JP2005049277A - 時計用文字板及びその製造方法 - Google Patents

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徳重 下釜
Tsuneichi Watanabe
常市 渡辺
Teiichi Watanabe
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Abstract

【課題】 時計用文字板の立体的な指標を簡単な方法で安く作る。
【解決手段】 時字、切分目盛、マークなどの指標を凸状にして、文字板基板と一体的に樹脂で成形して仕上げた時計用文字板において、凸状の指標45は、射出成形時のブランク状態で85度以下の傾斜角θを有して、30〜100μmの高さhを持っており、上面41bまたは上面41bと側面41b2、41b3にパッド印刷で2〜3回連続的に印刷して塗膜44を形成して仕上げる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、時計用文字板に関し、特に立体的な指標を形成した時計用文字板に関する。
従来、時計用文字板に立体感を有する時字、マークなどの指標を設ける方法として色々な手法が取られている。図10、図11に示すものは、下記に示す特許文献1に示された製造方法で立体的な指標を形成し、それを文字板の基板に貼付けて時計用文字板として仕上げたものである。(例えば特許文献1)
特許公報 昭63−18674号
図10は携帯時計の正面図、図11は図10のA−Aにおける文字板の断面図を示したものである。尚、この携帯時計はソーラ時計になっており、文字板の下面にはソーラセルが配設されている。また、バンドは省略してある。図10において、10は文字板、11はケース、12はカバー、13は時針、14は分針、15は秒針、16はリューズを示している。文字板10は、図11において、文字板基板8の上面に電鋳で形成した時字なる指標4aを接着剤7を介して貼付けてあり、また、外周部には切分目盛の指標9を印刷で設けている。文字板基板8はプラスチックなどで出来ていて、その中心部には指針を取り付けるための中心穴8aを有している。この文字板基板8の上面または下面に塗装や印刷などの表面処理が、所定の透過率が十分に得られる程度に施されており、時字なる指標4aと切分目盛なる指標9が設けられて文字板10が仕上げられている。
時字なる指標4aは上記特許文献1で開示された図12に示す方法で作られる。図12は指標の製造方法を示す工程図を示している。以下、図12に示す製造方法を順を追って説明する。先ず最初に、図12の(a)で、平滑なステンレス板1に離型剤を塗布し、その上面にレジスト膜2を印刷方法などで形成する。次に、(b)で、光を透過する部分のパターン3aを形成したネガ(或いはポジ)フィルム3をレジスト膜2の上に載置し、紫外線を照射する。ここで、パターン3は指標の外周輪郭に合わせた形状に形成される。また、この時に、紫外線の照射を受けた部分のレジスト膜は硬化し、紫外線の照射を受けなかった部分のレジスト膜は柔らかい状態にある。次に、(c)で、レジスト膜の除去液で柔らかい部分(紫外線の照射を受けなかった部分)のレジスト膜を除去し、硬化した部分(紫外線の照射を受けた部分)のレジスト膜2aを残す。次に、(d)で、電解メッキ方法で電鋳4を形成する。この電鋳4はレジスト膜2が除去された部分に形成され、指標4aとなる電鋳と、捨電4bとなる電鋳とに分けて形成される。捨電4bは後工程での接着剤塗布時のマスキングの役割と、指標4aの電鋳に過剰な電流が流れないようにするために設けるものである。この捨電4bは後工程で剥がされる。電解メッキはNiメッキを長時間行い、少なくても30μm以上の厚メッキをして電鋳4aを得るが、Auなどの仕上げメッキをすることも行われている。次に、(e)で、接着剤6の付いたビニールテープ5を電鋳4の上面に貼付け、ステンレス板1から剥がす。この時、硬化したレジスト膜4aはステンレス板1の方に残り、電鋳4のみがビニールテープ5に貼付いた状態で剥がれる。次に、(f)で、接着剤7を電鋳4の下面にスプレーなどで塗布する。この接着剤7には接着剤6より接着力が強いものが使われる。次に、(g)で、捨電4bの電鋳を剥がす。これによって、指標4aなる電鋳のみがビニールテープ5に残る。最後に、(h)で、文字板基板8に指標4aを貼付けて図10及び図11に示す文字板10に仕上げられる。
