JP3463794B2 - 焼き調理方法とその装置 - Google Patents

焼き調理方法とその装置

Info

Publication number
JP3463794B2
JP3463794B2 JP37433498A JP37433498A JP3463794B2 JP 3463794 B2 JP3463794 B2 JP 3463794B2 JP 37433498 A JP37433498 A JP 37433498A JP 37433498 A JP37433498 A JP 37433498A JP 3463794 B2 JP3463794 B2 JP 3463794B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
far
cooking
gas
temperature
infrared radiator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP37433498A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000189324A (ja
Inventor
清川  晋
千鶴子 清川
太郎 清川
Original Assignee
清川 晋
千鶴子 清川
太郎 清川
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 清川 晋, 千鶴子 清川, 太郎 清川 filed Critical 清川 晋
Priority to JP37433498A priority Critical patent/JP3463794B2/ja
Publication of JP2000189324A publication Critical patent/JP2000189324A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3463794B2 publication Critical patent/JP3463794B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Baking, Grill, Roasting (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚やハンバーグ等
の肉や野菜等の食品(調理材料、食材)を焼き調理する
調理装置の改良に関し、特に調理材料の内部を焼き調理
(煮調理)した後に、表面に焦げ目あるいは焼け目を形
成するようにした焼き調理方法とその装置を提供するも
のである。
【0002】
【従来の技術】家庭用の据付け型の調理装置として、
a)複数のバーナーと、そのバーナーの中央部に小型の
オーブンを配置したガスレンジが一般的に使用されてい
る。
【0003】b)また、小型の魚焼器として、下側の本
体と上側の蓋体との間に魚を載せる網を設け、この網の
上下面の一方あるいは双方に電気発熱体を設けている。
c)更にレストランにおいて例えばハンバーグや肉等の
調理材料を調理する際は、調理人はオーブンの他にフラ
イパンを多用している。
【0004】a)多くの家庭用のガスレンジに付設され
ているオーブンは、天井面に下向きに燃焼ガスを噴出す
る構造のガスバーナー(平板状のガスバーナー)を配置
し、水を入れた受け皿の上方に配置した網台の上に魚を
置き、これをオーブン内に出し入れするように構成して
いる。
【0005】しかし、この小型のオーブンは魚等の調理
材料の上面から約800〜1200℃もの高温の火焔や
燃焼ガスを直接吹き付けて魚等を加熱する形式のもので
あるから、その上側の表面のみが強く加熱されて焼か
れ、裏側が加熱される前に上側の表面が必要以上に焼け
焦げてしまうので、時間を見計ってしばしば表裏を反転
させなければならないという煩雑な作業を必要とした。
また、この形式のオーブンの場合、高温の燃焼ガスが表
面のみを高温で加熱するので、魚や肉塊やハンバーグの
内部への伝熱が効果的に行われない傾向があり、従って
小型の魚や肉塊やハンバーグしか焼き調理できない場合
が多い。
【0006】b)電熱式の小型の魚焼器は、魚の表裏両
面より加熱することができるが、これも表面のみを高温
に加熱調理するものであり、前記a)と同様に内部まで
十分に加熱できないという問題がある。
【0007】c)一方、フライパンでハンバーグ等を焼
く方法は伝統的な調理方法であり、調理人の腕次第で美
味な調理をすることができる。しかし、調理するハンバ
ーグ材料や肉塊が部厚くなると、フライパンからハンバ
ーグ材料等への伝熱が不足しがちとなり、この場合も表
面が必要以上に高温に加熱されることにある。
【0008】表面が必要以上に高温に加熱されると、ハ
ンバーグの内部の肉汁(材料の味のもととなる“ジュー
