなり、測
定時間は10秒となった。
定装置で測定されるフェルールの外観を示す斜視図であ
る。
定装置の実施例を示す概略図である。
めの図である。
するための図である。
図である。
の図である。
域を示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 V字形状の微小円筒形部品固定用ブロッ
クと、 微小円筒形部品を前記ブロックのV字形状部分に搭載し
たとき円筒面を押さえて保持するとともに、この微小円
筒形部品を回転させるベルトと、 前記微小円筒形部品の測定面側とは反対側の側面から照
明する光源と、 前記測定面に対向して配置された光学レンズならびに前
記光学レンズにより結像される像をイメージ信号に変換
するCCDカメラよりなる撮像部と、 前記撮像部をX軸,Y軸およびZ軸方向にそれぞれ移動
可能なステージと、 前記ベルトおよび各ステージを駆動する駆動手段と、 前記イメージ信号を画像処理し所定のアルゴリズムに基
づく演算を行うとともに前記駆動手段を制御する制御部
とを備え、 前記制御部は、前記撮像部をY軸移動させながら前記微
小円筒形部品の側面の画像を取り込み、所定の演算処理
を行うことにより撮像部を合焦位置にもたらす合焦制御
シーケンスと、 前記微小円筒形部品の穴全体を1画面で取り込み、射影
処理を行うことにより仮想穴中心位置を求めるとともに
穴の外周を等分割して複数の測定点を設定する工程,前
記複数の各測定点の外周境界付近データに基づきダレ検
査を行なう工程,前記複数の測定点毎の外周境界点を求
め円の式に近似することにより穴中心座標と穴の半径を
求める工程,前記穴中心座標と各測定点の外周境界点と
の距離を算出して距離が最大・最小になる測定点を求
め、前記距離が最大となる測定点に基づき測定点をさら
に細分割して局所細分化測定する工程,前記局所細分化
測定で求めた測定点の外周境界点と前記穴中心座標との
距離が最大となる最大測定点に基づき穴ビツ量測定を行
なう工程ならびに前記局所細分化測定で得られた複数の
測定点の外周境界点が前記穴の半径に対し、所定値以上
のときはそれらを除いた測定点の外周境界点によって円
に近似することにより近似した円の直径を穴径とする工
程を含む穴径測定シーケンスと、 前記穴径測定で求めた穴中心座標と穴径値をもとに穴の
外周の最上点および最下点付近にデータ領域を設定する
工程,前記データ領域内で複数のデータを取りそれぞれ
の測定点に対し外周境界点を求め、上下2つの外周境界
点の中点を穴の垂直方向の穴中心座標とする工程,微小
円筒形部品を所定角度回転させ、前記データ領域を設定
する工程と穴の垂直方向の穴中心座標を求める工程を繰
り返すことにより複数の穴中心座標を求める工程ならび
に前記所定角度回転させた位置ごとの穴中心座標の変化
を取ることにより穴中心の同心ズレ誤差を要因とする正
弦波を作成するとともに前記正弦波の一周期未満のノイ
ズとなる波形部分を除去し、前記正弦波を所定の式に近
似することにより同心度を求める工程を含む同心度測定
シーケンスとを有することを特徴とする微小円筒形部品
の穴径・同心度測定装置。 - 【請求項2】 前記微小円筒形部品固定用ブロックは、
位置決め板を有し、前記ベルトは前記微小円筒形部品の
円筒軸に対し90°以上の角度になるように押さえ付け
ることにより、ベルトの回転に伴い前記微小円筒形部品
の測定面とは反対側の面を前記位置決め板に押し付ける
力を生じさせることを特徴とする請求項1記載の微小円
筒形部品の穴径・同心度測定装置。 - 【請求項3】 前記ダレの検査は、前記仮想穴中心位置
を挟んで向かい合う2つの測定点の外周境界データにつ
いてそれぞれ輝度変化の傾きを求め、これら輝度変化の
傾きを比較することにより穴の外周の微小な欠けを検査
することを特徴とする請求項1記載の微小円筒形部品の
穴径・同心度測定装置。 - 【請求項4】 前記局所細分化測定は、前記距離が最大
となる測定点と、穴中心を挟んでこの測定点に対向する
測定点の2つの測定点についてそれぞれ両側に隣設する
2測定点の間をさらに複数分割してその分割点を測定点
とすることを特徴とする請求項1記載の微小円筒形部品
の穴径・同心度測定装置。 - 【請求項5】 前記穴ビツ量測定は、前記局所細分化測
定で求めた複数の測定点の外周境界点と穴中心座標との
距離が最大値のものと、最小値のものとの差を穴ビツ値
とすることを特徴とする請求項1記載の微小円筒形部品
の穴径・同心度測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29064594A JP3464835B2 (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | 微小円筒形部品の穴径・同心度測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29064594A JP3464835B2 (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | 微小円筒形部品の穴径・同心度測定装置 |
Publications (2)
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