JP3464140B2 - スライドファスナー用経編テープ - Google Patents
スライドファスナー用経編テープInfo
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Description
ーに用いられるテープであって、経編組織によって編成
され、噛合エレメント取付部は縦方向の伸縮が抑制さ
れ、他のテープ主体部は縦方向に伸縮できる機能を備え
たスライドファスナー用経編テープに関し、特に前記噛
合エレメント取付部とテープ主体部とが互いに独立して
挙動し得る構成を備えたスライドファスナー用経編テー
プに関する。
ン衣料や下着類に多用されるようになってきている。ま
た、従来から編生地製の衣料や高ストレッチ性のスポー
ツ衣料などの伸縮性に富む衣料にも多くのスライドファ
スナーが使用されている。これらの伸縮性に富む各種衣
料に対応させるため、従来もスライドファスナーテープ
を織成又は編成するにあたって、その織組織又は編組
織、或いは構成糸条の材質を選択して、前記テープの一
側縁部の噛合エレメント取付部を非伸縮性とし、残るテ
ープ主体部を縦方向(長さ方向)に伸縮性を付与するこ
とが行われている。
よれば、前記噛合エレメント取付部に非伸縮性の経糸を
使用して長さ方向の伸縮性を抑制し、テープ主体部の経
糸として伸縮性の糸条を使用して長さ方向の伸縮性を付
与している。噛合エレメント取付部を非伸縮性とするの
は、スライドファスナーのエレメント噛合時に、身体の
動きに応じて伸縮する衣料のあらゆる方向からの引っ張
り力により、チェーン割れ、すなわち前記噛合エレメン
ト取付部に取り付けられたエレメント同士の噛合が外
れ、ファスナーが開いてしまうことを防ぐためである。
付部を完全な非伸縮性とすると、身体の屈伸などの激し
い運動時に、スライドファスナー取付部に突っ張り現象
が生じ、また着用上、外観上で著しい違和感が生じるた
め、かかる不具合を解消すべく、例えば特開昭63−2
94804号公報に開示されたスライドファスナーで
は、噛合エレメント取付部縁辺を含むファスナーテープ
の少なくとも前記噛合エレメント取付部縁辺の長さ方向
の伸度を10%以上とし、且つ伸長時の噛合エレメント
のピッチが噛合頭部の高さの2倍未満に留まる範囲に制
御され、前記噛合エレメント取付部縁辺の伸縮に合わせ
て噛合エレメントのピッチを変化させる。しかも、この
ピッチの変化を噛合頭部の高さの2倍未満に留めている
ため、たとえ噛合エレメント取付部が伸長しても、噛合
エレメントが外れることはない。
昭63−294804号公報に開示されたファスナーテ
ープであっても、そのテープ主体部が、例えば高伸縮性
衣料の伸縮に追随して伸縮するほどの伸縮性を付与する
場合には、噛合エレメント取付部の伸度との差が大きく
なり、従来から要望されている着用上、外観上での著し
い違和感を回避することは不可能である。
されるスライドファスナー用テープに好適であり、前記
高伸縮性生地の伸縮動作によく追随でき、しかもチェー
ン割れが生じないスライドファスナー用テープを提供す
ることにあり、更には縫着線に沿った生地とスライドフ
ァスナーとの間にパッカリング現象が発生しないファス
ナーテープを提供することにある。
は、縫着後の生地とスライドファスナーとの間にパッカ
リング現象が発生せず、しかも高伸縮性を備えた生地の
多様な動きに対しても十分に追随でき、且つチェーン割
れの発生しないファスナーテープを開発するにあたり、
多様な検討と試作とを積み重ねた結果、高伸縮性が確保
でき、しかもファスナーテープとしての形態安定性に優
れる構造としては、経編組織による編テープが最も好ま
しいことを知った。そこで、本発明のファスナーテープ
には、経編組織を採用することにした。
いが、経編方向、すなわちテープの長さ方向には伸縮性
に優れており、同方向に更なる大きな伸縮性を付与する
には、少なくとも伸縮性を要求されるテープ領域の構成
糸条として伸縮糸を使用することが肝要であると考え
た。ただ、前記テープ領域を伸縮糸だけで構成する場合
には形態的に安定せず、また伸縮が大きすぎて、通常の
伸縮性衣料に適さなくなるため、伸縮性が要求されるテ
ープ領域の編組織として、非伸縮糸と伸縮糸との交編組
織を採用することにした。
ント取付部を高伸縮性をもつテープ領域と同等の伸縮性
をもつ場合には、通常の形態をもつ噛合エレメントでは
チェーン割れが発生することを阻止し得ないため、噛合
エレメント取付部は従来と同様に非伸縮性構造とする。
ここで、本発明による非伸縮性構造とは、上記特開昭6
3−294804号公報に示された噛合エレメント取付
部で許容される伸縮度の範囲までをも含むものである。
取付部の伸縮を抑制するだけでは、当然に既述したよう
な従来の課題は依然として解決されない。そこで、発明
者等は更に試行錯誤を繰り返した結果、本発明に到達し
たものであり、本発明の上記目的は本件請求項1〜7に
係る以下の構成により達成される。
付部とテープ主体部とを有するスライドファスナー用経
編テープにあって、噛合エレメント取付部は縦方向に非
伸縮性の編構造を有し、テープ主体部は縦方向に伸縮性
の編構造を有し、前記噛合エレメント取付部とテープ主
体部とにそれぞれジグザグ挿入されて交絡する緯挿入糸
を有してなり、前記噛合エレメント取付部と前記テープ
主体部との間には、前記緯挿入糸と、同緯挿入糸と交絡
することのない編組織とを有する緩衝領域が設けられて
いることを特徴とする。
ては、編組織と構成糸条の物性が挙げられる。一般に、
編組織による縦方向の伸縮性は鎖編組織が最も小さく、
トリコット編組織、シングルコード編組織の順で伸縮性
が大きくなる。構成糸条による経編構造の伸縮性は、当
然にスパンデックス糸やゴム糸、或いはそれらのカバー
ドヤーンのような伸縮糸による編成が最も伸縮性が高く
なる。
る非伸縮性の噛合エレメント取付部と高伸縮性のテープ
主体部との間に緩衝領域を設けることにより、伸縮性の
高いテープ主体部の激しい伸縮動作が非伸縮性の噛合エ
レメント取付部に影響させることなく、独立して挙動す
ることを可能にする。すなわち、本発明によればテープ
主体部の多様な伸縮動作にも関わらず、チェーン割れが
発生せず、同時に噛合エレメント取付部に特異な突っ張
りも発生せずに、外観的にも感触上も何ら違和感のない
ものとなる。
主体部に高伸縮性を付与することが可能であるため、本
発明の経編テープを使ったスライドファスナーを伸縮性
の高い衣料などに縫着するにあたって、パッカリングが
発生しないことである。すなわち、高伸縮性生地と非伸
縮性生地とを縫製すると、その縫製時の生地送りにより
伸縮性生地が伸長するにも関わらず、非伸縮性生地がそ
れに追随せず、双方に順次ずれを生じさせながら縫製が
進み、縫製品はその縫着線に沿って波打ち状態となる。
この現象は、柔軟で薄手の生地である場合に特に顕著で
ある。しかるに、本発明によれば、ファスナーテープの
縫着領域にあるテープ主体部が、縫着対象である高伸縮
性の生地と同様に高伸縮性を備えているため、それらの
縫製にあたってもテープと生地とが円滑に共動して、前
記パッカリングの発生しない両品質の縫製品が得られ
る。
ト取付部の編構造が、非伸縮性糸と複数の編組織とから
なり、前記テープ主体部が少なくとも非伸縮糸と伸縮糸
との交編組織からなり、前記緩衝領域は前記テープ主体
部の少なくとも非伸縮糸による編組織の一部を共有して
いる。
使われ、その編組織も通常の伸縮性を抑制する、例えば
鎖編組織、トリコット編組織、経挿入組織などの複数の
組織を組み合わせると共に、前記各組織に緯糸を挿入し
て構成する。一方、伸縮性を備えた前記テープ主体部の
編構造は、編組織と構成糸条の双方に伸縮性を備えさせ
るものであり、例えば構成糸条の一部に伸縮糸を使っ
て、非伸縮糸と交編し、編組織としては最も編形態が安
定すると共に所要の伸縮性を実現できる編組織を採用す
る。緩衝領域としては、本発明においてテープ主体部と
の間にわたっている少なくとも非伸縮性の緯挿入糸だけ
による編組織とすることで、テープ主体部の挙動による
噛合エレメント取付部の影響を緩衝領域を介して完全に
断ち切ることができる。
の非伸縮糸による編組織が少なくとも緯挿入組織と鎖編
組織を有すると共に、同主体部の伸縮糸による編組織が
前記各鎖編組織に沿って挿入される経挿入糸を含んでい
る。この発明は、テープ主体部の編組織として、縦方向
に適度な伸縮性を有し、しかも編目形態も安定している
鎖編組織とそれらの鎖編目に緯糸を挿入した編組織に規
定しており、更に同テープ主体部に高伸縮性を付与する
ため、前記鎖編組織のウエール方向に伸縮糸からなる経
糸をジグザグ状に挿入している。
主体部とを、単に噛合エレメント取付部とテープ主体部
との間にわたっている非伸縮糸による編組織だけをもっ
て連結して緩衝領域を形成する場合には、編み上がり製
品であるファスナーテープが、噛合エレメント取付部を
外側として大きく弧状に湾曲してしまい、熱セットによ
っても矯正できないため、最終製品であるスライドファ
スナーを衣料等に縫着させるにあたり、作業が煩雑化す
るばかりでなく、仕上がり製品も、特に薄手の衣料など
ではスライドファスナー取付部が直線状とならず、外観
的にも使用にあたっても様々な不具合が生じる。
消したものであり、同発明は前記緩衝領域と前記噛合エ
レメント取付部及びテープ主体部との各境界領域が非伸
縮糸による編組織に挿入される伸縮糸による経挿入組織
を有している。この伸縮糸からなる経編組織を緩衝領域
と噛合エレメント取付部及びテープ主体部との各境界領
域に配することにより、各境界領域に配された編組織が
前記経挿入組織により交編され、同境界領域が障壁とな
って前記噛合エレメント取付部とテープ主体部との挙動
の伝達を完全に断ち切るにも関わらず、前記テープ主体
部側の境界領域は、前記テープ主体部の収縮動作にも円
滑に対応して伸縮することを許容する。
に配される伸縮糸は、編み上がりにおいて収縮し、隣接
する噛合エレメント取付部の全体を縮長状態として、テ
ープ全体をほぼ直線上に矯正し、噛合エレメントの取付
には何ら支障を来さない。また、スライドファスナーを
伸縮性生地に縫着するときも、その縫着時には既述した
ようにテープ主体部が長さ方向に伸長するため、縫着作
業が円滑に且つ安定してなされる。
部の非伸縮糸による編組織が、更にトリコット編組織を
含むことのあることを規定している。このように上記鎖
編組織に更にトリコット編組織を複合する場合には、縦
方向の伸縮性は低下するが、テープ主体部の生地厚が厚
くなると共に剛直性を増すため、相手生地の伸縮性が低
く、剛直性がある場合には適している。すなわち、前記
編組織を適当な複合組織とすることにより、ファスナー
テープを相手生地の性質に適合させることができる。
ープ主体部の非伸縮糸による緯挿入組織の一部を有して
いることを規定して、噛合エレメント取付部に対するテ
ープ主体部の影響を回避している。請求項7に係る発明
は、緩衝領域が前記緯挿入組織の他に、更に非伸縮糸か
らなるトリコット編組織をも含む場合のあることを規定
している。緩衝領域を、緯挿入糸だけで構成する場合に
は、他の領域に較べてその単純な構成により同緩衝領域
が長い使用で損傷を受けやすい。かかる懸念を解消する
ため前記緯挿入糸をトリコット編組織により支持し、緩
衝領域の耐久性を向上させている。トリコットに代え
て、例えば鎖編組織とすると、編組織上から縦方向の伸
縮が抑えられ過ぎて、緩衝領域としての機能を全うでき
なくなることがある。
図示例に基づいて具体的に説明する。なお、図面に示す
具体例は本発明の代表的な編構造を示しており、本発明
がこれらの編構造に限定されるものではないことは明ら
かであろう。また、本発明に係るスライドファスナー用
経編テープに取り付けられる噛合エレメントには、コイ
ル状、ジグザグ状の連続エレメントの他に、個々に得ら
れる合成樹脂製の噛合エレメントや金属製の噛合エレメ
ントをも含むものである。
これらの図にも示すように、図示を省略した噛合エレメ
ントを取り付けるための噛合エレメント取付部2と、例
えば衣料などの図示を省略した本体生地に主に縫着する
部分であるテープ主体部3とを有しており、前記噛合エ
レメント取付部2とテープ主体部3との間に、本発明の
特徴部の一部をなす緩衝領域4が形成されている。この
緩衝領域4は、前記噛合エレメント取付部2とテープ主
体部3との動きを、互いに影響させずに独立させて動け
るように相互を構造的に遮断した領域である。
ファスナー用経編テープの編組織を示しており、図2は
同テープの編組織を構成する各単位組織を示している。
この実施例によれば、前記エレメント取付部2は、図1
及び図2に示すように、ウエールW1〜W4にわたって
鎖編糸11,11′により編成される4組の鎖編組織
(1−0/0−1)、緯挿入糸12,12′を1コース
毎にウエールW1からW4にわたってジグザグ挿入され
る3組の緯挿入組織(0−0/3−3,3−3/0−
0)、並びに緯挿入糸13,15をW3からW11にわ
たってジグザグ挿入される2組の緯挿入組織(0−0/
8−8)の交編によって各ウエールが長手方向に現われ
る編組織を形成しており、最も外縁に位置する鎖編組織
には太い補強鎖編糸11′により編成する。前記各編組
織に用いられる鎖編糸11,11′は全て非伸縮性の糸
条であり、各鎖編組織に使用される非伸縮糸としては紡
績糸、モノフィラメント、マルチフィラメント、或いは
通常の撚糸等が挙げられるが、それらの糸条は相手方の
生地の性質に応じて適宜使い分けがなされる。本実施例
による前記各緯挿入糸12,12′,13,15は、ポ
リエステルからなるマルチフィラメントである。
糸16による鎖編組織(1−0/0−1)と同鎖編組織
のウエール方向に経挿入糸14をジグザグに挿入する経
挿入組織(0−0/1−1)とからなり、本実施例にあ
ってはこれらの鎖編組織により形成される8列のウエー
ルW8〜W15に緯挿入糸15の1組の緯挿入組織(0
−0/8−8)と、4列のウエールW8〜W11に噛合
エレメント取付部2と緩衝領域4より挿入される緯挿入
糸15の2組の緯挿入組織(0−0/8−8)の一部と
をもって順次ジグザグに挿入と交絡が繰り返される。更
に、手付主体部3の外側縁寄りの6列のウエールW10
〜W16には緯挿入糸12の4組の緯挿入組織(0−0
/3−3)をもって順次ジグザグに挿入と交絡が繰り返
されている。
は、前記経挿入糸14を除くと前記噛合エレメント取付
部2に使用される材質と同等のものであるが、本実施例
ではテープ主体部3の鎖編組織に使用される鎖編糸16
は前記噛合エレメント取付部2に使用される鎖編糸11
よりも太く設定されている。すなわち、その太さはテー
プ主体部3の鎖編糸16>噛合エレメント取付部2の最
外縁の鎖編糸11′>同取付部2の鎖編糸11の関係に
ある。
16が上述のように不徳することは、同鎖編糸16によ
る鎖編組織のウエールに適度の硬さを与えることにな
り、このウエールに経ねうにゅうされた伸縮糸の伸縮に
伴う波打ちを抑制して、テープ主体部3を常に平坦な形
態を維持させることを可能にする。また、噛合エレメン
ト取付部2の最外縁の鎖編糸11′も同時に太くするこ
とにより、同最外縁部分を補強して、噛合エレメントを
取付けやすくする。
われ、例えばスパンデックス糸、ゴム糸、或いはそれら
のカバードヤーンが挙げられる。
7で示す3ウエール部分に相当し、同領域4の左右に2
ウエールW5及びW7の2列は、鎖編糸16の鎖編組織
(1−0/0−1)で編成され、これらの鎖編組織は上
記テープ主体部3と噛合エレメント取付部2にそれぞれ
ジグザグ挿入されて交絡する緯糸13,15を単に緯挿
入して構成されている。また、前記2列のウエールW
5,W7の間のウエール部分W6は経編組織が欠落し、
前記緯挿入糸13,15がコース毎に挿入されているに
過ぎない。また、本実施例にあって前記ウエールW5,
W7に使われる鎖編糸は、それぞれ噛合エレメント取付
部2及びテープ主体部3に使われる各鎖編糸11及び1
6と同等の非伸縮性糸条である。
編テープ1は、以上の構成を備えているため、前述の編
構造からなる非伸縮性の噛合エレメント取付部2と高伸
縮性を有するテープ主体部3との間に設けられた緩衝領
域4は、高伸縮性のテープ主体部3の激しい伸縮動作が
非伸縮性の噛合エレメント取付部2に伝達される前に遮
断して、同噛合エレメント取付部2に影響させることな
く、独立して挙動することを可能にする。すなわち、テ
ープ主体部3の多様な伸縮動作にも関わらず、チェーン
割れが発生せず、同時に噛合エレメント取付部2に特異
な突っ張りを発生させず、外観的にも感触上も極めて優
れたものとなる。
付与することを可能にするため、本実施例の経編テープ
1を使ったスライドファスナーを、例えば薄手で伸縮性
の高い衣料などに縫製するにあたっても、テープ1と生
地が円滑に共動して縫着され、高伸縮性生地と非伸縮性
生地との縫製時のずれにより発生する縫着線に沿った波
打ち、すなわちテープ1と生地間のずれた状態で縫製さ
れるパッカリング現象の発生を確実に阻止し得ることに
もつながる。
が使われ、その編組織も通常の伸縮性を抑制する、例え
ば鎖編組織、トリコット編組織、経挿入組織などの複数
の組織を組み合わせると共に、前記各組織に緯挿入糸を
挿入して構成する。一方、伸縮性を備えた前記テープ主
体部3の編構造は、編組織と構成糸条の双方に伸縮性を
備えさせるものであり、例えば構成糸条の一部に伸縮糸
を使って、非伸縮糸と交編させ、編組織としては最も編
形態が安定すると共に所要の伸縮性を実現できる編組織
を採用する。緩衝領域4においては、単に緯挿入糸だけ
で構成することで、テープ主体部3の挙動による噛合エ
レメント取付部の影響を緩衝領域4を介して完全に断ち
切ることができる。
しており、上記第1実施例と異なるところは、噛合エレ
メント取付部2の最もテープ主体側に編成される鎖編組
織及び上記緩衝領域4の噛合エレメント取付部側の鎖編
組織に、伸縮糸からなる経挿入糸17を経挿入して2ウ
エールW4,W5を形成した点と、テープ主体部3の最
も噛合エレメント取付部側に編成される鎖編組織及び上
記緩衝領域4のテープ主体部側の鎖編組織に、伸縮糸か
らなる経挿入糸17を経挿入して2ウエールW7,W8
を形成した点である。ここで前記左右の各2ウエールW
4,W5及びW7,W8が、本発明における噛合エレメ
ント取付部2及びテープ主体部3と緩衝領域4との境界
領域5,6を構成する。なお、前記境界領域5,6を、
本明細書においては緩衝領域4の一部領域としている
が、勿論、緩衝領域4と完全に分離させて構成すること
もある。
挿入糸17による経挿入組織は、図4に記載されている
ように、0−0/2−2/0−0/2−2/2−2/2
−2/2−2/2−2/2−2/2−2/2−2/2−
2の単位組織の繰り返しからなる。すなわち、隣り合う
2ウエールW4及びW5のうち、ウエールW4の9コー
スの鎖編目に経挿入糸17が同ウエールW4に沿って直
線的に挿入され、10コース目で隣りのウールW5に振
られて、2コースをジグザグ状に交絡し、これが繰り返
される。また、テープ主体部側の境界領域6を構成する
前記ウエールW7,W8においても、前記噛合エレメン
ト取付部側の境界領域5と同様の編組織により編成され
ている。
なる経挿入糸17を経挿入することにより、各境界領域
に水平に走る緯挿入糸13,15が前記経挿入組織によ
り交編され、各境界領域が障壁となって前記噛合エレメ
ント取付部2とテープ主体部3との双方の挙動の伝達が
前記緩衝領域4を介して更に完全に断ち切られることに
なる。しかして前記緩衝領域4にあっても、テープ主体
部3の側の境界領域6がテープ主体部3の伸縮動作に全
く追随せず長さ方向に伸縮しない場合には、逆に同緩衝
領域4がテープ主体部3の伸縮を妨げることになるが、
前述のように同緩衝領域4が長さ方向に収縮性を有する
緯挿入糸により構成されることとが相まって、両領域
4,6は伸縮糸からなる経挿入糸17と共に、テープ主
体部3の伸縮動作にある程度追随し得るようになる。
5に配される伸縮糸からなる経挿入糸17は、編み上が
りにおいて収縮するため、その収縮力により隣接する噛
合エレメント取付部2の全体を縮長状態として、テープ
全体をほぼ直線状に矯正することができ、噛合エレメン
トの取付けに何ら支障を来さない。また、スライドファ
スナーを伸縮性生地に縫着するときも、その縫着時には
既述したようにテープ主体部3が長さ方向に伸長するた
め、縫着作業が円滑に且つ安定してなされる。
同図に示す実施例では前述の第2実施例にあって、上記
噛合エレメント取付部2の鎖編組織と境界領域5,6の
鎖編組織とに、更にトリコット編組織を交編させてい
る。こうしてトリコット編組織を交編させると、噛合エ
レメント取付部2にあってはその編形態が安定し、前記
境界領域5,6にあっては同領域5,6の伸縮性を減少
させると共に、その編形態を安定させる。かかる構成に
より、噛合エレメント取付部2とテープ主体部3との間
で双方による挙動の影響を更に少なくすることができ
る。
施例にあって図3に示した上記第2実施例と異なるとこ
ろは、上記境界領域5,6に経挿入される伸縮糸からな
る経挿入糸17が、同境界領域5,6の各2ウエールW
4,W5;W7,W8のうち、それぞれ噛合エレメント
取付部側のウエールW4及びW7を形成する鎖編組織
に、それぞれテープ主体部3に伸縮糸からなる経挿入糸
14をジグザグ状に経挿入する。その経挿入組織及び使
用糸条は、テープ主体部と同じである。この実施例にあ
っては、上記第2実施例における境界領域5,6の伸縮
性をテープ本体のそれに近似させるものであり、上記第
2実施例の作用効果に加えて、噛合エレメント取付部2
及びテープ主体部3と各境界領域5,6とのなじみをよ
くし、外観上及び感触上の違和感を更に減少させてい
る。
ら明らかなように、噛合エレメント取付部2、テープ主
体部3及び前記境界領域の各鎖編組織にトリコット編組
織を交編させている。更に、前記第4実施例における境
界領域5,6の鎖編組織により形成されるウエールW4
及びW7に伸縮糸からなる経挿入糸17を各編目に交絡
させることなく直線的に挿入している。従って、この実
施例では経編テープ1の全体を厚手に形成すると共に、
剛直性を付与し、しかも緩衝領域4においては噛合エレ
メント取付部2及びテープ主体部3の各編組織により伸
縮する範囲で自由に伸縮し得るようにしている。このよ
うに、経編テープ1の全体の厚みは編糸の種類や太さを
選択することに加えて、交編する編組織の種類と数を選
択することによっても決定することができる。
例にあって前記第5実施例と異なるところは、その経挿
入組織として上記第2実施例の経挿入組織(0−0/2
−2/0−0/2−2/2−2/2−2/2−2/2−
2/2−2/2−2/2−2/2−2)を採用すると共
に、第5実施例における緩衝領域4の全てにトリコット
編組織を加えたところにある。従って、この実施例では
緩衝領域4の緯挿入糸13,15だけで構成されたウエ
ールW6の部分にもトリコット編組織が編み込まれるこ
とになる。このように緩衝領域4の緯挿入糸13,15
だけで構成されたウエールW6の部分に、編目を形成す
ることは同緩衝領域4の長さ方向の伸縮を抑制すること
になり、且つその形態を安定させることになる。しかし
て、この実施例にあってトリコット編組織を採用した理
由は、トリコット編組織が鎖編組織よりも経方向に伸縮
性に優れているためである。
に本発明の代表的な構造例をを示しているに過ぎず、例
えば編組織も上記実施例に限定されず、多様な変更が可
能であり、その使用する編糸構造や材質も用途により自
由に選択されるものである。また、スライドファスナー
自体の寸法に応じて、テープ1の幅方向におけるウエー
ル数を増減することができる。
ントを縫製により取り付けるための経編テープ1を主に
挙げたが、同経編テープ1が、単独の、例えば合成樹脂
又は金属からなる成形噛合エレメントを、射出により又
は加締めなどにより個々に取り付けられるためのファス
ナーテープである場合には、図9に示すように、噛合エ
レメントを取り付けるための芯紐18を、噛合エレメン
ト取付部2の2組の鎖編組織間に経鵜歩行に挿通すると
共に、図示した2組の緯挿入糸19,19によって編み
込んでいる。
ような編構造を備えた経編テープ1を使ったファスナー
ストリンガーSを縫製するときの縫着線位置の例を示し
ている。図10は、生地10の縫着縁部を二つに折り畳
み、その上から縫製するもので、同図の(A),(B)
は2本縫いの例を示し、同図(C)は1本縫いの例を示
している。これらの例のうち同図(B),(C)では、
縫着線の位置がテープ主体部3にある。図11は、伸縮
性の高い生地10に対する前記経編テープ1を使ったフ
ァスナーストリンガーSの他の縫製例を示している。同
図(A)に示すように、生地10の縫着縁部を、先ず前
記経編テープ1の緩衝領域4に沿って縫製したのち、同
生地10をその縫着線に沿って折り返して、同図(B)
に示すように、前記縫着縁部と生地10とを同時に経編
テープ1のテープ主体部に縫着させている。図11に示
す縫製では前記緩衝領域4が最小の縫着線となるため、
これを基準にすれば安定した縫製が可能となる。
図である。
図である。
による経挿入糸の途中を省略した単位組織図である。
図である。
図である。
図である。
図である。
発明の経編テープの概略構成を示す要部平面図である。
ったファスナーチェーンの縫着位置の一例を示す要部平
面図である。
ったファスナーチェーンの縫着位置の他例を示す要部平
面図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 噛合エレメント取付部(2) とテープ主体
部(3) とを有するスライドファスナー用経編テープ(1)
にあって、 噛合エレメント取付部(2) は縦方向に非伸縮性の編構造
を有し、 テープ主体部(3) は縦方向に伸縮性の編構造を有し、前記噛合エレメント取付部(2) とテープ主体部(3) とに
それぞれジグザグ挿入されて交絡する緯挿入糸(13,15)
を有してなり、 前記噛合エレメント取付部(2) と前記テープ主体部(3)
との間には、前記緯挿入糸(13,15) と、同緯挿入糸(13,
15) と交絡することのない編組織(11,16) とを有する緩
衝領域(4) が設けられていることを特徴とするスライド
ファスナー用経編テープ。 - 【請求項2】 前記噛合エレメント取付部(2) の編構造
が、非伸縮性糸と複数の編組織とからなり、前記テープ
主体部(3) が少なくとも非伸縮糸と伸縮糸との交編組織
からなり、前記緩衝領域(4) は前記テープ主体部(3) の
少なくとも非伸縮糸による編組織の一部を共有してなる
請求項1記載の経編テープ。 - 【請求項3】 前記テープ主体部(3) の非伸縮糸による
編組織が少なくとも緯挿入組織と鎖編組織を有すると共
に、同主体部(3) の伸縮糸による編組織が前記各鎖編組
織に沿って挿入される経挿入糸(14)を含んでなる請求項
2記載の経編テープ。 - 【請求項4】 前記緩衝領域(4) と、前記噛合エレメン
ト取付部(2) 及びテープ主体部(3) との各境界領域(5,
6) が、非伸縮糸による編組織に経挿入される伸縮糸(1
7)からなる経挿入組織を有してなる請求項2記載の経編
テープ。 - 【請求項5】 前記テープ主体部(3) の非伸縮糸による
編組織が、更にトリコット編組織を含んでなる請求項2
又は3記載の経編テープ。 - 【請求項6】 前記緩衝領域(4) がテープ主体部(3) の
非伸縮糸による緯挿入組織の一部を有してなる請求項2
記載の経編テープ。 - 【請求項7】 更に、非伸縮糸からなるトリコット編組
織を含んでなる請求項6記載の経編テープ。
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