ス”)が沸騰状態となって滲み出し、これと共に肉質が
固くなり、更に表面は乾燥して固くなる上に、焼け焦げ
てしまうことになる。
【0009】また、肉塊が分厚くなると表面に焼け焦げ
が発生するような加熱状態でも、内部は半煮えの状態と
なる場合が多い。そこでフライパンを高温した状態で焼
き調理すると、前記のようにハンバーグ材料からジュー
スが外部へ漏出し、焼き上がったハンバーグの表面が著
しく固くなり、全体としてパリパリとした味のないもの
に焼上がる欠点がある。
【0010】
【発明が解決すべき課題】前記従来の各種の焼き物用調
理器においては、魚や肉塊等の調理材料に直接ガスの火
炎や高温の燃焼ガスを接触させるものであるが、この火
炎や燃焼ガスの温度は800〜1200℃もあり、しか
もこれの熱伝達によって加熱するものであるから、魚や
肉塊等の調理材料の表面と内部との間に大きな温度差が
必然的に発生する。
【0011】本発明者等の知見によると、魚や肉を焼き
調理に必要な温度は200〜250℃程度であり、それ
以上の温度、特に前記のような高温の燃焼ガスを熱源と
して使用すると調理材料の表面が著しく加熱され、タン
パク質が分解すると共に、含まれているジュースが沸騰
状態となって、約45%程度の大量のものが外部に漏出
する上に、内部まで焼ける(煮える)前に表面が乾燥状
態となって焼け焦げ、そして全体が固くなると言う問題
がある。
【0012】特に肉類を多く摂取する国のハンバーグは
我が国のものに比較して遙に大型で分厚いものである
が、最近のように細菌による食中毒の問題から内部まで
十部に加熱する必要が生じており、それに伴なってハン
バーグの表面が前記のように焼け焦げてパリパリの状態
に調理される傾向にある。
【0013】一方、うなぎのカバ焼きや焼鳥の焼き調理
の場合は炭火を熱源として使用し、これの燃焼ガスによ
る伝熱と、炭火からの放射熱(遠赤外線)によって焼き
調理するものであるが、この焼き調理には、長年の経験
を持つ職人が炉の前でウチワを始終操作して高温の燃焼
ガスを調理材料の表面から逃がしながら、更に串刺され
たうなぎや鳥等を適宜反転させて加熱する場所を変える
等の煩雑な作業が必要である。
【0014】うなぎのカバ焼きや焼鳥の加熱方法は、炭
火を燃焼させてこれより発生する遠赤外線でうなぎ等を
内部まで加熱するものであり、その加熱効果、簡単にこ
れを表現すると、「熱線の打ち込み効果」によって、う
なぎ等の肉汁を内部に保存したままで焼き調理すること
ができるものであるから、美味のものを調理することが
できるのである。
【0015】前記知見から、焼き調理に重要なことは、
魚や肉の内部を調理する場合は、その調理材料の表面に
800〜1200℃もある高温の燃焼ガスを直接接触さ
せることなく、肉の内部を約200〜250℃の比較的
低温に保ちながら十分に加熱することが重要であり、こ
のように加熱することによって魚や肉等に含まれている
ジュースの漏出を可能な限り防ぐことができる。
【0016】つまり、高温の焼き調理に伴って魚や肉塊
より含まれているジュースが漏出すると、肉質が次第に
締まって固くなり、それに伴なって魚や肉本来のうま味
が著しく減り、更に調理材料のボリュームが小さく、そ
して貧弱な形に変化する。
【0017】本発明者は、焼きイモや焼鳥等のうま味に
関係する遠赤外線による焼き調理を研究し、調理人では
なくても美味しい焼き調理を簡単できる、遠赤外線によ
る焼き調理方法とその装置を開発し、これを先に提案し
ている。
【0018】この焼き調理装置は、調理材料を置く網の
下面、あるいは下面と上面に放熱面にセラミック溶射層
を形成した板を設けた遠赤外線ヒータ(主としてガスバ
ーナー)を配置したものである。この装置は予測された
ように、魚や肉等の表面の焦げが少なく、肉の内部まで
十分に煮えている状態で焼き調理をすることができた。
そしてこの焼き調理装置によると、従来のオーブンや魚
焼器に比較して厚い肉厚のものを、しかもジュースを漏
出させることなく焼き調理することができる特徴を持っ
ている。
【0019】しかし、この焼き調理装置は、ハンバーグ
のように肉の厚い調理材料の内部まで十分に加熱して煮
ながら、更に表面に焦げ目を付けるような焼き調理には
不適当な点があることが判明した。
【0020】即ち、本発明者が既に開発した装置ではこ
れで調理した材料を、焦げ目を付けるために、更に高温
の燃焼ガスにさらす必要があったのである。また、この
装置は燃焼ガスによって遠赤外線ヒータを加熱し、その
燃焼ガスを調理材料に当てる構造のものであるから、調
理方法によってはジュースを漏出させる傾向もあった。
本発明は、このような装置の欠点を解消し、調理材料
の内部を十分に加熱しながら、肉汁であるジュースの漏
出を極力少なくし、更に表面に焼け焦げを簡単に付ける
ことができる焼き調理方法とその装置を提供することを
