JP2002196086A - 装飾文字板およびその製造方法 - Google Patents

装飾文字板およびその製造方法

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JP2002196086A
JP2002196086A JP2000393913A JP2000393913A JP2002196086A JP 2002196086 A JP2002196086 A JP 2002196086A JP 2000393913 A JP2000393913 A JP 2000393913A JP 2000393913 A JP2000393913 A JP 2000393913A JP 2002196086 A JP2002196086 A JP 2002196086A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ムーヴメントの動きを見せるデザインの文字
板は、透明文字板や一部に開口部を有する平面的なデザ
インが多く、文字板の開口部に装飾部品や装飾板をはめ
込む構成の装飾文字板は、位置決めなどに比較的高い加
工精度を必要とし、量産性の低いものであった。 【解決手段】 開口部を有する基板と、装飾部を有する
装飾板とを重ね合わせてなる装飾文字板を作製し、この
基板と装飾板の平面外周形状が略一致している構成をと
ることで、一般的な加工技術である切削、プレス、塗
装、接着などで加工を行い、立体的で深みが有り、かつ
広いデザインバリエーションを可能とした装飾文字板を
製造した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、文字板の開口部を
介して時計のムーヴメントを視認することができ、か
つ、前記文字板によって高い装飾性を得ることができる
装飾文字板とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、時計用文字板に開口部を設け、文
字板の下面側に配設されたムーヴメント、特にムーヴメ
ントの動きを視認することのできる様に構成し、このム
ーヴメントの動き自体を時計用文字板のデザインとした
構成の時計がある。この構成には、ムーヴメントに取り
付けられた装飾部材が、開口部から視認できるデザイン
や、開口部に装飾部材をはめ込むデザインなどの多くの
バリエーションが存在する。
【0003】また、これと同様に、複数枚の文字板31
を重ね合せ、文字板31上にサブダイヤルを設ける構成
の時計用文字板が、実開昭49−94664号公報に開
示されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】しかしながら、実開昭49−94664号
公報に開示されている文字板31の構造は、文字板31
を介してムーヴメントが視認できるわけではなく、複数
枚の文字板を重ね合わせてサブダイヤルを形成すること
が目的であり、基本的にムーヴメントの動きを利用した
動画的なデザインが見込めないことは明らかである。
【0005】また、時計用文字板に設けられた開口部に
装飾部材をはめ込むデザインは、文字板と装飾部材とが
同一平面上に構成されているため立体的なデザインを得
ることが難しく、おのずと装飾部材のデザインバリエー
ションは制限される。
【0006】本発明は、上記に示した問題点に着目して
発明なされたものであり、文字板を介して、文字板の下
方に位置するムーヴメントの一部を視認することがで
き、かつ、文字板のデザインが立体的でありながら、高
い精度が必要ないため、加工が簡単であり、外観品質が
よく商品性にすぐれた時計用装飾文字板とその製造方法
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述したよう
な従来技術における課題の解決、および目的を達成する
ために発明なされたものであり、文字板の開口部、また
は透明部を介して、文字板の下面側に配設されたムーヴ
メントが、上面側から視認出来る構造からなる装飾文字
板において、前記文字板が、1つ以上の開口部、または
透明部を有する基板と、該基板の上面、または下面の少
なくとも一方に配設された、切欠、窓を有する装飾板と
によって構成され、前記基板と前記装飾板との平面外周
形状が略一致することを特徴とし、この構成により、平
面外周形状が略一致しているために、位置合わせが簡単
であり、高い加工精度を必要としない文字板でありなが
ら、充分に立体感のあるデザインが可能となる。
【0008】また、前記基板と前記装飾板との位置決め
が、前記基板と前記装飾板との少なくとも一方に形成さ
れた二つ以上の突設部と、他方に形成された二つ以上の
穴、または凹部とが嵌合することによって成されること
を特徴とし、この構成により、基板と装飾板との位置決
め、および結合が非常に簡単となり、装飾文字板の製造
を容易なものにすることが可能となる。
【0009】また、前記装飾板が、前記切欠、または窓
によって形成された装飾部を有していることを特徴とし
この構成により、前記基板と前記装飾板の有する切欠、
窓を介して見ることのできるムーヴメントを、効果的に
装飾することができる。
【0010】また、前記装飾板が、前記基板の上面、ま
たは下面の少なくとも一方に、一枚以上配設されている
ことを特徴とし、この構成により、装飾板を複数枚配設
することで、さらに立体的な深みのあるデザイン表現が
可能となる。
【0011】一方、本発明は、文字板を構成する基板と
装飾板とが有する開口部、切欠、透明部を介して、文字
板の下面側に配設されたムーヴメントが、上面側から視
認出来る構造からなる文字板の製造方法であり、前記基
板を成形する基板作製工程と、前記装飾板を成形し、前
記装飾板の少なくとも一部分に装飾部を形成する、装飾
板作製工程と、前記基板と前記装飾板の表面仕上げを行
う仕上げ処理工程と、前記基板と前記装飾板との位置決
めを行い、前記基板と前記装飾板との接合を行う接合工
程とを含むことを特徴とする。
【0012】この構成により、開口部、または透明部を
有する基板と、少なくとも一部分に模様を形成している
装飾板とを作製することができ、前記基板と前記装飾板
との結合によって装飾文字板を作製することができる。
【0013】また、前記基板作製工程が、前記基板の少
なくとも片面に、凹凸による模様を少なくとも部分的に
形成する工程を含むことを特徴とし、この構成により、
装飾文字板の外観を鏡面、砂地模様、放射模様、貝殻模
様などにすることができ、デザインバリエーションを大
幅に拡大することが可能となる。
【0014】また、前記装飾板作製工程が、前記装飾板
の少なくとも一部分に、切削、プレス、メッキ、エッチ
ング、塗装、印刷の内、一つ以上の方法によって装飾部
を形成する工程を含むことを特徴とし、この構成によ
り、装飾板に立体的な模様を形成することができ、さら
に立体的、かつ深みのあるデザインの装飾文字板を作製
することが可能となる。
【0015】また、前記仕上げ処理工程が、前記基板、
および前記装飾板の表面に金属メッキ被膜、塗装被膜、
印刷被膜、時字、マーキングの内、1種類以上を、少な
くとも部分的に形成する工程であることを特徴し、この
構成により、基板、または装飾板のカラーバリエーショ
ン、デザインバリエーションなどを多彩に広げることが
でき、仕上げ処理によって、基板、または装飾板に耐食
性、耐傷性、耐衝撃性などの特性を付加することができ
る。
【0016】また、前記基板と前記装飾板の少なくとも
一方に、前記位置決めを行う、二つ以上の突設部と、他
方に形成された二つ以上の穴、または凹部とを形成する
ことを特徴とし、この構成により、基板と装飾板とムー
ヴメントの位置合せを容易に行うことができるようにな
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例と図面とに基づいて説明するが、本発明は実施例に限
定するものではない。
【0018】本発明に係わる時計用表示装置及びその製
造方法を図1から図8に示す。図1から図6は本発明の
実施例1から実施例3の装飾文字板を示す構成図と平面
図である。図7と図8は本発明に関わる従来例の文字板
を示す構成図と平面図である。
【0019】本発明による装飾文字板は、開口部を有す
る基板と、装飾部を有する装飾板とから構成されてい
る。また、装飾文字板の最上面に配設されている、基
板、または装飾板の上面には、少なくとも部分的に、数
十nm程度から数百μm程度の微小な凹凸による模様が
形成されており、これによって、通常の表示板と同様の
デザイン表現が可能になり、高級感のある模様を形成す
ることができる。このような模様としては、たとえば金
属ブラシによる放射模様、ブラスト処理による砂地模
様、天然貝模様、磨き鏡面、ホログラフなどがあげられ
る。
【0020】また、装飾板に形成された装飾部は、切
削、プレス成形、エッチング、塗装などによって形成さ
れており、その形状は装飾部がムーヴメントの上部に配
設されたとき、歯車の軸受けに使用されている輝石など
を強調したり、ムーヴメントの一部を隠蔽し、かつムー
ヴメントの一部であるかのようにデザインされているの
で、文字板を介して視認できるムーヴメントを、洗練さ
れたデザインとして見せることができる。さらに、装飾
部の軸受け以外の場所に輝石などの装飾部材を配設し、
デザイン性の拡張を図っても良い。
【0021】また、最上面に配設されている基板、また
は装飾板の裏面には、小柱形状の突設部(一般に干支足
と言う)を設け、対応して形成された穴と嵌合するよう
に固定し、基板と装飾板、または開口部、装飾部、ムー
ヴメントの位置合せを行っているが、穴のかわりに貫通
孔ではない凹部と嵌合するようにしても良い。なお、本
実施例では突設部、凹部、穴のうち、一種類のみ有して
いるが、2種類以上有してもよく、また、前記突出部、
切り欠き部、孔の数は2個で対称位置に設けられている
が3個以上設けられてもよく、この場合突設部、凹部、
穴は非対称位置に設けられても良い。
【0022】なお、以上の装飾文字板を作製する方法に
ついては、基本的には以下の実施例においても同様であ
る。具体的な時計用表示装置の作製例としては、以下の
通りである。
【0023】(実施例1)基板が開口部を有する黄銅板
からなり、前記基板の下面に配設された装飾板が装飾部
を有する黄銅板からなる、装飾文字板を得るための製造
方法を図1と図2で説明する。
【0024】厚さ400μmの黄銅板を、基板作製工程
として、開口部5を一箇所有する文字板の形状にプレス
によって成形し、この文字板形状の黄銅板の下面に、円
柱状の突設部7をスポット溶接した。つぎに、この文字
板形状の黄銅板の上面にブラスト処理を施し、砂地模様
を形成した後、開口部5の外周部を斜面になるように切
削加工によって整形した。
【0025】つづいて、文字板形状の黄銅板に、仕上げ
処理工程として、湿式メッキ法によって、ニッケルメッ
キ膜を厚さ0.5μm前後に形成し、水洗、乾燥した
後、上面に黒色樹脂をスプレー塗布し、所定の位置に時
字マーキングを接着して、基板2を作製した。
【0026】また、厚さ600μmの黄銅板を、装飾板
作成工程として、文字板の形状にプレスによって成形し
た。このとき、基板2に形成した突設部7と嵌合する穴
8もプレスによって同時に成形した。つづいて、開口部
5の下部にあたる部分に、切欠9によって形成された装
飾部6を切削加工によって形成した。さらに、この文字
板形状の黄銅板に、仕上げ処理工程として、湿式メッキ
法によって、ニッケルメッキ膜を厚さ0.5μm前後に
形成し、つづいて湿式メッキ法によって、パラジウムメ
ッキ膜を厚さ0.3μm前後に形成した後、水洗、乾燥
した後、上面にクリアー塗料をスプレー塗布し、装飾板
3を作製した。このとき、装飾部6はあらかじめムーヴ
メント4の外観を考慮してデザインされたものになって
いる。
【0027】接合工程として、作製した基板2の下面に
接着剤を塗布し、突設部7と穴8を嵌合することで位置
決めを行いながら、基板2と装飾板3とを接着し、装飾
文字板1を作製した。出来上がった装飾文字板1は、黒
色の文字板の有する開口部5から、装飾板3の装飾部6
が視認でき、時計のムーヴメントの上部に配設したとこ
ろ、装飾部6の切欠9からムーヴメント4の動きや、軸
受けのルビー33が視認できるデザインとなっていた。
【0028】なお、上記実施例では基板2の表面を砂地
模様状にしているが、求められるデザインなどによって
鏡面、放射模様、天然貝模様、ホログラフなどの凹凸模
様を形成することを選択しても良い。
【0029】また、基板2として開口部5を有する黄銅
板を、装飾板3として切欠9を含む装飾部6を有する黄
銅板を使用しているが、基板2、または装飾板3に、ガ
ラス、サファイアガラス、透明樹脂、有色樹脂などを使
用し、塗装、またはスクリーン印刷などによって、透明
部、窓をのこして装飾部、遮蔽部を形成しても良い。ま
た、銅、洋白、リン青銅、ベリリウム銅等の金属板を使
用しても良く、さらに、塗装、スクリーン印刷などのか
わりにメッキなどの金属薄膜などを用いて装飾部、遮蔽
部を形成しても同様の効果が得られることは言うまでも
ない。
【0030】また、基板2の上面に表面保護層を形成し
ても良い。このとき、表面保護層として、アクリル樹
脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂などの半透明樹脂
(有色インキ)を塗布することによりコーティングして
形成しても良く、また、ZrOなどの透光性金属酸化物
をイオンプレーティング法、スパッタリング法、真空蒸
着法などにより形成しても良い。くわえて、この表面保
護層は装飾文字板の酸化などによる劣化を防止する効果
もある。
【0031】さらに、開口部5の下方にあたるムーヴメ
ント4に、別の小型ムーヴメントや、ステップモーター
を設け、開口部5の外周に目盛りを形成し、サブダイヤ
ルとして機能させても良い。このとき、小型ムーヴメン
トや、ステップモーターを装飾部6で隠蔽することで、
デザインの向上を図ることが好ましい。
【0032】(実施例2)基板が開口部を有する洋白板
からなり、前記基板の上面に配設された装飾板が装飾部
を有する黄銅板からなる、装飾文字板を得るための製造
方法を図3と図4で説明する。
【0033】厚さ300μmの黄銅板を、装飾板作製工
程として、プレスによって文字板の形状に成形した。こ
のとき、ムーヴメント13の外観を考慮してデザインさ
れた、切欠18を有する装飾部15もプレスによって同
時に成形した。つづいて、この文字板形状の黄銅板の下
面に、円柱状の突設部16をスポット溶接し、文字板形
状の黄銅板の上面に金属ブラシによる放射模様を施し
た。
【0034】さらに、文字板形状の黄銅板に、仕上げ処
理工程として、湿式メッキ法によって、ニッケルメッキ
膜を厚さ0.5μm前後に形成した後、水洗、乾燥し、
上面に白色塗料をスプレー塗布し、所定の位置に時字マ
ーキングを接着して、装飾板12を作製した。
【0035】また、厚さ200μmの洋白板を、基板作
製工程として、開口部14が3時および9時方向の二箇
所にあるような文字板の形状にプレス成形し、開口部1
4の外周部を斜面になるように切削加工によって整形し
た後、この外周部にサブダイヤルの切分を形成した。こ
のとき、装飾板12に形成した突設部16と嵌合する穴
17を、プレス成形によって形成している。つぎに、こ
の文字板形状の洋白板に、仕上げ処理工程として、湿式
メッキ法によって、ニッケルメッキ膜を厚さ0.5μm
前後に形成した後、水洗、乾燥し、上面に黒色樹脂をス
プレー塗布し、基板11を作製した。
【0036】接合工程として、作製した装飾板12の下
面に接着剤を塗布し、突設部16と穴17を嵌合するこ
とで位置決めを行いながら、基板11と装飾板12とを
接着し、装飾文字板10を作製した。出来上がった装飾
文字板10は、白色の装飾板12の有する切欠18か
ら、黒色の開口部14が視認でき、時計のムーヴメント
の上部に配設したところ、黒色の開口部14からムーヴ
メント13の動きと、軸受けのルビー33が視認できる
デザインとなっており、開口部14の下部に位置するム
ーヴメントに組み込まれた小型モジュールによって動く
針の針軸が隠蔽されるデザインとなっていた。
【0037】なお、上記実施例では装飾板12の表面を
放射模様状にしているが、求められるデザインなどによ
って鏡面、砂地模様、天然貝模様、ホログラフなどの凹
凸模様を形成することを選択しても良い。
【0038】また、装飾板12として、切欠18を含む
装飾部15を有する黄銅板を、基板11として開口部1
4を有する洋白板を使用しているが、基板11、または
装飾板12に、ガラス、サファイアガラス、透明樹脂、
有色樹脂などを使用し、塗装、またはスクリーン印刷な
どによって、透明部、窓をのこして装飾部、遮蔽部を形
成しても良い。また、銅、リン青銅、ベリリウム銅等の
金属板を用いても良く、さらに、表面にスクリーン印刷
や金属薄膜などを処理して、装飾部、遮蔽部を形成して
も同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0039】また、本実施例では装飾板12の上面にア
クリルクリアー樹脂を塗布しているが、表面保護層とし
て、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂などの半透明樹脂
(有色インキ)を塗布することによりコーティングして
形成しても良く、また、ZrOなどの透光性金属酸化物
をイオンプレーティング法、スパッタリング法、真空蒸
着法などにより形成しても良い。くわえて、この表面保
護層は装飾文字板の酸化などによる劣化を防止する効果
もある。
【0040】(実施例3)基板が開口部を有する黄銅板
からなり、前記基板の上面に配設された装飾板が装飾部
を有する洋白板からなり、前記基板の下面に配設された
装飾板が装飾部を有する銅板からなる、装飾文字板を得
るための製造方法を図5と図6で説明する。
【0041】厚さ300μmの洋白板を、装飾板作成工
程として、プレスによって文字板の形状に成形し、この
文字板形状の洋白板の下面に、円柱状の突設部29をス
ポット溶接し、この文字板形状の洋白板の上面にブラス
ト処理を施し、砂地模様を形成した後、切削加工によっ
て第一装飾部25を整形した。つぎに、この文字板形状
の洋白板に、仕上げ処理工程として、湿式メッキ法によ
って、ニッケルメッキ膜を厚さ0.5μm前後に形成
し、つづいて湿式メッキ法によって、金メッキ膜を厚さ
0.5μm前後に形成した後、水洗、乾燥し、所定の位
置に時字マーキングを接着して、第一装飾板21を作製
した。このとき、第一装飾部25はあらかじめムーヴメ
ント23の外観を考慮してデザインされたものになって
いる。
【0042】また、厚さ150μmの黄銅板を、基板作
製工程として、文字板の形状にプレスによって成形し
た。このとき、第一装飾板21に形成した突設部29と
嵌合する穴30と、開口部24とを、プレスによって同
時に成形した。つぎに、この文字板形状の黄銅板に、仕
上げ処理工程として、湿式メッキ法によって、ニッケル
メッキ膜を厚さ0.5μm前後に形成し、つづいて湿式
メッキ法によって、パラジウムメッキ膜を厚さ0.3μ
m前後に形成した後、水洗、乾燥し、上面にアクリルク
リアー樹脂をスプレー塗布し、基板20を作製した。
【0043】さらに、厚さ150μmの銅板を、装飾板
作成工程として、プレスによって文字板の形状に成形
し、この文字板形状の銅板に切削加工によって第二切欠
28を含む第二装飾部27を整形した。このとき、プレ
スによって同時に第一装飾板21に形成した突設部29
と嵌合する穴30を成形した。また、第二装飾部27は
あらかじめムーヴメント23の外観を考慮してデザイン
されたものになっている。つづいて、この文字板形状の
銅板に、仕上げ処理工程として、湿式メッキ法によっ
て、ニッケルメッキ膜を厚さ0.5μm前後に形成し、
つづいて湿式メッキ法によって、パラジウムメッキ膜を
厚さ0.3μm前後に形成した後、水洗、乾燥し、上面
にアクリルクリアー樹脂をスプレー塗布し、第二装飾板
22を作成した。
【0044】接合工程として、作製した第一装飾板21
と基板20の下面に接着剤を塗布し、突設部29と穴3
0を嵌合することで位置決めを行いながら、第一装飾板
21の下面に基板20の上面を、基板20の下面に第二
装飾板22の上面を接着し、装飾文字板19を作製し
た。出来上がった装飾文字板19は、金色の文字板の有
する第一切欠26から、基板20の開口部24の外周
と、第二装飾板22の第二装飾部27が視認でき、時計
のムーヴメントの上部に配設したところ、第二装飾部2
7の第二切欠28からムーヴメント23の動きが視認で
き、軸受けのルビー33も視認できるデザインとなって
いた。
【0045】なお、上記実施例では第一装飾板21の表
面を砂地模様状にしているが、求められるデザインなど
によって鏡面、放射模様、天然貝模様、ホログラフなど
の凹凸模様を形成することを選択しても良い。
【0046】また、第一装飾板21として第一切欠26
を含む第一装飾部25を有する洋白板を、基板20とし
て開口部24を有する黄銅板を、第二装飾板22として
第二切欠28を含む第二装飾部27を有する銅板を使用
しているが、第一装飾板21、基板20、または第二装
飾板22に、材質としてガラス、サファイアガラス、透
明樹脂、有色樹脂などを使用し、塗装、またはスクリー
ン印刷などによって、透明部、窓をのこして装飾部、遮
蔽部を形成しても良い。また、銅、洋白、リン青銅、ベ
リリウム銅等の金属板を用いても良く、塗装のかわりに
メッキなどの金属薄膜などを用いて遮蔽部を形成しても
同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0047】また、第一装飾板の上面に表面保護層を形
成しても良い。このとき、表面保護層として、アクリル
樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂などの半透明樹脂
(有色インキ)を塗布することによりコーティングして
形成しても良く、また、ZrOなどの透光性金属酸化物
をイオンプレーティング法、スパッタリング法、真空蒸
着法などにより形成しても良い。くわえて、この表面保
護層は装飾文字板の酸化などによる劣化を防止する効果
もある。
【0048】さらに、開口部の下方にあたるムーヴメン
トに、別の小型ムーヴメントや、ステップモーターを設
け、開口部の外周に目盛りを形成したり、第一、または
第二装飾板に円形の装飾部を設け目盛りを形成したりし
て、サブダイヤルとして機能させても良い。このとき、
小型ムーヴメントや、ステップモーターを第一、または
第二装飾板で隠蔽することで、デザインの向上を図るこ
とが好ましい。
【0049】なお、上記実施例1から実施例3におい
て、基板と装飾板の接合に接着剤を使用しているが、接
着を行わず、重ね合わせるだけでも同様の効果が得られ
ることはいうまでもない。
【0050】
【発明の効果】本発明における装飾文字板は、開口部を
有する基板と、装飾部を有する1枚以上の装飾板からな
り、装飾文字板の下方に配設されているムーヴメント
が、開口部および装飾部の切欠を介して視認できるよう
になっており、文字板にムーヴメントの動きを含めたデ
ザイン表現を与えることができる構成となっている。
【0051】また、装飾板に形成された装飾部は、ムー
ヴメントの位置、形状、動きなどを考慮して、歯車の軸
受けに使用されている輝石などを強調したり、ムーヴメ
ントの一部を隠蔽し、かつムーヴメントの一部であるか
のようにデザインし、さらに、装飾部の軸受け以外の場
所に輝石などの装飾部材を配設するなどして、広いデザ
インバリエーションをとることが可能となっている。
【0052】また、基板と装飾板との平面外周形状は、
略一致しており、位置決めをはじめとする生産上の組み
立てなどの加工精度が簡単になっている。さらに、複数
枚の文字板を重ねた構造により、立体的なデザイン表現
ができる。これは従来存在した装飾部品を組み込んだり
する構成の文字板では得られない効果である。
【0053】したがって、本発明における装飾文字板に
よれば、ムーヴメントの動きを取り込んだ文字板のデザ
インにおいて、装飾板そのもののデザインを加えた幅広
いデザイン表現が可能であり、かつ立体的で深みのある
装飾文字板を提供することができる。
【0054】また、本発明における装飾文字板の製造方
法によれば、特別な処理装置や工作機械を使用すること
なく、従来の切削、プレス、塗装、接着などをもちいて
立体的、かつ深みのある幅広いデザイン表現を可能にし
た装飾文字板を、簡単に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる実施例1の装飾文字板を示す構
成図である。
【図2】本発明に関わる実施例1の装飾文字板を示す平
面図である。
【図3】本発明に関わる実施例2の装飾文字板を示す構
成図である。
【図4】本発明に関わる実施例2の装飾文字板を示す平
面図である。
【図5】本発明に関わる実施例3の装飾文字板を示す構
成図である。
【図6】本発明に関わる実施例3の装飾文字板を示す平
面図である。
【図7】本発明に関わる従来例の文字板を示す構成図で
ある。
【図8】本発明に関わる従来例の文字板を示す平面図で
ある。
【符号の説明】
1、10、19 装飾文字板 2、11、20 基板 3、12 装飾板 4、13、23 ムーヴメント 5、14、24 開口部 6、15 装飾部 7、16、29 突設部 8、17、30 穴 9、18 切欠 21 第一装飾板 22 第二装飾板 25 第一装飾部 26 第一切欠 27 第二装飾部 28 第二切欠 31 文字板 32 開口部 33 ルビー
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G04B 19/06 G04B 19/06 S

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 文字板の開口部、または透明部を介し
    て、文字板の下面側に配設されたムーヴメントが、上面
    側から視認出来る構造からなる装飾文字板において、前
    記文字板が、1つ以上の開口部、または透明部を有する
    基板と、該基板の上面、または下面の少なくとも一方に
    配設された、切欠、窓を有する装飾板とによって構成さ
    れ、前記基板と前記装飾板との平面外周形状が略一致す
    ることを特徴とする装飾文字板。
  2. 【請求項2】 前記基板と前記装飾板との位置決めが、
    前記基板と前記装飾板の少なくとも一方に形成された二
    つ以上の突設部と、他方に形成された二つ以上の穴、ま
    たは凹部とが嵌合することによって成されることを特徴
    とする請求項1記載の装飾文字板。
  3. 【請求項3】 前記装飾板が、前記切欠、窓によって形
    成された装飾部を有していることを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の装飾文字板。
  4. 【請求項4】 前記装飾板が、前記基板の上面、または
    下面の少なくとも一方に、一枚以上配設されていること
    を特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の
    装飾文字板。
  5. 【請求項5】 文字板を構成する基板と装飾板とが有す
    る開口部、切欠、透明部を介して、文字板の下面側に配
    設されたムーヴメントが、上面側から視認出来る構造か
    らなる文字板の製造方法であり、前記基板を成形する基
    板作製工程と、前記装飾板を成形し、前記装飾板の少な
    くとも一部分に装飾部を形成する、装飾板作製工程と、
    前記基板と前記装飾板の表面仕上げを行う仕上げ処理工
    程と、前記基板と前記装飾板との位置決めを行い、前記
    基板と前記装飾板との接合を行う接合工程とを含むこと
    を特徴とする装飾文字板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記基板作製工程が、前記基板の少なく
    とも片面に、凹凸による模様を少なくとも部分的に形成
    する工程を含むことを特徴とする請求項5記載の装飾文
    字板の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記装飾板作製工程が、前記装飾板の少
    なくとも一部分に、切削、プレス、メッキ、エッチン
    グ、塗装、印刷の内、一つ以上の方法によって装飾部を
    形成する工程を含むことを特徴とする請求項5記載の装
    飾文字板の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記仕上げ処理工程が、前記基板、およ
    び前記装飾板の表面に金属メッキ被膜、塗装被膜、印刷
    被膜、時字、マーキングの内、1種類以上を、少なくと
    も部分的に形成する工程であることを特徴とする請求項
    5記載の装飾文字板の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記基板と前記装飾板の少なくとも一方
    に、前記位置決めを行う、二つ以上の突設部と、他方に
    形成された二つ以上の穴、または凹部とを形成すること
    を特徴とする請求項5記載の装飾文字板の製造方法。
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