切分目盛なる指標9は、幅が100μm前後であるために電鋳で製作することが難しく、
パッド印刷で形成している。
以上の方法で形成した電鋳の指標4aは、厚みがあるが故に立体感が現れ、且つ、金属光沢も現れるので、高級感のする文字板が得られる。
次に、立体感のする指標を得る別な方法として、射出成形方法で文字板基板と一体的に指標を形成する方法がある。要望する指標の形状を金型に彫り込んで、プラスチック樹脂への転写によって指標を形成する。この方法は、指標の大きさや厚みを自由に設定することができ、指標に立体感を持たせることができる。射出成形方法によって時計用文字板を形成したものとして、下記に示す特許文献2に示されたものがある。
特開平7−198868号公報
図13、図14に示すものは、上記特許文献2に示された目覚まし時計の正面図(図13)と要部断面図(図14)である。この目覚まし時計は前枠22と後枠21とが組合わさって時計のケースを形成している。何れも樹脂材料を射出成形して形成しており、前枠22には蓄光顔料が分散している。時計の文字板22bは前枠22と一体で成形されており、前枠22の凹部の所に配されている。文字板22bの前面には前面カバー23が前枠22に挿嵌されて配され、前面カバー23と文字板22bとの間に時針25、分針26、アラーム針27が配されている。
この文字板22bの1、2、3、・・・の時字22cを示す指標と、切分目盛22dを示す指標は、射出成形時点で凸部に形成しており、ホットスタンプによって黒色など不透光性の物質を付着させている。
ホットスタンプで指標の表面に装飾部材を付着させるには加熱の下で加圧する方法を取る。凸部の上面がフラット面で、そのフラット面のみに付着させる場合は、先端が平坦面を有する押圧具で加圧すれば良いので比較的簡単な作業方法が取れる。また、押圧具も先端が平坦面である以外はさほど精度を必要としない。しかしながら、特に携帯時計用文字板に使われる指標は指標の表面全体に、即ち、上面や側面に装飾部材が付着していないと質感が極度に落ち、高級感を感じさせないばかりか立体感も現れない。
ホットスタンプの方法で指標の表面全体に装飾部材を付着させるには、図15に示す押圧具を使わなければならない。図15はホットスタンプで指標の凸部表面全体に装飾部材を付着させる状態を示した断面の模式図で、図16はホットスタンプで指標の凸部表面全体に装飾部材を付着させたところの断面図である。
32は文字板基板である。32aは凸状(台形状)に形成された指標で文字板基板32と一体的に射出成形で形成されている。102は装飾部材でシート101に接着されている。尚、装飾部材102の表面には接着剤が塗布されており、加熱の下で加圧すると相手側の被着物に接着されるようになっている。105は押圧具で、その先端には凹部105aを形成している。そして、この凹部105aは指標32aの形状と全く同じ形状(相似形)に形成してある。
指標32aの上部に装飾部材102付のシート101を載せ、押圧具105と指標32aとの位置を合わせて、押圧具105を上方から加熱の下で加圧することによって、指標32aの上面32a1と両側面32a2、32a3の部位にある装飾部材102に加圧力が加わり、指標32aの上面32a1と両側面32a2、32a3に装飾部材102が接着する。そして、押圧具105を持ち上げ、シート101を剥がすことによって図16に示す凸部表面全体に装飾部材がついた指標が得られる。
このような方法を取れば、指標の表面全体に装飾部材を付着させることができ、立体感や高級感を出現させることができる。しかしながら、この方法は、押圧具の先端に凸状の指標と同じ形状を彫り込まなければならないことから高い製作精度が要求される。また、指標が小さく、且つ、複雑な形状になってくると製作が困難となる問題を有する。更にまた、押圧具と指標との位置合わせに高い精度が要求される。少しでも位置がずれると指標にキズがついたり、接着力が弱くなったりして不良になりやすい。このことから、セッティングに注意深さを要すると共にセッティング作業に時間がかかる。また、図16に示すように、シートを剥がして装飾部材を切り裂いた時に切れ目102aがデコボコになり、綺麗な切れ目が得られず外観的に見栄えが悪くなると云う問題も有する。
また、前述の電鋳の指標を貼付けて文字板を形成する方法は、前述したように、立体感があり金属光沢も現れて高級感が現れるが、指標の製作工程数が多く、更に、メッキに長時間を要することからコストが高くなってしまうと云う問題を有する。また、文字板基板に貼付ける方法を取るので、基板表面に凹凸があると密着性が悪くなり、長期間の使用中に剥がれると云うことも発生する。また、切分目盛などの非常に幅の細い指標は電鋳では製作出来ないと云う問題がある。このため、パッド印刷或いはスクリーン印刷による形成方法を取るが、幅が細いが故に厚みに限界があり、せいぜい15μm程度の厚みしか得られず、切分目盛に立体感を出すことができないと云う問題がある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、立体感を持つ指標を安いコストで、しかも、簡単な方法で製作することを目的とするものである。また、切分目盛のような非常に幅の細い指標でも立体感が現れるようにするものである。
上記目的を達成する手段として、時字、切分目盛、マークなどの指標を凸状にして、文字板基板と一体的に樹脂で成形して仕上げた時計用文字板において、凸状の指標は、上面又は上面と側面に印刷による塗膜が設けられており、射出成形時のブランク状態で立ち上がりの傾斜角をもつて30〜100μmの高さを有していることを特徴とするものである。
また、上記凸状の指標は、ブランク状態で傾斜角が85度以下であることを特徴とするものである。
また、上記凸状の指標は、ブランク状態で断面が略台形形状をなしており、上面と側面とのコーナ部はR付けがされていることを特徴とするものである。
また、上記凸状の指標の上面又は上面と側面に設けた塗膜はパッド印刷によって設けたことを特徴とするものである。
また、上記パッド印刷は2〜3回連続的に繰り返して行ったことを特徴とするものである。
また、本発明の時計用文字板の製造方法は、時字、切分目盛、マークなどの指標を凸状にして、文字板基板と一体的に樹脂で成形して仕上げる時計用文字板の製造方法において、凸状の指標は射出成形時のブランク状態で、立ち上がりの傾斜角をもって30〜100μmの高さを有しており、該指標の上面又は上面と側面にパッド印刷方法で塗料を2〜3回連続的に繰り返して印刷することを特徴とするものである。
また、上記の製造方法において、凸状の指標は、ブランク状態で傾斜角が85度以下であることを特徴とするものである。
また、上記の製造方法において、凸状の指標は、ブランク状態で断面が略台形形状をなしており、上面と側面とのコーナ部はR付けがされていることを特徴とするものである。
本発明は、時字、切分目盛、マークなどの指標を凸状にして文字板基板と一体的に射出成形で形成する。そして、凸状の指標をパット印刷で塗料(インクのことで、以下、塗料と呼んで説明する)を印刷し、指標の上面又は上面と側面に塗膜を形成する。パッド印刷は半球状に形成されたシリコンゴムやウレタンゴムなどのパッドに塗料を付着させ、それを指標の上面に押圧することによって指標の上面や側面に塗料を転写する方法を取る。パッドが柔らかいために、所要の押圧力をかけると、指標のへっこんだ側面部分にまでパッドが沈み込み、指標の上面や側面に塗料が付着する。
このとき、凸状の指標の側面に塗料を付着させるのに、ブランクの形状が85度以下の傾斜角を持っていて、高さが30〜100μmであることが必要である。100μmより大きいとパッドがへっこんだ部分の側面の下方に十分に入り込まず指標の側面に均一に塗料が付着しない。また、30μmより小さいと立体感が現れてこない。また、傾斜角は指標の側面に塗料を均一に付着させるために設ける。均一な塗膜を得るには、側面の傾斜角を85度以下にする必要がある。85度より大きいと、指標を直角的に起立させるようなことになって側面の上方部にパッドが十分当たらず、塗料の付着が薄くなって均一性がでてこない。
凸状の指標を台形形状にして、且つ、上面と側面とのコーナ部にR付けを行うと、パッドがコーナ部や側面への当たりがなだらかになり、塗料が均一に側面に付着し易くなる。
指標の立ち上がり部分、即ち、指標の根元の部分はパッドが接触し難い。この部分の塗膜形成は塗料を傾斜角に沿って流すことによって形成する。このため、1回の印刷では十分に塗料が流れ込まず、2〜3回連続的に印刷を繰り返すことによって立ち上がり部分に塗料を付着させる。
文字板の時字、切分目盛、マークなどの指標を凸状に形成するには、金型にそれと同じ形状を彫り込んで形成する。金型に50μm幅の彫り込みは可能で、切分目盛のような非常に幅の細い指標でも金型製作はできることから、これらの指標を射出成形で文字板基板と一体的に容易に形成することができる。
以上述べたことにより、非常に小さい指標でも射出成形方法を取れば立体的に形成でき、更に、パッド印刷を2〜3回行うことにより指標の表面全体に塗膜を形成することができる。従って、製造コストが非常に安くなって、立体感のある指標を得ることができる。
以下、本実施の最良の形態を図1〜図9をもって説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る時計用文字板の平面図を示しており、図2は図1におけるB−B断面図を示している。また、図3は図2におけるC−C断面図を示している。また、図4はパッドに塗料を付けた状態を示す側面図、図5は指標に印刷している状態を示す模式図である。図6は本発明の第2実施形態に係る時計用文字板の平面図、図7は図6におけるD−D断面図、図8は図7におけるE−E断面図、図9は図7におけるF−F断面図を示している。
図1、図2より、本発明の第1実施形態に係る時計用文字板40は、ソーラ時計用として作った文字板で、時字をなす指標42が外周に沿って12箇所、切分目盛をなす指標45が、同じく外周に沿って、48箇所持っている。指標42は、前述の背景技術で説明した電鋳で形成した指標4aを接着剤7を介して文字板基板41に固定したものから成る。指標45は文字板基板41と射出成形で一体的に形成した凸部41bにパッド印刷により塗膜44を形成したものから成っている。また、この時計用文字板40は、文字板基板41の下面にカラーなどの着色を施した着色模様膜47を設けており、所要の透過率を有しているものである。文字板基板41はポリカーボネイト樹脂で射出成形方法で形成しており、同時に、指標となる凸部41bも一体的に形成している。時字なる指標42は上記したように電鋳で100μm前後の厚みに形成しており、金属光沢を有して立体感を有するものである。
切分目盛の指標45となる凸部41bのブランク状態は、図3に示すように、台形形状を成しており、根元の幅mは略100μm、高さhは略50μmで形成してあり、両側面41b2、41b3の傾斜角θは82度に設けてある。また、上面41b1と両側面41b2、41b3とのコーナ部はR付けしてあり、略20μmのR仕上げをしている。塗膜44は凸部41bの上面と側面にパッド印刷で形成していて、本実施の形態では連続的に3回印刷して略20μm近くの膜厚にしてある。従って、指標45の高さは略70μm位の高さになっている。
パッド印刷は図4、図5に示す方法で行う。図4はパッドに塗料を付けた状態を示す側面図で、図5は指標となる凸部に印刷している状態を示す模式図である。図4より、版114の凹部114aに設けた塗料115をパッド112側に転写する。112はパッドで、111は保治具である。パッド112の付いた保治具111を支えて、パッド112を版114に押圧することによって塗料115はパッド112に転写される。版114はスチール材などを使うが、凹部114aは蝕刻によつて形成する。その深さは10〜15μmていどである。パッド112は軟質であるシリコンゴムやウレタンゴムなどでできており、塗料を厚く付着さすにはシリコンゴムのパッドが良いと云われている。
パッド印刷は、図5より、パッド112に付着した塗料115が凸部41bの真上にくる位置に位置決めし、パッド112を凸部41bに押圧することによって塗料115が凸部41bに転写される。このとき、一部の塗料115は傾斜している側面に沿って垂れ流れていき凸部41bの根元Pの部位に付着する。根元Pの部位に塗料を均一に付着させるために連続的に2〜3回印刷を繰り返す。2〜3回印刷を行い、乾燥を施すと、図3に示すように、凸部41bの表面に15〜20μm厚みの塗膜44が形成される。
ここで、塗料の粘度を余り小さくすると垂れ流れる量が多くなり凸部41bの根元Pの部位や周りの部位に流れていき外観不良を起こす。また、粘度を余り大きくすると流れ性が悪くなって根元Pの部位に均一な塗膜がのらない。塗料の粘度は流れ性を見て適宜設定するのが良い。また、付着させる塗料の量は、図4において、パッドに付着する塗料の厚みはほぼ一定である。従って、付着させる塗料の幅nによってその量を設定する。この幅nは凸部41bの表面周の長さ、即ち、上面41b1の幅と側面41b2の幅と側面41b3の幅との合計の長さを考慮して設定する。各種実験の結果、表面周の長さに対して70〜80%の長さに設定すると凸部41bの表面全体を均一に覆う塗膜が得られることが判明した。
パッド印刷で均一な膜厚を形成し指標に立体感を持たせるには、指標のブランクの形状を巧く設計する必要がある。パッド印刷で凸部の表面全体に印刷を行うには、指標となる凸部の上面からへっこんだ部分、即ち、側面部分にも軟質なパッドを沈み込ませて印刷を行う。沈み込む量にも限度があり、凸部の高さが100μmより高くなると側面全体に均一な塗料を付着させることが難しくなる。従って、高さを100μm以下に設計する必要がある。高さの低い方の値は少なくとも立体感を感じさせる高さが必要である。低くても30μm以上あると、塗膜が付いて40〜50μmの高さが得られるので立体感を感じ取ることができる。
次に、凸部の側面には傾斜角を付けるのが良い。凸部が直角に起立すると、側面の上部の方はパッドの当たりが少なくなって十分に塗料がのらず、薄くなってしまう。側面に均一に塗料を付着させるには傾斜角を85度以下にするのが良い。80度前後の傾斜角では見た目に傾斜が付いている側面には見えず、殆ど直角的に凸になっているように見えて立体感を感じさせる。また、指標の上面と側面とのコーナ部にR付けを行うと、パッドがコーナ部から側面にかけてなだらかに当たっていくので塗料も均一に付きやすい。R付けは小さくても15μm以上あると良い。
塗料(インク)は色々な種類のものが使用できる。本実施の形態では、時字なる指標42のシルバー色調に合わせて、シルバー色を呈するアルミ金属粉入りの塗料を用いて塗膜44を形成している。エポキシ樹脂をバインダーにしてアルミ金属粉を混ぜ合わせて塗料を生成している。金金属粉を配合するとゴールド色の指標45が得られ、グリーンの顔料を配合するとグリーン色の指標45が得られる。文字板のデザインに合わせて印刷塗料を生成するのが好ましい。
本実施の形態での切分目盛の指標45は、台形形状にし、両側面は同じ傾斜角を持たせて形成している。指標によっては左右の傾斜角を変えてデザイン的な変化を持たせることができる。一方の側面の傾斜角を大きく取り、他方の側面の傾斜角を小さく取って徐々に高くなるデザインの指標なども作ることができる。
また、本実施の形態では文字板基板41の下面に着色の模様膜47を設けているが、上面側のフラット面に模様膜を形成することも可能である。
次に、図6〜図9に示すものは本発明の第2実施形態の時計用文字板に係るものである。図6は平面図、図7は図6におけるD−D断面図、図8は図7におけるE−E断面図、また、図9は図7におけるF−F断面図を示したものである。
図6、図7より、この時計用文字板50は、ソーラ時計用として作った文字板で前述の第1実施形態と同様に、上面側に時字の指標52と切分目盛の指標55を有していて、下面側に着色模様膜57を有している。ここでの指標52は射出成形で文字板基板と一体的に形成した凸部51cとその表面全体に形成した塗膜53とで構成しており、指標55は、同様に、射出成形で文字板基板と一体的に形成した凸部51bとその上面に形成した塗膜54とで構成している。文字板基板51は、第1実施形態と同様に、ポリカーボネイト樹脂の材料で形成している。
時字なる指標52は、図8に示すように、文字板基板51と一体的に形成した上面が曲面になって略台形形状をしている凸部51cと、その表面に形成した塗膜53とから構成している。凸部51cは、ブランク状態で、両側面が傾斜角θを持って立ち上がっており、本実施の形態では、80度の傾斜角θになっている。また、凸部51cの幅mは略500μm、高さhは略100μmに設計している。本実施形態では、高さhが高いので、前述の第1実施形態と比べて、傾斜角を僅かに小さく設計している。また、上面はなだらかな曲面に形成してあり、側面とのコーナ部は50μmのR付けを行っている。
塗膜53は、パッド印刷を3回連続的に繰り返して塗料を印刷し、略20μmの厚みに形成している。従って、指標52の高さは略120μmの高さになっている。また、塗料はエポキシ樹脂に金金属粉を配合したものを使用しており、ゴールドの色調が現れる指標に仕上げている。塗膜53を形成する方法は前述の第1実施形態で説明した方法と同じ方法を取っている。
以上のようにして形成した指標52は、ゴールド色を呈するため金属感を持つ指標に見える。また、高さが120μm近くあるので立体感を持って視認することができる。
切分目盛なる指標55は、図9に示すように、文字板基板51と一体的に形成した凸部51bと、その上面に形成した塗膜54とから構成している。ブランク状態で、凸部51bの両側面は82度の傾斜角θを持って立ち上がっており、凸部51bの幅mは略150μm、高さhは略30μmに設計している。塗膜54は、パッド印刷を連続2回行い、略15μmの厚みに形成している。従って、指標55の高さは略45μmの高さになっている。
ここでの塗膜54は凸部51bの上面のみに形成している。指標52と同じ色調を示す金金属粉を配合した塗料を使用しているが、印刷中や印刷後における塗料の垂れ流れをなくするために、溶剤の配合割合を少なくして僅かに粘度を高くしたものを使用している。このような塗料でパッド印刷を行うと上面にのみ綺麗な塗膜が形成できる。
この指標55は側面に塗膜を有していないので側面から光が透過することになるが、凸部51bの高さが略30μmと低いことと、傾斜角が82度と大きいことなどから指標55の立ち上がり部分は殆ど視認することができず、指標55は直角的に起立したように、しかも、立体感を伴って見える。
指標を以上のような構成にすることによって立体感のある指標に仕上げることができる。立体的な凸部を文字板基板と一体に成形し、凸部の上面や凸部の表面全体にパッド印刷を2〜3回連続的に行こなって塗膜を形成する方法を取るので、作業方法が簡単で、しかも非常に安いコストで立体感のある指標を作ることができる。また、非常に小さい指標でも容易に作ることができる。
本発明をソーラ用の時計文字板でもって説明したが、ソーラ用の時計文字板に限らず広く一般的な時計用文字板に適用できるものである。
本発明の第1実施形態に係る時計用文字板の平面図である。 図1におけるB−B断面図である。 図2におけるC−C断面図である。 パッドに塗料を付けた状態を示す側面図である。 指標に印刷をしている状態を示す模式図である。 本発明の第2実施形態に係る時計用文字板の平面図である。 図6におけるD−D断面図である。 図7におけるE−E断面図である。 図7におけるF−F断面図である。 携帯時計の正面図である。 図10におけるA−Aにおける文字板の断面図である。 指標の製造方法を示す工程図である。 特許文献2に示された目覚まし時計の正面図である。 図13における要部断面図である。 ホットスタンプで指標の凸部表面全体に装飾部材を付着させる状態を示した断面の模式図である。 ホットスタンプで指標の凸部表面全体に装飾部材を付着させたところの断面図である。
符号の説明
4a 指標
7 接着剤
40、50 文字板
41、51 文字板基板
41b、51b、51c 凸部
42、45、52、55 指標
44、53、52 塗膜
47、57 着色模様膜

Claims (8)

  1. 時字、切分目盛、マークなどの指標を凸状にして、文字板基板と一体的に樹脂で成形して仕上げた時計用文字板において、前記凸状の指標は、上面又は上面と側面に印刷による塗膜が設けられており、射出成形時のブランク状態で立ち上がりの傾斜角をもつて30〜100μmの高さを有していることを特徴とする時計用文字板。
  2. 前記凸状の指標は、ブランク状態で傾斜角が85度以下であることを特徴とする請求項1に記載の時計用文字板。
  3. 前記凸状の指標は、ブランク状態で断面が略台形形状をなしており、上面と側面とのコーナ部はR付けがされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の時計用文字板。
  4. 前記凸状の指標の上面又は上面と側面に設けた塗膜はパッド印刷によって設けたことを特徴とする請求項1に記載の時計用文字板。
  5. 前記パッド印刷は2〜3回連続的に繰り返して行ったことを特徴とする請求項4に記載の時計用文字板。
  6. 時字、切分目盛、マークなどの指標を凸状にして、文字板基板と一体的に樹脂で成形して仕上げる時計用文字板の製造方法において、前記凸状の指標は、射出成形時のブランク状態で立ち上がりの傾斜角をもって30〜100μmの高さを有しており、上面又は上面と側面にパッド印刷方法で塗料を2〜3回連続的に繰り返して印刷することを特徴とする時計用文字板の製造方法。
  7. 前記凸状の指標は、ブランク状態で傾斜角が85度以下であることを特徴とする請求項6に記載の時計用文字板の製造方法。
  8. 前記凸状の指標は、ブランク状態で断面が略台形形状をなしており、上面と側面とのコーナ部はR付けがされていることを特徴とする請求項6又は7に記載の時計用文字板の製造方法。
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