目的とするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】1)前記目的を達成する
ための本発明に係る焼き調理方法は、発熱体の上方にこ
の発熱体から発生した高温ガスの上昇を遮って加熱され
る遠赤外線放射体を配置し、この遠赤外線放射体の上方
で調理材料を支持して前記遠赤外線放射体から放射され
る遠赤外線を利用して第一の焼き処理工程を行ない、そ
の後、前記面状の遠赤外線放射体に間隙を形成してこの
間隙を介して高温ガスを案内して前記第一の焼き処理を
終わった調理材料の表面部分を焦がす第二の焼き処理工
程を行うことを特徴としている。
【0022】焼き調理中は発熱体から発生する高温ガ
ス、特に発熱体がガスバーナーである場合は高温の燃焼
ガスが調理材料に直接接触しないように遠赤外線放射体
で遮ぎりながら、この遠赤外線放射体を加熱し、燃焼ガ
スの熱エネルギーを遠赤外線に変換して調理材料を加熱
し、「熱線の打ち込み作用」で魚や肉の調理材料の内部
を加熱するものである。
【0023】本発明等の実験によると、例えばサツマイ
モを所定の寸法の立方体に切断したものを、サツマイモ
の加熱に適した波長の遠赤外線を放射する遠赤外線ヒー
ターを設置した加熱調理装置を使用して加熱した場合、
サツマイモの表面の温度が101℃であったのに対し
て、内部の温度は112〜115℃で、表面より10℃
以上も高温になり、そして表面の焼け焦げの程度に比較
して内部の加熱が十分に行われることを確認している。
【0024】本発明は、第一の熱処理工程で遠赤外線放
射体を閉止して、発熱体から発生する高温ガスが調理材
料に直接接触することを防ぎながら、高温の燃焼ガスエ
ネルギーを遠赤外線に変換し、表面に焼け焦げを付けな
い状態で調理材料の内部を効率的に加熱し、内部が十分
に加熱されて煮るものである。
【0025】この第一の焼き処理の段階では魚や肉の表
面は従来法よりも遙に低温である、200〜250℃程
度に保たれている関係でジュースの漏出が極めて少な
く、また、表面の組織が劣化したり、熱分解していな
い。
【0026】具体的にフライパンでハンバーグを焼き調
理した場合と、本発明とを対比すると、フライパンを使
用した従来法の場合はジュースの漏出に伴なって約45
%の減量があったのに対して、本発明の場合は6〜7%
の少量である。また、その大きさはフライパンを使用し
た場合は約20〜30%程度のボリュームの減量があっ
たが、本発明の方法では実質的に減量しないことが判明
している。
【0027】前記のように遠赤外線放射体を閉止して高
温ガスの上昇を防ぎながら焼き調理した場合は、調理材
料の表面は従来法よりも遙に低温に保たれている関係で
焼いたような外観を呈しておよず、白っぽく、一見する
と生煮えの状態に見える。そこで本発明においては、遠
赤外線放射体を開口し、この開口より高温ガスを導入
し、既に内部が煮えている調理材料の表面を炙って着色
すると同時に僅かに固くするのである。
【0028】その開口時間は材料の大きさと種類にもよ
るが、通常では60秒ないし90秒程度の極めて短時間
である。この短時間の加熱に伴なって調理材料の内部の
温度の上昇が約270℃程度になると、再び前記開口を
閉止して遠赤外線による焼き処理を行うのである。な
お、この遠赤外線放射体の開閉の時間は、調理材料の大
きさや必要とする加熱時間と温度に関係するものであっ
て、多少の経験を必要とする。
【0029】以上のように本発明によると、ジュースの
漏出や体積の減少が実質的にない状態で焼き調理され
る。従って、例えばハンバーグの場合は全体が柔らか
く、うま味のあるジュースを十分に含み、そして内部ま
で十分に加熱されており、かなり分厚い大型のハンバー
グでも表面に厚い層の焼け焦げを付けることなく、美味
しく焼き調理をすることができる。
【0030】2)本発明に係る焼き調理装置は、高温ガ
スを発生する発熱体の上方に、前記高温ガスを遮ぎりな
がらて加熱される遠赤外線放射体を配置し、この遠赤外
線放射体の上方に調理材料を置いて焼き処理を行う装置
において、前記遠赤外線放射体を複数枚の放射片によ
り、これらの放射片の間に間隙を形成可能に構成し、こ
の放射片を移動させて形成された間隙より高温ガスを調
理材料側に案内したり、あるいはこの間隙を閉止して調
理材料に高温ガスが直接に接触するのを防止するように
構成している。
【0031】本発明によると、前記のように調理材料の
通常の焼き行程である第一の熱処理工程では、タンパク
質が熱分解しない低温で十分に加熱することができ、次
に高温ガスを導入して表面のみに焼け焦げを付けると同
時に必要な硬さを付けて外観を調節することができるの
で、従来の装置で得られた焼き調理品よりも遙に見栄え
が良く、美味なものを、しかも効率的に製造することが
できる。
【0032】3)本発明に係る焼き調理装置の放射片
