JPH1078306A - 光ファイバ被覆用ダイス選別方法および穴の中心軸測定方法 - Google Patents

光ファイバ被覆用ダイス選別方法および穴の中心軸測定方法

Info

Publication number
JPH1078306A
JPH1078306A JP23207296A JP23207296A JPH1078306A JP H1078306 A JPH1078306 A JP H1078306A JP 23207296 A JP23207296 A JP 23207296A JP 23207296 A JP23207296 A JP 23207296A JP H1078306 A JPH1078306 A JP H1078306A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hole
die
axis
optical fiber
wall surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP23207296A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3633132B2 (ja
Inventor
Kohei Kobayashi
宏平 小林
Ichiro Tsuchiya
一郎 土屋
Kaoru Okuno
薫 奥野
Takeshi Hashimoto
健 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP23207296A priority Critical patent/JP3633132B2/ja
Publication of JPH1078306A publication Critical patent/JPH1078306A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3633132B2 publication Critical patent/JP3633132B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイス穴の内面形状を測定し加工精度の良い
ダイスを選別する光ファイバ被覆用ダイス選別方法を提
供する。 【解決手段】 光ファイバ被覆用のダイス51は、載物
ステージ3に保持され、ダイス穴51aの平行ランド部
の中心軸62が光軸5とほぼ同じZ軸方向となるように
調整される。ダイス51を基準位置の状態からZ軸の周
りに回転させ、各回転角度の位置において、ダイス穴5
1aの特定の深さにおける断面の穴形状を測定する。光
学系支持部25をダイス穴51aの深さ方向に移動さ
せ、同様にしてダイス穴51aの断面の穴形状を測定す
る。このようにして、ダイス穴51aの内壁面に対し
て、任意の深さにおける断面の穴形状、例えば、内径や
中心点の位置などを測定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバに樹脂
コートする際に用いるダイスの穴形状を測定し被覆ダイ
スを選別する光ファイバ被覆用ダイス選別方法および穴
の中心軸の測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバに樹脂コートする際に用いる
ダイスのダイス穴は、極小径であるため、ダイス穴に測
定子を挿入することができない。そのため、従来のダイ
ス穴形状の測定装置では、光学顕微鏡を用いてダイス穴
の上端の開口部および下端の開口部のエッジを測定する
ことしかできなかった。したがって、ダイス穴の加工精
度を評価して選別する際には、この測定値に基づいて行
なうしかなかった。
【0003】図10は、従来の光ファイバ被覆用ダイス
の穴形状の測定方法の説明図であり、図10(A)はダ
イス穴の断面図、図10(B)は上端および下端の開口
部の比較図である。図中、51はダイスである。51a
はダイス穴、61はテーパ部中心軸、62は平行ランド
部中心軸である。構造パラメータの具体的な数値の一例
を説明すると、直径125μmの光ファイバに外径約2
00μmのプライマリ被覆、あるいは、プライマリ被覆
された直径200μmの光ファイバに外径240μmの
セカンダリ被覆を施すダイスであって、テーパ長は5m
m、テーパ角は6゜、平行ランド長は1mmである。こ
の様なダイス穴51aは、通常、マイクロドリルや放電
加工によって加工される。この様な細くて長い、しかも
テーパのあるダイス穴51aの加工は困難で、穴の公差
は50μm位は避けられない。
【0004】光学顕微鏡を用いた従来のダイス穴形状の
測定装置では、ダイス穴51aの上端の開口部および下
端の開口部を測定していた。上端の開口部の測定結果か
らテーパ部の中心軸61の位置を、また、下端の開口部
の測定結果から平行ランド部の中心軸62の位置を近似
的に求めることができる。図示の両中心軸61,62の
間には軸ずれが生じている。ダイス穴51aの上端のテ
ーパ部の開口部において、平行ランド部の中心軸62か
ら、開口部外周までの最長距離をa、最短距離をbとし
たとき、b/a×100(%)となる値を同心度と定義
する。一具体例として、上端,下端の穴の位置を測定
し、その同心度と最高無偏肉率との関係を示す。
【0005】図11は、光ファイバへの被覆状態を説明
する説明図である。図中、71は光ファイバ、81は被
覆である。被覆81の中心と光ファイバ71の中心とが
一致せず、光ファイバ71の周囲は、被覆81により不
均一に覆われている。被覆81の肉厚の最も厚い部分の
厚みをaとし、最も薄い部分の厚みをbとしたとき、b
/a×100(%)となる値を無偏肉率と定義し、被覆
された光ファイバサンプルの全長における各断面におい
て、無偏肉率の最も高い値を最高無偏肉率と定義する。
従来のダイス51には、偏肉の良否にダイスの個体差が
ある。これは、ダイス51の製作精度に関連していると
考えられる。上述したように、ダイス穴51aの加工精
度は、せいぜい50μm程度と考えられるが、実際に偏
肉を良好にするのに必要な精度は、それより高いと考え
られる。
【0006】図12は、従来の光ファイバ被覆用ダイス
の同心度と無偏肉率との相関関係を表わす線図である。
図中、横軸は同心度、縦軸は最高無偏肉率である。最高
無偏肉率90%以上が良好なダイスである。ダイス51
の同心度と最高無偏肉率との間には、ある程度の相関関
係が認められるが、相関度が比較的小さいため、同心度
は加工精度を表わすには不十分であり、この同心度によ
っては、無偏肉率を高くするような加工精度の良いダイ
ス51を選別することができない。このように、ダイス
穴51aの上端および下端の開口部のエッジを測定する
だけでは不十分であり、加工精度の良いダイスを選別す
ることができなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、ダイス穴の内面形状を測定
し加工精度の良い光ファイバ被覆用ダイスを選別する光
ファイバ被覆用ダイス選別方法、および、この選別方法
により選別された光ファイバ被覆用ダイス、および、こ
の光ファイバ被覆用ダイスを用いた光ファイバの被覆方
法、さらに、この選別に用いると好適であるダイス穴中
心軸測定方法を提供することを目的とするものである。
【0008】本発明は、ダイス穴の上端,下端の測定で
はダイスの良否を十分に判断できないため、測定誤差の
少ない内面測定器を開発し、得られたデータからダイス
の良否を判定するとともに、ダイスの良否を判定するパ
ラメータを見い出すことにより、上述した目的を実現す
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
おいては、光ファイバ被覆用ダイス選別方法において、
ダイス穴の内面形状を表わすパラメータを測定し、測定
された前記パラメータによりダイスを選別することを特
徴とするものである。
【0010】請求項2に記載の発明においては、光ファ
イバ被覆用ダイス選別方法において、テーパ部および平
行ランド部を有するダイス穴の壁面の位置を測定し、測
定された前記壁面の位置に基づいて、前記テーパ部の中
心軸および前記平行ランド部の中心軸の位置を求め、前
記テーパ部と前記平行ランド部の境界面上における両中
心軸のオフセットの値、および、両中心軸の軸角度差の
値を基準にしてダイスを選別することを特徴とするもの
である。
【0011】請求項3に記載の発明においては、請求項
2に記載の光ファイバ被覆用ダイス選別方法において、
前記基準は、オフセットをXμm、前記軸角度差をY分
とし、 (X/6)+(Y/15)≦1 であることを特徴とするものである。
【0012】請求項4に記載の発明においては、光ファ
イバ被覆用ダイスにおいて、請求項1ないし3のいずれ
か1項に記載の光ファイバ被覆用ダイスの選別方法によ
り選別されたことを特徴とするものである。
【0013】請求項5に記載の発明においては、光ファ
イバの被覆方法において、請求項1ないし3のいずれか
1項に記載の光ファイバ被覆用ダイスの選別方法により
選別された光ファイバ被覆用ダイスを用いて光ファイバ
に樹脂を被覆することを特徴とするものである。
【0014】請求項6に記載の発明においては、穴の中
心軸測定方法において、スリット光を被測定位置に投影
させる投光系を介して穴の壁面に投影させ、該壁面での
反射光を受光系で受光位置に結像させ、前記スリット光
の光軸と前記穴を相対的に移動させ、前記受光位置での
スリット光の弧の先端が前記光軸に一致したとき、前記
穴の位置を測定することにより前記壁面の位置を測定
し、前記壁面の位置を前記穴の少なくとも一部分におけ
る縦方向各断面において測定し、前記壁面の位置に基づ
いて、前記穴の少なくとも一部分における中心軸の位置
を求めることを特徴とするものである。
【0015】請求項7に記載の発明においては、請求項
6に記載の穴の中心軸測定方法において、前記各断面で
の前記壁面の位置に基づいて、前記各断面での穴の中心
点の位置を求め、該中心点の位置の回帰直線として前記
穴の少なくとも一部分における前記中心軸の位置を求め
ることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】最初に、比較的小径の穴を有する
一般的な被測定物を対象として穴形状測定方法および穴
形状測定装置の原理的な説明をする。
【0017】図1は、本発明の原理的な実施の形態を説
明する平面図である。図中、1は小径穴、2は被測定
物、3は載物ステージ、4は光源、5は光軸、6はフィ
ルタ、7はスリット、8は投光対物レンズ、9は受光対
物レンズ、10はカメラ、11はリニアエンコーダであ
る。光源4から照射された光は、光軸5に沿ってフィル
タ6、スリット7、投光対物レンズ8を通り、スリット
7の像が小径穴1の壁面上に結像される。被測定位置
は、この結像位置であり、投光対物レンズ8の焦点位置
である。線状のスリット7は、この図において紙面に垂
直なY軸方向に開けられ、スリット7の幅方向はスリッ
ト7の長手方向に比べて十分小さい。この内径測定装置
は、被測定物2に設けられた小径穴1の壁面の任意の位
置を測定することにより小径穴1の内径等を測定する装
置である。
【0018】被測定物2は、図示しないアタッチメント
を用いて載物ステージ3に保持される。載物ステージ3
は、小径穴1の軸方向が光軸5と同じ左右のZ軸方向に
なるように調整される。アタッチメントへの被測定物2
の固定および載物ステージ3へのアタッチメントの固定
は、いずれも図示しない位置決めピンを用いることによ
り位置再現性が確保される。
【0019】受光側では、小径穴1の壁面上に結像して
反射されたスリット光は、受光対物レンズ9により、カ
メラ10内の図示しないCCDセンサ等の2次元撮像素
子上に弧状の像として結像される。スリット光は、撮像
画像のモニタ画面上で観察し、スリット光の結像位置と
小径穴1の壁面上の被測定面とが一致するように載物ス
テージ3の位置を調節する。
【0020】光源4としては、例えば、ハロゲン光源を
用いる。フィルタ6は、ハロゲンランプの多色光を単色
光にして、測定精度を上げるためのものである。その
際、緑色系のフィルタを用いるとCCDセンサの感度が
良く好適である。また、光源としては、レーザビームを
光学系を通してビームの径を太くしたものを用いてもよ
く、この場合、フィルタ6を特に必要としない。2次元
撮像素子は、CCDセンサに限らず、撮像管でもよい。
カメラ10は、単独の部品としてのCCDセンサに置き
換えられてもよい。その際、受光系の光学系は適宜変更
される。
【0021】図2は、本発明の原理的な実施の形態にお
けるステージ系を説明する正面図である。図中、図1と
同様な部分には同じ符号を用い説明を省略する。21は
基台、22はXステージ、23はYステージ、24はZ
ステージ、25は光学系支持部、26は投光系、27は
受光系、28はθステージ支持部、29はθステージ、
30はηステージ支持部、31はηステージ、32はφ
ステージである。基台21の上には、Xステージ22,
Yステージ23,Zステージ24からなる自動ステージ
がこの順に取り付けられ、図示しない駆動装置と駆動制
御装置により自動的に各X,Y,Z方向に移動可能にさ
れる。
【0022】基台21上には、図示しないリニアスケー
ルが設けられ、このリニアスケールの可動子はXステー
ジ22に取り付けられ、Xステージ22に連動して移動
する。Zステージ24の上には、光学系支持部25が取
り付けられ、この光学系支持部25の上には、投光系2
6,受光系27からなる光学系が取り付けられている。
投光系26は、図1に示された、光源4、フィルタ6、
投光対物レンズ8等からなるものであるが、光源4等
は、他の位置に設け、光源4からの光をファイババンド
ル等で投光系26に導くようにしてもよい。
【0023】基台21には、また、θステージ支持部2
8が立設され、このθステージ支持部28にはθステー
ジ29が設けられる。θステージ29は、Z軸の周りに
回転するステージであるが、回転中心が光軸5に一致す
るように設計されている。このθステージ29も、図示
しない駆動装置と駆動制御装置により自動的にZ軸を中
心に回転可能にされる。θステージ29には、小径穴1
に比べて十分大きい開口が設けられている。あるいは、
開口を設ける代わりに、θステージ29自体を透明のも
のにしてもよい。
【0024】θステージ29にはηステージ支持部30
が取り付けられ、このηステージ支持部30にはηステ
ージ31が取り付けらる。このηステージ31は、手動
の回転ステージである。ηステージ31にはφステージ
32が取り付けられる。このφステージ32は、手動の
ゴニオステージである。φステージ32上には、被測定
物2が載置される。被測定物2は、必要に応じて図示し
ないアタッチメントを用いてφステージ32上に保持さ
れる。このように、ステージ系の構成は複雑であるた
め、図1では、載物ステージ3とリニアスケール11に
単純化したステージ系を示している。
【0025】投光系26,受光系27からなる光学系
は、図2において、Xステージ22により紙面に垂直な
X軸方向に移動し、Yステージ23により上下のY軸方
向に移動し、Zステージ24により左右、すなわち小径
穴1の深さ方向のZ軸方向に移動する。被測定物2は、
φステージ32により紙面に垂直なX軸を中心に回転
し、ηステージ31により上下のY軸を中心に回転し、
θステージ29により小径穴1の深さ方向のZ軸を中心
に回転する。
【0026】後述する小径穴1の形状測定においては、
各ステージを適宜移動させて調整することにより、被測
定位置である小径穴1の任意の深さZにおいて断面を光
軸5が貫くように位置決めされる。この任意の深さZ
は、投光系26中の投光対物レンズ8の焦点位置であ
る。そして、この断面の中心位置が基準位置として測定
される。Xステージにより光学系をX軸方向の前後に移
動させることにより、基準位置を中心にしてX軸方向に
相対向する両壁面の位置が測定され、この測定結果か
ら、小径穴1の特定の深さZにおける断面の内径の長さ
が得られる。
【0027】次に、基準位置を中心として、被測定物2
をθステージ29により回転させ、各回転角度ごとに直
径の長さを求めることにより、小径穴1の任意の深さZ
における断面の形状および穴偏心を測定することができ
る。さらに、Zステージにより光学系をZ軸方向に移動
させることにより小径穴1の深さ方向の断面の形状の変
化、すなわち、穴曲がりを測定することができる。な
お、基準位置の定め方、測定順序等は、任意に行なうこ
とができ、上述の説明は、単なる一例である。
【0028】なお、光学系の光軸5と被測定物2の小径
穴1との相対位置をリニアスケールで測定するものであ
るから、投光系26,受光系27からなる光学系を移動
させる代わりに、被測定物2の小径穴1を移動させても
よいし、両者を共に移動させてもよい。回転について
も、光軸5が小径穴1の中心の周りに回転するように、
すなわち、スリット光が小径穴1の中心の周りに回転す
るように、投光系26,受光系27からなる光学系を回
転させてもよいし、被測定物2の小径穴1と投光系2
6,受光系27からなる光学系とを共に回転させてもよ
い。また、図2に示されたステージ系は、Z軸を水平に
配置したが、Z軸を鉛直方向に配置し、小径穴1の軸方
向が鉛直になるようにした状態で測定する装置にしても
よい。
【0029】図3は、被測定物の第1の位置とモニタ画
面を説明する説明図であり、図3(A)は平面図、図3
(B)はモニタ画面である。図中、図1と同様な部分に
は同じ符号を用いて説明を省略する。41は結像位置、
42はスリット光の反射像、43は標線である。図3
(A)において、線状のスリット7は、紙面に垂直なY
軸方向に開けられており、スリット光は、結像位置41
において微小な像を結像する。
【0030】図3(B)において、標線43は、モニタ
画面の中央に設けられた縦線である。この標線43は、
2次元撮像素子の出力を入力しモニタ画面に画像を表示
させる図示しない画像処理装置等において標線となる画
像パターン信号を挿入処理してモニタ画面に描かせたも
のでも、モニタ装置の表示画面上にあらかじめ印刷した
ものでもよい。なお、光軸5がモニタ画面の中心に位置
するように2次元撮像素子が位置決めされている。
【0031】図3(A)に示された被測定物2の第1の
位置において、光軸5は、小径穴1の中央からX軸の負
方向、すなわち上方向に若干ずれた位置にある。スリッ
ト光は、結像位置41において微小な像を結像するが、
スリット光の一部は、小径穴1の壁面により反射され
る。したがって、直接光と反射光の両者がカメラ10内
の2次元撮像素子上に結像される。図3(B)に示され
るように、モニタ画面上において、スリット光の像42
は、弧状のものとして観察され、この弧の先端は、標線
43から左に移動し、近接する壁面寄りに偏位してい
る。
【0032】なお、図示したモニタ画面では、図示左側
を図3(A)における上方向に対応するものとした。し
かし、受光系の構成や、モニタ画面に画像信号を出力す
る際の走査方向等によっては左右が反転して表示され
る。
【0033】測定の開始時に、被測定物2が図3(A)
に示された第1の位置にある場合には、モニタ画面を観
察し、スリット光の像42が直線状になるまで被測定物
2をX方向に移動させ、被測定物2が後述する図4
(A)に示された第2の位置になるように調整する。
【0034】図4は、被測定物の第2の位置とモニタ画
面を説明する説明図であり、図4(A)は平面図、図4
(B)はモニタ画面である。図中、図1,図3と同様な
部分には同じ符号を用いて説明を省略する。被測定物2
の第2の位置において、光軸5は、小径穴1の中心に位
置する。この場合、スリット光は、結像位置41におい
て微小な像を結像するものの、小径穴1の壁面で反射さ
れることなく、カメラ10内の2次元撮像素子上に結像
される。したがって、図4(A)に示されるモニタ画面
上において、スリット光の像42は、直線状のものとし
て観察される。光軸5がモニタ画面の中心に位置するよ
うに2次元撮像素子が位置決めされているので、スリッ
ト光の像42もモニタ画面の中央に位置する。
【0035】壁面が図4(A)において紙面に垂直なY
軸方向にずれている場合、図4(B)に示されるモニタ
画面上において、スリット光の像42は、上下方向にず
れて観察される。この場合には、載物ステージ3を移動
させ、被測定物2の位置をY軸方向に調節することによ
り、小径穴1の被測定位置の断面の中心に光軸5を一致
させることができる。モニタ画面の観察から、光軸5と
小径穴1の軸がX軸のまわりにずれている場合はφステ
ージを調整し、Y軸のまわりにずれている場合はηステ
ージを調整することにより光軸5と小径穴1の中心軸を
平行にすることができる。
【0036】スリット光の像42が直線状になりモニタ
画面の中央にくるように調整する。このとき、光軸5が
小径穴1の中心に一致し、光軸5は、モニタ画面上にお
いて中心に位置するから、小径穴1の中心もモニタ画面
のほぼ中心に位置する。この小径穴1の中心位置を基準
位置とする。このとき、リニアエンコーダ11を用い、
載置ステージ3の位置、すなわち、被測定物2のX軸方
向の位置を記録する。
【0037】なお、スリット光の像42が直線状になっ
ていても標線から左右に若干ずれる場合は、光軸5の位
置がモニタ画面の中心からずれていることを意味する。
この場合には、このスリット光の像42の画面上での位
置を画面上の基準点として記録しておけばよい。
【0038】被測定物2を図4(A)において上方向、
すなわちX軸の負の方向にずらせる。このとき、小径穴
1の中心位置から小径穴の直径方向に被測定物2が移動
する。スリット光の一部は、小径穴1の壁面で反射され
はじめる。したがって、図4(B)に示されるモニタ画
面上において、スリット光の像42は、直線状であった
ものが徐々に屈曲し始め、屈曲の先端部はモニタ画面の
中心から近接する側の壁面の方向に徐々に偏位しはじ
め、上述した図3(B)と同様な状態が観察される。
【0039】さらに小径穴1の壁面がスリット光の結像
位置42に近づく方向に移動すると、屈曲の程度が大き
くなるが、小径穴1の壁面が標線43に接近するため、
屈曲の先端は、逆にモニタ画面の標線43に近づく。
【0040】図5は、被測定物の第3の位置とモニタ画
面を説明する説明図であり、図5(A)は平面図、図5
(B)はモニタ画面である。図中、図1,図3と同様な
部分には同じ符号を用いて説明を省略する。スリット光
の光軸5と小径穴1の壁面とが一致する時、スリット光
の結像位置41は、小径穴1の壁面上に位置し、壁面に
より反射されたスリット光のみがカメラ10内の2次元
撮像素子に到達する。図5(A)に示されるスリット光
の像42において、屈曲の先端が光軸5の位置に一致
し、弧の接線が標線に一致する。このとき、光軸5と小
径穴1の壁面とが一致し、光軸5は、モニタ画面上にお
いて中心に位置するから、小径穴1の壁面もモニタ画面
のほぼ中心に位置する。
【0041】このとき、再びリニアエンコーダ11を用
い、載置ステージ3の位置、すなわち、被測定物2のX
軸方向の位置を記録する。このX軸方向の位置から、図
4に示された被測定物2の第2の位置、すなわち、基準
位置でのX軸方向の位置との差をとることにより、基準
位置から小径穴1の壁面までの移動量、すなわち、基準
位置から小径穴1の壁面までの距離が求められ、これを
記録する。なお、スリット光の像42の弧の接線が標線
に対して傾きを生じる場合には、小径穴1の壁面が小径
穴1の直径に対して傾いていることを意味する。この場
合は、傾きも記録しておくか、スリット光の像42の弧
の接線が標線に対して傾きを生じないように、載置ステ
ージを再調整し、基準位置を再設定して測定をやり直
す。
【0042】同様にして、図4に示された基準位置か
ら、X軸上に逆方向に向かって被測定物を移動させ、モ
ニタ画面を観察しながら、小径穴1のもう一方の壁面と
スリット光の光軸5とが一致するようにする。このとき
も、リニアエンコーダ11を用いて被測定物2のX軸方
向の位置を記録する。図4に示された基準位置でのX軸
方向の位置との差をとることにより、基準位置から小径
穴1のもう一方の壁面までの移動量、すなわち、基準位
置から小径穴1のもう一方の壁面までの距離が求めら
れ、これを記録する。
【0043】基準位置から小径穴1の各壁面までの移動
量を加算することによって、すなわち、基準位置から小
径穴1の各壁面までの距離を加算することによって、被
測定物2の小径穴1の内径を求めることができる。な
お、リニアエンコーダの測定値の記録及び加減算は、リ
ニアエンコーダ11の出力を入力する情報処理装置によ
って行なうことができる。上述した説明では、基準位置
からの移動量を記録したが、一方の壁面を基準とし、も
う一方の壁面までの移動量、すなわち長さを記録しても
よい。また、基準位置あるいは基準壁面において、リニ
アエンコーダ11をリセットして、壁面までの移動量、
すなわち距離を直読できるようにしてもよい。
【0044】被測定物を、図2に示されたθステージに
より、例えば図4に示された基準位置の状態から、光軸
5に一致するZ軸の周りに回転角度θだけ回転させる。
そして、各回転角度θの位置において上述の内径測定を
行なうことにより、小径穴1の任意の深さにおける断面
の穴形状を測定することができる。さらに、同様にして
小径穴1の異なる深さにおける断面に対して同様に穴形
状を測定することにより、小径穴1の深さ方向の穴曲が
りを求めることができる。
【0045】上述した測定の際において、被測定物2の
移動に関しては、撮像画像を画像処理して得られるデー
タを駆動制御装置に入力し、各ステージの駆動を制御す
ることによって、自動測定することができる。このよう
な自動化により、目視による測定誤差を減らし、測定作
業者の負担を軽減させることができる。この場合、カメ
ラ10内の2次元撮像素子において得られた撮像画像を
画像処理装置に入力し、図3(B),図4(B),図5
(B)等に示された撮像画像の状態を検出する。図4
(B)においては、2次元撮像素子上の光軸5の位置を
検出記憶する。図3(B),図5(B)等においては、
スリットの像42の弧の屈曲の先端位置を検出記憶す
る。そして、光軸5の位置と弧の屈曲の先端位置との間
の距離を判定し、この距離が0になるように各ステージ
の駆動を制御する。
【0046】光軸5の位置と弧の屈曲の先端位置との間
の距離判定の一具体例としては、画像処理装置内の2次
元画像メモリ上において、モニタ画面に対応する撮像画
像を画素単位に記憶させ、図4(B)に示されたスリッ
トの像42に対応する振幅レベルを有する画素の中か
ら、光軸5の位置、すなわち、スリットの像42の中心
部の画素の横軸座標値を検出する。また、図3(B),
図5(B)等に示されたスリットの像42に対応する振
幅レベルを有する画素の中から、横軸方向に最も左にあ
る画素の横軸座標値を検出する。そして、両横軸座標値
の差を演算する。
【0047】また、図4(B),図3(B)におけるス
リットの像42の弧が中央横軸に対して上下対称になる
状態を検出するには、弧の上端が位置する画素の縦軸座
標値と下端が位置する画素の縦軸座標値とを同じ横軸座
標値で比較して、両縦軸座標値の中間が光軸5の縦軸方
向位置、すなわち、図4(B),図3(B)におけるス
リットの像42の中心部の画素の縦軸座標値に一致する
ようにすればよい。
【0048】画像処理装置または、これと連動する情報
処理装置に、リニアスケール11のX軸方向の位置出力
だけでなく、自動Yステージ23,自動Zステージ2
4,自動θステージ、ηステージ31,φステージ32
に取り付けられた図示しない測定装置からのY軸方向,
Z軸方向の位置出力、および、角度θ,η,φの角度出
力を受け、小径穴1の直径や偏心率を演算し、演算結果
を記憶あるいは表示させることもできる。画像処理装置
においては、スリット光の像42が際立つように強調し
たり細線化するなどの画像処理を画像メモリ上において
行なう。また、必要に応じて、標線43や小径穴1の位
置を示す円等の仮想の図形をモニタ画面上に表示するよ
うに図形の挿入処理をしたり、明暗の階調を疑似カラー
化することができる。
【0049】上述した説明では、深さ方向に断面形状が
変化せず、壁面の断面が直線状であることを前提として
説明した。しかし、実際のダイス穴のように深さ方向に
断面形状が変化しても測定することができる。ただし、
この場合には、壁面の断面がZ軸方向に沿う光軸5に対
して傾斜してしまうから、光軸5上の入射光も、壁面で
反射して曲がってしまい、測定に若干の誤差が生じるこ
とになる。したがって、例えば、スリットの像の光量が
大きくなるようX軸周りの回転角φ,Y軸周りの回転角
ηも含めて調整して、光軸5上の入射光が壁面と接する
ようにしてから測定位置の所定深さにおける位置を測定
すれば誤差がなくなる。
【0050】上述した一実施例においては、スリット7
の形状は、線状のスリットとしたが、これに限らない。
従来技術の指標と同じ十字状のスリットを採用すれば、
図4(B)等に示されたモニタ画面上で、縦軸方向の位
置合わせが容易になるほか、載置ステージ3を回転させ
ることなく、互いに直交する方向の穴径を測定すること
ができる。また、スポット状のスリットを採用すれば、
光軸5の中心部だけの像が結ばれ、図5(B)等に示さ
れたモニタ画面上で、光軸5の位置と弧の屈曲の先端位
置との間の距離が識別しやすくなる。また、光源4自体
に上述した形状のスリット光を発生するものを採用して
もよい。この場合には、単体部品としてのスリット7は
不要となるが、実質的にスリットを有するということが
できる。
【0051】上述した一実施例においては、スリット光
の検出位置に2次元撮像素子を配置したが、スリットの
像を操作者が直接観察するようにしてもよい。このよう
な測定方法を取るときには、画像処理装置等が不要とな
る。
【0052】次に、上述した穴形状測定方法を用いて、
光ファイバ用被覆装置のダイス(被覆ダイ)のダイス穴
形状を測定し、ダイスを選別する方法について説明す
る。上述した穴形状測定方法では、ダイス穴の開口部だ
けではなく、ダイス穴の内部の壁面の形状も測定できる
ため、ダイスの加工精度を詳細かつ定量的に測定するこ
とができる。
【0053】図6は、本発明の実施の形態の光ファイバ
被覆用ダイス測定方法を説明する測定装置の平面図であ
る。図中、図1,図10と同様な部分には同じ符号を用
いて説明を省略する。被測定物としての光ファイバ被覆
用のダイス51は、載物ステージ3に保持される。載物
ステージ3は、例えば、ダイス穴51aの平行ランド部
の中心軸62が光軸5とほぼ同じZ軸方向となるように
調整される。ダイス51を、図2に示されたθステージ
により、基準位置の状態からZ軸の周りに回転角度θだ
け回転させる。そして、各回転角度θにおいて、例え
ば、上述の内径測定を行なうことにより、ダイス穴51
aの特定の深さにおける断面の穴形状を測定することが
できる。
【0054】この断面の穴形状の中心位置は、内径測定
を行ない、内径の線分の1/2の点の座標位置を調べる
ことにより近似的に求めることができる。基準位置にあ
る状態から、Z軸の周りの回転角度θを変えて行ったと
き、ダイス穴51aの穴断面が真円であれば、内径の線
分の1/2となる点の軌跡も真円となる。したがって、
θ=0および他の複数のθの値で内径の線分の1/2と
なる点のX,Y座標を測定し、この測定された、内径の
線分の1/2となる点を真円にフィッティングする。
【0055】そして、このフィッティング円のθ=0の
ときのX座標の値が、断面の中心の位置のX座標とな
り、このフィッティング円のθ=−π/2のときのY座
標の値が断面の中心の位置のY座標となる。このように
して、ある断面での穴形状と穴の中心の位置を測定でき
る。あるいは、同様な複数の回転角度θにおけるこの断
面の壁面の位置座標から直接に近似計算によって求める
こともできる。
【0056】図2に示された光学系支持部25をZステ
ージ24によりダイス穴51aの深さ方向に移動させ、
同様にしてダイス穴51aの断面の穴形状を測定するこ
とができる。穴形状を測定している断面の深さ位置は、
図示しないZ軸方向のリニアスケールにより測定され
る。このようにして、ダイス穴51aの内壁面に対して
任意の深さにおける断面の穴形状、内径,中心点の位置
などを測定することができ、小径穴1の深さ方向の穴曲
がりを求めることができる。
【0057】このデータを基に、テーパ部と平行ランド
部のそれぞれの各断面よりそれぞれの中心線を回帰直線
により求め、平行ランド部とテーパ部の境界面での、こ
の2つの回帰直線のオフセット、および、この2つの回
帰直線の成す角度で、ダイスの良否を判定できることを
見い出した。
【0058】図7は、図6に示したダイス穴形状測定装
置により求められるパラメータの説明図であり、図7
(A)は斜視図、図7(B)は軸のオフセットの説明
図、図7(C)は軸の角度差の説明図である。図中、図
10と同様な部分には同じ符号を用いて説明を省略す
る。A,Bはテーパ部の中心点の回帰直線の両端、C,
Dは平行ランド部の中心点の回帰直線の両端である。回
帰直線ABと回帰直線CDとは、一般的には交わらな
い。Z0 〜Z11は、Z軸上のZ=Z0 からZ=Z11にお
けるダイス穴51aの内壁の位置を表わし、O0 〜O11
はそれらの中心点である。なお、図7では、図面が煩雑
になるため、実際のものとは異なり、回帰直線AB,C
Dは、丁度、中心点O0 〜O6 、中心点O8 〜O11上に
位置するように作図している。
【0059】図7に示されたZ軸上の各深さ位置におい
て、ダイス穴51aの断面の形状を測定することによ
り、Z=Z0 からZ=11までの穴の縦方向(Z軸方向)
各断面において、O0 〜O11に示されるダイス穴51a
の各内壁の中心点が、図6を参照して説明した方法によ
り測定される。
【0060】次に、Z軸上の各深さにおける中心点の位
置のX,Y,Z座標に基づいて、近似計算によって中心
点の回帰直線を求める。テーパ部においては、中心点O
0 〜O6 を用いて回帰直線ABを、平行ランド部におい
ては、中心点O8 〜O11を用いて回帰直線CDを求め、
AB,CDをそれぞれ、テーパ部中心軸61,平行ラン
ド部中心軸62とみなす。
【0061】図7(B)に示されるように、テーパ部と
平行ランド部の境界面において、テーパ部の中心点の回
帰直線AB、平行ランド部の中心点の回帰直線CDとの
ずれBCをオフセットと定義する。すなわち、回帰直線
ABと境界面Z=Z7 との交点B、回帰直線CDと境界
面Z=Z7 の交点Cに対して、BCの距離をオフセット
と定義し、これを、テーパ部中心軸61と平行ランド部
中心軸62の軸のオフセットとみなす。なお、境界面の
位置は、例えば境界面の設計上の位置に定めればよい。
【0062】また、図7(C)に示されるように、回帰
直線CDのCの点が回帰直線BDのBの点に来るよう
に、回帰直線CDを平行移動させた直線BD’を考える
と、回帰直線ABと直線BD’とが成す角度を、回帰直
線AB,CDの成す角度と定義する。すなわち、回帰直
線AB,CDの成す角度とは、回帰直線をベクトルとし
てみたときの両者の成す角度である。この角度を、テー
パ部中心軸61と平行ランド部中心軸62をそれぞれベ
クトルとしてみたときの両軸の軸角度差とみなすことが
できる。
【0063】図8は、図6の測定装置による測定結果と
最高無偏肉率の測定結果との相関関係を表わす線図であ
る。図中、横軸は軸のオフセット、縦軸は軸角度差であ
り、最高無偏肉率の90%ラインと70%ラインとが記
載されている。光ファイバの実生産で、無偏肉率が良好
なダイス、無偏肉率が悪いダイスの、計50個について
示されている。
【0064】無偏肉率のラインは、n=50の回帰統計
において、重相関計数R=0.9769をもとに計算さ
れたものである。軸のオフセットが小さく、かつ、軸角
度差の小さいダイスほど最高無偏肉率が高く良好であ
る。製作されたダイス51の軸のオフセットおよび軸角
度差の測定値をこの線図上にプロットすることにより、
このダイス51によって被覆される光ファイバの被覆の
無偏肉率を推定することができる。したがって、加工精
度の良いダイスを選別するのに、製作されたダイスで実
際に被覆を施す必要がなくなる。
【0065】最高無偏肉率が90%のラインは、 (X/6)+(Y/15)=1 で表わされるから、 (X/6)+(Y/15)≦1 となるような、オフセットX(μm)、軸角度差Y
(分)となることを基準にダイスを選別することによ
り、最高無偏肉率が90%以上となる加工精度の良いダ
イス51を選別することができる。
【0066】図9は、軸角度差および軸のオフセットに
より光ファイバが受ける力を解析した説明図であり、図
9(A)はテーパ部の角度ずれの説明図、図9(B)は
平行ランド部の角度ずれの説明図、図9(C)はテーパ
部と平行ランド部の軸ずれの説明図である。図中、図1
0,図11と同様な部分には同じ符号を用いて説明を省
略する。
【0067】プリフォームを加熱して溶かしながら引っ
張ることにより線引きされた光ファイバ71は、ポイン
トとも呼ばれるニップルの中心穴を通過する。流動状態
の樹脂である被覆は、ニップルの下端面とダイス51の
上端面の間において、周方向に均等な流れとして周囲か
ら中心部に向かって流れ込み、光ファイバ71に接触
し、光ファイバ71とともにダイス穴を通過する。その
後、硬化装置を通過して、被覆81が硬化され、キャプ
スタン,プーリー等を経て巻き取り機に巻き取られる。
【0068】この説明図では、単層の被覆を施すダイス
51を図示しているが、プライマリ被覆を施された後の
光ファイバに、さらにセカンダリ被覆を別のダイスで施
す場合もある。また、プライマリ被覆とセカンダリ被覆
を一括して施すために2つのダイスを組み合わせる場合
もある。
【0069】図9(A)においては、ダイス穴のテーパ
部の中心軸61が傾いて鉛直方向から角度ずれを生じて
おり、テーパ部において光ファイバ71に矢印方向の力
が働く。図9(B)においては、ダイス穴の平行ランド
部の中心軸62が傾いて鉛直方向から角度ずれを生じて
おり、平行ランド部において光ファイバ71に大きな力
が矢印方向に働くとともに、テーパ部においても逆方向
の大きな力が矢印方向に働く。図9(C)においては、
テーパ部の中心軸61と平行ランド部の中心軸62の間
に軸ずれが生じており、テーパ部において光ファイバ7
1に矢印方向の力が働く。光ファイバ71に働くこれら
の力により、被覆に不均一が生じ、偏肉が生じると考え
られる。
【0070】また、上述した軸角度差および軸のオフセ
ットの数値に基づいて加工精度の良いダイス51を選別
し、これを光ファイバ被覆装置に使用すると、塗布の安
定性も向上した。ダイス51は、ニップルの下面,ダイ
ス51の上面が水平になるように調整して取り付けられ
る。良好なダイスを用いれば、この水平の精度は±20
分位でよいが、悪いダイスは、水平の精度を上げない
と、場合によってはわざと水平からずらせないと、無偏
肉率が良くならない。しかし、選別されたダイスでは、
傾斜角が変化しても被覆外径および無偏肉率がほとんど
変わらず調整が容易になり塗布も安定することがわかっ
た。
【0071】したがって、選別された加工精度の良いダ
イスでは、傾斜角の調整が容易かつ調整頻度が少なくな
り、光ファイバの生産前に必須となっていた傾斜角度調
整を行なわなくても、光ファイバの良好取りができるの
で、生産稼働率と良品歩留まりの向上につながることが
わかった。
【0072】上述したダイスの選別方法は、光ファイバ
用被覆装置のダイスを選別する方法として説明したが、
金属線を製造するための伸線用ダイス等、他の用途のダ
イスを選別する方法としても実施することができる。ま
た、上述したダイス穴中心軸測定方法も、同様に、伸線
用ダイス等の中心軸の測定方法として、また、任意の穴
の中心軸の測定方法としても実施することができる。
【0073】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、ダイス
穴の内面形状を表わすパラメータを測定し、測定された
前記パラメータによりダイスを選別するから、実際にダ
イスを用いて光ファイバに樹脂を被覆してみることな
く、無偏肉率が高く被覆外径の変動が少なくなる加工精
度の良好な被覆用ダイスの選別ができるという効果があ
る。選別されたダイスを使用して光ファイバに被覆を施
すことにより、光ファイバの被覆の偏肉不良を改善する
とともに、被覆径変動を抑制することができる。
【0074】請求項2に記載の発明によれば、テーパ部
および平行ランド部を有するダイス穴の壁面の位置を測
定し、測定された壁面の位置に基づいて、テーパ部の中
心軸および平行ランド部の中心軸の位置を求め、テーパ
部と平行ランド部の境界面上における両中心軸のオフセ
ットの値、および、両中心軸の軸角度差の値を基準にし
てダイスを選別するから、実際にダイスを用いて光ファ
イバに樹脂を被覆してみることなく、無偏肉率が高く被
覆外径の変動が少なくなる加工精度の良好な被覆用ダイ
スの選別ができるという効果がある。さらに、ダイス穴
の内面形状を表わす2個のパラメータの測定だけで容易
にダイスを選別できるという効果もある。
【0075】請求項3に記載の発明によれば、基準が、
オフセットをXμm、軸角度差をY分とし、 (X/6)+(Y/15)≦1 であるから、無偏肉率が90%を超えるダイスを選別で
きるという効果がある。
【0076】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
ないし3のいずれか1項に記載の光ファイバ被覆用ダイ
スの選別方法により選別された光ファイバ被覆用ダイス
であるから、無偏肉率が高く被覆外径の変動が少なくな
るという効果がある。
【0077】請求項5に記載の発明によれば、請求項1
ないし3のいずれか1項に記載の光ファイバ被覆用ダイ
スの選別方法により選別された光ファイバ被覆用ダイス
を用いて光ファイバに樹脂を被覆することにより、無偏
肉率が高く被覆外径の変動が少ない光ファイバを製造す
ることができる。
【0078】請求項6に記載の発明によれば、スリット
光を被測定位置に投影させる投光系を介して穴の壁面に
投影させ、該壁面での反射光を受光系で受光位置に結像
させ、前記スリット光の光軸と前記穴を相対的に移動さ
せ、前記受光位置でのスリット光の弧の先端が前記光軸
に一致したとき、前記穴の位置を測定することにより前
記壁面の位置を測定し、前記壁面の位置を前記穴の少な
くとも一部分における縦方向各断面において測定し、前
記壁面の位置に基づいて、前記穴の少なくとも一部分に
おける中心軸の位置を求めるものである。したがって、
測定子を挿入できないような極小径の穴の中心軸の位置
を、穴の壁面の任意の箇所の位置の測定に基づいて、非
接触かつ高精度で容易に測定できるという効果がある。
【0079】請求項7に記載の発明によれば、各断面で
の壁面の位置に基づいて各断面での穴の中心点の位置を
求め、この中心点の位置の回帰直線として穴の少なくと
も一部分における中心軸の位置を求めるから、中心軸の
位置の測定が簡単に測定できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的な実施の形態を説明する平面図
である。
【図2】本発明の原理的な実施の形態におけるステージ
系を説明する正面図である。
【図3】被測定物の第1の位置とモニタ画面を説明する
説明図であり、図3(A)は平面図、図3(B)はモニ
タ画面である。
【図4】被測定物の第2の位置とモニタ画面を説明する
説明図であり、図4(A)は平面図、図4(B)はモニ
タ画面である。
【図5】被測定物の第3の位置とモニタ画面を説明する
説明図であり、図5(A)は平面図、図5(B)はモニ
タ画面である。
【図6】本発明の実施の形態の光ファイバ被覆用ダイス
測定方法を説明する測定装置の平面図である。
【図7】図6に示したダイス穴形状測定装置により求め
られるパラメータの説明図であり、図7(A)は斜視
図、図7(B)は軸のオフセットの説明図、図7(C)
は軸の角度差の説明図である。
【図8】図6の測定装置による測定結果と最高無偏肉率
の測定結果との相関関係を表わす線図である。
【図9】軸角度差および軸のオフセットにより光ファイ
バが受ける力を解析した説明図であり、図9(A)はテ
ーパ部の角度ずれの説明図、図9(B)は平行ランド部
の角度ずれの説明図、図9(C)はテーパ部と平行ラン
ド部の軸ずれの説明図である。
【図10】従来の光ファイバ被覆用ダイスの穴形状の測
定方法の説明図であり、図10(A)はダイス穴の断面
図、図10(B)は上端および下端の開口部の比較図で
ある。
【図11】光ファイバへの被覆状態を説明する説明図で
ある。
【図12】従来の光ファイバ被覆用ダイスの同心度と無
偏肉率との相関関係を表わす線図である。
【符号の説明】 1…小径穴、2…被測定物、3…載物ステージ、4…光
源、5…光軸、6…フィルタ、7…スリット、8…投光
対物レンズ、9…受光対物レンズ、10…カメラ、11
…リニアエンコーダ、41…結像位置、42…スリット
光の反射像、43…標線、51…ダイス、61…テーパ
部中心軸、62…平行ランド部中心軸、71…光ファイ
バ、81…被覆。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 健 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイス穴の内面形状を表わすパラメータ
    を測定し、測定された前記パラメータによりダイスを選
    別することを特徴とする光ファイバ被覆用ダイス選別方
    法。
  2. 【請求項2】 テーパ部および平行ランド部を有するダ
    イス穴の壁面の位置を測定し、測定された前記壁面の位
    置に基づいて、前記テーパ部の中心軸および前記平行ラ
    ンド部の中心軸の位置を求め、前記テーパ部と前記平行
    ランド部の境界面上における両中心軸のオフセットの
    値、および、両中心軸の軸角度差の値を基準にしてダイ
    スを選別することを特徴とする光ファイバ被覆用ダイス
    選別方法。
  3. 【請求項3】 前記基準は、前記オフセットをXμm、
    前記軸角度差をY分とし、 (X/6)+(Y/15)≦1 であることを特徴とする請求項2に記載の光ファイバ被
    覆用ダイス選別方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    の光ファイバ被覆用ダイスの選別方法により選別された
    ことを特徴とする光ファイバ被覆用ダイス。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    の光ファイバ被覆用ダイスの選別方法により選別された
    光ファイバ被覆用ダイスを用いて光ファイバに樹脂を被
    覆することを特徴とする光ファイバの被覆方法。
  6. 【請求項6】 スリット光を被測定位置に投影させる投
    光系を介して穴の壁面に投影させ、該壁面での反射光を
    受光系で受光位置に結像させ、前記スリット光の光軸と
    前記穴を相対的に移動させ、前記受光位置でのスリット
    光の弧の先端が前記光軸に一致したとき、前記穴の位置
    を測定することにより前記壁面の位置を測定し、前記壁
    面の位置を前記穴の少なくとも一部分における縦方向各
    断面において測定し、前記壁面の位置に基づいて、前記
    穴の少なくとも一部分における中心軸の位置を求めるこ
    とを特徴とする穴の中心軸測定方法。
  7. 【請求項7】 前記各断面での前記壁面の位置に基づい
    て、前記各断面での穴の中心点の位置を求め、該中心点
    の位置の回帰直線として前記穴の少なくとも一部分にお
    ける前記中心軸の位置を求めることを特徴とする請求項
    6に記載の穴の中心軸測定方法。
JP23207296A 1996-09-02 1996-09-02 光ファイバ被覆用ダイス選別方法 Expired - Fee Related JP3633132B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23207296A JP3633132B2 (ja) 1996-09-02 1996-09-02 光ファイバ被覆用ダイス選別方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23207296A JP3633132B2 (ja) 1996-09-02 1996-09-02 光ファイバ被覆用ダイス選別方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1078306A true JPH1078306A (ja) 1998-03-24
JP3633132B2 JP3633132B2 (ja) 2005-03-30

Family

ID=16933557

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23207296A Expired - Fee Related JP3633132B2 (ja) 1996-09-02 1996-09-02 光ファイバ被覆用ダイス選別方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3633132B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009139176A (ja) * 2007-12-05 2009-06-25 Nikon Corp 測定装置およびその方法
CN106247961A (zh) * 2016-10-18 2016-12-21 淮阴师范学院 一种圆孔内径的精密测量系统及方法
CN109365567A (zh) * 2018-09-28 2019-02-22 陕西科技大学 一种基于激光衍射的拉丝模内孔参数测量装置及测量方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009139176A (ja) * 2007-12-05 2009-06-25 Nikon Corp 測定装置およびその方法
CN106247961A (zh) * 2016-10-18 2016-12-21 淮阴师范学院 一种圆孔内径的精密测量系统及方法
CN109365567A (zh) * 2018-09-28 2019-02-22 陕西科技大学 一种基于激光衍射的拉丝模内孔参数测量装置及测量方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3633132B2 (ja) 2005-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5672240B2 (ja) ウェーハを検査するためのシステム及び方法
JP5934874B2 (ja) ウェーハを検査するためのシステム及び方法
JP3511450B2 (ja) 光学式測定装置の位置校正方法
JP4774332B2 (ja) 偏芯量測定方法
JP6103171B2 (ja) ウェーハを検査するためのシステム及び方法
JP5878328B2 (ja) 精密ソルダレジストレジストレーション検査方法
US20070102620A1 (en) Method and array for determining the focal position during imaging of a sample
JP3464835B2 (ja) 微小円筒形部品の穴径・同心度測定装置
JP7169994B2 (ja) 反射面の曲率を測定する方法及び関連する光学デバイス
US7899239B2 (en) Inspection method of bonded status of ball in wire bonding
TWI432698B (zh) 用於探針標記分析之系統及方法
JPS5965708A (ja) 自動表面検査用のゾンデ
JP2012132910A (ja) 構造化照明を用いるエッジ検出
EP1896792B1 (en) Method and system for measuring the curvature of an optical surface
JP3633132B2 (ja) 光ファイバ被覆用ダイス選別方法
JP2509772B2 (ja) 光コネクタの端面検査装置
JP2964137B2 (ja) 試料中心を検出できる蛍光x線分析装置
JPH0797064B2 (ja) 光フアイバ構造測定法
JP2008058133A (ja) 長尺工具エッジの曲率半径の計測装置および長尺工具エッジの曲率半径の計測方法
JPH08189816A (ja) ダイス孔形状測定装置および測定方法
JP3180091B2 (ja) レーザーオートフォーカスによる非接触寸法測定方法
JPH08233545A (ja) 穴形状測定方法および測定装置
JPH11337320A (ja) 眼内レンズ用自動投影機検査装置およびそれを用いた眼内レンズ検査方法
JP3152507B2 (ja) 局部腐食深さ自動測定方法
JP3470729B2 (ja) 屈折率分布の測定方法および測定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040402

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040831

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041027

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041220

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090107

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090107

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100107

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110107

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110107

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120107

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120107

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130107

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130107

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140107

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees