JP3463871B2 - 電波腕時計の文字盤 - Google Patents

電波腕時計の文字盤

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JP3463871B2 JP2000213429A JP2000213429A JP3463871B2 JP 3463871 B2 JP3463871 B2 JP 3463871B2 JP 2000213429 A JP2000213429 A JP 2000213429A JP 2000213429 A JP2000213429 A JP 2000213429A JP 3463871 B2 JP3463871 B2 JP 3463871B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、電波腕時計の文
字盤に係り、特に、電波透過性が良好であり、かつムー
ブメントに対して高精度に取り付けることができ、しか
も高級感を付与するのも容易な電波腕時計の文字盤に関
する。 【0002】 【従来の技術】アナログ表示式腕時計の表示精度は、文
字盤とムーブメント(時計ユニット)との位置決め精度
に大きく依存する。すなわち、ムーブメントが如何に正
確に時を刻もうとも、文字盤とムーブメントとの位置決
め精度が悪ければ、ムーブメントに結合される指針(例
えば、秒針)は文字盤上の目盛りを正確に指し示さない
から、結果として表示精度は低下する。 【0003】文字盤下面の位置決めピンとムーブメント
上面の位置決め孔との嵌合による位置決め構造は最も簡
単で精度を出し易い位置決め構造として、多くのアナロ
グ表示式腕時計に採用されている。文字盤を構成する薄
板片の材質としては黄銅等の金属が使用され、位置決め
ピンの規格外径は通常0.75mmとされる。位置決め
ピンは文字盤を構成する金属製薄板片の下面にスポット
溶接される。 【0004】ところで、時計ケースの中に時刻電波受信
アンテナを内蔵する所謂アンテナ内蔵型電波腕時計にあ
っては、内蔵アンテナによる時刻電波の受信を阻害しな
い配慮から、金属製文字盤を採用することができない。 【0005】文字盤の材質として、電波透過性の良好な
ガラス、プラスチック、貴石等を採用すると、スポット
溶接による位置決めピンの固定は不可能であるから、文
字盤とムーブメントとの位置決めのためには、新たに別
の位置決め構造を採用せざるを得ない。 【0006】別の位置決め構造の一例が図5並びに図6
に示されている。それらの図において、1Aは薄板状文
字盤本体部、2Aは位置決め用突部、100Aは文字
盤、200Aはムーブメント、301は窓ガラス、30
2は文字盤保持リング(ムーブメントとは、噛み合わせ
等により位置決めされている)、303は時計ケース本
体、304は時計ケース裏蓋、305は文字盤押えリン
グ、306はソーラパネルである。時計ケース本体30
3並びに時計ケース裏蓋304の材質としては、ケース
内蔵アンテナによる時刻電波の受信を阻害しない配慮か
ら、電波透過性の良好なプラスチックやセラミック等が
使用される。 【0007】同図から明らかなように、この位置決め構
造にあっては、薄板状文字盤本体部1Aの外周に形成し
た位置決め用突部2Aと時計ケース本体303の内周に
配置された文字盤保持リング302や文字盤押えリング
305との噛み合わせ等により、文字盤100Aとムー
ブメント200Aとの位置決めを行っている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな非金属文字盤(ガラス、プラスチック、貴石等)に
適用される従来の文字盤とムーブメントとの位置決め構
造にあっては、両者間に別部品を介在することから、位
置決め精度が上がらないこと、文字盤保持リング302
や文字盤押えリング305といった多くの位置決め用部
品が必要で構造が複雑であること、ケースの形状が変更
されるたびに位置決め用部品の金型を製造し直す必要が
ありその都度大きな初期費用が掛かること、金属製文字
盤に比べて高級感に欠けること、といった問題点が指摘
されている。 【0009】この発明は、上述の問題点に着目してなさ
れたものであり、その目的とするところは、ケース内蔵
アンテナによる時刻電波の受信を阻害することがなく、
文字盤とムーブメントとを正確に位置決めすることがで
き、位置決めのために別部品が不要であり、しかも外観
上の高級感を付与することができる電波腕時計の文字盤
を効率よく製造することが可能な電波腕時計用文字盤の
製造方法を提供することにある。 【0010】この発明の他の目的又は作用効果について
は、以下の明細書の記述を参照することにより、当業者
であれば容易に理解されるであろう。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明により製造される
電波腕時計の文字盤は、上側プラスチック板と下側プラ
スチック板とを金属蒸着膜を介して積層接着してなる二
層構造を有し、かつ上側プラスチック板は透明又は半透
明とされており、それにより、金属蒸着膜の有する金属
色が上側プラスチック板を透けてその上面へと露呈し、
かつ下側プラスチック板により金属蒸着膜の保護並びに
位置決めピンの支持がなされるものである。このように
文字盤の表面が淡い金属色を呈すると、特に高級感が得
られることが経験的に知られている。 【0012】ここで、『位置決めピン』の材質として
は、黄銅(Bs)、ステンレス、チタン等の比較的に硬
質な金属を使用することできる。 【0013】薄板状文字盤本体と位置決めピンとの結合
は接着剤を使用して行われる。接着剤としては、例え
ば、エポキシ系の接着剤を使用することができる。な
お、『時計ケースの形状』とあるのは、円形、楕円形、
正方形、長方形等々の時計ケースの様々な形状を考慮し
たためである。 【0014】そして、このような構成によれば、薄板状
文字盤本体を電波透過性素材であるプラスチックで構成
したため、ケース内蔵アンテナによる時刻電波の受信を
阻害することがなく、また薄板状文字盤本体の裏面側に
は丈夫な位置決めピンがしっかりと固定されているた
め、従前の簡易な位置決め構造をそのまま採用して、文
字盤とムーブメントとを正確に位置決めすることがで
き、しかも位置決めのために別部品(成形部品等)が不
要であるため、構造が簡単で部品管理も容易であり、ケ
ースの形状が変更されたとしても、それに合わせて金型
を製作し直す必要もなく、格別のコストアップを来さな
い。 【0015】加えて、金属蒸着膜の有する金属色が上側
プラスチック板を透けてその上面へと露呈し、かつ下側
プラスチック板により金属蒸着膜の保護並びに位置決め
ピンの支持がなされる。そのため、このようにして製作
された文字盤は、その表面が淡い金属色を呈することか
ら、ユーザに高級感を与えることができ、一方金属蒸着
膜は下側プラスチック板により保護されるため、製作や
組み立てに際して、金属蒸着膜が損傷することもなく、
しかも位置決めピンは下側プラスチック板により堅固に
支持されるため、ムーブメントへの取付に際しても十分
な強度を有することとなる。 【0016】また、上述の二層構造を有する薄板状文字
盤本体においては、上側プラスチック板の表面、裏面、
又は内部に適宜な地模様を形成しても良い。このような
構成によれば、上側プラスチック板の地模様が金属色の
背景の中に現出することから、高級感を維持しつつ、味
わいのある外観を呈することができる。 【0017】なお、金属蒸着膜を構成する金属材料とし
ては、目的とする金属色に応じて様々な素材を採用する
ことができる。それらの素材としては、例えば、Al、
Au、Pd、Cr、又はNi等を挙げることができる。 【0018】ところで、以上のプラスチック二層構造に
よる外観上の効果は、位置決め構造の如何に拘わるもの
でないことは言うまでもない。すなわち、文字盤とムー
ブメントとの位置決め構造については、位置決めピンと
位置決め孔との嵌合によるものに限らず、様々なそれ以
外のものも採用することができる。 【0019】さらに、薄板状文字盤本体の裏面側に位置
決めピンを接着固定すると言う基本的な文字盤の構成
は、文字盤の素材として透明又は半透明素材を採用せざ
るをえないソーラ腕時計用の文字盤にもそのまま適用す
ることができる。 【0020】次に、本発明の電波腕時計用文字盤の製造
方法は、透明又は半透明なプラスチック製の第1のシー
ト材から、時計ケースの形状に合わせて上側プラスチッ
ク板を打ち抜くステップと、プラスチック製の第2のシ
ート材から、時計ケースの形状に合わせて下側プラスチ
ック板を打ち抜くステップと、上側プラスチック板の下
面側に装飾金属による金属蒸着膜を被着させるステップ
と、上側プラスチック板と下側プラスチック板とを金属
蒸着膜を挟んで積層接着するステップと、下側プラスチ
ック板の下面においてムーブメント側の位置決め孔に対
応する位置に2剤系接着剤の第1剤を付着させるステッ
プと、金属製位置決めピン側に2剤系接着剤の第2剤を
付着させるステップと、下側プラスチック板に位置決め
ピンを押し当て第1剤と第2剤とを反応させることによ
り、下側プラスチック板の下面所定位置に位置決めピン
を接着固定するステップと、を具備するものである。 【0021】このような構成によれば、プレス処理、金
属蒸着処理、接着処理を用いることによって、この種の
二層構造の文字盤を効率よく製造することができる。 【0022】 【発明の実施の形態】以下に、この発明の好適な実施の
一形態を添付図面を参照しつつ、詳細に説明する。 【0023】図1は本発明に係る文字盤本体の構成図、
図2は本発明に係る文字盤が適用されるムーブメントの
構成図である。なお、それらの図において、1は薄板状
文字盤本体、2は位置決めピン、3はムーブメント側の
位置決め孔、4は日車(カレンダー用)、5は巻真(リ
ューズ操作用)、1aは薄板状文字盤本体1の裏面、1
00は文字盤、200はムーブメントである。 【0024】それらの図から明らかなように、本発明に
係る電波腕時計の文字盤100は、時計ケースの形状に
合わせて形成された電波透過性素材から成る薄板状文字
盤本体1の裏面1a側に、ムーブメント200側の位置
決め孔3,3に整合させて、位置決めピン2,2を接着
固定して構成されている。ここで、『電波透過性素材』
としては、ガラス、トルコ石、貴石等の非金属材料を使
用することができる。 【0025】薄板状文字盤本体1としては、単層構造の
ものと二層構造のものとを選択的に採用することができ
る。単層構造を採用する場合、その材質としてはガラ
ス、トルコ石、貴石等の表面平滑性の高い材料板を採用
することができる。これらの材質より成る材料板は、表
面平滑度の高いものが容易に入手できるため、文字盤と
して要求される表面光沢性を容易に得ることができる。 【0026】また、文字、数字、目盛り等の文字盤構成
要素については、植字、貼り文字、印刷、埋め込み等の
公知の手法を用いることにより、薄板状文字盤本体1の
表面側に適宜に形成することができる。 【0027】薄板状文字盤本体1の裏面側には、文字盤
100の中心孔を挟んでほぼ対向する様にして、一対の
位置決めピン2,2が接着剤により固定されている。位
置決めピン2の規格外径は一般に0.75mmとされて
おり、その長さは1.0〜1.5mm程度とされてい
る。この例では、位置決めピン2の材質としては、十分
な強度を持たせるために、黄銅(Bs)、ステンレス、
チタン等の比較的に硬質な金属が採用されている。薄板
状文字盤本体1と位置決めピン2との接着には例えばエ
ポキシ系の2剤型の接着剤を使用することができる。 【0028】図1と図2とを比較して明らかなように、
文字盤100上における位置決めピン2,2の取付位置
と、ムーブメント200上における位置決め孔3,3の
取付位置とはぴったりと整合されている。そのため、文
字盤100上の位置決めピン2,2をムーブメント20
0上の位置決め孔3,3に差し込むことにより、文字盤
100はムーブメント200上に正確に位置決め固定さ
れる。 【0029】以上述べた文字盤100は、時計ケースの
形状に合わせて形成された電波透過性素材から成る薄板
状文字盤本体1の裏面1a側に、ムーブメント200側
の位置決め孔3,3に整合させて、位置決めピン2,2
を接着固定してなるものであるから、ムーブメント20
0に内蔵されたアンテナによる時刻電波の受信を阻害す
ることがなく、文字盤100とムーブメント200とを
正確に位置決めすることができる。しかも、位置決めの
ために別部品が一切不要であるため、時計ケースの形状
が変更された場合にも、文字盤100の形状を変更する
だけで済み、従前の文字盤押えリングや文字盤保持リン
グを使用した従来例のように、その都度、新たな金型を
起こす必要が無く、低コストを維持しつつも設計自由度
が高いと言う利点を有する。 【0030】文字盤100の表面の色彩や光沢は、塗装
や金属薄膜コーティングと言った公知の手法で様々に設
定することができる。もっとも、金属製の文字盤と同様
な淡い金属光沢を得るためにはある程度の工夫が必要と
思われる。工夫の1つとしては、文字盤100としてプ
ラスチックの二層構造を採用し、それらの層間に金属蒸
着膜を介在させることが考えられる。そのような文字盤
の製造工程の一例が、図3並びに図4の工程図に示され
ている。 【0031】先ず、最初の工程では、図3(a)に示さ
れるように、透明又は半透明なプラスチック製の第1の
シート材31から、時計ケースの形状に合わせて上側プ
ラスチック板32をプレスにて打ち抜く。第1のシート
材31の材質としては、例えば、ポリカーボネート、A
BS樹脂等を使用することができる。また、第1のシー
ト材31の厚さは、0.1mm〜0.4mm程度に設定
されている。第1のシート材31の色彩は、有色又は無
色の別を問わない。 【0032】次に、第2の工程では、図3(b)に示さ
れるように、先の工程で円形に打ち抜かれた上側プラス
チック板32の表面33に、筋付け加工や放射目加工と
言った仕上げ加工を施す。図中符号34で示されるもの
は、放射目である。 【0033】次に、第3の工程では、図3(c)に示さ
れるように、先に工程で仕上げ加工が施された上側プラ
スチック板32の下面側に装飾金属による金属蒸着膜3
5を被着させる。このとき、装飾金属としては例えばA
l、Au、Pd、Cr、又はNi等を採用することがで
きる。また、装飾金属による金属蒸着膜35の膜厚は、
0.01μm〜7.0μmの範囲が好ましく、この例で
は1.0μmに設定されている。膜厚が0.01μmよ
り薄いと損傷されやすい。膜厚が7.0μmよりも厚い
と内蔵アンテナによる時刻電波の受信を阻害する。 【0034】次に、第4の工程では、図3(d)に示さ
れるように、先の工程で裏面側に装飾金属が被着された
上側プラスチック板32の表面33に塗装加工や印刷加
工等を行う。図中、符号36で示されるものは、時刻数
字を表示する貼り文字である。 【0035】次に、第5の工程では、図4(a)に示さ
れるように、プラスチック製の第2のシート材41か
ら、時計ケースの形状に合わせて下側プラスチック板4
2を打ち抜く。第2のシート材41の材質としては、ポ
リカーボネート、ABS樹脂等を採用することができ
る。また、第2シート材41の厚さは、0.1mm〜
0.4mm程度に設定される。 【0036】次に、第6の工程では、図4(b)に示さ
れるように、上側プラスチック板32と下側プラスチッ
ク板42とを金属蒸着膜35を挟んで積層接着する。こ
のとき、接着剤としては例えばエポキシ系、ゴム系等の
接着剤を使用することができる。この工程が完了する
と、金属蒸着膜35は、上側プラスチック板32と下側
プラスチック板42とで挟まれ、破損等から保護され
る。すなわち、プラスチックに金属被膜を形成するため
には、プラスチックが溶融しない低温での被膜形成が可
能な真空蒸着法を採用することが好ましく、一方、真空
蒸着法で形成される金属蒸着膜は非常に脆く破損されや
すい。そこで、この金属蒸着膜35の上に保護層として
下側プラスチック板42を重ねることにより、金属蒸着
膜35の破損を防止する。 【0037】次に、第7の工程では、図4(c)に示さ
れるように、下側プラスチック板42の下面において、
ムーブメント側の位置決め孔に対応する位置に、2剤系
接着剤の第1剤61を付着させると共に、金属製位置決
めピン51側に2剤系接着剤の第2剤71を付着させ
る。このとき、2剤系接着剤としては、例えばエポキシ
系の接着剤を使用することができる。 【0038】次に、最後の工程では、図4(d)に示さ
れるように、下側プラスチック板42に位置決めピン5
1を押し当て第1剤61と第2剤71とを反応させるこ
とにより、下側プラスチック板42の下面所定位置に、
位置決めピン51を接着固定し、これにより文字盤10
0が完成する。 【0039】なお、下側プラスチック板42への第1剤
61の付着、金属製位置決めピン51への第2剤71の
付着、及び金属製位置決めピン51を下側プラスチック
板42の所定位置へと運ぶ処理等は、すべて数値制御型
工作機械(NCマシン)を用いて自動化することができ
る。 【0040】なお、図3(a)で示される第1の工程に
おいては、第1のシート材31としてその表面、裏面、
又は内部に地模様を有するシート材を使用してもよい。
このような地模様としては、シート材31の製造工程に
おいて、その表面に微細な凹凸を所定のパターンに形成
したもの等を挙げることができる。 【0041】また、図3(a)に示される第1の工程に
おいて、打ち抜きプレスのためのパンチの表面に微細な
凹凸を所定パターンに形成しておいて、打ち抜き加工と
同時に上側プラスチック板32の表面に地模様を形成し
ても良い。 【0042】以上の工程で製造された文字盤100によ
れば、薄板状文字盤本体が上側プラスチック板32と下
側プラスチック板42とを金属蒸着膜35を介して積層
接着した二重構造となり、かつ上側プラスチック板32
は透明又は半透明となる。 【0043】そのため、金属蒸着膜35の有する金属色
が上側プラスチック板32を透けてその上面へと露呈
し、かつ下側プラスチック板42により金属蒸着膜35
の保護並びに位置決めピン51の支持がなされる。 【0044】このようにして得られた文字盤によれば、
これをその表面側から見た場合、淡い金属色を呈するこ
ととなり、上品な高級感の漂う商品価値の高い製品を得
ることができる。 【0045】また、上側プラスチック板32として、地
模様を有するものを採用すれば、上側プラスチック板3
2の地模様が金属色の背景の中に現出することとなり、
一層上品な高級感を醸し出すこととなる。つまり、単
に、文字盤の表面に金属被膜形成して金属色を得ようと
した場合、表面が平滑すぎることにより鏡面反射を生じ
て上品な高級感を損ねるのに対して、このように文字盤
の下面側より文字盤を透けて金属色を露呈するように構
成すれば、文字盤は淡い金属色を呈することとなり、上
品な風合いを呈するのである。 【0046】なお、以上説明した透明な薄板状文字盤本
体の表面側に文字や目盛り等の文字盤構成要素を配置す
ると共に、裏面側には金属又は金属化合物の装飾被膜を
被着させ、裏面装飾被膜の色が文字盤本体を透かしてそ
の表面側に露呈するようにした構成は、それ自体で時計
の文字盤としては新規なものである。そのため、文字盤
とムーブメントとの位置決め構造の如何に拘わらず、広
く様々な腕時計に採用が可能である。 【0047】さらに、文字盤の裏面側に位置決めピンを
接着固定する一方、これをムーブメント側の位置決め孔
に嵌合させて両者の位置決め並びに固定を行うという構
成も、その適用は電波腕時計には限られない。 【0048】時計ケースの形状に合わせて形成された透
明又半透明素材からなる薄板状文字盤本体とソーラパネ
ルを接合し、ソーラパネルの裏面側に、ムーブメント側
の位置決め孔に整合させて、位置決めピンを接着固定す
ると言う構成は、ソーラ腕時計の文字盤として好適なも
のである。すなわち、ソーラ腕時計においては、ケース
内蔵ソーラパネルによる光発電作用を阻害することが無
く、文字盤とムーブメントとを正確に位置決めすること
ができ、しかも位置決めのための別部品が不要なソーラ
腕時計の文字盤を実現することができる。 【0049】 【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、ケース内蔵アンテナによる時刻電波の受信を阻
害することがなく、文字盤とムーブメントとを正確に位
置決めすることができ、位置決めのために別部品が不要
であり、しかも外観上の高級感を付与することができる
電波時計の文字盤を効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る文字盤本体の構成図である。 【図2】本発明に係る文字盤が適用されるムーブメント
の構成図である。 【図3】本発明に係る文字盤の製造工程を示す図(その
1)である。 【図4】本発明に係る文字盤の製造工程を示す図(その
2)である。 【図5】従来の文字盤の構成図である。 【図6】従来の文字盤の位置決め構造を示す図である。 【符号の説明】 1 薄板状文字盤本体 1A 薄板状文字盤本体 2 位置決めピン 2A 位置決め用突片 3 位置決め孔 4 日車 5 巻真 31 第1のシート材 32 上側プラスチック板 33 上側プラスチック板の上面 34 放射目 35 金属蒸着膜 41 第2のシート材 42 下側プラスチック板 51 位置決めピン 61 第1剤 71 第2剤 100 文字盤 100A 文字盤 200 ムーブメント

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 透明又は半透明なプラスチック製の第1
    のシート材から、時計ケースの形状に合わせて上側プラ
    スチック板を打ち抜くステップと、 プラスチック製の第2のシート材から、時計ケースの形
    状に合わせて下側プラスチック板を打ち抜くステップ
    と、 上側プラスチック板の下面側に装飾金属による金属蒸着
    膜を被着させるステップと、 上側プラスチック板と下側プラスチック板とを金属蒸着
    膜を挟んで積層接着するステップと、 下側プラスチック板の下面においてムーブメント側の位
    置決め孔に対応する位置に2剤系接着剤の第1剤を付着
    させるステップと、 金属製位置決めピン側に2剤系接着剤の第2剤を付着さ
    せるステップと、 下側プラスチック板に位置決めピンを押し当て第1剤と
    第2剤とを反応させることにより、下側プラスチック板
    の下面所定位置に位置決めピンを接着固定するステップ
    と、 を具備する電波腕時計用文字盤の製造方法。
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