は、小片のシャッター板であってその上端あるいは中間
部を回転軸として揺動あるいは回動するように支持して
構成している。放射片を小片で構成することによって面
状の遠赤外線放射体を全体的に開口したり閉止したりす
ることができ、焼き調理に適した装置を提供できる。
【0033】4)本発明に係る焼き調理装置の放射片は
金属板で形成され、その表面に調理材料に吸収され易い
波長の遠赤外線を放射するセラミックスの溶射層を形成
している。遠赤外線放射体の少なくとも表面の材料はセ
ラミックスが適しており、金属板の表面にセラミックス
を溶射することによって、加工性と耐久性にすぐれたも
のを得ることができる。
【0034】5)本発明に係る焼き調理装置の放射片の
支持軸に、形状記憶合金のスプリングを作用させ、所定
の温度にこのスプリングが加熱されると、温度によって
記憶された形状の変化に伴なって弾性力が変化して前記
放射片を回動させ、この放射片の間に高温ガスが通過す
る間隙を開口するように構成している。
【0035】形状記憶合金からなるスプリングを使用し
て、例えば270℃程度で回転力を発生させるようにし
ておき、表面を焼き調理したい場合に燃焼ガスの温度を
前記の範囲に上昇させることによって放射片を自動的に
回転させれば、ガスの噴出量の調節によって、調理材料
の内部の第一の焼き処理と、表面を焦がす第二の焼き処
理とを連続的に行うことができる。
【0036】本発明の発熱体、即ち熱源は、ガスバーナ
ーが最も好ましいが、高温ガス流を発生させるものであ
れば電熱式のもの等、他の形式のものでも利用すること
ができる。
【0037】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1は焼き調理方法を行う装置の
正断面図、図2は側断面図、図3は操作状態を示す正断
面図、図4は要部の構造を示す斜視図である。
【0038】本発明に係る焼き調理装置1は、断熱材で
壁面を形成した炉本体2の底部に熱源としてガスバーナ
ー3を複数個設け、その上部にシャッター式の遠赤外線
放射体4(放射片、シャッター板)を配置し、その上に
魚や肉片やハンバーグ材料等の調理材料を支持する支持
体6(網状物)を載せ、更に、この支持体6の上方にも
遠赤外線放射体5を配置し、また、前記炉本体2の上面
を蓋体8で覆うようにしている。
【0039】前記遠赤外線放射体4,5は、図4に示す
ように短冊片状のシャッター板4a(放射片)の両側に
軸4b,4cを延長し、この軸4cを前記炉本体2の中
間部に嵌入支持させ、他方の軸4bを炉本体2より外部
に導出し、その先端部にクランク部4dを形成し、この
クランク部4dを連結体9で連結し、この連結体9を押
し引きして複数枚のシャッター板4aを一斉に同方向に
揺動あるいは回動させてこのシャッター板4aの間に間
隙S,S’を形成したり、1枚の平板状にしたりできる
ように構成している。
【0040】このシャッター板4aは、耐熱性のある金
属板の表面に魚や肉等の調理材料の加熱に好適な波長の
遠赤外線を多量に放射する性能を持つセラミックス、例
えばアルミナ・チタニア等を溶射してセラミックス層を
形成したものである。また、場合によってはシャッター
板4aとしてセラミックス板を使用できる。なお、この
シャッター板4aは、例えば幅が20mm、長さが30
0mm、そして厚さが0.8mmのステンレス板で形成
したものを使用した。
【0041】遠赤外線放射体4は図1及び図2に示すよ
うに、ガスバーナー3と支持体6との間に設けることが
必要であるが、この支持体6の上方にも遠赤外線放射体
5を開閉可能に設けることによって支持体6に載置され
た調理材料を加熱する温度を自由に調節することがで
き、その調理材料の種類や大きさに合った焼き調理を行
うことができる。
【0042】前記のように短冊状のシャッター板4a
は、図1に示すように閉止状態において炉本体2の下方
と上方を横断する2枚の遠赤外線放射体4、5を形成す
るように、その縁部を僅かに重ねるように配置されてお
り、下側のシャッター板4aは下部に配置されたガスバ
ーナー3より放出される高温の燃焼ガスを遮断しながら
加熱されて遠赤外線を放射し、上側の遠赤外線放射体5
のシャッター板4aは高温のガスと下側の遠赤外線放射
体4からの遠赤外線の放射を受けて加熱され、両遠赤外
線放射体4,5の間に挟まれている支持体6上の魚や肉
塊等の調理材料Tを焼き調理することができるのであ
る。
【0043】前記遠赤外線放射板4の上方に支持体6を
炉本体2内に形成した突起部2aに支持させるようにな
っており、更に、この炉本体2の上部に設けた支持部材
7によって蓋体8を支持すると共に、この支持部材7に
よって炉本体2と蓋体8との間に燃焼ガスを排出するた
めの空間を形成している。
【0044】なお、この蓋体8も前記シャッター板4a
の表面に加工したようにセラミックス溶射層を形成し
て、これが加熱されると調理材料Tの上面からも遠赤外
線を放射するようになっている。
【0045】魚や肉等の調理材料を焼き調理する場合
は、図1に示すように連結体9(図4)を操作してシャ
ッター板4aを回動させて遠赤外線放射体4を平板状に
整列させた状態でガスバーナ3を点火し、そして支持体
6上に調理材料である魚や肉等を載せる。更に必要に応
じて遠赤外線放射体5を操作すると共に炉本体2の開口
部を蓋体8で閉止し、ガスバーナ3から発生する燃焼ガ
スによって遠赤外線放射体4を構成しているシャッター
板4aを加熱してこれの上方に遠赤外線を放射しなが
ら、炉本体2の内部を高温に加熱する。一方、上方の遠
赤外線放射体5は支持体6の上方に蓋をしたような状態
となり、この支持体6上の調理材料Tは上下両面より遠
赤外線の放射を受けることになる。
【0046】支持体6上に支持されている魚や肉等の調
理材料Tは、ガスバーナ3より発生する燃焼ガスによっ
て炉本体2の内部が加熱されて発生する熱線を受けて加
熱されると共に、燃焼ガスを受けて加熱された遠赤外線
放射体4及び5を構成するシャッター板4aから放射さ
れる多量の遠赤外線を上下から受けて、この遠赤外線の
熱線の打ち込み作用で加熱調理される。
【0047】このように魚や肉やハンバーグ等の調理材
料Tは、調理の第一段階において遠赤外線放射体4のシ
ャッター作用でガスバーナ3より発生する燃焼ガスや火
焔を遮って直接に受けないように保護しながら、この遠
赤外線放射体4を構成しているシャッター板4aから放
射される多量の遠赤外線によって魚等の肉片の内部まで
所定の温度に加熱されて煮える。なお、実施例のように
調理材料Tの上下に遠赤外線放射体4、5を配置してお
くことによってガスバーナー3より発生する高温ガスの
熱を極めて有効に利用することができる。
【0048】なお、前記したように遠赤外線を受けた魚
等の内部は、表面を燃焼ガスに接触させて加熱する従来
の調理法に比較して、表面温度より約10℃あるいはそ
れ以上の高温に加熱されることが本発明者等の実験より
確認されている。
【0049】この調理材料の表面は、遠赤外線放射体4
の遮蔽作用で直接的に燃焼ガスに接触しないようにして
おり、また、燃焼ガスと接触することがあったとして
も、なるべく少量になるようにしていることから、魚や
肉等の表面が従来のように800〜1000℃もの高温
に加熱されることがないので、タンパク質が変質した
り、熱分解するような焼け焦げを発生することを防止で
きる。
【0050】前記のように短冊状のシャッター板4aで
構成された遠赤外線放射体4によってガスバーナー3か
ら上昇する燃焼ガスが調理材料Tに直接接触することを
防ぎながら、これより多量の遠赤外線を放射して加熱す
ることによって、ハンバーグ等の調理材料は、分厚いも
のであっても、熱線の打ち込み作用でその内部まで熱が
恰も浸透するように加熱調理される。
【0051】このように本発明に係る装置においては、
遠赤外線放射体4によって高温の燃焼ガスを遮ぎりなが
らその熱エネルギーを遠赤外線の熱エネルギーに変換し
て加熱して調理するので、魚や肉等の調理材料の表面に
強い焼け焦げと、それに伴う変質や熱分解等が発生する
ことを防止できる。
【0052】次に、本発明においては、前記のようにし
て第一の焼き処理工程が完了し、あるいは加熱処理の完
了に近い時に、焼け焦げを付けるために、図3及び図4
に示すように連結体9を押し引き操作して、遠赤外線放
射体4、5のシャッター板4aを傾斜させてこのシャッ
ター板4aの間に空間S、S’を開口して、ガスバーナ
3から発生する燃焼ガスを直上に上昇させることによっ
て魚や肉等の表面を直接加熱する第二の熱処理工程を行
うことになる。
【0053】このように、ガスバーナ3から発生する燃
焼ガスを直接に魚等の調理材料Tの表面に導くことによ
って、その前の段階で肉の内部は十分に加熱して煮えた
状態のものの、その表面に高温の燃焼ガス(あるいは高
温の空気)を短時間、例えば1分ないし1分半程度の短
時間、接触させることによって、その表面に焦げ目を付
けた焼き調理品とすることができる。
【0054】この調理材料の表面を燃焼ガス(あるいは
高温の空気)に直接接触させて焦がす第2の焼き処理工
程は調理上から重要な意味を持っている。例えばハンバ
ーグの場合は、肉が分厚いものであってもシャッター式
遠赤外線放射体4(更に遠赤外線放射体5の協動操作)
による多量の遠赤外線による加熱によって、肉の内部は
十分に煮えることができる。しかし、前記のようにその
表面は生肉ないし白っぽく変色した程度のものであり、
見た目には十分に焼き処理されたようには見えない場合
がある。
【0055】そこで前記のように遠赤外線放射体4、5
を構成するシャッター板4aを一斉に傾斜させてこれら
の間に空間S、S’を形成することによって、その空間
Sを導入口とし、また、空間S’を排出口として、ガス
バーナ3からの火焔や高温の燃焼ガス(あるいは高温の
空気)をハンバーグの表面に直接、短時間接触させるこ
とができ、それによって焼き調理品の表面を焦がすこと
ができ、歯ざわりを良好にできる。
【0056】前記表面を焦がす操作は、表面を炙って色
を付ける程度の操作であるから、ハンバーグの表面より
ジュースは殆ど漏出しておらず、しかも薄い表面の層の
部分に焦げ目が付き、その部分が程良く硬化している
が、全体は硬化しておらず、歯ざわりは柔らかいもので
ある。
【0057】本発明においては、ガスバーナ3の上方に
遠赤外線放射体4(5)を設けることが重要であるが、
また、この遠赤外線放射体4(5)はシャッター形式に
構成されており、前記のように焼き調理の途中で、ある
いは調理の終了時に、必要に応じて開閉できるものであ
ることが必要である。
【0058】図5は前記したシャッター式遠赤外線放射
体4、5の揺動機構の概略図、図6はシャッター板10
の一端を軸支10aし、他端10bを連結体11によっ
て連結してこの連結体11を押し引きすることによって
このシャッター板10を点線のように揺動させて相隣る
軸支10aの間を開口して間隙を形成するように構成し
ている。
【0059】また、図7は断面が三角形のシャッター板
12とし、下側の中央部を軸13で支持してこれを点線
のように回動させ、シャッター板12の間に間隙を形成
するように構成している。なお、この形式のものは下面
を利用して燃焼ガスを所定の方向に案内することができ
る。
【0060】図8はシャッター板13の軸14の部分に
突起14aを出し、この突起14aに温度によって所定
の形状を保持するように形状記憶合金からなるスプリン
グ15を設け、常温から調理材料である肉を煮る状態の
温度ではストッパー16によってシャッター板13が所
定の位置を保持するように矢印で示すように回動させて
停止させておき、例えば調理の最終段階で、通常の焼き
調理温度より火勢を強めた場合には、このスプリング1
5が伸びて図1から図3のように間隙S、S’を自動的
に形成するように構成したものである。なお、設計によ
っては各種の機構が考えられるが、形状記憶合金による
スプリング効果を利用して、所定の温度においてシャッ
ター板13を目的とするように開閉できる構成を採用す
るのが良い。
【0061】前記実施の形態においては短冊形のシャッ
ター板を回動あるいは揺動させるように支持したシャッ
ター式遠赤外線放射体4、5の例を示したが、必要に応
じてこの遠赤外線放射体4、5の間に間隙S、S’を形
成できる機能を持つ装置であれば、他の機構のもので
も、本発明の技術的思想の範囲内において利用すること
ができる。
【0062】また、本発明の熱源としては、熱量が大き
く、高温の熱を発生させることができる意味でガスバー
ナーを使用するのが好ましいが、高温の熱を発生させる
ものであれば、電熱式の加熱装置を使用することも可能
であり、この意味において本発明のガスバーナーは好ま
しい熱源を代表的に記載したものである。
【0063】
【発明の効果】本発明に係る焼き調理方法とその装置
は、熱源として高温の燃焼ガスあるいは高温の加熱空気
を発生するものを使用し、これの上方を覆うように遠赤
外線放射体を配置し、これの上方に調理材料を置いて加
熱するものであるが、この遠赤外線放射体を複数枚の放
射片(シャッター板)で形成し、この放射片を揺動ある
いは回動させてこれらの放射片の間に間隙を形成できる
ようにしており、調理の前段階において遠赤外線放射体
を閉止して第一の焼き処理工程を行ない、後段階で短時
間これを開口し、この間隙より前記高温の燃焼ガス等を
案内して調理材料を高温に加熱する第二の焼き処理工程
を行うように構成している。
【0064】従って、焼き調理の前段階においては遠赤
外線放射体を閉止して、約800〜1200℃の高温ガ
スが直接に調理材料に接触するのを防止しながら、この
遠赤外線放射体より遠赤外線を多量に放射して加熱する
ようにしている。従って、高温ガスが魚や肉等の調理材
料に直接に接触するのを避けながら、しかも高温ガスの
熱エネルギーが遠赤外線に変換され、その熱線の打ち込
み作用で効率的に内部まで焼く(煮る)ことができる。
【0065】この前段階の焼き調理においては、燃焼ガ
ス等の高温ガスが直接に接触しないことから、魚や肉等
は比較的低温(約200〜250℃)に保たれて焼かれ
ることにでる。そのために魚や肉等の内部のジュースが
漏出することを防ぎながら、焼き調理を行うことができ
る。
【0066】そして後段階の焼き調理において、遠赤外
線放射体を開口して高温ガスを導入してその調理材料の
表面に焼け焦げを付けて通常の焼き物調理と同様な外観
をした料理を完成することができる。
【0067】従来の焼き調理の場合、前記の如く例えば
ハンバーグの焼き調理においては材料の内部に肉汁(ジ
ュース)が約45%程度は漏出する欠点があったが、本
発明においては6〜7%程度で、殆んどジュースを保持
した状態で焼き調理することができる。
【0068】また、ハンバーグの材料を高温ガスに接触
させる時間は極めて短時間であるから、その表面の層が
熱分解したり劣化したり、あるいは脱水して固くなって
歯触りが悪化することがなく、美味なハンバーグ等の食
品を焼き調理することができるのである。
【0069】本発明の装置においては遠赤外線放射体の
開閉操作によって遠赤外線を主体とする加熱と、高温ガ
スを主体とする加熱とを適宜選択して利用することがで
きることから、分厚いハンバーグや肉塊であっても、内
部まで加熱して焼く(煮る)ことができるので、食中毒
等が発生しない料理を、外観と食感を損なうことなく提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る焼き調理装置の正断
面図である。
【図2】図1の側断面図である。
【図3】図1の焼き調理装置の操作状態を示す説明図で
ある。
【図4】図1の焼き調理装置のシャッター式放射片から
なる遠赤外線放射体を示す斜視図である。
【図5】図1の焼き調理装置の遠赤外線放射体の作用図
である。
【図6】他の形式の遠赤外線放射体の説明図である。
【図7】他の形式の遠赤外線放射体の説明図である。
【図8】形状記憶合金を使用して作動するようにした遠
赤外線放射体の説明図である。
【符号の説明】
1 焼き調理装置 2 炉本体 2a 突起部
3 ガスバーナ 4,5 シャッター式遠赤外線放射体 4a 放射片
(シャッター板) 4b,4c 軸 4d クランク部 6 支持体 7 支持部材 8 蓋体 9 連結体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清川 太郎 埼玉県草加市弁天町402番地 (56)参考文献 特開 昭57−70325(JP,A) 特開 平4−225726(JP,A) 特開 平9−159187(JP,A) 特開 平9−273753(JP,A) 実開 平2−48034(JP,U) 実開 昭63−2009(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47J 37/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発熱体の上方にこの発熱体から発生した
    高温ガスの上昇を遮って加熱される遠赤外線放射体を配
    置し、この遠赤外線放射体の上方で調理材料を支持して
    前記遠赤外線放射体から放射される遠赤外線を利用して
    第一の焼き処理工程を行ない、その後、前記遠赤外線放
    射体に間隙を形成してこの間隙を介して高温ガスを案内
    して前記第一の焼き処理を終わった調理材料の表面部分
    を焦がす第二の焼き処理工程を行うことを特徴とする焼
    き調理方法。
  2. 【請求項2】 高温ガスを発生する発熱体の上方に、前
    記高温ガスの上昇を遮って加熱される遠赤外線放射体を
    配置し、この遠赤外線放射体の上方に調理材料を置いて
    この調理材料に焼き処理を行う装置において、 前記遠赤外線放射体を複数枚の放射片により、これらの
    放射片の間に間隙を形成可能に構成し、前記放射片を移
    動させて形成された間隙より高温ガスを調理材料側に案
    内したり、あるいはこの間隙を閉止して調理材料に高温
    ガスが直接に接触するのを防止するように構成した焼き
    調理装置。
  3. 【請求項3】 前記放射片は、小片のシャッター板であ
    ってその上端あるいは中間部を回転軸として揺動あるい
    は回動するように支持した請求項2記載の焼き調理装
    置。
  4. 【請求項4】 前記放射片は金属板で形成され、その表
    面に調理材料に吸収され易い波長の遠赤外線を放射する
    セラミックスの溶射層を形成した請求項2記載の焼き調
    理装置。
  5. 【請求項5】 前記放射片の支持軸に形状記憶合金のス
    プリングを作用させ、所定の温度にこのスプリングが加
    熱されると、温度によって記憶された形状の変化に伴な
    って弾性力が変化して前記放射片を回動させ、この放射
    片の間に高温ガスが通過する間隙を開口するように構成
    した請求項2記載の焼き調理装置。
JP37433498A 1998-12-28 1998-12-28 焼き調理方法とその装置 Expired - Fee Related JP3463794B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37433498A JP3463794B2 (ja) 1998-12-28 1998-12-28 焼き調理方法とその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP37433498A JP3463794B2 (ja) 1998-12-28 1998-12-28 焼き調理方法とその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000189324A JP2000189324A (ja) 2000-07-11
JP3463794B2 true JP3463794B2 (ja) 2003-11-05

Family

ID=18503675

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP37433498A Expired - Fee Related JP3463794B2 (ja) 1998-12-28 1998-12-28 焼き調理方法とその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3463794B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5770325A (en) * 1980-10-16 1982-04-30 Sanyo Electric Co Ltd Heating cooker
JPH0216161Y2 (ja) * 1986-06-20 1990-05-02
JPH0440603Y2 (ja) * 1988-09-29 1992-09-24
KR910020385A (ko) * 1990-05-25 1991-12-20 강진구 가스식 조리기
JP3767932B2 (ja) * 1995-12-12 2006-04-19 株式会社細田電機 食材用焙焼装置
JPH09273753A (ja) * 1996-04-08 1997-10-21 Hosoda Denki:Kk 食材用焙焼装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000189324A (ja) 2000-07-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5380986A (en) Multi-purpose electric fast cooking apparatus
US3938495A (en) Grilling apparatus with supporting surface
KR100896318B1 (ko) 다용도 조리기구
KR200371963Y1 (ko) 조리기구판
KR200410913Y1 (ko) 양면 구이가 가능한 할로겐 히터가 구비된 바베큐 구이기
JP3463794B2 (ja) 焼き調理方法とその装置
JP4179252B2 (ja) 組込式誘導加熱調理器
JP2008079888A (ja) 焼き上げ装置
JPH0361457A (ja) 食品の加熱調理方法、加熱調理装置及び加熱調理用プレート
JP2006087854A (ja) オーブン機能を備えた引き出し付きバーベキュウ用コンロ
JP3712336B2 (ja) 焼き調理装置
KR101202937B1 (ko) 차단판이 구비된 바비큐구이기
KR200393095Y1 (ko) 음식물 구이장치
JP3777328B2 (ja) 竪型焼き調理装置
KR200166371Y1 (ko) 구이기
KR200415465Y1 (ko) 고기 구이장치
JPH0690677A (ja) 過熱水蒸気による食物の調理方法及び其の装置
KR20070046048A (ko) 원적외선복사열을 이용한 순간 고온 고기구이기
KR100419982B1 (ko) 조리기구판
KR100733270B1 (ko) 고기 구이장치.
KR200330969Y1 (ko) 원적외선 구이기
KR100565123B1 (ko) 간접가열식 은근이 조리기구
JP2011045465A (ja) コンロ及びコンロ用の加熱装置
KR100840297B1 (ko) 직화열과 복사열을 이용한 육류 구이방법
KR200287489Y1 (ko) 구이용 화덕

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080822

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090822

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100822

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees